JP2017025028A - 細胞外マトリックス分解抑制剤 - Google Patents

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大樹 久保村
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友哉 上野
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Abstract

【課題】長期間摂取しても副作用などを伴うことがなく、安全に使用でき、特にコラーゲン分解酵素やプロテオグリカン分解酵素の産生を抑制する作用メカニズムによって、細胞外マトリックスの分解を抑制することができる細胞外マトリックス分解抑制剤を提供する。
【解決手段】N−アセチルグルコサミンを細胞外マトリックス分解抑制剤の有効成分とする。本発明は、例えば、癌、心筋梗塞、動脈硬化、肺気腫などの疾患の予防や症状の進行の遅延化に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、N−アセチルグルコサミンを有効成分とする細胞外マトリックス分解抑制剤に関する。
細胞外マトリックスは、細胞外にあって細胞と細胞の間を埋めて細胞を構造的に支持する組織であり、一般にコラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、エラスチン、細胞接着性蛋白質などで構成されている。基底膜、軟骨、腱等の形態に見られるように、全身さまざまの組織にわたって多様な形態を与える存在であるが、単にそのような構造体であるだけでなく、その微小環境下における細胞の増殖や分化を直接制御している。近年では、細胞外マトリックスの分解が様々な疾病の発生メカニズムに関わっていることも明らかにされつつある。よって、細胞外マトリックス分解の抑制によりそれら疾病の予防や症状の進行の遅延化を実現することができる、化合物や組成物の開発が望まれている。
一方、N−アセチルグルコサミンは細胞外マトリックスの構成成分の1つであるヒアルロン酸の構成アミノ糖である。N−アセチルグルコサミンについて、例えば、特許文献1には、軟骨あるいは結合組織の損傷や関節炎の治療あるいはそれらの治癒状態の維持を必要としている人間と動物における、その効果的な量のN−アセチルグルコサミンとコンドロイチン硫酸塩の組み合わせを含む、軟骨あるいは結合組織の損傷や関節炎の治療あるいはそれらの治癒状態の維持のための組成物が記載されている(特許文献1の請求項15参照)。
特許第2971579号公報
しかしながら、N−アセチルグルコサミンに細胞外マトリックスの分解を抑制する作用効果があることは示されていなかった。
本発明の目的は、長期間摂取しても副作用などを伴うことがなく、安全に使用でき、特にコラーゲン分解酵素やプロテオグリカン分解酵素の産生を抑制する作用メカニズムによって、細胞外マトリックスの分解を抑制することができる細胞外マトリックス分解抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、N−アセチルグルコサミンに、細胞外マトリックスの分解を抑制する作用効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する細胞外マトリックス分解抑制剤を提供する。
[1] N−アセチルグルコサミンを有効成分とすることを特徴とする細胞外マトリックス分解抑制剤。
[2] コラーゲン分解酵素の産生を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する前記[1]記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
[3] Mmp2及び/又はMmp13遺伝子の転写活性を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する前記[1]又は[2]記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
[4] プロテオグリカン分解酵素の産生を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
[5] Adamts4遺伝子の転写活性を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤は、N−アセチルグルコサミンを有効成分とするので、特にコラーゲン分解酵素やプロテオグリカン分解酵素の産生を抑制する作用メカニズムによって、細胞外マトリックスの分解を抑制することができる。また、長期間摂取しても副作用などを伴うことがなく、安全に使用できる。
試験例1において手術により前十字靱帯を断裂させたラットに対するN−アセチルグルコサミン投与の影響をII型コラーゲン分解物の血中濃度推移を指標にして調べた結果を示す図表である。 試験例2において健常者に対するN−アセチルグルコサミン投与の影響をII型コラーゲン分解物の血中濃度推移を指標にして調べた結果を示す図表である。
本発明においては、細胞外マトリックスの分解を抑制するための有効成分としてN−アセチルグルコサミンを用いる。ここで「細胞外マトリックス」とは、例えば、基底膜、軟骨、腱、骨、間質性組織、脳、血管等に目立って存在する、細胞外にあって細胞と細胞の間を埋めて細胞を構造的に支持する組織一般のことを意味し、特に制限されるものではないが、本発明においては、特にその構成成分としてコラーゲンやプロテオグリカンを含むものが好ましく例示される。全身にわたる細胞外マトリックス、いずれも適用対象となり得るが、本発明を、例えば癌、心臓疾患、血管疾患、肺疾患等の疾病の治療や予防のために利用する場合には、その癌、心臓、血管、あるいは肺等の組織を構成する細胞の周縁あるいは周囲に存在する細胞外マトリックスが、特に適用対象となる。また「細胞外マトリックスの分解を抑制する」とは、ヒトや動物において、何らかの疾病原因によって細胞外マトリックスが減少している症状が顕れているときに、N−アセチルグルコサミンを投与することによって、その減少を防いだり、その減少の程度を緩和したりすることを意味するとともに、細胞外マトリックスの減少の症状を引き起こす特定の疾病を発症したヒトや動物に、N−アセチルグルコサミンを投与することによって、その症状が顕れるのを防いだり、遅延させたりすることをも含む意味である。あるいは健常者において、老化や日常的な要因によって細胞外マトリックスが減少している症状が顕れているときに、N−アセチルグルコサミンを投与することによって、その減少を防いだり、その減少の程度を緩和したりすることを意味するとともに、健康維持の目的をもつヒトや動物に、N−アセチルグルコサミンを投与することによって、細胞外マトリックスの減少の症状が顕れるのを防いだり、遅延させたりすることをも含む意味である。
本発明に使用されるN−アセチルグルコサミンは、その由来、製法等について特に制限はなく、化学合成法、発酵法、キチンの酵素的加水分解などによって調製されたものを適宜選択して用いればよいが、好ましい態様においては、キチン等の天然物から調製されたものを用いることが好ましい。これによれば、食品等に準じてより安全に摂取することができる。
天然物から調製する方法としては、例えば、グルコース等の糖類を原料とした発酵法(特開2003−034568号公報等)なども挙げられるが、生産効率の観点からは、酸や酵素を用いた加水分解法(特公平5−33037号公報、特開2000−281696号公報等)などによることが好ましい。具体的には、例えば、カニ、エビ等の甲殻類の甲皮から調製されたキチン質原料を塩酸等の酸で部分的に加水分解し、得られたN−アセチルキトオリゴ糖を含有する分解液を中和後、イオン交換膜電気透析法等によって脱塩処理した後、共存するグルコサミン塩酸塩をイオン交換樹脂等によって吸着除去し、N−アセチルキトオリゴ糖に対して加水分解能を有する酵素(例えば、リゾチーム、キチナーゼ、キトビアーゼ等)を作用させて、N−アセチルグルコサミンを調製することができる。N−アセチルグルコサミンは、必要に応じて更に活性炭、イオン交換樹脂、アルコール、結晶化等で精製することにより、その純度を高めることができる。また、上記のようにして調製された天然型のN−アセチルグルコサミンは市販されており、例えば、商品名「マリンスウィート」(焼津水産化学工業株式会社製)等を用いてもよい。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤は、N−アセチルグルコサミンを有効成分とするものであり、これをヒトや動物に投与することにより、特にコラーゲン分解酵素やプロテオグリカン分解酵素の産生を抑制する作用メカニズムによって、細胞外マトリックスの分解を抑制することができる。N−アセチルグルコサミンは、既に健康食品やサプリメント等として使用実績が豊富な物質であり、長期間摂取しても副作用などを伴うことがなく、安全に使用できる。また、その投与形態に特に制限はない。例えば、経口投与、経皮投与、静脈内投与、吸引投与、経鼻投与、肛門内あるいは膣内投与、脳内局所投与、患部局所投与などが挙げられる。なかでも、摂取の負担の軽減や投与のし易さの観点からは、経口投与の形態が好ましい。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤においては、その作用効果を損なわない範囲でN−アセチルグルコサミン以外に他の成分や素材を含有させることができる。例えば、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、トローチ剤、ゼリー状剤、飴状剤、塗布剤、注射剤、吸引剤、座剤などの形態とすることができる。また、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、プロテオグリカン、単糖、オリゴ糖、多糖、食物繊維、糖アルコール、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母、麹菌、又はこれらを含有もしくは配合した飲食品などと組み合わせて使用されることが可能である。これによれば、本発明の作用効果をより有効に発揮させることができる。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤の使用形態としては、その作用効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用健康食品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメントなど各種の製品形態で、あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。また、各種の飲食品と組み合わせて使用してもよい。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤を例えば経口投与する場合、その剤形形態の全体中には、N−アセチルグルコサミンを固形分換算で0.1〜99質量%含有していることが好ましく、0.1〜80質量%含有していることがより好ましく、0.1〜60質量%含有していることが最も好ましい。また、その投与量としては、成人1日当たり0.1〜15g程度であることが好ましく、0.3〜5g程度であることがより好ましい。投与量が0.1g未満では改善の効果が期待できず、15gを超えると体質により軟便、下痢などの症状が出る可能性があるため好ましくない。
本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤は、後述する実施例に示されるように、ヒトや動物に経口的に投与することによって、コラーゲン分解酵素をコードするMmp2及び/又はMmp13遺伝子や、プロテオグリカン分解酵素をコードするAdamts4遺伝子の転写活性を抑制する。より具体的には、matrix metalloproteinase−2(Mmp2)(例えばヒト配列の場合:NCBI Reference Sequence:NP_001121363.1参照)をコードするMmp2遺伝子や、matrix metalloproteinase 13(Mmp13)(例えばヒト配列の場合:NCBIReference Sequence:NP_002418.1参照)をコードするMmp13遺伝子や、a disintegrin and metallopeptidase with thrombospondin motifs 4(Adamts4)(例えばヒト配列の場合:GenBank:AAQ89245.1参照)をコードするAdamts4遺伝子の転写活性を抑制する。
上記の遺伝子に関しては、がん細胞の浸潤や転移、心筋梗塞、心不全、心筋梗塞時の壊死心筋による心破裂、動脈硬化、大動脈瘤、肺胞コラーゲン線維の分解による肺気腫の発症などに関与していることが知られている。より具体的には、以下の文献が知られている。
(癌)
・Seiki M「Membrane-type 1 matrix metalloproteinase: a key enzyme for tumor invasion.」Cancer Lett. 2003 May 8;194(1):1-11.
・Wang H et al.「MicroRNA-29b attenuates non-small cell lung cancer metastasis by targeting matrix metalloproteinase 2 and PTEN.」J Exp Clin Cancer Res. 2015 Jun 11;34(1):59.
(心臓疾患・血管疾患)
・Creemers EEJM et al.「Matrix metalloproteinase inhibition. A new approach to prevent heart failure?」 Circulation 2001, 89: 201-210
(肺気腫)
・Congxiao Gao et al.「Sensitivity of heterozygous α1, 6-fucosyltransferase knock out mice to cigarettesmoke-induced emphysema: Implication of aberrant TGF-β signaling and MMP geneexpression」J. Biol. Chem. published online March 20, 2012.
よって、本発明の細胞外マトリックス分解抑制剤は、例えば、癌、心筋梗塞、心不全、心筋梗塞時の壊死心筋による心破裂、動脈硬化、大動脈瘤、肺気腫などの治療や予防、その症状の進行の遅延化などのために、好適に用いられる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<試験例1>
ラットにおける動物試験を以下の要領で行った。
(1)関節炎+N−アセチルグルコサミン(「NAG投与群」:ラット10匹)
手術により前十字靱帯を断裂させたラットにN−アセチルグルコサミンを毎日1,000mg/kg/日の投与量で28日間経口投与した。
(2)関節炎+水(「比較群」:ラット10匹)
手術により前十字靱帯を断裂させたラットにN−アセチルグルコサミンにかえて水を毎日1,000mg/kg/日の投与量で28日間経口投与した。
(3)偽手術(「偽手術群」:ラット10匹)
前十字靱帯を断裂させない切開手術(偽手術)のみを施したラットを、何も投与せず、飼育した。
各試験群のラットについて、試験開始直後、14日目、及び28日目に、それぞれのラットから血液を採取して、軟骨代謝マーカーであるII型コラーゲン分解物(C2C)の血中濃度をELISA測定キット(「Collagen Type II Cleavage Assay」IBEX社)により測定した。
図1には、試験開始直後の値からの変化量として試験群ごとの平均値で表した結果を示す。なお、図1中に「**」で示す測定値は、1日目と比較したときの有意差検定において「p<0.05」であったことを示す。有意差はt検定で算出し、Holm法で多重性の補正を実施した。
その結果、NAG投与群(関節炎+N−アセチルグルコサミン)では比較群(関節炎+水)と比べて、軟骨代謝マーカーであるII型コラーゲン分解物(C2C)の手術後の血中濃度推移が、有意に抑制傾向となった。
<試験例2>
健常者における試験を以下の要領で行った。
ひざに痛み、病変のない健常な男女17名(平均年齢48.4歳)をランダムに2群に分け、摂取群には1日摂取量あたり500mgのN−アセチルグルコサミンを含む飲料を16週間摂取してもらい、プラセボ群にはN−アセチルグルコサミンを含まないプラセボ(偽薬)飲料を16週間取してもらった。摂取前、摂取開始8週間後、及び16週間後に、それぞれの被験者から血液を採取して、軟骨代謝マーカーであるII型コラーゲン分解物(C2C)の血中濃度をELISA測定キット(「Collagen Type II Cleavage Assay」IBEX社)により測定した。
図2には、摂取前の値からの変化量として試験群ごとの平均値で表した結果を示す。なお、図2中に「**」で示す測定値は、1日目と比較したときの有意差検定において「p<0.05」であったことを示す。有意差はt検定で算出し、Holm法で多重性の補正を実施した。
その結果、摂取群(N−アセチルグルコサミン摂取)ではプラセボ群(非摂取)と比べて、軟骨代謝マーカーであるII型コラーゲン分解物(C2C)の手術後の血中濃度推移が、有意に抑制傾向となった。
<試験例3>
試験例1のラットにおける遺伝子発現解析を以下の要領で行った。
試験例1の試験開始28日目の翌日に各群6例のラットについて頚椎脱臼により安楽死させた後、膝関節を切断して脛骨側と大腿骨側に分離し、脛骨側の膝関節から軟骨を採取した。採取した軟骨は、浸漬液(「RNAlater」Qiagen社)に浸漬後に、凍結(−70℃以下)保管した。
上記凍結サンプル10〜50mgを使用し、totalRNA抽出キット(「RNAiso plus」タカラバイオ株式会社)を用いてtotalRNAを抽出し、さらに液相でDNase処理し、RNA精製キット(「RNeasy MinElute Cleanup Kit」QIAGEN社)で精製した。抽出したtotalRNAは凍結(−70℃以下)保管した。
上記totalRNAを使用し、DNAマイクロアレイ法の常法に従い、網羅的遺伝子発現解析を行った。解析の結果、偽手術群と比べて比較群(関節炎+水)で1.5倍以上に発現が亢進し、かつNAG投与群(関節炎+N−アセチルグルコサミン)でその発現の亢進が緩和された遺伝子のリストには、細胞外マトリックスを構成する蛋白質をコードする遺伝子(以下、「細胞外マトリックス関連遺伝子」という場合がある。)が多く含まれていた。
そこで、細胞外マトリックス関連蛋白質として知られるMmp2(matrix metalloproteinase 2)、Mmp13(matrix metalloproteinase 13)、及びAdamts4(a disintegrin and metallopeptidase with thrombospondin motifs 4)の各遺伝子について、リアルタイムPCR法の常法に従い、定量的遺伝子発現解析を行った。なお、Mmp2(matrix metalloproteinase 2)は線維芽細胞や軟骨細胞でIV, V, VII, XI型コラーゲン分解酵素であることが知られている。また、Mmp13(matrix metalloproteinase 13)は軟骨細胞で産生されるI, II, III型コラーゲンの分解酵素であることが知られている。また、Adamts4(a disintegrin and metallopeptidase with thrombospondin motifs 4)は関節軟骨におけるアグリカンや脳におけるブレビカン、さまざまな組織に存在するバーシカンなどのプロテオグリカンを分解する酵素であることが知られている。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、リアルタイムPCR法でもDNAマイクロアレイ解析と同様の結果を確認できた。
これらの結果から、試験例1や試験例2の結果において、軟骨代謝マーカーであるII型コラーゲン分解物(C2C)の血中濃度推移がNAG投与群において抑制傾向となったのは、N−アセチルグルコサミンの投与により、軟骨等の細胞外マトリックスの分解に関与するこれら遺伝子(Mmp2、Mmp13、Acamts4)の遺伝子発現や遺伝子発現の亢進が抑制されたためであると考えられた。

Claims (5)

  1. N−アセチルグルコサミンを有効成分とすることを特徴とする細胞外マトリックス分解抑制剤。
  2. コラーゲン分解酵素の産生を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する請求項1記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
  3. Mmp2及び/又はMmp13遺伝子の転写活性を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する請求項1又は2記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
  4. プロテオグリカン分解酵素の産生を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する請求項1〜3のいずれか1つに記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
  5. Adamts4遺伝子の転写活性を抑制することにより、細胞外マトリックスの分解を抑制する請求項1〜4のいずれか1つに記載の細胞外マトリックス分解抑制剤。
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