JP2017041152A - 無人搬送システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】路面に敷設された誘導ラインと、前記誘導ラインに設けられた認識マークと、前記誘導ラインおよび前記認識マークの画像を取得する撮像部と、前記画像を解析する制御部とを備え、前記誘導ラインに沿って走行する無人搬送車と、を有し、前記認識マークは、範囲検出パターンと、前記範囲検出パターンの内側に形成された固有パターンとを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、撮像部で取得したマークの認識精度を向上させることを目的とする。
図1において、無人搬送システム100は、無人搬送車110と、認識ラベルシール120と、誘導ライン130とにより構成されている。
無人搬送車110は、差動二輪型の駆動方式を採用し、誘導ライン130に沿って走行するものであり、撮像部111と、複数のホイール112と、駆動部113と、副制御部114と、制御部115と、記憶部116とを有している。
駆動部113は、差動二輪型の駆動方式であるため、図中矢印Aが示す進行方向に対して左右2つのモータと、モータの回転駆動をホイール112に伝達する2つの伝達部と、モータを駆動するための2つのドライバとを有している。
制御部115は、例えば制御手段および記憶手段を有するパーソナルコンピュータ(PC)等であり、撮像部111から送られた画像データを解析する画像処理や副制御部114への駆動命令信号の伝達を行うとともに、オペレータからの命令の入力を行うものである。また、制御部115は、無人搬送システム100の無人搬送運行に必要な各種データの記憶も行う。
テンプレート画像117は、撮像部111で撮影した画像との照合を行うための複数の画像である。それぞれのテンプレート画像117には、無人搬送車110に対する進行方向等の各種命令が対応付けられて記憶部116に記憶されている。
誘導ライン130は、無人搬送車110の走行経路の路面に敷設されたものであり、無人搬送車110を誘導するものである。
無人搬送車110は、撮像部111で撮影した誘導ライン130の画像を制御部115により画像認識し、副制御部114により誘導ライン130の位置に基づいて各車輪の操舵角をフィードバック制御して走行を行う。
認識ラベルシール120は、図2に示すように、誘導ライン130の延伸方向に直交する方向の幅WS、誘導ライン130の延伸方向の高さHSの矩形で表され、粘着性のラベルシール121の表面に印刷された範囲検出パターン122と、固有パターン123とにより構成された認識マーク124を有している。なお、範囲検出パターン122と固有パターン123とを合わせて認識マーク124と呼ぶこととする。
範囲検出パターン122は、誘導ライン130の延伸方向に直交する方向の幅WT、誘導ライン130の延伸方向の高さHTであり、幅DTの四角形の枠122aで形成されている。枠122aの色は、誘導ライン130と異なる色であることが望ましい。
また、図23(a)、(b)に示すように、固有パターン123とラベルシール121との間の領域の図中上下のいずれかに文字等を入れることも可能である。このとき認識ラベルシール120の高さHSを大きくすると良い。
まず、無人搬送システムが行う動作の概要を図1に基づいて説明する。
無人搬送車110の制御部115に駆動命令を入力すると、制御部115は、副制御部114へ駆動命令信号を送信する。副制御部114は、受信した駆動命令信号に応じた駆動信号を駆動部113へ送る。駆動部113は、受けた駆動信号に基づいて2つのモータをそれぞれ所定の回転数で回転させて複数のホイール112を回転させ、無人搬送車110を走行させる。
制御部115は、転送された画像データの画像処理を行う。
図3において、画像データ160は、幅WCp、高さHCpで構成されている。画像データ160の幅WCp、高さHCpは、それぞれ図1に示す撮影範囲140の幅WC、高さHCに相当する。例えば、画像データ160がVGAである場合、(WCp、HCp)=(640[px]、480[px])である。
ライン検出範囲161は、原点163を基準として幅WLsp=WCp*0.9[px]とし、高さHLsp=HCp*0.3[px]とする。また、ライン検出範囲161の高さ方向の中心位置YLsp=0.7*HCp[px]とする。
画像データの画像処理は、誘導ライン130を認識しながら走行するライン追跡走行処理および認識マーク124を認識するマーク認識処理で構成されている。以下に、ライン追跡走行処理およびマーク認識処理を説明する。
S101:無人搬送車110の制御部115は、準備を行う。制御部115は、各機能を起動し、入力された命令に応じた目的地までの走行を開始する。
S103:制御部115は、ライン検出処理から返される情報に基づいて誘導ライン130の有無を判定し、誘導ライン130が有ると判定すると処理をS104へ移行し、誘導ライン130が無いと判定すると処理をS107へ移行する。
S105:制御部115は、ライン追跡制御値演算処理で得られた回転速度でホイール112を駆動するように副制御部114に指示する。副制御部114は、制御部115からの指示に従って駆動部113を制御して左右のホイール112を駆動するライン追跡駆動処理を行う。
S107:一方、S103において、誘導ライン130が無いと判定した制御部115は、走行動作を停止するラインロスト処理を行い、本処理を終了する。
S201:制御部115は、撮像部111が撮影した画像を取得する。制御部115は、撮像部111から撮影された画像を画像データ160として取得する。
S202:制御部115は、取得した画像データ160においてライン検出範囲161を指定するライン検索範囲指定を行う。
S204:制御部115は、ライン検出範囲161において誘導ライン130の候補を検出するライン候補検出処理を行う。このライン候補検出処理は、例えば公知のラベリング処理であり、連続した白色領域がラベリングされる。ライン候補検出処理により、連続した白色の領域で形成されるライン候補が検出される。ライン候補のそれぞれにおいての面積SL、重心CL、外接矩形情報、外接矩形に対する傾きCdegが演算によって求められる。これらの求められた情報をライン候補情報という。
なお、制御部115は、選定したライン候補情報が2個以上ある場合、制御部115に記憶されている命令に応じて指定された方向のライン候補情報をライン情報とする。また、ライン候補情報が0個の場合は、そのまま処理をS206へ移行する。
S207:選定したライン候補情報が0個と判定した制御部115は、繰り返し回数や繰り返し時間等の再実行の指標が設定値内であるか否かの終了判定を行い、終了であると判定するとライン無を戻り値として画像処理にリターンし、終了でないと判定すると処理をS201へ移行して処理を継続する。
S301:制御部115は、撮像部111が撮影した画像を取得する。制御部115は、撮像部111から撮影された画像を画像データ160として取得する。
S302:制御部115は、画像データ160から認識マーク124の範囲検出パターン122を探索し、固有パターン123を検出する認識マーク検出処理を行う。なお、認識マーク検出処理の詳細は後述する。
S304:制御部115は、検出した認識マーク124の固有パターン123と、テンプレート画像117とを照合し、固有パターン123にあらかじめ設定された命令を呼び出すマーク照合処理を行う。なお、マーク照合処理の詳細は後述する。
S306:制御部115は、マーク照合処理で呼び出された命令に応じた動作を行うマーク命令駆動処理を行い、本処理を終了する。
S401:制御部115は、画像データ160のマーク検出範囲162を指定するマーク検索範囲指定を行う。このように、誘導ライン130の情報に基づいてマーク検出範囲162を指定するようにしたことにより、制御部115の処理時間を短縮させることができる。
制御部115は、幅WTpおよび高さHTpと検出された形状との条件照合を行い、範囲検出パターン122の検出を行う。なお、本実施例では、範囲検出パターン122の形状を四角形として説明するが、三角形や五角形などの多角形、または円形としても良い。
例えば、範囲検出パターン122の形状が四角形の場合、一辺が欠けている場合や一頂点が欠けている場合であっても3辺または3頂点を特定することができれば範囲検出パターン122を検出することができる。
なお、制御部115は、閾値処理を行う前に、微分処理により画像データ160から勾配を検出する処理を行うことができる。微分処理を行った場合、閾値処理の画像データ160の反転は不要となる。この微分処理として、例えばソーベルフィルタ処理やラプラシアンフィルタ処理を行うことができる。
S501:制御部115は、図7に示す認識マーク検出処理で検出した範囲検出パターン122の情報に基づいてマーク検出範囲162を指定する固有パターン検索範囲指定を行う。制御部115は、例えば検出した範囲検出パターン122の外接矩形をそのままマーク検出範囲162とすることができる。
本実施例では、照合処理に、公知のテンプレートマッチングアルゴリズムを用いるものとする。テンプレートマッチングアルゴリズムは、例えばゼロ平均正規化相互相関マッチング(ZNCC:Zero−means Normalized Cross−Correlation)を用いることができる。
このように、本実施例では、固有パターン123とテンプレート画像117とを照合する照合処理で出力された類似度を指標として固有パターン123とテンプレート画像117との照合を行うようにしているため、無人搬送車110の走行による外乱により、撮像部111で撮影した画像データがぶれた場合であっても固有パターン123とテンプレート画像117との照合を行うができる。
さらに、制御部115は、範囲検出パターン122を検出した後に、固有パターン123とテンプレート画像117とを照合するようにしたことにより、範囲検出パターン122を検出するまでは固有パターン123とテンプレート画像117との照合処理を行わないので、照合処理を行う回数を減らすことができる。
ここで、テンプレート画像117について図1を参照しながら説明する。
テンプレート画像117は、誘導ライン130上に複数の認識ラベルシール120を形成した走行経路を作成した後、実際の走行速度で無人搬送車110を、誘導ライン130を追跡走行させながら、撮像部111で撮影した画像を制御部115の記憶部116に記憶したものである。
走行経路の複雑な交差や分岐において直進を行う場合、所定のテンプレート画像117に直進命令を割り当てることもできる。直進命令が反映された後、例えば指定時間内は誘導ライン130の追跡を停止し、モータ制御による直進走行を行うこともできる。また、加速命令、減速命令、停止命令を指定することもできる。
また、誘導ライン130は、粘着性のラインテープであるため、貼り換えが容易であり、無人搬送車110の経路の変更に柔軟に対応することができる。
以上説明したように、第1の実施例では、撮像部で取得した認識マークの画像データと、テンプレート画像とを照合処理し、その照合処理で算出されたテンプレート画像との類似度に基づいて認識マークを認識するようにしたことにより、認識マークの認識精度を向上させることができるという効果が得られる。
なお、第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
制御部115が行う照合処理を図9の第2の実施例における認識マークおよびテンプレートの構成を示す説明図に基づいて図1および図2を参照しながら説明する。
制御部115は、図8に示すS502の照合処理において、固有パターン123の画像およびテンプレート画像117を4分割して照合処理を行う。
図9(b)は、4分割したテンプレート画像117の画像であり、図中左右の幅方向における中心線と、上下の高さ方向における中心線でテンプレート画像117の画像を第1テンプレート画像117a、第2テンプレート画像117b、第3テンプレート画像117c、および第4テンプレート画像117dに4分割したものである。
制御部115は、取得した分割類似度のうち最も大きい類似度を当該テンプレート画像の類似度とし、また取得した分割座標から最大類似度の固有パターンの中心座標を演算する。
制御部115は、取得した分割類似度のうち最も大きい類似度を当該テンプレート画像の類似度として判定するため、固有パターン123に汚れや欠けがあった場合でも、全体の類似度を低下させることがないため、誤認識をより少なくすることができる。
また、制御部115は、1回の固有パターン123の画像とテンプレート画像117との照合処理において算出される4つの分割類似度に対して閾値を設け、分割類似度が閾値より低下した場合、出力部に警告を表示または音声出力することにより、固有パターン123の汚れが生じたことを報知することができる。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、取得した分割類似度のうち最も大きい類似度を当該テンプレート画像の類似度とするため、固有パターンに汚れや欠けがあった場合でも、全体の類似度を低下させることがないため、高い固有パターンの認識率を保つことができるという効果が得られる。
図10は第3の実施例における認識マークの範囲検出パターンの形状を示す説明図である。
図10(a)は、認識マーク124aの範囲検出パターン122aの形状を三角形とし、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向に一つの頂点を配置するようにしている。
このように、本実施例では、認識マークの範囲検出パターンの形状を奇数の多角形とし、無人搬送車の進行方向に一つの頂点を配置するようにしている。
図1に示す無人搬送車110の制御部115は、図7に示す認識マーク検出処理のS402の範囲検出パターン検出処理において、範囲検出パターンの形状を検出し、検出された多角形の形状の条件の照合を行って範囲検出パターンの検出を行う。
このとき、制御部115は、範囲検出パターンの頂点の位置を検出することにより、範囲検出パターンを検出する段階で進行方向を取得することができる。
したがって、制御部115は、範囲検出パターンの検出を行うことにより、照合処理を行っていなくても、進行方向を取得することができる。
このように制御部115は、奇数の多角形の範囲検出パターンに囲まれた固有パターンとテンプレート画像を照合することにより、図中矢印Aが示す進行方向と逆方向に配置された場合の固有パターンとテンプレート画像の類似度を低くすることができ、固有パターンとテンプレート画像との誤認識の発生を抑制することができる。
以上説明したように、第3の実施例では、第1の実施例の効果に加え、範囲検出パターンの検出処理において範囲検出パターンの頂点の位置を検出することにより、照合処理を行っていなくても、進行方向を取得することができるという効果が得られる。
本実施例の認識マークの構成を図11の第4の実施例における認識マークの構成を示す説明図に基づいて説明する。なお、本実施例では、誘導ライン130は白色粘着テープとした例で説明する。
それぞれの分割固有パターンとしての第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、第3分割固有パターン1231c、第4分割固有パターン1231dは、例えば図形、文字、数字、写真、イラスト等で良い。
範囲検出パターン1222は、誘導ライン130とのコントラストの差が大きくなる色を基本として構成されている。本実施例では、誘導ライン130が白色であるため、範囲検出パターン1222は黒色を基本とする。
また、第1の実施例と同様に、複合固有パターン1231とラベルシール121との間の領域の上下のいずれかに文字等をいれることも可能である。このとき認識ラベルシール120の高さHSを大きくすると良い。
図12において、認識マーク1241は、第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、第3分割固有パターン1231c、第4分割固有パターン1231dに、数字や文字を用いた例を示している。認識マーク1241の範囲検出パターン(図11に示す範囲検出パターン1222)は黒色であるため、第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、第3分割固有パターン1231c、第4分割固有パターン1231dの文字や数字の色は白色の塗りつぶしとした。
上述した構成の作用について説明する。
なお、無人搬送システムが行う動作の概要は第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
図13において、画像データ160は、幅WCp、高さHCpで構成されている。画像データ160の幅WCp、高さHCpは、それぞれ図1に示す撮影範囲140の幅WC、高さHCに相当する。例えば、画像データ160がVGAである場合、(WCp、HCp)=(640[px]、480[px])である。
また、マーク検出範囲162は、ライン情報が決定されていない場合、例えば幅WMsp=WLp*2[px]とし、高さHMsp=HCp*0.7[px]とし、またマーク検出範囲162の幅方向の中心位置XMs=WCp*0.5[px]とし、マーク検出範囲162の高さ方向の中心位置YMs=HCp*0.3[px]とすることができる。
無人搬送車110の制御部115が行うマーク認識処理を図14の第4の実施例におけるマーク認識処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1、図11および図13を参照しながら説明する。
S602:制御部115は、画像データ160から認識マーク1241の範囲検出パターン1222を探索し、複合固有パターン1231を検出する認識マーク検出処理を行う。なお、認識マーク検出処理の詳細は後述する。
S603:制御部115は、認識マーク検出処理で認識マーク1241の複合固有パターン1231が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定すると処理S604へ移行し、検出されなかったと判定すると処理をS601へ戻す。
S605:制御部115は、マーク分割照合処理で呼び出された命令があるか否かを判定し、命令があると判定すると処理をS606へ移行し、命令がないと判定すると処理をS601へ戻す。
次に、制御部115が行う認識マーク検出処理を図15の第4の実施例における認識マーク検出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1、図11および図13を参照しながら説明する。この認識マーク検出処理は図14のS602において実行される処理である。
S702:制御部115は、指定したマーク検出範囲162内で範囲検出パターン1222の検出を行う。制御部115は、例えば画像データ160に閾値処理を施し、画像データ160の反転処理を行い、範囲検出パターン1222の部分を白色にする。制御部115は、この白色の部分をラベリング処理などで検出し、検出された外接矩形(形状)の条件の照合を行う。この条件は、例えば範囲検出パターン1222の幅、高さのサイズとすることができる。
制御部115は、幅WTpおよび高さHTpと検出された形状との条件照合を行い、範囲検出パターン1222の検出を行う。
S703:制御部115は、範囲検出パターン1222が検出できたか否か、すなわち認識マーク1241の有無を判定し、認識マーク1241が有ると判定すると範囲検出パターン1222の情報を記憶部116に記憶し、戻り値をマーク有としてマーク認識処理にリターンし、認識マーク1241が無いと判定すると戻り値をマーク無しとしてマーク認識処理にリターンする。
S801:制御部115は、図14に示す認識マーク検出処理で検出した範囲検出パターン1222の情報に基づいてマーク検出範囲162を指定する複合固有パターン照合範囲指定を行う。制御部115は、例えば検出した範囲検出パターン1222の外接矩形をそのままマーク検出範囲162とすることができる。
制御部115は、複合固有パターン1231の範囲を上下左右均等に4分割し、それぞれの分割された範囲を分割固有パターン照合範囲とする。また、分割された左上の範囲を第1分割固有パターン照合範囲、分割された左下の範囲を第2分割固有パターン照合範囲、分割された右下の範囲を第3分割固有パターン照合範囲、分割された右上の範囲を第4分割固有パターン照合範囲とする。
例えば、図12に示す認識マーク1241のように、それぞれの分割テンプレート画像に文字情報を割り当ている場合、第1分割照合結果の情報は「A」、第2分割照合結果の情報は「1」、第3分割照合結果の情報は「2」、第4分割照合結果の情報は「3」となり、複合固有情報は「A123」となる。
ここで、分割テンプレート画像について図1を参照しながら説明する。
分割テンプレート画像は、必要な分割固有パターンを有する認識ラベルシール120を誘導ライン130上に形成して走行経路を作成した後、実際の走行速度で無人搬送車110を、誘導ライン130を追跡走行させながら、撮像部111で撮影した画像をそれぞれの領域に分割し、制御部115の記憶部116に記憶したものである。
例えば、経路分岐を行う場合、所定の複合固有パターン1231に対応する各分割テンプレート画像に分岐方向を指示する分岐方向命令を割り当てることにより、図4に示すライン追跡走行処理でテンプレート画像が指示する方向に経路分岐を行うことができる。
制御部115は、検出した認識マーク1241の複合固有パターン1231と、分割テンプレート画像とを照合し、分割テンプレート画像に対応付けられた命令を呼び出すようにしたことにより、使用することができる認識マーク1241の種類を増やすことができる。したがって、制御部115は、認識マーク1241に基づいてマーク照合処理で呼び出される様々な命令を実行することができる。
また、分割固有パターンに割り当てる情報をN個とした場合、分割固有パターンはNの4分の1乗個となり、認識マーク1241に作成が容易になる。
また、制御部115は、複合固有パターン検索範囲指定を行った後、それぞれの分割固有パターン照合範囲において、分割テンプレート画像と、分割固有パターンを含む画像データとを照合演算処理するようにしたことにより、照合演算処理を並行して高速に行うことが可能になる。
また、本実施例では、図12に示すように、認識マーク1241の第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、第3分割固有パターン1231c、第4分割固有パターン1231dに、すべて異なる数字や文字を用いた例としたが、変形例として同一の数字や文字を用いることもできる。
すべての分割固有パターンが正常に分割照合できた場合、分割照合結果は「A1A1」となり、複合固有情報を「A1」とする。
このように、認識マーク1241の分割固有パターンに同一の数字や文字を用いることにより、一部の分割固有パターンが正常に分割照合できなかった場合であっても、複合固有情報を正しく得ることができる。また、類似度が低下した分割固有パターンに異常があることを報知することができる。
また、分割固有パターンに同一の数字や文字を用いることにより、一部の分割固有パターンが正常に分割照合できなかった場合であっても、複合固有情報を正しく得ることができるという効果が得られる。
本実施例の認識マークの構成を図17の第5の実施例における認識マークの例を示す説明図に基づいて説明する。
すなわち、範囲検出パターン1222は、第4分割固有パターン1231dと一体に形成され、第4分割固有パターン1231dの背景部が第1の色(白色)で形成され、他の第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、および第3分割固有パターン1231cの背景部が第1の色(白色)とコントラストの差が大きい第2の色(黒色)で形成されている。
上述した構成の作用について説明する。
本実施例では、無人搬送車の進行方向から認識マーク1242を撮影した場合と、進行方向の逆方向から認識マーク1242を撮影した場合とでは、認識マーク1242の配色を非対称としたことにより、進行方向が異なる場合の認識マーク1242の誤認識を防止することができる。
また、本実施例では、第4分割固有パターン1231dの色を反転させるようにしたが、それに限られることなく、第1分割固有パターン1231a、第2分割固有パターン1231b、第3分割固有パターン1231cのいずれかの色を反転させるようにしても良い。
以上説明したように、第5の実施例では、第1の実施例および第4に実施例の効果に加え、認識マークの配色を非対称としたことにより、無人搬送車の進行方向が異なる場合の認識マークの誤認識を防止することができるという効果が得られる。
本実施例の認識マークの構成を図18の第6の実施例における認識マークの構成を示す説明図に基づいて説明する。なお、本実施例では、誘導ライン130は白色粘着テープとした例で説明する。
図18において、認識ラベルシール120は、誘導ライン130上に張り付けられ、位置情報等を表す固有情報を有するものである。
ラベルシール121の表面の色は、誘導ライン130と同色が望ましい。
また、範囲検出パターン1223の内部には、固有パターン1233が配置され、その固有パターン1233を除いた領域が、本実施例の範囲検出パターン1223となる。
固有パターン1233の誘導ライン130の延伸方向における両側の背景パターン1223bの幅(枠1223aと固有パターン1233との間隔)は、図中左側が幅WLT、右側が幅WRTとしている。
固有パターン1233は、幅WU、高さHUであり、識別可能なパターンを有している。固有パターン1233は、例えば図形、文字、イラスト等で構成されている。
また、第1の実施例と同様に、固有パターン1233とラベルシール121との間の領域の上下のいずれかに文字等をいれることも可能である。このとき認識ラベルシール120の高さHSを大きくすると良い。
図19(a)に示す認識マーク1243は、背景パターン1223bの配色が、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向における左右で異なり、右側が白色、左側が黒色で構成されている。黒色の領域は、幅WTbであり、範囲検出パターン1223の幅WT(図18参照)の10%以上の幅であることが望ましい。
図19(b)に示す認識マーク1243は、背景パターン1223bの配色が、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向における上下で異なり、上側(進行方向側)が白色、下側(進行方向と逆の方向側)が黒色で構成されている。黒色の領域は、高さHTbであり、範囲検出パターン1223の高さHT(図18参照)の10%以上の高さであることが望ましい。
このように、背景パターン1223bは、第1の色(白色)で形成された第1の領域1223cと、第1の色(白色)とコントラストの差が大きい第2の色(黒色)で形成された第2の領域1223dとを有し、第1の領域1223cは、認識マーク1243の中心を対称の中心として点対称とならない位置に配置されている。
なお、無人搬送システムが行う動作の概要は第1の実施例と同様なのでその説明を省略する。
本実施例の画像データの画像処理の概要を図20の第6の実施例における画像処理の説明図に基づいて説明する。
図20において、画像データ160は、幅WCp、高さHCpで構成されている。画像データ160の幅WCp、高さHCpは、それぞれ図1に示す撮影範囲140の幅WC、高さHCに相当する。例えば、画像データ160がVGAである場合、(WCp、HCp)=(640[px]、480[px])である。
また、マーク検出範囲162は、ライン情報が決定されていない場合、例えば幅WMsp=WLp*2[px]とし、高さHMsp=HCp*0.7[px]とし、またマーク検出範囲162の幅方向の中心位置XMs=WCp*0.5[px]とし、マーク検出範囲162の高さ方向の中心位置YMs=HCp*0.3[px]とすることができる。
画像データの画像処理は、誘導ライン130を認識しながら走行するライン追跡走行処理および認識マーク1243を認識するマーク認識処理で構成されている。なお、ライン追跡走行処理は、第1の実施例のライン追跡走行処理と同様なのでその説明を省略する。
本実施例では、第1の実施例で説明したように、図18に示す背景パターン1223bの一部の領域に白色を配置した認識マーク1243を撮影した画像に基づいて図1に示すテンプレート画像117を作成する。
したがって、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向から認識マーク1243を撮影した場合は、類似度が閾値以上となり、マーク命令有と判定される。一方、進行方向の逆方向から認識マーク1243を撮影した場合は、類似度が閾値以上とならないため、マーク命令無と判定される。
このように、無人搬送車の進行方向から認識マーク1243を撮影した場合と、進行方向の逆方向から認識マーク1243を撮影した場合とでは、認識マーク1243の配色を非対称としたことにより、進行方向が異なる場合の認識マーク1243の誤認識を防止することができる。
以上説明したように、第6の実施例では、第1の実施例の効果に加え、認識マークの配色を非対称としたことにより、無人搬送車の進行方向が異なる場合の認識マークの誤認識を防止することができるという効果が得られる。
本実施例の認識マークの構成を図21の第7の実施例における認識マークの例を示す説明図に基づいて説明する。
図21において、認識マーク1243の範囲検出パターン1223は、第7の実施例と同様に、枠1223aと背景パターン1223bとを有している。
また、背景パターン1223bは、図21(b)に示すように、基本色を黒色とし、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向における右上の三角形の領域に白色領域が、幅(底辺の長さ)WTw、高さHTwとして形成されている。
本実施例でも、第6の実施例と同様に、図8のS502における照合処理では、図1に示す制御部115が図20に示すマーク検出範囲162に基づいて図21に示す固有パターン1233および背景パターン1223bを検出し、検出した固有パターン1233および背景パターン1223bと上記テンプレート画像117とを照合する照合処理を行う。
また、本実施例の変形例として、図21(a)、(b)に示す認識マーク1243の背景パターン1223bの黒色の領域と白色の領域との境界部に、図21(c)、(d)に示すように、コントラストの変化が滑らかであるグラデーション処理を施すようにしても良い。
したがって、本実施例の変形例として、図22(a)、(b)に示すように、枠の無い範囲検出パターン1223として認識マーク1243を構成することができる。
また、背景パターン1223bは、図22(b)に示すように、基本色を黒色とし、図中矢印Aが示す無人搬送車の進行方向における右上の三角形の領域に白色領域が、幅(底辺の長さ)WTw、高さHTwとして形成されていても良い。
さらに、図22(c)、(d)に示すように、背景パターン1223bの黒色の領域と白色の領域との境界部に、グラデーション処理を施すようにしても良い。
また、認識マーク1243はイラストや写真等としても良く、また配色の境界にグラデーション処理を施すことも可能であるため、景観を損なうことがない。
なお、第1の実施例から第7の実施例では、制御部115をパーソナルコンピュータ(PC)として説明したが、それに限られることなく、制御部115を無線LAN(Local Area Network)等の通信回線を介した通信機能を搭載したタブレット端末、携帯情報端末やノートPC等としても良い。
110 無人搬送車
111 撮像部
112 ホイール
113 駆動部
114 副制御部
115 制御部
116 記憶部
117 テンプレート画像
120 認識ラベルシール
121 ラベルシール
122、1222、1223 範囲検出パターン
123、1233 固有パターン
1231 複合固有パターン
124、1241、1242、1243 認識マーク
130 誘導ライン
160 画像データ
161 ライン検出範囲
162 マーク検出範囲
Claims (14)
- 路面に敷設された誘導ラインと、
前記誘導ラインに設けられた認識マークと、
前記誘導ラインおよび前記認識マークの画像を取得する撮像部と、前記画像を解析する制御部とを備え、前記誘導ラインに沿って走行する無人搬送車と、
を有し、
前記認識マークは、範囲検出パターンと、前記範囲検出パターンの内側に形成された固有パターンとを有することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項1に記載の無人搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記範囲検出パターンを検出した後、前記固有パターンを検出することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項2に記載の無人搬送システムにおいて、
前記制御部は、検出した前記固有パターンと、記憶部に記憶されたテンプレート画像とを照合する照合処理を行うことを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項3に記載の無人搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記照合処理で前記固有パターンと、前記テンプレート画像との類似度を算出し、前記類似度が閾値以上の場合、照合が成功したと判定することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項4に記載の無人搬送システムにおいて、
前記認識マークは、多角形であることを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項4に記載の無人搬送システムにおいて、
前記認識マークは、奇数の多角形であることを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項4に記載の無人搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記固有パターンおよび前記テンプレート画像をそれぞれ分割して前記照合処理を行い、算出された類似度のうち最も高い類似度で前記判定を行うことを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無人搬送システムにおいて、
前記固有パターンは、分割されたそれぞれの領域に形成された複数の分割固有パターンを有することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項8に記載の無人搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記分割固有パターンとテンプレート画像とを照合する分割照合を行い、前記分割固有パターン毎に類似度を算出することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項8または請求項9に記載の無人搬送システムにおいて、
前記範囲検出パターンは、前記分割固有パターンと一体に形成され、
一の前記分割固有パターンは、背景部が第1の色で形成され、他の前記分割固有パターンは、背景部が前記第1の色とコントラストの差が大きい第2の色で形成されていることを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無人搬送システムにおいて、
前記範囲検出パターンは、前記認識マークの外周を形成する枠と、前記枠の内側に形成された背景パターンとを有することを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項11に記載の無人搬送システムにおいて、
前記背景パターンは、第1の色で形成された第1の領域と、前記第1の色とコントラストの差が大きい第2の色で形成された第2の領域とを有し、
前記第1の領域は、前記認識マークの中心を対称の中心として点対称とならない位置に配置されていることを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項12に記載の無人搬送システムにおいて、
前記第2の領域は、前記背景パターンの4辺に存在するように形成され、前記枠が形成されていないことを特徴とする無人搬送システム。 - 請求項12または請求項13に記載の無人搬送システムにおいて、
前記第1の領域と前記第2の領域との境界は、コントラストの変化が滑らかであることを特徴とする無人搬送システム。
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