JP2017041118A - パターン編集プログラム、ショットデータ作成プログラム、パターン編集装置、ショットデータ作成装置、パターン編集方法 - Google Patents
パターン編集プログラム、ショットデータ作成プログラム、パターン編集装置、ショットデータ作成装置、パターン編集方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
しかし、従来の方法では、パターン形状を複数の矩形に分割する処理が膨大であり、多大な時間がかかっていた。
・第2の発明は、第1の発明のパターン編集プログラムにおいて、前記基準近似データ作成手段(16b)を、前記基準近似データとして、前記基準楕円の円周を、長軸に平行な長軸平行線、及び短軸に平行な短軸平行線を交互に接続することにより近似した近似線を作成するように機能させること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第3の発明は、第1の発明のパターン編集プログラムにおいて、前記基準近似データ作成手段(16b)を、前記基準近似データとして、前記基準楕円の円周上の点を、前記基準楕円の円周よりも外側の位置に近似した基準近似点を作成するように機能させること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第4の発明は、第3の発明のパターン編集プログラムにおいて、前記基準近似データ作成手段(16b)を、前記基準近似点として、前記基準楕円の円周を、長軸に平行な長軸平行線、及び短軸に平行な短軸平行線を交互に接続することにより近似した近似線の頂点を作成するように機能させること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第5の発明は、第2又は第4の発明のパターン編集プログラムにおいて、前記近似線は、半長軸の円周上の点から、前記基準楕円の接線の傾きの長軸方向の変化量の絶対値及び短軸方向の変化量の絶対値が等しくなる点である傾き中点までにおいて、半長軸の円周上の点を始点とし、短軸平行線から始まり、長軸平行線の長さが等しく、長軸平行線の中点が円周上に位置し、半短軸の円周上の点から傾き中点までにおいて、半短軸の円周上の点を始点とし、長軸平行線から始まり、短軸平行線の長さが等しく、短軸平行線の中点が円周上に位置し、半長軸の円周上の点から傾き中点までの長軸平行線の長さと、半短軸の円周上の点から傾き中点までの短軸平行線の長さとは、等長であること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第6の発明は、第2から第5のいずれかの発明のパターン編集プログラムにおいて、パターン編集装置のコンピュータを、長軸平行線及び短軸平行線の等長である長さに関する入力を受け付ける平行線長さ入力手段として機能させること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明のパターン編集プログラムにおいて、パターン編集装置のコンピュータを、近似データのパターン内側の領域を、設計パターンの近似パターンとした近似パターン作成手段(16b)として機能させること、を特徴とするパターン編集プログラムである。
・第8の発明は、第7の発明のパターン編集プログラムで作成された近似パターンに基づいて、ショットデータを作成するショットデータ作成装置のコンピュータを、近似パターンを、ショット形状に対応した矩形に分割するショットデータ作成手段(26a)として機能させること、を特徴とするショットデータ作成プログラムである。
・第9の発明は、第3から第6のいずれかの発明のパターン編集プログラムで作成された近似データに基づいてショットデータを作成するショットデータ作成装置のコンピュータを、前記全円周近似データのうち前記基準近似データの各近似点に対応した近似点とを接続することにより、矩形のショット形状を有するショットデータを作成するショットデータ作成手段(26a)として機能させること、を特徴とするショットデータ作成プログラムである。
・第10の発明は、第1から第9のいずれかの発明のパターン編集プログラムを記憶する記憶部(15)と、前記記憶部のパターン編集プログラムを実行する制御部(16)と、を備えるパターン編集装置である。
・第11の発明は、第9又は第10の発明のショットデータ作成プログラムを記憶する記憶部(25)と、前記記憶部のショットデータ作成プログラムを実行する制御部(26)と、を備えるショットデータ作成装置である。
・第12の発明は、2/4楕円、3/4楕円、4/4楕円のいずれかの設計パターンの編集方法であって、設計パターンの半長軸及び半短軸に挟まれこれらがなす角が90°の基準楕円の円周に関する近似データである基準近似データを作成する基準近似データ作成工程と、前記基準近似データを複製することにより、設計パターンの全円周の近似データである全円周近似データを作成する複製近似データ作成工程と、を備えるパターン編集方法である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の描画システム1の構成を示す図である。
図2は、第1実施形態の設計パターン50、90°基準楕円パターンを示す図である。
描画システム1は、基板2上のレジスト膜に電子線を照射することにより、所望のパターン形状のパターン描画するものである。この基板2は、例えば、フォトマスク基板、シリコン基板、バイオチップ用の基板等である。
描画システム1は、パターン編集装置10、ショットデータ作成装置20、描画装置30を備える。
パターン編集装置10、ショットデータ作成装置20、描画装置30の間は、LAN等の通信網を介して接続され、必要に応じて、互いに情報を送受信できる。
作業者は、各装置に記憶したデータを、他の装置に複製又は移動できる。この複製又は移動は、例えば、通信網、CD−ROM等の記憶媒体等を利用できる。
設計パターン50は、実際に基板2上に形成したい所望のパターン形状のデータである。本実施形態では、設計パターン50は、楕円(つまり、半長軸R1及び半短軸R2に挟まれこれらがなす角が90°の1/4楕円を4つ接続した4/4楕円)である。
近似パターンは、設計パターン50の外形を、複数の直線で近似したパターン形状のデータである。
描画装置30は、基板2上にパターンを描画する電子線描画装置である。
各操作部11,21,31は、作業者(設計者等)が各装置10,20,30を操作するためのマウス、キーボード、ボタン等の操作装置、入力装置である。
各表示部12,22,32は、パターンの形状等を表示するモニタである。
各記憶部15,25,35は、10,20,30の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
各制御部16,26,36は、例えば、CPU等から構成される。各制御部16,26,36は、それぞれ、各記憶部15,25,35に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働し、実施形態に係る各種機能を実現している。
なお、実施形態でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいう。各装置10,20,30は、コンピュータの構成(記憶部15,25,35、制御部16,26,36等)を備える。
記憶部15は、設計パターン作成プログラム15a、近似データ作成プログラム15b(パターン編集プログラム)、設計パターン記憶部15c、近似データ記憶部15dを備える。
設計パターン作成プログラム15aは、設計パターン50を作成するプログラムである。
近似データ作成プログラム15bは、設計パターン50から近似データへ変換するプログラムである。
近似データ記憶部15dは、近似データを記憶する。
設計パターン作成部16aは、設計パターン50の作成処理を行う。
近似データ作成部16bは、設計パターン50から近似データを作成する処理を行う。
制御部16の処理の詳細は、後述する。
記憶部35は、ショットデータ作成プログラム25a、近似データ記憶部25d、ショットデータ記憶部25eを備える。
ショットデータ作成プログラム25aは、近似データからショットデータへ変換するプログラムである。ショットデータは、複数のショット図形を含むデータである。
近似データ記憶部25dは、パターン編集装置10が作成した近似データを記憶する。
ショットデータ記憶部25eは、ショットデータを記憶する。
ショットデータ作成部26aは、近似データに基づいて、ショットデータを作成する処理を行う。
制御部26の処理の詳細は、後述する。
描画部33は、実際に、基板2上に電子線を照射することにより、パターンを描画する部分である。描画部33は、ショットデータのショット図形に対応したアパーチャを用いて、パターンを描画する。
記憶部35は、ショットデータ記憶部35eを備える。
ショットデータ記憶部35eは、ショットデータ作成装置20が作成したショットデータを記憶する。
制御部36は、ショットデータ記憶部35eのショットデータに基づいて、描画部33を制御することにより、パターンを描画する。
描画システム1の使用方法について説明しながら、システムの処理について説明する。
バイオチップ用の基板2に円形のパターンを描画する例を説明する。
図3は、第1実施形態の近似データ作成処理のフローチャートである。
図4は、第1実施形態の点P(i),P’(i)の座標算出処理のフローチャートである。
図5は、第1実施形態の傾き中点Pcの算出処理を説明する図である。
図6は、第1実施形態の点P(i),P’(i)の算出処理を説明する図である。
図7、図8は、第1実施形態の調整点P(E)の算出処理を説明する図である。
図9は、第1実施形態のショットデータ作成処理のフローチャートである。
図10は、第1実施形態のショットデータを説明する図である。
図3に示すように、ステップS(以下、「S」という)1において、パターン編集装置10の設計パターン作成部16aは、作業者から、設計パターン50の楕円の半長軸の長さa、半短軸の長さb、基板2上の位置等の入力操作を受け付ける。設計パターン作成部16aは、楕円の半長軸R1の長さa、半短軸R2の長さbの楕円の設計パターン50を作成後、これを設計パターン記憶部15cに記憶する。
なお、半長軸R1の長さa、半短軸R2の長さbは、これら自体を直接入力されたものではなくてもよい。半長軸R1の長さa、半短軸R2の長さbは、例えば、長軸の長さ、短軸の長さを受け付け、これらから算出されたものでもよい。
また、設計パターン50は、予め作成されたものを用いてもよい。この場合には、設計パターン作成部16aは、例えば、CD−ROM等に記憶した設計パターン50のデータを、読み取り装置(図示せず)で読み取って設計パターン記憶部15cに記憶したり、通信網を介して設計パターン50を取得して設計パターン記憶部15cに記憶したりすればよい。
図5、図6に示すように、基準楕円は、設計パターン50のうち、半長軸R1及び半短軸R2に挟まれ、これらがなす角が90°の部分である。
実施形態では、基準楕円の半長軸R1が正のX軸にあり、また、半短軸R2が正のY軸上にある例を説明する。
段差長さDは、近似線の段の大きさである。後述するように、段差長さDは、長軸平行線及び短軸平行線の長さに関連する。このため、S2は、長軸平行線及び短軸平行線の長さの入力を受け付ける処理でもある。
近似線は、基準楕円の円周に沿うような線である。近似線は、長軸平行線及び短軸平行線が交互に接続されている。長軸平行線は、半長軸R1に平行な線であり、つまり、X軸、長軸に平行な線である。短軸平行線は、半短軸R2に平行な線であり、つまり、Y軸、短軸に平行な線である。
S10において、近似データ作成部16bは、傾き中点Pcの算出処理を行う。
傾き中点Pcの算出処理は、傾き中点Pcの座標(Xc,Yc)を算出する処理である。
傾き中点Pcは、基準楕円の円周の接線の傾き「−1」になる点(つまり、基準楕円の接線の傾きの長軸方向の変化量の絶対値、及び短軸方向の変化量の絶対値が等しくなる点)である。
図5に示すように、傾き中点Pcの座標(Xc,Yc)は、楕円の式、傾き中点Pcでの接線の式を、Xc,Ycについて解くことにより求めることができる。
S20において、近似データ作成部16bは、P(i),P’(i)の座標算出処理を行う。
図6に示すように、この処理は、各線分の端部、つまり、基準楕円の円周の近似線の始点、各頂点の座標を算出する処理である。
P(i)は、半長軸R1側の近似線Lの始点(P(0))から傾き中点Pcまでの各頂点である。
P’(i)は、半短軸R2側の近似線L’の始点(P’(0))から傾き中点Pcまでの各頂点である。
P(E)は、半長軸R1側の近似線Lの終点、半短軸R2側の近似線L’の終点を一致させるための調整点である。
近似線L,L’について説明する。
図6に示すように、実施形態では、基準楕円の円周の近似線を、以下の条件を満たすように求める。
近似線Lは、始点P(0)(=(a,0))から傾き中点Pcまでにおいて、以下の条件を満たす。
(a)半長軸R1の円周上の点(a,0)を始点とし、短軸平行線から始まる。
(b)長軸平行線の長さが等しい。
(c)長軸平行線の中点が基準楕円の円周上に位置する。
(a)半短軸R2の円周上の点(0,b)を始点とし、長軸平行線から始まる。
(b)短軸平行線の長さが等しい。
(c)短軸平行線の中点が円周上に位置する。
これらの長さは、前述した段差長さDである。つまり、近似線Lは、X軸方向において基準楕円の円周からD/2だけ突出したような形態であり、一方、近似線L’は、Y軸方向において基準楕円の円周からD/2だけ突出したような形態である。
図6に示すように、始点P(0),始点P’(0)の座標は、以下の通りである。
P(0)=(X(0),Y(0))=(a,0)
P’(0)=(X’(0),Y’(0))=(0,b)
S31〜S35では、近似データ作成部16bは、近似線LついてのP(i)を算出する。
S31において、近似データ作成部16bは、i=1に設定する。
S32において、近似データ作成部16bは、iが奇数か否かを判定する。近似データ作成部16bは、iが奇数である場合には(S32:YES)、S33aに進み、一方、iが奇数ではない場合には(S32:NO)、つまり、iが偶数の場合には、S33bに進む。
・X(i)について
X(i)=X(i−1)
・Y(i)について
Y(i)は、以下の楕円の式に基づいて、Y(i)について解くことにより、求めることができる。
・X(i)について
図6から明らかなように、以下の式が成り立つ。
X(i)=X(i−1)−D
・Y(i)について
同様に、以下の式が成り立つ。
Y(i)=Y(i−1)
S35において、近似データ作成部16bは、「X(i)<Xc」であるか否かを判定する。近似データ作成部16bは、「X(i)<Xc」であると判定した場合には(S35:YES)、S41に進み、一方、「X(i)<Xc」ではないと判定した場合には(S35:NO)、S32からの処理を繰り返す。
これにより、近似データ作成部16bは、近似線Lの各頂点P(i)の座標を、始点P(0)から左回りθに、求めることができる。また、近似データ作成部16bは、X軸方向において、傾き中点Pcよりも左側の領域「Xc<X<a」での頂点P(i)の座標を求めることができる。つまり、近似データ作成部16bは、X軸方向において、頂点P(i)が傾き中点Pcを越えないまで、頂点P(i)の座標を求めることができる。
S41において、近似データ作成部16bは、i=1に設定する。
S42において、近似データ作成部16bは、iが奇数か否かを判定する。近似データ作成部16bは、iが奇数である場合には(S42:YES)、S43aに進み、一方、iが奇数ではない場合には(S42:NO)、つまり、iが偶数の場合には、S43bに進む。
S43aにおいて、図6から明らかなように、近似データ作成部16bは、「i:奇数」の場合のP’(i)=(X’(i),Y’(i))の座標を、以下のように求める。
・X’(i)について
X’(i)は、以下の楕円の式に基づいて、X’(i)について解くことにより、求めることができる。
図6から明らかなように、以下の式が成り立つ。
Y’(i)=Y’(i−1)
・X’(i)について
図6から明らかなように、以下の式が成り立つ。
X’(i)=X’(i−1)
・Y’(i)について
同様に、以下の式が成り立つ。
Y’(i)=Y’(i−1)−D
S45において、近似データ作成部16bは、「Y’(i)<Yc」であるか否かを判定する。近似データ作成部16bは、「Y’(i)<Yc」であると判定した場合には(S45:YES)、S46に進み、一方、「Y’(i)<Yc」ではないと判定した場合には(S45:NO)、S42からの処理を繰り返す。
これにより、近似データ作成部16bは、近似線Lの各頂点P’(i)の座標を、始点P’(0)から右回りθ’に、求めることができる。また、近似データ作成部16bは、Y軸方向において、傾き中点Pcよりも上側の領域「Yc<Y<b」での頂点P’(i)の座標を求めることができる。つまり、近似データ作成部16bは、Y軸方向において、頂点P’(i)が傾き中点Pcを越えないまで、頂点P’(i)の座標を求めることができる。
S46において、近似データ作成部16bは、調整点P(E)の算出処理を行う。
この処理は、近似線L,L’の終点を一致するように調整する処理である。
すなわち、前述した処理まででは、近似線L,L’の終点は、不一致である。この処理は、近似線L,L’の終点を一致させることにより、近似線L,L’を適切に接続できるようにする。
図7(A)、図8(A)に示すように、近似線L,L’の終点は、2つの形態のいずれかになる。なお、P(E)近辺では、接線の傾きが45°である。このため、近似線Lの終点、近似線L’の終点の段差は、同じ(又はほぼ同じ)である。つまり、こられ終点から円周までの距離は、いずれも距離dである。
図7(A)、図7(B)に示すように、実施形態では、近似線L,L’の長軸平行線、短軸平行線を同じ移動量mだけ移動することにより、近似線L’の最後の長軸平行線の中点を円周上に一致させる(d1=d2)。
三角形T1,T1は、直角二等辺三角形である。これにより、以下が成り立つ。
d1=d+m、d2=d−m+e−m
また、d1=d2であるので、以下が成り立つ。
d+m=d−m+e−m
m=e/3
x3=x1−(x1−x2)/3=x1+(x2−x1)/3
y3=y2−(y2−y1)/3=y2+(y1−y2)/3
この場合にも、近似線L’の最後の長軸平行線の中点を円周上に一致させる(d1=d2)。
なお、便宜上、図7、図8において、同じ符号、記号を用いて説明する。
調整点P(E)の座標(x3,y3)は、以下のように求めることができる。
三角形T1,T1は、直角二等辺三角形である。これにより、以下が成り立つ。
d1=d−m、d2=d−e+2m
また、d1=d2であるので、以下が成り立つ。
d−m=d−e+2m
m=e/3
x3=x1+(x2−x1)/3=x1−(x1−x2)/3
y3=y2+(y1−y2)/3=y1−(y2−y1)/3
このように、図7(A)の形態、図8(A)の形態は、いずれの形態であっても、同じ式を用いて、P(E)を求めることができる。
S50において、図6に示すように、近似データ作成部16bは、基準楕円パターンを作成する。
すなわち、近似データ作成部16bは、上記処理で求めたP(0)からP(E)間の各点を線分で接続することにより、近似線Lを作成する。また、近似データ作成部16bは、上記処理で求めたP’(0)からP(E)間の各点を線分で接続することにより、近似線L’を作成する。これにより、近似データ作成部16bは、近似線L,L’をP(E)で接続した近似線(基準近似データ)を作成する。
その後、近似データ作成部16bは、近似線と、半長軸R1、半短軸R2とに囲まれた領域(太線で囲まれた領域)を、電子線が照射される領域であるという情報を付与する。基準楕円パターンは、この領域に関する情報と、この領域に電子線が照射されるといる情報とを備える。
なお、基準楕円パターンの外形の一部は、近似線によって形成される。このため、基準楕円パターンは、近似線に関する情報、つまり、基準楕円の円周に関する情報を含む。
以上の工程によって、近似データ作成部16bは、基準楕円の円周に関する近似データである基準近似データを作成できる(基準近似データ作成工程)。
さらに、近似データ作成部16bは、基準楕円パターン及びこの複製したパターンを、X軸を対称軸として線対称で複製したパターンを作成する(図2(B)の矢印♯3参照)。
これにより、基準楕円パターンを、第1から第4象限の全てに配置した全円周近似データを作成できる(複製近似データ作成工程)。
この全円周近似データも、基準楕円パターンと同様に、近似線に関する情報、つまり、基準楕円の円周に関する情報を含む。
なお、この複製方法は、一例である。複製方法は、最終的に図2(B)の形態を作成できればよく、例えば、回転、点対称等を用いた方法でもよい。
近似データ作成部16bは、作成した全円周近似データを、近似データ記憶部15dに記憶する。
このように、パターン編集装置10は、設計パターン50のうち基準楕円について近似処理を行い、その処理結果を複製することにより、全円周近似データを作成することができる。これにより、パターン編集装置10は、容易かつ短時間で、全円周近似データの作成できる。
すなわち、全円周近似データは、X軸を対称軸として線対称であり、また、Y軸を対称軸として線対称である(つまり、原点を対称点として点対称)。これにより、設計パターン50の再現性を向上できる。
ショットデータ作成処理は、ショットデータ作成装置20が、全円周近似データに基づいてショットデータを作成する処理である。
作業者は、パターン編集装置10の近似データ作成部16bに記憶した全円周近似データを、ショットデータ作成装置20の近似データ記憶部25dに、複製又は移動する(図1の矢印♯11参照)。
図9に示すように、S60において、ショットデータ作成装置20のショットデータ作成部26aは、作業者の操作を受け付け、作成する描画パターンが細分割(図10(A)参照)であるか、粗分割(図10(B)参照)であるか否かを判定する。
図10(B)に示すように、粗分割は、近似パターンを、X軸方向に延在する矩形のショット図形のみによって分割したものである。このため、粗分割では、細分割よりも矩形のショット図形の数が少ない。
このように、細分割は、粗分割よりも細かいショット図形に分割する。このため、パターン描画時において、細分割は、粗分割よりも、形状再現性を向上できる。一方で、粗分割は、細分割よりもショット図形の数が少ないので、細分割よりも、ショット分割の処理時間、描画時間を短縮できる。
ショットデータ作成部26aは、作成する描画パターンが細分割であると判定した場合には(S60:YES)、S61aに進み、一方、細分割ではないと判定した場合、つまり粗分割であると判定した場合には(S60:NO)、S61bに進む。
S61bにおいて、ショットデータ作成部26aは、近似データ記憶部25dの全円周近似データを読み出して、このパターンを粗分割したショットデータを作成する。ショットデータ作成部26aは、ショットデータをショットデータ記憶部25eに記憶する。
S62において、ショットデータ作成部26aは、処理を終了する。
なお、近似パターンは、シンメトリーであるので、細分割、粗分割のいずれの場合にも、ショットデータのパターンは、シンメトリーである。
また、実施形態の全円周近似データのパターンを分割する処理は、従来のような円周近傍の形状を細かいショット図形で分割する処理よりも、ショット数を少なくすることができる。これにより、実施形態の全円周近似データのパターンを分割する処理は、容易かつ短時間で行うことができる。
作業者は、ショットデータ作成装置20のショットデータ記憶部25eに記憶したショットデータを、描画装置30のショットデータ記憶部35eに、複製又は移動する(図1の矢印♯12参照)。
描画装置30の制御部36は、作業者の操作に基づいて、ショットデータ記憶部35eからショットデータを読み出し、これに基づいて基板2上に電子線描画する(図1の矢印♯13参照)。
この場合、ショットデータのショット数は、従来よりも少ないため、従来よりも描画時間を短縮できる。さらに、ショットデータのパターンは、シンメトリーである。このため、ショット数が少ない場合でも、パターン描画時における形状再現性を向上できる。
図11は、比較例の基準楕円パターンを示す図である。
なお、図11は、近似線の段差を誇張して示した。
図11(A)は、近似線を、点(a,0)を始点として、左回りのみの処理によって作成した。
この例では、近似線を順次作成していくと、終点(0,b)と近似線の頂点とは、完全に一致しないので、終点(0,b)の近傍(矢印A付近)で、近似線の形状を調整する必要がある。短軸の端部は、描画時において、パターン形状に大きくする。
このため、終点(0,b)の近傍の調整は、近似線の形状の調整としては、適切ではない。
この例では、近似線を順次作成していくと、終点(a,0)と近似線の頂点とは、完全に一致しないので、終点(a,0)の近傍(矢印B付近)で、近似線の形状を調整する必要がある。長軸の端部は、描画時において、パターン形状に大きくする。
このため、終点(a,0)の近傍の調整も、近似線の形状の調整としては、適切ではない。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図12は、第2実施形態のショットデータを説明する図である。
本実施形態の描画システムは、第1実施形態と同様な構成であり、処理のみが第1実施形態とは異なる。但し、本実施形態の描画システムの処理は、点P(i)の座標算出処理(図3のS20)までは、第1実施形態と同様である。
図12は、点P(1),P(3),P(E),P’(1),P’(3)を求めた例である。
すなわち、本実施形態では、基準楕円の円周の基準近似データとして、基準楕円の円周上の点を近似した点(基準近似点)である点P(1),P(3),P(E),P’(1),P’(3)の座標データを用いる。
その後、パターン編集装置の近似データ作成部は、点P(1),P(3),P(E),P’(1),P’(3)を、第1実施形態と同様に複製する。
これにより、近似データ作成部は、点P(1),P(3),P(E),P’(1),P’(3)を、第1から第4象限の全てに複製した近似データを作成する。
図12には、第2から第4象限に応じた各点に、枝番を付して図示した。
ショットデータ作成装置のショットデータ作成部(図1のショットデータ作成部26a参照)は、各点に対応した複製点を接続することにより、それぞれ矩形のショット形状を作成する。
ショットデータ作成部は、例えば、P(1)と、これに対応した複製点P(1)−2、P(1)−3、P(1)−4を接続することにより、1つの矩形のショット形状を作成する。
これにより、ショットデータ作成部は、点P(1),P(3),P(E),P’(1),P’(3)に対応した5つのショット図形を有するショットデータを作成する。
ここで、各ショット図形は、X軸を対称軸として線対称であり、かつ、Y軸を対称軸として線対称である。
なお、詳細な説明は省略するが、ショットデータ作成部は、ショット図形を重ねた形状の外形を抽出することにより、全周近似データを作成できる。これにより、ショットデータ作成部は、第1実施形態と同様に、描画パターンの細分割(図10(A)参照)、粗分割(図10(B)参照)を行うこともできる。
作業者は、基板の使用目的、描画条件、XY差の許容誤差を考慮して、ショットデータの形態を、3つの形態から適宜選択すればよい。
(1)実施形態において、設計パターンは、楕円である例を示したが、これに限定されない。設計パターンは、楕円の一部であって、半長軸及び半短軸のなす角が180°(1/2楕円、つまり、半楕円)、270°のいずれかの形状でもよい。
これらの場合には、近似線又は近似点を、X軸、Y軸を対称軸として線対称になるように複製等し、それぞれ対応する象限に複製すればよい。
また、設計パターンは、円であってもよい。この場合には、作業者は、半長軸及び半短軸を同じ長さにして、パターン編集装置に入力すればよい。
Claims (12)
- 2/4楕円、3/4楕円、4/4楕円のいずれかの設計パターンを編集するパターン編集装置のコンピュータを、
設計パターンの半長軸及び半短軸に挟まれこれらがなす角が90°の基準楕円の円周に関する近似データである基準近似データを作成する基準近似データ作成手段と、
前記基準近似データを複製することにより、設計パターンの全円周の近似データである全円周近似データを作成する複製近似データ作成手段として、
機能させることを特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項1に記載のパターン編集プログラムにおいて、
前記基準近似データ作成手段を、
前記基準近似データとして、前記基準楕円の円周を、長軸に平行な長軸平行線、及び短軸に平行な短軸平行線を交互に接続することにより近似した近似線を作成するように機能させること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項1に記載のパターン編集プログラムにおいて、
前記基準近似データ作成手段を、
前記基準近似データとして、前記基準楕円の円周上の点を、前記基準楕円の円周よりも外側の位置に近似した基準近似点を作成するように機能させること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項3に記載のパターン編集プログラムにおいて、
前記基準近似データ作成手段を、
前記基準近似点として、前記基準楕円の円周を、長軸に平行な長軸平行線、及び短軸に平行な短軸平行線を交互に接続することにより近似した近似線の頂点を作成するように機能させること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項2又は請求項4に記載のパターン編集プログラムにおいて、
前記近似線は、
半長軸の円周上の点から、前記基準楕円の接線の傾きの長軸方向の変化量の絶対値及び短軸方向の変化量の絶対値が等しくなる点である傾き中点までにおいて、
半長軸の円周上の点を始点とし、短軸平行線から始まり、
長軸平行線の長さが等しく、
長軸平行線の中点が円周上に位置し、
半短軸の円周上の点から傾き中点までにおいて、
半短軸の円周上の点を始点とし、長軸平行線から始まり、
短軸平行線の長さが等しく、
短軸平行線の中点が円周上に位置し、
半長軸の円周上の点から傾き中点までの長軸平行線の長さと、半短軸の円周上の点から傾き中点までの短軸平行線の長さとは、等長であること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載のパターン編集プログラムにおいて、
パターン編集装置のコンピュータを、
長軸平行線及び短軸平行線の等長である長さに関する入力を受け付ける平行線長さ入力手段として機能させること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のパターン編集プログラムにおいて、
パターン編集装置のコンピュータを、
近似データのパターン内側の領域を、設計パターンの近似パターンとした近似パターン作成手段として機能させること、
を特徴とするパターン編集プログラム。 - 請求項7に記載のパターン編集プログラムで作成された近似パターンに基づいて、ショットデータを作成するショットデータ作成装置のコンピュータを、
近似パターンを、ショット形状に対応した矩形に分割するショットデータ作成手段として機能させること、
を特徴とするショットデータ作成プログラム。 - 請求項3から請求項6のいずれかに記載のパターン編集プログラムで作成された近似データに基づいてショットデータを作成するショットデータ作成装置のコンピュータを、
前記全円周近似データのうち前記基準近似データの各近似点に対応した近似点とを接続することにより、矩形のショット形状を有するショットデータを作成するショットデータ作成手段として機能させること、
を特徴とするショットデータ作成プログラム。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載のパターン編集プログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部のパターン編集プログラムを実行する制御部と、
を備えるパターン編集装置。 - 請求項9又は請求項10に記載のショットデータ作成プログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部のショットデータ作成プログラムを実行する制御部と、
を備えるショットデータ作成装置。 - 2/4楕円、3/4楕円、4/4楕円のいずれかの設計パターンの編集方法であって、
設計パターンの半長軸及び半短軸に挟まれこれらがなす角が90°の基準楕円の円周に関する近似データである基準近似データを作成する基準近似データ作成工程と、
前記基準近似データを複製することにより、設計パターンの全円周の近似データである全円周近似データを作成する複製近似データ作成工程と、
を備えるパターン編集方法。
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- 2015-08-20 JP JP2015162587A patent/JP6604087B2/ja active Active
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田中成典, 外3名: ""SXFデータから拡張DMデータへの変換技術の研究開発"", 知能と情報, vol. 第23巻, 第4号, JPN6019026174, 15 August 2011 (2011-08-15), JP, pages 181 - 197, ISSN: 0004072238 * |
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