JP2017028885A - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機及び回転電機の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機の信頼性を向上する。【解決手段】回転電機1は、シャフト10を回転自在に支持する負荷側軸受7及び反負荷側軸受8と、反負荷側軸受8の外周側に配置され、シャフト10の軸方向に沿って延びる穴部21が周方向複数箇所に形成された、反負荷側軸受8を保持する軸受保持部材20と、軸受保持部材20の軸方向における一端部20aが内面6aに固定され、軸受保持部材20の穴部21に充填された複数の柱状突起部14を一体に備えた反負荷側ブラケット6とを有する。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、回転電機及び回転電機の製造方法に関する。
特許文献1には、ハウジングの両端に嵌合された軸受ブラケットと、軸受ブラケットによって両端を軸受を介して支持された回転軸とから構成された回転電機が記載されている。
特開平7−35147号公報(図15)
上記回転電機では、軸受ブラケットの軸受保持部が軸受の外周を覆っている。このため、軸受保持部と軸受の熱膨張係数の差が大きい場合、軸受保持部周辺の温度変化に伴う半径方向の熱膨張差により、軸受保持部内側と軸受外輪との間に微小な空隙が発生する可能性がある。このような空隙の発生は、回転子の偏心による電気特性の低下、振動、騒音、軸受外輪のクリープ現象等の一因となりうる。
そこで、上記空隙の発生を低減するために、鉄製リングを軸受ブラケットの軸受保持部の内側に一体にインサート成形する方法が行われている。しかしながら、この場合にも軸受保持部が鉄製リングの外周を覆う構成となることから、軸受保持部と鉄製リングの半径方向の熱膨張差により鉄製リングの内径が変化し、鉄製リング内側と軸受外輪との間に空隙が発生しうる。このため、回転電機の信頼性の低下を招く可能性があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、信頼性を向上できる回転電機及び回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、シャフトを回転自在に支持する軸受と、前記軸受の外周側に配置され、前記シャフトの軸方向に沿って延びる穴部が周方向複数箇所に形成された、前記軸受を保持する軸受保持部材と、前記軸受保持部材の前記軸方向における一端部が内面に固定され、前記軸受保持部材の前記穴部に充填された複数の柱状突起部を一体に備えたブラケットと、を有する回転電機が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、上記回転電機の製造方法であって、前記軸受保持部材をインサート部品として前記ブラケットを鋳造により一体成形することを有する回転電機の製造方法が適用される。
本発明によれば、回転電機の信頼性を向上できる。
実施形態に係る回転電機の全体構造の一例を表す軸方向断面図である。 軸受保持部材の構造の一例を表す斜視図である。 反負荷側軸受の保持構造の一例を表す、軸受保持部材の周辺部の拡大断面図である。 比較例の回転電機の全体構造の一例を表す軸方向断面図である。 軸受保持部材で直接軸受を保持する変形例における回転電機の全体構造の一例を表す軸方向断面図である。 軸受保持部材のブラケットとは反対側の端面にのみ円環溝を設けた変形例における軸受保持部材の周辺部の拡大断面図である。 ピン部材を反負荷側ブラケットと摺動部材の間に設ける変形例における軸受保持部材の周辺部の拡大断面図である。
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下において、回転電機等の構成の説明の便宜上、上下左右等の方向を適宜使用する場合があるが、回転電機等の各構成の位置関係を限定するものではない。
<1.回転電機の全体構成>
図1を参照しつつ、本実施形態に係る回転電機1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、回転電機1は、電機子である固定子2と、界磁である回転子3とを有する。回転電機1は、モータ又は発電機として使用される。
固定子2は、筒状のフレーム4の内周に設けられる。固定子2は、固定子鉄心11と、複数の電機子巻線12とを備える。固定子鉄心11は環状であり、フレーム4の内周面に配置される。各電機子巻線12は、固定子鉄心11の図示しない複数のティース部にそれぞれ巻回される。回転子3は、シャフト10の外周に設けられ、固定子2の内側に固定子2と径方向に対向するように配置される。回転子3には、例えば複数の永久磁石(図示省略)が設けられる。
また回転電機1は、負荷側ブラケット5と、反負荷側ブラケット6と、負荷側軸受7と、反負荷側軸受8と、軸受保持部材20と、摺動部材30とを有する。回転電機1は、軸受保持部材20と反負荷側軸受8との間に摺動部材30を設けた、いわゆる二重ハウジング構造を有する。
負荷側ブラケット5(ブラケットの一例に相当)は、フレーム4の負荷側(図1中右側)に設けられ、反負荷側ブラケット6(ブラケットの一例)は、フレーム4の反負荷側(図1中左側)に設けられる。負荷側軸受7(軸受の一例)及び反負荷側軸受8(軸受の一例)は、シャフト10を回転自在に支持する。
なお、本明細書において「負荷側」とは回転電機1に対して負荷が取り付けられる方向、すなわちこの例では図1中右側を指し、「反負荷側」とは負荷側の反対方向、すなわちこの例では図1中左側を指す。
負荷側軸受7は、その外輪が負荷側ブラケット5に嵌合されることで、負荷側ブラケット5に固定される。反負荷側軸受8は、その外輪が摺動部材30に嵌合されており、当該摺動部材30と共に、反負荷側ブラケット6及び軸受保持部材20に対して軸方向に移動可能に設けられる。負荷側ブラケット5及び反負荷側ブラケット6は、例えばアルミを主成分とするアルミ合金で形成される。負荷側軸受7及び反負荷側軸受8は、例えば鉄を主成分とする鉄合金で形成される。
<2.反負荷側軸受の保持構造>
次に、図2及び図3を参照しつつ、反負荷側軸受8の保持構造の一例について説明する。
図2に示すように、軸受保持部材20は、略円筒体であり、反負荷側軸受8の外周側に配置される。軸受保持部材20は、例えば鉄を主成分とする鉄合金で形成される。軸受保持部材20には、シャフト10の軸方向に沿って延びる穴部21が周方向複数箇所(この例では60°の等間隔で6箇所)に形成される。また、軸受保持部材20の負荷側の端面26及び反負荷側の端面27には、それぞれ円環溝22(第1円環溝の一例)及び円環溝23(第2円環溝の一例)が形成される。複数の穴部21は、軸受保持部材20を軸方向に貫通して円環溝22,23に開口し、円環溝22,23により連通される。
図3に示すように、反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の複数の穴部21に充填された複数(この例では60°の等間隔で6つ)の柱状突起部14を一体に備える。柱状突起部14の外面の形状は、穴部21の内面の形状と略同一である。また、反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の円環溝22に充填され、複数の柱状突起部14の先端部を連結する円環部15(第1円環部の一例)を一体に備える。円環部15の外面の形状は、円環溝22の内面の形状と略同一である。また、反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の円環溝23に充填され、複数の柱状突起部14の基端部を連結する円環部16(第2円環部の一例)を一体に備える。円環部16の外面の形状は、円環溝23の内面の形状と略同一である。反負荷側ブラケット6の負荷側の内面6aには、軸受保持部材20の反負荷側の一端部20a(軸方向における一端部の一例)が固定される。
摺動部材30は、負荷側が凹状に開口した略環状体であり、反負荷側の中央部にシャフト10を挿通する穴部31を備える。摺動部材30は、例えば鉄を主成分とする鉄合金で形成される。摺動部材30の内周面30aには、反負荷側軸受8の外輪が固定される。軸受保持部材20は、摺動部材30を介して反負荷側軸受8を保持する。摺動部材30の外周面30bと軸受保持部材20の内周面20bとの間には微小な間隙が形成されており、摺動部材30は軸受保持部材20の内周面20bに対し軸方向に摺動するように構成される。
軸受保持部材20と摺動部材30との間には、ピン部材32が配置されている。ピン部材32は、例えば摺動部材30の外周面30bに立設される。軸受保持部材20の内周面20bには、軸方向に沿った長穴25が形成されており、ピン部材32は長穴25に挿入される。ピン部材32は、軸受保持部材20と摺動部材30の軸方向の摺動を許容し、かつ摺動部材30の周方向の回転を規制する。摺動部材30と反負荷側ブラケット6との間には、摺動部材30を負荷側に向けて与圧する圧縮ばね19が取り付けられる。なお、ピン部材32を軸受保持部材20の内周面20bに立設し、ピン部材32が挿入される長穴25を摺動部材30の外周面30bに設けてもよい。
上記構成である反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20をインサート部品として鋳造により一体成形される。具体的には、図示しない金型内にインサート部品である軸受保持部材20を固定した後、溶融したアルミ合金を注入して軸受保持部材20を溶融合金で包んで固化させることで、軸受保持部材20を一体化した反負荷側ブラケット6が製造される。
<3.比較例の回転電機の全体構成>
次に、本実施形態の効果の理解を容易とするために、図4を参照しつつ、比較例について説明する。図4に示すように、比較例の回転電機1’では、軸受保持部材20’が反負荷側ブラケット6の軸受保持部40の内側にインサート成形されており、反負荷側ブラケット6の軸受保持部40が軸受保持部材20’の外周を覆っている。軸受保持部材20’と摺動部材30との間には微小な間隙が形成されており、摺動部材30は軸受保持部材20’の内周面に対し軸方向に摺動するように構成されている。軸受保持部材20’は、負荷側が凹状に開口した略環状体であり、摺動部材30を介して反負荷側軸受8を保持する。軸受保持部材20’は、例えば鉄を主成分とする鉄合金で形成される。回転電機1’のその他の構成は、本実施形態の回転電機1と同様であるため、説明を省略する。
上記構成である回転電機1’のように、軸受保持部材20’と反負荷側軸受8との間に摺動部材30を設けたいわゆる二重ハウジング構造においては、摺動部材30を適正に摺動させるために、軸受保持部材20’の内周面と摺動部材30の外周面との隙間を適正な値に安定させるのが好ましい。しかしながら、回転電機1’では、反負荷側ブラケット6の軸受保持部40が軸受保持部材20’の外周を覆っていることから、軸受保持部40と軸受保持部材20’の熱膨張係数の違いにより軸受保持部材20’の内径が温度と共に変化し、上記隙間を安定させにくい。特に、二重ハウジング構造の場合には、摺動部材30を配置する分、寸法的に軸受保持部材20’の肉厚を大きくすることが厳しい傾向にあることから、上記熱変形の影響を減少させることが難しい。以上から、回転電機1’が例えば温度上昇が比較的大きい高速モータ等である場合には、反負荷側ブラケット6として、インサート成形ではない一体物のブラケット、例えば鉄合金による鋳物や削り出し等によるブラケットを使用することとなり、低コスト化が難しいという課題がある。
<4.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の回転電機1は、シャフト10を回転自在に支持する負荷側軸受7及び反負荷側軸受8と、反負荷側軸受8の外周側に配置され、シャフト10の軸方向に沿って延びる穴部21が周方向複数箇所に形成された軸受保持部材20と、軸受保持部材20の軸方向における一端部20aが内面6aに固定され、軸受保持部材20の穴部21に充填された複数の柱状突起部14を一体に備えた反負荷側ブラケット6と、反負荷側軸受8の外輪に固定され、軸受保持部材20の内周面20bに対し軸方向に摺動するように構成された摺動部材30とを有する。
本実施形態では、反負荷側軸受8と摺動部材30とが一体となって軸受保持部材20の内周面20bに対し摺動する。これにより、温度変化によるシャフト10の軸方向の伸縮を許容することが可能となり、熱膨張によるシャフト10の曲がりや部品の破損等を防止できる。特に、回転電機1が回転数が大きい高速モータ等の場合には温度上昇が比較的大きくなることから、上記構成が特に有効である。
ここで、回転電機1のように軸受保持部材20と反負荷側軸受8との間に摺動部材30を設けたいわゆる二重ハウジング構造においては、摺動部材30を適正に摺動させるために、軸受保持部材20の内周面20bと摺動部材30の外周面30bとの隙間を適正な値に安定させるのが好ましい。
本実施形態では、反負荷側ブラケット6が一体に備える複数の柱状突起部14が、軸受保持部材20に形成された複数の穴部21に充填されている。これにより、反負荷側ブラケット6で軸受保持部材20の外周を覆う構成とすることなく、軸受保持部材20を反負荷側ブラケット6に固定することができる。その結果、反負荷側ブラケット6と軸受保持部材20との熱膨張係数の違いに起因した、温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を抑制できる。したがって、摺動部材30を適正に摺動させることが可能であり、回転電機1の信頼性を向上できる。
なお、例えば図4に示した比較例の回転電機1’では、前述のように、軸受保持部材20’の内周面と摺動部材30の外周面との隙間を安定させにくいことから、インサート成形ではない一体物のブラケット、例えば鉄合金による鋳物や削り出し等によるブラケットを使用することとなり、低コスト化が難しいという課題がある。
これに対し、本実施形態では、上述のように温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を抑制できることから、二重ハウジング構造を採用した高速モータ等においても、軸受保持部材20をインサートしたインサート成形による反負荷側ブラケット6、例えばアルミダイカストによる反負荷側ブラケット6を使用することが可能となる。したがって、低コストで量産することが可能となる。
また、本実施形態では特に、軸受保持部材20は、軸方向において反負荷側ブラケット6とは反対側の端面26に、複数の穴部21が連通される円環溝22が形成されており、反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の円環溝22に充填され、複数の柱状突起部14の先端部を連結する円環部15を一体に備える。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、反負荷側ブラケット6の複数の柱状突起部14及び円環部15により、軸受保持部材20を径方向に押さえ込んで固定する構造ではなく、軸方向に押さえ込んで固定する構造とすることができる。これにより、温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を低減しつつ、軸受保持部材20の柱状突起部14からの抜け外れを防止することができる。特に、本実施形態のように例えば高速モータ等において二重ハウジング構造とする場合には、摺動部材30との摺動によって軸受保持部材20に軸方向の力が作用することから、上記構成が特に有効である。
また、本実施形態では特に、軸受保持部材20は、軸方向において反負荷側ブラケット6側の端面27に、複数の穴部21が連通される円環溝23が形成されており、反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の円環溝23に充填され、複数の柱状突起部14の基端部を連結する円環部16を一体に備える。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、反負荷側ブラケット6の円環部16と軸受保持部材20の円環溝23との嵌合構造によって、反負荷側ブラケット6により軸受保持部材20を周方向全体に亘って支持することができる。これにより、軸受保持部材20の強度(特に径方向の力に対する強度)を向上できる。
また、本実施形態では特に、軸受保持部材20の複数の穴部21は、周方向に等角度間隔となるように形成されており、反負荷側ブラケット6の複数の柱状突起部14は、周方向に等角度間隔となるように配置されている。これにより、反負荷側ブラケット6の柱状突起部14による軸受保持部材20の支持強度が周方向にアンバランスになるのを防止でき、構造上の信頼性を向上できる。
また、本実施形態では特に、軸受保持部材20と摺動部材30との間に配置され、軸受保持部材20と摺動部材30との軸方向の摺動を許容しつつ摺動部材30の周方向の回転を規制するように構成されたピン部材32を有する。
これにより、軸受保持部材20と摺動部材30との軸方向の摺動を許容しつつ、摺動部材30のクリープ現象を防止することができる。その結果、軸受保持部材20や摺動部材30に破損等が生じるのを防止できるので、回転電機1の信頼性をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、軸受保持部材20は反負荷側軸受8を保持し、摺動部材30は反負荷側軸受8の外輪に固定される。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、反負荷側軸受8と摺動部材30とが一体となって軸受保持部材20の内周面20bに対して摺動する。つまり、反負荷側軸受8はハウジングである反負荷側ブラケット6に対して軸方向位置を相対的に移動させる。これにより、負荷側軸受7についてはハウジングである負荷側ブラケット5に対して軸方向位置を固定させ、そこを基準位置とすることが可能となる。その結果、負荷側の装置等に対して影響を与えることなく、温度変化によるシャフト10の軸方向の伸縮を許容することができる。
また、本実施形態では特に、反負荷側ブラケット6は、アルミを主成分とするアルミ合金製であり、軸受保持部材20は、鉄を主成分とする鉄合金製である。これにより、次の効果を奏する。
一般に、アルミ合金の熱膨張係数は鉄合金の約2倍であり、熱膨張係数の差は比較的大きい。このため、例えば反負荷側ブラケット6の軸受保持部が鉄合金製の反負荷側軸受8の外周を直接覆う構成や、鉄合金製の軸受保持部材20を反負荷側ブラケット6の軸受保持部の内側に一体にインサート成形する構成の場合(前述の図4に示す比較例参照)、反負荷側ブラケット6と反負荷側軸受8(あるいは反負荷側ブラケット6と軸受保持部材20)の熱膨張差により軸受保持部(あるいは軸受保持部材20)の内側と反負荷側軸受8の外輪との間に微小な空隙が発生する可能性があり、回転子3の偏心による電気特性の低下、振動、騒音、軸受外輪のクリープ現象等の一因となりうる。
これに対し、本実施形態では、上述の構成により温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を抑制できることから、アルミ合金製の反負荷側ブラケット6及び鉄合金製の軸受保持部材20を採用した回転電機1においても、上記空隙の発生を抑制でき、回転電機1の信頼性を向上できる。また、アルミダイカストによる反負荷側ブラケット6を使用できることから、低コストで量産することが可能となる。
また、本実施形態の回転電機1の製造方法では、軸受保持部材20をインサート部品として反負荷側ブラケット6を鋳造により一体成形する。具体的には、金型内にインサート部品である軸受保持部材20を固定した後、溶融したアルミ合金を注入して軸受保持部材20を溶融合金で包んで固化させることで、軸受保持部材20を一体化した反負荷側ブラケット6が製造される。これにより、反負荷側ブラケット6をアルミダイカストにより低コストで量産することが可能となる。
<5.変形例等>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(5−1.軸受保持部材で直接軸受を保持する場合)
上記実施形態では、軸受保持部材20が摺動部材30を介して反負荷側軸受8を保持する二重ハウジング構造としたが、摺動部材30を設けずに、軸受保持部材20が直接反負荷側軸受8を保持する構造としてもよい。回転電機が高速モータ等でなく温度上昇がさほど大きくない場合には、本変形例の構造とすることが可能である。本変形例の一例を図5に示す。
図5に示すように、本変形例の回転電機1Aでは、軸受保持部材20の内側に反負荷側軸受8の外輪が固定されており、軸受保持部材20が反負荷側軸受8を直接保持する。回転電機1Aのその他の構成は、上記実施形態の回転電機1と同様であるので説明を省略する。
本変形例では、反負荷側ブラケット6が一体に備える複数の柱状突起部14が、軸受保持部材20に形成された複数の穴部21に充填されている。これにより、反負荷側ブラケット6で軸受保持部材20の外周を覆う構成とすることなく、軸受保持部材20を反負荷側ブラケット6に固定することができる。その結果、反負荷側ブラケット6と軸受保持部材20との熱膨張係数の違いに起因した、温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を抑制できる。したがって、軸受保持部材20の内側と反負荷側軸受8の外輪との間に微小な空隙が発生するのを抑制できるので、回転子3の偏心による電気特性の低下、振動、騒音、反負荷側軸受8の外輪のクリープ現象等の発生を抑制でき、信頼性を向上できる。
なお、本変形例では、軸受保持部材20を反負荷側ブラケット6側に設けた構成としたが、軸受保持部材20を負荷側ブラケット5側に設けた構成としてもよい。さらに、軸受保持部材20を負荷側ブラケット5側及び反負荷側ブラケット6側の両方に設けた構成としてもよい。この場合にも、回転子3の偏心による電気特性の低下、振動、騒音、負荷側軸受7の外輪(又は、負荷側軸受7及び反負荷側軸受8の両方の外輪)のクリープ現象等の発生を抑制でき、信頼性を向上できる。
(5−2.軸受保持部材のブラケットとは反対側にのみ円環溝を設けた場合)
上記実施形態では、軸受保持部材20の軸方向両側の端面26,27に円環溝22,23が形成された構成としたが、いずれか一方の端面のみに円環溝が形成された構成としてもよい。本変形例の一例を図6に示す。図6に示すように、本変形例における軸受保持部材20Aでは、軸方向において反負荷側ブラケット6とは反対側の端面26にのみ、複数の穴部21が連通される円環溝22が形成され、反負荷側ブラケット6側の端面27には円環溝は形成されていない。反負荷側ブラケット6は、軸受保持部材20の複数の穴部21に充填された複数の柱状突起部14と、軸受保持部材20の円環溝22に充填され、複数の柱状突起部14の先端部を連結する円環部15とを一体に備える。
本変形例によっても、反負荷側ブラケット6の複数の柱状突起部14及び円環部15により、軸受保持部材20を軸方向に押さえ込んで固定する構造とすることができる。これにより、温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を低減しつつ、軸受保持部材20の柱状突起部14からの抜け外れを防止することができる。
(5−3.ピン部材を反負荷側ブラケットに設置した場合)
上記実施形態では、ピン部材32を軸受保持部材20と摺動部材30との間に設けた構成としたが、これに限定されるものではない。例えば図7に示すように、反負荷側ブラケット6と摺動部材30との間に設けてもよい。この例では、ピン部材32は反負荷側ブラケット6の内面6aに立設されており、摺動部材30の反負荷側の端面にピン部材32が挿入される軸方向の長穴25が形成されている。これによっても、軸受保持部材20と摺動部材30との軸方向の摺動を許容しつつ、摺動部材30のクリープ現象を防止することができる。
(5−4.その他)
以上では、軸受保持部材20に円環溝を形成した構成としたが、これに限定されるものではなく、軸受保持部材20に軸方向に延びる複数の穴部21のみを形成した構成としてもよい。この場合でも、反負荷側ブラケット6で軸受保持部材20の外周を覆う構成とすることなく、軸受保持部材20を反負荷側ブラケット6に固定することができるので、温度変化による軸受保持部材20の内径の変化を抑制できる。
また、軸受保持部材20の穴部21は、反負荷側ブラケット6側の端面27に開口していればよく、必ずしも反対側の端面26まで貫通していなくてもよい。
また、負荷側ブラケット5及び反負荷側ブラケット6の材質を、アルミ合金以外としてもよい。また、軸受保持部材20の材質も、鉄合金以外としてもよい。
また以上では、回転電機1は、電機子を固定子2とし、界磁を回転子3としたが、電機子を回転子とし、界磁を固定子としてもよい。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 回転電機
1A 回転電機
5 負荷側ブラケット(ブラケットの一例)
6 反負荷側ブラケット(ブラケットの一例)
6a 内面
7 負荷側軸受(軸受の一例)
8 反負荷側軸受(軸受の一例)
10 シャフト
14 柱状突起部
15 円環部(第1円環部の一例)
16 円環部(第2円環部の一例)
20 軸受保持部材
20A 軸受保持部材
20a 一端部
20b 内周面
21 穴部
22 円環溝(第1円環溝の一例)
23 円環溝(第2円環溝の一例)
25 長穴
26 端面
27 端面
30 摺動部材
32 ピン部材

Claims (9)

  1. シャフトを回転自在に支持する軸受と、
    前記軸受の外周側に配置され、前記シャフトの軸方向に沿って延びる穴部が周方向複数箇所に形成された、前記軸受を保持する軸受保持部材と、
    前記軸受保持部材の前記軸方向における一端部が内面に固定され、前記軸受保持部材の前記穴部に充填された複数の柱状突起部を一体に備えたブラケットと、
    を有することを特徴とする回転電機。
  2. 前記軸受保持部材は、
    前記軸方向において前記ブラケットとは反対側の端面に、複数の前記穴部が連通される第1円環溝が形成されており、
    前記ブラケットは、
    前記軸受保持部材の前記第1円環溝に充填され、前記複数の柱状突起部の先端部を連結する第1円環部を一体に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記軸受保持部材は、
    前記軸方向において前記ブラケット側の端面に、複数の前記穴部が連通される第2円環溝が形成されており、
    前記ブラケットは、
    前記軸受保持部材の前記第2円環溝に充填され、前記複数の柱状突起部の基端部を連結する第2円環部を一体に備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記軸受保持部材の複数の前記穴部は、
    前記周方向に等角度間隔となるように形成されており、
    前記ブラケットの前記複数の柱状突起部は、
    前記周方向に等角度間隔となるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記軸受の外輪に固定され、前記軸受保持部材の内周面に対し前記軸方向に摺動するように構成された摺動部材をさらに有し、
    前記軸受保持部材は、
    前記摺動部材を介して前記軸受を保持する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記軸受保持部材又は前記ブラケットと前記摺動部材との間に配置され、前記軸受保持部材と前記摺動部材との前記軸方向の摺動を許容しつつ前記摺動部材の前記周方向の回転を規制するように構成されたピン部材をさらに有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の回転電機。
  7. 前記軸受は、
    前記回転電機に対して負荷が取り付けられる側とは反対側で前記シャフトを支持する反負荷側軸受を含み、
    前記軸受保持部材は、
    前記反負荷側軸受を保持し、
    前記摺動部材は、
    前記反負荷側軸受の外輪に固定される
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の回転電機。
  8. 前記ブラケットは、
    アルミを主成分とするアルミ合金製であり、
    前記軸受保持部材は、
    鉄を主成分とする鉄合金製である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の回転電機の製造方法であって、
    前記軸受保持部材をインサート部品として前記ブラケットを鋳造により一体成形すること
    を有することを特徴とする回転電機の製造方法。
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