JP2017032459A - 目標識別レーザ観測システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ観測システムに、目標物体に向けられる望遠鏡と、望遠鏡を介して目標で散乱した反射レーザ光を受光するレーザ装置と、反射レーザ光の波形を取得する波形取得部と、反射レーザ光の受光波形形状から物体識別を実行する判定部と、を含めて構成する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載されたレーザ観測システム(移動体位置測定装置)は、目標にレーザパルス光を連続して照射して 目標で反射された反射レーザ光をそれぞれ受光するレーザ装置(光学系装置)を具備する。このレーダ観測システムでは、連続して送出したレーザパルス光それぞれで目標を測距すると共に、それぞれの反射レーザパルス光をアレイセンサで検出して、その検出位置の差から移動方向を導出する。また、この文献では、レーザパルス光を送出する方向を自動的に目標に合わせる仕組みも開示している。
デブリ観測では、最終的にデブリ除去に利用するため、デブリの形状や回転運動などの状況を正確に観測したい。
前者の光学観測は多くの場合、太陽光の反射光を観測するため、太陽光が当たらない状態では観測できない問題がある。また、光学観測では、カメラの画角のみの観測となり距離を算定できない。結果、デブリの軌道が決定できない。更に、光学観測では、地上から高高度を飛翔するデブリを精確に識別することに、望遠鏡(光学系)の規模から限界がある。
後者のレーダ観測は、目標対象物を識別する分解能が光学観測やレーザ観測に比べて劣る。結果的にレーダ観測のみでは求める精度の正確な軌道決定や物体識別も難しい。
実施形態を用いて説明するレーザ観測システムは、既存のレーザ測距システムと同様にレーザパルス光を目標に向けて送出し、その反射波たる反射レーザ光を受光する仕組みを具備する。目標対象物の初期捕捉は、目標対象物の軌道が予め記録されたデータベースを参照してもよいし、目標対象物が現れる座標を常時的に捕捉することとしても構わない。また、レーダ観測手法、光学観測手法の一方若しくは両方を用いて初期捕捉を実施することとしてもかまわない。
図2は、デブリ観測を例にレーザ観測システム1の運用態様を示した説明図である。図2(a)では観測対象デブリに照準を合わせた状態を示し、図2(b)ではレーザパルスの受信波形変化例を模式的に示している。
2.レーザ受光工程:図2の変形したレーザパルス光(B)を集光
3.波形取得工程 :レーザパルス光(B)の波形取得
4.物体識別工程 :レーザパルス光(B)の波形取得に基づいて物体識別
必要に応じて1.から4.の工程を適宜繰り返し、識別精度を向上させる。またこの際に、異なる波長のレーザ光に逐次的に切り替えたり、レーザ光の強度を逐次的に切り替えてもよい。また、反射波を用いた測距工程を同時進行で実施してもよい。また、レーザ発射工程とレーザ受光工程を別々の地点で実施するようにしてもよい。また、自システムでレーザ発射工程を行わずに、レーザ受光工程以後を1ないし複数の観測点で実施するようにしてもよい。また、図3に示したように、複数波長のパルスレーザ光を同時的に用いて観測してもよい。なお、図3では、2波長のパルスレーザ光を連続して送出する例を示している。複数波長のパルスレーザ光の送受信は、この例に限定されず、3波長以上のパルスレーザ光を連続して用いたり、波長の異なるパルスレーザ光を重ねて(同時タイミングで)送出するようにしてもよい。また、異なる地点から送出された波長の異なる複数のパルスレーザ光を1ないし複数の観測点で観測するようにしてもよい。
D:ターゲットデブリの投影幅(未知の値)
t1:観測点1の照射レーザ光のパルス幅(受光レーザ光のパルス幅)
t2:観測点2の集光レーザ光のパルス幅
θ:観測点1、ターゲット、測定点2のなす角
L1:観測点2から見たときのターゲット反射面内で発生する散乱光の光路差
c:光速
図示した関係から数学的に判別できるように、集光レーザ光のパルス幅t2と、照射レーザ光のパルス幅t1の関係は次式で表せる。
t2 ≒ t1+(L1/c) = t1+(D・sinθ)/c ・・・(1)
この関係式から理解できるように、観測点2の集光レーザ光のパルス幅t2と、目標対象物を基準にした観測点1と観測点2のなす角θとを用いることで、観測点2の散乱光の観測結果から、未知の目標対象物の幅Dが推定できる。目標対象物の幅Dは、観測点1の観測結果でも同様に推定できる。
[付記1]
目標物体に向けられる望遠鏡と、
前記望遠鏡を介して目標で散乱した反射レーザ光を受光するレーザ装置と、
前記反射レーザ光の波形を取得する波形取得部と、
前記反射レーザ光の受光波形形状から物体識別を実行する判定部と、
を備えることを特徴とする目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置で生成して照射したパルスレーザ光と目標に当たって返ってきた反射レーザ光との送受信タイミングから目標までの距離を演算する測距部を含むことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記判定部で用いる、前記反射レーザ光の受光波形形状と識別対象物体候補とを関連付けたデータを保持したデータベースを更に含むことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置は、複数波長の同一目標で散乱した反射レーザ光を受光し、
前記波形取得部は、前記複数波長の反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記判定部は、複数波長の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記波形取得部は、複数の観測点で取得された同一目標で散乱した反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記判定部は、複数の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置は、集光した任意の反射レーザ光を 波長の異なる複数のレーザ光に分光した後に、分光したそれぞれの反射レーザ光をそれぞれ波形信号に変換することを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置は、目標で反射した反射レーザ光を捉えるアレイセンサを含み、
該目標識別レーザ観測システムは、
前記アレイセンサの分解能で出力されたセンサ出力に基づいて、目標の移動方向及び/又は移動速度を導出処理して、前記望遠鏡の向きを調整する自律追跡部を更に含む、
ことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置は、
目標に照射するパルスレーザ光に縦シングルモードレーザを採用し、
照射するパルスレーザ光から参照光を分岐すると共に、
集光した反射レーザ光を 前記参照光を用いてヘテロダイン方式で混合した光信号のビート波形を検知し、
該目標識別レーザ観測システムは、
前記ビート波形の変化に基づいて、観測点と目標との相対速度を導出処理する速度検出部を更に含む、
ことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
複数の観測点で、パルスレーザ光に縦シングルモードレーザを採用して前記参照光を生成し、集光した反射レーザ光と前記参照光を混合した光信号のビート波形を取得し、
複数の観測点で取得された前記ビート波形の変化に基づいて、目標との現在位置を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
前記レーザ装置による波長の異なる複数のパルスレーザ光の発射 及び/又は 散乱光の集光を 連続的に複数の観測点で実施して、複数の観測点で得られた異なるタイミングの異なる波長の受光波形形状及び目標物体との距離から物体識別の推考を進めることを特徴とする上記付記記載の目標識別レーザ観測システム。
目標物体にレーザパルス光を照射するレーザ発射工程と、
目標物体に向けられた望遠鏡を介して目標で散乱した反射レーザ光を集光するレーザ受光工程と、
前記反射レーザ光の波形を取得する波形取得工程と、
前記反射レーザ光の受光波形形状から物体識別を実行する目標識別工程と、
を含むことを特徴とするレーザ目標識別方法。
レーザ発射工程で照射したレーザ光と目標に当たって返ってきた反射レーザ光との送受信タイミングから目標までの距離を演算するレーザ測距工程を更に含むことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記目標識別工程では、前記反射レーザ光の受光波形形状と識別対象物体候補とを関連付けたデータを保持したデータベースを参照することを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ受光工程では、複数波長の同一目標で散乱した反射レーザ光を受光し、
前記波形取得工程では、前記複数波長の反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記目標識別工程では、複数波長の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記波形取得工程では、複数の観測点で取得された同一目標で散乱した反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記目標識別工程では、複数の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ受光工程では、集光した任意の反射レーザ光を 波長の異なる複数のレーザ光に分光した後に、分光したそれぞれの反射レーザ光をそれぞれ波形信号に変換することを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ受光工程では、目標で反射した反射レーザ光を捉えるアレイセンサを用い、
前記目標識別工程では、該アレイセンサの分解能で出力されたセンサ出力に基づいて、目標の移動方向及び/又は移動速度を導出処理して、前記望遠鏡の向きを調整することを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ発射工程では、目標に縦シングルモードパルスレーザ光を照射すると共に、照射するパルスレーザ光から参照光を分岐し、
前記レーザ受光工程では、集光した反射レーザ光を 前記参照光を用いてヘテロダイン方式で混合した光信号のビート波形を検知し、
前記目標識別工程では、前記ビート波形の変化に基づいて、観測点と目標との相対速度を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ発射工程及び前記レーザ受光工程では、複数の観測点で、パルスレーザ光に縦シングルモードレーザを照射すると共に前記参照光を生成し、集光した反射レーザ光と前記参照光を混合した光信号のビート波形を取得し、
前記目標識別工程では、複数の観測点で取得された前記ビート波形の変化に基づいて、目標との現在位置を導出処理する
ことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
前記レーザ発射工程及び前記レーザ受光工程では、レーザ装置による波長の異なる複数のパルスレーザ光の発射 及び/又は 散乱光の集光を 連続的に複数の観測点で実施し、
前記目標識別工程では、複数の観測点で得られた異なるタイミングの異なる波長の受光波形形状及び目標物体との距離から物体識別の推考を進める
ことを特徴とする上記付記記載のレーザ目標識別方法。
10 レーザ装置
20 制御部
21 波形取得部
22 判定部
30 望遠鏡
Claims (10)
- 目標物体に向けられる望遠鏡と、
前記望遠鏡を介して目標で散乱した反射レーザ光を受光するレーザ装置と、
前記反射レーザ光の波形を取得する波形取得部と、
前記反射レーザ光の受光波形形状から物体識別を実行する判定部と、
を備えることを特徴とする目標識別レーザ観測システム。 - 前記レーザ装置で生成して照射したパルスレーザ光と目標に当たって返ってきた反射レーザ光との送受信タイミングから目標までの距離を演算する測距部を含むことを特徴とする請求項1記載の目標識別レーザ観測システム。
- 前記判定部で用いる、前記反射レーザ光の受光波形形状と識別対象物体候補とを関連付けたデータを保持したデータベースを更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の目標識別レーザ観測システム。
- 前記レーザ装置は、複数波長の同一目標で散乱した反射レーザ光を受光し、
前記波形取得部は、前記複数波長の反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記判定部は、複数波長の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。 - 前記波形取得部は、複数の観測点で取得された同一目標で散乱した反射レーザ光の波形をそれぞれ取得し、
前記判定部は、複数の反射レーザ光の受光波形形状から物体形状を導出処理する
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。 - 前記レーザ装置は、集光した任意の反射レーザ光を 波長の異なる複数のレーザ光に分光した後に、分光したそれぞれの反射レーザ光をそれぞれ波形信号に変換する
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。 - 前記レーザ装置は、目標で反射した反射レーザ光を捉えるアレイセンサを含み、
該目標識別レーザ観測システムは、
前記アレイセンサの分解能で出力されたセンサ出力に基づいて、目標の移動方向及び/又は移動速度を導出処理して、前記望遠鏡の向きを調整する自律追跡部を更に含む、
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。 - 前記レーザ装置は、
目標に照射するパルスレーザ光に縦シングルモードレーザを採用し、
照射するパルスレーザ光から参照光を分岐すると共に、
集光した反射レーザ光を 前記参照光を用いてヘテロダイン方式で混合した光信号のビート波形を検知し、
該目標識別レーザ観測システムは、
前記ビート波形の変化に基づいて、観測点と目標との相対速度を導出処理する速度検出部を更に含む、
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。 - 前記レーダ装置による波長の異なる複数のパルスレーザ光の発射 及び/又は 散乱光の集光を 連続的に複数の観測点で実施して、複数の観測点で得られた異なるタイミングの異なる波長の受光波形形状及び目標物体との距離から物体識別の推考を進めることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載の目標識別レーザ観測システム。
- 目標物体にレーザパルス光を照射するレーザ発射工程と、
目標物体に向けられた望遠鏡を介して目標で散乱した反射レーザ光を集光するレーザ受光工程と、
前記反射レーザ光の波形を取得する波形取得工程と、
前記反射レーザ光の受光波形形状から物体識別を実行する目標識別工程と、
を含むことを特徴とするレーザ目標識別方法。
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