JP2017024704A - 自動車のドアホールシール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車ドアのインナーパネル1とドアトリム2との間に設けられ、その一部に、ワイヤーハーネス100を車外側101から車内側102に抜き出すためのスリット機構30を設けたドアホールシール20であって、スリット機構30は、メインシート21に対して上下に延びる第一スリット23と、その第一スリット23の下端に形成され、ワイヤーハーネス100の径より若干小さくワイヤーハーネス100が納められる丸孔24から構成されてなる。
【選択図】図1
Description
なお、ドアホールシール10としてはメインシート11の一枚だけで構成され、それにスリット13が形成されてなるものや、図7に示すように、メインシート11の車外側にサブシート12を重ねて取付けられたものから構成され、サブシート12側にもスリット14が形成されたものなどが知られている。サブシート12はメインシート11に対して部分的に溶着により取付けられている。符号Sは溶着ラインを示している。
なお、特許文献1及び特許文献2には、ワイヤーハーネス100を抜き出すためのスリットは開示されているが、スリットの口開き防止に関する記載はない。
前記スリット機構(30)は、メインシート(21,41)に対して上下に延びる第一スリット(23)と、その第一スリット(23)の下端に形成され、前記ワイヤーハーネス(100)の径と同径又はそれより若干小さく前記ワイヤーハーネス(100)が納められる丸孔(24,34,44)から構成されてなることを特徴とする。
ここで、「上下」とは、車両が水平にある状態での方向を示す。
ここで、前記メインシート(21)の一方の層(411)の態様としては、他方の層(412)と比較して、比重が小さい場合,吸水率が高い場合,比重が小さくしかも吸水率が高い場合の3つの態様のいずれか一つの場合を示している。
したがって、丸孔に対してワイヤーハーネスは隙間がないかあるいは隙間を極めて小さくすることができるので、スリットの口開きが防止される。よって、遮音性も特に低下することはなく水の浸入防止にもなる。また、下端に丸孔を規制したことで、自動車の振動によってワイヤーハーネスが上下に振動したとしても、スリットの下端に負荷が集中し、スリットが破れてしまうことが防止できる。
このドアホールシール20は、自動車ドアのインナーパネル1とドアトリム2との間に設けられ、その上端部に、ドアガラス5を昇降させるためのウインドレギュレータ4用のワイヤーハーネス100を車外側から車内側に抜き出すためのスリット機構30を形成したものである。
第一スリット23は、メインシート21に対して上下、すなわち略垂直方向に線状に延び、第一スリット23の下端に丸孔24が形成されている。第一スリット23はメインシート21の上下にカッター(図示しない)で一筋の切れ目を入れたものであり大きな幅を有するものではない。ここで、「上下」とは、車両が水平にある状態での方向を示す。
丸孔24の径Lは、ワイヤーハーネス100の径よりも若干小さく設定してあり、ワイヤーハーネス100が丸孔24に安定した状態で納められ、その後、上下左右に位置ずれしないようにされている。なお、丸孔24の径Lをワイヤーハーネス100の径と同径としてもよいが、ワイヤーハーネス100の径よりも若干小さい方が、通線後のワイヤーハーネス100の周囲を軟らかいメインシート21が密着して包む様になり、第一スリット23の口開き量が少なくなるので好ましい。
第二スリット25は、サブシート22に対して略水平方向に延び、しかも丸孔24の位置より下位で溶着ラインSよりも上位に形成されている。なお、ここでは第二スリット25は上下に多少の幅を有しているが、サブシート22の左右にカッター(図示しない)で一筋の切れ目を入れたものであってもよい。
スリット機構30については、メインシート21とそれに形成された第一スリット23と丸孔24だけで構成することも可能ではあるが、メインシート21にサブシート22を重ねてサブシート22にも第二スリット25を設けることで、サブシート22が軟らかいメインシート21の支持材になるので、ワイヤーハーネス100の自重によってメインシート21が必要以上に垂れ下がることが防止されるとともに、メインシート21とサブシート22の二重シートによって遮音効果が向上し水の浸入も防止される。
さらに、第一スリット23は、メインシート21に対して略垂直方向に線状に延びているため、ワイヤーハーネス100が丸孔24に納められた後はワイヤーハーネスの自重によっても第一スリット23に沿って移動することを抑制している。
なお、サブシート22は、ポリプロピレン(PP)など、その他の種類の熱可塑性樹脂が用いられてもよくポリエチレンに限られない。
ここで垂直方向及び水平方向とは、図で見た方向であると同時にドアホールシール20を車両へ組付けた後の状態でもある。つまり、略垂直とは、車両が水平にある状態にて、メインシート21の面上において垂直から両側に各40度(°)振れた範囲内にあることであり、垂直とは、車両が水平にある状態にて、メインシート21の面上において垂直から両側に各10度(°)振れた範囲の内側にあることを示している。車両が水平にある状態にて、実際の垂直からこの範囲内であれば機能性を有している。しかし、第一スリット23は垂直に、そして第二スリット25は水平に設けるのが最も好ましい。これは特にサブシート22の下記する機能に起因しており、第二スリット25が大きく斜めに設けられると水平であるのと比較して防水性が劣り、ワイヤーハーネス100の位置ズレ防止には、第一スリット23が第二スリット25に対して直角方向であることが好ましいと考えられるためである。
また、本実施形態において、第一スリット23および第二スリット25の各両端部には丸穴形状(円形状)の部位となるスリット止め部を形成し、各スリット23,25の切り裂けを防止している。
したがって、丸孔24に対してワイヤーハーネス100は隙間がないかあるいは隙間を極めて小さくすることができるので、スリット23の口開きが防止され、これによって、遮音性も特に低下することはなく水の浸入防止にもなる。
これによれば、例えば径の小さい側を車外側101にすると、先端が肉薄となったメインシート21がその材質の柔軟性と相まってワイヤーハーネス100に一層密着するので隙間の発生がより防止される。また、車外側101で隙間の無いシールがされるため水などの浸入をより手前で確実に防止することができる。
また、これとは逆に車外側101を径の大きい側とし車外側101からワイヤーハーネス100を挿入するのであれば、ワイヤーハーネス100の挿入が容易になる。そして、径の小さい側、ここでは車内側102は、メインシート21がワイヤーハーネス100に一層密着するので隙間の発生が防止される。
ここで、比重が小さい及び/又は吸水率が高い一方の層411とは、他方の層412と比較して、比重が小さい場合,吸水率が高い場合,比重が小さくしかも吸水率が高い場合の3つの態様のいずれか一つの場合を示している。
2 ドアトリム
3 ドアアウターパネル
4 ウインドレギュレータ
5 ドアガラス
10 ドアホールシール
11 メインシート
12 サブシート
13 スリット
14 スリット
20 ドアホールシール
21 メインシート
22 サブシート
23 第一スリット
24 丸孔
25 第二スリット
30 スリット機構
34 丸孔
41 メインシート
44 丸孔
100 ワイヤーハーネス
101 車外側
102 車内側
411 一方の層
412 他方の層
M 口開き
S 溶着ライン
Claims (6)
- 自動車ドアのインナーパネルとドアトリムとの間に設けられ、その一部に、ワイヤーハーネスを車外側から車内側あるいは車内側から車外側に抜き出すためのスリット機構を設けたドアホールシールであって、
前記スリット機構は、メインシートに対して上下に延びる第一スリットと、その第一スリットの下端に形成され、前記ワイヤーハーネスの径と同径又はそれより若干小さく前記ワイヤーハーネスが納められる丸孔から構成されてなることを特徴とするドアホールシール。 - 前記メインシートは、比重0.05〜0.4の遮音性シートであることを特徴とする請求項1に記載のドアホールシール。
- 前記メインシートに形成された丸孔は、前記メインシートの車外側から車内側に、あるいは車内側から車外側にテーパー状に拡径した状態で貫通することを特徴とする請求項1又は2に記載のドアホールシール。
- 前記メインシートは断面2層構造であって、一方の層は他方の層と比較して比重が小さい及び/又は吸水率が高いことを特徴とする請求項2又は3に記載のドアホールシール。
- 前記断面2層構造のメインシートは、該2層のメインシートに形成された丸孔が、前記メインシートの比重が小さい及び/又は吸水率が高い一方の層から他方の層にテーパー状に拡径した状態で貫通したことを特徴とする請求項4記載のドアホールシール。
- 前記メインシートの車外側にサブシートを重ねて取付け、前記サブシートの、前記丸孔の位置より下位に、略水平方向に延びる第二スリットを形成したことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のドアホールシール。
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