以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図10)に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2は同右側面図、図3は同平面図である。まず、図1〜図3を参照しながら、コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図3に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、稲(又は麦又は大豆又はトーモロコシ)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取部3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の左側には、刈取部3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀部9を搭載する。脱穀部9の下部には、揺動選別及び風選別を行うための穀粒選別機構10を配置する。走行機体1の前部右側には、オペレータが搭乗する運転台5を搭載する。動力源としてのエンジン7を、運転台5(運転座席42の下方)に配置する。運転台5の後方(走行機体1の右側)には、脱穀部9から穀粒を取出すグレンタンク6と、トラック荷台(またはコンテナなど)に向けてグレンタンク6内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ8を配置する。穀粒排出コンベヤ8を機外側方に傾倒させて、グレンタンク6内の穀粒を穀粒排出コンベヤ8にて搬出するように構成している。
刈取部3は、脱穀部9前部の扱口9aに連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備える。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状の第1刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。供給コンベヤ17の送り終端側(扱口9a)に刈取り穀稈投入用ビータ18(フロントロータ)を設ける。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸89(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取部3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈元側が第1刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ17によって搬送され、ビータ18によって脱穀部9の扱口9aに投入されるように構成している。なお、穀物ヘッダー12を水平制御支点軸回りに回動させる水平制御用油圧シリンダ(図示省略)を備え、穀物ヘッダー12の左右方向の傾斜を前記水平制御用油圧シリンダにて調節して、穀物ヘッダー12、及び第1刈刃15、及び掻込みリール14を圃場面に対して水平に支持することも可能である。
また、図1、図3に示す如く、脱穀部9の扱室内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、扱胴21前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根25が半径方向外向きに突設されている。
上記の構成により、ビータ18によって扱口9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、脱穀部9後部の排塵口23から圃場に排出される。
なお、扱胴21の上方側には、扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀部9の下方に配置された穀粒選別機構10として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤26を備える。
また、穀粒選別機構10として、揺動選別盤26に選別風を供給する送風ファン状の唐箕29等を備える。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と送風ファン状の唐箕29の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)、及び藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
揺動選別盤26の下側方には、穀粒選別機構10として、一番コンベヤ機構30及び二番コンベヤ機構31を備える。揺動選別盤26及び送風ファン状の唐箕29の選別によって、揺動選別盤26から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構30及び揚穀コンベヤ32によってグレンタンク6に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構31及び二番還元コンベヤ33等を介して揺動選別盤26の選別始端側に戻され、揺動選別盤26によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口23から圃場に排出されるように構成する。
さらに、図1〜図3に示す如く、運転台5には、操縦コラム41と、オペレータが座乗する運転座席42とを配置している。操縦コラム41には、エンジン5の回転数を調節するアクセルレバー40と、オペレータの回転操作にて走行機体1の進路を変更する丸形状の操縦ハンドル43と、走行機体1の移動速度を切換える主変速レバー44及び副変速レバー45と、刈取部3を駆動または停止操作する刈取クラッチレバー46と、脱穀部9を駆動または停止操作する脱穀クラッチレバー47が配置されている。また、グレンタンク6の前部上面側にサンバイザー支柱48を介して日除け用の屋根体49を取付け、日除け用の屋根体49にて運転台5の上方側を覆うように構成している。
図1、図2に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ53と、履帯2の非接地側を保持する中間ローラ54とを設けている。駆動スプロケット51によって履帯2の前側を支持させ、テンションローラ52によって履帯2の後側を支持させ、トラックローラ53によって履帯2の接地側を支持させ、中間ローラ54によって履帯2の非接地側を支持させるように構成する。
次に、図4〜図10を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図5に示す如く、油圧直進ポンプ64a及び油圧直進モータ64bを有する走行変速用の直進油圧無段変速機64をミッションケース63に設ける。走行機体1前部の右側上面にエンジン7を搭載し、エンジン7左側の走行機体1前部にミッションケース63を配置している。エンジン7から左側方に突出させた出力軸65と、ミッションケース63から左側方に突出させたミッション入力軸66を、エンジン出力ベルト67及びエンジン出力プーリ68及びミッション入力プーリ69を介して連結している。
また、油圧旋回ポンプ70a及び油圧旋回モータ70bを有する操舵用の旋回油圧無段変速機70をミッションケース63に設け、ミッション入力軸66を介して直進油圧無段変速機64と旋回油圧無段変速機70にエンジン7出力を伝達させる一方、操縦ハンドル43と主変速レバー44及び副変速レバー45にて、直進油圧無段変速機64と旋回油圧無段変速機70を出力制御し、直進油圧無段変速機64と旋回油圧無段変速機70を介して左右の履帯2を駆動し、圃場内などを走行移動するように構成している。
さらに、図4〜図10に示す如く、扱胴軸20の前端側を軸支する扱胴駆動ケース71を備える。脱穀部9の前面側に扱胴駆動ケース71を配置する。前記刈取部3と扱胴21を駆動するための扱胴入力軸72を扱胴駆動ケース71に軸支する。また、脱穀部9の左右に貫通させる一定回転軸としての唐箕軸76を備える。唐箕軸76の右側端部に作業部入力プーリ83を設けている。エンジン7の出力軸65上のエンジン出力プーリ68に、テンションローラを兼用した脱穀クラッチ84と作業部駆動ベルト85を介して、唐箕軸76の右側端部を連結している。
図4、図5に示す如く、扱胴21の前方に、走行機体1左右向きに延設された扱胴入力軸72と、走行機体1左右向きに配置されたビータ18と、走行機体1左右向きに延設された刈取入力軸89を設けている。扱胴入力軸72に唐箕軸76の駆動力を伝達する扱胴入力機構90として、扱胴駆動プーリ86,87と扱胴駆動ベルト88を備え、エンジン7からの駆動力が伝達される唐箕軸76のエンジン7側一端部に扱胴入力機構90(扱胴駆動プーリ86,87と扱胴駆動ベルト88)を配置し、エンジン7の一定回転出力にて扱胴21を一定回転駆動するように構成している。
また、一定回転軸としての唐箕軸76の駆動力を刈取入力軸89(ビータ軸82)に伝達する刈取入力一定回転用の車速非同調駆動機構100として、刈取り駆動プーリ106,107と刈取り駆動ベルト114と、一定回転クラッチ108と、一定回転切換アーム109を備え、扱胴入力機構90が配置されたエンジン7側一端部とは反対側となる唐箕軸76の他端部に車速非同調駆動機構100(刈取り駆動プーリ106,107と刈取り駆動ベルト114、一定回転クラッチ108)を配置し、エンジン7の一定回転出力にて刈取部3を一定回転駆動するように構成している。
さらに、図4に示す如く、走行機体1上面側のうち、脱穀機筐支柱34前部の上面側に刈取り支持枠体36を設置している。刈取り支持枠体36の前面左側に刈取り軸受体37を取付け、刈取り支持枠体36の前面右側に後述する正逆転切換ケース121を取付け、刈取り軸受体37と正逆転切換ケース121を介して、刈取り支持枠体36の前面側に刈取入力軸89を走行機体1左右向きに回動可能に軸支すると共に、刈取り支持枠体36の内部にビータ軸受体38を介して左右向きのビータ軸82(ビータ18)を回動可能に軸支している。また、刈取り支持枠体36の上面側に扱胴駆動ケース71を取付け、扱胴駆動ケース71に扱胴入力軸72を軸支している。
一方、フィーダハウス11内の供給コンベヤ17を駆動する左右向きの刈取入力軸89を備える。エンジン7から唐箕軸76におけるエンジン7側一端部に伝達された刈取駆動力を、エンジン7とは反対側となる唐箕軸76の他端部から、刈取正逆転切換ケース121の正逆転伝達軸122に伝達させる。刈取正逆転切換ケース121の正転用ベベルギヤ124または逆転用ベベルギヤ125を介して刈取入力軸89を駆動する。また、ビータ18が軸支されたビータ軸82から、刈取駆動チェン116とスプロケット117,118を介して刈取入力軸89にエンジン7からの刈取駆動力を伝達させるよう構成している。
即ち、図4〜図9に示す如く、刈取入力軸89(ビータ軸82)から刈取部3にエンジン7の駆動力を伝達するものであり、ビータ軸82におけるエンジン7とは反対側となる左右他端部から一定回転クラッチ108を介して刈取部3にエンジン7の一定回転駆動力を伝達するよう構成している。
また、図4〜図10に示す如く、脱穀部9前側に左右向きの扱胴入力軸72を備え、エンジン7から唐箕軸76におけるエンジン7側一端部に伝達された駆動力を、扱胴入力軸72におけるエンジン7側一端部に伝達するものであり、脱穀部9前側に扱胴入力軸72を設け、走行機体1左右向きに扱胴入力軸72を配置し、走行機体1前後向きに配置する扱胴軸20に扱胴21を軸支し、扱胴入力軸72におけるエンジン7とは反対側となる左右他端部にベベルギヤ機構75を介して扱胴軸20前端側を連結すると共に、唐箕軸76におけるエンジン7とは反対側となる左右他端部から、脱穀後の穀粒を選別する穀粒選別機構10または刈取部3にエンジン7の駆動力を伝達させるよう構成している。
即ち、エンジン7に近い側のカウンタ軸73の右側端部に、扱胴駆動プーリ86,87と扱胴駆動ベルト88を介して、扱胴入力軸72の右側端部を連結する。左右方向に延設した扱胴入力軸72の左側端部に、ベベルギヤ機構75を介して扱胴軸20の前端側を連結する。カウンタ軸73の右側端部から扱胴入力軸72を介して扱胴軸20の前端側にエンジン7の動力を伝達させ、扱胴21を一方向に回転駆動させるように構成している。一方、送風ファン状の唐箕29を軸支した唐箕軸76の左側端部から、脱穀部9下方に配置した穀粒選別機構10に、エンジン7の駆動力を伝達させるよう構成している。
さらに、一番コンベヤ機構30の一番コンベヤ軸77の左側端部と、二番コンベヤ機構31の二番コンベヤ軸78の左側端部とに、コンベヤ駆動ベルト111を介して唐箕軸76の左側端部を連結している。揺動選別盤26後部を軸支したクランク状の揺動駆動軸79の左側端部に揺動選別ベルト112を介して二番コンベヤ軸78の左側端部を連結している。即ち、オペレータの脱穀クラッチレバー47操作によって、脱穀クラッチ84が入り切り制御される。脱穀クラッチ84の入り操作によって、穀粒選別機構10の各部と扱胴21が駆動されるように構成している。
なお、一番コンベヤ軸77を介して揚穀コンベヤ32が駆動されて、一番コンベヤ機構30の一番選別穀粒がグレンタンク6に収集される。また、二番コンベヤ軸78を介して二番還元コンベヤ33が駆動されて、二番コンベヤ機構31の藁屑が混在した二番選別穀粒(二番物)が揺動選別盤26の上面側に戻される。また、排塵口23に藁屑飛散用のスプレッダ(図示省略)を設ける構造では、スプレッダ駆動プーリ104とスプレッダ駆動ベルト105を介して、前記スプレッダに唐箕軸76の左側端部を連結する。
図5に示す如く、供給コンベヤ17の送り終端側を軸支するコンベヤ入力軸としての刈取入力軸89を備える。穀物ヘッダー12の右側部背面側にヘッダー駆動軸91を回転自在に軸支する。ビータ軸82の左側端部に刈取駆動チェン116及びスプロケット117,118を介して、刈取入力軸89の左側端部を連結し、ヘッダー駆動チェン119及びスプロケット120を介して、左右方向に延設したヘッダー駆動軸91の左側端部に、刈取入力軸89の左側端部を連結する。掻込みオーガ13を軸支する掻込み軸93を備える。掻込み軸93の右側端部に、掻込み駆動チェン92を介してヘッダー駆動軸91の中間部を連結している。
また、掻込みリール14を軸支するリール軸94を備える。リール軸94の右側端部に、中間軸95及びリール駆動チェン96,97を介してヘッダー駆動軸91の中間部を連結している。ヘッダー駆動軸91の右側端部には、第1刈刃駆動クランク機構98を介して第1刈刃15が連結されている。一定回転クラッチ108または後述する刈取クラッチ115の入り切り操作によって、供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、第1刈刃15が駆動制御されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。
なお、図5に示す如く、正逆転伝達軸122に一体形成する正転用ベベルギヤ124と、刈取入力軸89に回転自在に軸支する逆転用ベベルギヤ125と、正転用ベベルギヤ124に逆転用ベベルギヤ125を連結させる中間ベベルギヤ126を、正逆転切換ケース121に内設する。正転用ベベルギヤ124と逆転用ベベルギヤ125に中間ベベルギヤ126を常に歯合させる。一方、ビータ軸82にスライダ127をスライド自在にスプライン係合軸支する。爪クラッチ形状の正転クラッチ128を介して正転用ベベルギヤ124にスライダ127を係脱可能に係合可能に構成すると共に、爪クラッチ形状の逆転クラッチ129を介して逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を係脱可能に係合可能に構成している。
また、スライダ127を摺動操作する正逆転切換軸123を備え、正逆転切換軸123に正逆転切換アーム130を設け、正逆転切換レバー212(正逆転操作具)操作にて正逆転切換アーム130を揺動させて、正逆転切換軸123を回動し、正転用ベベルギヤ124または逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を接離させ、正転クラッチ128または逆転クラッチ129を介して正転用ベベルギヤ124または逆転用ベベルギヤ125にスライダ127を択一的に係止し、正逆転伝達軸122に刈取入力軸89を正転連結または逆転連結させるように構成している。
図5に示す如く、テンションプーリ状のオーガクラッチ56及びオーガ駆動ベルト57を介して、エンジン7の出力軸65にオーガ駆動軸58の右側端部を連結する。オーガ駆動軸58の左側端部にベベルギヤ機構59を介してグレンタンク6底部の横送りオーガ60前端側を連結する。横送りオーガ60の後端側にベベルギヤ機構61を介して穀粒排出コンベヤ8の縦送りオーガ62を連結している。また、オーガクラッチ56を入り切り操作する穀粒排出レバー55を備える。グレンタンク6前面のうち運転座席42後方の前面に穀粒排出レバー55を取付け、運転座席42側からオペレータが穀粒排出レバー55を操作可能に構成している。
図1、図2、図4に示す如く、バリカン状の第1刈刃と略同一長さ形状のバリカン状の第2刈刃133を備える。また、走行機体1に第2刈刃133を装着する第2刈刃フレームとして、左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136を備える。左側フレーム134、右側フレーム135、中央フレーム136の先端側に、第2刈刃台137を固着し、第2刈刃機構132を構成している。
第2刈刃台137の両端部に左右の接地橇体138を設ける。第2刈刃台137のうち左右の接地橇体138の間に第2刈刃133を往復動可能に取付ける。一方、走行機体1の運転台フレームに右側軸受体を介して右側フレーム135の基端側を回動可能に支持している。また、走行機体1の前側フレームに支持フレーム体140を介して中央フレーム136の基端側を回動可能に支持している。
図5に示す如く、刈取入力軸89から第2刈刃133に駆動力を伝達する第2刈刃駆動機構171を備える。第2刈刃駆動機構171は、第2刈刃133に駆動力を伝達する第2刈刃駆動チェン172と、第2刈刃駆動チェン172を介して第2刈取入力軸89に連結する偏心回転軸174と、偏心回転軸174に連結する第2刈刃駆動クランク機構175を有する。
第2刈刃駆動クランク機構175は、偏心回転軸174に連結する揺動回転軸178と、揺動回転軸178に連結する揺動駆動アーム179と、揺動駆動アーム179に第2刈刃133を連結する押し引きロッド180を有する。
上記の構成により、偏心回転軸174の一方向回転を、揺動回転軸178の揺動回転(一定範囲内で正逆転させる往復回転)に変換して、揺動駆動アーム179を揺動させ、押し引きロッド180を介して第2刈刃133を往復摺動させ、第1刈刃15にて刈取られた直後の圃場の残稈(穀稈の株元側)を第2刈刃133にて切断し、圃場に残る株元の高さを低くするように構成している。
また、第2刈刃駆動チェン172を内設する伝動フレーム181を備える。刈取り軸受体37に伝動フレーム181の一端側を着脱可能に締結し、伝動フレーム181の他端側に左側フレーム134を回動可能に連結している。即ち、伝動フレーム181を介して、刈取り軸受体37に左側フレーム134を支持している。なお、第2刈刃駆動クランク機構175は、左側フレーム134に着脱可能に支持した第2刈刃駆動カバー185内に配置している。
上記の構成により、一定回転クラッチ108または後述する刈取クラッチ115の入り操作によって刈取部3を駆動することにより、第1刈刃15と共に第2刈刃133が作動し、第1刈刃15によって圃場の未刈り穀稈の穂先側を刈取り、その穀稈の穂先側をフィーダハウス11から脱穀部9に搬入し、穀粒選別機構10からグレンタンク6に穀粒を取出す。一方、第1刈刃15によって圃場の穀稈が刈取られた跡に残る切株(残稈)は、第2刈刃133にて適宜高さに切断され、収穫作業後に圃場に残る切株(株元)の高さが略一定高さに低く揃えられる。収穫作業後の圃場に残る切株の高さを低くすることにより、圃場の後処理作業(耕耘作業など)性を向上できる。
次に、図5、図6を参照して、ミッションケース63等の動力伝達構造を説明する。図5、図6に示す如く、ミッションケース63に、1対の直進ポンプ64a及び直進モータ64bを有する直進(走行主変速)用の油圧無段変速機64と、1対の旋回ポンプ70a及び旋回モータ70bを有する旋回用の油圧無段変速機70とを設ける。直進ポンプ64a及び旋回ポンプ70aの各ポンプ軸258,259に、ミッションケース63のミッション入力軸66をそれぞれギヤ連結させて駆動するように構成している。ミッション入力軸66上のミッション入力プーリ69にエンジン出力ベルト67を掛け回している。ミッション入力プーリ69にエンジン出力ベルト67を介してエンジン7の出力を伝達し、直進ポンプ64a及び旋回ポンプ70aを駆動する。
また、ミッションケース63にPTO軸299を配置している。PTO軸299は、直進用モータ軸260及び主変速出力用カウンタ軸270を介して、直進モータ64bの駆動力にて常に駆動されるように構成している。加えて、PTO軸299の駆動力を刈取入力軸89(ビータ軸82)に伝達する刈取同調回転用の車速同調駆動機構220として、PTOプーリ219と、車速同調プーリ221と、テンションプーリ状の刈取クラッチ222と、車速同調ベルト223と、一方向クラッチ224を備える。ミッションケース63からこの左外側にPTO軸299の一端側を突設させ、PTO軸299上にPTOプーリ219を設けると共に、ビータ軸82のエンジン7側一端部に一方向クラッチ224を介して車速同調プーリ221を軸支し、PTOプーリ219と車速同調プーリ221間に刈取クラッチ222を介して車速同調ベルト223を掛け回している。
上記の構成により、オペレータの刈取クラッチレバー47操作にて、刈取クラッチ222が入り操作された状態下で、PTO軸299の車速同調回転力が一方向クラッチ224を介してビータ軸82に伝達され、PTO軸299の車速同調回転力にてビータ18と刈取部3各部が車速同調速度にて駆動される。このとき、オペレータにて一定回転クラッチ108が入り操作され、唐箕軸76の一定回転力がビータ軸82に伝達されたとき、PTO軸299の車速同調回転力よりも唐箕軸76の一定回転力が高速回転の場合、刈取クラッチ222が切り操作された状態と同様に、一方向クラッチ224が空転作動し、唐箕軸76の一定回転力にてビータ軸82を介してビータ18と刈取部3各部が一定回転速度にて駆動される。例えば、圃場の枕地旋回などにおいて、PTO軸299の車速同調回転が所定以下に低速になっても、一定回転クラッチ108の入り操作にてビータ18と刈取部3各部を所定回転以上で駆動でき、ビータ18または刈取部3各部などに刈取り穀稈が詰まる等の不具合が発生するのを未然に防止できる。なお、PTO軸299の車速同調回転が所定以下に低下したときに、一定回転クラッチ108が自動的に入り作動するように自動制御することも容易に実行できる。
図5、図6に示す如く、エンジン7の出力軸65から出力される駆動力は、エンジン出力ベルト67及びミッション入力軸66を介して、直進ポンプ64aのポンプ軸258及び旋回ポンプ70aのポンプ軸259にそれぞれ伝達される。直進用油圧式無段変速機構53では、ポンプ軸258に伝達された動力にて、直進ポンプ64aから直進モータ64bに向けて作動油が適宜送り込まれる。同様に、旋回用油圧式無段変速機構54では、ポンプ軸259に伝達された動力にて、旋回ポンプ70aから旋回モータ70bに向けて作動油が適宜送り込まれる。
なお、ポンプ軸259には、各油圧ポンプ55,57及び各油圧モータ56,58に作動油を供給するためのチャージポンプ151が取付けられている。直進用油圧式無段変速機構53は、操縦コラム41に配置された主変速レバー43や操縦ハンドル43の操作量に応じて、直進ポンプ64aにおける回転斜板の傾斜角度を変更調節して、直進モータ64bへの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することにより、直進モータ64bから突出した直進用モータ軸260の回転方向及び回転数を任意に調節するように構成されている。
図6に示す如く、直進用モータ軸260の回転動力は、直進伝達ギヤ機構250から副変速ギヤ機構251に伝達される。副変速ギヤ機構251は、副変速シフタ252,253によって切換える副変速低速ギヤ254及び副変速中速ギヤ255及び副変速高速ギヤ256を有する。操縦コラム41に配置された副変速レバー45の操作にて、直進用モータ軸260の出力回転数を低速又は中速又は高速という3段階の変速段に択一的に切換えるように構成している。なお、副変速の低速と中速と高速との間には、中立位置(副変速の出力が零になる位置)を有している。
図6に示す如く、副変速ギヤ機構251の出力側に設けられた駐車ブレーキ軸265(副変速出力軸)には、ドラム式の駐車ブレーキ266が設けられている。副変速ギヤ機構251からの回転動力は、駐車ブレーキ軸265に固着された副変速出力ギヤ267から左右の差動機構257に伝達される。左右の差動機構257には、遊星ギヤ機構268をそれぞれ備えている。また、駐車ブレーキ軸265上に直進用パルス発生回転輪体292を設け、図示しない直進車速センサによって、直進出力の回転数(直進車速=副変速出力ギヤ267の変速出力)を検出するように構成している。
図6に示す如く、左右各遊星ギヤ機構268は、1つのサンギヤ271と、サンギヤ271に噛合う複数の遊星ギヤ272と、遊星ギヤ272に噛合うリングギヤ273と、複数の遊星ギヤ272を同一円周上に回転可能に配置するキャリヤ274とをそれぞれ備えている。左右の遊星ギヤ機構268のキャリヤ274は、同一軸線上において適宜間隔を設けて相対向させて配置されている。左右のサンギヤ271が設けられたサンギヤ軸275にセンタギヤ276を固着している。
左右の各リングギヤ273は、その内周面の内歯を複数の遊星ギヤ272に噛合わせた状態で、サンギヤ軸275に同心状に配置されている。また、左右の各リングギヤ273外周面の外歯は、後述する左右旋回出力用の中間ギヤ287,288を介して、操向出力軸285に連結させている。各リングギヤ273は、キャリヤ274の外側面から左右外向きに突出した左右の強制デフ出力軸277に回転可能に軸支されている。左右の強制デフ出力軸277に、ファイナルギヤ278a,278bを介して左右の車軸278が連結されている。左右の車軸278には左右の駆動スプロケット51が取付けられている。従って、副変速ギヤ機構251から左右の遊星ギヤ機構268に伝達された回転動力は、左右の車軸278から各駆動スプロケット51に同方向の同一回転数にて伝達され、左右の履帯2を同方向の同一回転数にて駆動して、走行機体1を直進(前進、後退)移動させる。
旋回用油圧式無段変速機構54は、操縦コラム41に配置された主変速レバー43や操縦ハンドル43の回動操作量に応じて、旋回ポンプ70aにおける回転斜板の傾斜角度を変更調節して、旋回モータ70bへの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することにより、旋回モータ70bから突出した旋回用モータ軸261の回転方向及び回転数を任意に調節するように構成されている。また、後述する操向カウンタ軸280上に旋回用パルス発生回転輪体294を設け、図示しない旋回用回転センサ(旋回車速センサ)にて、旋回モータ70bの操向出力の回転数(旋回車速)を検出するように構成している。
また、ミッションケース63内には、旋回用モータ軸261(操向入力軸)上に設ける湿式多板形の旋回ブレーキ279(操向ブレーキ)と、旋回用モータ軸261に減速ギヤ281を介して連結する操向カウンタ軸280と、操向カウンタ軸280に減速ギヤ286を介して連結する操向出力軸285と、左リングギヤ273に逆転ギヤ284を介して操向出力軸285を連結する左入力ギヤ機構282と、右リングギヤ273に操向出力軸285を連結する右入力ギヤ機構283とを設けている。旋回用モータ軸261の回転動力は、操向カウンタ軸280に伝達される。操向カウンタ軸280に伝達された回転動力は、左の入力ギヤ機構282における操向出力軸285上の左中間ギヤ287と逆転ギヤ284を介して逆転回転動力として、左のリングギヤ273に伝達される一方、右の入力ギヤ機構283における操向出力軸285上の右中間ギヤ288を介して正転回転動力として、右のリングギヤ273に伝達される。
副変速ギヤ機構251を中立にした場合は、直進モータ64bから左右の遊星ギヤ機構268への動力伝達が阻止される。副変速ギヤ機構251から中立以外の副変速出力時に、副変速低速ギヤ254又は副変速中速ギヤ255又は副変速高速ギヤ256を介して直進モータ64bから左右の遊星ギヤ機構268へ動力伝達される。一方、旋回ポンプ70aの出力をニュートラル状態とし、且つ旋回ブレーキ279を入り状態とした場合は、旋回モータ70bから左右の遊星ギヤ機構268への動力伝達が阻止される。旋回ポンプ70aの出力をニュートラル以外の状態とし、且つ旋回ブレーキ279を切り状態とした場合は、旋回モータ70bの回転動力が、左入力ギヤ機構282及び逆転ギヤ284を介して左リングギヤ273に伝達される一方、右入力ギヤ機構283を介して右リングギヤ273に伝達される。
その結果、旋回モータ70bの正回転(逆回転)時は、互いに逆方向の同一回転数で、左リングギヤ273が逆転(正転)し、右リングギヤ273が正転(逆転)する。即ち、各モータ軸260,261からの変速出力は、副変速ギヤ機構251又は差動機構257をそれぞれ経由して、左右の履帯2の駆動スプロケット51にそれぞれ伝達され、走行機体1の車速(走行速度)及び進行方向が決定される。
すなわち、旋回モータ70bを停止させて左右リングギヤ273を静止固定させた状態で、直進モータ64bが駆動すると、直進用モータ軸260からの回転出力は左右サンギヤ271に左右同一回転数で伝達され、遊星ギヤ272及びキャリヤ274を介して、左右の履帯2が同方向の同一回転数にて駆動され、走行機体1が直進走行する。
逆に、直進モータ64bを停止させて左右サンギヤ271を静止固定させた状態で、旋回モータ70bを駆動させると、旋回用モータ軸261からの回転動力にて、左のリングギヤ273が正回転(逆回転)し、右のリングギヤ273は逆回転(正回転)する。その結果、左右の履帯2の駆動スプロケット51のうち、一方が前進回転し、他方が後退回転し、走行機体1はその場で方向転換(信地旋回スピンターン)される。
また、直進モータ64bによって左右サンギヤ271を駆動しながら、旋回モータ70bによって左右リングギヤ273を駆動することによって、左右の履帯2の速度に差が生じ、走行機体1は前進又は後退しながら信地旋回半径より大きい旋回半径で左又は右に旋回(Uターン)する。このときの旋回半径は左右の履帯2の速度差に応じて決定される。エンジン7の走行駆動力が左右の履帯2に常に伝達された状態で左又は右に旋回移動する。
次いで、図1〜図3、図7〜図10を参照して、操縦ハンドル43などの運転操作構造を説明する。図7〜図10に示す如く、運転台5におけるオペレータ搭乗用の足載せ平坦部を構成するステップフレーム311を備える。走行機体1の上面側に複数の支脚フレーム312を立設させ、支脚フレーム312上端側にステップフレーム311を架設する。ステップフレーム311の右側機外側部の支脚フレーム312の側面に乗降用ステップ313を固着し、乗降用ステップ313の機内側部に作動油タンク315を配置すると共に、ステップフレーム311前端部下方の走行機体1上面に油圧バルブユニット体314を取付けている。
また、操向操作軸316と無段変速操作軸317を有するステアリングケース318を備える。ステップフレーム311前部下面側の左右の支脚フレーム312間にケース支持横フレーム319の両端を連結し、略水平なケース支持横フレーム319にステアリングケース318を着脱可能に締結固定する。油圧バルブユニット体314の直上にケース支持横フレーム319を介してステアリングケース318が多段状に支持される。ステアリングケース318の上面から上方に向けて操向操作軸316を突設させ、操縦ハンドル43にステアリング軸321を介して操向操作軸316を連結させると共に、ステアリングケース318の左側面から左側方に向けて無段変速操作軸317を突設させ、主変速レバー44に無段変速操作ロッド322を介して無段変速操作軸317を連結させる。
加えて、直進油圧無段変速機64と旋回油圧無段変速機70を組付けた無段変速ケース323を備える。ミッションケース63の上部右側に無段変速ケース323を固着し、無段変速ケース323の前後面に直進用及び旋回用の各無段変速操作アーム体324を配置させている。ステアリングケース318の背面側に設ける直進操作軸325と旋回操作軸326に、直進用及び旋回用の各無段変速操作アーム体324をそれぞれ連結させ、操縦ハンドル43の操向操作と主変速レバー44の変速操作にて、直進油圧無段変速機64と旋回油圧無段変速機70を作動制御し、左右履帯2の進路と移動速度を変更可能に構成している。
なお、平面視で四角形のステップフレーム311の右側下方に作動油タンク315を配置し、ステップフレーム311の左側下方に無段変速ケース323を配置すると共に、ステップフレーム311の前部下方に油圧バルブユニット体314とステアリングケース318を上下多段状に配置したから、作動油タンク315と無段変速ケース323の間に形成されるスペースを介して、ステアリングケース318後部のエンジン7(作動油ポンプ)と前方の油圧バルブユニット体314と作動油タンク315と各部の油圧アクチュエータ(昇降用油圧シリンダ4)間に油圧配管を容易に延設できると共に、油圧機器のメンテナンス作業性などを向上できる。
次に、図11を参照して、第2実施形態を示すコンバイン(刈取部3)の駆動構造を説明する。図11に示す如く、車速同調軸331と一定回転軸332を有する流し込みギヤケース333と、図5と同様の正逆転切換ケース121を備える。図5と同様の一方向クラッチ224を介して車速同調軸331上に図5と同様の車速同調プーリ221を設け、PTO軸299に車速同調ベルト223(車速同調駆動機構220)を介して車速同調軸331を連結させ、オペレータの刈取クラッチレバー47操作にて、刈取クラッチ222が入り操作された状態下で、PTO軸299の車速同調回転力が、一方向クラッチ224を介して流し込みギヤケース333に入力された後に、ビータ軸82に伝達され、PTO軸299の車速同調回転力にてビータ18と刈取部3各部が車速同調速度にて駆動されるように構成している。
また、一定回転軸332は、ユニバーサルジョイント軸334を介して、エンジン7の出力軸65に連結するものであり、流し込みギヤケース333に内設した一定回転クラッチ(車速非同調駆動機構100)を入り切り操作する一定回転切換アーム109と、正逆転切換ケース121内の正転用ベベルギヤ(図示省略)または逆転用ベベルギヤ(図示省略)をビータ軸82に択一的に連結操作する正逆転切換軸123と正逆転切換アーム130を設け、出力軸65の一定回転力にてビータ18と刈取部3各部が一定回転速度にて駆動される。即ち、図5に示す実施形態と同様に、車速同調駆動機構220または車速非同調駆動機構100のいずれかを介して、ビータ18と刈取部3各部が車速同調速度または一定回転速度のいずれかにて駆動される。また、正逆転切換ケース121内の正転用ベベルギヤにてビータ18と刈取部3各部が正転駆動されて収穫作業が実行される一方、正逆転切換ケース121内の逆転用ベベルギヤにてビータ18と刈取部3各部が逆転駆動されて詰まり藁を除去できるように構成している。
図1〜図5、図11に示す如く、扱胴21を備えた脱穀部9と、エンジン7とミッションケース63を搭載する走行機体1を備え、脱穀部9の前部に刈取部3を設け、脱穀部9または刈取部3にエンジン7からの駆動力を伝達すると共に、刈取部3からフィーダハウス11を介して脱穀部9に刈取り穀稈を投入するコンバインにおいて、ミッションケース63から刈取部3に一方向クラッチ224を介してPTO動力を伝達する車速同調駆動機構220を備える構造であって、エンジン7から脱穀部9に動力を伝達する脱穀駆動径路に、車速非同調駆動機構100を介して刈取部3の刈取入力軸89を連結し、フィーダハウス11の供給コンベヤ17に、車速同調駆動機構220または車速非同調駆動機構100を介して、エンジン7の出力を伝達するように構成している。したがって、フィーダハウス11の供給コンベヤ17などの刈取部3の各部が刈取り穀稈量に適応した速度で駆動され、収穫作業に必要な動力消費を軽減でき、刈取部3の各部の耐久性向上またはエンジン7の燃費向上などを図ることができるものでありながら、フィーダハウス11の供給コンベヤ17などの刈取り穀稈の搬送系路において藁詰り事故などの不具合が発生するのを低減でき、収穫作業における運転操作性の向上などを図ることができる。
図1〜図5、図11に示す如く、運転操作部(運転台5)にてオペレータが操作可能な動力継断用の刈取クラッチ222を介して、車速同調駆動機構220または車速非同調駆動機構100のいずれか一方から供給コンベヤ17に、エンジン7の出力を伝達するように構成している。したがって、収穫作業における圃場の枕地旋回操作または後進操作などに関連させて、車速同調駆動機構220からの出力または車速非同調駆動機構100からの出力にて、刈取部3の各部が適正速度で駆動され、刈取部3における刈取り穀稈の搬送系路で駆動トラブルが発生するのを未然に防止でき、収穫作業における運転操作性の向上などを図ることができる。
図1〜図5に示す如く、供給コンベヤ17の送り終端部と扱胴21前部の間にフロントロータ軸としてのビータ軸82を介してフロントロータとしてのビータ18を設置する構造であって、ミッションケース63のPTO軸299に一方向クラッチ224を介してビータ軸82を連結すると共に、脱穀部9の一定回転軸としての唐箕軸76に一定回転クラッチ108を介してビータ軸82を連結している。したがって、刈取部3とビータ18を協同させて、脱穀部9の扱口9aに刈取り穀稈を投入でき、刈取り穀稈の搬送機能を向上できると共に、PTO軸299の回転速度が唐箕軸76の回転速度よりも低速であっても、PTO軸299に一方向クラッチ224を介してビータ軸82を連結した状態下で、唐箕軸76にて一定回転クラッチ108を介してビータ軸82を高速回動でき、刈取部3における刈取り穀稈の搬送系路で駆動トラブルが発生するのを未然に防止でき、収穫作業における運転操作性の向上などを図ることができる。
図1〜図5、図11に示す如く、供給コンベヤ17を正転駆動または逆転駆動する正逆転切換機構としての正逆転切換ケース121を備える構造であって、ビータ軸82に正逆転切換ケース121を介して供給コンベヤ17を連結している。したがって、正逆転切換ケース121の逆転切換操作にてフィーダハウスの供給コンベヤ17などを逆転させることができ、フィーダハウス11内などの詰り藁を速やかに除去できる。また、PTO軸299の低速回転出力または唐箕軸76の低速回転出力を選択的に活用して、フィーダハウス11の供給コンベヤ17などを逆転させることができ、作業状況などに合わせて藁詰り状態を解除できる。