JP2017025220A - 酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子およびこれを含有する分散液、ならびに酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子およびこれを含有する分散液、ならびに酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ナノ粒子において、安価でかつ簡便な方法で製造可能で、かつ蛍光強度の低下を抑制しうる手段を提供する。【解決手段】半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子の少なくとも一部に配位した酸化防止性配位子とを含有し、前記酸化防止性配位子は、所定の構造の酸化防止部位および所定の構造の配位性官能基を有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子およびこれを含有する分散液、ならびに酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、半導体ナノ粒子半導体の蛍光強度の低下を抑止するための技術に関する。
近年、バイオイメージングにおける標識剤やディスプレイ、LED照明などに使用するために発光効率および輝度が高く、種々の色で発光する高性能な蛍光体が不可欠となっている。さらに、ディスプレイや照明においては演色性や耐久性も蛍光体に要望されている。従来の希土類イオンや遷移金属イオンを用いた蛍光体は、有機色素等に比べると耐久性に優れていたためディスプレイ等に使用されてきたが、輝度や演色性は必ずしも十分ではなく、それらを凌ぐ高性能の蛍光体、特に、高輝度の蛍光体が要望されている。
これらの要望を実現するための高性能蛍光体として、半導体ナノ粒子が注目されている。蛍光発光する半導体ナノ粒子としてはII−VI族、およびIII−V族の半導体ナノ粒子が広く知られている。しかし、これらの半導体ナノ粒子を使用する場合、一粒子当たりの輝度はまだまだ足りないというのが現状である。
一般的に、コア半導体ナノ粒子だけでは粒子の輝度は非常に低いため、コア粒子よりもバンドギャップの広い半導体材料をシェルとして用いる技術が提案されている。このようなコア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子とすることにより、量子井戸が形成され量子閉じ込め効果により輝度が著しく向上する。
また、半導体ナノ粒子は、凝集したり、外部環境により劣化したりすることによって、輝度が低下することが知られている。したがって、高輝度化する方法として、半導体ナノ粒子の表面を透明なガラス等の材料で被覆する、あるいは、前記材料からなるマトリックス中に分散固定する形で閉じ込めることにより、種々の環境下で長期にわたって高輝度発光特性を示す光学的応用に適した固体材料とする技術が提案されている。
たとえば、特許文献1には、半導体ナノ粒子を、酸素および湿気の透過性が低いマトリックス材料、たとえばエポキシを含むマトリックス材料等の中に配置させることで、酸素、湿気、および温度等の環境条件による劣化を抑止しうることが開示されている。さらに、半導体ナノ粒子およびマトリクス材料を含有する材料をフィルム状に加工して使用するに際し、薄膜酸化物がコートされた樹脂フィルムなどからなるバリア層を隣接して配置することで、材料中への酸素および湿気の侵入をさらに抑止しうることが開示されている。
しかしながら、これらの方法は、被覆工程やマトリクス中の分散工程前やこれらの工程中において生じうる劣化を抑止することができないことから、かような処理前や処理中においても劣化が生じ難い半導体ナノ粒子が望まれていた。また、これらの方法は、被覆材料やマトリクス材料の使用が必須とされており、また被覆処理やマトリクス中への分散処理が必要となるため、より安価で簡便に半導体ナノ粒子の劣化を抑制する方法が望まれていた。
ここで、被覆やマトリクス中への分散以外の方法によって、半導体ナノ粒子の劣化を抑止方法も検討されている。たとえば、非特許文献1には、半導体ナノ粒子を含む溶液(コロイド状半導体ナノ粒子)中に、酸化防止剤の1種である一重項酸素捕捉剤として知られるヒスチジンまたはアジ化ナトリウムを添加することで、酸化による劣化に起因する発光色のブルーシフトを低減しうることが開示されている。
特表2013−544018号公報
Yu Zhang, Jia He, Pei-Nan Wang, Ji-Yao Chen, Zhou-Jun Lu, Da-Ru Lu, Jia Guo, Chang-Chun Wang, and Wu-Li Yang, Time-Dependent Photoluminescence Blue Shift of the Quantum Dots in Living Cells: Effect of Oxidation by Singlet Oxygen, J. AM. CHEM. SOC. 2006, 128, 13396-13401
しかしながら、非特許文献1に開示された技術では、半導体ナノ粒子の蛍光強度低下を十分に抑制することができないことが課題として残っており、さらなる改善が望まれていた。
そこで、本発明は、半導体ナノ粒子において、安価でかつ簡便な方法で製造可能で、かつ蛍光強度の低下を抑制しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、驚くべきことに、以下の手段によって半導体ナノ粒子の蛍光強度の低下が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子の少なくとも一部に配位した酸化防止性配位子とを含有し、
前記酸化防止性配位子は、酸化防止部位および下記一般式(a)で表される配位性官能基を有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子である。
Qは、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基、リン酸基(HPO−)、PH−、PH(=O)−、またはPOH(OH)(=O)−である。
Rは、−(CH−、−(CH−O)−、およびこれらの組み合わせからなる基から選択され、ここで0≦n≦10であり、0≦m≦10であり、かつ4≦n+m≦10である。)
本発明によれば、半導体ナノ粒子において、安価でかつ簡便な方法で製造可能で、かつ蛍光強度の低下を抑制しうる手段を提供する。
本発明の一実施形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の典型的な構成を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の形態のみに制限されない。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」とは、アクリレートおよびメタアクリレートの総称である。(メタ)アクリル等の(メタ)を含む化合物等も同様に、名称中に「メタ」を有する化合物と「メタ」を有さない化合物の総称である。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子>
本発明に係る一形態は、半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子の少なくとも一部に配位した酸化防止性配位子とを含有し、前記酸化防止性配位子は、酸化防止部位および下記一般式(a)で表される配位性官能基を有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子に関するものである。
Qは、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基、リン酸基(HPO−)、PH−、PH(=O)−、またはPOH(OH)(=O)−である。
Rは、−(CH−、−(CH−O)−、およびこれらの組み合わせからなる基から選択され、ここで0≦n≦10であり、0≦m≦10であり、かつ4≦n+m≦10である。)。
かような構成を有することで、半導体ナノ粒子において、安価でかつ簡便な方法で製造可能で、かつ蛍光強度の低下を抑制しうる手段が提供される。
本発明者らは、本発明の構成とすることにより、上記課題が解決されうるメカニズムを以下のように推測している。
半導体ナノ粒子は、半導体ナノ粒子が吸収した光エネルギーが周囲の酸素等に移動することや、半導体ナノ粒子自体または半導体ナノ粒子を介して半導体ナノ粒子が有しうる有機配位子から周囲の酸素等への電子移動が生じることで、半導体ナノ粒子の表面近傍に活性酸素が生成される。このとき半導体ナノ粒子およびこれに配位する有機配位子は、生成された活性酸素と化学的に反応する。この化学反応が半導体ナノ粒子の劣化の原因となる。
また、非特許文献1の技術では、半導体ナノ粒子分散液中に酸化防止剤の一種である一重項酸素捕捉剤を添加している。このとき半導体ナノ粒子が有しうる有機配位子は、添加した一重項酸素捕捉剤との間で化学反応をする。この化学反応が半導体ナノ粒子の劣化の原因となる。
本発明によれば、半導体ナノ粒子が酸化防止部位を有する化合物を酸化防止性配位子として有することで、酸化防止性配位子は、酸化防止剤単体を分散液中に添加する場合と異なり、半導体ナノ粒子の表面近傍に常に存在することとなり、半導体ナノ粒子近傍で生成される活性酸素を十分に除去することが可能となる。また、かような構成を有することによって、酸化防止性配位子は、外部環境から半導体ナノ粒子へ向かう活性酸素も十分に除去することができる。また、半導体ナノ粒子が有機配位子を有する場合においても、酸化防止部位を有する化合物が半導体ナノ粒子の配位子として存在することで、酸化防止剤単体を分散液中に添加する場合と異なり、半導体ナノ粒子の近傍に留まることとなる。これより、酸化防止性配位子は、半導体ナノ粒子が有しうる有機配位子と活性酸素との間の化学的な反応を抑制する。
なお、上記メカニズムは推測に基づくものであり、その正誤が本発明の技術的範囲に影響を及ぼすものではない。
以下、本発明の一実施形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の典型的な構成を表す断面模式図である。図1によると、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子10は、コア部11およびシェル部12を有する半導体ナノ粒子13と、酸化防止性配位子配位部分14とを有する。なお、図1では、半導体ナノ粒子13の表面全体に酸化防止性配位子配位部分14が存在しているが、これは本発明の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を模式的に表したものであり、半導体ナノ粒子13の表面の少なくとも一部に酸化防止性配位子が配位していればよい。
[半導体ナノ粒子]
本明細書において、半導体ナノ粒子とは、半導体材料の結晶で構成され、量子閉じ込め効果を有する所定の大きさの粒子をいい、その粒径が数nm〜数十nm程度の微粒子であり、下記に示す量子ドット効果が得られるものをいう。
このような半導体ナノ粒子のエネルギー準位Eは、一般に、プランク定数を「h」と、電子の有効質量を「m」と、半導体ナノ粒子の半径を「R」としたとき、下記式(I)で表される。
式(I)で示されるように、半導体ナノ粒子のバンドギャップは、「R−2」に比例して大きくなり、いわゆる、量子ドット効果が得られる。このように、半導体ナノ粒子の粒径を制御、規定することによって、半導体ナノ粒子のバンドギャップ値を制御することができる。すなわち、微粒子の粒径を制御、規定することにより、通常の原子にはない多様性を持たせることができる。そのため、光によって励起させたり、光を所望の波長の光に変換して出射させたりすることができる。本明細書では、このような発光性の半導体ナノ粒子材料を半導体ナノ粒子と定義する。
本形態に係る半導体ナノ粒子は、コア/シェル構造を有することが好ましい。コア/シェル構造を有することにより、量子井戸が形成され量子閉じ込め効果により輝度が向上する。
なお、本明細書中、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子を、単に「コアシェル半導体ナノ粒子」とも称する。また、本明細書中、コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子の表記法として、たとえば、コア部がCdSe、シェル部がZnSの場合、「CdSe/ZnS」と表記する場合があり、このようなコアシェル半導体ナノ粒子を、「CdSe/ZnSコアシェル半導体ナノ粒子」と称する場合がある。
〔半導体ナノ粒子の構成材料〕
コアシェル半導体ナノ粒子のコア部の構成材料としては、以下のものを使用することができる。たとえば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の長周期型周期表第14族元素の単体;リン(黒リン)等の長周期型周期表第15族元素の単体;セレン、テルル等の長周期型周期表第16族元素の単体;炭化ケイ素(SiC)等の複数の長周期型周期表第14族元素からなる化合物;酸化スズ(IV)(SnO)、硫化スズ(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化スズ(IV)(SnS)、硫化スズ(II)(SnS)、セレン化スズ(II)(SnSe)、テルル化スズ(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の長周期型周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体);硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の長周期型周期表第12族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化ヒ素(III)(As)、セレン化ヒ素(III)(AsSe)、テルル化ヒ素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の長周期型周期表第11族元素と長周期型周期表第17族元素との化合物;酸化ニッケル(II)(NiO)等の長周期型周期表第10族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の長周期型周期表第9族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の長周期型周期表第8族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化マンガン(II)(MnO)等の長周期型周期表第7族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の長周期型周期表第6族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の長周期型周期表第5族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の長周期型周期表第4族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。これらコア部の構成材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の長周期型周期表第14族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体、Ga、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe3等の長周期型周期表第13族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体、As、As、AsSe、AsTe、Sb、Sb、SbSe、SbTe、Bi、Bi、BiSe、BiTe等の長周期型周期表第15族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物;MgS、MgSe等の長周期型周期表第2族元素と長周期型周期表第16族元素との化合物が好ましい。さらに、Si、Ge、GaN、GaP、InN、InP、Ga、Ga、In、In、ZnO、ZnS、ZnSe、CdO、CdS、CdSeがより好ましい。これらの物質は、毒性の高い陰性元素を含まないので耐環境汚染性や生物への安全性に優れている。これらの材料のうち、InP、CdSe、ZnSe、CdSは、発光の安定性の点で特に好ましい。
シェル部としては、コア部の保護膜として機能する材料であれば、特に制限はなく使用できる。シェル部は、バンドギャップ(禁制帯幅)が、コア部のバンドギャップよりも大きな半導体を含むことが好ましい。シェル部にこのような半導体を用いることによって、半導体ナノ粒子にエネルギー的な障壁が形成され、良好な発光性能を得ることができる。
シェルに好ましく用いられる半導体材料は、用いられるコアのバンドギャップにも依存するが、たとえば、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaAs、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSbからなる群から選択される1種またはそれ以上の半導体、またはそれらの合金もしくは混晶が挙げられる。これらシェル部の材料の中でも、輝度向上の観点から、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeが好ましい。
ここで、コアシェル半導体ナノ粒子としては、CdSe/ZnS、InP/ZnS等を好ましく用いることができる。コアシェル半導体ナノ粒子としては市販品を用いてもよく、たとえばNN−LAB社製のInP/ZnS CoreShell Nanocrystals INP530−100等を用いることができる。
なお、シェル部は、コア部が部分的に露出することによる弊害が生じない限り、コア部の全表面を完全に被覆するものでなくてもよく、コア部の少なくとも一部を被覆していればよい。また、コア/シェル構造は、少なくとも2種類の化合物で形成されていることが好ましく、2種類以上の化合物でグラジエント構造(傾斜構造)を形成していてもよい。
シェル部の厚さは、特に限定されないが、0.1〜10nmであることが好ましく、0.1〜5nmであることがより好ましい。
一般に、半導体ナノ粒子の平均粒径により発光色を制御することができ、被膜の厚さが上記範囲内の値であれば、被膜の厚さが原子数個分に相当する厚さから半導体ナノ粒子1個に満たない厚さであり、半導体ナノ粒子を高密度で充填することができ、十分な発光量が得られる。また、被膜の存在により、お互いのコア粒子の粒子表面に存在する欠陥、ダングリングボンドへの電子トラップによる非発光の電子エネルギーの転移を抑制でき、量子効率の低下を抑えることができる。
半導体ナノ粒子の平均粒径(直径)の測定方法としては、公知の方法、たとえば、透過型電子顕微鏡(TEM)により半導体ナノ粒子の粒子観察を行い、そこから粒径分布の数平均粒径として求める方法、ランダムに抽出した所定数の半導体ナノ粒子をTEMで観察し、体積換算した粒径の平均値をとることで算出した体積平均粒径として求める方法、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて平均粒径を求める方法、動的光散乱法による粒径測定装置(たとえば、Malvern社製ZETASIZERNano Series Nano−ZS)を用いて測定する方法、X線小角散乱法により得られたスペクトルから半導体ナノ粒子の粒径分布シミュレーション計算を用いて粒径分布を導出する方法等を用いることができる。本明細書においては、ランダムに抽出した所定数の半導体ナノ粒子をTEMで観察し、体積換算した粒径の平均値をとることで算出した体積平均粒径で表している。本形態に係る半導体ナノ粒子の体積平均粒径としては、具体的には1〜20nmの範囲内であることが好ましく、1〜10nmの範囲内であることがより好ましい。
なお、上述した半導体ナノ粒子の構成材料には、必要に応じて微量の各種元素を不純物としてドープすることができる。このようなドープ物質を添加することにより発光特性をより向上させることができる。
〔半導体ナノ粒子の製造方法〕
半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法、気相法等、従来行われている公知の任意の方法を用いることができる。
液相法の製造方法としては、沈殿法である、共沈法、ゾル−ゲル法、均一沈殿法、還元法などがある。そのほかに、逆ミセル法、超臨界水熱合成法、ホットソープ法などもナノ粒子を作製する上で優れた方法である(たとえば、特開2002−322468号公報、特開2005−239775号公報、特開平10−310770号公報、特開2000−104058号公報等を参照)。
気相法の製造方法としては、対向する原料半導体を電極間で発生させた第一の高温プラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中において無電極放電で発生させた第二の高温プラズマ中に通過させる方法(たとえば特開平6−279015号公報参照)、電気化学的エッチングによって、原料半導体からなる陽極からナノ粒子を分離・除去する方法(たとえば特表2003−515459号公報参照)、レーザーアブレーション法(たとえば特開2004−356163号公報参照)などが用いられる。また、原料ガスを低圧状態で気相反応させて、粒子を含む粉末を合成する方法も好ましく用いられる。
半導体ナノ粒子の製造方法としては、液相法による製造方法が好ましい。
また、本形態に係るコアシェル半導体ナノ粒子は、蛍光体としての機能を損なわない限り、合成過程で用いうる安定剤、界面活性剤、溶媒等、他の成分を含んでいてもよい。
なお、半導体ナノ粒子は、粒子の表面に有機配位子が配位された状態で溶液中に存在していてもよい。ここで、有機配位子は、本明細書中における酸化防止性配位子とは異なる構造の有機化合物からなる配位子を表し、たとえばオレイルアミン等が挙げられる。
[酸化防止性配位子]
本発明に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子は、半導体ナノ粒子と、酸化防止性配位子を含有し、酸化防止性配位子は、酸化防止部位および半導体ナノ粒子に対する配位性官能基を含有する。
(配位性官能基)
酸化防止性配位子は、半導体ナノ粒子に配位するための配位性官能基を有する。配位性官能基は、下記一般式(a)で表される構造を有する。
Qは、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、リン酸基(HPO−)、PH−、PH(=O)−、またはPOH(OH)(=O)−である。
Rは、−(CH−、−(CH−O)−、およびこれらの組み合わせからなる基から選択され、ここで0≦n≦10であり、0≦m≦10であり、かつ4≦n+m≦10である。m+nの値が3以下であると酸化防止部位の立体的な反発のために半導体ナノ粒子表面に密に配位できず、溶解性が悪くなる。また、m+nの値が大きくなると、コストが高価となる傾向がある。同様の観点から、m+nの値としては、5〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。
ここで、Qは、配位性の観点から、カルボキシル基、アミノ基、およびメルカプト基であることが好ましく、アミノ基、カルボキシル基であることがより好ましく、アミノ基であることがさらに好ましい。
ここで、Qは直鎖状でも分岐状でもよいが、立体的な反発を抑え、半導体ナノ粒子へ密に配位させるとの観点から直鎖状のアルキレン基、オキシアルキレン基であることが好ましく、半導体ナノ粒子の分散性の観点から、直鎖状のアルキレン基であることがさらに好ましい。
一般式(a)の配位性官能基としては、特に制限されないが、たとえば9−アミノノニル基、9−アミノ−1−ノニルオキシ基、9−ヒドロキシノニル基、9−カルボキシルキシノニル基、9−メルカプトノニル基、9−ヒドロキシ−1−ノニルオキシ基、9−カルボキシル−1−ノニルオキシ基、9−メルカプト−1−ノニルオキシ基、8−アミノオクチル基、8−アミノ−1−オクチルオキシ基、8−ヒドロキシオクチル基、8−カルボキシルキシオクチル基、8−メルカプトオクチル基、8−ヒドロキシ−1−オクチルオキシ基、8−カルボキシル−1−オクチルオキシ基、8−メルカプト−1−オクチルオキシ基、7−アミノヘプチル基、7−アミノ−1−ヘプチルオキシ基、7−ヒドロキシヘプチル基、7−カルボキシルキシヘプチル基、7−メルカプトヘプチル基、7−ヒドロキシ−1−ヘプチルオキシ基、7−カルボキシル−1−ヘプチルオキシ基、7−メルカプト−1−ヘプチルオキシ基、6−アミノヘキシル基、6−アミノ-1-ヘキシルオキシ基、6−ヒドロキシヘキシル基、6−カルボキシルキシヘキシル基、6−メルカプトヘキシル基、6−ヒドロキシ−1−ヘキシルオキシ基、6−カルボキシル−1−ヘキシルオキシ基、6−メルカプト−1−ヘキシルオキシ基、5−アミノペンチル基、5−アミノ−1−ペンチルオキシ基、5−ヒドロキシペンチル基、5−カルボキシルキシペンチル基、5−メルカプトペンチル基、5−ヒドロキシ−1−ペンチルオキシ基、5−カルボキシル−1−ペンチルオキシ基、および5−メルカプト−1−ペンチルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、上記の観点から、8−アミノオクチル基、8−アミノ−1−オクチルオキシ基、8−ヒドロキシオクチル基、8−カルボキシルキシオクチル基、8−メルカプトオクチル基、8−ヒドロキシ−1−オクチルオキシ基、8−カルボキシル−1−オクチルオキシ基、8−メルカプト−1−オクチルオキシ基、7−アミノヘプチル基、7−アミノ−1−ヘプチルオキシ基、7−ヒドロキシヘプチル基、7−カルボキシルキシヘプチル基、7−メルカプトヘプチル基、7−ヒドロキシ−1−ヘプチルオキシ基、7−カルボキシル−1−ヘプチルオキシ基、7−メルカプト−1−ヘプチルオキシ基、6−アミノヘキシル基、6−アミノ-1-ヘキシルオキシ基、6−ヒドロキシヘキシル基、6−カルボキシルキシヘキシル基、6−メルカプトヘキシル基、6−ヒドロキシ−1−ヘキシルオキシ基、6−カルボキシル−1−ヘキシルオキシ基、および6−メルカプト−1−ヘキシルオキシ基が好ましく、7−アミノヘプチル基、7−アミノ−1−ヘプチルオキシ基、7−ヒドロキシヘプチル基、7−カルボキシルキシヘプチル基、および7−メルカプトヘプチル基がより好ましく、7−アミノヘプチル基、および7−アミノ−1−ヘプチルオキシ基がさらに好ましく、7−アミノヘプチル基が特に好ましい。
酸化防止性配位子は、配位性官能基を1個のみ有していても、2個以上有していてもよいが、溶解性の観点から、2個以上5個以下有するものが好ましく、2個以上4個以下有するものがより好ましく、2個有するものがさらに好ましい。
なお、配位性官能基を2個以上有するとき、各配位性官能基は同一であっても、それぞれ異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
(酸化防止部位)
本明細書において、酸化防止部位とは、酸化防止剤として機能する化合物由来の部分構造を表す。また、本明細書において、「由来の部分構造」とは、化合物から配位性官能基が結合する部位の水素原子を取り除いた構造を意味するものとする。
本発明においては、酸化防止部位としては、酸化防止剤として機能する化合物から水素原子を取り除いた構造を有していればよく、酸化防止性配位子は、酸化防止剤として機能する化合物から合成されてもよいし、酸化防止剤として機能する化合物以外の化合物から酸化防止性配位子を合成して、結果として酸化防止部位を含む構造としてもよい。
酸化防止部位としては、酸化を防止する機能を有していればよく、その酸化防止機能については特に制限されないが、活性酸素を除去する機能を有するものが好ましい。なお、本明細書において、活性酸素とは狭義の活性酸素および広義の活性酸素を共に含む。ここで、狭義の活性酸素としては、たとえばヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素等を挙げることができ、広義の活性酸素としては、たとえばNO、オゾン、過酸化脂質等を挙げることができる。また、上記のように、活性酸素は、ラジカル種および非ラジカル種を共に含む。ラジカル種としてはたとえばヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル等を挙げることができ、非ラジカル種としては、たとえば過酸化水素、一重項酸素等を挙げることができる。
上記の酸化防止剤として機能する化合物としては、公知のものを用いることができる。本発明に用いることができる酸化防止剤として機能する化合物の具体例としては、たとえば、後述の一般式(1)および一般式(2)で表される一重項酸素捕捉剤に加え、特開2013−76738号明細書の段落「0072」、「0073」に記載の一次酸化防止剤、段落「0076」〜「0079」に記載の二次酸化防止剤、国際公開第2009/063714号公報の段落「0101」〜「0114」に記載の酸化防止剤等を用いることができる。また、ビタミンC、ビタミンEおよびカロテン等の天然の抗酸化物質も用いることができる。
これらの酸化防止剤の中でも、一重項酸素捕捉剤であることが好ましい。
以下では、本発明の好ましい一形態に用いることができる一重項酸素捕捉剤由来の部分構造である一重項酸素捕捉部位について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
(一重項酸素捕捉部位)
酸化防止部位としては、一重項酸素捕捉部位であること、すなわち一重項酸素捕捉効果を有する化合物(一重項酸素捕捉剤)由来の部分構造であることが好ましい。半導体ナノ粒子が吸収した光エネルギーが周囲の酸素に移動することによって、半導体ナノ粒子の表面近傍に一重項酸素が生成される反応が生じると考えられる。かような反応は半導体ナノ粒子における特徴的な現象として挙げられることから、半導体ナノ粒子の劣化抑制に対しては、一重項酸素を除去することが特に好ましい。
ここで、酸化防止部位である一重項酸素捕捉部位としては、一重項酸素消光速度(kq)が1.0×10〜1.0〜1010である由来の部分構造であることが好ましい。ここで、一重項酸素消光速度(kq)が1.0×10以上であると、一重項酸素消去能の観点から好ましい。また、一重項酸素消光速度(kq)が1.0×1010以下であると、保存安定性の観点から好ましい。同様の観点から、一重項酸素消光速度(kq)は、1.0×10〜1.0×10であることがより好ましく、1.0×10〜1.0×10であることがさらに好ましい。
一重項酸素消光速度(kq)は、第22回酸化反応討論会要旨集7頁(愛媛大理、大福、向井等)に記載されている方法に従って測定することにより決定される。すなわち、エタノール溶媒中35.0℃で3−(1,4−エピジオキシル−4−メチル−1,4−ジヒドロ−1−ナフチル)プロピオン酸(EP)から、Tetrahedron Lett.,41,2177〜2181(1985)等に記載されている井上等の方法に従って一重項酸素を発生させ、消光の基準物質として、2,5−ジフェニル−3,4−ベンゾフラン(DPBF)を用い、被測定物質をこれと共存させ、両者を一重項酸素に対し競争反応させ、DPBFの吸収波長(λmax=411nm)における吸光度の時間変化を分光光度計より追跡することにより求められる。
一重項酸素消光速度(kq)が1.0×10〜1.0〜1010である化合物としては、特に制限されないが、たとえば下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を好ましく用いることができる。本発明の好ましい一形態としては、かような化合物が、下記一般式(1)および(2)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
1.一般式(1)の化合物
以下、下記一般式(1)の化合物について説明する。
一般式(1)において、
Xは、−O−、−N(R)−、−SO−、−SO−、−S(R)(R)−、P(R)−、または−Se−を表し、
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくは複素環基を表し、
Yは3〜8員環の、Xと共に置換または非置換の複素環基を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
また、一般式(1)は、下記一般式(1A)で表されることがより好ましい。
一般式(1A)において、
は、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくは複素環基を表し、
Yは3〜8員環の、Rと結合した窒素原子と共に置換または非置換の複素環基を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
さらに、一般式(1)は、下記一般式(1B)で表されることがさらに好ましい。
一般式(1B)において、
は、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくは複素環基を表し、
およびZは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の、炭素数1〜4の直鎖アルキレン基を表し、かつZおよびZで表される、直鎖アルキレン基の炭素数の総和が2〜7であり、
Aは、単結合、−O−、−N(R)−、−S−、−SO−、−SO−、−S(R)(R)−、−P(R10)(R11)−、または−Se−を表し、
〜R11は、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、もしくはアリールオキシ基を表す。
ここで、Rは水素原子、または置換もしくは無置換の、アリール基もしくは複素環基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましく、
およびZは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の、炭素数1〜3の直鎖アルキレン基を表し、かつZおよびZで表される、直鎖アルキレン基の炭素数の総和が3〜6であることが好ましく、ZおよびZは、共に、置換または無置換のエチレン基であることがより好ましく、ZおよびZは、共に、無置換のエチレン基であることがさらに好ましく、
Aは、−O−、−N(R)−、−SO−、または−SO−であることが好ましく、−N(R)−であることがより好ましく、
は、水素原子、または置換もしくは非置換の、アルキル基もしくはアリール基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
ここで、ハロゲン原子としては、特に制限されないが、たとえば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、およびフッ素原子が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、特に制限されないが、炭素数1〜24の直鎖または分岐状のアルキル基でありうる。たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等が挙げられる。
ここで、シクロアルキル基としては、特に制限されないが、炭素数3〜24のシクロアルキル基でありうる。たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ここで、アルケニル基としては、特に制限されないが、炭素数2〜24の直鎖または分岐状のアルキレン基でありうる。たとえば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、デセニル基、オレイル基等が挙げられる。
ここで、シクロアルケニル基としては、特に制限されないが、炭素数3〜24のシクロアルケニル基でありうる。たとえば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロヘプタジエニル基、1,5−シクロオクタジエニル基などを挙げることができる。
ここで、アルキニレン基としては、特に制限されないが、炭素数2〜24の直鎖または分岐状のアルキニレン基でありうる。たとえば、エチニル基、プロピニル基等を挙げることができる。
ここで、アリール基としては、特に制限されないが、炭素数6〜60のアリール基でありうる。たとえば、フェニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。
ここで、複素環基としては、炭素原子および水素原子、ならびに窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、およびセレン原子から選択される1以上のヘテロ原子から構成される環由来の基であれば、特に制限されない。たとえば、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホニリル基、チオモルホニリル基、イミダゾリジニル基、チアゾリジニル基、ホモピペラジニル基、イミダゾリル基、ピロリニル基、ピラゾリニル基、ピリジル、2−チエニル基、2−フリル基等が挙げられる。
ここで、アルコキシ基としては、特に制限されないが、炭素数1〜24のアルコキシ基でありうる。たとえば、メトキシ基、エトキシ基、ブチルオキシ基およびオクチルオキシ基等が挙げられる。
ここで、アルケニルオキシ基としては、特に制限されないが、炭素数2〜24のアルケニルオキシ基でありうる。たとえば、オクテニルオキシ基等が挙げられる。
ここで、アルキニルオキシ基としては、特に制限されないが、炭素数2〜24のアルキニルオキシ基でありうる。たとえば、エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基等が挙げられる。
ここで、アリールオキシ基としては、特に制限されないが、炭素数6〜60のアリールオキシ基でありうる。たとえば、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
また、ZおよびZにおける炭素数1〜4の直鎖アルキレン基はメチレン基、エチレン基、プロピニレン基、ブチレン基から選択される1つの基であり、炭素数1〜3の直鎖アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピニレン基から選択される1つの基である。
ここで、これらの基が有してもよい置換基としては、特に制限されないが、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルホスホニル基、アリールホスホニル基、アリールアルキルホスホニル基、またはこれらの組み合わせからなる置換基等が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基は、上記に挙げたものと同様に例示できる。
アルコキシカルボニル基としては、特に制限されないが、たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、特に制限されないが、たとえば、フェノキシカルボニル基等が挙げられる。
ここで、アルキルチオ基としては、特に制限されないが、たとえば、オクチルチオ基、ラウリルチオ基等が挙げられる。
ここで、アリールチオ基としては、特に制限されないが、たとえば、アリールチオ基等が挙げられる。
ここで、アシル基としては、特に制限されないが、たとえば、アセチル基、バレリル基、ステアロイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
ここで、アシルオキシ基としては、特に制限されないが、たとえば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
ここで、アシルアミノ基としては、特に制限されないが、たとえば、アセチルアミノ基、パルミトイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルスルホンアミド基としては、特に制限されないが、たとえば、オクチルスルホンアミド基、ラウリルスルホンアミド基等が挙げられる。
ここで、アルキルホスホニル基としては、特に制限されないが、たとえば、ドデシルホスホニル基、ヘキサデシルホスホニル基等が挙げられる。
一般式(1)の化合物としては、以下のような構造を部分構造として有するものがより好ましい。
以下、一般式(1)で表される化合物(一重項酸素捕捉剤)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
2.一般式(2)の化合物
以下、下記一般式(2)の化合物について説明する。
一般式(2)において、
Tは、−O(R206)、−N(R207)(R208)、−SR209、−SO(R210)、−SO(R211)、または−P(R212)(R213)(R214)を表し、
201〜R205は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、スルホンアミド基もしくはシリル基、または−O(R206)、−N(R207)(R208)、−SR209、−SO(R210)、−SO(R211)、もしくはP(R212)(R213)(R214)を表し、
206〜R214は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基もしくはシリル基を表し、R201〜R205は、互いに結合して5〜6員環またはスピロ環を形成しても良い。
201〜R205が互いに結合して形成する5〜6員環またはスピロ環としては、一般式(2)のベンゼン環部位と共に形成されるものとして、特に制限されないが、たとえば、クロマン環、ベンゾフラン環、スピロビインダン環、スピロビクロマン環およびスピロビクロマラン環構造等が挙げられる。
ここで、これらの基が有してもよい置換基としては、特に制限されないが、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ウレイド基、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルホスホニル基、アリールホスホニル基、アリールアルキルホスホニル基、またはこれらの組み合わせからなる置換基等が挙げられる。
これらの官能基としては、一般式(1)、(1A)および(1B)で挙げられたものと同様のものが例示できる。
ここで、Tは、−O(R206)であることが好ましく、
206は、水素原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基もしくはシリル基であることが好ましく、水素原子、または無置換のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましく、
201〜R205は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基を表すことが好ましい。
また、R206が置換シリル基であるときは、置換シリル基はアルキルシリル基であることが好ましい。アルキルシリル基に含まれるアルキル基としては、一般式(1)、(1A)および(1B)で挙げられたものと同様のものが例示できる。
また、一般式(2)において、R202、R204は各々アルコキシ基でないことが好ましい。
ここで、上記の各置換基としては、一般式(1)、(1A)および(1B)で挙げられたものと同様のものが例示できる。
一般式(2)の化合物としては、以下のような構造を部分構造として有するものがより好ましい。
一般式(2)においてさらに好ましい化合物は、下記一般式(2A)または一般式(2B)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(2A)において、R215およびR216は、それぞれ水素原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基もしくはシリル基を表し、水素原子、または無置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、R217およびR218は、それぞれ置換または無置換のアルキル基を表し、無置換のアルキル基であることがより好ましい。
ここで、R217およびR218が無置換のアルキル基であるときは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等が挙げられる。また、これらの中でも、炭素数1〜10の直鎖または分岐状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜8の直鎖または分岐状のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数4〜8の直鎖アルキル基であることが特に好ましく、炭素数6〜8の直鎖アルキル基であることが最も好ましい。
上記一般式(2B)において、R219〜R226は、それぞれ置換または無置換のアルキル基を表し、無置換のアルキル基であることがより好ましい。
以下に、一般式(2)で表される具体的化合物を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
これらの一重項酸素捕捉剤としては、一般式(1)で表される構造を有することがより好ましい。
(酸化防止性配位子の合成)
以下に、酸化防止部位として化合物1−111および化合物2−27由来の部分構造を有する酸化防止性配位子の合成方法を例示する。ただし、本発明はこれらの化合物およびその合成方法に限定されるものではない。
(酸化防止性配位子1の合成例)
次に、下記酸化防止性配位子1で表される構造を有する化合物の合成方法について説明する。酸化防止性配位子1は、酸化防止部位として化合物1−111由来の部分構造を有する。
ここで、酸化防止性配位子1は、公知の方法で合成することができ、以下はその一例である。
DMF100mlに化合物1−111(ピペラジン)(50.0mmol)、炭酸カリウム(100.0mmol)、7−ブロモヘプタンニトリル(120.0mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌する。反応液に水(200ml)を加えた後、トルエン(200ml)で4回抽出を行う。有機相を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで前駆体化合物1を得る。
次いで、水素化アルミニウムリチウム(30.0mmol)のTHF(40ml)溶液に、前駆体化合物1(10.0mmol)のTHF溶液(100ml)を窒素雰囲気下、−15℃で加える。同温度で約3時間撹拌し、1.2mlの水を加えてしばらく撹拌したのち1.2mlの5M水酸化ナトリウム水溶液、次いで3.6mlの水を加え、撹拌後セライトを用いて不溶物を濾去する。ろ液を減圧下で濃縮し、水(200ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行う。有機相を減圧濃縮した後に残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで酸化防止性配位子1を得る。
この反応スキームを下記に示す。
(酸化防止性配位子2の合成例)
次に、下記酸化防止性配位子2で表される構造を有する化合物の合成方法について説明する。酸化防止性配位子2は、酸化防止部位として化合物2−27由来の部分構造を有する。
ここで、酸化防止性配位子2は、公知の方法で合成することができ、以下はその一例である。
DMF50mlに化合物2−27(2,5−ジオクチルヒドロキノン)(10.0mmol)、水素化ナトリウム(22.0mmol)、炭酸カリウム(30.0mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で気体発生しなくなるまで撹拌する。この反応液に対して7−ブロモヘプタンニトリル(10.0mmol)を滴下し、さらに室温で24時間撹拌する。反応液に水(100ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行う。有機相を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで前駆体化合物2を得る。
次いで、水素化アルミニウムリチウム(15.0mmol)のTHF(20ml)溶液に、前駆体化合物2(5.0mmol)のTHF溶液(50ml)を窒素雰囲気下、−15℃で加える。同温度で約3時間撹拌したのち。0.6mlの水を加えてしばらく撹拌したのち0.6mlの5M水酸化ナトリウム水溶液、次いで1.8mlの水を加え、撹拌後セライトを用いて不溶物を濾去する。ろ液を減圧下で濃縮し、水(100ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行う。有機相を減圧濃縮した後に残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで酸化防止性配位子2を得る。
この反応スキームを下記に示す。
〔酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法〕
半導体ナノ粒子と、酸化防止性配位子とを接触させ、半導体ナノ粒子の表面に酸化防止性配位子を配位させる方法は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子が分散された分散媒中に酸化防止性配位子が存在していればよい。
半導体ナノ粒子または酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を分散させる分散媒や、酸化防止性配位子を溶解させる溶媒などは、特に制限されず、本技術分野で使用される公知の分散媒または溶媒が適宜採用されうる。たとえば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。より具体的には、炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターペン、塩化メチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、半導体ナノ粒子の分散性の観点から、シクロヘキサン、トルエンが好ましい。これらの分散媒または溶媒は、それぞれ、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
分散液中における酸化防止性配位子の存在量は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子1molに対し、1〜20000molであることが好ましい。100mol以上であると、粒子近傍における酸化防止効果がより向上する。一方、添加量が、20000mol以下であると、分散液の光透過性がより向上する。同様の観点から、半導体ナノ粒子1molに対し、1〜1000molであることが好ましく、10〜500molであることがさらに好ましく、10〜200molであることが特に好ましい。
また、分散液中における半導体ナノ粒子の存在量は、特に制限されないが、分散液に対して、1nM〜1μMであることが好ましい。
ここで、本発明の他の好ましい一形態は、本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、および分散媒を含有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液である。
半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子の濃度は、特に制限されないが、0.1〜500mmol/lであることが好ましい。0.1mmol以上であると、配位子交換が完了するまでの時間が短くなる。ここで、酸化防止性配位子の濃度は0.1〜100mmol/lであることがより好ましく、0.1〜10mmol/lであることがさらに好ましい。
半導体ナノ粒子の表面に酸化防止性配位子を配位させるために要する時間は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子、酸化防止性配位子を分散媒または溶媒中で、30分〜120時間混合することが好ましい。混合時間が30分以上であると、半導体ナノ粒子が有機配位子を有する場合においても、半導体ナノ粒子の表面に配位している有機配位子が、酸化防止性配位子と十分に置換できる点で好ましい。一方、混合時間が、120時間以下であると、酸化防止性配位子が配位した粒子が凝集し始めない点で好ましい。同様の観点から、30分〜72時間であることがより好ましく、30分〜120分であることがさらに好ましい。なお、混合の際は、半導体ナノ粒子、酸化防止性配位子を含む混合液を攪拌しながら行うことが好ましい。
なお、混合終了後に、分散液を遠心分離などによって固液分離し、さらに必要に応じて洗浄した後、乾燥することによって、半導体ナノ粒子の表面に酸化防止性配位子が配位されてなる、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を得ることができる。かような方法としては、たとえば、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液に適宜分散媒を加え、遠心分離した後、上澄み液を捨て、さらに適宜分散媒を加えて遠心分離をする操作を必要な回数繰り返し、その後上済み液を捨て、沈殿を乾燥させる方法が挙げられる。ここで、得られた沈殿が酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子である。
ここで、遠心分離の際の回転数は、特に制限されないが半導体ナノ粒子を沈降させ、かつ凝集を抑止する効果を高めるとの観点から、2000〜150000rpmが好ましく、5000〜50000rpmがより好ましく、5500〜20000rpmがさらに好ましい。また、1回の遠心分離の際の時間は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子を速やかに沈降させる効果を高めるとの観点から、5〜120分が好ましく、10〜60分がより好ましく、15〜30分がさらに好ましい。また、遠心分離の回数は、特に制限されないが、配位子の脱離を防ぐ効果を高めるとの観点から、1〜6回であることが好ましく、1〜4回であることがより好ましく、1〜3回であることがさらに好ましい。
酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子および酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を得る方法としては、たとえば、半導体ナノ粒子の分散液に酸化防止性配位子を添加して混合する方法、および半導体ナノ粒子の分散液と酸化防止性配位子を含む溶液とを混合する方法などが挙げられる。
すなわち、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を得る方法の具体例としては、
本発明の他の好ましい一形態として、
(1)半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液に酸化防止性配位子を添加して混合する工程を含む、
本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子および分散媒を含有する酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液の製造方法が挙げられる。
また、本発明の他の好ましい一形態として、
(2)半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液と、
酸化防止性配位子および溶媒を含む酸化防止性配位子溶液とを混合する工程を含む、
本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子および分散媒を含有する酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液の製造方法が挙げられる。
さらに、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を得る方法の具体例としては、
本発明の他の好ましい一形態として、
(3)半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液に酸化防止性配位子を添加して混合することで酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を得る工程、および、
前記酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を遠心分離して、得られた沈殿を乾燥することによって本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を得る工程を含む、
酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法が挙げられる。
また、本発明の他の好ましい一形態として、
(4)半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液と、
酸化防止性配位子および溶媒を含む酸化防止性配位子溶液とを混合することで酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を得る工程、および、
前記酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を遠心分離して、得られた沈殿を乾燥することによって本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を得る工程を含む、
酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法が挙げられる。
ここで、上記(2)および(4)の方法のように、それぞれ酸化防止性配位子を含む溶液を用いて、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液および酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を製造する場合、酸化防止性配位子を含む溶液中における酸化防止性配位子の濃度は、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子の濃度が所望の値となるよう適宜調整すればよい。
ここで、本発明に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されていることの確認、すなわち半導体ナノ粒子の少なくとも一部に酸化防止性配位子が配位したことの確認方法を説明する。かような確認方法としては、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、および酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の形成に用いた酸化防止性配位子について、それぞれH−NMRスペクトルおよびIRスペクトル等の測定を行い、これらの比較する方法を用いることできる。具体的にはH−NMRスペクトルおよび/またはIRスペクトルの形状によって確認することできる。
<被覆半導体ナノ粒子>
[透光性被覆層]
本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の表面に、透光性被覆層をさらに有していてもよい。前記透光性被覆層を有することにより、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を外部の酸素から保護する機能がより向上する。なお、本明細書において、透光性被覆層を有する酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を、単に被覆半導体ナノ粒子とも称する。
透光性被覆層の厚さは、3nm以上15nm以下であることが好ましい。透光性被覆層の厚さが3nm以上であると、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の粒子間距離がより十分に取れるため、蛍光消光による発光効率の低下を抑制する効果をより高めることができる。一方、15nm以下であると、透光性被覆層自体の光の吸収等の発生をより抑制することで、発光効率をより向上することができる。前記厚さはより好ましくは4〜12nmである。前記透光性被覆層の厚さは、半導体ナノ粒子に対する透光性被覆層の形成材料の添加量、透光性被覆層を形成する際の反応時間、反応溶液中の半導体ナノ粒子濃度等の制御により制御することができる。また、透光性被覆層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)像の観察により、測定することができる。
前記透光性被覆層は、ケイ素を含有することが好ましい。ケイ素を含有することにより、ガラス状の層となりやすく、被覆半導体ナノ粒子の耐熱性や耐酸化性がより向上する。
このような透光性被覆層の形成に用いられる材料としては、特に制限されないが、透光性が高いことや反応の制御の容易性の観点から、パーヒドロポリシラザン(PHPS)およびオルガノポリシラザン(以下、単にポリシラザンとも称する)、テトラエトキシシラン(TEOS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましい。これらの材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
ポリシラザンとは、シラザン結合を有する高分子化合物であり、分子内にSi−N結合を有する高分子化合物を意味する。具体的には、その構造内にSi−N、Si−H、N−H等の結合を有し、SiO、Si、および両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
使用可能なポリシラザンとしては、特に制限されないが、たとえば、下記の一般式(4)で表される単位からなる主骨格を有する化合物であることが好ましい。
上記一般式(4)において、R401、R402、およびR403は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、またはアルコキシ基を表す。
ポリシラザンは、R401、R402、およびR403のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(以下、単にPHPSとも称する)であることがより好ましい。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環および8員環を中心とする環構造とが存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、分子量によって液体または固体の物質でありうる。前記パーヒドロポリシラザンは、合成品を使用してもよく、市販品を使用してもよい。
上記ポリシラザンをそのまま透光性被覆層の材料として用いることもできるが、下記に述べるようなポリシラザンの改質を行うことが好ましい。改質とは、ポリシラザンの一部または全部を、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素等へ転化させる反応を意味する。改質方法は、特に制限されないが、たとえば加熱処理、紫外線照射処理、およびプラズマ処理等の処理によって行うことができる。改質を行うことにより、透光性被覆層のガラス性がより高まり、被覆半導体ナノ粒子の耐熱性および耐酸化性がより向上する。改質の条件については、後で詳述する。
〔透光性被覆層の形成方法〕
透光性被覆層の形成方法としては、特に制限されず、たとえば、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子と透光性樹脂層の形成材料とを、溶媒中で、好ましくは20〜80℃の温度で、好ましくは10〜40時間、反応させることにより形成することができる。透光性被覆層の形成材料としてポリシラザンを用いた場合は、さらに改質を行い、透光性被覆層とすることができる。
用いることができる上記溶媒としては、たとえば、水、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、または2種以上を混合しても用いることができる。
さらに、必要に応じて、ポリオキシエチレンノニルエチルエーテル等の界面活性剤、アンモニア等の透光性被覆層の形成材料を加水分解する触媒等を反応系内に添加してもよい。
透光性被覆層の形成材料の使用量は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子100質量部に対して好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。かかる範囲であると、上記した所望の膜厚の透光性被覆層が得られる。
透光性被覆層の形成材料としてポリシラザンを用いた場合、さらにポリシラザンの改質を行うことが好ましい。改質とは、上記したようにポリシラザンの一部または全部を、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素等へ転化させる反応を意味する。改質方法は、特に制限されないが、たとえば加熱処理、紫外線照射処理、およびプラズマ処理等の処理によって行うことができる。
上記のようにして得られる、被覆半導体ナノ粒子は、蛍光体としての機能を損なわない限り、合成過程で用いうる安定剤、界面活性剤、溶媒、触媒等、他の成分を含んでいてもよい。
<半導体ナノ粒子集積体>
本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、またはこれを用いた被覆半導体ナノ粒子は、半導体ナノ粒子集積体を形成してもよい。
半導体ナノ粒子集積体は、上記の複数の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子が相互に接触した状態で凝集した凝集体を含有してなる粒子である。この半導体ナノ粒子集積体は、蛍光体として機能する。
半導体ナノ粒子集積体を構成する酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子は、1種単独であってもよく、異なる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
半導体ナノ粒子集積体は、複数個の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子がそれ自体で互いに凝集した凝集体を含む集積体であってもよいが、半導体ナノ粒子集積体における酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子同士の凝集をより強固にするという観点から、複数個の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子がマトリックスを介して互いに凝集した凝集体を含む集積体であることが好ましい。すなわち、半導体ナノ粒子集積体は、凝集体全体を被覆するマトリックスをさらに備えることが好ましい。
ここで、マトリックスの形成に用いられる材料としては、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子の凝集体を被覆することができれば特に制限されず、無機物質、有機物質のいずれも用いることができる。発光効率や容易に凝集体を作製できる等の観点から、ケイ素を含有する材料またはポリマー材料を含むことが好ましい。
ポリマー材料としては、特に制限されないが、ポリ無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン、ポリシラザン(パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン)、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好ましい。
半導体ナノ粒子集積体は、蛍光体としての機能を損なわない限り、合成過程で用いうる安定剤、界面活性剤、溶媒、触媒等、他の成分を含んでいてもよい。
〔半導体ナノ粒子集積体の製造方法〕
半導体ナノ粒子集積体は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を、適当な方法により複数凝集させて凝集体を形成することにより得ることができる。
製造した、複数の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子が相互に接触した状態の凝集体を、マトリックスの構築を行うことなくそのまま半導体ナノ粒子集積体として用いてもよい。しかしながら、より強固な集積体を得る観点から、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を複数凝集させて凝集体を作製した後、液相法などの方法によって凝集体全体を被覆するマトリックスの形成をさらに行うことが好ましい。
マトリックスを形成せずに酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を凝集させ集積体を作製する方法としては、特に制限されないが、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を溶解しないような貧溶媒中で、攪拌混合する方法が挙げられる。貧溶媒としては、たとえば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等を用いることができる。混合時の温度は20〜80℃が好ましく、混合時間は10〜40時間が好ましい。
また、マトリックスを形成して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を凝集させ凝集体を作製する方法としては、たとえば、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子とマトリックスの形成材料とを、溶媒中で反応させる方法が挙げられる。透光性被覆層の形成材料としてポリシラザンを用いた場合は、さらに改質を行い、透光性被覆層とすることができる。溶媒としては、たとえば、水、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系溶媒;脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル系溶媒;極性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独でも、または2種以上を混合しても用いることができる。
酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子に対するマトリックスの形成材料の使用量は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。反応温度は、特に制限されないが、20〜80℃が好ましく、25〜40℃がより好ましい。また、反応時間も特に制限されないが、1〜300時間が好ましく、10〜200時間がより好ましい。
さらに、必要に応じて、ポリオキシエチレンノニルエチルエーテル等の界面活性剤、アンモニア等のマトリックスの形成材料を加水分解する触媒等を反応系内に添加してもよい。
マトリックスの形成材料としてポリシラザンを用いた場合は、さらに改質を行い、マトリックスとすることができる。マトリックス形成におけるポリシラザン改質の条件としては、上記透光性被覆層の項で述べた条件と同様の条件が適用されうる。
半導体ナノ粒子集積体の体積平均粒径は、好ましくは50〜1500nm、より好ましくは70〜1300nm、さらに好ましくは100〜1000nmである。このような範囲であれば、発光効率をより向上させることができる。前記体積平均粒径は、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子を集積させる際の混合(反応)時間、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子に対するマトリックスの形成材料の添加量、界面活性剤等の混合比率、反応液中の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子または被覆半導体ナノ粒子の濃度等を制御することにより制御することができる。また、前記体積平均粒径は、半導体ナノ粒子の体積平均粒径の測定方法に準じた方法により測定することができる。
<用途>
本発明の一形態に係る酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、ならびにこれを用いた被覆半導体ナノ粒子および半導体ナノ粒子集積体の用途としては、特に制限されないが、たとえば、分子プローブ等の医療用、試験用材料;太陽電池、液晶表示装置用のバックライト、カラーホイール、白色LED、光通信等が備える波長変換素子に含まれる波長変換層の形成材料;発光装置の封止材;光電変換材料等に好適に用いられる。
以下、具体的な実施例および比較例について説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行う。
<酸化防止性配位子の合成>
前記の酸化防止性配位子の合成の説明における酸化防止性配位子1の合成例、および酸化防止性配位子2の合成例に従い、酸化防止性配位子1および酸化防止性配位子2を合成した。
(酸化防止性配位子1の合成)
DMF100mlに化合物1−111(ピペラジン)(50.0mmol)、炭酸カリウム(100.0mmol)、7−ブロモヘプタンニトリル(120.0mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌した。反応液に水(200ml)を加えた後、トルエン(200ml)で4回抽出を行った。有機相を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで前駆体化合物1を収率58%で得た。
次いで、水素化アルミニウムリチウム(30.0mmol)のTHF(40ml)溶液に、前駆体化合物1(10.0mmol)のTHF溶液(100ml)を窒素雰囲気下、−15℃で加える。同温度で約3時間撹拌し、1.2mlの水を加えてしばらく撹拌したのち1.2mlの5M水酸化ナトリウム水溶液、次いで3.6mlの水を加え、撹拌後セライトを用いて不溶物を濾去する。ろ液を減圧下で濃縮し、水(200ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行った。有機相を減圧濃縮した後に残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで酸化防止性配位子1を収率41%で得た。
(酸化防止性配位子2の合成)
DMF50mlに化合物2−27(2,5−ジオクチルヒドロキノン)(10.0mmol)、水素化ナトリウム(22.0mmol)、炭酸カリウム(30.0mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で気体発生しなくなるまで撹拌した。この反応液に対して7−ブロモヘプタンニトリル(10.0mmol)を滴下し、さらに室温で24時間撹拌した。反応液に水(100ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行った。有機相を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで前駆体化合物2を収率52%で得た。
次いで、水素化アルミニウムリチウム(15.0mmol)のTHF(20ml)溶液に、前駆体化合物2(5.0mmol)のTHF溶液(50ml)を窒素雰囲気下、−15℃で加えた。同温度で約3時間撹拌したのち、0.6mlの水を加えてしばらく撹拌したのち0.6mlの5M水酸化ナトリウム水溶液、次いで1.8mlの水を加え、撹拌後セライトを用いて不溶物を濾去した。ろ液を減圧下で濃縮し、水(100ml)を加えた後、トルエン(100ml)で4回抽出を行った。有機相を減圧濃縮した後に残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することで酸化防止性配位子2を収率43%で得た。
ここで、酸化防止性配位子1および酸化防止性配位子2中に含まれる酸化防止部位は、それぞれ一重項酸素捕捉剤である化合物1−111および化合物2−27由来の部分構造である。
また、酸化防止性配位子1の配位性官能基は7−アミノヘプチル基であり、酸化防止性配位子2の配位性官能基は7−アミノ−1−ヘプチルオキシ基である。
(実施例1)
<半導体ナノ粒子分散液の調製>
以下の手順により、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、および分散媒を含有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を調製した。
コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子としてInP/ZnS(インジウムリン/硫化亜鉛) CoreShell Nanocrystals(NNラボス社製:型番「INP530−100」、半導体ナノ粒子濃度5mg/mLのトルエン分散液)を用いた。酸化防止性配位子2を含むトルエン溶液を、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子2の濃度が所望の値となるよう調整した。次いで、この溶液中に前記半導体ナノ粒子のトルエン分散液を添加し、混合することで半導体ナノ粒子を分散させ、酸化防止性配位子2の濃度が0.1mmol/lであり、かつ半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液1を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子2の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、181molであった。
<酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認>
以下の方法により、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたこと、すなわち半導体ナノ粒子の少なくとも一部に酸化防止性配位子が配位したことを確認した。
得られた酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液5mLに対して、10mLのメタノールを混合した後、11000rpm、30分間遠心分離を行った。次いで、上澄みを捨て、5mLのトルエンと10mLのメタノールを加え、11000rpm、30分間遠心分離を行い、再度この操作を繰り返した。その後、上澄みを捨て、沈殿を乾燥させた後、重クロロホルムに溶解後、H−NMRおよびIRスペクトルを測定した。ここで、得られた沈殿が酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子である。この結果と、酸化防止性配位子2を単独で重クロロホルムに溶解させて行った測定した結果とを比較したところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(実施例2)
半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子2の濃度が1.0mmol/lとなるよう酸化防止性配位子2のトルエン溶液の濃度を調整した以外は実施例1と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液2を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子2の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、1810molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(実施例3)
半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子2の濃度を10.0mmol/lとなるよう酸化防止性配位子2のトルエン溶液の濃度を調整した以外は実施例1と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液3を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子2の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、18100molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(実施例4)
酸化防止性配位子2の代わりに酸化防止性配位子1を用いて、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子1の濃度が0.1mmol/lとなるよう、酸化防止性配位子1のトルエン溶液の濃度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液4を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子1の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、181molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(実施例5)
酸化防止性配位子2の代わりに酸化防止性配位子1を用いて、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子1の濃度が1.0mmol/lとなるよう、酸化防止性配位子1のトルエン溶液の濃度を調整したこと以外は実施例2と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液5を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子1の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、1810molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(実施例6)
酸化防止性配位子2の代わりに酸化防止性配位子1を用いて、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の酸化防止性配位子1の濃度が10.0mmol/lとなるよう、酸化防止性配位子1のトルエン溶液の濃度を調整したこと以外は実施例3と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液6を得た。このとき、分散液中に含まれる酸化防止性配位子1の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、18100molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、酸化防止性配位子が半導体ナノ粒子に配位して酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を形成していることを確認した。
(比較例1)
コア/シェル構造を有する半導体ナノ粒子としてInP/ZnS(インジウムリン/硫化亜鉛) CoreShell Nanocrystals(NNラボス社製:型番「INP530−100」、半導体ナノ粒子濃度5mg/mLのトルエン分散液)をトルエンで希釈することで、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液7を得た。
(比較例2)
酸化防止性配位子2の代わりに化合物2−27を用いて、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の化合物2−27の濃度が0.1mmol/lとなるよう、酸化防止性配位子1のトルエン溶液の濃度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液8を得た。このとき、分散液中に含まれる化合物2−27の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、181molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、化合物2−27は半導体ナノ粒子に配位していないことを確認した。
(比較例3)
酸化防止性配位子2の代わりに化合物1−111を用いて、混合後の半導体ナノ粒子分散液中の化合物1−111の濃度が0.1mmol/lとなるよう、酸化防止性配位子1のトルエン溶液の濃度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、半導体ナノ粒子濃度が5.5×10−7Mである半導体ナノ粒子分散液9を得た。このとき、分散液中に含まれる化合物1−111の量は、半導体ナノ粒子1molに対し、181molであった。
また、実施例1と同様に酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子が形成されたことの確認を行ったところ、化合物1−111は半導体ナノ粒子に配位していないことを確認した。
<一重項酸素捕捉部位の一重項酸素消光速度の測定>
酸化防止性配位子2および酸化防止性配位子1の一重項酸素捕捉部位について、第22回酸化反応討論会要旨集7頁(愛媛大理、大福、向井等)に記載されている方法に従って一重項酸素消光速度(kq)を測定した。詳しくは、化合物2−27、および化合物1−111を用意し、エタノール溶媒中35.0℃で3−(1,4−エピジオキシル−4−メチル−1,4−ジヒドロ−1−ナフチル)プロピオン酸(EP)から、Tetrahedron Lett.,41,2177〜2181(1985)等に記載されている井上等の方法に従って一重項酸素を発生させ、消光の基準物質として、2,5−ジフェニル−3,4−ベンゾフラン(DPBF)を用い、被測定物質をこれと共存させ、両者を一重項酸素に対し競争反応させ、DPBFの吸収波長(λmax=411nm)における吸光度の時間変化を分光光度計より追跡することにより求めた。これらの結果を表1に示す。
なお、比較例2および3においては、それぞれ、酸化防止性配位子ではなく、単に一重項酸素捕捉剤となる化合物を単体として添加している。これより、表1にはこれらの化合物の一重項酸素消光速度を記載した。
<蛍光強度測定>
実施例および比較例で得た各分散液について、光照射前後における最大蛍光強度を測定した。まず、光照射前の最大蛍光強度を測定した。測定は、分光蛍光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、製品名「F−4500」)を用い、励起波長400nm、ホトマル700Vにて行った。
続いて、各分散液に8W/m(450nm)の光照射を室温で30分間行い、直後の最大蛍光強度を光照射前と同じ条件で測定した。得られた結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1〜6は、比較例1と比較して、光照射後における蛍光強度の低下が大幅に抑制された。これより、酸化防止部位および半導体ナノ粒子に対する配位性官能基を有する配位子を含有した半導体ナノ粒子を用いた系では、かような配位子を含有しない半導体ナノ粒子を用いた系と比較して、蛍光強度の低下が大幅に抑制されることが示された。また、実施例1〜6は、比較例2および3と比較して、光照射後における蛍光強度の低下が大幅に抑制された。これより、かような酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子は、単に一重項酸素捕捉剤となる化合物を単体として添加した系と比較して、蛍光強度の低下抑制効果が有意に優れることが確認された。
10 酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、
11 コア部、
12 シェル部、
13 半導体ナノ粒子、
14 酸化防止性配位子配位部分。

Claims (6)

  1. 半導体ナノ粒子と、前記半導体ナノ粒子の少なくとも一部に配位した酸化防止性配位子とを含有し、
    前記酸化防止性配位子は、酸化防止部位および下記一般式(a)で表される配位性官能基を有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子。
    (Qは、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、リン酸基(HPO−)、PH−、PH(=O)−、またはPOH(OH)(=O)−である。
    Rは、−(CH−、−(CH−O)−、およびこれらの組み合わせからなる基から選択され、ここで0≦n≦10であり、0≦m≦10であり、かつ4≦n+m≦10である。)
  2. 前記酸化防止部位が、一重項酸素消光速度(kq)が1.0×10〜1.0〜1010である化合物由来の部分構造である、請求項1に記載の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子。
  3. 前記化合物が、下記一般式(1)および(2)からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子。
    (一般式(1)において、
    Xは、−O−、−N(R)−、−SO−、−SO−、−S(R)(R)−、P(R)−、または−Se−を表し、
    〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくは複素環基を表し、
    Yは3〜8員環の、Xと共に置換または非置換の複素環基を形成するのに必要な非金属原子群を表す。)
    (一般式(2)において、
    Tは、−O(R206)、−N(R207)(R208)、−SR209、−SO(R210)、−SO(R211)、または−P(R212)(R213)(R214)を表し、
    201〜R205は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、スルホンアミド基もしくはシリル基、または−O(R206)、−N(R207)(R208)、−SR209、−SO(R210)、−SO(R211)、もしくはP(R212)(R213)(R214)を表し、
    206〜R214は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基もしくはシリル基を表し、R201〜R205は、互いに結合して5〜6員環またはスピロ環を形成しても良い。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子、および分散媒を含有する、酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液。
  5. 前記半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液と、
    前記酸化防止性配位子および溶媒を含む酸化防止性配位子溶液とを混合することで酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を得る工程、および、
    前記酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液を遠心分離して、得られた沈殿を乾燥することによって請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子を得る工程を含む、
    酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記半導体ナノ粒子および分散媒を含む半導体ナノ粒子分散液と、
    前記酸化防止性配位子および溶媒を含む酸化防止性配位子溶液と混合する工程を含む、
    請求項4に記載の酸化防止性配位子含有半導体ナノ粒子分散液の製造方法。
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