JP2017029515A - ゴルフスイング解析装置、ゴルフスイング解析システム、ゴルフスイング解析方法、及びゴルフスイング解析プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴルフスイングの特徴を示す簡便な指標を簡単に生成することのできるゴルフスイング解析装置、ゴルフスイング解析システム、ゴルフスイング解析方法、及びゴルフスイング解析プログラムを提供する。【解決手段】ゴルフスイング解析装置は、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位のゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する算出部を含む。【選択図】図10
Description
本発明は、ゴルフスイング解析装置、ゴルフスイング解析システム、ゴルフスイング解析方法、及びゴルフスイング解析プログラムに関する。
従来、ゴルフスイングをチェックするには、スイング動作の撮影が有効とされている。例えば、特許文献1には、スイング映像に基づきスイング軌跡を表示し、スイングの速度を多角形表示する技術が開示されている。
しかしながら、ユーザーの加えた力がゴルフボールへ無駄なく伝達されているかどうかを評価するには、速度の情報だけでは不十分であり、また、スイング軌跡それ自体からこれをユーザーが推測することも難しい。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、スイングの特徴を示す簡便な指標を簡単に生成することのできるゴルフスイング解析装置、ゴルフスイング解析システム、ゴルフスイング解析方法、及びゴルフスイング解析プログラムを提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係るゴルフスイング解析装置は、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の前記ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する算出部を含む。
本適用例に係るゴルフスイング解析装置は、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の前記ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する算出部を含む。
算出部は、ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、軌跡の曲率半径と、軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを指標として算出する。このうち、曲率中心は、軌跡の中心の位置を示し、曲率半径は、所定部位から軌跡の中心までの距離を示し、法線ベクトルは、軌跡の属する平面の法線方向を示す。このような指標は、軌跡それ自体よりも所定部位の運動を的確に表すと考えられる。従って、例えばユーザーは、自己のゴルフスイングの特徴を、指標に基づき客観的に評価することができる。
なお、慣性センサーは、加速度や角速度等の慣性量を計測可能なセンサーであればよく、例えば、加速度や角速度を計測可能な慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)でもよい。また、慣性センサーは、例えば、運動具又はユーザーの所定部位に取り付けられてもよいし、所定部位から離れた部位に取り付けられてもよい。また、慣性
センサーは、運動具又はユーザーに対して脱着可能であってもよいし、運動具又はユーザーの被服等に内蔵又は固定されてもよい。
センサーは、運動具又はユーザーに対して脱着可能であってもよいし、運動具又はユーザーの被服等に内蔵又は固定されてもよい。
[適用例2]
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記慣性センサーの出力信号が示す加速度ベクトル及び速度ベクトルに基づき、前記曲率中心と前記曲率半径とのうち少なくとも一方を算出してもよい。
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記慣性センサーの出力信号が示す加速度ベクトル及び速度ベクトルに基づき、前記曲率中心と前記曲率半径とのうち少なくとも一方を算出してもよい。
このように、曲率中心又は曲率半径の算出に慣性センサーの出力信号を用いれば、ゴルフスイングの映像を用いる場合などと比較して、算出に要する演算量を抑えることができる。
[適用例3]
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記慣性センサーの出力信号が示す角速度ベクトルに基づき、前記法線ベクトルを算出してもよい。
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記慣性センサーの出力信号が示す角速度ベクトルに基づき、前記法線ベクトルを算出してもよい。
このように、法線ベクトルの算出に慣性センサーの出力信号を用いれば、ゴルフスイングの映像を用いる場合と比較して、算出に要する演算量を抑えることができる。
[適用例4]
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記指標の前記スイングにおける時間変化又はばらつきを算出してもよい。
本適用例に係るゴルフスイング解析装置において、前記算出部は、前記指標の前記スイングにおける時間変化又はばらつきを算出してもよい。
従って、ユーザーは、ゴルフスイングにおける運動の変化を定量的に把握することができる。
[適用例5]
本適用例に係るゴルフスイング解析装置は、前記出力信号に対して平滑化処理を施す平滑化部を更に含んでもよい。
本適用例に係るゴルフスイング解析装置は、前記出力信号に対して平滑化処理を施す平滑化部を更に含んでもよい。
ここで、指標を算出する際には、慣性センサーの出力信号を積分する必要が生じ得る。このような場合、慣性センサーの出力信号の誤差が、指標の算出精度を著しく悪化させる可能性がある。よって、平滑化部が出力信号に対して平滑化処理を施せば、指標の算出精度の悪化を防ぐことができると考えられる。特に、所定部位の運動が急峻であるときよりも、所定部位の運動が緩やかであるときの方が効果は高いと考えられる。
[適用例6]
本適用例に係るゴルフスイング解析システムは、本適用例に係るゴルフスイング解析装置と、前記慣性センサーとを含む。
本適用例に係るゴルフスイング解析システムは、本適用例に係るゴルフスイング解析装置と、前記慣性センサーとを含む。
[適用例7]
本適用例に係るゴルフスイング解析方法は、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の軌跡の曲率中心と、前記軌跡の曲率半径と、前記軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、を含む。
本適用例に係るゴルフスイング解析方法は、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の軌跡の曲率中心と、前記軌跡の曲率半径と、前記軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、を含む。
本適用例のゴルフスイング解析方法では、ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、軌跡の曲率半径と、軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを指標として算出する。このうち、曲率中心は、軌跡の中心の位置を示し、曲率半径は、所定部位から軌跡
の中心までの距離を示し、法線ベクトルは、軌跡の属する平面の法線方向を示す。このような指標は、軌跡それ自体よりも所定部位の運動を的確に表すと考えられる。従って、例えばユーザーは、自己のゴルフスイングの特徴を、指標に基づき客観的に評価することができる。
の中心までの距離を示し、法線ベクトルは、軌跡の属する平面の法線方向を示す。このような指標は、軌跡それ自体よりも所定部位の運動を的確に表すと考えられる。従って、例えばユーザーは、自己のゴルフスイングの特徴を、指標に基づき客観的に評価することができる。
[適用例8]
本適用例に係るゴルフスイング解析プログラムは、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の軌跡の曲率中心と、前記軌跡の曲率半径と、前記軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、をコンピューターに実行させる。
本適用例に係るゴルフスイング解析プログラムは、ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の軌跡の曲率中心と、前記軌跡の曲率半径と、前記軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、をコンピューターに実行させる。
本適用例のゴルフスイング解析プログラムでは、ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、軌跡の曲率半径と、軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを指標として算出する。このうち、曲率中心は、軌跡の中心の位置を示し、曲率半径は、所定部位から軌跡の中心までの距離を示し、法線ベクトルは、軌跡の属する平面の法線方向を示す。このような指標は、軌跡それ自体よりも所定部位の運動を的確に表すと考えられる。従って、例えばユーザーは、自己のゴルフスイングの特徴を、指標に基づき客観的に評価することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、ゴルフスイングの解析を行うゴルフスイング解析システムを例に挙げて説明する。
1.ゴルフスイング解析システム
1−1.ゴルフスイング解析システムの概要
図1は、本実施形態のゴルフスイング解析システムの概要の説明図である。
1−1.ゴルフスイング解析システムの概要
図1は、本実施形態のゴルフスイング解析システムの概要の説明図である。
図1は、本実施形態のゴルフスイング解析システムの概要について説明するための図である。本実施形態のゴルフスイング解析システム1は、センサーユニット10(慣性センサーの一例)及びゴルフスイング解析装置20を含んで構成されている。
センサーユニット10は、3軸の各軸方向に生じる加速度と3軸の各軸回りに生じる角速度を計測可能であり、ゴルフクラブ3(運動具の一例)に装着される。
本実施形態では、図2に示すように、センサーユニット10は、3つの検出軸(x軸,y軸,z軸)のうちの1軸、例えばy軸をシャフトの長軸方向に合わせて、ゴルフクラブ3のシャフトの一部に取り付けられる。例えば、センサーユニット10は、打球時の衝撃が伝わりにくく、スイング時に遠心力がかからないグリップに近い位置に取り付けられる。シャフトは、ゴルフクラブ3のヘッドを除いた柄の部分であり、グリップも含まれる。ただし、センサーユニット10は、ユーザー2の部位(例えば、手やグローブなど)に取り付けられてもよいし、腕時計などのアクセサリーに取り付けられてもよい。
ユーザー2は、あらかじめ決められた手順に従って、ゴルフボール4を打球するスイング動作を行う。図3は、ユーザー2が行う動作の手順を示す図である。図3に示すように、ユーザー2は、まず、ゴルフスイング解析装置20を介してユーザー2が使用するゴルフクラブ3に関する情報(ゴルフクラブ情報)などの入力操作を行う(S1)。ゴルフクラブ情報は、ゴルフクラブ3の長さ(クラブ長)の情報およびゴルフクラブ3の種類(番手)の少なくとも一方の情報を含む。次に、ユーザー2は、ゴルフスイング解析装置20を介して計測開始操作(センサーユニット10に計測を開始させるための操作)を行う(S2)。次に、ユーザー2は、ゴルフスイング解析装置20からアドレス姿勢(運動開始前の基本姿勢)をとるように指示する通知(例えば音声による通知)を受けた後(S3のY)、ゴルフクラブ3のシャフトの長軸がターゲットライン(打球の目標方向)に対して垂直となるようにアドレスの姿勢をとり、静止する(S4)。次に、ユーザー2は、ゴルフスイング解析装置20からスイングを許可する通知(例えば音声による通知)を受けた後(S5のY)、スイング動作を行い、ゴルフボール4を打球する(S6)。
図3のS1において、ユーザー2は、不図示の入力画面上でクラブ長、番手などのゴルフクラブ情報を入力する。なお、ゴルフクラブ情報に含まれる情報は、これに限られず、例えば、ゴルフクラブ情報は、クラブ長と番手のいずれか一方の情報を含まなくてもよいし、他の情報を含んでもよい。
ユーザー2が図3のS2の計測開始操作を行うと、センサーユニット10は、所定周期(例えば1ms)で3軸加速度と3軸角速度を計測し、計測したデータを順次、ゴルフスイング解析装置20に送信する。センサーユニット10とゴルフスイング解析装置20との間の通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。また、ゴルフスイング解析装置20は、例えば、スマートフォンなどの携帯機器やパーソナルコンピューター(PC)で
あってもよい。
あってもよい。
ゴルフスイング解析装置20は、センサーユニット10が計測したデータ(慣性センサーの出力信号の一例)を用いてグローバル座標を定める。グローバル座標は、例えば、アドレス姿勢におけるヘッドの位置を原点とし、アドレス姿勢においてセンサーユニット10が検出する加速度方向の反対方向(鉛直上向き)をZ軸とし、アドレス姿勢におけるセンサーユニット10のx軸方向をX軸とし、X軸及びY軸に垂直な軸をY軸とした、右手系又は左手系のXYZ直交座標系である。
そして、ゴルフスイング解析装置20は、図3のS5に示したスイング開始の許可をユーザー2に通知し、その後、ユーザー2がゴルフクラブ3を用いて打球したスイング運動を解析する。例えば、ゴルフスイング解析装置20は、センサーユニット10が計測した計測データを用いて、スイングにおけるゴルフクラブ3のヘッド、シャフト、グリップエンドなどの軌跡の情報を生成する。
特に、本実施形態におけるゴルフスイング解析装置20は、スイング動作中の各時刻tにおけるヘッド(所定部位の一例)の運動において、、図4に示すとおり、時刻tにおけるヘッドの軌跡Qの曲率中心の位置ベクトルO(t)を算出する。
また、本実施形態におけるゴルフスイング解析装置20は、スイング動作中の各時刻tにおけるシャフト(所定部位の一例)の運動において、、図5に示すとおり、時刻tにおけるシャフトの軌跡Sの属する平面(以下、「シャフトプレーンPs(t)」と称す。)の法線ベクトル(以下、「シャフトプレーンベクトルes(t)」と称す。)を算出する。
ここで、図4に示すとおり、時刻tにおいてヘッドの軌跡Qの属する平面(以下、「ヘッドプレーンPh(t)」と称す。)は、図5に示すとおり、時刻tにおいてシャフトの軌跡Sの属する平面(シャフトプレーンPs(t))と同じとは限らない。
しかし、ヘッドプレーンPh(t)の時間変化と、シャフトプレーンPs(t)の時間変化とは、何れも、ユーザーがスイングの特徴を評価するのに有効と考えられる。
そこで、ゴルフスイング解析装置20は、シャフトプレーンベクトルes(t)の代わりに又はシャフトプレーンベクトルes(t)に加えて、ヘッドプレーンPh(t)の法線ベクトル(以下、「ヘッドプレーンベクトルe3(t)」と称す。)を算出する。
ヘッドプレーンベクトルe3(t)は、簡単には、時刻tにおけるヘッドの軌跡の接線方向の単位ベクトルe1(t)と、時刻tにおけるヘッドから曲率中心(位置ベクトルO(t)の先端)へ向かう単位ベクトルe2(t)との双方に直交する単位ベクトルとして算出することができる。
また、ゴルフスイング解析装置20は、ユーザー2のスイングにおけるヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、曲率中心の位置の時間変化、シャフトプレーンベクトルes(t)の時間変化、ヘッドプレーンベクトルeh(t)の時間変化などを表す画像データを生成し、当該画像データに応じた画像を表示部(ディスプレイ)に表示させる。
従って、本実施形態のユーザー2は、表示部に表示されたヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、曲率中心の時間変化、シャフトプレーンベクトルの時間変化、ヘッドプレーンベクトルの時間変化などに基づき、自己のスイングの特徴を評価することができる。
1−2.ゴルフスイング解析システムの構成
図6は、本実施形態のゴルフスイング解析システムの構成例を示す図である。
図6は、本実施形態のゴルフスイング解析システムの構成例を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、センサーユニット10は、加速度センサー12、角速度センサー14、信号処理部16及び通信部18を含んで構成されている。
加速度センサー12(慣性センサーの一例)は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々に生じる加速度を計測し、計測した3軸加速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(加速度データ(慣性センサーの出力信号の一例))を出力する。
角速度センサー14(慣性センサーの一例)は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸の各々の軸回りに生じる角速度を計測し、計測した3軸角速度の大きさ及び向きに応じたデジタル信号(角速度データ(慣性センサーの出力信号の一例))を出力する。
信号処理部16は、加速度センサー12と角速度センサー14から、それぞれ加速度データと角速度データを受け取って時刻情報を付して不図示の記憶部に記憶し、記憶した計測データ(加速度データと角速度データ)に時刻情報を付して通信用のフォーマットに合わせたパケットデータを生成し、通信部18に出力する。
加速度センサー12及び角速度センサー14は、それぞれ3軸が、センサーユニット10に対して定義される直交座標系(センサー座標系)の3軸(x軸、y軸、z軸)と一致するようにセンサーユニット10に取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、加速度データ及び角速度データをxyz座標系のデータに変換する処理を行う。
さらに、信号処理部16は、加速度センサー12及び角速度センサー14の温度補正処理を行ってもよい。あるいは、加速度センサー12及び角速度センサー14に温度補正の機能が組み込まれていてもよい。
なお、加速度センサー12と角速度センサー14は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、信号処理部16が、加速度センサー12の出力信号と角速度センサー14の出力信号をそれぞれA/D変換して計測データ(加速度データと角速度データ)を生成し、これらを用いて通信用のパケットデータを生成すればよい。
通信部18は、信号処理部16から受け取ったパケットデータをゴルフスイング解析装置20に送信する処理や、ゴルフスイング解析装置20から制御コマンドを受信して信号処理部16に送る処理等を行う。信号処理部16は、制御コマンドに応じた各種処理を行う。
ゴルフスイング解析装置20は、処理部21、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26を含んで構成されている。
通信部22は、センサーユニット10から送信されたパケットデータを受信し、処理部21に送る処理や、処理部21からの制御コマンドをセンサーユニット10に送信する処理等を行う。
操作部23は、ユーザー2からの操作データを取得し、処理部21に送る処理を行う。操作部23は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどであっ
てもよい。
てもよい。
記憶部24は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリーやハードディスクやメモリーカードなどの記録媒体等により構成される。
記憶部24は、処理部21が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。特に、本実施形態では、記憶部24には、処理部21によって読み出され、ゴルフスイング解析処理を実行するためのゴルフスイング解析プログラム240が記憶されている。ゴルフスイング解析プログラム240はあらかじめ不揮発性の記録媒体に記憶されていてもよいし、処理部21がネットワークを介してサーバーからゴルフスイング解析プログラム240を受信して記憶部24に記憶させてもよい。
また、本実施形態では、記憶部24には、ゴルフクラブ情報242、センサー装着位置情報246などが記憶される。例えば、ユーザー2が、操作部23を操作して、入力画面から、使用するゴルフクラブ3のゴルフクラブ情報を入力し、入力されたゴルフクラブ情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。あるいは、ユーザー2が、図3のS1において、ゴルフクラブ3の型番を入力(あるいは、型番リストから選択)し、記憶部24にあらかじめ記憶されている型番毎の仕様情報(例えば、シャフトの長さ、重心の位置、ライ角、フェース角、ロフト角等の情報など)のうち、入力された型番の仕様情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。また、例えば、図3のS1において、ユーザー2が操作部23を操作してセンサーユニット10の装着位置とゴルフクラブ3のグリップとの間の距離を入力し、入力された距離の情報をセンサー装着位置情報246としてもよい。あるいは、センサーユニット10を決められた所定位置(例えば、グリップから20cmの距離など)に装着するものとして、当該所定位置の情報がセンサー装着位置情報246としてあらかじめ記憶されていてもよい。
また、記憶部24は、処理部21の作業領域として用いられ、操作部23から入力されたデータ、処理部21が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。さらに、記憶部24は、処理部21の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶してもよい。
表示部25は、処理部21の処理結果を文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として表示するものである。表示部25は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などであってもよい。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部23と表示部25の機能を実現するようにしてもよい。
音出力部26は、処理部21の処理結果を音声やブザー音等の音として出力するものである。音出力部26は、例えば、スピーカーやブザーなどであってもよい。
処理部21は、各種プログラムに従って、センサーユニット10に制御コマンドを送信する処理や、センサーユニット10から通信部22を介して受信したデータに対する各種の計算処理や、その他の各種の制御処理を行う。特に、本実施形態では、処理部21は、運動解析プログラム240を実行することにより、適宜に、データ取得部210、ゴルフスイング解析部215、画像データ生成部216、記憶処理部217、表示処理部218及び音出力処理部219として機能する。
データ取得部210は、通信部22がセンサーユニット10から受信したパケットデー
タを受け取り、受け取ったパケットデータから時刻情報及び計測データを取得し、記憶処理部217に送る処理を行う。
タを受け取り、受け取ったパケットデータから時刻情報及び計測データを取得し、記憶処理部217に送る処理を行う。
記憶処理部217は、データ取得部210から時刻情報と計測データを受け取り、これらを対応づけて記憶部24に記憶させる処理を行う。
ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10が出力する計測データを用いて、ユーザー2のスイング運動を解析する処理を行う。具体的には、ゴルフスイング解析部215は、まず、記憶部24に記憶された、ユーザー2の静止時(アドレス時)の計測データ(加速度データ及び角速度データ)を用いて、計測データに含まれるオフセット量を計算する。次に、ゴルフスイング解析部215は、記憶部24に記憶された、スイング開始後の計測データからオフセット量を減算してバイアス補正し、バイアス補正された計測データを用いて、ユーザー2のスイング動作中(図3のステップS6の動作中)のセンサーユニット10の位置及び姿勢を計算する。
例えば、ゴルフスイング解析部215は、加速度センサー12が計測した加速度データ、ゴルフクラブ情報242及びセンサー装着位置情報246を用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の位置(初期位置)を計算し、その後の加速度データを積分してセンサーユニット10の初期位置からの位置の変化を時系列に計算する。ユーザー2は図3のステップS4の動作を行うので、センサーユニット10の初期位置のX座標は0である。さらに、図2に示したように、センサーユニット10のy軸はゴルフクラブ3のシャフトの長軸方向と一致し、ユーザー2の静止時には、加速度センサー12は重力加速度のみを計測するので、ゴルフスイング解析部215は、y軸加速度データを用いてシャフトの傾斜角を計算することができる。そして、ゴルフスイング解析部215は、ゴルフクラブ情報242(シャフトの長さ)とセンサー装着位置情報246(グリップからの距離)からセンサーユニット10とヘッドとの距離LSHを求め、ヘッドの位置を原点(0,0,0)として、シャフトの傾斜角により特定されるセンサーユニット10のy軸の負の方向に原点から距離LSHの位置をセンサーユニット10の初期位置とする。
また、ゴルフスイング解析部215は、加速度センサー12が計測した加速度データを用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の姿勢(初期姿勢)を計算し、その後の角速度センサー14が計測した角速度データを用いた回転演算を行ってセンサーユニット10の初期姿勢からの姿勢の変化を時系列に計算する。センサーユニット10の姿勢は、例えば、X軸、Y軸、Z軸回りの回転角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)、クオータ二オン(四元数)などで表現することができる。ユーザー2の静止時には、加速度センサー12は重力加速度のみを計測するので、ゴルフスイング解析部215は、3軸加速度データを用いて、センサーユニット10のx軸、y軸、z軸の各々と重力方向とのなす角度を特定することができる。さらに、ユーザー2は図3のステップS4の動作を行うので、ユーザー2の静止時において、センサーユニット10のy軸はYZ平面上にあるため、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10の初期姿勢を特定することができる。
そして、ゴルフスイング解析部215は、スイングの各時刻におけるセンサーユニット10の位置から、当該時刻におけるセンサーユニット10の姿勢から特定されるセンサーユニット10のy軸の正の方向に距離LSHの位置を当該時刻におけるヘッドの位置とする。
なお、センサーユニット10の信号処理部16が、計測データのオフセット量を計算し、計測データのバイアス補正を行うようにしてもよいし、加速度センサー12及び角速度
センサー14にバイアス補正の機能が組み込まれていてもよい。これらの場合は、ゴルフスイング解析部215による計測データのバイアス補正が不要となる。
センサー14にバイアス補正の機能が組み込まれていてもよい。これらの場合は、ゴルフスイング解析部215による計測データのバイアス補正が不要となる。
また、ゴルフスイング解析部215は、記憶部24に記憶された時刻情報と計測データを用いて、ユーザー2のスイングにおける各動作のタイミング(トップのタイミング、ナチュラルアンコックのタイミング、打球(インパクト)のタイミングなど)を検出する。例えば、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10が出力する計測データ(加速度データ又は角速度データ)の合成値を計算し、当該合成値に基づいてユーザー2が打球したタイミング(時刻)を特定する。なお、ナチュラルアンコックとは、ゴルフスイングのダウンスイング中においてグリップ速度が増加から減少に転じるタイミングである。理想的なスイングでは、ダウンスイングでコックが解けるタイミングに、グリップスピードが減速し、腕が持つエネルギーがクラブに効率的に伝わり、ヘッドスピードが最大限に上がる。ナチュラルアンコックのタイミングを見ることによりスイングの良し悪しを評価することができる。
また、ゴルフスイング解析部215は、スイング(特に、ゴルフクラブ3がトップの位置にある時から打球時(インパクト時)までのダウンスイング)におけるヘッドの位置の時間変化、曲率中心の位置の時間変化、スイングにおけるプレーンベクトルの時間変化などを算出する。
なお、ゴルフスイング解析部215は、曲率半径の時間変化又は曲率中心の位置の時間変化を算出する際に曲率算出部(算出部の一例)2151として機能する。また、ゴルフスイング解析部215は、シャフトプレーンベクトルの時間変化又はヘッドプレーンベクトルの時間変化を算出する際にプレーンベクトル算出部(算出部の一例)2152として機能する。また、ゴルフスイング解析部215は、曲率中心の位置の時間変化などを算出する際に平滑化部(平滑化部の一例)2153としても機能する。平滑化部2153は、計測データに対して平滑化処理を施すものである(詳細は後述)。
さらに、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10の計測データに基づき、バックスイングからフォロースルーまでのスイングのリズム、ヘッドスピード、打球時の入射角(クラブパス)やフェース角、シャフトローテーション(スイング中のフェース角の変化量)、ゴルフクラブ3の減速率、あるいは、ユーザー2が複数回のスイングを行った場合のこれら各情報のばらつき等を解析してもよい。
画像データ生成部216は、表示部25に表示される解析結果の画像に対応する画像データを生成する処理を行う。特に、本実施形態では、画像データ生成部216は、ゴルフスイング解析部215が算出したヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、曲率中心の位置の時間変化、シャフトプレーンベクトルの時間変化、ヘッドプレーンベクトルの時間変化などを含む画像データを生成する。
記憶処理部217は、記憶部24に対する各種プログラムや各種データのリード/ライト処理を行う。記憶処理部217は、データ取得部210から受け取った時刻情報と計測データを対応づけて記憶部24に記憶させる処理の他、第1特定部213、第2特定部214及びゴルフスイング解析部215が算出した各種の情報等を記憶部24に記憶させる処理も行う
。
。
表示処理部218は、表示部25に対して各種の画像(画像データ生成部216が生成した画像データに対応する画像の他、文字や記号等も含む)を表示させる処理を行う。例えば、表示処理部218は、ユーザー2のスイング運動が終了した後、自動的に、あるい
は、ユーザー2の入力操作に応じて画像データ生成部216が生成した画像データに対応する画像やゴルフスイング解析部215による解析結果を示す文字等を表示部25に表示させる。あるいは、センサーユニット10に表示部を設けておいて、表示処理部218は、通信部22を介してセンサーユニット10に画像データを送信し、センサーユニット10の表示部に各種の画像や文字等を表示させてもよい。
は、ユーザー2の入力操作に応じて画像データ生成部216が生成した画像データに対応する画像やゴルフスイング解析部215による解析結果を示す文字等を表示部25に表示させる。あるいは、センサーユニット10に表示部を設けておいて、表示処理部218は、通信部22を介してセンサーユニット10に画像データを送信し、センサーユニット10の表示部に各種の画像や文字等を表示させてもよい。
音出力処理部219は、音出力部26に対して各種の音(音声やブザー音等も含む)を出力させる処理を行う。例えば、音出力処理部219は、ユーザー2のスイング運動が終了した後、自動的に、あるいは、所定の入力操作が行われたときに、記憶部24に記憶されている各種の情報を読み出して音出力部26に解析用の音や音声を出力させてもよい。あるいは、センサーユニット10に音出力部を設けておいて、音出力処理部219は、通信部22を介してセンサーユニット10に各種の音データや音声データを送信し、センサーユニット10の音出力部に各種の音や音声を出力させてもよい。
例えば、音出力処理部219は、図3のS5においてゴルフクラブ3が静止したと判定された場合に、スイングの開始の許可を通知する音声データを生成し、音出力部26を通知部として機能させて、ユーザー2にスイングの開始の許可を音声で通知する。あるいは、ゴルフクラブ3が静止したと判定された場合に、スイングの開始の許可を通知する画像や文字等のデータを生成し、表示処理部218が、表示部25を通知部として機能させて、ユーザー2にスイングの開始の許可を画像や文字等で通知してもよい。
なお、ゴルフスイング解析装置20あるいはセンサーユニット10に振動機構を設けておいて、当該振動機構により各種の情報を振動情報に変換してユーザー2に通知してもよい。
1−3.ゴルフスイング解析装置の処理
1−3−1.ゴルフスイング解析処理
図7は、ゴルフスイング解析処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析プログラム240に従って処理部21が実行する。この際、処理部21は、ゴルフスイング解析部215として機能する。以下、図7のフローチャートについて説明する。
1−3−1.ゴルフスイング解析処理
図7は、ゴルフスイング解析処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析プログラム240に従って処理部21が実行する。この際、処理部21は、ゴルフスイング解析部215として機能する。以下、図7のフローチャートについて説明する。
まず、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10から計測データの取得を開始する(S10)。
次に、ユーザー2の静止動作(アドレス動作)(図3のステップS4の動作)により、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10から取得した計測データを用いて、静止状態の継続時間を計時する(S12)。
そして、ゴルフスイング解析部215は、静止状態の継続時間が所定の閾値を超えていない場合(S12のN)、ステップS12の処理に戻り、超えた場合は(S12のY)、ユーザー2にスイング開始の許可を通知する(S18)。ゴルフスイング解析部215は、例えば、所定の画像や音を出力し、あるいは、センサーユニット10にLEDを設けておいて当該LEDを点灯させる等して、ユーザー2にスイング開始の許可を通知し、ユーザー2は、この通知を確認した後にスイングを開始する。
次に、ゴルフスイング解析部215は、ユーザー2のスイング動作中にリアルタイムに、あるいはスイング終了後に、ステップS20以降の処理を行う。
まず、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10から取得した計測データ
(ユーザー2の静止動作(アドレス動作)における計測データ)を用いて、センサーユニット10の初期位置と初期姿勢を計算する(S20)。
(ユーザー2の静止動作(アドレス動作)における計測データ)を用いて、センサーユニット10の初期位置と初期姿勢を計算する(S20)。
次に、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10から取得した計測データを用いて、ユーザー2のスイングにおける各動作を検出する(S22)。検出対象となる動作には、トップ、ナチュラルアンコック、インパクトなどがある。トップ及びインパクトを検出する処理(トップ及びインパクト検出処理)の詳細、ナチュラルアンコックのタイミングを検出する処理(ナチュラルアンコックタイミング検出処理)の詳細は、後述する。
また、ゴルフスイング解析部215は、ステップS22の処理と並行して、あるいは前後して、ユーザー2のスイング動作中のセンサーユニット10の位置と姿勢を計算する(S24)。
次に、ゴルフスイング解析部215は、ヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、及び曲率中心の位置の時間変化を算出する(S26)。ヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、及び曲率中心の位置の時間変化を算出する処理(曲率中心算出処理)の詳細は、後述する。
次に、ゴルフスイング解析部215は、シャフトプレーンベクトルの時間変化及びヘッドプレーンベクトルの時間変化を算出する(S28)。シャフトプレーンベクトルの時間変化及びヘッドプレーンベクトルの時間変化を算出する処理(プレーンベクトル算出処理)の詳細は、後述する。
次に、ゴルフスイング解析部215は、ヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、曲率中心の位置の時間変化、シャフトプレーンベクトルの時間変化、ヘッドプレーンの時間変化などを表す画像データを、表示処理部218に生成させる。表示処理部218は、当該画像データを表示部25に表示させる(S30)。その後、ゴルフスイング解析部215は、処理を終了する。
なお、図7のフローチャートにおいては、可能な範囲で少なくとも一部のステップの順番を変更又は省略することも可能である。
例えば、ステップS24におけるセンサーユニットの位置及び姿勢の少なくとも一部の算出を、ステップS26又はステップS28の中で行ってもよい。また、ステップS22〜S28の順番を、互いに入れ替えてもよい。また、先に実行されるステップで算出したデータを後に実行されるステップで利用できる場合には、後のステップにおける当該データの算出を、省略してもよい。また、ステップS22〜S28の少なくとも1つの実行が開始されるタイミングは、スイングの途中であってもよいし、スイングの終了後であってもよい。
1−3−2.トップ及びインパクトの検出処理
図8は、トップ及びインパクト検出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、処理部21が実行する。この際、処理部21は、ゴルフスイング解析部215として機能する。以下、図8のフローチャートについて説明する。
図8は、トップ及びインパクト検出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、処理部21が実行する。この際、処理部21は、ゴルフスイング解析部215として機能する。以下、図8のフローチャートについて説明する。
まず、ゴルフスイング解析部215は、記憶部24に記憶された計測データ(加速度データ及び角速度データ)をバイアス補正する(S200)。
次に、ゴルフスイング解析部215は、ステップS200でバイアス補正した角速度デ
ータ(時刻t毎の角速度データ)を用いて、各時刻tでの角速度の合成値(角速度ベクトルの大きさ)n0(t)の値を計算する(S210)。例えば、時刻tでの角速度データをx(t)、y(t)、z(t)とすると、角速度の合成値n0(t)は、次の式(1)で計算される。
ータ(時刻t毎の角速度データ)を用いて、各時刻tでの角速度の合成値(角速度ベクトルの大きさ)n0(t)の値を計算する(S210)。例えば、時刻tでの角速度データをx(t)、y(t)、z(t)とすると、角速度の合成値n0(t)は、次の式(1)で計算される。
次に、ゴルフスイング解析部215は、インパクトの計測時刻t3より前で合成値n(t)が0に近づく極小点の時刻をトップの計測時刻t2として特定する(S250)。通常のゴルフスイングでは、スイング開始後、トップで一旦動作が止まり、その後、徐々にスイング速度が大きくなってインパクトに至ると考えられる。従って、インパクトのタイミングより前で角速度の合成値が0に近づき極小となるタイミングをトップのタイミングとして捉えることができる。
次に、ゴルフスイング解析部215は、トップの計測時刻t2の前後で合成値n(t)が所定の閾値以下の区間をトップ区間として特定する(S260)。通常のゴルフスイングでは、トップで一旦動作が止まるので、トップの前後ではスイング速度が小さいと考えられる。従って、トップのタイミングを含み角速度の合成値が所定の閾値以下の連続した区間をトップ区間として捉えることができる。
次に、ゴルフスイング解析部215は、トップ区間の開始時刻より前で合成値n(t)が所定の閾値以下となる最後の時刻をスイング開始の計測時刻t1として特定し(S270)、処理を終了する。通常のゴルフスイングでは、静止した状態からスイング動作を開始し、トップまでにスイング動作が止まることは考えにくい。従って、トップのタイミングより前で角速度の合成値が所定の閾値以下となる最後のタイミングをスイング動作の開始のタイミングとして捉えることができる。なお、トップの計測時刻t2より前で、合成値n(t)が0に近づく極小点の時刻をスイング開始の計測時刻と特定してもよい。
なお、図8のフローチャートにおいては、可能な範囲で幾つかのステップの順番を変更又は省略することも可能である。また、図8のフローチャートでは、ゴルフスイング解析部215は、3軸角速度データを用いてインパクト等を特定しているが、3軸加速度データを用いて、同様にインパクト等を特定することもできる。
1−3−3.ナチュラルアンコック検出処理
図9は、ナチュラルアンコック検出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
図9は、ナチュラルアンコック検出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
図9に示すように、ゴルフスイング解析部215は、まず、時刻変数tを0に初期化(S100)した後、時刻tにおける計測データ(時刻tにおける3軸加速度データ(加速度ベクトル)及び3軸角速度データ(角速度ベクトル))を用いて、ゴルフクラブ3のグリップ部分に作用する関節間力を計算する(S102)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、まず、時刻tにおける加速度ベクトル、角速度ベクトル、シャフト長軸方向の単位ベクトル(センサー座標系でのy軸方向の単位ベクトル)、及びゴルフクラブパラメーターを用いて、センサー座標系での時刻tにおけるゴルフクラブ3の重心の並進加速度ベクトルを求める。
なお、ゴルフクラブパラメーターは、前述したゴルフクラブ情報242の少なくとも一部を構成するパラメーターであって、ゴルフクラブ3の質量、ゴルフクラブ3の長さ、ゴルフクラブ3のグリップ部から重心までの距離、及びセンサーユニット10の取り付け位置からゴルフクラブ3の重心までの距離の4つのゴルフクラブパラメーターを含む。
さらに、ゴルフスイング解析部215は、重心の並進加速度ベクトルとゴルフクラブ3の質量とを用いて、センサー座標系での時刻tにおける関節間力を計算する。なお、センサーユニット10をゴルフクラブ3の重心付近に取り付ければ加速度ベクトルが重心の並進加速度ベクトルとほぼ一致するので、加速度ベクトルとゴルフクラブパラメーター(ゴルフクラブ3の質量)とを用いて、関節間力を直接的に計算することができる。
次に、ゴルフスイング解析部215は、センサーユニット10が計測した時刻tにおける3軸角速度データ(角速度ベクトル)を用いて、ゴルフクラブ3の進行方向を特定する(S104)。
例えば、ゴルフスイング解析部215は、時刻tにおける角速度ベクトル、シャフト長軸方向の単位ベクトル、及びゴルフクラブパラメーターを用いて、センサー座標系での時刻tにおける進行方向の単位ベクトルを計算する。
次に、ゴルフスイング解析部215は、シャフト長軸及び進行方向に直交する所定軸方向の単位ベクトルを計算する(S106)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、シャフト長軸方向の単位ベクトルとステップS104で計算した進行方向の単位ベクトルを用いて、センサー座標系での時刻tにおける所定軸方向の単位ベクトルを計算する。
次に、ゴルフスイング解析部215は、ステップS102で計算した関節間力から、所
定軸回りの回転運動を生じさせるトルクを抽出する(S108)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、シャフト長軸方向の単位ベクトル、ステップS106で計算した所定軸方向の単位ベクトル、ステップS102で計算した関節間力、及びゴルフクラブパラメーターを用いて、センサー座標系での時刻tにおけるトルクを計算する。
定軸回りの回転運動を生じさせるトルクを抽出する(S108)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、シャフト長軸方向の単位ベクトル、ステップS106で計算した所定軸方向の単位ベクトル、ステップS102で計算した関節間力、及びゴルフクラブパラメーターを用いて、センサー座標系での時刻tにおけるトルクを計算する。
そして、ゴルフスイング解析部215は、スイング中に計測された全ての計測データについての処理が終了するまで(S110にてYとなるまで)、時刻変数tをt+Δtに更新しながら(S112)、ステップS102〜S108の処理を繰り返す。
そして、ゴルフスイング解析部215は、全ての計測データについてステップS102〜S108の処理が終了すると(S110のY)、当該繰り返しで得られたセンサー座標系でのトルクの時系列データ(時刻順に並べられたデータ)から、トルクの符号が変化するタイミングを、検出する(S114)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、トルクの時系列データに基づき、トルクが負から正に切り替わるタイミングを検出する。
最後に、ゴルフスイング解析部215は、ステップS114で検出したトルクの符号が変化するタイミングに基づいて、ナチュラルアンコックのタイミングを特定する(S116)。例えば、ゴルフスイング解析部215は、トルクの符号が負から正に切り替わる最初のタイミングあるいは最後のタイミングを、ナチュラルアンコックのタイミングとしてもよい。あるいは、ゴルフスイング解析部215は、計算誤差やノイズの影響を考慮し、トルクの符号が負から正に切り替わる最初と最後の間のタイミングを、ナチュラルアンコックのタイミングとしてもよい。
なお、図9のフローチャートにおいては、可能な範囲で幾つかのステップの順番を変更又は省略することも可能である。
1−3−4.曲率中心算出処理
図10は、曲率中心算出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析部215が実行する。この際、ゴルフスイング解析部215は、曲率算出部2151として機能する。
図10は、曲率中心算出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析部215が実行する。この際、ゴルフスイング解析部215は、曲率算出部2151として機能する。
図10に示すように、曲率算出部2151は、まず、時刻変数tを0に初期化する(S241)。
次に、曲率算出部2151は、時刻tにおけるセンサーユニットの姿勢、センサー装着位置情報、ゴルフクラブ情報に基づき、時刻tにおけるセンサーユニットの加速度ベクトル(3軸加速度データ)を、グローバル座標系での時刻tにおけるヘッドの加速度ベクトルa(t)へと変換する(S242)。
次に、曲率算出部2151は、加速度ベクトルa(t)を時間積分することにより、グローバル座標系での時刻tにおけるヘッドの速度ベクトルv(t)を算出する(S243)。
次に、曲率算出部2151は、速度ベクトルv(t)を時間積分することにより、グローバル座標系での時刻tにおけるヘッドの位置ベクトルx(t)を算出する(S244)。
次に、曲率算出部2151は、速度ベクトルv(t)及び加速度ベクトルa(t)に基づき、グローバル座標系での時刻tにおけるヘッド(所定部位の一例)の軌跡の曲率半径ρ(t)を算出する(S245)。ここで、曲率半径ρ(t)は、以下の式により求まる
。
。
次に、曲率算出部2151は、速度ベクトルv(t)及び加速度ベクトルa(t)に基づき、時刻tにおいてヘッドの位置から曲率中心の位置へ向かう単位ベクトルe2(t)を算出する(S246)。この単位ベクトルe2(t)は、以下の式により求まる。
次に、曲率算出部2151は、スイング中に計測された全ての計測データについての処理が終了するまで(S248にてYとなるまで)、時刻変数tをt+Δtに更新しながら(S249)、ステップS242〜S247の処理を繰り返す。
そして、曲率算出部2151は、全ての計測データについてステップS242〜S247の処理が終した場合(S248のY)に、フローを終了する。
以上のフローの結果、曲率算出部2151は、各時刻tにおけるヘッドの位置ベクトルx(t)と、各時刻tにおける曲率中心の位置ベクトルO(t)と、曲率半径ρ(t)とを算出する。
なお、図10のフローチャートにおいては、可能な範囲で幾つかのステップの順番を変更又は省略することも可能である。
1−3−5.プレーンベクトル算出処理
図11は、プレーンベクトル算出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析部215が実行する。この際、ゴルフスイング解析部215は、プレーンベクトル算出部2152として機能する。
図11は、プレーンベクトル算出処理の手順の一例を示すフローチャート図である。このフローチャートは、ゴルフスイング解析部215が実行する。この際、ゴルフスイング解析部215は、プレーンベクトル算出部2152として機能する。
図11に示すように、プレーンベクトル算出部2152は、まず、時刻変数tを0に初期化する(S251)。
次に、プレーンベクトル算出部2152は、時刻tにおけるセンサーユニットの角速度ベクトル(x軸角速度データ、y軸角速度データ、z軸角速度データ)のうち、シャフト軸回りの成分(y軸角速度データ)を、ゼロに置換する(S252)。
次に、プレーンベクトル算出部2152は、時刻tにおけるセンサーユニットの姿勢に基づき、置換後の角速度ベクトルを、グローバル座標系での時刻tにおける角速度ベクトルω(t)へ変換する(S253)。
次に、プレーンベクトル算出部2152は、角速度ベクトルω(t)と同じ方向を向いた単位ベクトルを、シャフトプレーンベクトルes(t)として算出する(S254)。シャフトプレーンベクトルes(t)は、es(t)=ω(t)/|ω(t)|の式により求まる。
次に、プレーンベクトル算出部2152は、スイング中に計測された全ての計測データについての処理が終了するまで(S255にてYとなるまで)、時刻変数tをt+Δtに更新しながら(S256)、ステップS252〜S254の処理を繰り返す。
そして、プレーンベクトル算出部2152は、全ての計測データについてステップS252〜S254の処理が終了した場合(S255のY)に、フローを終了する。
以上のフローの結果、プレーンベクトル算出部2152は、各時刻tにおけるシャフトプレーンベクトルes(t)を取得する。各時刻tにおけるシャフトプレーンベクトルes(t)は、スイングにおけるシャフトプレーンPs(t)の姿勢の時間変化を表す。
なお、図11のフローチャートにおいては、可能な範囲で幾つかのステップの順番を変更又は省略することも可能である。例えば、ステップS252を省略してもよい。
また、ここでは、プレーンベクトル算出部2152がプレーンベクトルとしてシャフトプレーンベクトルes(t)を算出したが、その代わりに又はそれに加えて、ヘッドプレーンベクトルeh(t)を算出してもよい。
時刻tにおけるヘッドプレーンベクトルe3(t)は、簡単には、時刻tにおけるヘッドの軌跡の接線方向の単位ベクトルe1(t)と、時刻tにおけるヘッドから曲率中心(位置ベクトルO(t)で表される。)へ向かう単位ベクトルe2(t)との双方に直交する単位ベクトルとして算出することができる。
また、単位ベクトルe2(t)の算出方法は上述したとおりであり、単位ベクトルe1(t)は、例えば、e1(t)=v(t)/|v(t)|の式によって算出することができる。
1−4.表示画面の例
以下、ステップS30において表示部25に表示される画像の例を説明する。本実施形態における表示部25の表示モードには、以下の3つのモードがあると仮定する。
以下、ステップS30において表示部25に表示される画像の例を説明する。本実施形態における表示部25の表示モードには、以下の3つのモードがあると仮定する。
(1)曲率中心の位置の時間変化を表示する曲率中心表示モード。
(2)シャフトプレーンベクトル又はヘッドプレーンベクトルの時間変化を表示するベクトル表示モード。
(3)曲率半径のグラフを表示するグラフ表示モード。
以下、これら3つの表示モードを順に説明する。因みに、表示モードの切り替えは、例えば、操作部23を介してユーザーが所定の操作(表示モードの切り替えのための操作)をした場合に行われる。
1−4−1.曲率中心表示モード
図12、図13は、曲率中心表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説
明する図である。
図12、図13は、曲率中心表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説
明する図である。
図12は、右打ちのユーザーの或るスイングについての曲率中心を正面から見た様子であり、図13は、同じスイングについての曲率中心を鉛直上方向から見た様子である。つまり、図13と図12と間の相違は、視点である。視点の切り替えは、例えば、操作部23を介してユーザーが所定の操作(視点切り替えのための操作)をした場合に行われる。
図12、図13に示すとおり、曲率中心表示モードでは、スイングの各時刻における曲率中心の位置のイメージ(曲率中心の軌跡のイメージ)と、スイングの各時刻におけるヘッドの位置のイメージ(ヘッドの軌跡のイメージ)とが表示される。
また、曲率中心表示モードでは、曲率中心の位置のデータとヘッドの位置のデータとを区別するために、両者は互いに異なる態様で表現される。図12、図13の例では、曲率中心の位置のデータは太線(大きなドット)で表現され、ヘッドの位置のデータは細線(小さなドット)で表現されている。
ここで、図12、図13に示すとおり、曲率中心の位置は、ヘッドの位置と比較して小さなエリア内に密集しているものの、そのエリアはある程度の大きさを有する。
なぜなら、各時刻のヘッドの軌跡(図4のQ(t))は、共通の円弧に載っているとは限らないし、共通の平面に載っているとも限らないからである。
しかし、逆に言えば、曲率中心の位置が1点に集中していたならば、各時刻におけるヘッドの軌跡(図4のQ(t))が共通の円弧に載っていた可能性が高いと推測することが可能である。この場合は、ヘッドの運動がシンプルな円運動に近かった、つまり、スイングが効率的であった、と推測することができる。
従って、ユーザーは、例えば、曲率中心表示モードの表示内容から、曲率中心の位置の分布を確認し、当該分布の範囲が小さかった場合に、スイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
ところで、ユーザーがスイングを評価する際には、曲率中心などのデータをスイングの全体に亘って把握するよりも、スイング中の特定の期間に限定して把握する方が有効となる可能性がある。例えば、同じスイングの中でも、弾道への寄与度が高いのは、バックスイングよりもダウンスイングである。さらに、同じダウンスイングの中でもナチュラルアンコックの近辺(ナチュラルアンコックの前後)は、スイングの効率性を考える上で重要と考えられる。
そこで、図12、図13に示すとおり、曲率中心表示モードでは、スイングについて計測されたデータのうち、ダウンスイングの期間(トップからインパクトまでの期間)に計測されたもののみに表示対象が制限される。
また、曲率中心表示モードでは、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとを区別するために、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとは、互いに異なる態様で表現される。図12、図13の例では、ナチュラルアンコック前のデータは点線で表現され、ナチュラルアンコック後のデータは実線で表現されている。また、ナチュラルアンコックに対応するデータには、符号「NU」が付与されている。
従って、ユーザーは、例えば、曲率中心表示モードの表示内容から、ナチュラルアンコ
ック後における曲率中心の分布を確認し、当該分布の範囲が小さかった場合に、ナチュラルアンコック後のスイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
ック後における曲率中心の分布を確認し、当該分布の範囲が小さかった場合に、ナチュラルアンコック後のスイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
なお、図12、図13に示す例では、互いに異なる期間のデータを線種により区別したが、線色により区別してもよい。
また、図12、図13の例では、曲率中心又はヘッドの位置の時間変化を表示するために、各時刻における曲率中心又はヘッドの位置を一括して表示したが、曲率中心又はヘッドの位置の時間変化をアニメーションとして表示してもよい。このアニメーションは、例えば、各時刻における曲率中心又はヘッドの位置にマークが時刻順にプロットされるようなアニメーションである。
1−4−2.ベクトル表示モード
図14、図15は、ベクトル表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説明する図である。ここでは、プレーンベクトルとしてシャフトプレーンベクトル(図5のes)が表示される場合を説明する。
図14、図15は、ベクトル表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説明する図である。ここでは、プレーンベクトルとしてシャフトプレーンベクトル(図5のes)が表示される場合を説明する。
図14は、右打ちのユーザーの或るスイングについてのシャフトプレーンベクトルを正面から見た様子であり、図15は、同じスイングについてのシャフトプレーンベクトルを右後方から見た様子である。つまり、図14、図15の相違は、視点である。視点の切り替えは、例えば、操作部23を介してユーザーが所定の操作(視点切り替えのための操作)をした場合に行われる。
図14、図15に示すとおり、ベクトル表示モードでは、スイングの各時刻におけるシャフトプレーンベクトルのイメージと、スイングの各時刻におけるヘッドの位置のイメージ(ヘッドの軌跡のイメージ)とが表示される。
また、ベクトル表示モードの表示画面において、個々のシャフトプレーンベクトルの長さは、適切な長さに揃えられており、個々のシャフトプレーンベクトルの始点の位置は、当該シャフトプレーンベクトルの計測時刻におけるヘッドの位置に一致している。従って、ユーザーは、ヘッドの位置とシャフトプレーンベクトルとの対応関係を、視覚的に把握することができる。
ここで、各時刻のシャフトプレーンベクトルは、少しずつ異なる方向を向く可能性がある。
なぜなら、各時刻のシャフトプレーン(図5のPs(t))は、共通の平面であるとは限らないし、互いに平行な平面であるとも限らないからである。
しかし、逆に言えば、各時刻のシャフトプレーンベクトルが全て同じ方向を向いていたならば、各時刻のシャフトプレーン(図5のPs(t))が少なくとも互いに平行であったと推測することが可能である。この場合は、シャフトの運動がシンプルな円運動に近かった、つまりスイングが効率的であった、とみなすことができる。
従って、ユーザーは、例えば、ベクトル表示モードの表示内容から、シャフトプレーンベクトルの方向のばらつきを確認し、当該ばらつきが小さかった場合に、スイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
また、ユーザーがスイングを評価する際には、シャフトプレーンベクトルなどのデータをスイングの全体に亘って把握するよりも、スイング中の特定の期間に限定して把握する
方が有効となる可能性がある。例えば、同じスイングの中でも、弾道への寄与度が高いのは、バックスイングよりもダウンスイングである。さらに、同じダウンスイングの中でもナチュラルアンコックの近辺(ナチュラルアンコックの前後)は、スイングの効率性を考える上で重要と考えられる。
方が有効となる可能性がある。例えば、同じスイングの中でも、弾道への寄与度が高いのは、バックスイングよりもダウンスイングである。さらに、同じダウンスイングの中でもナチュラルアンコックの近辺(ナチュラルアンコックの前後)は、スイングの効率性を考える上で重要と考えられる。
そこで、ベクトル表示モードでは、スイングについて計測されたデータのうち、ダウンスイングの期間(トップからインパクトまでの期間)に計測されたもののみに表示対象が制限される。
また、ベクトル表示モードでは、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとを区別するために、ナチュラルアンコックに対応するデータには、符号「NU」が付与されている。
従って、ユーザーは、例えば、ベクトル表示モードの表示内容から、ナチュラルアンコック後におけるシャフトプレーンベクトルのばらつきを確認し、当該ばらつきが小さかった場合に、ナチュラルアンコック後のスイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
なお、以上の説明では、表示対象となるベクトルをシャフトプレーンベクトル(図5のes)としたが、ヘッドプレーンベクトル(図4のe3)とすることもできる。ヘッドプレーンベクトルもシャフトプレーンベクトルと同様に、図14、図15のごとく表示することができる。その場合、ユーザーは、例えば、表示内容からヘッドプレーンベクトルの方向のばらつきを確認し、当該ばらつきが小さかった場合に、スイングに一定の効率性があった(各時刻のヘッドプレーンPh(t)が平行に近かった)という評価をすることができる。
また、図14、図15の例では、互いに異なる期間のデータを線種や線色などによって区別してもよい。例えば、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとを線種や線色などによって区別してもよい。
また、図14、図15の例では、プレーンベクトルの時間変化を表示するために、各時刻のプレーンベクトルを一括して表示したが、プレーンベクトルの時間変化をアニメーションとして表示してもよい。このアニメーションは、例えば、各時刻のプレーンベクトルが時刻順に表示されるようなアニメーションである。
1−4−3.グラフ表示モード
図16は、グラフ表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説明する図である。
図16は、グラフ表示モードにおいて表示部25に表示される画像の例を説明する図である。
図16における横軸は、スイング中の時刻を表す軸であり、縦軸は、曲率半径の値を表す軸である。図16に示すとおりグラフ表示モードでは、スイングの各時刻における曲率半径の値がグラフ上にプロットされる。つまり、グラフ表示モードでは、曲率半径の時間変化カーブがグラフ上に描画される。従って、ユーザーは、時刻と曲率半径との関係を、視覚的に把握することができる。
ここで、このようなグラフ表示モードの表示内容は、曲率中心の時間変化それ自体を表すものではないが、曲率中心の時間変化が反映されていると考えられる。
従って、ユーザーは、例えば、グラフ表示モードの表示内容から、曲率半径の変化の勾配を確認し、勾配が一定に近かった場合に、スイングに一定の効率性があったという評価
をすることができる。
をすることができる。
ところで、ユーザーがスイングを評価する際には、曲率半径のデータをスイングの全体に亘って把握するよりも、スイング中の特定の期間に限定して把握する方が有効となる可能性がある。例えば、同じスイングの中でも、弾道への寄与度が高いのは、バックスイングよりもダウンスイングである。さらに、同じダウンスイングの中でもナチュラルアンコックの近辺(ナチュラルアンコックの前後)は、スイングの効率性を考える上で重要と考えられる。
そこで、グラフ表示モードでは、スイングについて計測されたデータのうち、ダウンスイングの期間(トップからインパクトまでの期間)に計測されたもののみに表示対象が制限される。
また、グラフ表示モードでは、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとを区別するために、ナチュラルアンコックの時刻には、符号「NU」が付与されている。
従って、ユーザーは、例えば、グラフ表示モードの表示内容から、ナチュラルアンコック後における曲率半径の変化の勾配を確認し、当該勾配が一定に近かった場合に、ナチュラルアンコック後のスイングに一定の効率性があったという評価をすることができる。
なお、図16の例では、互いに異なる期間のデータを線種や線色などによって区別してもよい。例えば、ナチュラルアンコック前のデータとナチュラルアンコック後のデータとを線種や線色などによって区別してもよい。
また、図16の例では、曲率半径の時間変化を表示するために、各時刻の曲率半径の値を一括して表示したが、曲率半径の時間変化をアニメーションとして表示してもよい。このアニメーションは、例えば、各時刻における曲率半径の値が時刻順にプロットされるようなアニメーションである。
1−5.平滑化処理
以下、曲率中心算出処理(図10を参照。)に適用される平滑化処理について説明する。
以下、曲率中心算出処理(図10を参照。)に適用される平滑化処理について説明する。
上述したとおり、曲率中心算出処理は、計測データ(加速度データ、角速度データ)に対する積分処理(ステップS243、S244を参照。)を要するため、計測データに含まれる誤差が曲率中心算出処理の結果(例えば曲率中心の算出結果)に大きく影響する虞がある。
よって、曲率中心算出処理では、曲率中心を算出する前の何れかの段階において、当該計測データに対して平滑化処理が施されることが望ましい。平滑化処理は、運動解析部215によって実行される。この際、ゴルフスイング解析部215は、平滑化部2153として機能する。
平滑化処理のステップが挿入されるタイミングは、少なくとも積分処理よりも前の段階である。例えば、図10のステップS242とステップS243との間などである。
この場合、平滑化処理の対象は、グローバル座標系で表された加速度ベクトル(X軸加速度データ、Y軸加速度データ、Z軸加速度データ)となる。
また、平滑化処理の種類としては、ノイズ低減効果のある公知の何れかの平滑化処理、例えば、加算平均処理、スプライン平滑化処理などを適用することが可能である。
また、平滑化処理の手法としては、例えば、ディジタル領域における平滑化処理(ディジタルフィルタ処理)を適用することが可能である。
以下、3通りのスイングの各々に対する平滑化処理の効果を具体的に説明する。
図17(A)は、第1のスイング(パッティングショット)で計測された加速度データの例であり、図17(B)は、第2のスイング(パッティングショット)で計測された加速度データの例であり、図17(C)は、第3のスイング(フルショット)で計測された加速度データの例である。図17(A)、図17(B)、図17(C)において、「フィルタなし」と表記したデータが平滑化処理前のデータであり、「フィルタあり」と表記したデータが平滑化処理後のデータである。第1のスイング、第2のスイング、第3のスイングは、例えば、同一ユーザーによる異なるスイングである。
図17(A)、図17(B)に示したパッティングショットは、図17(C)に示したフルショットと比較するとスイングが低速であるため、加速度データの信号値が小さく、ノイズの影響を受けやすい。このため、パッティングショットの加速度データ(図17(A)、図17(B))に重畳されていたノイズは、平滑化処理(フィルタ)によって大幅に軽減されている。
一方、図17(C)に示すしたフルショットは、図17(A)、図17(B)に示したパッティングショットと比較するとスイングが高速であるため、加速度データの信号値が大きく、ノイズの影響を受けにくい。よって、フルショットの加速度データは、平滑化処理(フィルタ)の前後で顕著な差異が無い。
以下、平滑化処理(フィルタ)が計測の結果に与える効果をスイングごとに説明する。
図18は、第1のスイング(パッティングショット)で計測された曲率中心を示す図である。
図18(1)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの正面から見た様子である。
図18(2)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの正面から見た様子である。
図18(3)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの右側から見た様子である。
図18(4)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの右側から見た様子である。
図18(1),図18(3)と、図18(2),図18(4)とを比較すると明らかなとおり、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心(図18(1),図18(3))には、データの不自然な飛び(不連続性)が発生しているのに対して、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心(図18(2),図18(4))には、データの不自然な飛び(不連続性)が発生していないのがわかる。
従って、少なくとも第1のスイング(パッティングショット)については、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データよりも、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データの方が、ユーザーの実際の曲率中心を正確に表すことができると考えられる。
図19は、第2のスイング(パッティングショット)について算出された曲率中心を示す図である。
図19(1)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの正面から見た様子である。
図19(2)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの正面から見た様子である。
図19(3)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの右側から見た様子である。
図19(4)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心をユーザーの右側から見た様子である。
図19(1),図19(3)と、図19(2),図19(4)とを比較すると明らかなとおり、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心(図19(1),図19(3))には、データの不自然な飛び(不連続性)が発生しているのに対して、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心(図19(2),図19(4))には、データの不自然な飛び(不連続性)が発生していないのがわかる。
従って、少なくとも第2のスイング(パッティングショット)については、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データよりも、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データの方が、ユーザーの実際の曲率中心を正確に表すことができると考えられる。
図20は、第3のスイング(フルショット)について算出された曲率中心等(曲率中心、ヘッドの位置など)を示す図である。
図20(1)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心等をユーザーの正面から見た様子である。
図20(2)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心等をユーザーの正面から見た様子である。
図20(3)は、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心等をユーザーの右側から見た様子である。
図20(4)は、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心等をユーザーの右側から見た様子である。
図20(1),図20(3)と、図20(2),図20(4)とを比較すると明らかなとおり、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データから算出された曲率中心等(図20(1),図20(3))には、データの不自然な飛び(不連続性)は発生しておらず、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データから算出された曲率中心等(図20(2)
,図20(4))と大幅な相違は無い。
,図20(4))と大幅な相違は無い。
従って、少なくとも第3のスイング(フルショット)については、平滑化処理前(フィルタなし)の加速度データは、平滑化処理後(フィルタあり)の加速度データと同様、ユーザーの実際の曲率中心等を正確に表すことができると考えられる。
以上の結果、本実施形態における平滑化処理は、一定の条件下において曲率中心を高精度に算出するために有効であることが判明した。具体的には、相対的に高速なスイングであるフルショット(図20)よりも、相対的に低速なスイングであるパッティングショット(図18,図19)について、高い効果を奏することが判明した。
従って、本実施形態におけるゴルフスイング解析部215は、例えば、スイングの速度に応じて平滑化部2153の機能の発現の有無を決定してもよい。例えば、ゴルフスイング解析部215は、スイングにおけるヘッドの速度(v(t))の最大値又は平均値が所定の閾値を超えていた場合には平滑化部2153の機能を発現させ、当該閾値を超えなかった場合には平滑化部2153の機能を発現させないこととしてもよい。
なお、本実施形態では、平滑化処理の対象を、グローバル座標系における加速度ベクトル(X軸加速度データ、Y軸加速度データ、Z軸加速度データ)としたが、センサー座標系における加速度ベクトル(x軸加速度データ、y軸加速度データ、z軸加速度データ)としてもよい。その場合、平滑化処理のステップは、ステップS242の前段などへ挿入される。
また、本実施形態では、計測データに含まれる加速度ベクトル(加速度データ)を平滑化処理の対象としたが、計測データに含まれる加速度ベクトル(加速度データ)及び角速度ベクトル(角速度データ)の少なくとも一方を平滑化処理の対象としてもよい。
2.実施形態の補足
なお、上記の実施形態のゴルフスイング解析装置20には、表示部25の表示モードとして「曲率中心表示モード」、「ベクトル表示モード」、「グラフ表示モード」の3つの表示モードが搭載されたが、少なくとも何れか1つの表示モードが省略されてもよいし、互いに異なる表示モードで表示された2以上のデータを一緒に表示する別の表示モードが搭載されてもよい。
なお、上記の実施形態のゴルフスイング解析装置20には、表示部25の表示モードとして「曲率中心表示モード」、「ベクトル表示モード」、「グラフ表示モード」の3つの表示モードが搭載されたが、少なくとも何れか1つの表示モードが省略されてもよいし、互いに異なる表示モードで表示された2以上のデータを一緒に表示する別の表示モードが搭載されてもよい。
また、上記の実施形態における運動解析部215は、曲率中心又は曲率半径の計測対象となる所定部位を、ゴルフクラブのヘッドとしたが、ゴルフクラブの他の部位(ゴルフクラブの重心、センサーユニットの装着部位、シャフト、グリップ、グリップエンドなど)としてもよいし、ユーザーの身体の部位(手首など)としてもよい。
また、上記の実施形態における運動解析部215は、プレーンベクトルの計測対象となる所定部位を、ゴルフクラブのシャフト又はヘッドとしたが、ゴルフクラブの他の部位(ゴルフクラブの重心、センサーユニットの装着部位、グリップ、グリップエンドなど)としてもよいし、ユーザーの身体の部位(手首など)としてもよい。
また、上記の実施形態における運動解析部215は、運動に関する指標(軌跡の曲率中心、軌跡の曲率半径、軌跡の属する面の法線ベクトル)の時間変化を算出・表示したが、時間変化の代わりに又は時間変化に加えて、指標のばらつきを算出・表示してもよい。「指標のばらつき」とは、例えば、指標の時間変化した範囲、指標の時間変化した範囲の大きさ、指標の標準偏差、2つの時刻間(例えば、ナチュラルアンコック前後)における指標の差分などである。
また、上記の実施形態における運動解析部215は、軌跡の属する平面(ヘッドプレーンベクトル又はシャフトプレーンベクトル。以下「スイングプレーン」という。)の法線ベクトルの時間変化又はばらつきを算出・表示したが、その代わりに又はそれに加えて、スイングプレーンそれ自体の時間変化又はばらつきを算出・表示してもよい。因みに、スイングプレーンそれ自体は、当該スイングプレーンに属する少なくとも1点の位置ベクトル(例えばヘッドの位置ベクトルなど)と、当該スイングプレーンの法線ベクトルとによって特定することができる。
また、上記の実施形態のゴルフスイング解析システム1では、センサーユニット10の装着先をゴルフクラブのグリップ部分としたが、ゴルフクラブの他の部位でもよいし、ユーザーの身体の何れかの部位(手首、腕など)であってもよい。センサーユニット10の装着先さえ既知であるならば、ゴルフスイング解析装置20はセンサーユニット10の計測データをユーザー又はゴルフクラブの任意の部位のデータへ換算することができる。
また、上記の本実施形態における処理部21は、運動に関する指標として、ヘッドの位置の時間変化、曲率半径の時間変化、曲率中心の時間変化、シャフトプレーンベクトルの時間変化、ヘッドプレーンベクトルの時間変化を算出・表示したが、少なくとも1つの指標の算出を省略してもよいし、少なくとも1つの指標の表示を省略してもよい。また、本実施形態における処理部21は、算出すべき指標と表示すべき指標との少なくとも一方をユーザーに指定させ、指定された指標のみを算出又は表示してもよい。
3.実施形態の作用効果
(1)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20は、ゴルフスイングの所定のタイミング(ゴルフスイング中の少なくとも1つのタイミング)におけるユーザー又は運動具(ゴルフクラブ3)の所定部位(ヘッド、シャフトなど)の運動に関する指標として、所定のタイミングにおける所定部位の軌跡(部分円弧Q、部分円盤S)の曲率中心(曲率中心の位置ベクトルO(t))と、軌跡の曲率半径(曲率半径ρ(t))と、軌跡の属する平面の法線ベクトル(シャフトプレーンベクトルes(t),ヘッドプレーンベクトルeh(t)など)とのうち少なくとも1つを、慣性センサー(センサーユニット10、加速度センサー12、角速度センサー14)の出力信号(計測データ、加速度データ、角速度データ)を用いて算出する算出部(処理部21、運動解析部215、曲率算出部2151、プレーンベクトル算出部2152)を含む。
(1)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20は、ゴルフスイングの所定のタイミング(ゴルフスイング中の少なくとも1つのタイミング)におけるユーザー又は運動具(ゴルフクラブ3)の所定部位(ヘッド、シャフトなど)の運動に関する指標として、所定のタイミングにおける所定部位の軌跡(部分円弧Q、部分円盤S)の曲率中心(曲率中心の位置ベクトルO(t))と、軌跡の曲率半径(曲率半径ρ(t))と、軌跡の属する平面の法線ベクトル(シャフトプレーンベクトルes(t),ヘッドプレーンベクトルeh(t)など)とのうち少なくとも1つを、慣性センサー(センサーユニット10、加速度センサー12、角速度センサー14)の出力信号(計測データ、加速度データ、角速度データ)を用いて算出する算出部(処理部21、運動解析部215、曲率算出部2151、プレーンベクトル算出部2152)を含む。
ユーザーが効率的なスイングを目指すためには、運動具に加えた力を運動具が回転する力へと無駄なく伝達させるべきと考えられる。本実施形態の算出部は、少なくとも1つのタイミング(タイミングを含む微小期間)における所定部位の軌跡の曲率中心と、軌跡の曲率半径と、軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを指標として算出する。このうち、曲率中心は、軌跡の中心の位置を示し、曲率半径は、所定部位から軌跡の中心までの距離を示し、法線ベクトルは、軌跡の属する平面の法線方向を示す。このような指標は、軌跡それ自体よりも所定部位の運動を的確に表すと考えられる。従って、例えばユーザーは、自己のゴルフスイングの特徴を、指標に基づき客観的に評価することができる。
(2)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20において、算出部は、慣性センサーの出力信号が示す加速度ベクトル及び速度ベクトルに基づき、曲率中心と曲率半径とのうち少なくとも一方を算出する。
このように、曲率中心又は曲率半径の算出に慣性センサーの出力信号を用いれば、ゴルフスイングの映像を用いる場合などと比較して、算出に要する演算量を抑えることができ
る(式(4)、(5)などを参照。)。
る(式(4)、(5)などを参照。)。
(3)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20において、算出部は、慣性センサーの出力信号が示す角速度ベクトルに基づき、法線ベクトルを算出する。
このように、法線ベクトルの算出に慣性センサーの出力信号を用いれば、ゴルフスイングの映像を用いる場合と比較して、算出に要する演算量を抑えることができる(図11などを参照。)。
(4)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20において、算出部は、指標のスイングにおける時間変化又はばらつき(図12〜図16を参照。)を算出する。
従って、ユーザーは、ゴルフスイングにおける運動の変化を定量的に把握することができる。
(5)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20において、算出部は、ナチュラルアンコックのタイミング(図12、図13、図16における符号NU)を含む期間について時間変化又はばらつきを算出する。
従って、ユーザーは、ナチュラルアンコックの前後における運動の変化を定量的に把握することができる。
(6)本実施形態に係るゴルフスイング解析装置20は、出力信号(計測データ、加速度データ、角速度データ)に対して平滑化処理を施す平滑化部(平滑化部2153)を更に含む。
ここで、指標を算出する際には、慣性センサーの出力信号を積分する必要が生じ得る。このような場合、慣性センサーの出力信号の誤差が、指標の算出精度を著しく悪化させる可能性がある。よって、平滑化部が出力信号に対して平滑化処理を施せば、指標の算出精度の悪化を防ぐことができると考えられる。特に、所定部位(ヘッド、シャフトなど)の運動が急峻であるとき(図20を参照。)よりも、所定部位(ヘッド、シャフトなど)の運動が緩やかであるとき(図18、図19を参照。)の方が効果は高いと考えられる。
4.その他の変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上記の実施形態では、処理部21は、センサーユニットが計測した3軸角速度の合成値として式(1)に示すような二乗和の平方根を用いて、ユーザー2が打球したタイミング(インパクト)を検出しているが、3軸角速度の合成値として、これ以外にも、例えば、3軸角速度の二乗和、3軸角速度の和あるいはその平均値、3軸角速度の積等を用いてもよい。また、3軸角速度の合成値に代えて、3軸加速度の二乗和あるいはその平方根、3軸加速度の和あるいはその平均値、3軸加速度の積等の3軸加速度の合成値を用いてもよい。
また、上記の実施形態では、加速度センサー12と角速度センサー14が、センサーユニット10に内蔵されて一体化されているが、加速度センサー12と角速度センサー14は一体化されていなくてもよい。あるいは、加速度センサー12と角速度センサー14が、センサーユニット10に内蔵されずに、ゴルフクラブ3又はユーザー2に直接装着されてもよい。また、上記の実施形態では、センサーユニット10とゴルフスイング解析装置
20が別体であるが、これらを一体化してゴルフクラブ3又はユーザー2に装着可能にしてもよい。また、ゴルフスイング解析装置20の一部又は全部の機能をセンサーユニット10の側に搭載してもよい。
20が別体であるが、これらを一体化してゴルフクラブ3又はユーザー2に装着可能にしてもよい。また、ゴルフスイング解析装置20の一部又は全部の機能をセンサーユニット10の側に搭載してもよい。
また、上記の実施形態では、ゴルフスイングを解析するゴルフスイング解析システム(ゴルフスイング解析装置)を例に挙げたが、本発明は、テニスや野球などの様々な運動において、スイングを解析するスイング解析システムに適用することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 ゴルフスイング解析システム、2 ユーザー、3 ゴルフクラブ、4 ゴルフボール、10 センサーユニット、12 加速度センサー、14 角速度センサー、16 信号処理部、18 通信部、20 ゴルフスイング解析装置、21 処理部、22 通信部、23 操作部、24 記憶部、25 表示部、26 音出力部、210 データ取得部、215 運動解析部、216 画像データ生成部、217 記憶処理部、218 表示処理部、219 音出力処理部、240 運動解析プログラム、242 ゴルフクラブ情報、246 センサー装着位置情報
Claims (8)
- ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の前記ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する算出部を含む、
ゴルフスイング解析装置。 - 前記算出部は、
前記慣性センサーの出力信号が示す加速度ベクトル及び速度ベクトルに基づき、前記曲率中心と前記曲率半径とのうち少なくとも一方を算出する、
請求項1に記載のゴルフスイング解析装置。 - 前記算出部は、
前記慣性センサーの出力信号が示す角速度ベクトルに基づき、前記法線ベクトルを算出する、
請求項1又は2に記載のゴルフスイング解析装置。 - 前記算出部は、
前記指標の前記スイングにおける時間変化又はばらつきを算出する、
請求項1〜3の何れか一項に記載のゴルフスイング解析装置。 - 前記出力信号に対して平滑化処理を施す平滑化部を更に含む、
請求項1〜4の何れか一項に記載のゴルフスイング解析装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載のゴルフスイング解析装置と、
前記慣性センサーと、を含む、
ゴルフスイング解析システム。 - ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の前記ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、を含む、
ゴルフスイング解析方法。 - ゴルフスイングの所定のタイミングにおけるユーザー又は運動具の所定部位の運動に関する指標として、前記所定のタイミングにおける前記所定部位の前記ゴルフスイングの軌跡の曲率中心と、前記ゴルフスイングの軌跡の曲率半径と、前記ゴルフスイングの軌跡の属する平面の法線ベクトルとのうち少なくとも1つを、慣性センサーの出力信号を用いて算出する手順、をコンピューターに実行させる、
ゴルフスイング解析プログラム。
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