JP2017034813A - センサレス・ブラシレスモータの駆動方法及び該駆動方法を用いたモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数相のコイル11u,11v,11wについて通電相及び電流方向の組み合わせが異なる複数の駆動ステートを1サイクルとし、各駆動ステートを順次に切り替えることでロータを回転させるようにしたセンサレス・ブラシレスモータを、適切な起動駆動ステートを選定する方法を用いて駆動する。具体的には、ロータの静止状態で、1サイクル中の各駆動ステートにおける各通電相のコイルにロータが連続回転する電力よりも小さい検査電力を所定時間加えて、各通電相のコイルの逆起電力を検出する。そして、この検出された逆起電力の大きさに応じて、1サイクル中の複数の駆動ステートの中から切り換えの始点となる起動駆動ステートを選定する。
【選択図】図2
Description
しかしながら、この従来技術では、複数の磁気センサを具備する必要があるため、より簡素な構成が求められる。
この構成によれば、起動時における脱調を防いで、起動立上り時間を短縮化するとともに始動電流を低減し、起動時のモータ効率を向上することができる。
ここで、「選定された駆動ステートを基準にして起動駆動ステートを決定する」という構成には、選定された駆動ステート自体を起動駆動ステートとする態様や、選定された駆動ステートを基準にして次の駆動ステートを起動駆動ステートとする態様等を含む。
この構成によれば、ロータ回転の初期段階において、トルク変動の小さい滑らかな回転運動を得ることができる。
このモータ制御装置Aは、センサレス・ブラシレスモータ10の起動、運転、停止、逆転等を制御するようにした電子回路であり、オンオフ回路20、誘導起電力検出回路30、制御部40等によって構成される。
このセンサレス・ブラシレスモータ10は、例えば、周知の三相2極3スロットのブラシレスDCモータから、ロータ回転位置を検出するためのホール素子を省いた構成とすることができ、相数や極数、スロット数が異なるものを用いることも可能である。
また、図2に示す一例では、u相のコイル11uとv相のコイル11vとw相のコイル11wとからなるスター結線の三相コイル11を構成しているが、この結線方法はデルタ結線とすることも可能である。
また、本実施例では、複数相のコイルが電気角120度毎に通電相を切り替わる三相コイルでの例で説明を進めるが、3相以上のコイル構造でもこの発明は有効である。
逆起電力検出回路30は、センサレス・ブラシレスモータ10の各相の電圧を検出し、制御部40内の比較回路に入力するようにした電子回路である。
制御部40は、記憶装置に記憶したプログラムによりCPUを機能させるマイコンや、このマイコンの駆動指令に応じて位相を120°ずらした三相交流を出力するインバータ回路、逆起電力検出回路30によって検出される各相の逆起電力(電圧)を比較する比較回路(コンパレータ)等を具備している。
これらの電子回路は、同様の機能を有するようにすれば、図示例以外の構成にすることが可能である。
このモータ制御装置Aは、三相コイル11について通電相及び電流方向の組み合わせが異なる複数の駆動ステートを1サイクルとし、前記駆動ステートを順次に切り替えることで三相コイル11の電磁力によりロータ(図示せず)を一方向へ回転させる。
駆動ステート1は、図2及び図3に示すように、u相のコイル11u及びv相のコイル11vを通電相とし、u相のコイル11uからv相のコイル11vへ電流を流すようにしている。
駆動ステート2は、u相のコイル11u及びw相のコイル11wを通電相とし、u相のコイル11uからw相のコイル11wへ電流を流すようにしている。
駆動ステート3は、v相のコイル11v及びw相のコイル11wを通電相とし、v相のコイル11vからw相のコイル11wへ電流を流すようにしている。
駆動ステート4は、v相のコイル11v及びu相のコイル11uを通電相とし、v相のコイル11vからu相のコイル11uへ電流を流すようにしている。
駆動ステート5は、w相のコイル11w及びu相のコイル11uを通電相とし、w相のコイル11wからu相のコイル11uへ電流を流すようにしている。
駆動ステート6は、w相のコイル11w及びv相のコイル11vを通電相とし、w相のコイル11wからv相のコイル11vへ電流を流すようにしている。
また、このフローチャートに沿った説明の中で、図6〜図9を用いた例示により、具体的な処理の内容を説明する。
尚、本実施例の説明上の表記に対して、各図面上で対応する表記は、図示による全体像を捉え易くするために一部を簡略化して表記している。具体的には、例えば、本実施例の説明中の「現駆動ステート」を図中では「現ステート」、同説明中の「起動駆動ステート」を図中では「起動ステート」と表記するなどしている。
前記静止状態は、三相コイル11に電圧を印加しないで、ロータが静止している状態である。
前記検査電力P1は、ロータが起動回転しない程度に印加される電力である。より具体的に説明すれば、この検査電力P1は、図6に示すように、所定の時間幅t1を有する矩形波状の電圧である。時間幅t1は、実験又は計算等により予め求められた値に固定されている。また、検査電力P1の電圧波形上において時間幅t1に直交する方向の電圧レベル(矩形波の高さ)も、実験又は計算等により予め求められた値に固定されている。
逆起電力P2は、検査電力P1をオフにした直後の電磁誘導により生じる電力である。なお、本明細書の図面中においては、この逆起電力P2を逆起電圧と表現する場合もある。
なお、図6等に示されるように、同駆動ステート中の二つの通電相の検査電力P1及び逆起電力P2の電圧波形は、正負を反転した略同形状の波形となる。
例えば、図6に示す一例によれば、一番左端の逆起電力P2が1サイクル中の最小の逆起電力となっており、この逆起電力P2に対応する駆動ステート1が起動駆動ステートに設定される。
なお、駆動電力P3は、少なくとも検査電力P1よりも時間幅の大きい矩形波状の電圧である。この矩形波の時間幅t3及び該幅に直交する電圧レベル(矩形波の高さ)は、ロータを連続回転させることが可能な程度になるように、実験又は計算等により予め設定されている。
例えば、図8に示す一例によれば、現駆動ステートである起動駆動ステート(ステート1)について、通電相であるu相とv相に検査電力P1が所定の時間幅t1だけ加えられ、この通電相の逆起電力P2が測定され記憶される。
例えば、図8に示す一例によれば、次の駆動ステート(駆動ステート2)について、通電相であるu相とw相に検査電力P1が所定の時間幅t1だけ加えられ、この通電相の逆起電力P2が測定され記憶される。
ここで、「回転駆動ステート」とは、通電相に駆動電力P3を加える際の対象となる駆動ステートを意味する。
このステップ27の判断は、現駆動ステートの逆起電力P2に応じた判断とすることが可能である。すなわち、ロータの回転数が上昇すると、検査電力P1を印加した際の逆起電力P2も上昇するため、例えば、逆起電力P2が所定の閾値を超えたことを条件に、処理をステップ28へ進めればよい。
よって、本実施例のモータ制御装置A及び駆動方法によれば、簡素な構造により起動時のモータ効率を向上すことができる上、起動中もロータを滑らかに回転させることができる。
このようにした場合、ロータ及びコイルの構造等によりコギングが比較的大きい場合に、現駆動ステートから次の駆動ステートに切り替わる際、ロータ回転を戻すコギングがあっても起動できる。
11:三相コイル
11u:u相のコイル
11v:v相のコイル
11w:w相のコイル
20:オンオフ回路
30:逆起電力検出回路
40:制御部
A:モータ制御装置
Claims (7)
- 複数相のコイルについて通電相及び電流方向の組み合わせが異なる複数の駆動ステートを1サイクルとし、前記駆動ステートを順次に切り替えることでロータを回転させるようにしたセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法において、
前記ロータの静止状態で、前記1サイクル中の各駆動ステートにおける各通電相のコイルに、前記ロータが連続回転する電力よりも小さい検査電力を所定時間加えて、各通電相のコイルの逆起電力を検出し、この検出された逆起電力の大きさに応じて、前記1サイクル中の複数の駆動ステートの中から前記切り換えの始点となる起動駆動ステートを選定するようにしたことを特徴とするセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。 - 前記1サイクル中の複数の駆動ステートの中から、検出される逆起電力が最小となる駆動ステートを選定し、この選定された駆動ステートを基準にして前記起動駆動ステートを決定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。
- 前記起動駆動ステートにて各通電相のコイルに駆動電力を所定時間加えて前記ロータの回転を開始した後、
現駆動ステートと回転方向順の次の駆動ステートとの双方について、各通電相のコイルに前記検査電力を所定時間加えて、これら二つの駆動ステートの逆起電力を比較する比較ステップと、何れか小さい方の逆起電力に対応する駆動ステートを回転駆動ステートとし、この回転駆動ステートにて各通電相のコイルに駆動電力を所定時間加える駆動ステップとの二つのステップを繰り返して、前記ロータを回転させるようにしたことを特徴とする請求項2記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。 - 各通電相における電圧波形の時間幅を前記逆起電力の大きさとして扱うようにしたことを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。
- 前記複数相のコイルが三相コイルであり、電気角120度毎に通電相を切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。
- 前記1サイクル中の複数の駆動ステートが、通電相及び電流方向の組み合わせが異なる6種類の駆動ステートであることを特徴とする請求項5記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法。
- 請求項1〜6何れか1項記載のセンサレス・ブラシレスモータの駆動方法を用いたモータ制御装置。
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