JP2017037187A - ミラー - Google Patents

ミラー Download PDF

Info

Publication number
JP2017037187A
JP2017037187A JP2015158303A JP2015158303A JP2017037187A JP 2017037187 A JP2017037187 A JP 2017037187A JP 2015158303 A JP2015158303 A JP 2015158303A JP 2015158303 A JP2015158303 A JP 2015158303A JP 2017037187 A JP2017037187 A JP 2017037187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
ceramic layer
mirror
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015158303A
Other languages
English (en)
Inventor
淳仁 長田
Atsuhito Nagata
淳仁 長田
アル ビルニ アハマド
Al Biruni Ahmad
アル ビルニ アハマド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2015158303A priority Critical patent/JP2017037187A/ja
Publication of JP2017037187A publication Critical patent/JP2017037187A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 光が入射する側の基体表面とは反対の基体面側に反射層が形成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ、過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有するミラーを提供する。
【解決手段】 ミラーを形成するための基体と、上記基体の上に積層された反射層を含む内層と、上記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、上記基体の内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されたミラーであって、上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より外側に及んで形成されていることを特徴とするミラー。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ミラーに関する。
特許文献1には、ガラス基材上に銀鏡面膜、銅保護膜、裏止め塗膜を順次形成してなる鏡の製造方法において、銅保護膜表面をベンゾトリアゾールおよび/またはその誘導体を含む表面処理液にて表面処理し、被膜を形成した後、塗料を塗布して裏止め塗膜を形成する鏡の製造方法が開示されている。
図4は、特許文献1に開示された鏡を模式的に示す断面図であり、この鏡100では、基材101上に、順次、銀鏡面膜102、銅保護膜103、被膜104、裏止め塗膜105が形成されている。太陽光等の光は、基材101を通過した後、銀鏡面膜102が形成されている基材101の裏面で反射され、基材101の内部を通過した後、空気中に出る。
特開平7−234306号公報
上述のように、特許文献1に開示された鏡100では、基材101上に、順次、銀鏡面膜102、銅保護膜103、被膜104、裏止め塗膜105の4つの層が形成されており、これら4つの層の縁部は、空気中に露出しているため、水や湿気を含んだ空気の攻撃を受けて浸食され易いという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、光が入射する側の基体表面とは反対の基体面側に反射層が形成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ、過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有するミラーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のミラーは、ミラーを形成するための基体と、上記基体の上に積層された反射層を含む内層と、上記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、上記基体の内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されたミラーであって、上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より外側に及んで形成されていることを特徴とする。
上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より外側に及んで形成されているとは、上記内層が、基体表面のみでなく、基体側面にも形成されていることをいう。
本発明のミラーは、通常のミラーと同様、基体内部を通過した光を前記反射層で反射するように構成されているが、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
また、最外層である第1セラミック層は、セラミックからなり、充分に硬いので、耐摩耗性に優れているので、過酷な条件でも被覆層の表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
また、光が通過する基体の厚さを薄くすることで 光の伝播行程差を最小化し、二重写り込みを最小化することもできる。
さらに、上記第1セラミック層は、上記基材上に積層された反射層を含む他の層全体を覆って形成されているので、第1セラミック層の内部に存在する反射層等は、外気に晒されることがなく、腐食等が発生しにくい。また、第1セラミック層は、樹脂と異なり、機械的特性、耐久性に優れるので、上記第1セラミック層の縁部は、浸食されにくく、反射層等に腐食が発生しない。
本発明のミラーにおいて、上記反射層を含む内層は、基体表面の全体及び基体側面の一部に形成されており、上記第1セラミック層は、上記内層の表面全体と上記基体の側面とに形成されていることが望ましい。
第1セラミック層が上記内層の表面全体と上記基体の側面とに形成されていると、基体側面から空気等が侵入して内層が劣化するのを防止することができ、かつ、基体の表面全体を有効ミラー面とすることができる。
また、最外層である第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることが好ましい。
最外層である第1セラミック層が、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるものであると、充分に硬く、耐摩耗性にも優れているので、過酷な条件でも被覆層の表面がより傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
さらに、基体側面を覆う炭化物系セラミック又は窒化物系セラミック等の非酸化物系セラミックスは、一般に水や有機材料などに対するぬれ性が悪いことで知られている。このためゴミ等の異物をミラー側面に集めにくく、例えばミラー施工時等に異物のかみ込みによるミラー損傷を起こしにくいので信頼性の高いシステムの実現が可能となる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層であることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記した材料は、機械的特性、耐久性に優れており、反射層等を覆う第1セラミック層として好適に使用することができる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層は、SiCからなることが好ましい。
上記ミラーにおいて、機械的特性、耐久性に優れるとともに、耐熱性、熱伝導性にも優れているので、第1セラミック層として、より好適に使用することができる。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層の厚さは、10〜500nmであることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記第1セラミック層の厚さが10〜500nmであると、スパッタリング等により比較的容易に形成することができ、要求される機械的特性や耐久性の条件を充分に満たすことができる。
上記第1セラミック層の厚さが、10nm未満であると、第1セラミック層の厚さが薄すぎるため、機械的特性や耐久性が不充分となる。
一方、上記第1セラミック層の厚さを、500nmを超えて厚くしても、特性に大きな変化はなく、そのような厚さの第1セラミック層を形成することが難しく、時間もかかるため、工程タクトが長くなりミラーが高価なものとなる。
本発明のミラーにおいて、上記反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなることが好ましい。
本発明のミラーにおいて、上記反射層がAg、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなると、反射層としての特性を充分に発揮することができる。
本発明のミラーにおいて、上記基体は、樹脂又はセラミックからなることが好ましく、上記樹脂は、ポリカーボネート又はアクリル樹脂であることが好ましい。
本発明のミラーでは、基体の内部を光が通過するので、上記基体に透明性は要求されるが、上記基体に透明性さえ確保されれば、上記基体を樹脂又はセラミックより構成することが可能で、様々の材料を基体として使用することができ、特にポリカーボネート又はアクリル樹脂は、透明性に優れる。
本発明のミラーにおいて、上記内層は、第2セラミック層、反射層、及び、第3セラミック層であることが好ましい。
本発明のミラーを構成する内層は、反射層を上下から挟むように、第2セラミック層及び第3セラミック層が形成されており、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、上下の層との密着性に優れるので、基体、内層及び第1セラミック層が密着性よく形成され、剥離等が発生しにくい。
本発明のミラーは、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが好ましい。
上記ミラーにおいて、上記第2セラミック層及び上記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなると、透明で上下に配置される層との密着性に優れる第2セラミック層上に、充分に平坦な反射層を形成することができ、上記反射層の上に形成される第3セラミック層も上下の層との密着性に優れる。
本発明のミラーにおいて、上記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有することが好ましい。
上記基体が240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有すると、基体を通過した光の強度が余り減少することなく、十分な強度の光の反射光とすることができ、ミラーとしての機能を充分に果たすことができる。
図1は、本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明のミラーの別の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明のミラーのさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、特許文献1に開示された鏡を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明のミラーについて詳述する。
本発明のミラーは、ミラーを形成するための基体と、上記基体の上に積層された反射層を含む内層と、上記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、上記基体の内部を通過した光を上記反射層で反射するように構成されたミラーであって、上記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より外側に及んで形成されていることを特徴とする。
本発明のミラーとして、以下のような構成のものが挙げられる。
第一の本発明のミラーの一例であるミラーは、基体と、基体表面及び基体側面の一部に形成された反射層と、反射層を覆って形成された第1セラミック層とからなる。第1セラミック層は、反射層の全体を覆っており、かつ、反射層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成されている。上記ミラーでは、第1セラミック層は、反射層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成されていてもよい。
以下においては、その特徴ごとに、第一の本発明のミラー〜第三の本発明のミラーに分けて本発明のミラーを説明している。ただし、第一の本発明のミラー〜第三の本発明のミラーに限定されない本発明のミラー全体に共通する事項については、単に本発明のミラーと記載して説明している。
第一の本発明のミラーは、上記のように構成されており、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
また、最外層である第1セラミック層は、セラミックからなり、充分に硬いので、過酷な条件でも被覆層の表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
上記した第一の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図1は、本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すミラー10は、基体11と、基体表面11a及び基体側面11bの一部に形成された反射層12と、反射層12を覆って形成された第1セラミック層13とからなる。第1セラミック層13は、反射層12の全体を覆っており、かつ、反射層12が形成された部分以外の基体側面11bの一部に形成されている。
図1では、第1セラミック層13は、反射層12が形成された部分以外の基体側面11bの一部に形成されているが、第1セラミック層13は、反射層12が形成された部分以外の基体側面11bの全体に形成されていてもよい。
上記基体では、入射した光が基体の内部を通過し、光が入射した側の基体表面とは反対の基体面側に形成された反射層で反射され、再度、反射光が基体の内部を通過し、光が入射した側の基体表面から出射する。本発明のミラーでは、この出射した光を利用することとなるので、出射した光(反射光)が入射した光と比較して減衰が少なく、充分な強度を有することが望ましい。
第一の本発明のミラーを構成する基体は、樹脂又はセラミックからなるが、上記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有することが望ましく、上記波長範囲の光を、90%以上通すことがより望ましい。
基体を構成する透光性樹脂としては、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボネート(PC)等が好ましい。
基体を構成する透光性セラミックとしては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、イットリア、サファイヤ、Ba(Mg,Ta)O系透明セラミックス等が挙げられる。
また、基体11を構成する非晶質のセラミックとしては、例えば、SiO−B−ZnO系ガラス、SiO−B−Bi系ガラス、SiO−PbO系ガラス、SiO−PbO−B系ガラス、SiO−B−PbO系ガラス、B−ZnO−PbO系ガラス、B−ZnO−Bi系ガラス、B−Bi系ガラス、B−ZnO系ガラス、BaO−SiO2系ガラス等のガラスが挙げられる。
第一の本発明のミラーにおいて、基体表面の表面粗さRzJISは、1〜50nmが望ましい。上記した表面粗さRzJISは、JIS B 0601(2001)で定義される十点平均粗さである。
上記基体表面の表面粗さRzJISが1nm未満であると、基体の表面積が小さくなるため、基体と反射層との密着性が充分に得られにくくなる。一方、基体表面の表面粗さRzJISが50nmを超えると、基体表面に平坦な反射層が形成されにくくなり、ミラーとしての特性が劣化する。
なお、基体表面の表面粗さRzJISは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−X200violet仕様)を用いて表面の輪郭曲線を測定した後、JIS B 0601(2001)に準拠して、走査距離は30μmとして測定することができる。
第一の本発明のミラーを構成する基体表面の全体及び基体側面の一部には、反射層が形成されている。
反射層は、光を反射するミラーとしての機能を有するものであり、平坦性が要求される。
反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなるものであることが望ましい。これらのなかでは、Agが特に望ましい。
反射層の厚さは、50〜200nmが望ましい。
反射層の基体表面側の表面は、ミラーとして機能するので、反射層の基体表面側の面の表面粗さRzJISは、1〜50nmが望ましい。
反射層の表面粗さRzJISを1nm未満とすると、基体との密着性が劣化し、一方、反射層の表面粗さRzJISを50nmを超えた値とすると、反射層の表面の凹凸が大きくなるため、反射層としての機能が低下してしまう。
第一の本発明のミラーでは、最外層には、第1セラミック層が形成されている。また、第1セラミック層は、反射層の全体を覆っており、かつ、反射層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成されている。
このため、第1セラミック層は、反射層を外気雰囲気から保護するとともに、反射層が傷つくのを防止する役割を果たす。
このため、第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなることが望ましい。
最外層である第1セラミック層が、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなるものであると、充分に硬く、耐摩耗性にも優れているので、過酷な条件でも被覆層の表面がより傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
第一の本発明のミラーでは、炭化物系セラミックとしては、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr等が挙げられる。
また、窒化物系セラミックとしては、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN、HfN等が挙げられる。
また、第一の本発明のミラーでは、炭窒化物セラミックも、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックに含まれ、炭窒化物セラミックとしては、炭窒化タングステン等が挙げられる。
第1セラミック層は、これらの炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックのうちの1種のみを含んでいてもよいし、2種以上の炭化物系セラミック及び窒化物系セラミックを含んでいてもよい。
これらの中では、硬度の高いセラミックが好ましく、ビッカース硬度が500〜10000HVであるセラミックが好ましい。また、第1セラミック層はSiCであることが好ましい。
また、第一の本発明のミラーでは、第1セラミック層は非晶質であることが好ましい。第1セラミック層が非晶質であると、第1セラミック層の厚さが薄い場合でも紫外線を吸収する作用を発現できる。
第一の本発明のミラーにおいて、第1セラミック層の厚さは10〜500nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
第1セラミック層の厚さが上記範囲であると内部の反射層が十分に保護され、耐摩耗性も充分に付与される。
第1セラミック層の厚さが10nm未満であると、第1セラミック層の厚さが薄すぎるため、機械的特性や耐久性が不充分となる。第1セラミック層の厚さを500nmを超えて厚くしても、特性に大きな変化はなく、そのような厚さの第1セラミック層を形成することが難しく、時間もかかるため、工程タクトが長くなりミラーが高価なものとなる。
第一の本発明のミラーにおいて、反射層や第1セラミック層の厚さは、例えば、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
基体表面に反射層や第1セラミック層が形成された部分と反射層や第1セラミック層が形成されていない部分がある試料を準備し、基体表面に反射層や第1セラミック層が形成された部分と反射層や第1セラミック層が形成されていない部分の境界の段差をまたぐようにレーザー顕微鏡を走査して、その段差の高さを反射層や第1セラミック層の厚さとして測定することができる。
上記測定用試料は、反射層、第1セラミック層の形成時に一部をマスキングして反射層や第1セラミック層を形成することにより作製してもよいし、形成した反射層や第1セラミック層の一部を除去することによって作製してもよい。
上記したミラーでは、基体表面に反射層が形成されており、反射層を覆って第1セラミック層が形成されていたが、基体と反射層との間に、1層又は複数層からなるセラミック層が形成されていてもよく、反射層と第1セラミック層との間に1層又は複数層からなるセラミック層が形成されていてもよい。
上記基体表面上に、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、第1セラミック層の順に形成され、かつ、第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成されているミラーについては、後で説明することとする。
次に、第一の本発明のミラーの製造方法について説明する。
(1)基体の準備
第一の本発明のミラーの製造方法では、はじめに、基体を準備する。
基体としては本発明のミラーを構成する基体の説明で説明した材料を使用することができる。
樹脂材料を基体として使用する場合、使用する用途に応じて任意の形状に切削加工、押出成形等により成形した材料を準備する。セラミックを基体材料として使用する場合にも、焼成等において所定の形状となるように製造したものを使用してもよく、製造した材料を所定の形状となるように加工し、使用してもよい。
また、基体の表面の不純物を除去するために洗浄処理を行うことが好ましい。
上記洗浄処理としては特に限定されず、従来公知の洗浄処理を用いることができ、具体的には、例えば、水やアルコール溶媒中で超音波洗浄を行う方法等を用いることができる。
また、スパッタリング装置内に基体を設置し、プラズマを発生させることによって基体の表面をプラズマ洗浄してもよい。この場合、プラズマ洗浄の後にそのままスパッタリング等の方法により反射層や第1セラミック層を形成をしてもよい。
また、上記洗浄処理後には、必要に応じて、基体の表面の粗さを調整するために、基体の表面に鏡面化処理や粗化処理を施してもよい。具体的には、例えば、サンドブラスト処理、エッチング処理等の処理を施してもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記処理の後に、さらに洗浄処理を施してもよい。
基体を構成する材料や基体表面の好ましい表面粗さ等については、既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
(2)反射層の形成
第一の本発明のミラーの製造方法では、反射層は、PVD(物理蒸着)法等により形成することができる。具体的なPVD(物理蒸着)法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法等の蒸着法、イオンめっき法、イオンビームデポジション法、スパッタリング法等が挙げられる。
これらの方法のなかでは、スパッタリング法が望ましく、Ag、Au等の材料は金属であり、導電性を有するので、DC(直流)スパッタリング法がより望ましい。
第一の本発明のミラーの製造方法では、反射層は、基体表面及び基体側面の一部に形成する。そのため、ターゲットの大きさを大きくして、セラミック粒子が基体の側面に回り込み易いようにすることが望ましい。
しかし、反射層は、基体側面の一部に形成されるようにする必要があり、そのために、例えば、基体側面の所定の範囲に、後で簡単に除去できるような樹脂層やセラミック層を形成しておき、その後、反射層を形成してもよい。樹脂層やセラミック層は、後で除去し、その上に形成されていた反射層を除去する。
(3)第1セラミック層の形成
第一の本発明のミラーの製造方法では、続いて、反射層を有する基体に第1セラミック層を形成する。
第1セラミック層の形成は、反射層の形成と同様に、物理蒸着(PVD)法により行うことができる。
物理蒸着法により第1セラミック層を形成する場合、基体の温度が高温にならず、基体に樹脂材料を用いた場合であっても、樹脂材料の耐熱温度以下の温度で第1セラミック層を形成することができるので、第1セラミック層の形成方法として適している。
具体的には、物理蒸着を5〜200℃で行うことが好ましい。この温度はチャンバー内の設定温度であり、常温(25℃±15℃)であることも好ましい。
第一の本発明のミラーの製造方法では、物理蒸着法は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることが好ましい。
これらの中でもスパッタリングにより行われることがより好ましく、スパッタリングは、マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング、2極スパッタリング、反応性スパッタリング、又は、ECRスパッタリングであることが好ましい。
特に、RF(交流、高周波)スパッタリングであることが好ましく、RFマグネトロンスパッタリングであることがより好ましい。
RFスパッタリングであると、絶縁体であるセラミックターゲットについてもスパッタリングが可能であり、RFマグネトロンスパッタリングとすることによって成膜速度を速くすることができる。
RFマグネトロンスパッタリングによる物理蒸着を行う場合には、スパッタリング装置に第1セラミック層の材料となるターゲットを設置して、反射層が形成された基体をチャンバー内に載置し、チャンバー内をアルゴン雰囲気としてチャンバー内の圧力を例えば0.2〜1.2Paに減圧する。
そして、高周波電圧を印加してスパッタリングを所定時間行い、所定の厚さの第1セラミック層を反射層の表面全体と反射層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成する。
第1セラミック層を反射層の表面全体と反射層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成してもよい。
本発明のミラーは、耐紫外線性及び耐摩耗性が必要な用途に使用することができ、例えば、自動車、航空機、船舶、鉄道、自転車、2輪車等のミラーや、太陽熱発電のミラー等との用途に使用することができる。
本発明のミラーは、上記した構成以外の構成のものであってもよい。本発明の別の一例であるミラーについて説明する。
第二の本発明のミラーの一例であるミラーは、基体表面の全体及び基体側面に、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、第1セラミック層の順に形成され、かつ、第1セラミック層は、第3セラミック層の表面全体及び第2セラミック層、反射層、第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成されている。
すなわち、上記ミラーは、基体と、基体の表面の全体及び基体の側面に第2セラミック層、反射層、第3セラミック層、及び、第1セラミック層の順に形成された層とからなる。また、第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成されるとともに、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成されている。また、内層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層からなる。
第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成されていてもよい。
上記した第二の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図2は、第二の本発明のミラーの一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すミラー20は、基体21と、基体21の表面21aの全体及び基体の側面21bに第2セラミック層22、反射層23、第3セラミック層24、及び、第1セラミック層25の順に形成された層とからなる。また、第1セラミック層25は、第2セラミック層22、反射層23及び第3セラミック層24を覆うように形成されるとともに、第2セラミック層22、反射層23及び第3セラミック層24が形成された部分以外の基体側面21bの一部に形成されている。また、内層は、第2セラミック層22、反射層23及び第3セラミック層24からなる。
第1セラミック層25は、図2に示すように、第2セラミック層22、反射層23及び第3セラミック層24が形成された部分以外の基体側面21bの全体に形成されていてもよい。
第二の本発明のミラーを構成する基体は、第一の本発明のミラーを構成する基体とほぼ同様に構成されており、樹脂又はセラミックからなる。
以下に説明する事項を除き、基体を構成する樹脂材料第一の本発明のミラーを構成する基体の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
第二の本発明のミラーにおいて、基体の表面の表面粗さRzJISは、1〜50nmが望ましい。
第二の本発明のミラーでは、基体表面及び基体側面の一部に、内層を構成する第2セラミック層が形成されている。
第2セラミック層は、基体との密着性に優れるともに、第2セラミック層上に形成される反射層との密着性にも優れるため、基体と反射層との密着性を改善することができる。
ただし、基体の内部を通過した光は、基体上に形成された第2セラミック層を通過し、反射層で反射されることとなるので、第2セラミック層は、透明であるとともに、厚さもなるべく薄い方が望ましい。
第2セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが望ましく、Alがより望ましい。
第2セラミック層の厚さは、10〜200nmであることが望ましい。
第2セラミック層の厚さが10nm未満であると、第2セラミック層の厚さが薄すぎるため、基体や反射層との密着性が不充分となり、第2セラミック層の厚さが200nmを超えても、第2セラミック層の厚さが厚くなり過ぎるため、第2セラミック層を通過する間に光の強度が低下し、ミラーとしての性能が低下してしまう。
第二の本発明のミラーでは、基体表面及び基体側面の一部に形成された第2セラミック層の上には、内層を構成する反射層が形成されている。
反射層を構成する材料、その厚さ等については、第一の本発明のミラーを構成する反射層と同様であり、第一の本発明のミラーを構成する反射層の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
反射層は、上下の層との密着性に優れた第2セラミック層の上に形成されているため、基体との密着性に優れる。
第二の本発明のミラーでは、基体表面及び基体側面の一部に形成された第2セラミック層の上に反射層が形成され、その上に内層を構成する第3セラミック層が形成されている。すなわち、内層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層からなる。
第3セラミック層は、反射層との密着性に優れるとともに、第3セラミック層の上に形成される第1セラミック層との密着性にも優れるため、第1セラミック層をその下に形成された第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の全体に密着させることができる。
第二の本発明のミラーでは、第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなることが望ましく、Alがより望ましい。
第3セラミック層の厚さは、50〜200nmであることが望ましい。第3セラミック層の厚さが、50〜200nmであると、上下の層との密着性に優れた層となる。
第3セラミック層の厚さが50nm未満であると、第3セラミック層の厚さが薄すぎるため、反射層や第1セラミック層との密着性が不充分となり、第3セラミック層の厚さが200nmを超えても、反射層や第1セラミック層との密着性は変わらず、工程タクトが長くなり、経済的に不利となる。
第二の本発明のミラーでは、第3セラミック層の上に、最外層として第1セラミック層が形成されている。
すなわち、第1セラミック層は、基体表面の全体及び基体側面に形成された第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成されるとともに、基体表面の全体及び基体側面に形成された第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層以外の基体側面の一部に形成されている。
第1セラミック層を構成する材料、その厚さ等については、第一の本発明のミラーを構成する第1セラミック層と同様であり、第一の本発明のミラーを構成する第1セラミック層の説明において説明したので、ここでは、その説明を省略することとする。
第二の本発明のミラーの場合、第2セラミック層、反射層、第3セラミック層は、基体表面の全体及び基体側面に形成されており、これら第2セラミック層、反射層、第3セラミック層の全体を覆い、かつ、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の一部に第1セラミック層が形成されている。
そのため、第2セラミック層、反射層、及び、第3セラミック層の縁部が空気中に露出することはなく、第2セラミック層、反射層、及び、第3セラミック層の縁部が空気中に露出することにより、反射層が腐食するのを防止することができる。
なお、第二の本発明のミラーにおいては、反射等と第1セラミック層との間に存在する第3セラミック層を省略してもよい。この場合であっても、第1セラミック層が反射層をしっかりと保護するので、反射層が腐食するのを防止することができる。
次に、第二の本発明のミラーの製造方法について説明する。
(1)基体の準備
上述した第一の本発明のミラーの製造方法における基体の準備方法と同様の方法により基体を準備することができる。
(2)第2セラミック層の形成
第二の本発明のミラーの製造方法では、基体表面及び基体側面の一部に第2セラミック層を形成するが、第2セラミック層は、PVD(物理蒸着)法等により形成することができる。具体的なPVD(物理蒸着)法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法等の蒸着法、イオンめっき法、イオンビームデポジション法、スパッタリング法等が挙げられる。
これらの方法のなかでは、スパッタリング法が望ましい。スパッタリング法としては、上述した第一の本発明のミラーの製造方法において、第1セラミック層を形成する際に採用した方法と同様の方法を挙げることができる。これらの方法のなかでは、RF(交流、高周波)スパッタリングであることが好ましく、RFマグネトロンスパッタリングであることがより好ましい。
第2セラミック層は、基体表面及び基体側面の一部に形成する。そのため、ターゲットの大きさを大きくして、セラミック粒子が基体の側面に回り込み易いようにする必要がある。
しかし、第2セラミック層は、基体側面の全体には形成されないようにする必要があり、そのために、例えば、基体側面の所定の範囲に、後で簡単に除去できるような樹脂層やセラミック層を形成しておき、その後、反射層を形成してもよい。樹脂層やセラミック層は、後で除去し、その上に形成されていた反射層を除去する。
(3)反射層の形成
第二の本発明のミラーの製造方法では、基体上に形成された第2セラミック層の上に反射層を形成する。
反射層は、上述した第一の本発明のミラーの製造方法における反射層の形成方法と同様の方法により形成することができる。基体側の表面が鏡面になるように反射層を形成するためには、スパッタリング、蒸着、プラズマCVD等の方法を採用することが望ましい。
(4)第3セラミック層の形成方法
第二の本発明のミラーの製造方法では、基体上に形成された第2セラミック層及び反射層の上に第3セラミック層を形成する。
第3セラミック層は、上記した第2セラミック層の形成方法と同様の方法により形成することができる。第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層は、基体表面の全体及び基体側面の一部に形成する。第3セラミック層も、基体側面の全体には形成されないようにする必要があり、そのために、第2セラミック層の形成方法と同様の方法を採用することが望ましい。
(5)第1セラミック層の形成
第二の本発明のミラーの製造方法では、最外層である第1セラミック層は、第一の本発明のミラーの製造方法における第1セラミック層の形成方法と同様の方法により形成することができる。
第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成するとともに、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の一部に形成されているが、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成してもよい。
すなわち、第三の本発明のミラーとして、以下のような構成のものが挙げられる。
第三の本発明のミラーでは、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が順に基体表面の全体及び基体側面に形成されている。第1セラミック層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層を覆うように形成されるとともに、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成されている。
第三の本発明のミラーでは、第1セラミック層が、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成されているほかは、第二の本発明のミラーと同様に形成されており、その製造方法も、第1セラミック層を、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層が形成された部分以外の基体側面の全体に形成するほかは、第二の本発明のミラーの製造方法と同様の方法を採用することができるので、ここでは、詳しい説明を省略することとする。
上記した第三の本発明のミラーの形状、構造等について、さらに詳述する。
図3は、本発明のミラーのさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すミラー30では、第2セラミック層32、反射層33及び第3セラミック層34が順に基体表面31aの全体及び基体側面31bに形成されている。第1セラミック層35は、第2セラミック層32、反射層33及び第3セラミック層34を覆うように形成されるとともに、第2セラミック層32、反射層33及び第3セラミック層34が形成された部分以外の基体側面31bの全体に形成されている。
図3に示すミラー30では、第1セラミック層35が、第2セラミック層32、反射層33及び第3セラミック層34が形成された部分以外の基体側面31bの全体に形成されているほかは、図2に示すミラー20と同様に形成されており、その製造方法も、第1セラミック層35を、第2セラミック層32、反射層33及び第3セラミック層34が形成された部分以外の基体側面31bの全体に形成するほかは、図2に示すミラー20の製造方法と同様の方法を採用することができるので、ここでは、詳しい説明を省略することとする。
以下に、本発明のミラーの作用効果について列挙する。
(1)本発明のミラーは、通常のミラーと同様、基体内部を通過した光を前記反射層で反射するように構成されているが、外部雰囲気に曝され、傷等の影響を受けやすい反射面は基体によりカバーされ 過酷な条件下において反射面が傷つきにくく、内層と最外層とからなる被覆層の縁部においても基体との間に剥離が発生しにくく、長期信頼性を有する。
(2)本発明のミラーは、最外層である第1セラミック層は、セラミックからなり、充分に硬いので、耐摩耗性に優れているので、過酷な条件でも被覆層の表面が傷つきにくく、長期にわたる耐久性に優れる。
(3)本発明のミラーは、光が通過する基体の厚さを薄くすることで 光の伝播行程差を最小化し、二重写り込みを最小化することもできる。
(4)本発明のミラーで、基体の表面の全体に反射層を形成しているので、基体の表面全体を有効ミラー面とすることができる。また、基体の側面にも第1セラミック層が形成されているため、空気等が反射層を含む内層に触れて腐食するのをより確実に防止することができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
鏡面加工された厚さ2mm、縦300mm、横300mmのアクリル樹脂製の基体をスパッタリング装置に搬入し、1×10−5Paとなるまで排気した。
次に、ターゲットとしてAlを用い、スパッタリング装置内を0.6Paの圧力に調整した後、RF電源を用い、500Wで基体表面に、100nmの厚さのAl膜(第2セラミック層)を形成した。
次に、DC電源を用い、200Wで120nmの厚さのAg膜(反射層)を形成し、続けてRF電源を用い、90nmのAl膜(第3セラミック層)を形成した。上記工程において、Al膜(第2セラミック層)、Ag膜(反射層)及びAl膜(第3セラミック層)が基体表面の全体を被覆するように形成した。
さらに、SiCターゲットを使用し、RF電源を用いて500Wで20nmの厚さのSiC膜(第1セラミック層)を形成した。SiC膜を形成する際には、より大きいターゲットを用い、SiC膜(第1セラミック層)がAl膜(第2セラミック層)、Ag膜(反射層)及びAl膜(第3セラミック層)の全体を覆い、かつ、基体の側面を覆うように、SiC膜(第1セラミック層)を形成した。
上記方法により製造したミラーでは、基体上にAl膜(第2セラミック層)が形成され、その上にAg膜(反射層)が形成され、さらにその上にAl膜(第3セラミック層)が形成されており、これらの層全体を被覆し、かつ、基体の側面を被覆するようにSiC膜(第1セラミック層)が形成されている。各層の厚さは、レーザー顕微鏡を用いて測定した。
10、20、30 ミラー
11、21、31 基体
11a、21a、31a 基体表面
11b、21b、31b 基体側面
12、23、33 反射層
13、25、35 第1セラミック層
22、32 第2セラミック層
24、34 第3セラミック層

Claims (12)

  1. ミラーを形成するための基体と、前記基体の上に積層された反射層を含む内層と、前記内層を覆って形成された第1セラミック層である最外層とからなり、前記基体の内部を通過した光を前記反射層で反射するように構成されたミラーであって、
    前記内層は、光が入射する面とは反対側の基体面の縁部より外側に及んで形成されていることを特徴とするミラー。
  2. 前記反射層を含む内層は、基体表面の全体及び基体側面の一部に形成されており、前記第1セラミック層は、前記内層の表面全体と前記基体の側面とに形成されている請求項1に記載のミラー。
  3. 前記第1セラミック層は、炭化物系セラミック又は窒化物系セラミックからなる請求項1又は2に記載のミラー。
  4. 前記第1セラミック層は、SiC、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、HfC、BC、MoC、NbC、Cr、Si、TiN、AlN、BN、ZrN、TaN、NbN、CrN、VN及びHfNからなる群から選択された少なくとも一種からなるセラミック層である請求項1〜3のいずれかに記載のミラー。
  5. 前記第1セラミック層は、SiCからなる請求項3に記載のミラー。
  6. 前記第1セラミック層の厚さは、10〜500nmである請求項1〜5のいずれかに記載のミラー。
  7. 前記反射層は、Ag、Au、Al、Cr、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも一種からなる請求項1〜6のいずれかに記載のミラー。
  8. 前記基体は、樹脂又はセラミックからなる請求項1〜7のいずれかに記載のミラー。
  9. 前記樹脂は、ポリカーボネート又はアクリル樹脂である請求項8に記載のミラー。
  10. 前記内層は、第2セラミック層、反射層及び第3セラミック層である請求項1〜9のいずれかに記載のミラー。
  11. 前記第2セラミック層及び前記第3セラミック層は、Al、SiOからなる群から選択された少なくとも一種からなる請求項10に記載のミラー。
  12. 前記基体は、240nmを超え、2600nm未満の範囲の波長の光を85%以上通す透光性を有する請求項1〜11のいずれかに記載のミラー。
JP2015158303A 2015-08-10 2015-08-10 ミラー Pending JP2017037187A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158303A JP2017037187A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 ミラー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158303A JP2017037187A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 ミラー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017037187A true JP2017037187A (ja) 2017-02-16

Family

ID=58049332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015158303A Pending JP2017037187A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 ミラー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017037187A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI589448B (zh) 溫度及腐蝕穩定的表面反射器
US8497015B2 (en) Reflective article
CN102257436B (zh) 用于euv光刻的晶片夹盘
KR101918425B1 (ko) 적외선 반사 필름
KR20170036775A (ko) 적외선 반사 기판
KR20190092579A (ko) 박막 패키징 구조체, 이의 제조 방법 및 이를 갖는 디스플레이 장치
KR20190010221A (ko) ta-C 및 Y2O3 코팅 박막층을 구비한 하이브리드 적외선 광학렌즈
JP4895902B2 (ja) 反射膜の形成方法
TW202033355A (zh) 光學構件及雷射加工機
EP2573597A1 (en) Reflection member
JP5413281B2 (ja) アルミニウム表面反射鏡
JP2017037187A (ja) ミラー
JP2020180378A (ja) 光学部品
JP2017037186A (ja) ミラー
JP2016206231A (ja) ミラー
JP2016206230A (ja) ミラー
ES2404782A1 (es) Método para la fabricación de un sistema de capas reflectantes para espejos traseros
TWI656231B (zh) Method for preparing polycrystalline aluminum nitride high reflection mirror
US11899257B2 (en) Optical-electrical conductor assembly comprising an optical waveguide and an electrically conductive layer
JP2017024195A (ja) ミラー
JP2011221207A (ja) アルミニウム表面反射鏡
KR101688408B1 (ko) 태양전지 모듈의 후면 반사용으로 유용한 고반사성 및 고내구성 다층코팅 기판 및 그 제조방법
JP5506275B2 (ja) 熱線遮蔽フィルム
KR101210974B1 (ko) 비정질 산화아연막 구조를 이용한 열 방사 방지막 및 그 제조방법
TW201908264A (zh) 具有經陶瓷塗料改質之表面的塗覆物件,及/或其相關方法