JP2017037186A - ミラー - Google Patents

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Atsuhito Nagata
淳仁 長田
アル ビルニ アハマド
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アル ビルニ アハマド
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Abstract

【課題】 光が入射する側の基体表面とは反対の基体面側に反射層が形成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ、過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有するミラーを提供する。【解決手段】 ミラーを形成するための基体と、前記基体の上に積層された反射層を含む内層と、前記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、前記基体の内部を通過した光を前記反射層で反射するように構成されたミラーであって、前記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より内側に前記内層の縁部が位置するように形成されていることを特徴とするミラー。【選択図】 図5

Description

本発明は、ミラーに関する。
特許文献1には、ガラス基材上に銀鏡面膜、銅保護膜、裏止め塗膜を順次形成してなる鏡の製造方法において、銅保護膜表面をベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体を含む表面処理液にて表面処理し、被膜を形成した後、塗料を塗布して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法が開示されている。
図6は、特許文献1に開示された鏡を模式的に示す断面図であり、この鏡100では、基材101上に、順次、銀鏡面膜102、銅保護膜103、被膜104、裏止め塗膜105が形成されている。太陽光等の光は、基材101を通過した後、銀鏡面膜102が形成されている基材101の裏面で反射され、基材101の内部を通過した後、空気中に出る。
特開平7−234306号公報
上述のように、特許文献1に開示された鏡100では、基材101上に、順次、銀鏡面膜102、銅保護膜103、被膜104、裏止め塗膜105の4つの層が形成されており、これら4つの層の縁部は、空気中に露出しているため、水や湿気を含んだ空気の攻撃を受けて浸食され易いという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、光が入射する側の基体表面とは反対の基体面側に反射層が形成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ、過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有するミラーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のミラーは、ミラーを形成するための基体と、上記基体の上に積層された反射層を含む内層と、上記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、上記基体の内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されたミラーであって、上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より内側に上記内層の縁部が位置するように形成されていることを特徴とする。
本発明のミラーは、通常のミラーと同様、基体内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されているが、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
また、最外層である第1セラミック層は、セラミックからなり、充分に硬いので、過酷な条件でも被覆層の表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
また、光が通過する基体の厚さを薄くすることで 光の伝播行程差を最小化し、二重写り込みを最小化することもできる。
さらに、上記第1セラミック層は、上記基材上に積層された反射層を含む他の層全体を覆って形成されているので、第1セラミック層の内部に存在する反射層等は、外気に晒されることがなく、腐食等が発生しにくい。また、第1セラミック層は、樹脂と異なり、機械的特性、耐久性に優れるので、上記第1セラミック層の縁部は、浸食されにくく、反射層等に腐食が発生しない。
第1セラミック層は、反射層を含む内層の全体を覆うとともに、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より内側に第1セラミック層の縁部が位置するように形成されていてもよく、内層の全体を覆い、内層が形成されていない基体の表面全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されていてもよい。
第1セラミック層が基体の側面にも形成されている場合、基体側面から空気等が侵入して内層が劣化するのをより効果的に防止することができる。
また、最外層である第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることが好ましい。
最外層である第1セラミック層が、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるものであると、充分に硬く、耐摩耗性にも優れているので、過酷な条件でも被覆層の表面がより傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層であることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記した材料は、機械的特性、耐久性に優れており、反射層等を覆う第1セラミック層として好適に使用することができる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層は、SiCからなることが好ましい。
上記ミラーにおいて、機械的特性、耐久性に優れるとともに、耐熱性、熱伝導性にも優れているので、第1セラミック層として、より好適に使用することができる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層の厚さは、10〜500nmであることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層の厚さが10〜500nmであると、スパッタリング等により比較的容易に形成することができ、要求される機械的特性や耐久性の条件を充分に満たすことができる。
上記第1セラミック層の厚さが、10nm未満であると、第1セラミック層の厚さが薄すぎるため、機械的特性や耐久性が不充分となる。
一方、上記第1セラミック層の厚さを、500nmを超えて厚くしても、特性に大きな変化はなく、そのような厚さの第1セラミック層を形成することが難しく、時間もかかるため、工程タクトが長くなりミラーが高価なものとなる。
本発明のミラーにおいて、上記反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記反射層がAg、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなると、反射層としての特性を充分に発揮することができる。
本発明のミラーにおいて、上記基体は、樹脂又はセラミックからなることが好ましく、上記樹脂は、ポリカーボネート又はアクリル樹脂であることが好ましい。
本発明のミラーでは、基体の内部を光が通過するので、上記基体に透明性は要求されるが、上記基体に透明性さえ確保されれば、上記基体を樹脂又はセラミックより構成することが可能で、様々の材料を基体として使用することができ、特にポリカーボネート又はアクリル樹脂は、透明性に優れる。
本発明のミラーにおいて、上記内層は、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の順に形成されていることが好ましい。
本発明のミラーを構成する内層は、反射層を上下から挟むように、第2セラミック層及び第3セラミック層が形成されており、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、上下の層との密着性に優れるので、基体、内層及び第1セラミック層が密着性よく形成され、剥離等が発生しにくい。
本発明のミラーは、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが好ましい。
上記ミラーにおいて、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなると、透明で上下に配置される層との密着性に優れる第2セラミック層上に、充分に平坦な反射層を形成することができ、上記反射層の上に形成される第3セラミック層も上下の層との密着性に優れる。
本発明のミラーにおいて、上記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有することが好ましい。
上記基体が240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有すると、基体を通過した光の強度が余り減少することなく、十分な強度の光の反射光とすることができ、ミラーとしての機能を充分に果たすことができる。
図1は、第一の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、基体の上部に、基体の縁部付近にAg等が蒸着するのを防止する遮蔽板が設置された装置を模式的に示す断面図である。 図3は、第二の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。 図4は、第三の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。 図5は、第四の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。 図6は、特許文献1に開示された鏡を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のミラーについて詳述する。
本発明のミラーは、ミラーを形成するための基体と、上記基体の上に積層された反射層を含む内層と、上記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、上記基体の内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されたミラーであって、上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より内側に上記内層の縁部が位置するように形成されていることを特徴とする。
本発明のミラーとして、以下のような構成のものが挙げられる。
第一の本発明のミラーの一例であるミラーは、基体と、基体の表面に形成された反射層と、反射層を覆って形成された第1セラミック層とからなり、第1セラミック層は、反射層の全体を覆っており、基体の表面の縁部より内側に反射層の縁部が位置するとともに、基体の表面の縁部より内側に第1セラミック層の縁部が位置するように形成されている。
以下においては、その特徴ごとに、第一の本発明のミラー〜第四の本発明のミラーに分けて本発明のミラーを説明している。ただし、第一の本発明のミラー〜第四の本発明のミラーに限定されない本発明のミラー全体に共通する事項については、単に本発明のミラーと記載して説明している。
第一の本発明のミラーは、上記のように構成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
また、最外層である第1セラミック層は、セラミックからなり、充分に硬いので、過酷な条件でも被覆層の表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
上記した第一の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図1は、第一の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すミラー10は、基体11と、基体11の表面に形成された反射層12と、反射層12を覆うように形成された第1セラミック層13とからなり、第1セラミック層13は、反射層12の全体を覆っており、基体11の表面の縁部11aより内側に反射層12の縁部12aが位置するとともに、基体11の表面の縁部11aより内側に第1セラミック層13の縁部13aが位置するように形成されている。
上記基体では、入射した光が基体の内部を通過し、光が入射した側の基体表面とは反対の基体面側に形成された反射層で反射され、再度、反射光が基体の内部を通過し、光が入射した側の基体表面から出射する。本発明のミラーでは、この出射した光を利用することとなるので、出射した光(反射光)が入射した光と比較して減衰が少なく、充分な強度を有することが望ましい。
第一の本発明のミラーを構成する基体は、樹脂又はセラミックからなるが、上記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有することが望ましく、上記波長範囲の光を、90%以上通すことがより望ましい。
基体を構成する透光性樹脂としては、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボネート(PC)等が好ましい。
基体を構成する透光性セラミックとしては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、イットリア、サファイヤ、Ba(Mg,Ta)O系透明セラミックス等が挙げられる。
また、基体を構成する非晶質の透光性セラミックとしては、例えば、SiO−B−ZnO系ガラス、SiO−B−Bi系ガラス、SiO−PbO系ガラス、SiO−PbO−B系ガラス、SiO−B−PbO系ガラス、B−ZnO−PbO系ガラス、B−ZnO−Bi系ガラス、B−Bi系ガラス、B−ZnO系ガラス、BaO−SiO系ガラス等のガラスが挙げられる。
第一の本発明のミラーにおいて、基体の表面の表面粗さRzJISは、1〜50nmが望ましい。上記した表面粗さRzJISは、JIS B 0601(2001)で定義される十点平均粗さである。
上記基体の粗化面の表面粗さRzJISが1nm未満であると、基体の表面積が小さくなるため、基体と反射層との密着性が充分に得られにくくなる。一方、基体表面の表面粗さRzJISが50nmを超えると、基体の表面に平坦な反射層が形成されにくくなる。
なお、基体表面の表面粗さRzJISは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−X200violet仕様)を用いて表面の輪郭曲線を測定した後、JIS B 0601(2001)に準拠して、走査距離は30μmとして測定することができる。
第一の本発明のミラーを構成する基体の表面には、反射層が形成されている。
反射層は、光を反射するミラーとしての機能を有するものであり、基体表面に形成される反射層の基体表面側の表面に平坦性が要求される。
反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなるものであることが望ましい。これらのなかでは、Agが特に望ましい。
反射層の厚さは、50〜300nmが望ましい。
上記のように、反射層の基体表面側の表面は、ミラーとして機能するので、反射層の基体表面側の面の表面粗さRzJISは、1〜20nmが望ましい。
反射層の表面粗さRzJISを1nm未満とすると、基体との密着性が劣化し、一方、反射層の表面粗さRzJISを、20nmを超えた値とすると、表面の凹凸が大きくなるため、反射層としての機能が低下してしまう。
基体の表面に形成する反射層は、反射層の縁部が基体の表面の縁部よりも内側になるように形成する必要がある。
反射層は第1セラミック層により完全に覆われる必要があり、第1セラミック層の縁部が基体の表面の縁部より内側に位置するように形成されているからである。
反射層の縁部が空気中に露出することにより、反射層が腐食するのを防止するためである。
第一の本発明のミラーでは、基体の最表面には、第1セラミック層が形成されている。
第1セラミック層は、反射層を外気雰囲気から保護するとともに、反射層が傷つくのを防止する役割を果たす。
このため、第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることが望ましい。
第一の本発明のミラーでは、炭化物系セラミックとしては、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr等が挙げられる。
また、窒化物系セラミックとしては、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN、HfN等が挙げられる。
また、第一の本発明のミラーでは、炭窒化物セラミックも、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックに含まれ、炭窒化物セラミックとしては、炭窒化タングステン等が挙げられる。
第1セラミック層は、これらの炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックのうちの1種のみを含んでいてもよいし、2種以上の炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックを含んでいてもよい。
これらの中では、硬度の高いセラミックが好ましく、ビッカース硬度が500〜10000HVであるセラミックが好ましい。また、第1セラミック層はSiCであることが好ましい。
また、第一の本発明のミラーでは、第1セラミック層は非晶質であることが好ましい。第1セラミック層が非晶質であると、第1セラミック層の厚さが薄い場合でも紫外線を吸収する作用を発現できる。
第一の本発明のミラーにおいて、第1セラミック層の厚さは10〜500nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。
第1セラミック層の厚さが上記範囲であると、内部の反射層が十分に保護され、耐摩耗性も充分に付与される。
第1セラミック層の厚さが10nm未満であると、耐摩耗性が充分とならず、ミラーが傷つき易くなる。第1セラミック層の厚さが500nmを超えて厚くしても、特性に大きな変化はなく、そのような厚さの第1セラミック層を形成することが難しく、時間もかかるため、工程タクトが長くなりミラーが高価なものとなる。
第一の本発明のミラーにおいて、反射層や第1セラミック層の厚さは、例えば、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
基体の表面に反射層や第1セラミック層が形成された部分と反射層や第1セラミック層が形成されていない部分がある試料を準備し、基体の表面に反射層や第1セラミック層が形成された部分と反射層や第1セラミック層が形成されていない部分の境界の段差をまたぐようにレーザー顕微鏡を走査して、その段差の高さを反射層や第1セラミック層の厚さとして測定することができる。
上記測定用試料は、反射層、第1セラミック層の形成時に一部をマスキングして反射層や第1セラミック層を形成することにより作製してもよいし、形成した反射層や第1セラミック層の一部を除去することによって作製してもよい。
上記したミラーでは、基体の表面に反射層が形成されており、反射層を覆うように第1セラミック層が形成されているが、基体と反射層の間に、1層又は複数層からなる他のセラミック層が形成されていてもよく、反射層と第1セラミック層との間に1層又は複数層からなる他のセラミック層が形成されていてもよい。
上記基体表面上に、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、第1セラミック層の順に形成され、かつ、第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成されているミラーについては、後で説明することとする。
次に、第一の本発明のミラーの製造方法について説明する。
(1)基体の準備
第一の本発明のミラーの製造方法では、はじめに、基体を準備する。
基体としては本発明のミラーを構成する基体の説明で説明した材料を使用することができる。
樹脂材料を基体として使用する場合、使用する用途に応じて任意の形状に切削加工、押出成形等により成形した材料を準備する。セラミックを基体材料として使用する場合にも、焼成等において所定の形状となるように製造したものを使用してもよく、製造した材料を所定の形状となるように加工し、使用してもよい。
また、基体の表面の不純物を除去するために洗浄処理を行うことが好ましい。
上記洗浄処理としては特に限定されず、従来公知の洗浄処理を用いることができ、具体的には、例えば、水やアルコール溶媒中で超音波洗浄を行う方法等を用いることができる。
また、スパッタリング装置内に基体を設置し、プラズマを発生させることによって基体の表面をプラズマ洗浄してもよい。この場合、プラズマ洗浄の後にそのままスパッタリング等の方法により反射層や第1セラミック層を形成をしてもよい。
また、上記洗浄処理後には、必要に応じて、基体の表面の粗さを調整するために、基体の表面に鏡面化処理や粗化処理を施してもよい。具体的には、例えば、サンドブラスト処理、エッチング処理等の処理を施してもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記処理の後に、さらに洗浄処理を施してもよい。
基体を構成する材料や基体表面の好ましい表面粗さ等については、既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
(2)反射層の形成
第一の本発明のミラーの製造方法では、反射層は、PVD(物理蒸着)法等により形成することができる。具体的なPVD(物理蒸着)法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法等の蒸着法、イオンめっき法、イオンビームデポジション法、スパッタリング法等が挙げられる。
これらの方法のなかでは、スパッタ法が望ましく、Ag、Au等の材料は金属であり、導電性を有するので、DC(直流)スパッタ法がより望ましい。
第一の本発明のミラーの製造方法では、基体の表面に形成する反射層の縁部は、基体の表面の縁部よりも内側に形成する必要がある。
そのために、例えば、基体の縁部から所定の範囲に、後で簡単に除去できるような樹脂層やセラミック層を形成しておき、その後、反射層を形成してもよい。樹脂層やセラミック層は、後で除去し、その上に形成されていた反射層を除去する。
具体的には、基体の縁部付近に、物理的に縁部への蒸着を阻害するような遮蔽板を設置してもよい。上記方法により、基体の表面に50〜300nmの反射層を形成する。
図2は、基体の上部に、基体の縁部付近にAg等が蒸着するのを防止する遮蔽板15が設置された装置を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、基体11の縁部付近に、物理的に縁部への蒸着を阻害するような遮蔽板15を設置してもよい。
(3)第1セラミック層の形成
第一の本発明のミラーの製造方法では、続いて、反射層を有する基体に、第1セラミック層を形成する。
第1セラミック層の形成は、反射層の形成と同様に、物理蒸着(PVD)法により行うことができる。
物理蒸着法により第1セラミック層を形成する場合、基体の温度が高温にならず、基体に樹脂材料を用いた場合であっても、樹脂材料の耐熱温度以下の温度で第1セラミック層を形成することができるので、第1セラミック層の形成方法として適している。
具体的には、物理蒸着を5〜200℃で行うことが好ましい。この温度はチャンバー内の設定温度であり、常温(25℃±15℃)であることも好ましい。
第一の本発明のミラーの製造方法では、物理蒸着法は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることが好ましい。
これらの中でもスパッタリングにより行われることがより好ましく、スパッタリングは、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、2極スパッタ法、反応性スパッタ法、又は、ECRスパッタ法であることが好ましい。
特に、RF(交流、高周波)スパッタであることが好ましく、RFマグネトロンスパッタであることがより好ましい。
RFスパッタであると、絶縁体であるセラミックターゲットについてもスパッタリングが可能であり、RFマグネトロンスパッタとすることによって成膜速度を速くすることができる。
RFマグネトロンスパッタによる物理蒸着を行う場合には、スパッタリング装置に第1セラミック層の材料となるターゲットを設置して、反射層が形成された基体をチャンバー内に載置し、チャンバー内をアルゴン雰囲気としてチャンバー内の圧力を例えば0.2〜1.2Paに減圧する。
そして、高周波電圧を印加してスパッタリングを所定時間行い、所定の厚さの第1セラミック層を基体上に形成する。
第一の本発明のミラーの製造方法では、第1セラミック層を形成する際にも、基体の表面の縁部より内側に第1セラミック層の縁部が位置するように形成する必要がある。従って、反射層を形成する際に、基体の縁部から所定の範囲に、後で簡単に除去できるような樹脂層やセラミック層を形成しておき、その後、反射層及び第1セラミック層を形成してもよいが、第1セラミック層が反射層を完全に覆うように反射層の縁部より第1セラミック層の縁部が外側になるように第1セラミック層を形成する必要がある。また、基体の縁部付近に、物理的に縁部への蒸着を阻害するような物体を設置し、反射層及び第1セラミック層を形成してもよい。
本発明のミラーは、耐摩耗性が必要な用途に使用することができ、例えば、自動車、航空機、船舶、鉄道、自転車、2輪車等のミラーや、太陽熱発電のミラー等との用途に使用することができる。
本発明のミラーは、上記した構成以外の構成のものであってもよい。本発明の別の一例である第二の本発明のミラーについて説明する。
第二の本発明のミラーの一例であるミラーは、基体表面上に、反射層、第1セラミック層の順に形成され、かつ、上記第1セラミック層は、上記反射層の全体を覆い、反射層が形成されていない基体の表面の全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されている。
すなわち、上記ミラーは、基体と、基体の表面に形成された反射層と、反射層を覆って形成された第1セラミック層とからなり、基体の表面の縁部より内側に反射層の縁部が位置している。
一方、第1セラミック層は、反射層の全体を覆い、反射層が形成されていない基体の表面の全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されている。
第二の本発明のミラーでは、第1セラミック層が、反射層が形成されていない基体の表面の全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されている点が、最初に記載したミラーと異なるほかは、第一の本発明のミラーと同様に形成されている。従って、第二の本発明のミラーについての詳しい説明は、省略することとする。
第二の本発明のミラーでは、第1セラミック層が、基体の側面にも形成されているため、基体の側面から空気等が侵入して反射層が劣化するのをより効果的に防止することができる。
上記した第二の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図3は、第二の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すミラー30は、基体31と、基体31の表面に形成された反射層32と、反射層32を覆うように形成された第1セラミック層33とからなり、基体31の表面の縁部より内側に反射層32の縁部32aが位置している。
一方、第1セラミック層33は、反射層32の全体を覆い、反射層32が形成されていない基体31の表面31aの全体を覆うとともに、基体31の側面31bにも形成されている。
図3に示すミラー30では、第1セラミック層33が、反射層32が形成されていない基体31の表面31aの全体を覆うとともに、基体31の側面31bにも形成されている点が、図1に示すミラー10と異なるほかは、図1に示すミラー10と同様に形成されている。
従って、図3に示すミラー30についての詳しい説明は、省略することとする。
第二の本発明のミラーの製造方法に関しては、第1セラミック層を形成する際、基体の側面にも、第1セラミック層を形成する必要があるので、ターゲットの大きさを大きくして、セラミック粒子が基体の側面に回り込み易いようにする必要がある。第1セラミック層は、基体の側面の一部に形成されていてもよく、側面の全体に形成されていてもよい。
図3に示すミラー30では、第1セラミック層33が、基体31の側面31bにも形成されているため、基体31の側面31bから空気等が侵入して反射層32が劣化するのをより効果的に防止することができる。
本発明のミラーは、上記した構成以外の構成のものであってもよい。本発明の別の一例である第三の本発明のミラーについて説明する。
第三の本発明のミラーの一例であるミラーでは、第1セラミック層は、内層である第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層の全体を覆い、第1セラミック層は、内層である第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成されていない基体の表面の全体を覆うとともに、基体の表面の縁部より内側に、内層の最も外側の層である第1セラミック層の縁部が位置している。
すなわち、第三の本発明のミラーは、基体と、基体の表面上に第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、及び、第1セラミック層の順に形成された層とからなり、かつ、第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆って形成されており、基体の表面の縁部より内側に、第3セラミック層の縁部が位置するとともに、基体の表面の縁部より内側に第1セラミック層の縁部が位置するように形成されている。また、内層は、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の順に形成されている。
第三の本発明のミラーを構成する基体は、第一の本発明のミラーを構成する基体とほぼ同様に構成されており、樹脂又はセラミックからなる。
以下に説明する事項を除き、基体を構成する樹脂材料やセラミック材料、その形状等については、第一の本発明のミラーを構成する基材と同様であり、第一の本発明のミラーを構成する基体の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
上記した第三の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図4は、第三の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図4に示すミラー20は、基体21と、基体21の表面上に第2セラミック層22、反射層23、第3セラミック層24、及び、第1セラミック層25の順に形成された層とからなり、かつ、第1セラミック層25は、第2セラミック層22、反射層23及び第3セラミック層24を覆って形成されており、基体21の表面の縁部21aより内側に、第3セラミック層24の縁部が位置するとともに、基体21の表面の縁部21aより内側に第1セラミック層25の縁部25aが位置するように形成されている。また、内層は、第2セラミック層22、反射層23、第3セラミック層24の順に形成されている。
本発明の図4に示すミラー20を構成する基体21は、図1に示すミラー10を構成する基体11とほぼ同様に構成されており、樹脂又はセラミックからなる。
以下に説明する事項を除き、基体21を構成する樹脂材料やセラミック材料、その形状等については、図1に示すミラー10を構成する基材11と同様であり、図1のミラー10を構成する基体11の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
第三の本発明のミラーでは、第一の本発明のミラーと同様、基体の表面の表面粗さRzJISは、1〜50nmが望ましい。
第三の本発明のミラーでは、基体の表面上には、内層を構成する第2セラミック層が形成されている。
第2セラミック層は、基体との密着性に優れるともに、第2セラミック層上に形成される反射層との密着性にも優れるため、基体と反射層との密着性を改善することができる。
ただし、基体の内部を通過した光は、基体上に形成された第2セラミック層を通過し、反射層で反射されることとなるので、第2セラミック層は、透明であるとともに、厚さもなるべく薄い方が望ましい。
第三の本発明のミラーでは、上記理由から、第2セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが望ましく、Alがより望ましい。
また、第2セラミック層の厚さは、10〜200nmであることが望ましい。
第2セラミック層の厚さが10nm未満であると、第2セラミック層の厚さが薄すぎるため、基体や反射層との密着性が不充分となり、第2セラミック層の厚さが200nmを超えると、第2セラミック層の厚さが厚くなり過ぎるため、第2セラミック層を通過する間に光の強度が低下し、ミラーとしての性能が低下してしまう。
第三の本発明のミラーでは、基体の表面上に形成された第2セラミック層の上には、内層を構成する反射層が形成されている。
反射層を構成する材料、その厚さ等については、第一の本発明のミラーを構成する反射層と同様であり、第一の本発明のミラーを構成する反射層の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
反射層は、上下の層との密着性に優れた第2セラミック層の上に形成されているため、基体との密着性に優れる。
第三の本発明のミラーでは、基体の表面上に形成された第2セラミック層の上に反射層が形成され、その上に内層を構成する第3セラミック層が形成されている。また、内層は、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の順に形成されている。
第3セラミック層は、反射層との密着性に優れるとともに、第3セラミック層の上に形成される第1セラミック層との密着性にも優れるため、第1セラミック層をその下に形成された第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の全体に密着させることができる。
第三の本発明のミラーでは、第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが望ましく、Alがより望ましい。
第3セラミック層の厚さは、50〜200nmであることが望ましい。第3セラミック層の厚さが、50〜200nmであると、上下の層との密着性に優れた層となる。
第3セラミック層の厚さが50nm未満であると、第3セラミック層の厚さが薄すぎるため、反射層や第1セラミック層との密着性が不充分となり、第3セラミック層の厚さが200nmを超えても、反射層や第1セラミック層との密着性は変わらず、工程タクトが長くなり、経済的に不利となる。
第三の本発明のミラーでは、第3セラミック層の上に、最外層として第1セラミック層が形成されている。
第1セラミック層を構成する材料、その厚さ等については、第一の本発明のミラーを構成する第1セラミック層と同様であり、第一の本発明のミラーを構成する第1セラミック層の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
第三の本発明のミラーの場合にも、基体の表面に形成する第2セラミック層、反射層、第3セラミック層は、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の縁部が基体の表面の縁部よりも内側になるように形成されており、これら第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の全体を覆って、第1セラミック層が形成されている。
そのため、第2セラミック層、反射層、及び、第3セラミック層の縁部が空気中に露出することはなく、第2セラミック層、反射層、及び、第3セラミック層の縁部が空気中に露出することにより、反射層が腐食するのを防止することができる。
なお、第三の本発明のミラーにおいては、反射等と第1セラミック層との間に存在する第3セラミック層を省略してもよい。この場合であっても、第1セラミック層が反射層をしっかりと保護するので、反射層が腐食するのを防止することができる。
次に、第三の本発明のミラーの製造方法について説明する。
(1)基体の準備
上述した第一の本発明のミラーの製造方法における基体の準備方法と同様の方法により基体を準備することができる。
(2)第2セラミック層の形成
第三の本発明のミラーの製造方法では、基体の表面上に第2セラミック層を形成するが、第2セラミック層は、PVD(物理蒸着)法等により形成することができる。具体的なPVD(物理蒸着)法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法等の蒸着法、イオンめっき法、イオンビームデポジション法、スパッタリング法等が挙げられる。
これらの方法のなかでは、スパッタリング法が望ましい。スパッタリング法としては、上述した第一の本発明のミラーの製造方法において、第1セラミック層を形成する際に採用した方法と同様の方法を挙げることができる。これらの方法のなかでは、RF(交流、高周波)スパッタリングであることが好ましく、RFマグネトロンスパッタリングであることがより好ましい。
(3)反射層の形成
第三の本発明のミラーの製造方法では、基体上に形成された第2セラミック層の上に反射層を形成する。
反射層は、上述した第一の本発明のミラーの製造方法における反射層の形成方法と同様の方法により形成することができる。基体側の表面が鏡面になるように反射層を形成するためには、スパッタ、蒸着、プラズマCVD等の方法を採用することが望ましい。
(4)第3セラミック層の形成方法
第三の本発明のミラーの製造方法では、基体上に形成された第2セラミック層及び反射層の上に第3セラミック層を形成する。
第3セラミック層は、上記した第2セラミック層の形成方法と同様の方法により形成することができる。
(5)第1セラミック層の形成
第三の本発明のミラーの製造方法では、最外層である第1セラミック層は、第一の本発明のミラーの製造方法における第1セラミック層の形成方法と同様の方法により形成することができる。
第一の本発明のミラーや第三の本発明のミラーでは、第1セラミック層の縁部が、基体の表面の縁部より内側に位置するように形成されている場合を説明したが、第1セラミック層は、内層の全体を覆い、内層が形成されていない基体の表面全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されていてもよい。
すなわち、第四の本発明のミラーとして、以下のような構成のものが挙げられる。
第四の本発明のミラーの一例であるミラーは、基体と、基体の表面上に第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、及び、第1セラミック層の順に形成された層とからなり、かつ、基体の表面の縁部より内側に、内層の最も外側の層である第3セラミック層の縁部が位置している。また、第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆い、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成されていない基体の表面の全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されている点が、第三の本発明のミラーと異なるほかは、第三の本発明のミラーと同様に形成されている。また、第1セラミック層の形成方法は、第二の本発明のミラーと同様である。
従って、第四の本発明のミラー及びその製造方法についての詳しい説明は、省略することとする。
第四の本発明のミラーでは、第1セラミック層が、基体の側面にも形成されているため、基体の側面から空気等が侵入して反射層等が劣化するのをより効果的に防止することができる。
上記した第四の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図5は、第四の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図5に示すミラー40は、基体41と、基体41の表面上に第2セラミック層42、反射層43、第3セラミック層44、及び、第1セラミック層45の順に形成された層とからなり、かつ、基体の表面の縁部より内側に、内層の最も外側の層である第3セラミック層44の縁部が位置している。また、第1セラミック層45は、第2セラミック層42、反射層43及び第3セラミック層44を覆い、第2セラミック層42、反射層43及び第3セラミック層44が形成されていない基体41の表面41aの全体を覆うとともに、基体41の側面41bにも形成されている点が、図4に示すミラー20と異なるほかは、図4に示すミラー20と同様に形成されている。また、第1セラミック層45の形成方法は、図3に示すミラー30と同様である。
従って、図5に示すミラー40及びその製造方法についての詳しい説明は、省略することとする。
図5に示すミラー40では、第1セラミック層45が、基体41の側面41bにも形成されているため、基体41の側面41bから空気等が侵入して反射層43等が劣化するのをより効果的に防止することができる。
以下に、本発明のミラーの作用効果について列挙する。
(1)本発明のミラーは、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
(2)本発明のミラーは、最外層である第1セラミック層は、充分に硬いので、過酷な条件でも表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
(3)本発明のミラーでは、光が通過する基体の厚さを薄くすることで 光の伝播行程差を最小化し、二重写り込みを最小化することができる。
(4)本発明のミラーにおいて、第1セラミック層が内層の全体を覆い、内層が形成されていない基体の表面全体を覆うとともに、基体の側面にも形成されている場合、基体の側面から空気等が侵入して反射層等が劣化するのをより効果的に防止することができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
鏡面加工された厚さ2mm、縦300mm、横300mmのアクリル樹脂製の基体をスパッタ装置に搬入し、1×10−5Paとなるまで排気した。
このとき、基体の縁部より5mmの領域には、スパッタ等により被膜が形成されないように、縦290mm、横290mmの開口が形成された遮蔽板を、基体の直上に配置した。
次に、ターゲットとしてAlを用い、スパッタ装置内を0.6Paの圧力に調整した後、RF電源を用い、500Wで基体表面に、100nmの厚さのAl膜(第2セラミック層)を形成した。
次に、DC電源を用い、200Wで120nmの厚さのAg膜(反射層)を形成し、続けてRF電源を用い、90nmのAl膜(第3セラミック層)を形成した。
さらに、SiCターゲットを使用し、RF電源を用いて500Wで20nmの厚さのSiC膜(第1セラミック層)を形成した。SiC膜を形成する際には、遮蔽板の開口面積を大きくし、SiC膜(第1セラミック層)がAl膜(第2セラミック層)、Ag膜(反射層)及びAl膜(第3セラミック層)の全体を覆うように、SiC膜(第1セラミック層)を形成した。
上記方法により製造したミラーでは、基体上にAl膜(第2セラミック層)が形成され、その上にAg膜(反射層)が形成され、さらにその上にAl膜(第3セラミック層)が形成されており、これらの層全体を被覆するようにSiC膜(第1セラミック層)が形成されている。
各層の厚さは、レーザー顕微鏡を用いて測定した。
10、20、30、40 ミラー
11、21、31、41 基体
11a、21a 縁部(基体表面)
12、23、32、43 反射層
12a、32a 縁部(反射層)
13a、25a 縁部(第1セラミック層)
13、25、33、45 第1セラミック層
15 遮蔽板
22、42 第2セラミック層
24、44 第3セラミック層
31a、41a 表面
31b、41b 側面

Claims (11)

  1. ミラーを形成するための基体と、前記基体の上に積層された反射層を含む内層と、前記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、前記基体の内部を通過した光を前記反射層で反射するように構成されたミラーであって、
    前記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より内側に前記内層の縁部が位置するように形成されていることを特徴とするミラー。
  2. 前記第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなる請求項1に記載のミラー。
  3. 前記第1セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層である請求項1又は2に記載のミラー。
  4. 前記第1セラミック層は、SiCからなる請求項2に記載のミラー。
  5. 前記第1セラミック層の厚さは、10〜500nmである請求項1〜4のいずれかに記載のミラー。
  6. 前記反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなる請求項1〜5のいずれかに記載のミラー。
  7. 前記基体は、樹脂又はセラミックからなる請求項1〜6のいずれかに記載のミラー。
  8. 前記樹脂は、ポリカーボネート又はアクリル樹脂である請求項7に記載のミラー。
  9. 前記内層は、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の順に形成されている請求項1〜8のいずれかに記載のミラー。
  10. 前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなる請求項9に記載のミラー。
  11. 前記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有する請求項1〜10のいずれかに記載のミラー。
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