JP2017025762A - 圧縮機 - Google Patents

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yong sheng Zhao
永生 趙
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Abstract

【課題】油上がりの増加を抑制する圧縮機を提供する。
【解決手段】スクロール圧縮機100は、クランクシャフト17と、ケーシング10と、ハウジング23と、溶接部29とを備える。クランクシャフト17は、圧縮機構15に回転力を与える。ケーシング10は、クランクシャフト17を収容する。ハウジング23は、クランクシャフト17を軸支する。ハウジング23は、圧接部25と、対向部28とを有する。圧接部25は、ケーシング10に圧接される。対向部28は、圧接部25から離れた位置でケーシング10に対し隙間を介して対向する。溶接部29は、対向部28とケーシング10が溶接されてなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機に関する。
電動機ステータを支持するセンタシェルと、クランク軸の軸受部が形成されたフレームの外周部に設けられたスポット溶接部とが、密着された状態で溶接されたスクロール圧縮機が知られている(特許文献1(特開平06−272677号公報)参照)。
センタシェルとスポット溶接部が密着された状態で溶接されると、センタシェルとスポット溶接部のそれぞれが熱によって変形することによって、センタシェルとフレームの間に隙間が生じる。すなわち、設計段階で意図された潤滑油の通路とは別に、意図されていない通路が形成される。そうすると、圧縮機が動作する場合に、圧縮機の底部に溜められた潤滑油は、意図された通路を想定通りに流れるだけでなく、意図されていない通路を流れる。この場合に、意図されていない通路を流れる潤滑油が、再び圧縮機の底部に戻らずに、吐出管から吐出されることによって、油上がりが増加する恐れがある。
本発明の課題は、油上がりの増加を抑制する圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、回転軸と、ケーシングと、固定部材と、溶接部とを備える。回転軸は、圧縮機構に回転力を与える。ケーシングは、回転軸を収容する。固定部材は、回転軸を軸支する。固定部材は、圧接部と、対向部とを有する。圧接部は、ケーシングに圧接される。対向部は、圧接部から離れた位置でケーシングに対し隙間を介して対向する。溶接部は、対向部とケーシングが溶接されてなる。
本発明の第1観点に係る圧縮機では、対向部とケーシングが溶接される。対向部は、圧接部から離れて位置するので、圧接部とケーシングが溶接される場合に比べて、圧接部近傍が熱により変形し難い。そうすると、圧接部とケーシングの間に隙間が生じ難くなるので、潤滑油の流れの乱れは抑制される。結果として、油上がりの増加を抑制することが期待できる。
本発明の第2観点に係る圧縮機においては、対向部は、圧接部の上方または下方に位置する。
本発明の第2観点に係る圧縮機では、対向部が圧接部の上方または下方に位置するので、圧接部と溶接部とを離間することができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機においては、対向部は、圧接部における、互いに異なる3箇所から延伸する。
本発明の第3観点に係る圧縮機では、対向部が3箇所に形成されているので、必要十分な保持力が期待できる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、補助固定部材をさらに備える。固定部材は、回転軸のうち圧縮機構の側の端部を軸支する。補助固定部材は、回転軸のうち圧縮機構とは反対側の端部を軸支する。補助固定部材は、ケーシングに圧接されることなく、ケーシングに溶接されている。
本発明の第4観点に係る圧縮機では、圧縮機構とは反対側に設けられた補助固定部材とケーシングとは、溶接のみによって固定される。したがって、固定部材のみに圧接部および対向部を設ければよい。固定部材のみに圧接部および対向部を設けることにより、潤滑油の流れを制御できる。
本発明の第5観点に係る圧縮機においては、対向部の表面が脱炭されている。
本発明の第5観点に係る圧縮機では、対向部の表面が脱炭されているので、溶接強度を向上させることができる。
本発明の第6観点に係る圧縮機においては、固定部材は、ケーシングに圧接される補助圧接部をさらに有する。補助圧接部は、対向部を挟んで圧接部の反対側に配置される。
本発明の第6観点に係る圧縮機では、圧接部に加えて、補助圧接部がさらに配置される。したがって、保持力をさらに向上させることができる。
本発明に係る圧縮機では、潤滑油の流れの乱れが抑制されるので、油上がりの増加を抑制することが期待できる。
圧縮機の一例としてのスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1の領域Aの拡大図である。 溶接部を説明する図である。 変形例Aに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。 変形例Bに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。 変形例Cに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。
本発明の実施形態を以下に示す。なお、以下の実施形態は、具体例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
<第1実施形態>
図1は、圧縮機の一例としてのスクロール圧縮機100の縦断面図である。スクロール圧縮機100は、空気調和装置等の冷凍装置に用いられる。スクロール圧縮機100は、冷凍装置の冷媒回路を循環する冷媒ガスを圧縮する。
(1)スクロール圧縮機の構成
スクロール圧縮機100は、互いに噛み合う渦巻状のラップを有する2つのスクロール部材を用いて冷媒を圧縮する。スクロール圧縮機100は、高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。
スクロール圧縮機100は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、オルダム継手39と、駆動モータ16と、下部軸受60と、クランクシャフト17と、吸入管19と、吐出管20とを備える。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、円筒状の胴部ケーシング部11と、椀状の上壁部12と、椀状の底壁部13とから構成される。上壁部12は、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接されている。底壁部13は、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接されている。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように、設置される。
ケーシング10の内部には、圧縮機構15、ハウジング23、駆動モータ16、およびクランクシャフト17等が収容される。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。
ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の空間である第1高圧空間S1と、ハウジング23の上方の空間である第2高圧空間S2とに区画される。ケーシング10の内部空間は、圧縮冷媒で満たされている高圧の空間である。第1高圧空間S1と第2高圧空間S2は、互いに連通する。
ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり空間10aが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機100の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒ガスを吸引および圧縮して、高温高圧の冷媒ガスである圧縮冷媒を吐出する。圧縮機構15は、主に、固定スクロール24と、可動スクロール26とから構成される。固定スクロール24は、ケーシング10に対して固定される。可動スクロール26は、固定スクロール24に対して公転運動する。
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aに直立して形成された渦巻状の第1ラップ24bとを有する。第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成されている。第1鏡板24aの下面には、吸入通路24cが形成されている。
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aに直立して形成された渦巻状の第2ラップ26bとを有する。第2鏡板26aの下面中央部には、上端軸受26cが形成されている。可動スクロール26の内部には、給油細孔63が形成されている。第2鏡板26aの上面外周部には、油溝26dが形成されている。給油細孔63の一端は後述の油室67に通じ、他端は油溝26dに通じる。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、上端軸受26cの内側の空間とを連通する。
固定スクロール24および可動スクロール26は、第1ラップ24bと第2ラップ26bが噛み合うことにより、圧縮室40を形成する。圧縮室40は、第1鏡板24a、第1ラップ24b、第2鏡板26a、および第2ラップ26bによって囲まれる空間である。圧縮室40の容積は、可動スクロール26の公転運動によって、徐々に減少する。可動スクロール26の公転中に、固定スクロール24の第1鏡板24aおよび第1ラップ24bの下面は、可動スクロール26の第2鏡板26aおよび第2ラップ26bの上面と摺動する。本明細書において、可動スクロール26と摺動する固定スクロール24の面を、スラスト摺動面24dと呼ぶ。
(1−3)ハウジング
ハウジング23は、クランクシャフト17を軸支する固定部材である。ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置される。詳しくは後述するが、ハウジング23の外周面は、胴部ケーシング部11の内周面に気密状に接合されている。ハウジング23は、固定スクロール24を載置し、固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟持する。
ハウジング23の上面には、クランク室S3が凹設されている。ハウジング23には、ハウジング貫通孔27が形成されている。ハウジング貫通孔27は、クランク室S3の底面中央部からハウジング23の下面中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通する。本明細書において、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔27が形成された部分を、上部軸受32という。上部軸受32は、クランクシャフト17のうち圧縮機構15の側の端部(すなわち上端)を軸支する。ハウジング23には、ケーシング10の内面近傍の第1高圧空間S1とクランク室S3とを連通する油戻し通路23aが形成されている。
(1−4)オルダム継手
オルダム継手39は、可動スクロール26とハウジング23との間に設置される環状の部材である。オルダム継手39は、公転している可動スクロール26の自転を防止するための部材である。
(1−5)駆動モータ
駆動モータ16は、ハウジング23の下方に配置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主に、ケーシング10の内面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて配置されるロータ52とから構成される。ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランクシャフト17に連結される。ロータ52は、クランクシャフト17を介して、圧縮機構15に接続されている。
(1−6)下部軸受
下部軸受60は、クランクシャフト17を軸支する補助固定部材である。下部軸受60は、駆動モータ16の下方に配置される。下部軸受60の外周面は、ケーシング10の内面に気密状に接合されている。より詳細には、下部軸受60は、ケーシング10に圧接されることなく、ケーシング10に溶接されている。下部軸受60は、クランクシャフト17のうち圧縮機構15とは反対側の端部(すなわち下端)を軸支する。
(1−7)クランクシャフト
クランクシャフト17は、圧縮機構15に回転力を与える回転軸である。クランクシャフト17は、上部軸受32および下部軸受60によって軸支される。クランクシャフト17は、その軸方向が鉛直方向に沿うように、配置される。
クランクシャフト17は、主に、偏心軸部17a、主軸部17b、バランスウェイト部17c、および副軸部17dを有する。偏心軸部17aは、可動スクロール26の上端軸受26cに収容される。偏心軸部17aが上端軸受26cに嵌入することにより、クランクシャフト17は可動スクロール26に接続されている。偏心軸部17aの軸心は、主軸部17bおよび副軸部17dの軸心に対してわずかに偏心している。主軸部17bは、ハウジング23のハウジング貫通孔27に収容される。バランスウェイト部17cは、主軸部17bに密着して固定される。副軸部17dは、下部軸受60に収容される。
クランクシャフト17は、その軸方向に延びる主給油路61を内部に有する。主給油路61の上端は、油室67と連通する。油室67は、クランクシャフト17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって、形成されている。既に説明したように、油室67は、給油細孔63を介して、油溝26dに連通する。そして、圧縮室40を介して、最終的に第2高圧空間S2に連通する。主給油路61の下端は、油溜まり空間10aに貯留される潤滑油を圧縮機構15に供給するための管である油供給管に接続されている。
クランクシャフト17は、主給油路61から分岐する第1副給油路61a、第2副給油路61b、および第3副給油路61cを有する。第1副給油路61a、第2副給油路61b、および第3副給油路61cはそれぞれ、水平方向に延びる。第1副給油路61aは、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動面に開口している。第2副給油路61bは、クランクシャフト17とハウジング23の上部軸受32との摺動面に開口している。第3副給油路61cは、クランクシャフト17と下部軸受60との摺動面に開口している。
(1−8)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の外部から圧縮機構15へ、冷媒回路の冷媒を導入するための管である。吸入管19は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入される。吸入管19は、第2高圧空間S2を水平方向に貫通する。
(1−9)吐出管
吐出管20は、第1高圧空間S1からケーシング10の外部へ、圧縮冷媒を吐出するための管である。吐出管20は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入される。吐出管20は、第1高圧空間S1を水平方向に貫通する。
(1−10)油戻し部材
油戻し部材55は、第1高圧空間S1の潤滑油を油溜まり空間10aに戻すための部材である。油戻し部材55は、胴部ケーシング部11の内周面に沿って配置される。油戻し部材55は、鉛直方向に延びるように配置される。油戻し部材55の上端は油戻し通路23aに通じ、下端は油溜まり空間10aに通じる。
(1−11)ハウジングとケーシング
図2は、図1の領域Aの拡大図である。ハウジング23は、圧接部25と、対向部28とを有する。圧接部25は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に圧接される。対向部28は、圧接部25から離れた位置で胴部ケーシング部11に対し隙間を介して対向する。より詳細には、対向部28は、圧接部25からクランクシャフト17の軸方向に延伸する。本実施形態においては、対向部28は、圧接部25からクランクシャフト17の上方向に延伸する上方対向部28aと、圧接部25からクランクシャフト17の下方向に延伸する下方対向部28bとを有する。すなわち、上方対向部28aは圧接部25の上方に位置し、下方対向部28bは圧接部25の下方に位置する。本実施形態においては、圧接部25と胴部ケーシング部11がタック溶接されるのではなく、上方対向部28aと胴部ケーシング部11がタック溶接されている。すなわち、上方対向部28aと胴部ケーシング部11がタック溶接された部分である溶接部29は、圧接部25から上方に離れた位置に形成されている。また、上方対向部28aの表面は、脱炭されている。
図3は、溶接部29を説明する図である。図3は、上壁部12、圧縮機構15、および吸入管19を取り除いた状態で、スクロール圧縮機100を上側から見た図である。
本実施形態においては、対向部28は、圧接部25における、互いに異なる3箇所から延伸する。より詳細には、圧接部25の周方向における、互いに異なる3箇所から延伸する。そして、図3に示されるように、溶接部29は、対向部28の数に合わせて、3箇所に形成されている。対向部28が3箇所に形成されているので、胴部ケーシング部11との間で必要十分な保持力が期待できる。
(2)スクロール圧縮機の動作
本実施形態に係るスクロール圧縮機100の動作について説明する。最初に、スクロール圧縮機100を備える冷媒回路を循環する冷媒の流れについて説明する。次に、スクロール圧縮機100内部における潤滑油の流れについて説明する。
(2−1)冷媒の流れ
最初に、駆動モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランクシャフト17が回転する。クランクシャフト17の回転運動は、上端軸受26cを介して可動スクロール26に伝達される。クランクシャフト17の偏心軸部17aの軸心は、クランクシャフト17の回転運動の軸に対して偏心している。可動スクロール26は、オルダム継手39を介してハウジング23に係合されている。これにより、可動スクロール26は、自転することなく、固定スクロール24に対して公転運動する。
圧縮される前の低温低圧の冷媒は、吸入管19から吸入通路24cを経由して、圧縮機構15の圧縮室40に供給される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は容積を徐々に減少させながら固定スクロール24の外周部から中心部に向かって移動する。その結果、圧縮室40の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41から第2高圧空間S2へ吐出される。そして、第2高圧空間S2に連通する第1高圧空間S1から吐出管20に流入して、スクロール圧縮機100の外部に吐出される。
(2−2)潤滑油の流れ
最初に、駆動モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランクシャフト17が回転する。そうすると、クランクシャフト17の遠心ポンプ作用によって、油溜まり空間10aに溜められた潤滑油は、主給油路61に供給される。その後、潤滑油は、主給油路61内を油室67に向かって上昇する。主給油路61を上昇する潤滑油のほとんどは、順に、第3副給油路61c、第2副給油路61bおよび第1副給油路61aに分流する。
第3副給油路61cを流れる潤滑油は、クランクシャフト17と下部軸受60との摺動面を潤滑した後、第1高圧空間S1に供給されて油溜まり空間10aに戻される。第2副給油路61bを流れる潤滑油は、クランクシャフト17とハウジング23の上部軸受32との摺動面を潤滑した後、第1高圧空間S1およびクランク室S3に供給される。第1高圧空間S1に供給された潤滑油は、油溜まり空間10aに戻される。クランク室S3に供給された潤滑油は、ハウジング23の油戻し通路23aを経由して、油戻し部材55を介して、油溜まり空間10aに戻される。第1副給油路61aを流れる潤滑油は、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動面を潤滑した後、クランク室S3に供給される。その後、油戻し部材55を介して、油溜まり空間10aに戻される。
主給油路61内を上端まで上昇して油室67に到達した潤滑油は、給油細孔63を流れて油溝26dに供給される。油溝26dに供給された潤滑油の一部は、スラスト摺動面24dをシールしながら、圧縮室40に漏れ出す。このとき、高温高圧である潤滑油は、圧縮室40に存在する圧縮前の冷媒ガスを加熱する。圧縮室40に流入した潤滑油は、微小な油滴の状態で圧縮冷媒に混入される。圧縮冷媒に混入された潤滑油は、圧縮冷媒と同じ経路を通って、圧縮室40から第2高圧空間S2へ吐出される。その後、潤滑油は、圧縮冷媒と共に下降し、油分離板(不図示)に衝突する。油分離板に付着した潤滑油は、第1高圧空間S1を落下して油溜まり空間10aに戻される。
(3)スクロール圧縮機の特徴
本実施形態のスクロール圧縮機100は、ハウジング23と、溶接部29とを備える。ハウジング23は、圧接部25と、対向部28とを有する。図2に示されるように、圧接部25は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に圧接される。対向部28は、圧接部25から離れた位置でケーシングに対し隙間を介して対向する。そして、溶接部29は、対向部28と胴部ケーシング部11が溶接されてなる。
ここで、仮に、圧接部25と胴部ケーシング部11が溶接されると、圧接部25と胴部ケーシング部11のそれぞれが熱によって変形する。特に、胴部ケーシング部11が比較的大きく変形することによって、圧接部25と胴部ケーシング部11の間に隙間が生じ得る。すなわち、上述した潤滑油の通路とは別に、意図されていない通路が形成され得る。そうすると、スクロール圧縮機100が動作する場合に、スクロール圧縮機100の油溜まり空間10aに溜められた潤滑油は、上述した通路を想定通りに流れるだけでなく、意図されていない通路を流れる。この場合に、意図されていない通路を流れる潤滑油が、スクロール圧縮機100の油溜まり空間10aに戻らずに、吐出管20から吐出されることによって、油上がりが増加する恐れがある。加えて、胴部ケーシング部11が変形することによって、圧接部25の圧入強度が低下する恐れもある。
本実施形態のスクロール圧縮機100においては、対向部28と胴部ケーシング部11が溶接される。対向部28は、圧接部25から離れて位置するので、圧接部25と胴部ケーシング部11が溶接される場合に比べて、圧接部25近傍が熱により変形し難い。そうすると、圧接部25と胴部ケーシング部11の間に隙間が生じ難くなるので、潤滑油の流れの乱れが抑制される。結果として、油上がりの増加を抑制することが期待できる。加えて、対向部28と胴部ケーシング部11が溶接されるので、胴部ケーシング部11の変形が抑制され、結果として、圧接部25の圧入強度の低下を抑制することもできる。
本実施形態のスクロール圧縮機100においては、対向部28は、圧接部からクランクシャフト17の軸方向に突出する。すなわち、対向部28は、圧接部25の上方および下方に位置する。これにより、圧接部25と溶接部29とを離間することができる。
本実施形態のスクロール圧縮機100においては、ハウジング23の上部軸受32がクランクシャフト17のうち圧縮機構15の側の端部を軸支し、下部軸受60が圧縮機構15とは反対側の端部を軸支する。そして、下部軸受60は、胴部ケーシング部11に圧接されることなく、胴部ケーシング部11に溶接されている。下部軸受60と胴部ケーシング部11は、溶接のみによって固定されるので、ハウジング23のみに圧接部25および対向部28を設ければよい。ハウジング23のみに圧接部25および対向部28を設ければ、潤滑油の流れを制御できる。
また、本実施形態のスクロール圧縮機100においては、上方対向部28aの表面が脱炭されている。上方対向部28aの表面が脱炭されているので、溶接強度を向上させることができる。
<変形例>
本発明の実施形態に適用可能な変形例を説明する。
(1)変形例A
以上の説明では、溶接部29の形成位置は、圧接部25の上方であったが、これに限られない。
図4は、変形例Aに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。図4は、変形例Aに係るスクロール圧縮機のうち、図1の領域Aに対応する領域を示す。
図4に示されるように、本変形例においては、下方対向部28bと胴部ケーシング部11がタック溶接されている。すなわち、下方対向部28bと胴部ケーシング部11がタック溶接された部分である溶接部29は、圧接部25から下方に離れた位置に形成されている。また、下方対向部28bの表面は、脱炭されている。
(2)変形例B
以上の説明では、溶接部29の形成箇所は、上方対向部28aおよび下方対向部28bのいずれか一方であったが、これに限られない。
図5は、変形例Bに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。図5は、変形例Bに係るスクロール圧縮機のうち、図1の領域Aに対応する領域を示す。
図5に示されるように、本変形例においては、上方対向部28aと胴部ケーシング部11がタック溶接されており、かつ、下方対向部28bと胴部ケーシング部11がタック溶接されている。すなわち、溶接部29は、圧接部25から上方に離れた位置および下方に離れた位置の両方に形成されている。溶接部29が圧接部25の上下に形成されることにより、溶接部29の形成箇所が増えるので、より強力な保持力が期待できる。また、上方対向部28aおよび下方対向部28bの表面は、脱炭されている。
(3)変形例C
以上の説明では、ハウジング23と胴部ケーシング部11の圧接箇所は、1箇所(すなわち圧接部25のみ)であったが、これに限られない。
図6は、変形例Cに係るスクロール圧縮機の部分拡大図である。図6は、変形例Cに係るスクロール圧縮機のうち、図1の領域Aに対応する領域を示す。
図6に示されるように、本変形例においては、ハウジング23は、補助圧接部35を有する。補助圧接部35は、胴部ケーシング部11に圧接される。補助圧接部35は、対向部28を挟んで圧接部25の反対側に配置される。本変形例においては、補助圧接部35は、下方対向部28bを挟んで圧接部25の反対側に配置される。本変形例においては、圧接部25に加えて、補助圧接部35がさらに配置されているので、保持力をさらに向上させることができる。なお、補助圧接部35は、上方対向部28aを挟んで圧接部25の反対側に配置されてもよい。
(4)変形例D
以上の説明では、対向部28は、圧接部25の周方向における、互いに異なる3箇所に形成されたが、4箇所以上に形成されてもよい。また、潤滑油の流れの乱れの抑制という観点においては、対向部28は1箇所でもよいし、2箇所でもよい。また、対向部28は圧接部25の上方および下方の一方のみに形成されてもよい。
以上のように、本発明は実施形態を用いて説明されたが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲に限定されない。多様な変更または改良を上記の実施形態に加えることが可能であることは、当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 ケーシング
15 圧縮機構
17 クランクシャフト
23 ハウジング
25 圧接部
28 対向部
29 溶接部
35 補助圧接部
60 下部軸受
100 スクロール圧縮機
特開平06−272677号公報

Claims (6)

  1. 圧縮機構(15)に回転力を与える回転軸(17)と、
    前記回転軸を収容するケーシング(10)と、
    前記ケーシングに圧接される圧接部(25)と、前記圧接部から離れた位置で前記ケーシングに対し隙間を介して対向する対向部(28)とを有する、前記回転軸を軸支する固定部材(23)と、
    前記対向部と前記ケーシングが溶接された溶接部(29)と、
    を備える圧縮機(100)。
  2. 前記対向部は、前記圧接部の上方または下方に位置する、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記対向部は、前記圧接部における、互いに異なる3箇所から延伸する、
    請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記固定部材は、前記回転軸のうち前記圧縮機構の側の端部を軸支し、
    前記回転軸のうち前記圧縮機構とは反対側の端部を軸支する補助固定部材(60)をさらに備え、
    前記補助固定部材は、前記ケーシングに圧接されることなく、前記ケーシングに溶接された、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記対向部の表面が脱炭されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記固定部材は、前記ケーシングに圧接される補助圧接部(35)をさらに有し、
    前記補助圧接部は、前記対向部を挟んで前記圧接部の反対側に配置される、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧縮機。
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