JP2017036984A - 磁気センサ装置 - Google Patents

磁気センサ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017036984A
JP2017036984A JP2015157966A JP2015157966A JP2017036984A JP 2017036984 A JP2017036984 A JP 2017036984A JP 2015157966 A JP2015157966 A JP 2015157966A JP 2015157966 A JP2015157966 A JP 2015157966A JP 2017036984 A JP2017036984 A JP 2017036984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic sensor
magnetic field
detected
detection signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2015157966A
Other languages
English (en)
Inventor
伸明 大竹
Nobuaki Otake
伸明 大竹
佑太 星野
Yuta Hoshino
佑太 星野
政範 田中
Masanori Tanaka
政範 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko NPC Corp
Original Assignee
Seiko NPC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko NPC Corp filed Critical Seiko NPC Corp
Priority to JP2015157966A priority Critical patent/JP2017036984A/ja
Publication of JP2017036984A publication Critical patent/JP2017036984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

【課題】周期的な外乱磁界等のノイズ成分に対するS/N比の改善や、検出対象である磁気媒体物と磁気センサとの間隔依存に対するS/N比の改善を可能した磁気センサ装置を提供する【課題の解決手段】磁気センサ装置は、2個の永久磁石4a,4bを異極同士が対向するように配置し、各永久磁石の対向面側にそれぞれ、定電圧間に磁気抵抗効果素子と抵抗を直列接続し、その接続点を検出信号端子とした磁気センサ5a,5bを配置し、磁気センサ5a,5bの間を磁気媒体物9が搬送されるものであり、一方の磁気センサは、磁気媒体物9の搬送方向の磁界を検出し、かつもう一方の磁気センサは、磁気媒体物9の搬送方向と逆方向の磁界を検出し、磁気センサ5a,5bの検出信号を加算して出力する。【選択図】 図7

Description

本発明は、信号対雑音比(以下、S/N比という。)を改善させる磁気センサ装置に関するものである。
磁気の変化に応じて電圧・電流・抵抗値・インピーダンス値が変化する現象を利用した磁気センサは様々な産業に用いられている。たとえば、磁気の強さにより電気抵抗値が変化する現象を用いた磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と記載)においては、磁気インクを印刷した紙幣や有価証券等のパターン検出や識別に用いられている。また、磁気の強さによりインピーダンス値が変化する現象を用いた磁気インピーダンス効果素子は、携帯電話の方位センサなどに用いられている。
特許文献1には、線状若しくは略平行に折り返された形状の強磁性体薄膜磁気抵抗素子と、その強磁性体薄膜磁気抵抗素子に磁気バイアスを加える永久磁石を用いた磁性体等の磁気媒体物の移動による微弱な磁束の変化を検出する磁気センサの第1の形態が開示されている。この第1の形態において、強磁性体薄膜磁気抵抗素子の感磁方向の磁気バイアス強度が飽和磁気以下の磁束量となるように前記永久磁石の移動し、磁性体等の移動する方向に対して平行な方向を強磁性体薄膜磁気抵抗素子の磁気検出方向としている。また特許文献1の別の形態においては、2個の強磁性体薄膜磁気抵抗素子を直列接続し、その結線中点から信号を取り出す差動回路として、温度及びノイズの影響を少なくすることが提案されている(同文献、段落0039、同0040、図8参照)。
特開2008-145379号公報
上述した従来の磁気センサでは、永久磁石と強磁性体薄膜磁気抵抗素子との位置関係を調整して、具体的には、強磁性体薄膜磁気抵抗素子を永久磁石の中心からずらした位置に配置することによって、高い感度を保つものではあるが、磁気パターンを磁気インクで印刷した紙幣を移送する搬送ローラを駆動するモータなどの駆動源による、周期的ノイズである外乱磁界により生じるSN比の悪化や、前記紙幣と強磁性体薄膜磁気抵抗素子との間隔が広がることによるSN比の悪化に対しては、何らの対応策も講じていない。この点は、上述した、2個の強磁性体薄膜磁気抵抗素子を直列接続して、その結線中点から信号を取り出す差動回路とする構成においても同様である。このため、上述した従来の磁気センサは、前記SN比の悪化を防止できないという不都合があった。
本発明は、これらの不都合を解消して、周期的な外乱磁界のノイズ成分に対するS/N比の改善、およびギャップ特性におけるS/N比の改善可能した磁気センサ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明の請求項1に係る磁気センサ装置は、「定電圧間に第1の磁気抵抗素子と前記定電圧間を分圧する第1の電気的素子を直列接続し、その接続点を検出信号として取り出す第1の出力端子を有する第1の磁気センサと、前記定電圧間に第2の磁気抵抗素子と前記定電圧間を分圧する第2の電気的素子を直列接続し、その接続点を検出信号として取り出す第2の出力端子を有する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサに各々磁気バイアスを与える第1の永久磁石と第2の永久磁石と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子が接続された加算回路を具備し、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石は所定の透き間において前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサを挟み込むように異極で対向配置し、前記第1の磁気センサは、前記対向配置の方向に対して略直角の第1方向の磁界を検出し、かつ前記第2の磁気センサは、前記第1方向とは逆方向である第2方向の磁界を検出し、前記第1の出力端子の信号と前記第2の出力端子の信号が前記加算回路を介して加算されることを特徴とした磁気センサ装置。」である。
前記目的を達成するため本発明の請求項2に係る磁気センサ装置は、「前記第1の電気的素子は、一定の抵抗値を持つ第3の磁気抵抗素子に置き換えを可能とし、前記第2の電気的素子は、一定の抵抗値を持つ第4の磁気抵抗素子に置き換えを可能としたことを特徴する請求項1に記載の磁気センサ装置」である。
本発明の請求項1に係る磁気センサ装置によれば、各磁気センサにおいて磁気媒体物を検出し出力された同相信号を加算、及び外乱磁界を検出し出力された逆相信号を加算することで、よりS/N比の大きい効果を奏する磁気センサ装置を提供することが可能である。また、対向させた各磁気センサの隙間に磁気媒体物を搬送させ、各磁気センサの出力を加算することで、ギャップ特性におけるS/N比の劣化を抑制する効果も奏する。
本発明の請求項2に係る磁気センサ装置によれば、定電圧間に磁気媒体物近接時の磁界変化を検出する一方の磁気抵抗素子と、その磁界変化に対して感度が飽和したもう一方の磁気抵抗素子を直列接続し、その接続点を検出信号として取り出す磁気センサにおいて、各磁気抵抗素子の抵抗値の温度変化は、略同一である。したがって、温度に対する検出信号の変化を抑制する効果を奏する。
本発明における磁気センサの構成を示す説明図。 本発明における永久磁石と磁気センサを用いた検出原理を示す説明図。 同じく磁気媒体物近接状態における検出原理を示す説明図。 同じく外乱磁界印加状態における検出原理を示す説明図。 MR素子の検出磁界と抵抗減少率を示すグラフ。 磁気センサにおけるギャップ特性を示す説明図。(a)各磁気センサと磁気媒体物とのギャップを示す説明図。(b)各磁気センサに具備されたMR素子感度のギャップ特性を示すグラフ。 本発明の一実施形態における磁気センサ装置の概略的な回路図。 同じく磁気センサ装置の各出力を示す波形図。
まず、本発明における磁気センサの構成を図1に基づき説明する。電源電圧(以下VDDという。)と接地電圧(以下GNDという。)間に磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と記載)1と抵抗2が配置され、MR素子1の片方はVDD端子、もう片方は抵抗2に接続されている。また抵抗2の片方はMR素子1、他方はGND端子に接続されている。VDD−GND間の電圧は、レギュレータ等の定電圧回路にて生成されても良い。MR素子1と抵抗2の接続点である検出信号端子3は、MR素子1と抵抗2の抵抗比によってVDD−GND間が分圧された電圧が出力される。MR素子1の検出される磁界方向は図1のX方向、もしくはX方向と逆方向である−X方向であり、その検出される磁界によってMR素子1の抵抗値が変化し、検出信号端子の電圧が変化する。抵抗2は磁界によって抵抗値は変化せず、VDD−GND間を分圧する電気的素子であり、その電気的素子には、磁界検出が飽和され、一定の抵抗値で保持されたMR素子などが含まれ、抵抗2に対して変更が可能である。図1では、MR素子1等を電気回路図として記載しており、実際の素子配置については、図1の電気的接続、および前記MR素子1の検出される磁界方向であれば、所望の素子配置で良い。また、VDD−GND間のMR素子1及び抵抗2の接続を逆にしても良く、MR素子1と抵抗2をパッケージや樹脂等で封止しても良い。そして、MR素子1と抵抗2は各1個ずつ直列接続し、その接続点を検出信号端子3として取り出しているが、各素子を複数直列接続し所望の接続点を検出信号端子3として取り出しても、各素子をブリッジ型で接続しても良い。
次に図2に基づいて、本発明における磁気センサ装置の磁界検出原理について説明する。図1で説明したMR素子等で構成した磁気センサ5a,5bに対して磁気バイアスを供給する永久磁石4a,4bは、磁気センサ5a,5bを挟み込むように磁気媒体物搬送方向8を示す矢印に対して対向配置されている。永久磁石4a,4bは平面的に矩形状であり、磁気センサ5a,5bを平面的に広い領域を覆っており、磁気媒体物搬送方向8に対して、上面はS極、下面はN極である。また、永久磁石4a,4bは異極で対向配置してれば良く、上面がN極、下面がS極でも良い。そして、各永久磁石から放出される磁力線は6a〜6dである。磁気センサ5a,5bは、磁気媒体物搬送方向8を示す矢印に対して平行かつその搬送方向に対して対向配置されている。また、各磁気センサは永久磁石4a,4bによって供給される磁力線6a,6bが斜めに絶対値が同じように入射されるよう永久磁石4a,4bの中心から外側に配置されている。ここで磁気センサ5a,5bに入射される磁力線は7a,7bとなり絶対値は等しい。磁気センサ5a,5bの磁界検出方向が磁気媒体物搬送方向8と平行に沿うようにすると、各磁気センサに入射される磁力線7a,7bの内、各磁気センサが検出される磁界は7ax,7bxとなり、磁気媒体物搬送方向8と同一の方向である7axは正の磁界、磁気媒体物搬送方向8と逆方向である7bxは、負の磁界となる。また、磁力線7a,7bの絶対値が等しいため、検出される磁界7ax,7bxの絶対値も等しい。したがって、各磁気センサに検出される前記永久磁石から供給された絶対値が等しい正および負の磁界は、前記各永久磁石以外の磁性体によって検出されるその各磁界が変化することで、磁性体が含まれる磁気媒体物等を検出することが可能である。なお、磁気媒体物の搬送方向は、図2のX方向だけではなく、X方向と逆方向である−X方向でも良く、上述と同様に磁気媒体物等を検出することが可能である。
次に、本発明における磁気センサ装置による磁気媒体物の磁気検出原理について図3に基づいて説明する。図2で説明したように、永久磁石4a,4b、および磁気センサ5a,5bを各々配置し、磁性体からなる磁気媒体物9は、磁気媒体物搬送方向8の方向に搬送させ、本発明の磁気センサ装置にて磁気媒体物9の検出を行う。なお、磁気媒体物9は搬送ローラなどの適宜な搬送手段(図示せず)により移送される。また、磁気媒体物9は、透磁率の高く、極性が無いものとする。磁気媒体物9が永久磁石4a,4bに近接していない場合、永久磁石4a,4bから放出される磁力線は、6c,6dとなる。磁気媒体物9が永久磁石4a,4bに近接した場合、各永久磁石から放出される磁力線は、磁気媒体物9に磁力線が集まるため、各永久磁石から各磁気センサに供給される磁力線は広がり、6a,6bとなる。図2で説明したように磁気センサ5a,5bに入射される磁力線7a,7bの内、各磁気センサが検出される磁界は、7ax,7bxとなり、その検出される磁界は、磁気媒体物搬送方向8と同一の方向である7axは正の磁界、磁気媒体物搬送方向8と逆方向である7bxは、負の磁界となる。また、磁界7a,7bの絶対値が等しいため、各磁気センサに検出される磁界7ax,7bxの絶対値も等しい。そして、図2で示した磁気媒体物が近接しない場合の各磁気センサに検出される磁界7ax,7bxと図3で示した磁気媒体物9が近接した場合の各磁気センサに検出される磁界7ax,7bxを比較すると、図3で示した各磁気センサに検出される磁界7ax,7bxの絶対値が大きいことを示している。したがって、図3の場合、各磁気センサに検出される前記永久磁石から供給された絶対値が等しい正および負の磁界は、磁気媒体物9が近接することにより、各磁界の絶対値が大きくなることで、磁性体が含まれる磁気媒体物9を検出することが可能である。また、磁気媒体物9が近接することにより、各磁気センサに検出される正および負の磁界の絶対値が小さくなる場合においても、同様に磁気媒体物9を検出することが可能である。
また、本発明における磁気センサ装置の外乱磁界印加時の磁気検出原理について図4に基づいて説明する。ここでの外乱磁界とは、磁気媒体物等を搬送する際に使用する搬送ローラなどの適宜な搬送手段(図示せず)によって生じる磁気媒体物以外の周期的な磁気ノイズ成分を示し、各磁気センサ全体に均等に印加される。一例としてある極をもった外乱磁界印加源10で示す。外乱磁界印加源10が印加されていない場合は、永久磁石から放射される磁力線は、6a〜6dとなり、図1で説明したように磁気センサ5a,5bに各永久磁石から供給される磁力線は、7a,7bとなり、各磁気センサに検出される磁界は、7ax,7bxとなる。一方、外乱磁界印加源10から放射される磁力線は11a,11bとなり、その磁力線の内、各磁気センサが検出される磁界は12ax,12bxとなる。各磁気センサで検出される磁界12ax,12bxは、図2で説明したように磁気媒体物搬送方向8と同一方向であるため、正の磁界となる。したがって、外乱磁界印加および各永久磁石によって磁気センサ5aの検出される磁界は7axと12axの加算、磁気センサ5bの検出される磁界は7bxと12bxの加算となる。ここで磁気センサ5aにおいては、正の磁界7axと正の磁界12axの加算したものを検出するため、磁気センサ5aに検出される磁界の絶対値は、大きくなる。また磁気センサ5bにおいては、負の磁界7bxと正の磁界12bxの加算したものを検出するため、磁気センサ5bに検出される磁界の絶対値は、小さくなる。したがって、図4の場合、各磁気センサに検出される前記永久磁石から供給された絶対値が等しい正および負の磁界において、外乱磁界印加源10から外乱磁界が印加されることにより、磁気センサ5aに検出される磁界の絶対値は大きくなり、磁気センサ5bに検出される磁界の絶対値は小さくなる。よってこの二つを足し合わせた値は外乱磁界検出前後で一定となり、外乱磁界をキャンセルできる。また、外乱磁界印加源10から外乱磁界を印加することで、磁気センサ5aに検出される磁界の絶対値が小さくなり、磁気センサ5bに検出される磁界の絶対値が大きくなる場合においても同様である。
次に、図1で説明した各磁気センサに具備されたMR素子の検出された磁界における抵抗率減少の特性について、図5に基づいて説明する。図5の縦軸はMR素子の抵抗減少率、横軸はMR素子に検出された磁界(磁界強度)を表す。磁気センサ5a,5bが、図2のように各々配置され、検出される磁界が永久磁石のみで磁気媒体物が近接しない場合や、或いは外乱磁界が印加されない場合において、磁気センサ5aは正の磁界、磁気センサ5bは負の磁界を検出するので、磁気センサ5aが検出される磁界は13a、磁気センサ5bが検出される磁界は13bとなる。また、各磁気センサに具備された各MR素子の抵抗減少率は14となる。次に、磁気媒体物9が近接した場合、各磁気センサの検出する磁界は、図3で説明したように、磁気媒体物9が近接し、その磁気媒体物に磁力線が集まることで、各磁気センサの検出する正および負の磁界の絶対値は大きくなる。したがって、図5の場合においては、磁気センサ5aの検出される磁界は、磁気媒体物が近接することで、13aから15aに変化し、具備されたMR素子の抵抗減少率も14から16に変化する。また、磁気センサ5bの検出される磁界も13bから15bに変化し、具備されたMR素子の抵抗減少率も14から16に変化する。磁気センサ5a,5bは、磁気媒体物9に起因による検出された磁界の変化により、各磁気センサに具備されたMR素子の抵抗値は同じ分だけ小さくなる。図1で説明したように、磁気センサの構成において、MR素子と抵抗がVDD−GND間において直列接続され、かつそのMR素子と抵抗との接続点を検出信号として取り出されている。したがって、磁気媒体物9が近接した場合、各磁気センサに具備されたMR素子の抵抗値が同じように小さくなることで、各磁気センサの検出信号端子には、同相の信号が出力される。
また、外乱磁界を印加した場合、各磁気センサの検出する磁界は、図4で説明したように、各永久磁石から供給される磁界と外乱磁界との加算によって、各磁気センサの検出する正および負の磁界の絶対値は、片方は大きくなり、もう片方は小さくなる。したがって、図5の場合においては、磁気センサ5aの検出される磁界は、外乱磁界が印加されることで、13aから15aに変化し、具備されたMR素子の抵抗減少率も14から16に変化する。また、磁気センサ5bに検出される磁界は13bから15cに変化し、具備されたMR素子の抵抗減少率は14から17に変化する。よって、上記で説明したように、外乱磁界が印加された場合、磁気センサ5aに具備されたMR素子の抵抗値は小さくなり、磁気センサ5bに具備されたMR素子の抵抗値は大きくなることで、各磁気センサの検出信号端子には、逆相の信号が出力される。
上述より、本発明で提供する磁気センサ装置では、磁気媒体物が検出された場合は、各磁気センサより同相信号が出力され、外乱磁界が印加された場合は、各磁気センサより逆相信号が出力される。各磁気センサから出力された信号を加算することで、磁気媒体物が検出された場合は、同相信号が出力される為、単一の磁気センサ出力と比較すると加算した分、大きくなり、外乱磁界が印加された場合は、逆相信号が出力される為、無視できるくらい小さくなる。したがって、磁気媒体物をより大きい信号で検出し、外乱磁界等のノイズ成分は抑制されることで、S/N比の改善を可能にした磁気センサ装置を提供することが可能である。
次に、各磁気センサと磁気媒体物との距離(以下、ギャップという。)に対する各磁気センサに具備されたMR素子の感度特性を図6に基づいて説明する。ここでのMR素子の感度とは、磁界強度に対するMR素子の抵抗変化率を表す。一定の磁気バイアス上に配置されたMR素子は、ギャップが長い程、感度は小さくなる。図6(a)では、MR素子を具備した各磁気センサ5a,5bと、各磁気センサと磁気媒体物9とのギャップを18a,18bで示している。また、図6(b)では、図6(a)で示した各ギャップ18a,18bに対する各磁気センサに具備されたMR素子の感度特性を示している。図6(b)において、ギャップが18a<18bの場合、磁気センサ5aに具備されたMR素子の感度19aが、磁気センサ5bに具備されたMR素子の感度19bよりも大きい。また、ギャップが18a>18bの場合、磁気センサ5bに具備されたMR素子の感度19bが、磁気センサ5aに具備されたMR素子の感度19aよりも大きい。ギャップが18a=18bの場合、両MR素子の感度は等しい。本発明では、各磁気センサに具備された各MR素子の出力を加算することにより、ギャップによるMR素子の感度特性は、20となる。したがって、本発明おいては、対向させた各磁気センサの隙間に磁気媒体物を搬送させることで、ギャップ特性によるMR素子の感度変化を抑制し、安定したMR素子特性を得ることが可能である。よって、ギャップ特性におけるS/N比を改善した磁気センサ装置を提供することも可能である。
続いて、本発明の一実施形態の構成を図7に基づいて説明する。リードフレーム台座22aの上面には永久磁石4aが、またリードフレーム台座22bの下面には永久磁石4bが、各々接着剤等で接着されており、永久磁石4a,4bは異なる極で対向配置されている。リードフレーム台座22aの下面には磁気センサ5aとICチップ21a、またリードフレーム台座22bの上面には磁気センサ5bとICチップ21bが、各々配置されている。永久磁石4a,4bと磁気センサ5a,5bについては、図2〜図4に示す配置構成と同一である。ICチップ21a,21bは、磁気センサ5a,5bからの検出信号を増幅したり、演算処理したりする。磁気センサ5aとICチップ21a、ならびにICチップ21aとリードフレーム24a,24cは各ボンディングワイヤ等で必要な電気的接続がされる。また同様に磁気センサ5bとICチップ21b、ならびにICチップ21bとリードフレーム24b,24dも各ボンディングワイヤ等で必要な電気的接続がされる。リードフレーム24a〜24dは、各ICチップを介した各磁気センサ5a,5bの検出信号を出力し、VDDやGND等に接続される。上記各部品は、樹脂23で封止され、磁気センサモジュール25a,25bがそれぞれ形成される。また、図7で示した磁気センサモジュール25a,25bは、DIP型のパッケージ形態であるが、DIP型に限らず他の形態のパッケージへの変更が可能である。
各磁気センサモジュール25a,25bは、上下方向に所定の対向間隔をおいて配置されている。図7においては、各磁気センサモジュール25a,25bと磁気媒体物9とのギャップ34aと34bは、同一の間隔である。所定幅の一本線の磁気パターン32を有する磁気媒体物9と一定の周期をもつ外乱磁界33が搬送されて、磁気センサ5a,5bが、その磁気パターンと外乱磁界をそれぞれ検出すると、各検出信号はICチップ21a,21bで増幅されて、リードフレーム24c,24dから出力される。磁気センサ5aの増幅された検出信号26aと、磁気センサ5bの増幅された検出信号26bは、オペアンプ28a,28b、及び抵抗27a〜27cで構成される加算回路29に入力されて、加算される。その加算された信号は、出力信号30から出力され、基準信号31は、出力信号30の基準信号として使用される。
ここで、加算回路29の構成を図7に基づいて説明する。磁気センサモジュール25aから出力された検出信号26aは、抵抗27aの一方と接続され、抵抗27aの他方は、オペアンプ28aの反転端子に接続される。同様に、磁気センサモジュール25bから出力された検出信号26bは、抵抗27bの一方と接続され、抵抗27bの他方は、オペアンプ28aの反転端子に接続される。基準信号31は、オペアンプ28bの非反転端子に接続され、オペアンプ28bの出力端は、オペアンプ28bの反転端子に接続されることで負帰還を成している。また、オペアンプ28bの出力端は、オペアンプ28aの非反転端子と接続される事で、基準信号30がオペアンプ28aの基準信号を成している。オペアンプ28aの出力端は、抵抗27cの一方と接続され、抵抗27cの他方はオペアンプ28aの非反転端子と接続されることで、抵抗27cを介した負帰還を成している。そして、オペアンプ28aの出力端が、本発明の磁気センサ装置の出力信号30を成している。なお、この加算回路は、各抵抗27a〜27cの抵抗値を同一、例えば1kΩに設定すると、出力信号30には、磁気センサモジュール25a,25bから出力される検出信号26a,26bを26a+26bという加算された結果が出力される。
次に、磁気媒体物近接及び外乱磁界印加の場合の本実施例における各出力波形のグラフを図8に基づいて説明する。図8(a)及び図8(b)は、所定幅の一本線の磁気パターン32を有する磁気媒体物9と一定の周期をもつ外乱磁界33の各々が、本実施例において搬送された場合の各磁気センサモジュールの検出信号26a,26bと出力信号30の波形を示したグラフである。図8(a)については、各磁気センサモジュールと磁気媒体物9、及び外乱磁界33との間隔34a,34bにおいて、34a<34bとなる間隔で磁気媒体物9及び外乱磁界33を検出された出力波形を示すグラフであり、同様に、図8(b)は、34a>34bとなる間隔で磁気媒体物9の磁気パターン32、及び外乱磁界33を検出し、出力波形を示すグラフである。また、磁気媒体物9と周期的な外乱磁界33の各々を搬送された場合において、磁気媒体物9が搬送され、磁気パターン32が検出された期間は35であり、周期的な外乱磁界33が搬送され、検出された期間は36である。そして、各検出された期間において、磁気媒体物9上の磁気パターン32と周期的な外乱磁界33が検出された搬送位置については、図7で示したA点〜C点となる。
図8(a)よれば、所定幅の一本線の磁気パターン32からなる磁気媒体物9を搬送した35の場合の磁気センサモジュール25aの検出信号26aにおいて、磁気パターン32がA点の場合、磁気センサ5aの検出される磁界の絶対値が大きい為、その磁気センサに具備されたMR素子の抵抗値が、磁気媒体物が近接する前より大きく変化することで、検出信号26aは基準信号から上昇する。次に、磁気パターン32がB点の場合、磁気センサモジュール25aに具備された永久磁石4aから供給された磁界と磁気センサ5aの検出される磁界が同一になることで検出信号26aは基準信号に戻る。さらに、磁気パターン32がC点の場合、A点の場合と異なり検出される磁界方向が逆方向と成り、その検出される磁界の絶対値がA点の場合と逆に大きく変化するため、検出信号26aは基準信号から下降する。そして、磁気パターン32がC点から搬送方向側に離れると、磁気パターン32に磁力線が集まらず、永久磁石4aから供給された磁界のみを磁気センサ5aは検出するため、検出信号26aは基準信号に戻る。磁気センサモジュール25bの検出信号26bも検出信号26aと同様の検出動作である。したがって、検出信号26bは、磁気センサモジュール5bと磁気媒体物9とのギャップが磁気センサモジュール5aの場合と異なるため、その検出信号の振幅に相違はあるが、検出信号26aと同相信号の波形となる。
また図8(a)によれば、周期的な外乱磁界33を印加した36の場合の磁気センサモジュール25aの検出信号26aにおいて、上述した磁気媒体物9が近接した35の場合と同様の検出動作であり、類似の波形を得られる。磁気センサモジュール25bの検出信号26bにおいては、図4で説明したように、外乱磁界印加時の磁気センサ5aと磁気センサ5bの検出される磁界の絶対値が異なるため、各磁気センサに具備されたMR素子の抵抗値は異なる。したがって検出信号26bは、検出信号26aと逆の検出動作であり、検出信号26aと逆相の波形となる。また、周期的な外乱磁界33は、各磁気センサ全体に放射されたものであるため、各磁気センサ5a,5bと外乱磁界33とのギャップによる依存性はなく、図8(a),(b)の36の場合における検出信号26aと検出信号26bの波形の振幅は略同一である。
本実施形態による図8に基づいた波形によれば、所定幅の一本線の磁気パターン32からなる磁気媒体物9を搬送した35の場合において、各磁気センサによって検出された検出信号26a,26bを加算した出力信号30は、個々の磁気センサによる検出信号26a,26bの波形と比較すると、その出力信号の振幅は大きく、磁気媒体物9上の磁気パターン32をより明確に検出することができる結果となっている。また、周期的な外乱磁界33を搬送した36の場合において、各磁気センサによって検出された検出信号26a,26bを加算した出力信号30は、個々の磁気センサによる検出信号26a,26bの波形と比較すると、その出力信号の振幅は無視できる位小さく、外乱磁界を除外した結果となっている。したがって、本発明の磁気センサ装置においては、S/N比の大きい効果を奏しており、磁気媒体物をより明確に検出することが可能である。
また、図8(a),(b)に基づいた波形によれば、所定幅の一本線の磁気パターン32からなる磁気媒体物9を搬送した35の場合における本発明の磁気センサ装置の出力信号30は、各磁気センサモジュールと磁気媒体物9とのギャップに依存することはなく、略同等の波形の形状を成している。例えば、磁気センサモジュール25aの検出信号26aにおいては、磁気媒体物9と磁気センサモジュール25aのギャップがより長い図8(b)の方が、図8(a)と比較すると、その検出信号の振幅は小さくなっている。同様に、磁気センサモジュール25bの検出信号26bにおいても、磁気媒体物9と磁気センサモジュール25bのギャップがより長い図8(a)の方が、図8(b)と比較すると、その検出信号の振幅は小さくなっている。したがって、個々の磁気センサモジュールによる磁気媒体物9上の磁気パターン32の検出においては、その磁気センサモジュールと磁気媒体物9とのギャップが、検出信号の振幅の大きさに依存することになる。よって、本発明の磁気センサ装置においては、検出信号が各磁気センサモジュールと磁気媒体物のギャップに依存しないため、その磁気媒体物を定常的に検出することができ、そのギャップに依存しないS/N比の大きい効果を奏することで、磁気媒体物をより明確に検出することも可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、加算回路の構成も、上述のような2つのオペアンプ28a,28bを用いたものに限らず、種々の変更が可能である。また、加算回路に限らず、検出信号26a,26bが加算されれば良いので、各検出信号を平均し出力される演算回路等の変更も可能である。
1 磁気抵抗効果素子(MR素子)
2 抵抗
3 検出信号端子
4a,4b 永久磁石
5a,5b 磁気センサ
9 磁気媒体物
10 外乱磁界印加源
21a,21b ICチップ
22a,22b リードフレーム台座
23 樹脂
24a,24b,24c,24d リードフレーム
25a,25b 磁気センサモジュール
28a,28b オペアンプ


Claims (2)

  1. 定電圧間に第1の磁気抵抗素子と前記定電圧間を分圧する第1の電気的素子を直列接続し、その接続点を検出信号として取り出す第1の出力端子を有する第1の磁気センサと、前記定電圧間に第2の磁気抵抗素子と前記定電圧間を分圧する第2の電気的素子を直列接続し、その接続点を検出信号として取り出す第2の出力端子を有する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサに各々磁気バイアスを与える第1の永久磁石と第2の永久磁石と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子が接続された加算回路を具備し、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石は所定の透き間において前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサを挟み込むように異極で対向配置し、前記第1の磁気センサは、前記対向配置の方向に対して略直角の第1方向の磁界を検出し、かつ前記第2の磁気センサは、前記第1方向とは逆方向である第2方向の磁界を検出し、前記第1の出力端子の信号と前記第2の出力端子の信号が前記加算回路を介して加算されることを特徴とした磁気センサ装置。
  2. 前記第1の電気的素子は、一定の抵抗値を持つ第3の磁気抵抗素子に置き換えを可能とし、前記第2の電気的素子は、一定の抵抗値を持つ第4の磁気抵抗素子に置き換えを可能としたことを特徴する請求項1に記載の磁気センサ装置








JP2015157966A 2015-08-10 2015-08-10 磁気センサ装置 Withdrawn JP2017036984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157966A JP2017036984A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 磁気センサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157966A JP2017036984A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 磁気センサ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017036984A true JP2017036984A (ja) 2017-02-16

Family

ID=58047540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015157966A Withdrawn JP2017036984A (ja) 2015-08-10 2015-08-10 磁気センサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017036984A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57175054U (ja) * 1981-04-30 1982-11-05
JPS57199972A (en) * 1981-06-03 1982-12-08 Toshiba Corp Detector for metallic piece present in paper or the like
JPH0643255A (ja) * 1992-07-24 1994-02-18 Murata Mfg Co Ltd 磁気センサ
JP2001021631A (ja) * 1999-07-06 2001-01-26 Nikkoshi Co Ltd 磁気センサ装置
JP2003014407A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Sony Precision Technology Inc 位置検出装置
JP2007323431A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 磁気検出装置及び鑑別装置
JP2008145379A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Hamamatsu Koden Kk 磁気センサ
US20090295382A1 (en) * 2008-05-30 2009-12-03 Infineon Technologies North America Corp. Methods and systems for magnetic field sensing

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57175054U (ja) * 1981-04-30 1982-11-05
JPS6241266Y2 (ja) * 1981-04-30 1987-10-22
JPS57199972A (en) * 1981-06-03 1982-12-08 Toshiba Corp Detector for metallic piece present in paper or the like
JPH0643255A (ja) * 1992-07-24 1994-02-18 Murata Mfg Co Ltd 磁気センサ
JP2001021631A (ja) * 1999-07-06 2001-01-26 Nikkoshi Co Ltd 磁気センサ装置
JP2003014407A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Sony Precision Technology Inc 位置検出装置
JP2007323431A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Fuji Electric Retail Systems Co Ltd 磁気検出装置及び鑑別装置
JP2008145379A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Hamamatsu Koden Kk 磁気センサ
US20090295382A1 (en) * 2008-05-30 2009-12-03 Infineon Technologies North America Corp. Methods and systems for magnetic field sensing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9222993B2 (en) Magnetic substance detection device
KR101376987B1 (ko) 자기 센서 장치
CN107076784B (zh) 电流传感器
WO2012157558A1 (ja) 磁気センサ装置
US9279866B2 (en) Magnetic sensor
JP6265484B2 (ja) 磁気センサモジュール
JP5516773B2 (ja) 磁気センサ装置
CN106537166B (zh) 磁性传感器装置
JP5799882B2 (ja) 磁気センサ装置
ITTO20111072A1 (it) Sensore di campo magnetico includente un sensore magnetico magnetoresistivo anisotropo ed un sensore magnetico hall
JP2017036984A (ja) 磁気センサ装置
JP6927044B2 (ja) 磁気センサ
JP2012215405A (ja) 磁気センサ装置
JP2019219294A (ja) 磁気センサ
JP2017003290A (ja) 磁気センサ装置
JP2017116448A (ja) 磁気センサ装置
JP7119695B2 (ja) 磁気センサ
WO2021199757A1 (ja) 磁気センサ装置
JP5417968B2 (ja) 被検出体の検出方法
JPWO2010035860A1 (ja) 磁気センサ
JP2017106825A (ja) 磁気検出装置
JP2016061626A (ja) 磁場センサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170707

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20190517