JP2017031436A - 無電解ニッケルめっき浴 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な屈曲性が得られ、応力がかかる部分でもクラックが入り難く、しかも無めっきの虞もない無電解ニッケルめっき浴を提供する。
【解決手段】本発明の無電解ニッケルめっき浴は、下記(1)式で表される、硫黄を含むベンゾチアゾール系化合物を含有する。
【化1】

式中、Xは炭素数が2以上のアルキル基、またはその塩であり、Xは置換基を有していても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、無電解ニッケルめっき皮膜を得るための無電解ニッケルめっき浴に関する。詳細には、プリント配線板などの電子部品に用いられるフレキシブル基板などの回路基板上に形成される無電解ニッケルめっき皮膜を得るための無電解ニッケルめっき浴に関する。以下では、フレキシブル基板を中心に説明するが、本発明はこれに限定されない。
フレキシブル基板は柔軟性のある回路基板であり、薄さ、軽さ、柔軟性、耐久性に優れており、電子機器などの小型化、高密度および耐屈曲性が必要な場合に幅広く使用されている。一般に、フレキシブル基板などの回路基板と電子部品を接続する場合、銅パターンなどのパターン上に、バリアメタルとして無電解ニッケルめっきを施した後、接続信頼性の向上を目的として金めっきを行うENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)プロセスが行われている。
無電解ニッケルめっき皮膜は、優れた皮膜特性やニッケルの良好な均一析出性が得られるなどの利点を有する反面、皮膜が非常に硬いという性質がある。そのため、柔軟性のあるフレキシブル基板にENIGめっきを行った場合、当該基板の屈曲によってニッケルめっき皮膜にクラックが入り、最終的に回路の断線を引き起こすなどの問題がある。
このような問題を解決するため、例えば特許文献1には、エチレンジアミン、プロパンジアミンなどの所定のアルキレンジアミン化合物を含む無電解ニッケルめっき浴が開示されている。上記めっき浴を用いれば、基板のパターン部を形成する銅と比較してニッケルめっき皮膜の耐折り曲げ性が向上し、クラックの生じ難い信頼性に優れたニッケルめっき皮膜を形成できることが記載されている。
特開2013−28866号公報
上記特許文献1の方法によれば、ニッケルめっき皮膜の膜厚が約3μmと厚い場合でも耐屈曲性が得られるため、非常に有用である。しかしながら、本発明者らの検討結果によれば、応力がかかる部分ではニッケル皮膜にクラックが入ってしまうことが判明した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニッケルめっき皮膜の膜厚が約3〜7μmと厚い場合でも良好な屈曲性が得られるだけでなく、応力がかかる部分でもクラックが入り難いニッケルめっき皮膜を得ることができ、しかも無めっき(不めっき)の虞もない、新規な無電解ニッケルめっき浴を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の無電解ニッケルめっき浴は、下記(1)式で表される、硫黄を含むベンゾチアゾール系化合物を含有することに要旨を有する。
式中、Xは炭素数が2以上のアルキル基、またはその塩であり、Xは置換基を有していても良い。
本発明によれば、ニッケルめっき皮膜の膜厚が3〜7μmと厚い場合でも良好な屈曲性が得られるだけでなく、応力がかかる部分でもクラックが入り難いニッケルめっき皮膜を得ることができ、しかも無めっきの虞もない、新規な無電解ニッケルめっき浴を提供することができる。
図1は、比較例3および発明例6における、FE−SEMによるマイクロクラックの有無を調べた写真である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、無電解ニッケルめっき浴中に、上記(1)式で表される、硫黄を含むベンゾチアゾール系化合物を添加すれば所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
まず、本発明を最も特徴付ける上記(1)式の硫黄含有ベンゾチアゾール系化合物について説明する。
上記化合物は、ベンゼンとチアゾールが縮合したベンゾチアゾール環に硫黄を含む所定のS―X基が結合したものを基本骨格として有している。上記基本骨格に到達した理由は以下のとおりである。
まず、本発明者らの検討結果によれば、ベンゾチアゾール環以外の環を有する以下の比較例は、良好な屈曲性が得られず、後記する実施例の欄で行った耐折性試験(MIT回数で評価)のMIT回数が著しく低下することが判明した。
ベンゾイミダゾール骨格を有する比較例5、8
ベンゾオキサゾール骨格を有する比較例6
チアゾール骨格を有する比較例7
トリアゾール骨格を有する比較例9
また、上記比較例5〜9のうち比較例6〜9では、後記する実施例の欄で行っためっき反応性試験(ニッケルの析出速度で評価)の析出速度が低下して、無めっきが発生する虞があることも判明した。
なお、比較例5と比較例8はいずれも、ベンゾイミダゾール環を有するが、比較例8の析出速度が比較例5の約1/2に低下する理由は、比較例8では、上式(1)においてX=Hのメルカプト基を含むためと推察される。
更に本発明者らの検討結果によれば、ベンゾチアゾール環を有するものであっても、上式(1)中、X=H、X=CH3のものは所望の特性が得られないことが判明した。
まず、X=Hの場合(すなわち、SH=メルカプト基を有する場合)、後記する比較例4で実証したように、良好な屈曲性を有し、応力がかかる部分でもクラックの発生は見られなかったが、ニッケルめっきの析出速度が遅いため、部分的に無めっきが発生する虞があることが判明した。
同様にX=CH3(炭素数1のアルキル基)の場合、後記する比較例10で実証したようにニッケルめっきの析出速度が遅いため、部分的に無めっきが発生する虞があることが判明した。
よって、本発明では上記理由により、上式(1)中、X=H、CH3のものを本発明の範囲から除外した。
上記Xに用いられるアルキル基は所望の特性が得られる限り、直鎖または分岐鎖を有していても良く、炭素数の数も2以上であれば特に限定されないが、実用上使用可能な範囲を考慮すると、おおむね、炭素数の上限が6程度であることが好ましく、より好ましくは、炭素数の上限が4程度である。
また、上記Xは置換基を有していても良い。置換基の種類は、所望の特性が得られる限り特に限定されないが、例えば、スルホン酸基(SO3H)、カルボキシル基(COOH)、ヒドロキシル基(OH基)などが挙げられる。
上式(1)の化合物は塩として存在しても良く、例えばNa塩、K塩などのアルカリ金属塩;Ca塩、Mg塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
なお、例えば特開2006−316350号公報には分子内に硫黄原子を含む複素環式化合物が無電解ニッケルめっきの異常析出防止作用を有することは記載されているが、本発明のような作用効果を有することは全く開示されていない。しかも上記公報では、本発明で対象外のメルカプトベンゾチアゾールも使用可能であることが開示されており、本発明で規定する上式(1)の化合物の有用性に着目した技術でない点で、本発明と相違する。
上記公報の他、特開2000−256866号公報には、2−メルカプトベンゾチアゾールを無電解ニッケルめっき浴の有機インヒビターとして用いることが記載されているが、本発明で規定する上式(1)の化合物が、本発明のような作用効果を有することまでは開示されていない。
本発明の特徴部分は、無電解ニッケルめっき浴中に上式(1)で表される硫黄含有ベンゾチアゾール系化合物を含有するところに特徴があり、それ以外の要件は特に限定されず、所望とする特性が有効に発揮されるように適宜調整することが推奨される。
例えば、無電解ニッケルめっき浴中に占める上式(1)の硫黄含有ベンゾチアゾール系化合物の含有量(濃度)は、おおむね、0.1mg/L以上、10g/L以下であることが好ましく、1mg/L以上、1g/L以下であることがより好ましい。上記含有量の下限が0.1mg/Lを下回ると、良好な皮膜柔軟性を得ることができない。一方、上記含有量の上限が10g/Lを超えると、良好な皮膜柔軟性は得られるが無めっきが発生する虞がある。
本発明の無電解ニッケルめっき浴における、上式(1)以外の化合物の種類も特に限定されず、無電解ニッケルめっき浴に通常用いられるものを本発明でも用いることができる。なお、本発明における無電解ニッケルめっき浴とは、これらを含む混合物の総称であって、無電解ニッケルめっき液として位置づけることもできる。
以下、具体的に説明する。
(1)水溶性ニッケル塩
上記水溶性ニッケル塩としては、めっき液に可溶であって、所定濃度の水溶液が得られるものであれば特に限定されない。このような水溶性ニッケル塩の例として、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル等の無機水溶性ニッケル塩;酢酸ニッケル、リンゴ酸ニッケル等の有機水溶性ニッケル塩等が挙げられる。これらの水溶性ニッケル塩は、単独で用いても良く、2種以上を混合して用いることもできる。
上記水溶性ニッケル塩の濃度は、例えば、5〜50g/Lであることが好ましい。上記範囲に制御することによって、ニッケルめっき皮膜の析出速度が非常に遅くなって成膜に長時間要するという不具合、めっき液の粘度が高くなって液の流動性が低下してニッケルめっきの均一析出性に悪影響を与えるという不具合、形成したニッケルめっき皮膜にピットが生じてしまうなどの不具合などを、有効に防止することができる。より好ましい水溶性ニッケル塩の濃度は、15〜40g/L程度である。これにより、ニッケルめっき皮膜の析出速度が遅くなること、ニッケルめっき皮膜にピットが生じてしまうこと、などの不具合を、より効果的に防止することができる。
(2)還元剤
上記還元剤の種類は特に限定されず、公知の無電解ニッケルめっき液において通常用いられる各種還元剤を使用することができる。このような還元剤として、例えば、次亜リン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。上記次亜リン酸塩としては、例えば次亜リン酸ナトリウム(次亜リン酸ソーダ)、次亜リン酸カリウム等が挙げられる。また、上記ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物;ジメチルアミンボラン(DMAB)、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアミンボラン化合物等が挙げられる。
上記還元剤の好ましい濃度は、使用する還元剤の種類によって異なるが、例えば、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いた場合、おおむね、20〜50g/Lであることが好ましい。このような濃度に制御することによって、めっき液中でのニッケルイオンの還元が遅くなり、成膜に長時間を有するといった不具合や、めっき浴の分解等を防止することがきる。より好ましい次亜リン酸ナトリウムの濃度は、20〜35g/Lである。これにより、上記の問題を、より効果的に防止することができる。
また、上記還元剤としてホウ素化合物であるDMABを用いる場合、DMABの好ましい濃度を1〜10g/Lとする。これにより、成膜に長時間を有するといった不具合や、めっき浴の分解等を防止することがきる。より好ましいDMABの濃度は、3〜5g/Lである。これにより、上記の問題を、より効果的に防止することができる。
(3)錯化剤
上記錯化剤は、ニッケル化合物の沈殿を防止すると共に、ニッケルの析出反応を適度な速度とするために有効である。本発明では、公知の無電解ニッケルめっき液において通常用いられている各種錯化剤を用いることができる。このような錯化剤の具体例としては、例えば、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン等のアミノカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸、バーセノール(N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、クォードロール(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン)等のエチレンジアミン誘導体;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸;およびこれらの可溶性塩等を挙げることができる。これらの錯化剤は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いることもできる。
上記錯化剤の濃度は、使用する錯化剤の種類によっても異なり、特に限定されないが、おおむね、0.001〜2mol/Lの範囲であることが好ましい。錯化剤の濃度をこのような範囲に制御することにより、水酸化ニッケルの沈殿、酸化還元反応が速すぎることによるめっき浴の分解等を防止することができる。更には、ニッケルめっき皮膜の析出速度が遅くなるという問題、めっき液の粘度が高くなることによる均一析出性の低下等の問題も防止することができる。より好ましい錯化剤の濃度は、0.002〜1mol/Lである。これにより、水酸化ニッケルの沈殿、めっき浴の分解等を、より効果的に防止することができる。
(4)安定剤
上記安定剤として、例えば酢酸鉛等のPb化合物、酢酸ビスマス等のBi化合物などの無機化合物;ブチンジオール等の有機化合物安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いることもできる。
本発明に係る無電解ニッケルめっき浴の基本組成は上記のとおりであり、そのpHは、おおむね、4〜5であることが好ましい。pHは、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリ;硫酸、塩酸、硝酸等の酸によって調整することができる。
(5)その他
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、必要に応じて、無電解ニッケルめっき浴に配合されている公知の各種添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、反応促進剤、光沢剤、界面活性剤、機能付与剤等が挙げられる。これらの種類は特に限定されず、通常用いられるものを採用することができる。
本発明の無電解ニッケルめっき浴を用いて無電解めっきを行うときのめっき条件およびめっき装置は特に限定されず、常法に従い、適宜選択することができる。具体的には、上記組成の無電解ニッケルめっき液を被めっき物に浸漬するなどして接触させれば良い。このときのめっき温度は、70〜90℃が好ましい。また、めっき処理時間は、形成するニッケルめっき皮膜の膜厚などに応じて、適宜設定することができるが、おおむね、15〜60分程度が一般的である。
また、本発明に用いられる被めっき物の種類も特に限定されず、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの金属またはこれらの合金などのように無電解ニッケルめっきの還元析出に対して触媒性を有するもの;銅などの触媒性のない金属、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。前者の触媒性を有する金属などを用いる場合、常法に従って前処理を行った後、直接、無電解ニッケルめっき皮膜を形成することができる。一方、後者の触媒性のない金属などを用いる場合、常法に従ってパラジウム核などの金属触媒核を付着させた後、無電解ニッケルめっき処理を行うことができる。
このようにして得られるニッケルめっき皮膜の膜厚は、おおむね、3〜7μm程度である。本発明によれば、耐食性などを確保するためにニッケルめっき皮膜の膜厚を上記のように厚くしても、クラックなどが発生しないなどの点で非常に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例では、表1に示すように硫酸Ni、還元剤として次亜りん酸Na、錯化剤として乳酸、表1の添加剤、および安定剤として酢酸Pbを含む種々の無電解ニッケルめっき浴を用いて、以下の実験を行った。各めっき浴のpHは表1に示すとおりである。
被めっき物として、サイズ2cm×7cmのポリイミド樹脂(厚さ25μm)上に線幅5mm、スリット幅75μmの銅パターン(銅厚18μm)を40本と、サイズ1cm×4cmの銅パッドを形成したものを用いた。
上記被めっき物に対し、表2に示すようにクリーナー、ソフトエッチング、酸洗、プレディップ、アクチベーターを行った後、前述した表1の無電解ニッケルめっき浴中に浸漬し、表1に記載のめっき浴温度およびめっき時間にてめっきを行い、厚さ5μmの無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。
次いで、表2に示すように無電解金めっきを行い、厚さ0.05μmの無電解金めっき皮膜を形成した。
このようにして得られた各試料を用い、以下の特性を評価した。
(MIT試験による屈曲性の評価)
本実施例では、上記のようにして得られた無電解ニッケルめっき皮膜の屈曲性を調べるため、MIT試験による耐折性を行った。MIT試験は試験片の折り曲げ性に対する強度を評価するために用いられる試験方法である。本実施例では、安田精機製のMIT試験機「MIT FOLDING ENDURANCE」を用い、JIS P8115に基づいて試験を行った。試験条件の詳細は以下のとおりである。
試験片寸法:幅15mm、長さ約110mm、厚さ43μm
試験速度:175cpm
折り曲げ角度:135°
荷重:0.25〜2.0kgf(0.25kgfステップ)
折り曲げクランプのR:0.38mm
折り曲げクランプの開き:0.25mm
MIT試験を行ったとき、試験片が破断するまでの折り曲げ回数(MIT回数)が大きい程、無電解ニッケルめっき皮膜の屈曲性(耐折性)に優れると評価することができる。
(FE−SEMによるマイクロクラックの確認)
上記のように得られた試料に、上記MIT試験による折り曲げ試験を行った試料を用いて、応力を付与したときにクラックが発生するか調べるため、直径8mmの棒に上記試料を巻きつけて10秒間保持した。次に、巻きつけた部分を、電界放射型走査電子顕微鏡:Field Emission−Scanning Electron Microscope、FE−SEM)を用いて観察し、マイクロクラックの有無を確認した。
詳細には本実施例では、FE−SEMによる観察を倍率50000倍、観察視野2μm×1.5μmにて行い、結晶粒界に沿ってマイクロクラックが発生しているかどうかを観察した。観察視野中にマイクロクラックが1個でも発生している場合を「あり」、マイクロクラックが全く発生しない場合を「なし」と評価した。
(析出速度の測定)
本実施例ではニッケルめっき皮膜の付き回り性を調べるため、蛍光X線膜厚計(XRF、SII製のSFT−9550)を用いて上記試験片のNi膜厚を測定して、単位時間当たりのNiの析出速度(μm/hr)を算出した。
これらの結果を表1に併記する。
表1の結果より、以下のように考察することができる。
まず、表1Aの本発明例は全て、本発明で規定する添加剤を含む無電解ニッケルめっき浴を用いた例であり、MIT回数が100回を遙かに超えて良好な屈曲性を有すると共に、マイクロクラックの発生も見られず、Niの析出速度も大きいため無めっきの虞もない。
これに対し、表1Bの比較例は本発明で規定する添加剤を含まない無電解ニッケルめっき浴を用いた例であり、いずれかの問題を抱えている。
まず、比較例1は添加剤を含まない例であり、MIT回数が10回と小さく、屈曲性が著しく低下した。
比較例2および3は、前述した特許文献1に記載の添加剤を用いた例であり、マイクロクラックが発生した。
比較例4、10は、本発明で規定する上式(1)の化合物中、X=H、X=CH3の添加剤を用いた例であり、いずれもNiの析出速度が低下した。
比較例5〜9は、添加剤として上式(1)で規定するベンゾチアゾール環以外の環を有する化合物を用いた例であり、いずれの場合も、MIT回数が40〜88回と小さく、屈曲性が低下した。また、比較例5を除く比較例6〜9は、Niの析出速度も低下した。
参考のため、図1に、比較例3および発明例6における、上記FE−SEM写真を示す。これらの写真を対比すると明らかなように、比較例3では結晶粒界に沿ってマイクロクラックが発生しているのに対し、発明例6では、マイクロクラックが発生していないことが分かる。

Claims (1)

  1. 下記(1)式で表される、硫黄を含むベンゾチアゾール系化合物を含有することを特徴とする無電解ニッケルめっき浴。
    式中、Xは炭素数が2以上のアルキル基、またはその塩であり、Xは置換基を有していても良い。
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