JP2017024207A - レーザー発色性カード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも片面にポリカーボネート基材からなる透明なレーザー発色基材があり、レーザー印字が可能なカードにおいて、最外層に透明な外装基材を有し、レーザー発色基材と接する内側の層に白色の基材を有し、内部にエッチングもしくは銅線からなる通信用のアンテナを有することを特徴としたカード。
【選択図】図1
Description
非接触式のICカードは、他のレーザー発色性カードと同様に、発色性に優れる構成とする必要があると共に、さらにアンテナコイルを隠ぺいさせる構成とすることが好ましい。
さらに、上記高温での処理の問題は、熱成形を行うと一般的なインキでは変色や樹脂の劣化が発生するということがある。また、磁気テープを埋め込む場合、Tgが高く、熱変形しにくいため、熱成形時に磁気テープの埋め込みが難しい。さらには、ポリカーボネートは雄雌金型によるパンチング適性が高くなく、小切れ化に刃物による切断が必要なる場合がある。
図1〜3に本発明のレーザー発色性カードの一実施形態の断面構造を示す。
図1において、2層の隠ぺい性及び光反射性又は拡散性を有するコア基材3と、2層のコア基材の間にアンテナ4(ワイヤー又は巻線タイプ)を備え、コア基材の両面にそれぞれレーザー発色基材2と、最外層にそれぞれ外装基材1とを備えている。換言すれば、レーザー発色基材2は、コア基材3と外装基材1とに挟まれている。そして、アンテナ4に接続されたICチップ6を備える。
図2では、アンテナ4がアンテナ基材5に形成したエッチングタイプのアンテナを用い、同じく基材上に形成したICチップ6とアンテナ4が接続している。
図3では、一方の外装基材に磁気層8を埋設してなる。そして、接触式の外部端子を有するICモジュール7を備え、コア基材内部に形成したアンテナ4と接続したデュアルインタフェースタイプのICカードである。
なお、図示しないが、図3の変形例として、接触式の外部端子を有するICモジュール7をアンテナ4と接続させず独立させ、別にコア基材内部にアンテナ4と接続するICチップ6を設けたハイブリットタイプのICカードとしてもよい。
これらの例ではコア基材の両面にレーザー発色基材を設けた例で説明したが、コア基材の一方の面のみにレーザー発色基材を設けてもよい。
被覆された銅線(エナメル線)を所定のアンテナパターンでコア基材上に埋め込む巻線アンテナ方式や、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのアンテナ基材に、20〜50μmの厚みのアルミニウム、銅を接着剤等で形成し、所定のアンテナパターンをエッチングにより形成するエッチングアンテナ方式などを用いることができる。
ただし、アンテナが金属薄膜からなる場合、アンテナが被覆銅線からなる場合と比べて、通信部に、金属薄膜の基材が含まれるため通信部が厚くなり、また、アンテナの面積が大きい。そのため、外装基材の表面にアンテナの形状が浮き出やすく、アンテナの形状が浮き出たとき、その形状が視認され易い。一方、巻き線アンテナ方式の方が、面積が小さくなるため、後述の熱成形時の凹凸が目立ちにくいという利点を有している。
コア基材はアンテナコイルを隠ぺいすると共に、隣接するレーザー発色基材のレーザー発色適正を向上させるため、アンテナコイルが透けて見えない程度の隠ぺい性及び光反射又は拡散性を有することが好ましい。
このようなものとして、白色の基材を用いることができる。白色であればレーザー光を反射及び/又は拡散できるため好ましい。なお、隠ぺい性及び光反射又は拡散性を有するものであれば白色以外でも構わない。
このような白色コア基材としては、ポリエステル単体もしくは、ポリエステルとポリカーボネートのポリマーアロイ、もしくはポリエステルとポリカーボネートの共押出等による積層構造を用いることができる。
なお、単体やポリマーアロイよりは、ポリエステルとポリカーボネートの共押出等の積層構造にした方が界面での反射が期待できるため効果的である。
ポリエステル樹脂は特に制限はないが、非晶性であることが望ましい。例として、テレフタル酸と、シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体、テレフタル酸とイソフタル酸及びエチレングリコールとの共重合体,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。また、イソシアネート等により架橋をさせても良い。
コア基材として、ポリエステルとポリカーボネートのポリマーアロイ、もしくはポリエステルとポリカーボネートの共押出等による積層構造を用いる場合、熱成形の温度が100〜140℃の場合、ポリカーボネートの比率を10〜60%にするのが適している。これより少ないと成形時の流動性が高すぎ、これより高いと成形時にアンテナに合わせて変形しない、熱融着しない等の不具合が発生する。
コア基材の外装側の表面(積層時は界面)はマットであることが好ましい。コア基材の表面(界面)を粗くすることで、隣接するレーザー発色基材をレーザー照射により発色させる際、レーザー発色基材を通過したレーザー光をレーザー発色基材に向けて拡散反射させ、拡散反射光を発色に寄与させることができるため好ましい。なお、粗くしすぎるとレーザー印字の解像度が低下する。
また、コア基材の表面(界面)を粗くすることで、白色基材の厚みや色の濃度が高くない場合でも、アンテナが透けて見えることを低減させることができるため好ましい。
コア基材の外装側の表面(積層時は界面)の粗さは、算術平均粗さRaで0.4〜3.0μmが好ましい。
算術平均粗さが0.4μmより小さいと拡散反射による白色度向上の効果が弱まってしまう。また、算術平均粗さが3.0μmより大きいとレーザー発色のにじみが出やすくなる。
また、コア基材の厚みは500〜700μmが好ましい。
コア基材の厚みが500μmより薄いと接触ICモジュールを埋める場合に裏透けが発生する可能性が出てくる。また、コア基材の厚みが700μmより大きいとJIS規格に定める0.84mmを外れてしまう恐れが出てくる。
例えば、積層後の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)等の顕微鏡を用いて撮影し、断面画像から得られる界面の凹凸を粗さ曲線とし、下記式で表されるように、平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計して平均した値(Ra)を用いることができる。なお測定長さは5μm以上、好ましくは10μm以上であることが好ましい。この範囲であれば傷や異物等の影響を少なくでき、精度の高いデータを得ることができる。
特に結晶性基材である結晶性ポリエステル又は結晶性の成分を含む結晶性ポリエステルとポリカーボネートのポリマーアロイからなる基材を用いることで、カード化した際の曲げ耐性を向上させることができる。
なかでも、機械的強度を上げる為には、結晶性ポリエステルが最も適している。
結晶性ポリエステル単体で使用する場合は、延伸処理をしてあると強度が向上するため好ましい。結晶性ポリエステルは例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が使用できる。また、この場合は、レーザー発色基材と外装基材を貼り合わせるための接着剤が必要となる。
ポリマーアロイの場合は、熱成形時にレーザー発色基材を熱融着させることができるという利点がある。ポリマーアロイに用いる結晶性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が使用できる。また、ポリマーアロイを用いる場合、成形温度が100〜140℃の場合、ポリカーボネートの比率が20〜80%であることが好ましい。これより高いと流動性が高すぎて変形や歪みの原因となり、これより低いと熱融着不良の原因となる。
また、外装基材の厚みは50〜200μmが好ましい。50μm未満では印刷、加工適性に劣り、200μmより厚いと透明層が厚すぎ、カードとしての不透過度確保が難しいためである。
各基材間を貼り合わせるために接着剤を使用しても良い。接着剤の種類に特に制約は無いが、水系エマルジョン、溶剤型、UV硬化型等の接着剤を使用することができる。
磁気層(磁気テープ)は、カード用として一般的に使用されるものであれば、特に制約はない。厚みは10μm以上30μm以下のものが良く、10μm以上20μm以上のものが特に好適である。磁気層(磁気テープ)は、外装基材やコア基材をラミネートした後に外装基材に埋設加工してもよいし、予め外装基材に埋設してコア基材等とラミネートしてもよい。本カードは外装基材に磁気テープを配置しても良い。予め外装基材に埋設する場合、接着剤が塗工された磁気テープを熱転写により外装基材への貼りつけを行うことができる。
各基材の表面に印刷を施しても良い。印刷方式としては、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等が挙げられる。乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外線照射、紫外線照射等が挙げられる。
巻線(ワイヤー)アンテナを用いる場合は、一対のコア基材のうち一方のコア基材にアンテナを描画し、アンテナを挟み込むように他方のコア基材を積層する。
エッチングアンテナを用いる場合は、一対のコア基材のうち一方のコア基材にアンテナが形成されたアンテナ基材を積層し、アンテナ基材を挟み込むように他方のコア基材を積層する。コア基材の上に配置する。
アンテナの配置は、個片状でも多面付けの全判状のどちらでもよい。
なお、アンテナを形成する際、同時にICチップを設けアンテナと接続することができる。
両側に積層する場合、材質、厚みを同等にすることが好ましい。
ポリカーボネートの割合は、60%以下であることが好ましく、50%以下であるとポリエステル樹脂の特徴の方がより大きく出るため、更に適している。
ポリカーボネートの割合は、コア基材、発色シート、外装基材に用いる樹脂成分のうち、ポリカーボネートが含まれる比率を計算することで求めることができる。
基材や条件は以下に記載のものを用いて、本発明のカードを作製した。
(材料)
アンテナ基材 厚さ38μm PETベース
アンテナコイル 厚さ35μmの銅箔のエッチングアンテナ
コア基材 非晶質白色ポリエチレンテレフタレート(PG−WHI、厚さ260μm:三菱樹脂) 表面粗さRa1.50μm
レーザー発色シート ポリカーボネート製炭素添加(DPI−TR、厚さ60μm、三菱樹脂)
外装基材 PA−C(厚さ60μm:三菱樹脂)
磁気テープ SP−01(トッパンTDKレーベル社製)
(生産条件)
熱成形 温度150℃,圧力2MPa
パンチング 雄雌金型
次に、磁気テープ15の配置された外装基材1が、コア基材と中間基材との積層体を挟むように積層される。その後、レーザー印字を行う。磁気テープ5には、予め接着剤が塗工され、磁気テープ5は、熱転写によって、一方の外装基材1aに貼り付けられる。
コア基材3とレーザー発色基材2と外装基材1との積層体が加圧された状態で、加熱され、その後、冷却される。これによって、アンテナ4がコア基材3に埋め込まれ、1つの板状に成形される。
材料、生産条件を以下のようにした以外は実施例1と同様に作成した。
(材料)
アンテナ基材 PETベース
アンテナコイル 厚さ35μmの銅箔のエッチングアンテナ
コア基材 非晶質透明ポリエチレンテレフタレート(PG−CHI、厚さ260μm:三菱樹脂) 表面粗さRa1.50μm
レーザー発色シート ポリカーボネート製炭素添加(DPI−TR、厚さ60μm、三菱樹脂)
外装基材 CG−030M(厚さ60μm:太平化学製品)
磁気テープ SP−01(トッパンTDKレーベル)
(生産条件)
熱成形 温度120℃,圧力2MPa
パンチング 雄雌金型
熱性後のアンテナ部のある領域と無い領域の高さの差を表面粗さ計にて測定した。
結果を表1に示す。
結果を表2に示す。
印字機 MX6000(日本データカード)
印字条件 解像度 500dpi,90kHz,出力150
印字パターン □5mmのタイル状パターン
測定器 Macbeth RD914
印字濃度 実施例1.2〜1.5
比較例0.3〜0.5
結果を表3に示す。
JISX6301,6305−1に規定される静的曲げ強さを測定する。
結果を表4に示す。
実施例1は、比較例1に対して、表面粗さをRa1.5μmとすることで、レーザー発色性が良好で、かつ、アンテナの透けが見えない発色性カードが提供できた。
2 レーザー発色基材
3 コア基材
4 アンテナ
5 アンテナ基材
6 ICチップ
7 ICモジュール
8 磁気層(磁気テープ)
Claims (3)
- 内部にアンテナコイル有する単層又は複数層からなるコア基材と、コア基材の一方の面又は両方の面に透明レーザー発色性基材を有し、さらに両方の面の最外層に透明外装基材を有するレーザー発色性カードであって、
該コア基材が、隠ぺい性及び光線反射又は拡散性を有することを特徴とするレーザー発色性カード。 - 前記コア基材が、白色基材からなることを特徴としたレーザー発色性カード。
- 前記コア基材のうち、透明レーザー発色性基材と接する側の算術平均粗さRaが0.4〜3.0μmであることを特徴としたレーザー発色性カード。
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