JP2017039318A - 金型用離型剤組成物 - Google Patents

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正樹 小尾
Masaki Koo
正樹 小尾
史子 中山
Fumiko Nakayama
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Abstract

【課題】加工対象への離型剤の移行が抑制され、金型の離型性が長続きする、耐久性に優れた金型用離型剤組成物の提供。【解決手段】分子内に、CnF2n+1(ただしnは、4、5または6である)のパーフルオロアルキル基を有する単量体に由来する構成単位(a)と、保護された架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位(b)と、構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位とを有し、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%である、重合体を含む金型用離型剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、金型用離型剤組成物に関する。
成型加工の金型を使用する際に、金型表面をフッ素樹脂で加工し離型性を向上させることは周知の技術である。例えば表面を微細加工したフッ素樹脂を用いて樹脂の微細加工を行うことが知られている(特許文献1参照。)。またフッ素樹脂の離型性を利用して、剥離紙の製造にフッ素樹脂を用いることも知られている(特許文献2参照。)。
樹脂やゴム等の対象物をプレス成型する場合には、温度、圧力や金属表面(金型の金属表面)状態により、フッ素樹脂では耐久性が低いという課題がある。すなわちフッ素樹脂で金型表面を加工しても、プレス成型を繰り返すうちにフッ素樹脂が加工対象の表面に移行してしまい、離型性が長続きしないという課題がある。
特開2006−198883号公報 国際公開第2011/099534号
本発明は、加工対象への離型剤の移行が抑制され、金型の離型性が長続きする、耐久性に優れた金型用離型剤組成物の提供を目的とする。
本発明は以下の各項に示される発明である。
<1>分子内に、C2n+1(ただしnは、4、5または6である)のパーフルオロアルキル基を有する単量体に由来する構成単位(a)と、保護された架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位(b)と、構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位とを有し、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%である、重合体を含む金型用離型剤組成物。
<2>前記C2n+1のパーフルオロアルキル基を有する単量体が下記式(1)で表わされる単量体である<1>に記載の金型用離型剤組成物。ただしnは、4、5または6であり、Rは水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。
Figure 2017039318
<3>前記保護された架橋性官能基がブロックイソシアネート基である、<1>または<2>に記載の金型用離型剤組成物。
<4>前記構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位として、活性水素原子を有する官能基を有する単量体に由来する構成単位(c)を有する<1>〜<3>のいずれかに記載の金型用離型剤組成物。
<5>前記保護された架橋性官能基を有する単量体が下記式(2)で表わされる単量体であり、前記活性水素原子を有する官能基を有する単量体が下記式(3)で表わされる単量体である<4>に記載の金型用離型剤組成物。ただしRおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rは1価の有機基である。
Figure 2017039318
<6>前記重合体が、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%であり、構成単位(c)の割合が20〜40モル%である<4>または<5>に記載の金型用離型剤組成物。
<7><1>〜<6>のいずれかに記載の金型用離型剤組成物を金型に塗布し、150℃以上で加熱する金型の製造方法。
本発明の金型用離型剤組成物によれば、加工対象への離型剤の移行が抑制され、金型の離型性が長続きし、耐久性に優れた金型が得られる。
本発明の金型用離型剤組成物は、下記特定の重合体を含む。すなわち本発明に係る重合体は、分子内に構成単位(a)と構成単位(b)とを有する。本発明に係る重合体は、構成単位(a)または構成単位(b)以外の他の構成単位を有している。
構成単位(a)は、C2n+1(ただしnは、4、5または6である)のパーフルオロアルキル基を有する単量体(以下、「単量体(A)」という。)に由来する。
単量体(A)は重合性二重結合を有する基、パーフルオロアルキル基、およびこれらを接続する連結基を有する構造であることが好ましい。
単量体(A)における重合性二重結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイルオキシ基、α−ハロゲノアクリロイルオキシ基、および、メタクリロイルオキシ基が挙げられる。このうち重合体の分子量を制御しやすい点からアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましい。
パーフルオロアルキル基としては、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、直鎖が好ましい。パーフルオロアルキル基の具体例としては、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、および、トリデカフルオロヘキシル基が挙げられ、このうち離型性の観点からトリデカフルオロヘキシル基が好ましい。
単量体(A)における連結基としては、単結合、2価の炭化水素基(アルキレン基またはアリーレン基)が挙げられる。該連結基としては、離型剤の耐久性の観点からアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
単量体(A)としては、下記式(1)で表わされる化合物が好ましい。ただしRは水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。ここでRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Figure 2017039318
構成単位(b)は、保護された架橋性官能基を有する単量体(以下、「単量体(B)」という。)に由来する。
単量体(B)は重合性二重結合を有する基、保護された架橋性官能基、およびこれらを接続する連結基を有する構造であることが好ましい。
単量体(B)における重合性二重結合を有する基としては、単量体(A)における重合性二重結合を有する基と同じ基が挙げられる。このうち重合体の分子量を制御しやすい点からアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましい。
保護された架橋性官能基としては、ブロックイソシアネート基が好ましい。すなわちイソシアネート基をブロック剤でブロックした基が好ましい。該ブロック剤としては、オキシム類、ピラゾール類が例示できる。
単量体(B)における連結基としては、単結合、2価の炭化水素基(アルキレン基またはアリーレン基)が挙げられる。該連結基としては、離型剤の耐久性の観点からアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
単量体(B)としては、下記式(2)で表わされる化合物が好ましい。ただしRは水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rは1価の有機基である。ここでRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。Rとしては、下記式(5a)で表わされる基、下記式(5b)で表わされる基、または下記式(5c)で表わされる基が好ましい。ただしR51、R52、R53およびR54はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である。
Figure 2017039318
本発明に係る重合体は、構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位として、活性水素原子を有する官能基を有する単量体に由来する構成単位(c)を有することが好ましい。すなわち構成単位(c)は、活性水素原子を有する官能基を有する単量体(以下、「単量体(C)」という。)に由来する。
単量体(C)は重合性二重結合を有する基、活性水素原子を有する官能基、およびこれらを接続する連結基を有する構造であることが好ましい。
単量体(C)における重合性二重結合を有する基としては、単量体(A)における重合性二重結合を有する基と同じ基が挙げられる。このうち重合体の分子量を制御しやすい点からアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が好ましい。
活性水素原子を有する官能基としては、水酸基またはアミノ基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
単量体(C)における連結基としては、単結合、2価の炭化水素基(アルキレン基またはアリーレン基)が挙げられる。該連結基としては、離型剤の耐久性の観点からアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
単量体(C)としては、下記式(3)で表わされる化合物が好ましい。ただしRは水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。ここでRとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Figure 2017039318
本発明に係る重合体は、構成単位(a)、構成単位(b)または構成単位(c)以外の構成単位(d)を有していてもよい。構成単位(d)は、単量体(A)、単量体(B)または単量体(C)以外の単量体(以下、「単量体(D)」という。)に由来する。
単量体(D)としては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル等が例示できる。
本発明に係る重合体は、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%である重合体である。より好ましい組成は、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%であり、構成単位(c)の割合が20〜40モル%であり、構成単位(d)の割合が0〜20モル%である。構成単位(b)と構成単位(c)との割合は、両者の合計を100モル%とした時に、構成単位(b)の割合が30〜70モル%であることが好ましく、40〜60モル%であることがより好ましい。これらの割合とすることで、離型性と耐久性を両立できる。
本発明に係る重合体の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量で5,000〜200,000が好ましく、10,000〜150,000がより好ましい。
本発明に係る重合体を得る方法は、任意の重合方法が採用できる。例えばバルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ、溶液重合、乳化重合が特に好ましい。
本発明の金型用離型剤組成物は、上記特定の重合体を含み、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、溶剤、界面活性剤が例示できる。
溶剤としては、含フッ素溶剤または炭化水素系溶剤が例示できる。溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶剤の沸点は、塗布後の表面の平坦性が優れる点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。溶剤の沸点は、300℃以下が好ましい。
含フッ素溶剤の具体例としては、下記の化合物が例示できる。旭硝子社製のアサヒクリン(商標)として、1H−トリデカフルオロヘキサン(AC2000、沸点:71℃);1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン(AC6000、沸点:115℃);1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン(AE3000、沸点:56℃);ジクロロペンタフルオロプロパン(AK−225、沸点:54℃)等が例示できる。またその他として、サイトップ(商標)CT−solv100E(旭硝子社製、沸点:98℃);1−メトキシノナフルオロブタン(スリーエムジャパン社製、Novec(商標)7100、沸点:61℃);1−エトキシノナフルオロブタン(スリーエムジャパン社製、Novec(商標)7200、沸点:76℃);1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)ペンタン(スリーエムジャパン社製、Novec(商標)7600、沸点:131℃);2H,3H−ペルフルオロペンタン(三井・デュポンフロロケミカル社製、Vertrel(商標)XF、沸点:55℃);3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール(沸点:80℃);4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−1−ノナノール;ヘキサフルオロベンゼン(沸点:81℃);ヘキサフルオロ−2−プロパノール(沸点:59℃);2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール(沸点:140℃);1H,1H,7H−ドデカフルオロ−1−ヘプタノール(沸点:170℃);1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロ−1−オクタノール(沸点:80℃)等が例示できる。
炭化水素系溶剤の具体例としては、下記の化合物が例示できる。シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、2−ブタノン等のケトン類;乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、アニソール、ジグライム、トリグライム等のエーテル類等が例示できる。
本発明の金型用離型剤組成物の組成は、固形分(組成物をアルミ皿上で60℃、10分加熱した際の不揮発分)として上記特定の重合体のみを含むことが好ましい。すなわち他の重合体を含まないことが好ましい。
本発明の金型の製造方法は、上記の金型用離型剤組成物を金型に塗布し、150℃以上で加熱する。
金型の材質は金属製であれば特に制限されないが、鉄、ニッケル、アルミ、ステンレス鋼、ニッケル合金、ジュラルミン等が例示できる。塗布方法は特に制限されず、噴霧、浸漬、刷毛塗り、スピンコート等が例示できる。塗布後に加熱を行い、溶剤等を除去する。加熱温度は150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。加熱温度は400℃以下が好ましい。加熱温度は金型の表面温度とする。
本発明に係る金型が用いられる加工方法はプレス加工あるいは射出成型が好ましい。加工圧力は1〜50MPaが好ましい。1MPa以上であれば加工性に優れ、50MPa以下であれば金型の耐久性に優れる。また加工温度は150〜250℃が好ましい。150℃以上であれば成形性に優れ、250℃以下であれば離型剤の熱分解による劣化を防げる。加工対象は特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂等の樹脂素材、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム,イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム素材、鉄、ニッケル、アルミ、チタン、ステンレス鋼、ニッケル合金、ジュラルミン等の金属等が例示できる。
上記組成物を用いることにより加工対象への離型剤の移行が抑制できる。この移行は加工対象の表面における水の接触角で測定できる。すなわち加工前よりも加工後の接触角が大きければ離型剤の移行が起きていることを示す。また離型性は離型剤塗布後の金型表面における水の接触角で測定できる。
(NMR測定)
H−NMRは、日本電子社製JNM−AL300を用いて測定した。
(分子量測定)
重量平均分子量(Mw)は、東ソー社製、HLC−8220を用いて、分子量既知の標準ポリメチルメタクリレート試料を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定した(ポリメチルメタクリレート換算)。
(原料等)
以下の略号で示す化合物を単量体を含む原料等として用いた。
C6FMA:CH=C(CH)COO−C−C13(特開2004−359616号公報の例1に記載の方法で製造した。)(単量体(A))
MOI−BM:メタクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル。(昭和電工社製)(単量体(B))
MOI−BP:2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート。(昭和電工社製)(単量体(B))
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート。(単量体(C))
Figure 2017039318
MEK:2−ブタノン
OFPO:2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール
(重合例1)
C6FMAの1.2g、HEMAの0.7g、MOI−BMの1.3g、および、開始剤V65(和光純薬社製)0.05gをMEKの29gに溶解し、雰囲気を窒素置換した後、50℃で24時間振とうした。反応液をヘキサンの500mLに入れ、析出した固体を公称孔径3μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルタで濾過し、重量平均分子量(Mw)が23,000の白色固体(重合体)を得た。反応に用いた原料等の量(g)、単量体の割合(モル%)と得られた重合体の分子量(Mw)を表1に示す。
(重合例2〜9)
重合例1と同様に重合を行った。反応に用いた原料等の量(g)と得られた重合体の分子量(Mw)を表1、2に示す。
Figure 2017039318
Figure 2017039318
重合例1〜9で得られた重合体のH−NMRの測定結果を以下に示す。
(重合例1)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.8(br、1H)、3.6(br、2.3H)、3.8(br、2.4H)、4.1(br、5.5H)、4.3(br、1H)、7.2(br、1H)。
(重合例2)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1.8H)、3.6(br、0.7H)、3.8(br、0.6H)、4.1(br、1.5H)、4.3(br、1H)、7.1(br、0.3H)。
(重合例3)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:ヘキサフルオロベンゼン、基準:ヘキサフルオロキシレン(8.0))δ(ppm):2.9(br、1H)、3.8(br、0.36H)、4.1(br、0.6H)、4.1(br、0.23H)、4.4(br、0.5H)、4.7(br、1H)、6.9(br、0.08H)。
(重合例4)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1H)、3.6(br、2.7H)、3.8(br、2.6H)、4.1(br、5.9H)、4.4(br、0.5H)、7.1(br、1H)。
(重合例5)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1H)、3.5(br、0.9H)、3.8(br、0.8H)、4.1(br、1.8H)、4.3(br、1H)、7.1(br、0.3H)。
(重合例6)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1H)、3.7(br、0.4H)、3.8(br、0.5H)、4.1(br、0.6H)、4.2(br、0.5H)、4.3(br、1H)、7.9(br、1H)。
(重合例7)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:ヘキサフルオロベンゼン、基準:ヘキサフルオロキシレン(8.0))δ(ppm):2.9(br、1H)、3.8(br、0.2H)、4.1(br、0.2H)、4.4(br、0.3H)、4.7(br、1H)、6.9(br、0.05H)。
(重合例8)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1H)、3.6(br、6H)、3.8(br、6H)、4.1(br、13.8H)、4.3(br、1H)、7.2(br、2.7H)。
(重合例9)
H−NMR(300.4MHz、溶媒:d−アセトン、基準:TMS)δ(ppm):2.7(br、1H)、3.6(br、20H)、3.8(br、20H)、4.1(br、40H)、4.3(br、1H)、7.2(br、8H)。
(実施例1)
重合例1で得られた重合体の0.50g、溶媒OFPOの4.5gをガラスバイアル(20mL)に入れ、充分に撹拌し均一の溶液とした。得られた溶液を公称孔径0.20μmのPTFE製フィルタで濾過して、離型剤組成物を調製した。
(実施例2〜6)(比較例1〜3)
表3に示す重合体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で離型剤組成物を調製した。
(比較例4)
重合体溶液としてCYTOP(CTL−809M(旭硝子社製))を用い、離型剤組成物とした。
(離型性と耐久性)
洗浄した10cm角のステンレス鋼(SUS)板上にスピンコート法により膜厚1μmの塗布膜を形成し、ホットプレートを用いて200℃で30分加熱し金型モデルを作製した。この金型の離型剤を塗布した面における水の接触角を測定した。水の接触角が100度以上のものを離型性が良好であると判定した。洗浄したSUS板の表面における水の接触角は57度であった。
金型と、離型剤を塗布しないSUS板(試験製品)を重ね合わせ、加熱温度を180℃、圧力を5MPaとして10分間、さらに加熱温度を180℃、圧力を15MPaとして8分間のプレスを実施した。重ね合わせた2枚の板を室温に冷却後、試験製品の離型剤と接触していた面における水の接触角を測定した。水の接触角が80度未満のものを耐久性が良好であると判定した。
(密着性と膜硬度)
金型モデルの離型剤を塗布した面に対して碁盤目剥離試験(JIS5600−5−6)を行った。剥離の見られないものを密着性が良好であると判定した。
金型モデルの離型剤を塗布した面に対して鉛筆硬度試験(JIS5600−5−4)を行った。鉛筆硬度がF以上(Fであるかより硬い)のものを膜硬度が良好であると判定した。
実施例1〜6、比較例1〜4の評価結果を表3にまとめた。
Figure 2017039318
本発明によれば、耐久性に優れた金型が得られる。

Claims (7)

  1. 分子内に、C2n+1(ただしnは、4、5または6である)のパーフルオロアルキル基を有する単量体に由来する構成単位(a)と、保護された架橋性官能基を有する単量体に由来する構成単位(b)と、構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位とを有し、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%である、重合体を含む金型用離型剤組成物。
  2. 前記C2n+1のパーフルオロアルキル基を有する単量体が下記式(1)で表わされる単量体である請求項1に記載の金型用離型剤組成物。ただしnは、4、5または6であり、Rは水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキレン基である。
    Figure 2017039318
  3. 前記保護された架橋性官能基がブロックイソシアネート基である、請求項1または2に記載の金型用離型剤組成物。
  4. 前記構成単位(a)または構成単位(b)以外の構成単位として、活性水素原子を有する官能基を有する単量体に由来する構成単位(c)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の金型用離型剤組成物。
  5. 前記保護された架橋性官能基を有する単量体が下記式(2)で表わされる単量体であり、前記活性水素原子を有する官能基を有する単量体が下記式(3)で表わされる単量体である請求項4に記載の金型用離型剤組成物。ただしRおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはメチル基であり、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基であり、Rは1価の有機基である。
    Figure 2017039318
  6. 前記重合体が、全構成単位を100モル%とした時に、構成単位(a)の割合が20〜60モル%であり、構成単位(b)の割合が20〜40モル%であり、構成単位(c)の割合が20〜40モル%である請求項4または5に記載の金型用離型剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金型用離型剤組成物を金型に塗布し、150℃以上で加熱する金型の製造方法。
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