JP2017036075A - バッグインボックス - Google Patents
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Abstract
Description
1リットル以下の飲料製品、その他の液体製品をペットボトル、ガラス瓶、紙パックに入れて販売することは極めて一般的であり、これらの包装容器では、消費者に大きなインパクトを与えて、購買意欲を掻き立てることは難しい。また、ペットボトル、ガラス瓶、紙パックの形状を、従来にない斬新なデザインにするには、開発と製造とにコストが掛かり、液体製品の価格が高価になってしまう。このため、本発明者は、ペットボトル、ガラス瓶、紙パックを採用せず、従来のバッグインボックスの適用を検討した。
従来のバッグインボックスは、大量の液体製品の流通、販売を目的とした業務用途向けの包装容器であった。従来のバッグインボックスの内袋の一般的な容量は、概ね3〜20リットルの範囲であり、大量の液体製品の重量に耐える強度を得るために、外箱は、丈夫な段ボールで形成されている。一方、収容する液体製品が1リットル以下の小量である場合は、バッグインボックス全体が非常に小さくなる。外箱が小さくなる程、段ボールの折り曲げ加工が困難となり、従来のバッグインボックスを、1リットル以下の液体製品にそのまま適用することはできない。
段ボールは、その厚さが大きいために、インクジェットプリンタやレーザプリンタを用いたデジタル印刷を適用することができない。このため、従来のバッグインボックスの外箱を形成する段ボールには、フレキソ印刷又はグラビア印刷が適用されていた。しかし、フレキソ印刷及びグラビア印刷は、いずれも印刷版を必要とし、デジタル印刷のように簡単かつ安価に印刷することができない。このため、フレキソ印刷及びグラビア印刷は、商品を大量生産しないと印刷コストに見合わない。つまり、従来のバッグインボックスは、少量生産の液体製品には経済的に不向きであった。また、印刷版を用いた印刷は、デジタル印刷と比較して、デザインの自由度が極めて制限される。
そもそも、従来のバッグインボックスは、大量の液体製品の流通、販売を目的とした業務用途向けの包装容器である。大きな段ボール製の外箱は、液体製品を収容した内袋の搬送、収納、設置などの取り扱いを容易にするためのものであり、外箱のデザインを工夫して意匠を凝らす必要性がない。このため、従来のバッグインボックスの外箱の印刷は、印刷版の転写によって可能な数色の文字、模様、図柄などに限られ、外箱の外観に、消費者に大きなインパクトを与えて、購買意欲を掻き立てる魅力がなかった。
図2に示すように、補強ケース20は、液体製品が収容された軟包材ケース10を包持するとともに、外装ケース30を補強する役割を果たしている。補強ケース20は、耐水性を有する板紙を折り曲げ加工することにより形成されている。補強ケース20は、軟包材ケース10の主要な部分的を包囲する立体形状となっている。本実施形態の補強ケース20は、スパウト保持部20Aと、一対の軟包材包持部20B、20Cと、底面部20Dとが連続する、合計4面からなる枠体(骨組み)である。
図1(a)に示すように、外装ケース30は、バッグインボックス1の外観を装飾するためのものである。外装ケース30は、補強ケース20と同様に、耐水性を有する板紙を折り曲げ加工することにより形成されている。本実施形態では、外装ケース30の全体形状が、縦L1≒165mm、横L2≒165mm、幅L3≒45mmのスリムな直方体となっている。さらに、本実施形態の外装ケース30には、厚さ0.35mm、坪量310g/m2の板紙を用いられおり、板紙の表面にデジタル印刷することが可能となっている。なお、外装ケース30に用いられる板紙は、厚さ0.4mm以下、坪量350g/m2以下とすることが好ましい。板紙の厚さと坪量とがこれらの値を超えると、板紙の表面にデジタル印刷することが困難となる。
図3(a)において、本実施形態の軟包材ケース10は、2枚のフィルム材11を、シール部11Aの箇所で熱溶着した袋状となっている。シール部11Aに囲まれた空間は、液体製品の収容スペース11Bになる。本実施形態の軟包材ケース10は、一例として、縦L4≒210mm、横L5≒170mm、収容スペース11Bの容量を500mlとしてある。
次に、上述した補強ケース20の詳細について、図4の展開図を参照しつつ説明する。
図2に示すスパウト保持部20Aは、図4の中央に示す3つの略長方形の板紙部分20A1、20A2、20A3が折り畳まれて構成されている。図4において、長方形の板紙部分20A1、20A2、20A3には、スパウト12の基部13と同じ略菱形の取出口21がそれぞれ設けてある。このうち、中央の板紙部分20A1の取出口21には、一対のロック片21a、21aが、起立可能に連成してある。
図2に示す正面の軟包材包持部20Bは、図4の下側に示す2つの略五角形の板紙部分20B1、20B2と、1つの略台形状の板紙部分20B3とが折り畳まれて構成されている。これと同様に、図2に示す正面の軟包材包持部20Cは、図4の上側に示す2つの略五角形の板紙部分20C1、20C2と、1つの略台形状の板紙部分20C3とが折り畳まれて構成されている。
図2に示す底面部20Dは、図4の下側に示す板紙部分20B1に連成された略長方形の板紙部分20D1によって構成される。板紙部分20D1には、フラップ20D2が連成されている。板紙部分20D1とフラップ20D2との境界となる折り目線上には、一対のスリット22、22が、間隔をおいて形成されている。一方、図4の上側に示す板紙部分20C1には、各スリット22にそれぞれ対応する一対の挿込片23、23が連成されている。
補強ケース20は、液体製品が収容された軟包材ケース10を、図2に示す状態で包持する。軟包材ケース10のスパウト12は、スパウト保持部20Aによって強固かつ安定的に保持される。これにより、バッグインボックス1の搬送時、スパウト12のキャップ開閉時、及び液体製品を注ぐときなどにおいて、軟包材ケース10の移動が制限される。また、2つの軟包材包持部20B、20Cが、バッグインボックス1の正面と背面とを補強し、ユーザーによるバッグインボックス1の把持を安定させる。これにより、外装ケース30に薄い板紙を用いた場合でも、バッグインボックス1の取り扱いが良好となり、例えば、バッグインボックス1の正面と背面とをしっかりと把持して、液体製品を安定して注ぐことが可能となる。特に、図2に示す水平辺E1、垂直辺E2、E3は、液体製品を注ぐときに荷重が集中する部分である。本実施形態の補強ケース20では、これら水平辺E1、垂直辺E2、E3を、いずれも板紙を折り曲げたエッジで形成しているので、液体製品を注ぐときに集中する荷重に対して、十分な強度が発揮される。以上のような作用効果を奏する補強ケース20により、バッグインボックス1全体の強度が確保されるので、以下に述べる外装ケース30を薄い板紙で形成することが可能となる。
次に、上述した外装ケース30の詳細について、図5の展開図を参照しつつ説明する。
図1(a)に示す外装ケース30の正面部30A、右側面部30E、背面部30B、左側面部30Fは、図5の縦方向中央に連成された板紙部分30A1、30E1、30B1、30F1によって、それぞれ構成される。正面部30A及び背面部30Bを構成する板紙部分30A1、30B1は、それぞれ略正方形となっている。右側面部30E及び左側面部30Fを構成する板紙部分30E1、30F1は、それぞれ略長方形となっている。正面部30Aを構成する板紙部分30A1には、フラップ30F2が連成されている。
上述した板紙部分30A1、30E1、30B1、30F1の右側には、それぞれ板紙部分30C1、フラップ30C3、板紙部分30C2、フラップ30C4が連成されている。板紙部分30C1、30C2は、略長方形となっており、フラップ30C3、30C4は、略正方形となっている。図1(a)に示す外装ケース30の平面部30Cは、板紙部分30C1によって構成される。
上述した板紙部分30A1、30E1、30B1、30F1の左側には、それぞれ板紙部分30D1、フラップ30D3、板紙部分30D2、フラップ30D4が連成されている。板紙部分30D1、30D2は、互いに噛み合う凹凸形状を有している。一方、フラップ30D3、30D4は、板紙部分30D2の2つの凹形状にそれぞれ係止することが可能な鉤形状を有している。図1(a)に示す外装ケース30の底面部30Dは、これらの板紙部分30D1、フラップ30D3、板紙部分30D2、フラップ30D4によって構成される。
上述した板紙部分30A1、30E1、30B1、30C2には、互いに連続するミシン目31が形成されている。このミシン目31は、板紙部分30E1において略長円形状を描き、把持片32の輪郭を画定する。また、板紙部分30E1とフラップ30C3との境界の折り目線上には、スリット34aが形成されている。さらに、板紙部分30C1には、この板紙部分30C1から離反可能な挿入片35が設けられている。板紙部分30C1の挿入片35に隣接する部分は、円弧状の切欠部35aが形成されている。
上述した補強ケース20により、バッグインボックス1全体の強度が確保されるので、外装ケース30を薄い板紙で形成することが可能となる。外装ケース30を形成する薄い板紙は、容易に折り曲げ加工することができ、箱体の外形の自由度が大幅に増大する。また、薄い板紙には、インクジェットプリンタやレーザプリンタを用いたデジタル印刷を適用することができ、このデジタル印刷とともに、エンボスなどの凹凸加工や金銀の箔押し加工を併用することも可能となる。この結果、バッグインボックス1のデザイン性を大幅に向上させることができ、バッグインボックス1に、価値ある贈答品としてのギフト性を満足させる外観や質感を持たせることが可能となる。
10 軟包材ケース
11 フィルム材
11a 透明蒸着フィルム層
11b ナイロン層
11c ポリエチレン層
11A シール部
11B 収容スペース
12 スパウト
13 基部
14 キャップ
20 補強ケース
20A スパウト保持部
20B 軟包材包持部
20C 軟包材包持部
20D 底面部
21 スパウト取出口
21a ロック片
22 スリット
23 挿込片
30 外装ケース
30A 正面部
30B 背面部
30C 平面部
30D 底面部
30E 右側面部
30F 左側面部
31 ミシン目
32 把持片
33 折り目線
34 蓋部
34a スリット
35 挿入片
35a 切欠部
Claims (8)
- 少なくとも軟包材ケース、補強ケース及び外装ケースを含む、液体製品のバッグインボックスであって、
前記軟包材ケースは、容量が1リットル以下のフィルム材からなる袋状となっており、袋内に収容された前記液体製品の注ぎ口となるスパウトが取り付けられ、
前記補強ケースは、耐水性を有する板紙により形成され、前記軟包材ケースの全部又は一部を包囲することが可能な立体形状となっており、前記立体形状は、少なくとも、前記スパウトの取出口が設けられたスパウト保持部と、前記スパウト保持部に連続する一対の軟包材包持部と、前記一対の軟包材包持部に連続する底面部とを有し、
前記外装ケースは、耐水性を有し、かつデジタル印刷が可能な厚さの板紙により形成され、前記軟包材ケース及び前記補強ケースを収容することが可能な箱状となっており、前記板紙の一部を切断することにより、前記スパウトが露出される、
ことを特徴とするバッグインボックス。 - 前記補強ケースが、前記板紙を折り曲げ加工することにより形成され、少なくとも、前記スパウト保持部及び前記一対の軟包材包持部が、それぞれ折り重ねられた前記板紙によって構成される、請求項1に記載のバッグインボックス。
- 前記軟包材ケースのスパウトが、円形以外の所定形状の基部を有するとともに、前記補強ケースのスパウト保持部に設けられた前記取出口が、前記スパウトの基部と同形状の輪郭を有し、前記スパウトの基部が、前記スパウト保持部の取付口に嵌合される、請求項1又は2に記載のバッグインボックス。
- 前記補強ケースのスパウト保持部が、前記取出口の縁部から外側に向かって突出する少なくとも一対のロック片を有し、各ロック片が、前記取出口に挿通された前記スパウトの後側の面に当接して、前記スパウトの後退を阻止する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッグインボックス。
- 前記外装ケースの一部が、前記板紙の一部を切断することにより、前記板紙の折り目を回転中心にして開閉自在な蓋部が構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバッグインボックス。
- 前記外装ケースにおける前記蓋部を形成する前記板紙と、前記蓋部以外の部分とを形成する前記板紙のうち、一方にスリットを設け、他方に挿入片を設け、前記スリットに前記挿入片が挿し込まれることにより、前記蓋部が開放状態で保持される、請求項5に記載のバッグインボックス。
- 前記外装ケースが、正面及び背面の面積がその他の面の面積よりも広い直方体であり、前記直方体の上方に位置する2つのコーナー部の一方により、前記蓋部が構成される、請求項5又は6のいずれか1項に記載のバッグインボックス。
- 前記補強ケース及び前記外装ケースのうち、少なくとも前記外装ケースが、厚さ0.4mm以下、坪量350g/m2以下の前記板紙からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載のバッグインボックス。
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