以下、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の電子部品検査装置の実施形態を正面側から見た概略斜視図である。図2〜図9は、それぞれ、図1に示す電子部品検査装置全体の作動状態を順に示す概略平面図である。図10〜図24は、それぞれ、図1に示す電子部品検査装置の検査領域内での第1作動状態を順に示す側面図(X方向の正側から見た図)である。図25〜図49は、それぞれ、図1に示す電子部品検査装置の検査領域内での第2作動状態を順に示す側面図(X方向の正側から見た図)である。図40は、図1に示す電子部品検査装置が備えるモニターに表示されるフォームの一例である。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、X軸に平行な方向を「X方向」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y方向」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z方向」とも言う。また、電子部品の搬送方向の上流側を単に「上流側」とも言い、下流側を単に「下流側」とも言う。また、本願明細書で言う「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。
図1〜図9に示す検査装置(電子部品検査装置)1は、電子部品であるICデバイス90の電気的特性を検査・試験(以下単に「検査」と言う)するための装置である。図10〜図39に示すように、本実施形態では、ICデバイス90は、CCDデバイスである。このICデバイス90は、片方の面902が撮像(受光)面であり、その反対の面にボール状の端子(凸部)901を有している。そして、このような構成のICデバイス90を検査するためには、端子901側を上にする必要がある。この場合、検査装置1は、ためです。そして、面902側(下方)に検査用の光源(図示せず)が配置されている。CCDデバイスであるICデバイス90は、面902に前記光源からの光を当てたときに各端子901に正しい信号が出力されるかどうかの試験が行われる。
図2〜図9に示すように、検査装置1は、トレイ供給領域A1と、デバイス供給領域(以下単に「供給領域」と言う)A2と、検査領域A3と、デバイス回収領域(以下単に「回収領域」と言う)A4と、トレイ除去領域A5とに分けられている。そして、ICデバイス90は、トレイ供給領域A1からトレイ除去領域A5まで前記各領域を順に経由し、途中の検査領域A3で検査が行われる。このように検査装置1は、各領域でICデバイス90を搬送する電子部品搬送装置と、検査領域A3内で検査を行なう検査部16と、制御部80を備えたものとなっている。また、図1に示すように、検査装置1は、モニター300と、シグナルランプ400とを備えている。さらに、検査装置1は、最外装がカバーで覆われており、当該カバーには、例えばフロントカバー70、サイドカバー71、サイドカバー72、リアカバー73、トップカバー74がある。
なお、検査装置1は、トレイ供給領域A1、トレイ除去領域A5が配された方(図2中(図3〜図9についても同様)の下側)が正面側となり、その反対側、すなわち、検査領域A3が配された方(図2中の上側)が背面側として使用される。
トレイ供給領域A1は、未検査状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ(配置部材)200が供給される給材部である。トレイ供給領域A1では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。トレイ200には、行列状に配置された複数個の凹部(ポケット)201が形成されている。そして、各凹部201には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。
供給領域A2は、トレイ供給領域A1からのトレイ200上に配置された複数のICデバイス90がそれぞれ検査領域A3まで供給される領域である。なお、トレイ供給領域A1と供給領域A2とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構11A、11Bが設けられている。トレイ搬送機構11Aは、トレイ200を、当該トレイ200に載置されたICデバイス90ごとY方向に移動させることができる移動部である。これにより、ICデバイス90を安定して供給領域A2に送り込むことができる。また、トレイ搬送機構11Bは、空のトレイ200を移動させることができる移動部である。
供給領域A2には、温度調整部(ソークプレート)12と、デバイス搬送アーム(供給用アーム)13と、トレイ搬送機構(第1搬送装置)15とが設けられている。
温度調整部12は、複数のICデバイス90が載置される載置部(電子部品載置部)であり、当該複数のICデバイス90を加熱または冷却することができる。これにより、ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。図2に示す構成では、温度調整部12は、Y方向に2つ配置、固定されている。そして、トレイ搬送機構11Aによってトレイ供給領域A1から搬入された(搬送されてきた)トレイ200上のICデバイス90は、いずれかの温度調整部12に搬送され、載置される。また、温度調整部12には、行列状に配置された複数個の凹部(ポケット)121が形成されている。そして、各凹部121には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。
デバイス搬送アーム13は、供給領域A2内でX方向、Y方向、Z方向にそれぞれ移動可能に支持されている。これにより、デバイス搬送アーム13は、トレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200と温度調整部12との間のICデバイス90の搬送と、温度調整部12とデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送とを担うことができる。
トレイ搬送機構15は、全てのICデバイス90が除去された状態の空のトレイ200を供給領域A2内でX方向に搬送させる機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、トレイ搬送機構11Bによって供給領域A2からトレイ供給領域A1に戻される。
検査領域A3は、ICデバイス90を検査する領域である。この検査領域A3には、検査部16と、検査用アーム17とが設けられている。また、供給領域A2と検査領域A3とをまたぐように往復動するデバイス供給部(供給シャトル)14や、検査領域A3と回収領域A4とをまたぐように往復動するデバイス回収部(回収シャトル)18も設けられている。なお、検査領域A3は、隔壁75とリアカバー73とによって気密性が保たれている。
デバイス供給部14は、温度調整されたICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を検査部16近傍まで搬送する(移動させる)ことができる移動部である。このデバイス供給部14は、供給領域A2と検査領域A3との間をX方向に沿って水平方向に移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス供給部14は、Y方向に2つ配置されており、それぞれ独立して移動することができる。温度調整部12上のICデバイス90は、いずれかのデバイス供給部14に搬送され、載置される。以下、これら2つのデバイス供給部14のうち、Y方向の正側に位置するデバイス供給部14を「第1デバイス供給部(第1供給シャトル)14A」と言い、Y方向の負側に位置するデバイス供給部14を「第2デバイス供給部(第2供給シャトル)14B」と言うことがある。また、デバイス供給部14には、本実施形態ではX方向に配置された2つの凹部(ポケット)141が形成されている。そして、各凹部141には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。なお、凹部141の配置態様は、X方向に2つに限定されないのは言うまでもない。また、凹部141は、前記光源からの光を透過するよう構成されている。この構成としては、特に限定されず、例えば、貫通孔を形成したり、透明な材料で構成したりすることが挙げられる。
検査部16は、ICデバイス90の電気的特性を検査・試験するユニットである。検査部16は、テスター(図示せず)を含み、当該テスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて、ICデバイス90の検査を行なうことができる。なお、検査部16では、温度調整部12と同様に、ICデバイス90を加熱または冷却して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。また、検査部16には、本実施形態ではX方向に配置された2つの凹部(ポケット)161が形成されている。そして、各凹部161には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。なお、凹部161の配置態様は、X方向に2つに限定されないのは言うまでもない。また、凹部161は、前記光源からの光を透過するよう構成されている。この構成としては、特に限定されず、例えば、貫通孔を形成したり、透明な材料で構成したりすることが挙げられる。
検査用アーム17は、検査領域A3内でY方向、Z方向にそれぞれ移動可能に支持されている。図2に示す構成では、検査用アーム17は、Y方向に2つ配置されている。以下、これら2つの検査用アーム17のうち、Y方向の正側に位置する検査用アーム17を「検査用第1アーム(第1アーム)17A」と言い、Y方向の負側に位置する検査用アーム17を「検査用第2アーム(第2アーム)17B」と言うことがある。図10〜図39に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとは、連結部700を介して連結されており、一括してY方向に移動することができる。なお、検査用第1アーム17AのZ方向への移動と、検査用第2アーム17BのZ方向への移動とは、独立して行なうことができる。そして、後述するように検査装置1では、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとは、互いに異なる機能を発揮し得る構成とすることができる。
デバイス回収部18は、検査部16での検査が終了したICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を回収領域A4まで搬送する(移動させる)ことができる移動部である。このデバイス回収部18は、検査領域A3と回収領域A4との間をX方向に沿って水平方向に移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス回収部18は、デバイス供給部14と同様に、Y方向に2つ配置されており、検査部16上のICデバイス90は、いずれかのデバイス回収部18に搬送され、載置される。この搬送は、検査用アーム17によって行なわれる。以下、これら2つのデバイス回収部18のうち、Y方向の正側に位置するデバイス回収部18を「第1デバイス回収部(第1回収シャトル)18A」と言い、Y方向の負側に位置するデバイス回収部18を「第2デバイス回収部(第2回収シャトル)18B」と言うことがある。検査装置1では、第1デバイス供給部14Aと第1デバイス回収部18Aとが連結して、一括して同方向に移動することができ、第2デバイス供給部14Bと第2デバイス回収部18Bとが連結して、一括して同方向に移動することができる。また、デバイス回収部18には、本実施形態ではX方向に配置された2つの凹部(ポケット)181が形成されている。そして、各凹部181には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。なお、凹部181の配置態様は、X方向に2つに限定されないのは言うまでもない。
回収領域A4は、検査が終了した複数のICデバイス90が回収される領域である。この回収領域A4には、回収用トレイ19と、デバイス搬送アーム(回収用アーム)20と、トレイ搬送機構(第2搬送装置)21とが設けられている。また、回収領域A4には、空のトレイ200も用意されている。
回収用トレイ19は、ICデバイス90が載置される載置部(電子部品載置部)であり、回収領域A4内に固定され、図2に示す構成では、X方向に沿って3つ配置されている。回収用トレイ19には、行列状に配置された複数個の凹部(ポケット)191が形成されている。そして、各凹部191には、ICデバイス90を1つずつ載置、収納することができる。
また、空のトレイ200も、ICデバイス90が載置される載置部(電子部品載置部)であり、X方向に沿って3つ配置されている。
そして、回収領域A4に移動してきたデバイス回収部18上のICデバイス90は、これらの回収用トレイ19および空のトレイ200のうちのいずれかに搬送され、載置される。これにより、ICデバイス90は、検査結果ごとに回収されて、分類されることとなる。
デバイス搬送アーム20は、回収領域A4内でX方向、Y方向、Z方向にそれぞれ移動可能に支持されている。これにより、デバイス搬送アーム20は、ICデバイス90をデバイス回収部18から回収用トレイ19や空のトレイ200に搬送することができる。
トレイ搬送機構21は、トレイ除去領域A5から搬入された空のトレイ200を回収領域A4内でX方向に搬送させる機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、ICデバイス90が回収される位置に配されることとなる、すなわち、前記3つの空のトレイ200のうちのいずれかとなり得る。このように検査装置1では、回収領域A4にトレイ搬送機構21が設けられ、その他に、供給領域A2にトレイ搬送機構15が設けられている。これにより、例えば空のトレイ200のX方向への搬送を1つの搬送機構で行なうよりも、スループット(単位時間当たりのICデバイス90の搬送個数)の向上を図ることができる。
なお、トレイ搬送機構15、21の構成としては、特に限定されず、例えば、トレイ200を吸着する吸着部材と、当該吸着部材をX方向に移動可能に支持するボールネジ等の支持機構とを有する構成が挙げられる。
トレイ除去領域A5は、検査済み状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が回収され、除去される除材部である。トレイ除去領域A5では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
また、回収領域A4とトレイ除去領域A5とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構22A、22Bが設けられている。トレイ搬送機構22Aは、トレイ200を、当該トレイ200に載置された検査済みのICデバイス90ごとY方向に移動させることができる移動部である。これにより、検査済みのICデバイス90を回収領域A4からトレイ除去領域A5に搬送することができる。また、トレイ搬送機構22Bは、ICデバイス90を回収するための空のトレイ200を、トレイ除去領域A5から回収領域A4に移動させることができる移動部である。
制御部80は、例えば、駆動制御部を有している。駆動制御部は、例えば、トレイ搬送機構11A、11Bと、温度調整部12と、デバイス搬送アーム13と、デバイス供給部14と、トレイ搬送機構15と、検査部16と、検査用アーム17と、デバイス回収部18と、デバイス搬送アーム20と、トレイ搬送機構21と、トレイ搬送機構22A、22Bの各部の駆動を制御する。
なお、前記テスターの検査制御部は、例えば、図示しないメモリー内に記憶されたプログラムに基づいて、検査部16に配置されたICデバイス90の電気的特性の検査等を行なう。
オペレーターは、モニター300を介して、検査装置1の作動時の温度条件等を設定したり、確認したりすることができる。このモニター300は、例えば液晶画面で構成された表示画面(表示部)301を有し、検査装置1の正面側上部に配置されている。図1に示すように、トレイ除去領域A5の図中の右側には、モニター300に表示された画面を操作する際に用いられるマウスを載置するマウス台600が設けられている。
また、シグナルランプ400は、発光する色の組み合わせにより、検査装置1の作動状態等を報知することができる。シグナルランプ400は、検査装置1の上部に配置されている。なお、検査装置1には、スピーカー500が内蔵されており、このスピーカー500によっても検査装置1の作動状態等を報知することもできる。
図10〜図39に示すように、検査用第1アーム17Aは、ヘッド3Aを有し、当該ヘッド3Aに第1機能部4を配置して装着した状態(図10〜図24参照)と、当該ヘッド3Aに第2機能部6を配置して装着した状態(図25〜図39参照)とを取り得る。また、検査用第2アーム17Bは、ヘッド3Bを有し、当該ヘッド3Bに第2機能部6を配置して装着した状態(図10〜図24参照)と、当該ヘッド3Bに第1機能部4を配置して装着した状態(図25〜図39参照)とを取り得る。なお、図2に示すように、1つの検査用アーム17に対して、第1機能部4は、X方向に2つ並べて装着され、第2機能部6も、X方向に2つ並べて装着される。
第1部材4は、ICデバイス90の種類ごとに交換される、いわゆる「チェンジキット」と呼ばれるものであり、ICデバイス90に対して第1の処理を行うことが可能である、すなわち、所定の第1の機能を有している。また、第2部材6も、ICデバイス90の種類ごとに交換される、いわゆる「チェンジキット」と呼ばれるものであり、ICデバイス90に対して第2の処理を行うことが可能である、すなわち、所定の第2の機能を有している。
検査用第1アーム17Aは、ヘッド3Aに第1機能部4を装着することにより、ICデバイス90に対して第1の処理を発揮し得る状態となり、第2機能部6を装着することにより、ICデバイス90に対して第2の処理を発揮し得る状態となる。同様に、検査用第2アーム17Bは、ヘッド3Bに第1機能部4を装着することにより、ICデバイス90に対して第1の処理を発揮し得る状態となり、第2機能部6を装着することにより、ICデバイス90に対して第2の処理を発揮し得る状態となる。
そして、検査装置1では、検査用第1アーム17A(ヘッド3A)に第1機能部4を装着するとともに、検査用第2アーム17B(ヘッド3B)に第2機能部6を装着して作動させる「第1作動状態」とすることできる。また、検査用第1アーム17A(ヘッド3A)に第2機能部6を装着するとともに、検査用第2アーム17B(ヘッド3B)に第1機能部4を装着して、検査装置1を作動させる「第2作動状態」とすることもできる。このように検査装置1では、第1作動状態と第2作動状態とを切り替える、すなわち、機能が異なった状態の検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとの制御設定を入れ替えることができる。
検査用第1アーム17Aのヘッド3Aと、検査用第2アーム17Bのヘッド3Bとは、配置箇所が異なること以外は同じ構成であるため、代表的にヘッド3Aについて説明する。
図10(図11〜図39についても同様)に示すように、ヘッド3Aは、エジェクター31に接続された流路32を有している。また、ヘッド3Aの下面33は、平面となっており、流路32のエジェクター31と反対側の部分が開口している。さらに、ヘッド3Aは、検査部16の前記テスターに電気的に接続されるケーブル34を有している。ケーブル34の端部には、コネクター35が設置されており、ヘッド3Aの下面33の流路32と異なる位置に露出している。
第1機能部4は、平板状をなし、ヘッド3Aまたはヘッド3Bの下面33に、例えばボルト(図示せず)によって着脱自在に装着される。また、第1機能部4は、下面41に開口する凹部42と、凹部42から上面43に貫通する貫通孔44とを有している。この第1機能部4を下面33に装着した装着状態では、凹部42が貫通孔44を介して流路32と連通する。そして、第1機能部4の下面41をICデバイス90に当接させつつ、エジェクター31を作動させることにより、第1機能部4は、ICデバイス90を吸着によって把持して、そのまま当該ICデバイス90を持ち上げることができる(例えば図12参照)。このように、第1機能部4は、ICデバイス90を吸着する吸着部となっている。
また、前述したように、ICデバイス90は、多数の端子901を有しており、当該端子901側が鉛直上方に向けられる。第1機能部4の下面41をICデバイス90に当接させた状態では、多数の端子901は、第1機能部4の凹部42に収納される。これにより、第1機能部4とICデバイス90との間に間隙が生じるのが防止され、よって、ICデバイス90に対する第1機能部4での吸引を過不足なく行なうことができる。
第2機能部6は、ブロック状または平板状をなし、ヘッド3Aまたはヘッド3Bの下面33に、例えばボルト(図示せず)によって着脱自在に装着される。また、第2機能部6は、下面61に設けられた多数のプローブピン621で構成された端子部62を有している。第2機能部6の上面63には、コネクター64が露出しており、ケーブル65を介してプローブピン621と接続されている。そして、第2機能部6を下面33に装着した装着状態では、コネクター64とコネクター35とが接続される。これにより、各プローブピン621は、検査部16の前記テスターに電気的に接続される。そして、各プローブピン621がICデバイス90の各端子901に当接することにより、ICデバイス90の検査を行なうことができる(例えば図17参照)。
図40に示すように、モニター300の表示画面301には、操作フォーム8が映し出される。操作フォーム8には、第1メニュー群81と、第2メニュー群82と、動作設定フォーム9とが含まれている。
第1メニュー群81には、ボタン811〜ボタン818が含まれており、ボタン811が「Start」、ボタン812が「End」、ボタン813が「Shut Down」、ボタン814が「Device Set」、ボタン815が「Unit Set」、ボタン816が「Handler Set」、ボタン817が「Maintenance」、ボタン818が「Calculator」と割り振られている。そして、ボタン814を操作すれば、第2メニュー群82が表示画面301に表示される。
第2メニュー群82には、ボタン821〜ボタン8211が含まれており、ボタン821が「Tray Form」、ボタン822が「Tray Assign」、ボタン823が「Plate Form」、ボタン824が「Temp. Offset」、ボタン825が「Contact」、ボタン826が「Tester I/F」、ボタン827が「Bin」、ボタン828が「Set up」、ボタン829が「Load./Unld.」、ボタン8210が「ESD」、ボタン8211が「Scan Mode」と割り振られている。そして、ボタン828を操作すれば、動作設定フォーム9が表示画面301に表示される。
動作設定フォーム9には、搬送アーム動作条件設定モード91、検査条件設定モード92、デバイス供給部・デバイス回収部動作条件設定モード93、検査用アーム動作条件設定モード94、検査用アーム選択モード95が含まれている。
搬送アーム動作条件設定モード91は、デバイス搬送アーム13、デバイス搬送アーム20でのICデバイス90の把持動作の条件を一括設定するモード「Handling Mode」であり、チェックボックス911〜915が含まれている。チェックボックス911は「2-site」、チェックボックス912は「Square 4-site(2×2)」、チェックボックス913は「In-Line 4-site(4×1)」、チェックボックス914は「Busy Shuttle(Single,2site CK)」、チェックボックス915は「Busy Shuttle(Dual,4site CK)」と割り振られている。そして、チェックボックス911〜チェックボックス915のうちのいずれか1つを選択することができる。
検査条件設定モード92は、「Test Site Assign」と割り振られて表示されており、検査部16の各凹部161とテスターのチャンネルとを関係付けるチャンネル設定モード921と、検査部16の凹部161同士のピッチ間距離を設定する距離設定モード922と、検査部16の凹部161の配置状態を示すイラスト923とが含まれている。
チャンネル設定モード921には、チェックボックス921a〜チェックボックス921dが含まれており、それぞれチャンネルを選択することができる。チェックボックス921aは「Socket A」、チェックボックス921bは「Socket B」、チェックボックス921cは「Socket C」、チェックボックス921dは「Socket D」と割り振られている。また、チャンネル設定モード921には、選択されたチャンネルを決定するボタン921eも含まれている。
距離設定モード922には、凹部161同士のX方向のピッチ間距離を設定するチェックボックス922xと、凹部161同士のY方向のピッチ間距離を設定するチェックボックス922yとが含まれている。チェックボックス922xは「X-pitch」、チェックボックス922yは「Y-pitch」と割り振られている。
デバイス供給部・デバイス回収部動作条件設定モード93は、第1デバイス供給部14Aおよび第1デバイス回収部18Aの移動動作の条件と、第2デバイス供給部14Bおよび第2デバイス回収部18Bの移動動作の条件とを設定するモード「Shuttle Mode」であり、チェックボックス931〜チェックボックス934が含まれている。チェックボックス931は「Normal」、チェックボックス932は「One Side」、チェックボックス933は「Use Shuttle 1」、チェックボックス934は「Use Shuttle 2」と割り振られている。そして、チェックボックス931またはチェックボックス932を選択することができる。
チェックボックス931を選択した場合には、第1デバイス供給部14Aおよび第1デバイス回収部18Aの移動動作と、第2デバイス供給部14Bおよび第2デバイス回収部18Bの移動動作とを実行することができる。
また、チェックボックス932を選択した場合には、第1デバイス供給部14Aおよび第1デバイス回収部18Aの移動動作か、または、第2デバイス供給部14Bおよび第2デバイス回収部18Bの移動動作を実行することができる。この場合、チェックボックス933またはチェックボックス934を選択することができる。チェックボックス933を選択した場合には、第1デバイス供給部14Aおよび第1デバイス回収部18Aの移動動作が実行され、第2デバイス供給部14Bおよび第2デバイス回収部18Bの移動動作が停止した状態となる。一方、チェックボックス934を選択した場合には、第2デバイス供給部14Bおよび第2デバイス回収部18Bの移動動作が実行され、第1デバイス供給部14Aおよび第1デバイス回収部18Aの移動動作が停止した状態となる。
検査用アーム動作条件設定モード94は、「Dead Bug Motion」と割り振られて表示されており、チェックボックス941が含まれている。チェックボックス941を選択した場合には、検査用アーム選択モード95の操作が可能となる。
検査用アーム選択モード95は、「Arm Select」と割り振られて表示されており、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとの制御を入れ替える設定操作を行なって、第1作動状態または第2作動状態を選択する操作部である。この検査用アーム選択モード95には、チェックボックス951、チェックボックス952が含まれている。検査用第1アーム17Aに第1機能部4を装着し、検査用第2アーム17Bに第2機能部6を装着して、検査装置1を第1作動状態で作動させる場合には、チェックボックス951を選択する。また、検査用第1アーム17Aに第2機能部6を装着し、検査用第2アーム17Bに第1機能部4を装着して、検査装置1を第2作動状態で作動させる場合には、チェックボックス952を選択する。
以下では、デバイス供給部・デバイス回収部動作条件設定モード93のチェックボックス932、チェックボックス933と、検査用アーム動作条件設定モード94のチェックボックス941と、検査用アーム選択モード95のチェックボックス951を選択した場合の検査装置1の動作状態、すなわち、第1作動状態について、図2〜図24を参照しつつ説明する。
図2に示すように、トレイ供給領域A1内のトレイ200に載置されていたICデバイス90は、トレイ搬送機構11Aやデバイス搬送アーム13の所定の動作によって、供給領域A2内に位置している第1デバイス供給部14Aまで搬送され、当該第1デバイス供給部14Aに載置される。
次に、図3に示すように、ICデバイス90が載置された第1デバイス供給部14Aは、検査領域A3まで移動する。これにより、ICデバイス90は、検査領域A3内に位置することとなる。
また、このとき、図10に示すように、検査用第1アーム17Aの第1機能部4がICデバイス90の上方に位置しており、検査用第2アーム17Bの第2機能部6が検査部16の上方に位置している。その後、図11に示すように、検査用第1アーム17Aは、第1機能部4がICデバイス90に当接するまで下降する。
そして、エジェクター31を作動させて、第1機能部4がICデバイス90を吸着した状態とし、図12に示すように、検査用第1アーム17Aを上昇させる。これにより、ICデバイス90を第1デバイス供給部14Aから持ち上げることができる。
次に、図4、図13に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが同方向に、すなわち、Y方向の負側に移動する。これにより、第1機能部4に把持されたICデバイス90は、検査部16の上方に位置し、第2機能部6は、検査部16の上方から退避する。
次に、図14に示すように、検査用第1アーム17Aは、ICデバイス90が検査部16に載置され得る位置まで下降する。その後、エジェクター31による真空破壊を行なうことにより、第1機能部4のICデバイス90に対する吸着が解除される。これにより、ICデバイス90が検査部16に載置される。
次に、図15に示すように、検査用第1アーム17Aを上昇させる。これにより、第1機能部4がICデバイス90から離間して、すなわち、遠ざかっていく。
次に、図5、図16に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが前記と反対方向に、すなわち、Y方向の正側に移動する。これにより、第1機能部4は、位置決めされ固定された状態にある検査部16の上方から退避し、第2機能部6は、検査部16の上方に位置する。
次に、図17に示すように、検査用第2アーム17Bは、第2機能部6の各プローブピン621がICデバイス90の各端子901に当接し、さらに押圧して、所定の押圧力が得られる位置まで下降する。これにより、ICデバイス90に対する検査が可能な状態となる。そして、この検査が完了した後、図18に示すように、検査用第2アーム17Bを上昇させる。これにより、第2機能部6がICデバイス90から離間していく。
次に、図6、図19に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが再度Y方向の負側に移動する。これにより、第1機能部4は、検査部16に載置されているICデバイス90上方に位置し、第2機能部6は、検査部16の上方から退避する。また、第1デバイス回収部18Aが検査領域A3まで移動する。これにより、第1デバイス回収部18Aは、検査領域A3内に位置することとなる。
次に、図20に示すように、検査用第1アーム17Aは、第1機能部4がICデバイス90に当接するまで下降する。そして、エジェクター31を作動させて、第1機能部4がICデバイス90を吸着した状態とし、図21に示すように、検査用第1アーム17Aを上昇させる。これにより、ICデバイス90を持ち上げて、検査部16から取り出すことができる。
次に、図7、図22に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17BとがY方向の正側に移動する。これにより、ICデバイス90を把持した第1機能部4は、検査部16の上方から退避して、第1デバイス回収部18Aの上方に位置するとともに、第2機能部6は、検査部16の上方に位置する。
次に、図23に示すように、検査用第1アーム17Aは、ICデバイス90が第1デバイス回収部18Aに載置され得る位置まで下降する。その後、エジェクター31による真空破壊を行なうことにより、第1機能部4のICデバイス90に対する吸着が解除される。これにより、ICデバイス90が第1デバイス回収部18Aに載置される。
次に、図24に示すように、検査用第1アーム17Aを上昇させる。これにより、第1機能部4がICデバイス90から離間していく。
次に、図8に示すように、ICデバイス90が載置された第1デバイス回収部18Aは、回収領域A4まで移動する。これにより、ICデバイス90は、回収領域A4内に位置することとなる。
図9に示すように、第1デバイス回収部18Aに載置されたICデバイス90は、デバイス搬送アーム20やトレイ搬送機構22Aの所定の動作によって、トレイ除去領域A5まで搬送される。
以上の第1作動状態の説明に次いで、検査用アーム選択モード95のチェックボックス952を選択した場合の検査装置1の動作状態、すなわち、第2作動状態について、図25〜図39を参照しつつ説明する。なお、このチェックボックス952を選択するには、デバイス供給部・デバイス回収部動作条件設定モード93のチェックボックス932、チェックボックス934と、検査用アーム動作条件設定モード94のチェックボックス941とが既に選択された状態となっている。
所定の動作によって、図25に示すように、検査用第2アーム17Bの第1機能部4が、第2デバイス供給部14Bに載置されたICデバイス90の上方に位置しており、検査用第1アーム17Aの第2機能部6が検査部16の上方に位置している。その後、図26に示すように、検査用第2アーム17Bは、第1機能部4がICデバイス90に当接するまで下降する。
そして、エジェクター31を作動させて、第1機能部4がICデバイス90を吸着した状態とし、図27に示すように、検査用第2アーム17Bを上昇させる。これにより、ICデバイス90を第2デバイス供給部14Bから持ち上げることができる。
次に、図28に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが同方向に、すなわち、Y方向の正側に移動する。これにより、第1機能部4に把持されたICデバイス90は、検査部16の上方に位置し、第2機能部6は、検査部16の上方から退避する。
次に、図29に示すように、検査用第2アーム17Bは、ICデバイス90が検査部16に載置され得る位置まで下降する。その後、エジェクター31による真空破壊を行なうことにより、第1機能部4のICデバイス90に対する吸着が解除される。これにより、ICデバイス90が検査部16に載置される。
次に、図30に示すように、検査用第2アーム17Bを上昇させる。これにより、第1機能部4がICデバイス90から離間して、すなわち、遠ざかっていく。
次に、図31に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが前記と反対方向に、すなわち、Y方向の負側に移動する。これにより、第1機能部4は、検査部16の上方から退避し、第2機能部6は、検査部16の上方に位置する。
次に、図32に示すように、検査用第1アーム17Aは、第2機能部6の各プローブピン621がICデバイス90の各端子901に当接し、さらに押圧して、所定の押圧力が得られる位置まで下降する。これにより、ICデバイス90に対する検査が可能な状態となる。そして、この検査が完了した後、図33に示すように、検査用第1アーム17Aを上昇させる。これにより、第2機能部6がICデバイス90から離間していく。
次に、図34に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17Bとが再度Y方向の正側に移動する。これにより、第1機能部4は、検査部16に載置されているICデバイス90上方に位置し、第2機能部6は、検査部16の上方から退避する。また、第2デバイス回収部18Bが検査領域A3まで移動する。これにより、第2デバイス回収部18Bは、検査領域A3内に位置することとなる。
次に、図35に示すように、検査用第2アーム17Bは、第1機能部4がICデバイス90に当接するまで下降する。そして、エジェクター31を作動させて、第1機能部4がICデバイス90を吸着した状態とし、図36に示すように、検査用第2アーム17Bを上昇させる。これにより、ICデバイス90を持ち上げて、検査部16から取り出すことができる。
次に、図37に示すように、検査用第1アーム17Aと検査用第2アーム17BとがY方向の負側に移動する。これにより、ICデバイス90を把持した第1機能部4は、検査部16の上方から退避して、第2デバイス回収部18Bの上方に位置するとともに、第2機能部6は、検査部16の上方に位置する。
次に、図38に示すように、検査用第2アーム17Bは、ICデバイス90が第2デバイス回収部18Bに載置され得る位置まで下降する。その後、エジェクター31による真空破壊を行なうことにより、第1機能部4のICデバイス90に対する吸着が解除される。これにより、ICデバイス90が第2デバイス回収部18Bに載置される。
次に、図39に示すように、検査用第2アーム17Bを上昇させる。これにより、第1機能部4がICデバイス90から離間していく。
次に、所定の動作によって、第2デバイス回収部18Bに載置されたICデバイス90は、トレイ除去領域A5まで搬送される。
以上のように、検査装置1では、第1作動状態と第2作動状態とを切り替えて使用することができる。これにより、検査装置1をユーザーニーズに応じたもの、例えばICデバイス90の種類(本実施形態では端子901が上側に位置したICデバイス90)に適したものとすることができる。
以上、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、2つの検査用アームは、前記実施形態では連結されたものであるが、これに限定されず、連結されていないものであってもよい。
また、第1の処理と第2の処理とは、前記実施形態では互いに異なる処理であったが、これに限定されず、同じ機能であってもよい。