JP2006210031A - 捲回型蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 捲回型蓄電装置(密閉型電池)100は、正極板131と負極板141とをセパレータ151を介して積層し捲回してなる捲回型電極体130を備える。正極板131は、その長手方向に列設された複数の正極透孔136を有し、負極板141は、その長手方向に列設された複数の負極透孔146を有する。そして、正極透孔136と負極透孔146がセパレータ151を介して互いに重なり合うことによって、電極体内部から外周まで通じる通気路130Hが構成されている。
【選択図】 図1
Description
即ち、特許文献1に開示された捲回型電池は、正極板に、その幅方向に延び、幅方向側端に至る凹溝部を設けている(特許文献1の特許請求の範囲等を参照)。このような凹溝部を設けることで、捲回型電極体内で発生したガスは、この凹溝部を通気路として捲回型電極体の幅方向(軸線方向)に流れ、捲回型電極体外へ案内されるため、ガス抜けが良好になる。
特許文献3に開示された捲回型電池は、セパレータとして、複数のセパレータを部分的に積層したものを利用している(特許文献3の特許請求の範囲等を参照)。このようなセパレータは、セパレータの枚数が変わる部分に段差ができるので、捲回型電極体を構成したときにこの段差によってセパレータと極板との間に隙間ができる。このため、捲回型電極体内で発生したガスは、この隙間を通じて外部へ逃げやすくなる。
上述したように、捲回型蓄電装置においては、捲回型電極体内で発生したガスを効率よくその外部へ排出させることが重要な課題である。従って、更にガス抜けを向上させた捲回型蓄電装置の開発が望まれる。
これに対し、本発明の捲回型蓄電装置が有する捲回型電極体は、正極板等の厚さ方向に正極透孔と負極透孔の少なくとも一部がセパレータを介して互いに重なり合うことによって構成され、電極体内部から外周まで通じる通気路を備える。このような捲回型電極体では、電極体内で発生したガスが、正極透孔及び負極透孔等によって構成された通気路を通じて、電極体の内部から外周に向かって流れ、速やかに電極体外部へ排出される。このため、ガス発生に伴う捲回型電極体の膨張を従来よりも効果的に抑制できる。
なお、「捲回型蓄電装置」は、上記要件を満たす捲回型電極体を有するものであればよく、例えば、捲回型電極体を有する捲回型電池やコンデンサなどが挙げられる。
これに対し、本発明では、捲回型電極体は、その内部から外部に通じる通気路を構成する正極透孔及び負極透孔を軸線方向中央に有する。このため、最も排出されにくい軸線方向中央付近で発生したガスが通気路を通じて速やかに排出される。従って、捲回型電極体の膨張をより効果的に抑制できる。
これに対し、本発明では、正極板は正極未塗工部を有し、この部分に正極透孔が形成され、また、負極板は負極未塗工部を有し、この部分に負極透孔が形成されている。このため、正極透孔や負極透孔を形成する際に電極材料が剥がれるなどの不具合が生じることを防止できる。
これに対し、本発明では、セパレータは、他の部分よりも通気性が高いセパレータ通気部を有する。そして、通気路は、このセパレータ通気部を介して、正極透孔と負極透孔の少なくとも一部が互いに重なり合うことによって構成されている。このため、捲回型電極体内で発生したガスは、通気性が高くされたセパレータ通気部を通るため、より速やかに外周に排出される。
これに対し、本発明では、セパレータ通気部は、空孔率を他の部分よりも大きくした空孔率調整通気部としている。このように空孔率を調整してセパレータ通気部を形成することで、正極板と負極板との絶縁距離を確保して内部短絡を確実に防止できる。
これに対し、本発明では、安全弁が、容器のうち、通気路の外周出口と対向する位置に配置されている。このため、電極体内部で発生し、捲回型電極体の外周まで排出されたガスは、対向する位置に配置された安全弁を通じて、確実に捲回型蓄電装置の外部へ排出される。従って、容器の膨張をより確実に抑制できる。
また、蓋体113の所定位置には、正極端子161と負極端子163がそれぞれ固設されている。正極端子161は、電池内部において、正極リード162等を介して、後述する捲回型電極体130の正極板131と電気的に接続する一方、電池外部に露出し、外部との電気的接続に利用される。また、負極端子163は、電池内部において、負極リード164等を介して、後述する捲回型電極体130の負極板141と電気的に接続する一方、電池外部に露出し、外部との電気的接続に利用される。
この捲回型電極体130は、長尺状の正極板131と長尺状の負極板141とを通気性を有する長尺状のセパレータ151を介して積層し、これを25ターン扁平状に捲回することにより形成されている(図2,図4等参照)。捲回型電極体130の軸線方向の一端には、正極リード162と電気的に接続するために、正極板131の一部が突出している(図1,図2等参照)。また、捲回型電極体130の軸線方向の他端には、負極リード部164と電気的に接続するために、負極板141の一部が突出している(図1,図2等参照)。
この捲回型電極体130においては、正極透孔136と負極透孔146がセパレータ151のセパレータ通気部152を介して互いに重なり合うことで、捲回型電極体130の内部から外周まで通じる通気路130Hが複数形成されている(図2,図4等参照)。前述したように、従来の捲回型電極体は、その軸線方向(図2中、左右方向に相当する方向)に延びる通気路しか持たなかったため、捲回型電極体130の内部で発生したガスが、速やかにその外部へ排出されないことがあった。しかし、本実施形態に係る捲回型電極体130は、上記のように、電極体内部から外周まで通じる通気路130Hを複数有する。このため、捲回型電極体130内で発生したガスが、各々の通気路130Hを通じて、電極体内部から外周に向かって流れ、速やかに電極体外周まで排出される。
このように、本実施形態の密閉型電池100では、上記通気路130Hを設けることで、ガス発生に伴う捲回型電極体130の膨張を従来よりも効果的に抑制できる。
まず、正極板131を作製する。具体的には、アルミニウム箔からなる金属箔正極集電体132の表面の所定位置に、正極電極材料を含む正極用ペーストを塗布した後、公知の手法により、ロール圧縮や加熱処理等を行って、前述した正極塗工部133、端部正極未塗工部134及び中央正極未塗工部(正極未塗工部)135を形成する。
その後、パンチングにより、中央負極未塗工部145の所定位置に前述した負極透孔146を形成する。この場合も、中央負極未塗工部145に負極透孔146を形成しているため、負極電極材料が剥がれるなどの不具合が生じることを防止できる。
本発明の効果を検証するために、上記実施形態に係る密閉型電池100を用意した。これを実施例1の密閉型電池とする。また、セパレータ151にセパレータ通気部152を有しないセパレータ(全面にわたって空孔率が同じセパレータ)を用いて、それ以外は上記実施例1の密閉型電池100と同様な密閉型電池も用意した。これを実施例2の密閉型電池とする。また、比較例として、正極透孔136を有しない正極板と、負極透孔146を有しない負極板と、セパレータ通気部152を有しないセパレータとを用いて、それ以外は上記実施例1,2の密閉型電池100等と同様な密閉型電池も用意した。
このことから、捲回型電極体130等にその内部から外周まで繋がる通気路130H等を設けることにより、電極体内で発生したガスが速やかに電極体外部に排出され、捲回型電極体130等の膨張が抑制されると言える。更に、通気路130Hにセパレータ通気部152を配置することにより、電極体内で発生したガスがより速やかに電極体外部に排出され、捲回型電極体130の膨張がより効果的に抑制されると言える。
例えば、上記実施形態では、セパレータ151に長手方向に連続する帯状のセパレータ通気部152を形成している。しかし、セパレータ通気部152は、正極板131の正極透孔136や負極板141の負極透孔146のように、長手方向に複数列設することもできる。このようなセパレータ通気部でも、通気路130Hのガス通気性を良好にできる。
110 電池容器(容器)
120 安全弁
130 捲回型電極体
130H 通気路
130HD 外周出口
131 正極板
133 正極塗工部
134 端部正極未塗工部
135 中央正極未塗工部(正極未塗工部)
136 正極透孔
141 負極板
143 負極塗工部
144 端部負極未塗工部
145 中央負極未塗工部(負極未塗工部)
146 負極透孔
151 セパレータ
152 セパレータ通気部(空孔率調整通気部)
153 他の部分(側部)
Claims (7)
- 長尺状の正極板と長尺状の負極板とを長尺状で通気性を有するセパレータを介して積層し捲回してなる捲回型電極体を備える捲回型蓄電装置であって、
前記正極板は、その長手方向に列設された複数の正極透孔を有し、
前記負極板は、その長手方向に列設された複数の負極透孔を有し、
前記捲回型電極体は、前記正極板、前記負極板及び前記セパレータの厚さ方向に、前記正極透孔と前記負極透孔の少なくとも一部が前記セパレータを介して互いに重なり合うことによって構成され、捲回型電極体の内部から外周まで通じる通気路を備える
捲回型蓄電装置。 - 請求項1に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記正極板は、各々の前記正極透孔の前記長手方向の寸法が、互いに隣り合う前記正極透孔同士の間隙よりも大きくされてなり、
前記負極板は、各々の前記負極透孔の前記長手方向の寸法が、互いに隣り合う前記負極透孔同士の間隙よりも大きくされてなる
捲回型蓄電装置。 - 請求項1または請求項2に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記捲回型電極体は、前記正極透孔及び前記負極透孔を、それぞれ自身の軸線方向中央に有する
捲回型蓄電装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記正極板は、正極電極材料が塗工された正極塗工部と、前記正極電極材料が塗工されていない正極未塗工部とを有し、
前記正極透孔は、ぞれぞれ前記正極未塗工部に形成されてなり、
前記負極板は、負極電極材料が塗工された負極塗工部と、前記負極電極材料が塗工されていない負極未塗工部とを有し、
前記負極透孔は、ぞれぞれ前記負極未塗工部に形成されてなる
捲回型蓄電装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記セパレータは、その長手方向に連続しまたは列設され、他の部分よりも通気性が高いセパレータ通気部を有し、
前記通気路は、前記セパレータのうち前記セパレータ通気部を介して、前記厚さ方向に前記正極透孔と前記負極透孔の少なくとも一部が互いに重なり合うことによって構成されてなる
捲回型蓄電装置。 - 請求項5に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記セパレータ通気部は、空孔率を前記他の部分よりも大きくしてなる空孔率調整通気部である
捲回型蓄電装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の捲回型蓄電装置であって、
前記捲回型電極体を収容する容器と、
前記容器に設けられた安全弁と、を備え、
前記安全弁は、前記容器のうち、前記通気路の外周出口と対向する位置に配置されてなる
捲回型蓄電装置。
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