JP2017024105A - 切断用ブレード及びその製造方法 - Google Patents

切断用ブレード及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017024105A
JP2017024105A JP2015143772A JP2015143772A JP2017024105A JP 2017024105 A JP2017024105 A JP 2017024105A JP 2015143772 A JP2015143772 A JP 2015143772A JP 2015143772 A JP2015143772 A JP 2015143772A JP 2017024105 A JP2017024105 A JP 2017024105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
abrasive grains
diamond abrasive
plating
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015143772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6650222B2 (ja
Inventor
敬仁 渡邊
Takahito Watanabe
敬仁 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2015143772A priority Critical patent/JP6650222B2/ja
Publication of JP2017024105A publication Critical patent/JP2017024105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6650222B2 publication Critical patent/JP6650222B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

【課題】たとえブレード本体を薄肉化しても、該ブレード本体の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる切断用ブレード、及びその製造方法を提供すること。【解決手段】円板状をなすブレード本体1の外周縁部が切れ刃1Aとされた切断用ブレード10であって、前記ブレード本体1は、めっき相2と、前記めっき相2に分散されるダイヤモンド砥粒3と、前記めっき相2に分散され、前記ダイヤモンド砥粒3よりも平均粒径が小さいダイヤモンドフィラー5と、を有し、前記ダイヤモンド砥粒3は、導電部6を有しており、前記ダイヤモンドフィラー5は、導電部を有していないことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、円板状をなすブレード本体の外周縁部が切れ刃とされ、該ブレード本体のめっき相(めっきにより形成された金属の固相。めっき層。めっき膜。)に、導電性のダイヤモンド砥粒と、非導電性のダイヤモンドフィラーとが分散された切断用ブレード、及びその製造方法に関するものである。
従来、半導体素子や電子部品等の被切断材の超精密切断加工に、電鋳ブレード(切断用ブレード)が用いられている。電鋳ブレードは、円板状をなすブレード本体を有しており、ブレード本体の外周縁部が切れ刃とされていて、該切れ刃により被切断材に切り込んでいく。ブレード本体は、例えばNiからなるめっき相に、ダイヤモンドやcBN等の砥粒、及び、該砥粒よりも小さいSiC等のフィラーが保持されて形成されている。上記砥粒は、主として加工性向上に寄与し、上記フィラーは、主としてブレード本体の剛性向上に寄与する。
例えば下記特許文献1には、基本的な電鋳ブレードの製造方法が開示されている。この特許文献1では、砥粒を分散したNiめっき液中に、ブレード本体を析出させる台金である陰極(カソード電極)を配置し、電解めっきによってこの台金上に、砥粒を取り込みつつNiめっき相を析出させる。そして、Niめっき相が所定の厚さに達したところで台金から剥離し、電解研磨やラップ処理などを施して砥粒の目立てを行う。
また、下記特許文献2には、ブレード本体の高剛性化のため、SiCやh−BNなどのフィラーを砥粒とともにNiめっき相に共析(析出)させた電鋳ブレードが開示されている。
電解めっきにより製造される切断用ブレードには、上述した電鋳ブレードのように、ブレード本体が切断装置の主軸にフランジを介して取り付けられるワッシャタイプのブレードの他、電鋳の際の台金にめっき相(ブレード本体)が固着されたままとされ、この台金ごと主軸に取り付けられるハブタイプのブレードが知られている。
特許第3992168号公報 特開2002−187071号公報
ところで、この種の切断用ブレードでは、半導体素子や電子部品等の被切断材の小型化にともない、ダイシング時のカーフ幅(切断加工により被切断材に形成される切断ラインの幅)を小さく抑えることが求められており、このためブレードの薄肉化(薄化)が必要とされている。しかしながら、従来の電鋳ブレードでは、ブレード本体を単純に薄肉化すると、該ブレード本体の硬度や剛性が低下して、切断加工時にチッピング量が増加したり蛇行が生じたりして、切断精度が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、たとえブレード本体を薄肉化しても、該ブレード本体の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる切断用ブレード、及びその製造方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、円板状をなすブレード本体の外周縁部が切れ刃とされた切断用ブレードであって、前記ブレード本体は、めっき相と、前記めっき相に分散されるダイヤモンド砥粒と、前記めっき相に分散され、前記ダイヤモンド砥粒よりも平均粒径が小さいダイヤモンドフィラーと、を有し、前記ダイヤモンド砥粒は、導電部を有しており、前記ダイヤモンドフィラーは、導電部を有していないことを特徴とする。
また本発明は、円板状をなすブレード本体の外周縁部が切れ刃とされた切断用ブレードを製造する方法であって、めっき液中に、導電部を有するダイヤモンド砥粒と、該ダイヤモンド砥粒よりも平均粒径が小さく、導電部を有していないダイヤモンドフィラーと、を分散させ、前記めっき液中に陽極と陰極とを配置して電解めっきすることにより、前記陰極とされた台金上に、前記ブレード本体として、めっき相とともに前記ダイヤモンド砥粒及び前記ダイヤモンドフィラーを析出させることを特徴とする。
一般に、切断用ブレードにおいて、ブレード本体の硬度や剛性を向上させるには、めっき相に用いられる例えばNi等よりも高硬度でかつ高ヤング率な材料の共析量を増やす必要がある。このような材料として、ダイヤモンドは最適である。つまり、めっき相に分散させる砥粒及びフィラーとして、ダイヤモンドを用いることが好ましい。
しかしながら、電解めっきを行うにあたって、例えばめっき液へのダイヤモンド砥粒やダイヤモンドフィラーの投入量を単純に増やしたり、攪拌条件を最適化したりしても、めっき相にダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーを、多量にかつ均等に共析させることは難しい。
ここで、本発明による作用効果を理解しやすくするため、まず、本発明とは異なる構成(従来例)により電解めっきを行った場合の問題点等について説明し、次いで本発明の作用効果について、詳しく説明する。
すなわち、従来例として、
・めっき液中に非導電性のダイヤモンド砥粒のみを分散させて電解めっきした場合。
・めっき液中に非導電性のダイヤモンドフィラーのみを分散させて電解めっきした場合。
・めっき液中に、ともに非導電性とされたダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーを分散させて電解めっきした場合。
について、先に説明する。
<従来例:めっき液中に非導電性のダイヤモンド砥粒のみを分散させて電解めっきした場合>
切断用ブレードの製造時において、ブレード本体を析出させる台金である陰極(カソード電極)をめっき液中に配置し、めっき液中に、平均粒径が大きく導電部を有していないダイヤモンド砥粒のみを分散して、電解めっきによって台金上に砥粒を取り込みつつめっき相を析出させる。この場合、平均粒径が大きなダイヤモンド砥粒は質量も大きく、めっき液から受ける力が大きくなりやすい(ニュートン力学:F=ma(運動の第2法則)に従う)ことから、めっき液を高速攪拌すると、めっき液から受ける強い力によって砥粒がめっき相にトラップされにくくなる。つまり、ダイヤモンド砥粒がめっき液中を循環し続けて、めっき相に取り込まれにくくなる。
このため、平均砥粒が大きいダイヤモンド砥粒に対しては、図6に示されるように、めっき液を極微弱に攪拌させるか攪拌を停止して、ダイヤモンド砥粒を自重により沈降させ、めっき相に析出させることが好ましい。なお、この場合、ダイヤモンドフィラーをめっき相に析出させていないため、ブレード本体の硬度や剛性を十分に高められないことが問題となる。
<従来例:めっき液中に非導電性のダイヤモンドフィラーのみを分散させて電解めっきした場合>
めっき液中に、平均粒径が小さく導電部を有していないダイヤモンドフィラーのみを分散して、電解めっきによって台金上にフィラーを取り込みつつめっき相を析出させる。この場合、平均粒径が小さなダイヤモンドフィラーは質量も小さく、めっき液中で自重によっては沈降しにくいことから、めっき液を極微弱に攪拌させたり攪拌を停止すると、めっき相に析出させることが難しくなる。
このため、平均粒径が小さいダイヤモンドフィラーに対しては、図7に示されるように、めっき液を強く攪拌させてダイヤモンドフィラーの分散性を高め、台金付近のフィラー存在率を高めることにより、フィラーを強制的にめっき相に取り込ませることが好ましい。なお、この場合、ダイヤモンド砥粒をめっき相に析出させていないため、加工性(切れ味)を十分に高められないことが問題となる。
<従来例:めっき液中に、ともに非導電性のダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーを分散させて電解めっきした場合>
めっき液中に、非導電性のダイヤモンド砥粒及び非導電性のダイヤモンドフィラーを分散して、電解めっきによって台金上に砥粒及びフィラーを取り込みつつめっき相を析出させる。この場合、平均粒径(大きさ)が互いに異なるダイヤモンド砥粒とダイヤモンドフィラーとでは、適しためっき液の攪拌条件が互いに異なるため、攪拌条件の最適化のみでは、ダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーをともに十分にめっき相に取り込むことは難しい。
しかも、実際に電解めっきを行ってみたところ、図8に示されるように、攪拌条件をダイヤモンド砥粒に合わせて弱い攪拌とした場合であっても、ダイヤモンドフィラーのめっき相への共析過程がダイヤモンド砥粒の共析過程よりも支配的となり、ダイヤモンドフィラーのみが多量にめっき相に共析するという現象が確認された。
つまり、大きさの異なるダイヤモンド砥粒とダイヤモンドフィラーをめっき液中に分散して電解めっきを行い、砥粒及びフィラーをともにめっき相に多量にかつ均等に析出(同時共析)させることは、従来技術では困難であった。
次に、上記問題点に鑑みてなされた本発明の作用効果について、説明する。
<本発明:めっき液中に、導電性のダイヤモンド砥粒及び非導電性のダイヤモンドフィラーを分散させて電解めっきした場合>
本発明ではめっき液中に、導電性のダイヤモンド砥粒及び非導電性のダイヤモンドフィラーを分散して、電解めっきによって台金上に砥粒及びフィラーを取り込みつつめっき相を析出させる。なお、ダイヤモンド砥粒の導電部としては、該ダイヤモンド砥粒(非導電性(絶縁性)のsp炭素)の表面に、例えばグラファイトカーボン(導電性のsp炭素)や、Ni基化合物、Ni、Pd、Ti等を設けることが好ましい。
実際に電解めっきを行うと、図4及び図5に示されるように、導電性を付与されたダイヤモンド砥粒が、陽極(アノード電極)と陰極(カソード電極)の間の電場から力を受けて、陰極側へ移動し、めっき相に十分に析出させられることが確認された。これは、導電性のダイヤモンド砥粒に対して、電場からクーロン力(F=QE)が作用したためと考えられる。
この結果、めっき液中にダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーの両方を分散させつつも、ダイヤモンドフィラーの共析過程がダイヤモンド砥粒の共析過程より支配的となるようなことが抑えられて、本発明によれば、大きさの異なるダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーが、ともにめっき相に多量にかつ均等に分散して取り込まれた(同時共析させられた)。なお、図4に示される例では、めっき液の攪拌条件を弱い攪拌としているが、本発明によれば攪拌条件に係わらず、ダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーを、ともにめっき相に多量にかつ均等に取り込むことが可能である。
具体的に、本発明とは異なり、導電性のダイヤモンド砥粒のみをめっき液中に分散させて電解めっきを行ってみたところ、めっき相に析出するダイヤモンド砥粒の凝集が起こり、砥粒の分散性が低下した。このようにダイヤモンド砥粒が凝集すると、切れ刃の切れ味にバラつきが生じたり、砥粒間にボイド(隙間)が生じてブレード剛性等に影響するため、好ましくない。
そこで本発明のように、導電性のダイヤモンド砥粒と、該ダイヤモンド砥粒よりも平均粒径の小さな非導電性のダイヤモンドフィラー(非導電性(絶縁性)のsp炭素)とをめっき液中に分散させて電解めっきを行ったところ、非導電性のダイヤモンドフィラーが、導電性のダイヤモンド砥粒同士の間に介在し分散剤として機能して、砥粒の凝集が発生しなくなることが確認された。
つまり、導電性のダイヤモンド砥粒と、非導電性のダイヤモンドフィラーとをめっき相に分散させるという特別な構成を採用したことによって、これら砥粒及びフィラーを、多量にかつ均等に分散してめっき相に同時共析させることが可能である。
そして本発明によれば、めっき相に、平均粒径が大きなダイヤモンド砥粒が多量に取り込まれることにより、該ダイヤモンド砥粒が加工性向上に寄与して、切れ味が高められるとともに、切断速度を高めることが可能になる。
また、めっき相に、平均粒径が小さなダイヤモンドフィラーが多量に取り込まれることにより、該ダイヤモンドフィラーがブレード本体の硬度や剛性の向上に効果的に寄与する。なお、本発明によれば、非導電性のダイヤモンドフィラーの投入量(めっき液中の含有量)を調整することにより、任意のブレード剛性を得ることができる。
以上より、本発明によれば、たとえブレード本体を薄肉化しても、該ブレード本体の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる。
なお、例えば本発明とは異なり、化学的な力のみを付加することにより、ダイヤモンド砥粒及びダイヤモンドフィラーをめっき相に同時共析させる手法が考えられる。つまり、カチオン系などの界面活性剤を使用することにより、大きさの異なるダイヤモンド砥粒とダイヤモンドフィラーとを、めっき相に同時析出させる。しかしながら、化学的な力のみにより砥粒及びフィラーを同時共析させようとすると、Ni等からなるめっき相の成長が阻害され、該めっき相自体が脆化するおそれがある。
この点、本発明では電気的な力を付加することによりダイヤモンド砥粒とダイヤモンドフィラーの同時共析を可能としているため、めっき相への影響(脆化等のおそれ)はない。なお、本発明において、めっき相の脆化への影響が出ない程度に、カチオン系などの界面活性剤を使用すること(化学的な力の付加を併用すること)については差し支えない。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、該ダイヤモンド砥粒の表面に設けられていることが好ましい。
この場合、電解めっき時において、ダイヤモンド砥粒がクーロン力(静電引力)によって陰極に確実に引き寄せられやすくなり、該ダイヤモンド砥粒が、ダイヤモンドフィラーとともにめっき相により取り込まれやすくなって、上述した作用効果が格別顕著なものとなる。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径は、5μm以上であり、前記ダイヤモンドフィラーの平均粒径は、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の半分以下であることが好ましい。
この場合、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が5μm以上であるので、該ダイヤモンド砥粒によって、上述した加工性(切れ味)が向上するという効果が格別顕著なものとなる。
また、ダイヤモンドフィラーの平均粒径が、ダイヤモンド砥粒の平均粒径の半分以下であるので、上述したブレード剛性が高められるという効果が格別顕著なものとなる。
なお、本明細書でいう「平均粒径」とは、多数の砥粒の粒径の平均値や、多数のフィラーの粒径の平均値を指しており、「粒度」とも呼ばれることがある。なお実際には、これら砥粒やフィラーは完全な球体ではないことから、本明細書でいう「粒径」とは、砥粒やフィラーの製造時における、分粒(ふるい分け、分級)により選定される粒子径に相当する。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記ダイヤモンドフィラーの平均粒径が、2μm以下であることが好ましい。
この場合、ブレード剛性が高められるという効果がより格別顕著なものとなる。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、カーボングラファイトからなることとしてもよい。
この場合、例えば、ダイヤモンド砥粒の表面を炭化させるなどの簡単な手法により、導電部(カーボングラファイト)を設けることができる。またこの場合、導電部が、ダイヤモンド砥粒本体よりも脆いカーボングラファイトからなるので、切断加工時においてこの導電部が滑り層として機能し、被切断材の切断面に対する摺動性が向上する。その結果、加工負荷が軽減されて、切断精度をより向上させる効果や、ブレード寿命をより延長させる効果が得られる。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記めっき相は、Niからなり、前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、Niよりも硬度が高いNi基化合物からなることとしてもよい。
この場合、導電部として、めっき相のNiよりも硬度が高い、例えばNi−P(ニッケル−リン)、Ni−B(ニッケル−ホウ素)、Ni−W(ニッケル−タングステン)等のNi基化合物が用いられるので、該導電部によってもブレード剛性を高める効果が得られることになる。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、Pd又はTiからなることとしてもよい。
この場合、ダイヤモンド砥粒の導電部が、Pd又はTiからなることから、PdコートダイヤやTiコートダイヤ等の流通品を、導電部を有するダイヤモンド砥粒として用いることができる。なお、Tiコートダイヤを用いた場合には、切断加工時において導電部(Ti)が滑り層として機能し、被切断材の切断面に対する摺動性が向上する。その結果、加工負荷が軽減されて、切断精度をより向上させる効果や、ブレード寿命をより延長させる効果が得られる。
本発明の切断用ブレード及びその製造方法によれば、たとえブレード本体を薄肉化しても、該ブレード本体の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る切断用ブレードを示す斜視図である。 ブレード本体の外周縁部(切れ刃近傍)を示す断面図である。 電解めっき終了時のブレード本体の部分を示す断面図である。 電解めっき時において、陰極(カソード電極)に、めっき相とともにダイヤモンド砥粒とダイヤモンドフィラーが取り込まれる原理を説明する図である。 電解めっき時において、陰極にダイヤモンド砥粒が引き寄せられる原理を説明する図である。 従来の電解めっきを説明する図である。 従来の電解めっきを説明する図である。 従来の電解めっきを説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係る切断用ブレード10について、図面を参照して説明する。
本実施形態の切断用ブレード10は、半導体素子や電子部品等の被切断材の超精密切断加工に用いられるものである。また、切断用ブレード10は、電解めっき(電気めっき)により作製された電鋳ブレードである。
図1に示されるように、切断用ブレード10は、円板状をなすブレード本体1と、ブレード本体1の外周縁部に形成された切れ刃1Aと、を備えている。
本実施形態の切断用ブレード10は、ブレード本体1が図示しない切断装置の主軸にフランジを介して取り付けられる、ワッシャタイプ(平円板形)のブレードである。
この切断用ブレード10の電鋳時には、図3に示されるように、めっき液P中にブレード本体1を析出させる台金11である陰極(カソード電極)を配置し、電解めっきによってこの台金11上に、後述する砥粒3及びフィラー5を取り込みつつ、めっき相2を析出させる。そして、めっき相2が所定の厚さに達したところで台金11から剥離し、電解研磨やラップ処理などを施して砥粒3の目立てを行う。本実施形態の切断用ブレード10の製造方法については、別途詳しく後述する。
なお本発明は、ワッシャタイプのブレードに限定されるものではない。すなわち、切断用ブレード10は、電鋳の際の台金11に析出したブレード本体1が固着されたままとされ、この台金11ごと主軸に取り付けられるハブタイプのブレード(ハブ付きブレード)であってもよい。
図1において切断用ブレード10は、切断装置の主軸によってブレード本体1が中心軸O回りに回転させられつつ、被切断材に対して中心軸Oに垂直な方向に移動させられることにより、このブレード本体1においてフランジよりも径方向外側に突出させられた外周縁部(切れ刃1A)で、被切断材を切断する。
なお、本明細書においては、ブレード本体1の中心軸O方向に沿う方向を厚さ方向といい、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
ブレード本体1の厚さ(厚さ方向の長さ)は、例えば、0.020〜0.150mmであり、つまりこのブレード本体1は、極薄の円形板状をなしている。なお、図1においてはブレード本体1の構成を理解しやすくするため、ブレード本体1の厚さを実際よりも厚く表している。
ブレード本体1の径方向の中央部(中心軸O上)には、中心軸Oを中心とした円形孔状をなし、該ブレード本体1を厚さ方向に貫通する取付孔4が形成されている。このためブレード本体1は、具体的には円形リング板状をなしている。すなわち、本明細書でいう「円板状をなすブレード本体1」には、円形リング板状をなすブレード本体1が含まれる。
図2に示されるように、ブレード本体1の切れ刃1Aは、該ブレード本体1の厚さと略等しい幅とされて周方向に沿って延びるブレード本体1の外周面と、該ブレード本体1の厚さ方向を向く一対の側面1Bの外周縁部と、これら側面1Bの外周縁部と前記外周面との交差稜線をなすエッジ部と、によって形成されている。
ブレード本体1は、Niからなるめっき相2と、めっき相2に分散されるダイヤモンド砥粒3と、めっき相2に分散され、ダイヤモンド砥粒3よりも平均粒径が小さいダイヤモンドフィラー5と、を有している。つまり本実施形態の切断用ブレード10は、めっき相2に分散される砥粒3及びフィラー5が、両方ともにダイヤモンドで形成されている。
めっき相2は、Niからなる金属結合相(マトリックス材)である。めっき相2は、めっきにより形成された金属の固相であり、薄板状に形成されていることから、めっき層やめっき膜とも言い換えることができる。
めっき相2において、複数のダイヤモンド砥粒3同士は、互いの間隔が均等となるように分散されており、複数のダイヤモンドフィラー5同士も、互いの間隔が均等となるように分散されている。そして、めっき相2内において隣り合うダイヤモンド砥粒3同士の間には、めっき相2及びダイヤモンドフィラー5が介在する。
ダイヤモンド砥粒3の平均粒径は、5μm以上である。本実施形態では、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径が、例えば6〜12μmの分布範囲とされている。
めっき相2に分散されるダイヤモンド砥粒3の含有率は、例えば、5〜15%である。具体的に上記含有率とは、ブレード本体1全体の体積に対するダイヤモンド砥粒3の体積の割合を指す。
ダイヤモンドフィラー5の平均粒径は、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径の半分以下である。具体的に、本実施形態のダイヤモンドフィラー5の平均粒径は、2μm以下であって、例えば1〜2μmの分布範囲とされている。ダイヤモンドフィラー5の粒径は、0/1〜1/2であることが好ましい。
めっき相2に分散されるダイヤモンドフィラー5の含有率は、例えば、35〜45%である。具体的に上記含有率とは、ブレード本体1全体の体積に対するダイヤモンドフィラー5の体積の割合を指す。
ここで、本明細書でいう「平均粒径」とは、多数のダイヤモンド砥粒3の粒径の平均値や、多数のダイヤモンドフィラー5の粒径の平均値を指しており、「粒度」とも呼ばれることがある。なお実際には、これら砥粒3やフィラー5は完全な球体ではないことから、本明細書でいう「粒径」とは、砥粒3やフィラー5の製造時における、分粒(ふるい分け、分級)により選定される粒子径に相当する。
そして、ダイヤモンド砥粒3は、導電部6を有している。一方、ダイヤモンドフィラー5は、導電部を有していない。
本実施形態において、ダイヤモンド砥粒3の導電部6は、該ダイヤモンド砥粒3の表面(表層)に設けられている。導電部6は、ダイヤモンド砥粒3の表面のうち、少なくとも一部以上に設けられている。また導電部6は、ダイヤモンド砥粒3の表面のすべてを覆っていてもよい。
導電部6は、ダイヤモンド砥粒3の表面において外部に露出させられている。なお、電解めっき時においてダイヤモンド砥粒3を陰極(カソード電極)に引き寄せる作用(クーロン力による作用)が良好に得られる場合には、導電部6は、ダイヤモンド砥粒3の表面に露出していなくてもよい。
本実施形態においては、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、カーボングラファイトからなる。すなわち、ダイヤモンド砥粒3の本体部(導電部6以外の部位)は、非導電性(絶縁性)のsp炭素からなり、導電部6は、導電性のsp炭素からなる。
また、切断用ブレード10全体に使用されるダイヤモンド砥粒3の重量及びダイヤモンドフィラー5の重量の総和(総ダイヤ重量)に対する、ダイヤモンド砥粒3に付着するカーボングラファイト(導電部6)の重量の総和の割合は、例えば、0.1〜20wt%である。
また、めっき相2に共析したダイヤモンド砥粒3とダイヤモンドフィラー5の割合は、砥粒3の量を1(100%)とした場合に、フィラー5の量が例えば1.5〜4である。なお、この割合については、ブレード本体1の側面1BをSEM等により観察し、該側面1Bにおける単位面積あたりの砥粒3の面積の和と、フィラー5の面積の和との比率により求められる。
次に、本実施形態の切断用ブレード10の製造方法について説明する。
図3〜図5に示されるように、本実施形態の切断用ブレード10のブレード本体1は、Niを主成分とするめっき液Pを用いた電鋳法により製造される。
めっき液Pには、Ni以外の成分として、所定の添加剤(例えば界面活性剤を含む)、ダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5が混合される。つまり、めっき液P中に、導電部6を有するダイヤモンド砥粒3と、該ダイヤモンド砥粒3よりも平均粒径が小さく、導電部を有していないダイヤモンドフィラー5と、を分散させる。
また、Niめっき浴は、スルファミン酸浴、ワット浴、クエン酸浴(従来のpH緩衝剤として用いているホウ酸をクエン酸に置き換えたもの)であってもよい。また、必要に応じてめっき液Pに、光沢剤、ピット防止剤等を添加してもよい。
めっき液P中には、陽極(アノード電極)及び陰極(カソード電極)が互いに離間して配置される。陰極には、ブレード本体1を析出させる台金11が用いられる。本実施形態の切断用ブレード10は、ワッシャタイプのブレードであるため、台金11に析出させたブレード本体1の剥離容易性を考慮して、台金11はSUS材等で形成されることが好ましい。
そして、めっき液Pを攪拌させながら電解めっきすることにより、陰極とされた台金11上に、ブレード本体1として、めっき相2とともにダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5を析出させる。なお、電解めっき時の電流密度は、例えば、3〜20A/dmである。
めっき相2が所定の厚さに達したところで、ブレード本体1を台金11から剥離し、電解研磨やラップ処理などを施して砥粒3の目立てを行い、ブレード本体1の外形を所望形状に整える(外径及び内径を所期する寸法に成形する)。
このようにして、切断用ブレード10が製造される。
なお、切断用ブレード10をハブタイプのブレードとする場合には、図示しないハブ用台金の所定領域(ブレード本体1を作製しない領域)にマスキングを施し、マスキングした所定領域以外の部位に、ブレード本体1を析出させればよい。
以上説明した本実施形態の切断用ブレード10及びその製造方法によれば、めっき相2に、ダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5が両方とも、多量にかつ均等に分散される。従って、たとえブレード本体1を薄肉化しても、該ブレード本体1の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる。
ここで、本実施形態による作用効果を理解しやすくするため、まず、本実施形態とは異なる構成(従来例)により電解めっきを行った場合の問題点等について説明し、次いで本実施形態の作用効果について、詳しく説明する。
すなわち、従来例として、
・めっき液P中に非導電性のダイヤモンド砥粒30のみを分散させて電解めっきした場合。
・めっき液P中に非導電性のダイヤモンドフィラー5のみを分散させて電解めっきした場合。
・めっき液P中に、ともに非導電性とされたダイヤモンド砥粒30及びダイヤモンドフィラー5を分散させて電解めっきした場合。
について、先に説明する。
<従来例:めっき液P中に非導電性のダイヤモンド砥粒30のみを分散させて電解めっきした場合>
図6に示されるように、切断用ブレードの製造時において、ブレード本体を析出させる台金11である陰極(カソード電極)をめっき液P中に配置し、めっき液P中に、平均粒径が大きく導電部を有していないダイヤモンド砥粒30のみを分散して、電解めっきによって台金11上に砥粒30を取り込みつつめっき相2を析出させる。この場合、平均粒径が大きなダイヤモンド砥粒30は質量も大きく、めっき液Pから受ける力が大きくなりやすい(ニュートン力学:F=ma(運動の第2法則)に従う)ことから、めっき液Pを高速攪拌すると、めっき液Pから受ける強い力によって砥粒30がめっき相2にトラップされにくくなる。つまり、ダイヤモンド砥粒30がめっき液P中を循環し続けて、めっき相2に取り込まれにくくなる。
このため、平均砥粒が大きいダイヤモンド砥粒30に対しては、図6に示されるように、めっき液Pを極微弱に攪拌させるか攪拌を停止して、ダイヤモンド砥粒30を自重により沈降させ、めっき相2に析出させることが好ましい。なお、この場合、ダイヤモンドフィラーをめっき相2に析出させていないため、ブレード本体の硬度や剛性を十分に高められないことが問題となる。
<従来例:めっき液P中に非導電性のダイヤモンドフィラー5のみを分散させて電解めっきした場合>
図7に示されるように、めっき液P中に、平均粒径が小さく導電部を有していないダイヤモンドフィラー5のみを分散して、電解めっきによって台金11上にフィラー5を取り込みつつめっき相2を析出させる。この場合、平均粒径が小さなダイヤモンドフィラー5は質量も小さく、めっき液P中で自重によっては沈降しにくいことから、めっき液Pを極微弱に攪拌させたり攪拌を停止すると、めっき相2に析出させることが難しくなる。
このため、平均粒径が小さいダイヤモンドフィラー5に対しては、図7に示されるように、めっき液Pを強く攪拌させてダイヤモンドフィラー5の分散性を高め、台金11付近のフィラー存在率を高めることにより、フィラー5を強制的にめっき相2に取り込ませることが好ましい。なお、この場合、ダイヤモンド砥粒をめっき相2に析出させていないため、加工性(切れ味)を十分に高められないことが問題となる。
<従来例:めっき液P中に、ともに非導電性のダイヤモンド砥粒30及びダイヤモンドフィラー5を分散させて電解めっきした場合>
図8に示されるように、めっき液P中に、非導電性のダイヤモンド砥粒30及び非導電性のダイヤモンドフィラー5を分散して、電解めっきによって台金11上に砥粒30及びフィラー5を取り込みつつめっき相2を析出させる。この場合、平均粒径(大きさ)が互いに異なるダイヤモンド砥粒30とダイヤモンドフィラー5とでは、適しためっき液Pの攪拌条件が互いに異なるため、攪拌条件の最適化のみでは、ダイヤモンド砥粒30及びダイヤモンドフィラー5をともに十分にめっき相2に取り込むことは難しい。
しかも、実際に電解めっきを行ってみたところ、図8に示されるように、攪拌条件をダイヤモンド砥粒30に合わせて弱い攪拌とした場合であっても、ダイヤモンドフィラー5のめっき相2への共析過程がダイヤモンド砥粒30の共析過程よりも支配的となり、ダイヤモンドフィラー5のみが多量にめっき相2に共析するという現象が確認された。
つまり、大きさの異なるダイヤモンド砥粒30とダイヤモンドフィラー5をめっき液P中に分散して電解めっきを行い、砥粒30及びフィラー5をともにめっき相2に多量にかつ均等に析出(同時共析)させることは、従来技術では困難であった。
次に、上記問題点に鑑みてなされた本実施形態の作用効果について、説明する。
<本実施形態:めっき液P中に、導電性のダイヤモンド砥粒3及び非導電性のダイヤモンドフィラー5を分散させて電解めっきした場合>
図4に示されるように、本実施形態ではめっき液P中に、導電性のダイヤモンド砥粒3及び非導電性のダイヤモンドフィラー5を分散して、電解めっきによって台金11上に砥粒3及びフィラー5を取り込みつつめっき相2を析出させる。
実際に電解めっきを行うと、図4及び図5に示されるように、導電性を付与されたダイヤモンド砥粒3が、陽極(アノード電極)と陰極(カソード電極)の間の電場Eから力を受けて、陰極側へ移動し、めっき相2に十分に析出させられることが確認された。これは、導電性のダイヤモンド砥粒3に対して、電場Eからクーロン力(F=QE)が作用したためと考えられる。
この結果、めっき液P中にダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5の両方を分散させつつも、ダイヤモンドフィラー5の共析過程がダイヤモンド砥粒3の共析過程より支配的となるようなことが抑えられて、本実施形態によれば、大きさの異なるダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5が、ともにめっき相2に多量にかつ均等に分散して取り込まれた(同時共析させられた)。なお、図4に示される例では、めっき液Pの攪拌条件を弱い攪拌としているが、本実施形態によれば攪拌条件に係わらず、ダイヤモンド砥粒3及びダイヤモンドフィラー5を、ともにめっき相2に多量にかつ均等に取り込むことが可能である。
具体的に、本実施形態とは異なり、導電性のダイヤモンド砥粒3のみをめっき液P中に分散させて電解めっきを行ってみたところ、めっき相2に析出するダイヤモンド砥粒3の凝集が起こり、砥粒3の分散性が低下した。このようにダイヤモンド砥粒3が凝集すると、切れ刃1Aの切れ味にバラつきが生じたり、砥粒3間にボイド(隙間)が生じてブレード剛性等に影響するため、好ましくない。
そこで本実施形態のように、導電性のダイヤモンド砥粒3と、該ダイヤモンド砥粒3よりも平均粒径の小さな非導電性のダイヤモンドフィラー(非導電性(絶縁性)のsp炭素)5とをめっき液P中に分散させて電解めっきを行ったところ、非導電性のダイヤモンドフィラー5が、導電性のダイヤモンド砥粒3同士の間に介在し分散剤として機能して、砥粒3の凝集が発生しなくなることが確認された。
つまり、導電性のダイヤモンド砥粒3と、非導電性のダイヤモンドフィラー5とをめっき相2に分散させるという特別な構成を採用したことによって、これら砥粒3及びフィラー5を、多量にかつ均等に分散してめっき相2に同時共析させることが可能である。
そして本実施形態によれば、めっき相2に、平均粒径が大きなダイヤモンド砥粒3が多量に取り込まれることにより、該ダイヤモンド砥粒3が加工性向上に寄与して、切れ味が高められるとともに、切断速度を高めることが可能になる。
また、めっき相2に、平均粒径が小さなダイヤモンドフィラー5が多量に取り込まれることにより、該ダイヤモンドフィラー5がブレード本体1の硬度や剛性の向上に効果的に寄与する。なお、本実施形態によれば、非導電性のダイヤモンドフィラー5の投入量(めっき液P中の含有量)を調整することにより、任意のブレード剛性を得ることができる。
以上より、本実施形態によれば、たとえブレード本体1を薄肉化しても、該ブレード本体1の硬度や剛性を十分に確保することができ、これにより切断精度が良好に維持される結果、カーフ幅を抑えつつも高品位で安定した切断加工を行うことができる。
なお、例えば本実施形態とは異なり、化学的な力のみを付加することにより、ダイヤモンド砥粒30及びダイヤモンドフィラー5をめっき相2に同時共析させる手法が考えられる。つまり、カチオン系などの界面活性剤を使用することにより、大きさの異なるダイヤモンド砥粒30とダイヤモンドフィラー5とを、めっき相2に同時析出させる。しかしながら、化学的な力のみにより砥粒30及びフィラー5を同時共析させようとすると、Niからなるめっき相2の成長が阻害され、該めっき相2自体が脆化するおそれがある。
この点、本実施形態では電気的な力を付加することによりダイヤモンド砥粒3とダイヤモンドフィラー5の同時共析を可能としているため、めっき相2への影響(脆化等のおそれ)はない。なお、本実施形態において、めっき相2の脆化への影響が出ない程度に、カチオン系などの界面活性剤を使用すること(化学的な力の付加を併用すること)については差し支えない。
また、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、該ダイヤモンド砥粒3の表面に設けられている。
従って、電解めっき時において、ダイヤモンド砥粒3がクーロン力(静電引力)によって陰極に確実に引き寄せられやすくなり、該ダイヤモンド砥粒3が、ダイヤモンドフィラー5とともにめっき相2により取り込まれやすくなって、上述した作用効果が格別顕著なものとなる。
実際に確認したところ、ダイヤモンド砥粒3の表面に導電部6を設けると、めっき液P中の添加剤(界面活性剤)等に関係なく、めっき相2への共析量が多くなることがわかった。これは、カチオン系等の添加剤がダイヤモンド砥粒3の表面に付着することによって該ダイヤモンド砥粒3が表面電荷(+Q)を得ているわけではなく、図5に示されるように、ダイヤモンド砥粒3の内部で分極が起こることにより、表面電荷を得ているためと考えられる。
具体的に、ダイヤモンド砥粒3は、砥粒製造時の触媒として鉄、ニッケル、マンガン、コバルト等の不純物メタルを含んでいる。このため、不純物メタルと砥粒3表面の導電部6との間で分極が起こり、不純物メタルの電荷(−Q)及び表面電荷(+Q)が得られるものと推測される。なお、特に図示していないが、導電部6の電位Vに対して、不純物メタルの電位は0である。
また、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径が5μm以上であり、ダイヤモンドフィラー5の平均粒径がダイヤモンド砥粒3の平均粒径の半分以下であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわち、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径が5μm以上であるので、該ダイヤモンド砥粒3によって、上述した加工性(切れ味)が向上するという効果が格別顕著なものとなる。
また、ダイヤモンドフィラー5の平均粒径が、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径の半分以下であるので、上述したブレード剛性が高められるという効果が格別顕著なものとなる。
具体的には、ダイヤモンドフィラー5の平均粒径が2μm以下であるので、ブレード剛性が高められるという効果が、より格別顕著なものとなる。
また本実施形態では、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、カーボングラファイトからなるので、例えば、ダイヤモンド砥粒3の表面を炭化させるなどの簡単な手法により、導電部6を設けることができる。またこの場合、導電部6が、ダイヤモンド砥粒3本体よりも脆いカーボングラファイトからなるので、切断加工時においてこの導電部6が滑り層として機能し、被切断材の切断面に対する摺動性が向上する。その結果、加工負荷が軽減されて、切断精度をより向上させる効果や、ブレード寿命をより延長させる効果が得られる。
なお、ダイヤモンド砥粒3の表面に、導電部6としてカーボングラファイトが設けられたことを確認するには、例えば、X線光電子分光法(XPS)を用いることができる。X線光電子分光法によれば、内殻C1sスペクトルの形状(半値幅、ピークの対称性)の解析を行うことにより、ダイヤモンドやカーボングラファイト等の炭素膜の種類を判別することができる。
特に図示していないが、具体的に、C1sのスペクトル形状を表すグラフ(横軸:照射したX線を基準としたときの光電子のエネルギー、縦軸:観測された光電子の個数、とされたいわゆるXPS分析図)では、表面を炭化する前のダイヤモンド砥粒30(非導電性(絶縁性)のsp炭素)は、285eV付近にピークを持ち、結晶性が良好なことからピークの対称性を有し半値幅も狭くなる。一方、ダイヤモンド砥粒30(3)の表面が炭化し始めると(つまり、導電性のsp炭素が形成されると)、ピーク位置は低エネルギー側にシフトし、ピークの対称性も崩れて、半値幅が拡がる傾向がある。
また本実施形態では、切断用ブレード10を製造する電鋳時(電解めっき時)において、電流密度を3〜20A/dmとしている。
本実施形態によれば、電流密度が3A/dm以上であるので、電場Eが小さくなり過ぎることを防止でき、ダイヤモンド砥粒3のめっき相2への共析量が安定して確保される。また、電流密度が20A/dm以下であるので、めっき焼けなどによる製品不良が生じにくい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ダイヤモンド砥粒3の導電部6として、カーボングラファイトが設けられることとしたが、これに限定されるものではない。
具体的には、めっき相2がNiからなり、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、Niよりも硬度が高いNi基化合物からなることとしてもよい。
この場合、導電部6として、めっき相2のNiよりも硬度が高い、例えばNi−P(ニッケル−リン)、Ni−B(ニッケル−ホウ素)、Ni−W(ニッケル−タングステン)等のNi基化合物が用いられるので、該導電部6によってもブレード剛性を高める効果が得られることになる。
また、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、Pd又はTiからなることとしてもよい。
この場合、ダイヤモンド砥粒3の導電部6が、Pd又はTiからなることから、PdコートダイヤやTiコートダイヤ等の流通品を、導電部6を有するダイヤモンド砥粒3として用いることができる。なお、Tiコートダイヤを用いた場合には、切断加工時において導電部(Ti)6が滑り層として機能し、被切断材の切断面に対する摺動性が向上する。その結果、加工負荷が軽減されて、切断精度をより向上させる効果や、ブレード寿命をより延長させる効果が得られる。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[切断用ブレードの製造例]
前述の実施形態で説明した切断用ブレード10の製造例として、ワッシャタイプのNi電鋳ブレードの製造について、下記に一例を挙げて説明する。
この切断用ブレード10は、Ni浴に導電性のダイヤモンド砥粒3と非導電性のダイヤモンドフィラー5を分散させためっき液Pにより作製可能である。この切断用ブレード10は、めっき相2自体をブレードとして使用する電鋳ブレードであるため、陰極である台金11との剥離容易性が良好に得られることが要求される。このため、台金11にはSUS材を用いた。
Niめっき浴は、スルファミン酸浴、ワット浴等を使用しても問題ない。スルファミン酸浴を用いるのであれば、例えばNi濃度:0.1〜2.0mol/L、ホウ酸濃度:0.1〜1.0mol/Lをベースとして光沢剤、ピット防止剤等の添加物を適量添加したものを使用することができる。pHは4〜4.5、めっき温度は45〜55℃が好ましい。pHを上記の数値範囲外としてめっきを行うと、陽極側から酸素が発生したり、陰極側から水素が発生したりするため、スルファミン酸を用いて調整する。
導電性のダイヤモンド砥粒3としては、例えば、Ni、Ti、Pd、カーボングラファイトのいずれかをコーティングしたダイヤモンドの粒子を使用することができ、非導電性のダイヤモンドフィラー5としては、金属等によりコーティングされていない一般的なダイヤモンド(ノーマルダイヤモンド)の粒子を使用することができる。
めっき(電解めっき)は、導電性のダイヤモンド砥粒3と、非導電性のダイヤモンドフィラー5とを、Niめっき液P中に投入し、攪拌しながら行う。攪拌は、スターラー攪拌や超音波攪拌等、任意に選択して構わないが、例えばPdコーティング等のダイヤモンド砥粒3では、超音波の条件によってコーティングが剥がれるものもあるため、使用するダイヤモンド砥粒3の種類や性質(特性)に応じて、影響が出にくい攪拌手法を選ぶことが好ましい。
電流密度は、3〜7A/dmとした。なお、電流密度は、高くし過ぎると浴中に印加される電場Eが大きくなるため、導電性のダイヤモンド砥粒3のめっき相2への共析量は向上するが、その一方で陰極付近のNi濃度が徐々に低下し、めっき焼けが発生するおそれがある。電流密度を高く維持したい場合には、攪拌を強くする、Ni濃度を高くする等の最適化を行うことが好ましい。
めっきにより、SUS材からなる陰極(台金11)上に、導電性のダイヤモンド砥粒3と、非導電性のダイヤモンドフィラー5とを含むNi皮膜(めっき相2)を形成した後、陰極からNi皮膜を剥がす。陰極と接していたNi皮膜のめっき面(電極面)は、ダイヤモンド砥粒3が埋没させられた状態であるため、Ni皮膜の前記めっき面とは反対側の面(成長面)に比べて、砥粒3の突き出し量が小さくなっている。
この状態のまま切断加工すると、ブレード本体1の一対の側面1B同士のうち、一方の側面1Bと他方の側面1Bとで摩擦差が生じ蛇行等が発生するため、電極面側の側面1Bを、リン酸等を含むエッチング液で電解研磨する。
エッチング後、所望のブレードサイズとなるように研磨などの機械加工を施し、切断用ブレード10を得ることができる。
1 ブレード本体
1A 切れ刃
2 めっき相
3 ダイヤモンド砥粒
5 ダイヤモンドフィラー
6 導電部
10 切断用ブレード
11 台金(陰極)
P めっき液

Claims (8)

  1. 円板状をなすブレード本体の外周縁部が切れ刃とされた切断用ブレードであって、
    前記ブレード本体は、
    めっき相と、
    前記めっき相に分散されるダイヤモンド砥粒と、
    前記めっき相に分散され、前記ダイヤモンド砥粒よりも平均粒径が小さいダイヤモンドフィラーと、を有し、
    前記ダイヤモンド砥粒は、導電部を有しており、
    前記ダイヤモンドフィラーは、導電部を有していないことを特徴とする切断用ブレード。
  2. 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
    前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、該ダイヤモンド砥粒の表面に設けられていることを特徴とする切断用ブレード。
  3. 請求項1又は2に記載の切断用ブレードであって、
    前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径は、5μm以上であり、
    前記ダイヤモンドフィラーの平均粒径は、前記ダイヤモンド砥粒の平均粒径の半分以下であることを特徴とする切断用ブレード。
  4. 請求項3に記載の切断用ブレードであって、
    前記ダイヤモンドフィラーの平均粒径が、2μm以下であることを特徴とする切断用ブレード。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
    前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、カーボングラファイトからなることを特徴とする切断用ブレード。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
    前記めっき相は、Niからなり、
    前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、Niよりも硬度が高いNi基化合物からなることを特徴とする切断用ブレード。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
    前記ダイヤモンド砥粒の導電部は、Pd又はTiからなることを特徴とする切断用ブレード。
  8. 円板状をなすブレード本体の外周縁部が切れ刃とされた切断用ブレードを製造する方法であって、
    めっき液中に、導電部を有するダイヤモンド砥粒と、該ダイヤモンド砥粒よりも平均粒径が小さく、導電部を有していないダイヤモンドフィラーと、を分散させ、
    前記めっき液中に陽極と陰極とを配置して電解めっきすることにより、前記陰極とされた台金上に、前記ブレード本体として、めっき相とともに前記ダイヤモンド砥粒及び前記ダイヤモンドフィラーを析出させることを特徴とする切断用ブレードの製造方法。
JP2015143772A 2015-07-21 2015-07-21 切断用ブレード及びその製造方法 Active JP6650222B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143772A JP6650222B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 切断用ブレード及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143772A JP6650222B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 切断用ブレード及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017024105A true JP2017024105A (ja) 2017-02-02
JP6650222B2 JP6650222B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=57949048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015143772A Active JP6650222B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 切断用ブレード及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6650222B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58186569A (ja) * 1982-04-23 1983-10-31 Disco Abrasive Sys Ltd 電着砥石
JPH0215977A (ja) * 1988-06-30 1990-01-19 Nisshin Daiyamondo Kk ダイヤモンド砥石とその製造方法
JPH11216657A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Sumitomo Electric Ind Ltd ワイヤーソー及びその使用方法
JP2013000804A (ja) * 2011-06-13 2013-01-07 Tool Bank:Kk 超砥粒およびその製造方法
US20130291445A1 (en) * 2012-05-01 2013-11-07 Sigma Innovation Technology Inc. Diamond abrasive grain and electroplated tool having the same
JP2015096287A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 株式会社東京精密 切断用ブレード
JP2015116638A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 株式会社東京精密 電鋳ブレード
WO2015103911A1 (zh) * 2014-01-08 2015-07-16 凡登(江苏)新型材料有限公司 一种用于多线切割的复合固结磨料锯线及其制备方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58186569A (ja) * 1982-04-23 1983-10-31 Disco Abrasive Sys Ltd 電着砥石
JPH0215977A (ja) * 1988-06-30 1990-01-19 Nisshin Daiyamondo Kk ダイヤモンド砥石とその製造方法
JPH11216657A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Sumitomo Electric Ind Ltd ワイヤーソー及びその使用方法
JP2013000804A (ja) * 2011-06-13 2013-01-07 Tool Bank:Kk 超砥粒およびその製造方法
US20130291445A1 (en) * 2012-05-01 2013-11-07 Sigma Innovation Technology Inc. Diamond abrasive grain and electroplated tool having the same
JP2015096287A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 株式会社東京精密 切断用ブレード
JP2015116638A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 株式会社東京精密 電鋳ブレード
WO2015103911A1 (zh) * 2014-01-08 2015-07-16 凡登(江苏)新型材料有限公司 一种用于多线切割的复合固结磨料锯线及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6650222B2 (ja) 2020-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9780513B2 (en) Slip ring assembly and components thereof
JP5356071B2 (ja) ダイヤモンドワイヤーソー、ダイヤモンドワイヤーソーの製造方法
JP2007152485A (ja) ソーワイヤの製造方法
JP5820950B1 (ja) ニッケルめっき液及び固体微粒子付着ワイヤーの製造方法
JPWO2009125780A1 (ja) 電着ワイヤー工具の製造方法
JPWO2017056877A1 (ja) ワイヤ工具用ダイヤモンド砥粒およびワイヤ工具
JP5802275B2 (ja) 固体微粒子付着ワイヤー及びその固体微粒子付着ワイヤーの製造方法
JP2010201541A (ja) ダイヤモンドワイヤーソー、ダイヤモンドワイヤーソーの製造方法
JP6373473B2 (ja) 複合無電解ニッケルめっき
Qin et al. The high concentration and uniform distribution of diamond particles in Ni‐diamond composite coatings by sediment co‐deposition
JP6650222B2 (ja) 切断用ブレード及びその製造方法
KR20200035633A (ko) 자기적 특성이 우수한 니켈 피복 초경질 입자 및 이를 이용한 와이어 쏘우
JP2010179438A (ja) 切断ブレード及びその製造方法並びに中間体
JP2010120116A (ja) 固定砥粒ワイヤーソー
JP5705813B2 (ja) ダイヤモンド砥粒の製造方法、ワイヤ工具の製造方法およびワイヤ工具
JP2011084774A (ja) ニッケル合金電鋳ブレードの製造方法
JP4470559B2 (ja) 極薄刃砥石およびその製造方法
JP2007203443A (ja) 電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石
JP2009101441A (ja) 電鋳キャリアおよびその製造方法
JP2010173015A (ja) ニッケルめっき膜、該ニッケルめっき膜を用いた研削工具、およびニッケルめっき膜の成膜方法
Tang et al. The evolution of growth morphology and corrosion behavior of electrodeposited Ni–P coatings on alumina borate whisker‐reinforced pure aluminum composite
JP2009078321A (ja) 電着工具及びその製造方法
JP3039115B2 (ja) 電着砥石
JP2015037833A (ja) 超硬合金台板外周切断刃及びその製造方法
JP6698682B2 (ja) 金属合金固定層を有する固定砥粒ソーワイヤーの製造方法及びそれにより得られるワイヤー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180424

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6650222

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250