JP2017031328A - ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

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新太郎 光永
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純一 吉薗
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安彦 友成
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Abstract

【課題】重縮合反応中に併発する副反応(分解反応)を抑制し、かつ重合反応速度を高めて、最終的に重合度が高く、色調に優れた脂環骨格含有ポリエステルの製造方法を提供する。【解決手段】テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(A)と、脂環骨格を有するジアルコールを95モル%以上含む多価アルコール(B)とを重合触媒と熱安定剤の存在下で反応させてポリエステルを製造する方法であって、重合触媒がテトラアルコキシチタンと芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られるチタン化合物を含み;熱安定剤が特定のホスホン酸エステルを含み;チタン原子の含有量がポリエステルに対して1〜200wtppm、かつリン原子とチタン原子との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、テレフタル酸由来の構造単位と脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含むポリエステルの製造方法に関する。詳しくは、重合触媒として特定構造のチタン化合物、熱安定剤として特定構造のリン化合物の組合せを使用することにより重合反応速度を高め、高重合度・色調の良好なポリエステルを効率良く製造する方法に関する。
テレフタル酸由来の構造単位と脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位とを含むポリエステル;例えばポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)は、その脂環構造の存在によって、優れた機械的強度、化学的安定性、電気特性、柔軟性、成形性等を有する。これらの特徴により、その成型品は、電気・電子部品、自動車部品、フィルム等のエンジニアリングプラスチックとして幅広い用途が期待されている。また、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)などの脂環骨格含有ポリエステルは、他のポリエステルと比較してエステル基濃度や密度からは予想できないほど融点が高く、耐光(候)性や耐熱性に優れる。それにより、近年では、例えばLEDの反射板材料として照明・ディスプレイ用途等への展開など、大きな市場への用途開発が期待される。
PCTに代表される脂環骨格含有ポリエステルの製造方法は、主にテレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体と、脂環骨格を有するジアルコールとを原料として直接エステル化またはエステル交換反応によりテレフタル酸のグリコールエステルまたはその低重合体を生成させる工程と;続いて、この反応生成物を重合触媒の存在下、減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させる工程とを含む。
特に重縮合反応工程において、反応に使用する重合触媒や熱安定剤の種類によって重合反応速度および得られるポリエステルの品質が大きく左右される。一般に、ポリエステルの重合触媒として、例えばアンチモン化合物を用いることが知られているが、従来公知のアンチモン化合物は、重合活性が十分ではなく、高分子量のポリエステルを得ることは困難であった。一方、チタン化合物は、重合活性に優れた重合触媒である。しかしながら、副反応(分解反応)によって、得られるポリエステルの末端COOH基の増大や末端ビニル基の増大が起こりやすかった。また、工業的生産速度が得られる程度の量を使用した場合には、上記副反応によって、得られるポリエステルの色調が悪化するだけでなく、主鎖の切断や解重合が生じて高分子量のポリエステルを得ることが困難であった。しかも、これらの方法で得られるポリエステルは、熱安定性が悪いので、熱溶融成形時に分子量の低下や末端COOH基の増大が生じ、そのため成形品の力学特性や耐加水分解性が低下するという問題があった。
一方で、副反応を抑制するため、熱安定剤としてリン化合物を添加する方法が知られている。しかしながら、この方法によると、着色は防止しうるものの、リン化合物によって重合触媒であるチタン化合物の重合活性を低下させることになり、結果として重合活性が十分発現されず、高分子量のポリエステルを得ることは困難であった。
これらの問題に対して、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の場合において、得られるポリエステルの耐加水分解性や熱安定性、色調を改良するための方法がいくつか提案されている。例えば、触媒であるチタン化合物の配位子を特定構造としたり(例えば特許文献1)、熱安定剤であるリン化合物を特定構造としたりすることで(例えば特許文献2)、重合中の副反応(分解反応)を抑制し、色相の良好なポリエステルを得る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では、いずれも重合度の向上効果が十分ではなく、高分子量のポリエステルを製造することは困難であった。さらに、これらの重合触媒、熱安定剤の効果については、特にPETの製造法に関する記載であり、重合反応性が異なるPCT等の脂環骨格含有ポリエステルについては何ら効果が示されていない。
また、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合において、次亜燐酸塩等を用いる方法が提案されている(例えば特許文献3)。この方法によると、得られるポリエステルの耐加水分解性、熱安定性、色調をある程度改良できるものの、溶融重合速度の低下を生じる。更に、溶融重合性を高めるために重合温度を高めると、逆に副反応(分解反応)が進行し、結果として、得られるポリエステルの重合度の低下や末端COOH基の増大が引き起こされる。
また、耐加水分解性や熱安定性、更には色調を改良するために、ヒンダードフェノール系化合物やホスホン酸のエステルを重合中に添加する方法も提案されている(例えば特許文献4および5)。これらの方法によると、耐加水分解性、熱安定性、色調をある程度改良できるとしても、溶融重合における反応速度の低下を招き、生産性を低下させるという問題があった。また、得られるポリエステルの耐加水分解性、熱安定性、色調等の点で必ずしも十分満足できるものではなかった。
また、得られるポリエステルの重合度を高める方策としては、従来より固相重合が行われている。しかしながら、固相重合は、得られるポリエステルの融点以下の温度で、不活性気流下あるいは真空下、固体状態で重縮合させるものである。そのため、別途、新しいプロセスを必要とする上、溶融重縮合に比べて重合反応速度が遅く、長時間の反応を必要とすることから、コストアップが余儀なくされていた。
特公昭59−46258号公報 特開昭53−106751号公報 特公昭57−85818号公報 特開昭51−142097号公報 特開昭51−142098号公報
このように、副反応(分解反応)を抑制し、かつ重合反応速度を高めることで、重合度が高く、色調の良好なポリエステルを製造することが望まれている。特に、PCTなどの脂環骨格含有ポリエステルの場合、その分子構造上、熱安定性が低く、とりわけ重合触媒としてチタン化合物が存在すると、副反応(分解反応)が促進されやすく、得られるポリエステルの重合度の低下や末端COOH基濃度の増大が生じやすい。そのようなポリエステルから得られる成形品は、力学特性や耐加水分解性が低いだけでなく、着色により色調も低下するという問題が顕著であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、テレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体を含む多価カルボン酸(A)と、脂環骨格を有するジアルコールを含む多価アルコール(B)とを反応させて脂環骨格含有ポリエステルを製造する方法であって、重縮合反応中に併発する副反応(分解反応)を抑制し、かつ重合反応速度を高めて、最終的に重合度が高く、色調に優れたポリエステルを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、触媒として特定のチタン化合物と、熱安定剤として特定のリン化合物の存在下で、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)と、脂環骨格を有するジアルコールを含む多価アルコール(B)とを反応させてポリエステルを製造する方法に関する。具体的には、本発明は、以下に示すポリエステルの製造方法、および当該方法により製造されたポリエステルに関する。
[1] テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)(但し、前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)全体を100モル%とする)と、脂環骨格を有するジアルコールを含む多価アルコール(B)とを重合触媒と熱安定剤の存在下で反応させてポリエステルを製造する方法であって、前記重合触媒は、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはそれらの無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物を含み、
Figure 2017031328
〔式中、Rはアルキル基を示す〕
Figure 2017031328
〔式中、nは2〜4の整数を示す〕
前記熱安定剤は、一般式(III)で表されるリン化合物を含み、
Figure 2017031328
前記ポリエステルにおける前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、前記ポリエステルに対して1〜200wtppmであり、かつ前記ポリエステルにおける、前記リン化合物に由来するリン原子の含有量と前記チタン原子の含有量との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、ポリエステルの製造方法。
[2] 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)の95モル%以上が、前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であり、前記多価アルコール(B)の95モル%以上が、前記脂環骨格を有するジアルコールである、[1]に記載のポリエステルの製造方法。
[3] 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)と前記多価アルコール(B)とをエステル化反応またはエステル交換反応させて、エステル化物を得る第1の工程と、前記重合触媒と前記熱安定剤の存在下で、前記エステル化物を重縮合反応させて、ポリエステルを得る第2の工程とを含む、[1]または[2]に記載のポリエステルの製造方法。
[4] 前記重合触媒は、前記第1の工程で添加する、[3]に記載のポリエステルの製造方法。
[5] 前記熱安定剤は、前記第1または第2の工程で添加する、[3]または[4]に記載のポリエステルの製造方法。
[6] 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
[7] 前記ポリエステルの、固有粘度が0.5〜1.0dl/gであり、かつ分光色彩計により測定される色調b値が5.0以下である、[6]に記載のポリエステルの製造方法。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の方法により製造されたポリエステル。
[9] テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位を含む多価アルコール由来の構造単位とを含むポリエステルであって、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはそれらの無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物と、
Figure 2017031328
〔式中、Rはアルキル基を示す〕
Figure 2017031328
〔式中、nは2〜4の整数を示す〕
一般式(III)で表されるリン化合物とを含む、ポリエステル。
Figure 2017031328
[10] 前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が前記ポリエステルに対して1〜200wtppmであり、かつ前記リン化合物に由来するリン原子の含有量と前記チタン原子の含有量との質量比(P/Ti)が0.1以上5.0以下である、[9]に記載のポリエステル。
[11] 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の95モル%以上が、前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位であり、前記多価アルコール構造単位の構造単位の95モル%以上が、前記脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位である、[9]または[10]に記載のポリエステル。
[12] 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[9]〜[11]のいずれかに記載のポリエステル。
[13] 固有粘度が0.5〜1.0dl/gであり、かつ分光色彩計により測定される色調b値が5.0以下である、[12]に記載のポリエステル。
本発明の製造方法によれば、重縮合反応中に併発する副反応(分解反応)を抑制しつつ、重合反応速度を高めて、重合度が高く、色調に優れたポリエステルを生産的に得ることができる。
本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に限定されるものではない。
1.ポリエステルの製造方法
本発明のポリエステルの製造方法は、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)と多価アルコール(B)とを、重合触媒と熱安定剤の存在下で反応させてポリエステルを製造する。
本発明のポリエステルの製造方法は、2段階で行ってもよく、1)必要に応じて用いられるエステル化触媒の存在下で、多価カルボン酸(A)と多価アルコール(B)とをエステル化反応させるか、またはエステル交換触媒の存在下で、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体(A)と多価アルコール(B)とをエステル交換反応させて、低分子量のエステル化物を得る第1の工程(エステル化反応若しくはエステル交換反応工程)と;2)重合触媒と熱安定剤の存在下で、低分子量のエステル化物を重縮合反応させて、高分子量のポリエステルを得る第2の工程(重縮合反応工程)とを含むことが好ましい。
第1の工程(エステル化反応またはエステル交換反応工程)は、原料モノマーを仕込んでから、エステル化反応またはエステル交換反応が終了するまでの工程をいう。第2の工程(重縮合反応工程)は、第1の工程(エステル化反応またはエステル交換反応工程)の終了直後から、重縮合反応が終了するまでの工程をいう。エステル化反応またはエステル交換反応が終了したかどうかは、当該エステル化反応またはエステル交換反応によって生成する水またはアルコールなどの留出液が留出しなくなることによって判断することができる。
<重合触媒>
本発明で用いられる重合触媒は、一般式(I)で表される化合物(化合物(I))と、一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはそれらの無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物(化合物(II))とを予め反応させて得られるチタン化合物を含むことが好ましい。
Figure 2017031328
一般式(I)のRは、アルキル基であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、3〜4であることがより好ましい。化合物(I)の好ましい例には、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどが含まれる。
一般式(II)のnは、2〜4の整数であることが好ましい。化合物(II)の好ましい例には、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物などが含まれる。
化合物(I)と化合物(II)とを反応させる場合には、溶媒に化合物(II)の一部または全部を溶解し、ついで該溶液中に化合物(I)を滴下し、0℃〜200℃の温度で30分以上反応させれば良い。この際の反応圧力は、特に制限はなく、常圧で充分である。この際使用する溶媒としては、化合物(II)の一部または全部を溶解し得るものであれば任意に使用できる。特に、ポリエステルの製造に使用した場合に、最終的に得られるポリエステル中に残存しない、エタノール、エチレングリコール、ベンゼン、キシレン等を用いることが好ましい。
反応させる化合物(I)と化合物(II)のモル比は、広い範囲を採りうる。特に、化合物(I)1モルに対して化合物(II)を0.5〜2.5モルの割合で反応させた場合には、得られるポリエステルの色調悪化や軟化点低下がさらに抑制されるとともに、重縮合度の高いポリエステルを得ることができるので好ましい。化合物(I)と化合物(II)との反応によって得られたチタン化合物は、そのまま重合触媒として用いてもよいし、アセトンなどを用いて再結晶・精製工程を経た後、重合触媒として用いてもよい。
重合触媒としての上記チタン化合物の添加は、第1の工程(エステル化反応またはエステル交換反応工程)で行ってもよいし、第2の工程(重縮合反応工程)で行ってもよい。特に、第1の工程がエステル交換反応である場合、上記チタン化合物は第1の工程におけるエステル交換触媒として用いることができるので、上記チタン化合物の添加は第1の工程で行うことが好ましい。上記チタン化合物の添加は、1回で行ってもよいし、複数回に分割して行ってもよい。
上記チタン化合物の添加量は、生成するポリエステルにおけるチタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、該ポリエステルに対して好ましくは1〜200wtppm、より好ましくは30〜100wtppm、さらに好ましくは40〜70wtppmとなる範囲である。上記チタン化合物の添加量が一定以上であると、一定以上の重合反応速度が得られやすい。それにより、得られるポリエステルの重合度を一定以上とし、かつ重縮合反応時の滞留時間を短縮できるので、ポリエステルの着色を抑制できる。上記チタン化合物の添加量が一定以下であると、ポリエステルの分解反応(副反応)が過剰に生じるのを抑制できる。それにより、得られるポリエステルの重合度を一定以上とし、かつ着色を抑制できる。
<熱安定剤>
本発明で用いられる熱安定剤は、一般式(III)で表されるリン化合物を含むことが好ましい。
Figure 2017031328
一般式(III)のRおよびRは、それぞれ独立して炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。RおよびRは、互いに同じであっても異なってもよい。Xは、−CH−または−CH(C)−を表し、好ましくは−CH−を表す。
一般式(III)で表されるリン化合物の具体例としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボブトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロポキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチル−、ジエチル−、ジプロピル−およびジブチルエステルであるが、カルボエトキシメタンホスホン酸ジエチルエステルが特に好ましい。
熱安定剤としての上記リン化合物の添加は、第1の工程(エステル化またはエステル交換反応工程)で行ってもよいし、第2の工程(重縮合反応工程)で行ってもよい。ただし、第1の工程におけるエステル化またはエステル交換触媒が、上記リン化合物によって失活しやすい化合物を含む場合は、上記リン化合物の添加は第2の工程で行うことが好ましい。
上記リン化合物の添加量は、生成するポリエステルにおいて、当該リン化合物に由来するリン原子の含有量の、重合触媒としての上記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量に対する質量比(P/Ti)が、好ましくは0.1〜5.0、より好ましくは0.1〜3.0、さらに好ましくは0.15〜1.0となる範囲である。一方、P/Ti質量比が一定以上であると、上記リン化合物の熱安定剤としての効果として第2の工程(重縮合反応工程)におけるポリエステルの副反応(分解反応)を十分に抑制しうることから、高い重合度を有し、着色の少ないポリエステルが得られやすい。P/Ti質量比が一定以下であると、上記リン化合物の熱安定剤としての効果が飽和することなく、第2の工程(重縮合反応工程)における上記チタン化合物の重合活性を低下させるおそれがなく、高い重合反応速度を維持しやすい。それにより、高い重合度を有し、着色の少ないポリエステルが得られやすい。
1−1.第1の工程(エステル化反応若しくはエステル交換反応工程)
多価カルボン酸(A)と多価アルコール(B)とを、必要に応じてエステル化触媒の存在下でエステル化反応させるか、または多価カルボン酸のエステル形成性誘導体(A)と多価アルコール(B)とをエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて、低分子量のエステル化物(オリゴマー)を得る。
第1の工程におけるエステル化触媒またはエステル交換触媒は、上記チタン化合物を含んでもよいし;それ以外のチタン、スズ、亜鉛、マンガンなどのアルコラートや有機酸塩などの公知のエステル化触媒またはエステル交換触媒を含んでもよい。特に、第1の工程でエステル交換反応を行う場合、エステル交換反応速度を高めるためには、第1の工程におけるエステル交換触媒は、上記チタン化合物を含むことが好ましい。なお、第1の工程でエステル化反応を行う場合、多価カルボン酸自体が触媒として機能することがあるので、その場合はエステル化触媒は用いなくてもよい。
エステル化反応若しくはエステル交換反応の条件は、特に限定されないが、120℃〜300℃、好ましくは150〜270℃の加熱条件下で、1〜6時間行うことが好ましい。
エステル化反応若しくはエステル交換反応は、撹拌機および蒸留塔を備えた反応装置で行い、エステル化により生成する水若しくはアルコールを逐次反応系外に除去しながら行う。また、エステル化反応若しくはエステル交換反応は、無溶媒反応であっても溶媒反応であってもよいが、無溶媒反応であることが好ましい。また、エステル化反応若しくはエステル交換反応は、大気圧下で行ってもよく、加圧下で行ってもよい。
エステル化反応若しくはエステル交換反応させる多価アルコール(B)/多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)のモル比は、2.5以下、好ましくは1.1〜2.0である。
<多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)>
本発明に用いられる多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体は、テレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体を主成分として含みうる。本発明における多価カルボン酸のエステル形成性誘導体の例には、多価カルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、アリールエステルなどが含まれ、好ましくは炭素数1〜4のアルキルエステルでありうる。多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)におけるテレフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体の含有量は、95モル%以上であることが好ましく、97モル%以上であることがより好ましい。ただし、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)の全体を100モル%とする。
多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)は、テレフタル酸以外の他のジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体をさらに含んでもよい。他のジカルボン酸成分の例には、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族のジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体;アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環型ジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体などが含まれる。これらは2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。好ましくは、イソフタル酸若しくはそのエステル形成性誘導体である。
多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)は、トリメリット酸などの3官能以上のカルボン酸成分を少量さらに含んでもよい。また、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)は、乳酸、グリコール酸のようなヒドロキシカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体等を少量さらに含んでもよい。
多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)における、テレフタル酸以外の多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の含有量は、5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましい。
<多価アルコール(B)>
本発明に用いられる多価アルコール(B)は、脂環骨格を有するジアルコールを主成分として含みうる。脂環骨格を有するジアルコールは、脂環骨格部分の炭素数が4〜8のジアルコールなどであり;その例には、1,3-シクロブタンジオール、1,3-シクロブタンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,5-シクロオクタンジオール、1,5-シクロオクタンジメタノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどが含まれる。これらは2種以上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。好ましくは、1,4-シクロヘキサンジメタノールである。
多価アルコール(B)における脂環骨格を有するジアルコールの含有量は、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましく、100モル%であってもよい。ただし、多価アルコール(B)の全体を100モル%とする。
脂環骨格を有するジアルコールの好ましいシス/トランス型のモル比は、0/100〜40/60であり、更に好ましくは20/80〜35/65である。ジアルコールのトランス型の比率が多いほど、得られるポリエステルの融点が高くなり、かつ結晶化速度も向上する。
多価アルコール(B)は、脂環骨格を有するジアルコール以外の他のジアルコールをさらに含んでいてもよい。他のジアルコールは、エチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-へキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ポリ(オキシ) エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリメチレングリコール等のアルキレングリコールが含まれる。これらは、1種または2種以上を組み合わせてもよく、目的により任意に選ぶことができる。
多価アルコール(B)は、グリセリンなどの3官能以上の多価アルコールを少量さらに含んでいてもよい。また、多価アルコール(B)は、多価カルボン酸またはその誘導体(A)との反応中に開環して水酸基を生成するエポキシ化合物などを少量さらに含んでいてもよい。
多価アルコール(B)における、脂環骨格を有するジアルコール以外の多価アルコールの含有量は、5モル%以下であることが好ましく、0モル%であってもよい。
1−2.第2の工程(重縮合反応工程)
得られた低分子量のエステル化物を、重合触媒と熱安定剤の存在下で重縮合反応させて、高分子量のポリエステルを得る。
第2の工程における重合触媒は、上記チタン化合物を含むことが好ましい。重合触媒として上記チタン化合物を用いることで、重縮合反応時の重合反応速度を高めることができる。それにより、上記チタン化合物の添加量を少なくしても、一定以上の重合度を有するポリエステルを得ることができる。また、重縮合反応時の滞留時間を短縮できるので、得られるポリエステルの着色を少なくすることができる。
第2の工程における熱安定剤は、上記リン化合物を含むことが好ましい。熱安定剤として上記リン化合物を用いることで、重合触媒であるチタン化合物の重合活性を顕著に損なうことなく;即ち、重合反応速度を顕著に低下させることなく、ポリエステルの分解反応(副反応)を抑制できる。それにより、得られるポリエステルの重合度を高め、かつ着色を少なくすることができる。
第2の工程における熱安定剤は、必要に応じて一般式(III)で表されるリン化合物以外の他のリン化合物をさらに含んでもよい。他のリン化合物の具体例には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステルおよび正リン酸、ポリリン酸などの他、フェニルホスホン酸、PEP-36、Irgafos 168、Sumilizer GP、PEP-8、P-EPQ、Irgamod 295、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物が含まれる。
重縮合反応の条件は、特に限定されないが、通常、0.400kPa(3Torr)以下の減圧下で、280〜320℃、好ましくは290〜310℃の温度で、0.5〜5時間の重合時間であることが好ましい。
第2の工程では、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 245、Irgamod 3114、Sumilizer GSなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤、Irgastab FS 301FFなどのアミン系安定剤、CDA-1、benzotriazole、Irganox MD 1024、ナウカ゛ート゛XL-1などの金属補足剤のほか、1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼンなどの鎖延長剤などを、反応系中にさらに添加してもよい。
その他、ポリエステルの特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤、例えば酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤等を、反応系中にさらに添加してもよい。
本発明のポリエステルの製造方法では、重合触媒として上記チタン化合物と、熱安定剤として上記リン化合物とを併用する。それにより、副反応(分解反応)を生じやすいPCTなどの脂環骨格含有ポリエステルを製造する場合であっても、副反応(分解反応)を抑制しつつ、高い重合反応速度を得ることができる。それにより、重合度が高く、かつ着色の少ないポリエステルを得ることができる。
2.ポリエステルの物性
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)由来の構造単位と、多価アルコール(B)由来の構造単位とを含む。多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)および多価アルコール(B)は、いずれも前述のものと同様である。多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)由来の構造単位の95モル%以上は、テレフタル酸由来の構造単位であり;多価アルコール(B)由来の構造単位の95モル%以上は、脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位であることが好ましい。
ポリエステルの組成は、以下の手順で確認できる。即ち、
1)製造されたポリエステルを重水素化クロロホルム/トリフルオロ酢酸=4/1(質量比)に溶解させ、H−NMR測定を行う。H−NMR測定は、日本電子社製ECA−500で、50℃の条件で行う。
2)得られた測定データを解析し、ポリエステルに含まれる多価カルボン酸および多価アルコールを同定し、それらの構成比率を求める。
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、残存する重合触媒に由来する上記チタン化合物と、残存する熱安定剤に由来する上記リン化合物とを含みうる。ポリエステルにおけるチタン化合物に由来するチタン原子の含有量や、ポリエステルにおけるリン化合物に由来するリン原子の含有量とチタン化合物に由来するチタン原子の含有量との質量比P/Tiは、いずれも前述と同様でありうる。
ポリエステル中のチタン原子やリン原子の含有量は、以下の手順で確認できる。ポリエステルを硫酸を添加し、加熱しながら硝酸を滴下して有機物を分解させる。得られた分解液を純水で定容し、ICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS−8100)にてリン、チタンの元素含有量を測定する。リン、チタンの元素含有量は、リン元素またはチタン元素の含有量が既知の試料を用いて検量線を作成し、当該検量線と照合して求めることができる。
本発明の製造方法により得られるポリエステルの固有粘度(IV)は、0.5〜1.0dl/gの範囲であることが好ましく、0.65〜0.85dl/gの範囲であることがより好ましい。固有粘度が上記範囲内にあると、成形物の強度と溶融成形の容易性とを、高い水準で兼備することができる。ポリエステルの固有粘度は、後述する実施例に記載の方法で測定されうる。
固有粘度は、重合触媒である上記チタン化合物の添加量や、熱安定剤である上記リン化合物/重合触媒である上記チタン化合物の含有比などによって調整することができる。固有粘度を一定以上とするためには、例えば上記チタン化合物の添加量や、上記リン化合物/上記チタン化合物の含有比を一定以下とすることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリエステルの色調b値は、5.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。特にPCTの場合、b値が上記範囲内にあるときには、LED反射材として成形した際に反射率の低下が抑制される。ポリエステルのb値は、後述する実施例に記載の方法で測定されうる。
b値は、重合触媒である上記チタン化合物の添加量や、熱安定剤である上記リン化合物/重合触媒である上記チタン化合物の含有比などによって調整することができる。b値を一定以下とするためには、例えば上記チタン化合物の添加量を一定以下とすることが好ましい。
3.ポリエステルの用途
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、種々の用途に用いることができる。特に、本発明の製造方法により得られるポリエステルは、脂環骨格を有することから、良好な耐熱性を有するだけでなく、高い重合度と良好な色調を有しうる。それにより、例えばLEDの反射板材料などの照明・ディスプレイ用途などに好ましく用いることができる。
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、さらに固相重合して高分子量化品として用いることもできる。固相重合は、不活性気体雰囲気下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。副生ガスの除去等を考えると減圧下が好ましい。減圧下で行う場合、圧力は0.400kPa(3Torr)以下、好ましくは0.133kPa(1Torr)以下である。
本発明の製造方法によって得られるポリエステルを、例えば射出成形するなどして成型品とすることができる。前記ポリエステルは、不溶解テレフタル酸や低級オリゴマーの残留量が低減されている。そのため、前記ポリエステルを射出成形するときに、金型やノズル類の内壁が汚染されることを抑制できる。また、前記ポリエステルをフィルムやシートなどに加工する場合に、それらの表面の肌荒れや白化などを防止することができる。
本発明の製造方法によって得られるポリエステルと、前述したものと同様の各種添加剤や、ガラス繊維、炭素繊維、チタンウィスカー、マイカ、タルク、CaCO等の強化剤、増量剤とを含む樹脂組成物を成形してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<重合触媒の調製>
エチレングリコール2.5質量部に無水トリメリット酸0.8質量部を溶解した後、チタンテトラブトキシド0.7質量部(無水トリメリット酸1モルに対して0.5モル)を滴下し、常圧下80℃に保持して60分間反応および熟成させた。その後、常温に冷却し、アセトン15質量部を加え、析出物をNo.5ろ紙で濾過し、100℃で2時間乾燥させた。それにより、トリメリット酸チタン化合物を得た。得られたトリメリット酸チタン化合物(重合触媒)のチタン含有量は、11.5質量%であった。
<ポリエステルの製造>
テレフタル酸ジメチル135.93質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス/トランスのモル比=32/68)151.4質量部に、上記調製した重合触媒としてトリメリット酸チタン化合物(TMT)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存チタン原子の量が48ppmTi/ポリエステルとなるように加えた。得られた混合物を、180℃から260℃まで1時間かけて昇温し、更に260℃で20分間保持して、エステル交換反応を行った。
エステル交換反応終了後、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン原子の量が28ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.58となるように加え、60分かけて300℃まで昇温させながら圧力を0.133kPa(1Torr)まで減圧し、重縮合反応を行った。所定の値まで攪拌トルクが到達した時点で重縮合反応を終了し、10分以内に反応槽からポリエステルを抜き出した。抜き出し初期から終盤までのポリエステルを全て混合し、物性を平均化したものを、測定対象であるポリエステルとした。
なお、「ppmTi/ポリエステル」は、生成するポリエステルに残存する重合触媒としてのチタン化合物に由来するチタン原子の、生成するポリエステルに対する質量比の単位を示し;「ppmP/ポリエステル」は、生成するポリエステルに残存する熱安定剤としてのリン化合物に由来するリン原子の、生成するポリエステルに対する質量比の単位を示す。
[実施例2]
多価アルコールとして異性体比が異なる1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス/トランスのモル比=27/73)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例3]
テレフタル酸ジメチル133.2質量部(多価カルボン酸(A)中98モル%)、イソフタル酸2.3質量部(多価カルボン酸(A)中2モル%)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス/トランスのモル比=27/73)を使用した以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例4]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が14ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.29となるように加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例5]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が7ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.15となるように加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例6]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が84ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が1.75となるように加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例7]
重合触媒として上記調製した重合触媒(TMT)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存チタン元素量が96ppmTi/ポリエステルとなるように加え、かつ熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が56ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.58となるように加えた以外は実施例1と同エステルを得た。
[比較例1]
熱安定剤としてリン酸トリメチル(TMP)のエチレングリコール溶液を加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例2]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が2.3ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.05となるように加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[比較例3]
重合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBT)のエチレングリコール溶液を加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[比較例4]
重合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBT)のエチレングリコール溶液を加え、かつ熱安定剤としてリン酸トリメチル(TMP)のエチレングリコール溶液を加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例5]
重合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBT)のエチレングリコール溶液を加え、かつ熱安定剤として正リン酸の水溶液を加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[実施例8]
多価アルコールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールを2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例9]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が7ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.15となるように加えた以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。
[実施例10]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が84ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が1.75となるように加えた以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。
[比較例6]
熱安定剤としてリン酸トリメチル(TMP)のエチレングリコール溶液を加えた以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例7]
熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が2.3ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が0.05となるように加えた以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例8]
重合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBT)のエチレングリコール溶液を加え、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液を加えた以外は実施例8と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例9]
多価アルコールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールに変更し、重合触媒としてチタンテトラブトキシド(TBT)のエチレングリコール溶液を得られるポリエステル中の残存チタン元素量が29ppmTi/ポリエステルとなるように加え、かつ熱安定剤としてリン酸トリメチル(TMP)のエチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中の残存リン元素量が34ppmP/ポリエステル、すなわち得られるポリエステル中の残存P/Ti質量比が1.17となるように加えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例10]
重合触媒を、上記調製した重合触媒のエチレングリコール溶液に変更した以外は比較例9と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
[比較例11]
重合触媒を上記調製した重合触媒のエチレングリコール溶液に変更し、かつ熱安定剤をホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)のエチレングリコール溶液に変更した以外は比較例9と同様にしてポリエステルを得た。その結果、重縮合反応工程では、所定の値まで攪拌トルクが到達しなかった。
得られたポリエステルの、元素含有量(残存P/Ti質量比)、固有粘度および色調を、以下の方法で測定した。
<元素含有量>
得られたポリエステルに硫酸を添加し、加熱しながら硝酸を滴下して有機物を分解させた。得られた分解液を純水で定容し、ICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS−8100)にてリン元素、チタン元素の含有量を測定した。リン元素、チタン元素の含有量は、リン元素、チタン元素の含有量が既知の試料を用いて検量線を作成し、当該検量線と照合して求めた。
<固有粘度(IV)>
得られたポリエステルを、溶媒であるフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(1/1質量比)の混合溶媒に溶解させて溶液を調製した。得られた溶液の25℃における流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、下記式に当てはめて固有粘度を算出した。
[η]=ηSP/[C(1+KηSP)]
[η]:固有粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
K:定数(溶液濃度Cの異なるサンプル(3点以上)の比粘度ηSPを下記式に基づいて測定し、横軸に溶液濃度C、縦軸にηSP/Cをプロットしたときのグラフの直線の傾き)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:溶媒の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t0)/t0
<色調>
得られたポリエステルを円柱状にカッティングし、チップを得た。得られたチップのb値を、日本電色工業(株)製分光色彩計SQ−2000にて測定した。b値は、その値が+側に大きい程、黄色の度合いが大きく;−側に大きい程、青色の度合いが大きいことを示す。
また、重縮合反応工程での重合反応速度を以下の方法で測定した。
<重合反応速度>
得られたポリエステルの固有粘度(dl/g)を、重縮合反応(300℃に到達した時点から重縮合反応終了まで)に要した時間(h)で除して、重合反応速度((dl/g)/h)を求めた。重縮合反応の終了時点は、攪拌機の撹拌トルクがそれ以上上昇しなくなる時点とした。
そして、表1には、多価アルコールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いた実施例及び比較例を示し、実施例1で算出した重合反応速度を基準(=1.00)とした場合のそれぞれの相対反応速度を示した。表2には、多価アルコールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールを2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンに変更した実施例及び比較例を示し、実施例8で算出した重合反応速度を基準(=1.00)とした場合のそれぞれの相対反応速度を示した。表3には、多価アルコールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールに変更した比較例を示し、比較例9で算出した重合反応速度を基準(=1.00)とした場合のそれぞれの相対反応速度を示した。
実施例1〜7及び比較例1〜5の評価結果を表1に示し;実施例8〜10及び比較例6〜8の評価結果を表2に示し;比較例9〜11の評価結果を表3に示す。
Figure 2017031328
Figure 2017031328
Figure 2017031328
表1および表2に示されるように、重合触媒としてトリメリット酸チタン化合物(TMT)、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(TEPA)を用いた実施例1〜10では、重合活性が十分に発現し、高い重合反応速度が得られることがわかる。そして、実施例1〜10で得られるポリエステルは、固有粘度(IV)が高く、かつ色調(b値)が良好である(b値が低い)ことがわかる。
一方、表1および表2に示されるように、熱安定剤を一般的に使用されるリン酸トリメチルへと変更した比較例1および比較例6、P/Tiの質量比を0.1未満とした比較例2および比較例7、重合触媒を一般的に使用されるチタンテトラブトキシドへ変更した比較例3および比較例8では、いずれも重合活性が十分に発現せず、重合反応速度は低下し、得られるポリエステルの到達重合度も低下した。更に、重合触媒と熱安定剤の両方を一般的に使用される化合物へと変更した比較例4および5では、重合活性が十分に発現せず、重合反応速度が低下した。また、得られるポリエステルの到達重合度も大きく低下し、色相も悪化した。
また、表3に示されるように、脂環骨格を有しないエチレングリコールを用いてポリエチレンテレフタレートを作製した比較例9〜11では、重合触媒と熱安定剤の組み合わせによらず、重合反応速度や、得られるポリエステル化合物の固有粘度は同程度であった。即ち、脂環骨格を有しない多価アルコールを用いてポリエステルを作製する場合では、比較例11に示されるように、重合触媒と熱安定剤との組み合わせを実施例1と同じにしても、重合反応速度の向上やポリエステルの固有粘度の向上はみられず、色調も十分には改善されなかった。これらのことから、脂環骨格を有する多価アルコールを用いてポリエステルを作製する場合において、特定の重合触媒と特定の熱安定剤との組み合わせが有効であることが示唆される。
本発明のポリエステルの製造方法によれは、テレフタル酸を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)と、脂環骨格を有するジアルコールを含む多価アルコール(B)とをモノマー成分とする、高重合度で色調の良好なポリエステルを製造することができる。

Claims (13)

  1. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を95モル%以上含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)(但し、前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)全体を100モル%とする)と、脂環骨格を有するジアルコールを含む多価アルコール(B)とを重合触媒と熱安定剤の存在下で反応させてポリエステルを製造する方法であって、
    前記重合触媒は、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはそれらの無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物を含み、
    Figure 2017031328
    〔式中、Rはアルキル基を示す〕
    Figure 2017031328
    〔式中、nは2〜4の整数を示す〕
    前記熱安定剤は、一般式(III)で表されるリン化合物を含み、
    Figure 2017031328
    前記ポリエステルにおける前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が、前記ポリエステルに対して1〜200wtppmであり、かつ
    前記ポリエステルにおける、前記リン化合物に由来するリン原子の含有量と前記チタン原子の含有量との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、ポリエステルの製造方法。
  2. 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)の95モル%以上が、前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であり、
    前記多価アルコール(B)の95モル%以上が、前記脂環骨格を有するジアルコールである、請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(A)と前記多価アルコール(B)とをエステル化反応またはエステル交換反応させて、エステル化物を得る第1の工程と、
    前記重合触媒と前記熱安定剤の存在下で、前記エステル化物を重縮合反応させて、ポリエステルを得る第2の工程と
    を含む、請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 前記重合触媒は、前記第1の工程で添加する、請求項3に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 前記熱安定剤は、前記第1または第2の工程で添加する、請求項3または4に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  7. 前記ポリエステルの、固有粘度が0.5〜1.0dl/gであり、かつ分光色彩計により測定される色調b値が5.0以下である、請求項6に記載のポリエステルの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により製造されたポリエステル。
  9. テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位を含む多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位と、脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位を含む多価アルコール由来の構造単位とを含むポリエステルであって、
    一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸またはそれらの無水物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物とを予め反応させて得られるチタン化合物と、
    Figure 2017031328
    〔式中、Rはアルキル基を示す〕
    Figure 2017031328
    〔式中、nは2〜4の整数を示す〕
    一般式(III)で表されるリン化合物とを含む、ポリエステル。
    Figure 2017031328
  10. 前記チタン化合物に由来するチタン原子の含有量が前記ポリエステルに対して1〜200wtppmであり、かつ
    前記リン化合物に由来するリン原子の含有量と前記チタン原子の含有量との質量比P/Tiが0.1以上5.0以下である、請求項9に記載のポリエステル。
  11. 前記多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位の95モル%以上が、前記テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体由来の構造単位であり、
    前記多価アルコール構造単位の構造単位の95モル%以上が、前記脂環骨格を有するジアルコール由来の構造単位である、請求項9または10に記載のポリエステル。
  12. 前記脂環骨格を有するジアルコールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項9〜11のいずれか一項に記載のポリエステル。
  13. 固有粘度が0.5〜1.0dl/gであり、かつ分光色彩計により測定される色調b値が5.0以下である、請求項12に記載のポリエステル。
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