JP2017022876A - 無線通信機および非接触充電制御システム - Google Patents

無線通信機および非接触充電制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】より適切な時点で非接触充電処理を開始可能とする、無線通信機および非接触充電制御システムを提供する。【解決手段】充電スタンド10において、スタンド側無線通信機14は、非接触充電処理の制御に関するデータを送信する。スタンド側無線通信機は、複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得するチャネルスキャン機能と、チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定するチャネル決定機能とを備え、非接触充電の制御が終了するとただちに、又は、非接触充電の制御が終了してから所定時間以内に、チャネルスキャン機能の実行を開始する。【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信機および非接触充電制御システムに関する。
近年、プラグインハイブリッド車やEV車が急速に発展しており、車の充電を行う充電スタンドの普及が見込まれる。充電の方法として、スタンドと車両とを充電ケーブルで接続する接触充電方式と、共鳴コイル等を使用して非接触で電力を伝送する非接触充電方式が挙げられる。
充電に際して、充電スタンドと車両との間で、互いの存在を確認することが必要となる。接触充電方式では、車両のインレットにプラグを挿すため、充電スタンドと車両はこのプラグを介してお互いに相手の存在を確認することができる。また、充電に際して、充電制御、車両の認証、課金、車固有の情報(例えばバッテリの情報(SOC))等の情報のやりとりのために、充電スタンドと車両との間で通信が必要になる。接触充電方式では、この通信は、充電ケーブルを用いた有線通信により実現することが可能である(例えばCPLTやInband通信等)。
一方、非接触充電方式では、充電スタンドと車両とは物理的には接続されていないため、存在確認や情報のやりとりのための通信を無線で行う必要がある。無線通信では、複数のチャネルを準備し、周囲の状況に合わせて適切なチャネルを選択する場合がある。また、情報収集のために各チャネルをスキャンすることが知られている。特許文献1には、このような無線通信技術の例が開示されている。
また、周囲の状況は時系列で刻々と変化するため、同一チャネルを長時間使用し続けていると、他の無線機器とチャネルが重なり、通信スループットが低下する場合がある。このため、起動中に一定時間間隔でチャネルスキャンを行い、使用するチャネルを切り替えることも知られている。
なお、チャネルスキャン中は、チャネルスキャンを実行している無線通信機は、データ(ただしチャネルスキャン自体の制御に係るデータを除く)の送信を行うことができない。
特開2004−193746号公報
しかしながら、従来の無線通信技術を非接触充電処理に係る無線通信機に適用した場合には、チャネルスキャンのタイミングが必ずしも適切とはならず、結果として非接触充電処理が適切な時点で開始できない場合があるという問題があった。
たとえば、定期的にチャネルスキャンを実行する構成では、充電対象物(たとえば非接触充電装置を備えた車両)が非接触充電処理を開始しようとしても、充電スタンド側がチャネルスキャン中のため通信できず、結果として非接触充電処理が実行できない場合がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、より適切な時点で非接触充電処理を開始可能とする無線通信機および非接触充電制御システムを提供することを目的とする。
上述の問題を解決するため、この発明に係る無線通信機は、複数のチャネルを用い、非接触充電処理の制御に関するデータを送信する無線通信機であって、複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する、チャネルスキャン機能と、チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定する、チャネル決定機能とを備え、非接触充電の制御が終了するとただちに、または、非接触充電の制御が終了してから所定時間以内に、チャネルスキャン機能の実行を開始する。
この発明によれば、非接触充電処理の完了直後にチャネルスキャンが実行されるので、車両が存在しない間(たとえば次の車両が接近する前)にチャネルスキャンが完了する可能性が高まる。
また、この発明に係る非接触充電制御システムは、複数のチャネルを用い、非接触充電処理の制御に関するデータを送信する無線通信機と、車両の存在を検知するセンサとを備える、非接触充電制御システムであって、定期的に、複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する、定期チャネルスキャン機能と、定期チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定する、チャネル決定機能とを備え、車両の存在が検知されている場合には、定期チャネルスキャン機能の実行を禁止する。
この発明によれば、車両が存在している時には定期的なチャネルスキャンが実行されない。
各チャネルの使用状況に関する情報は、当該チャネルにおける他の無線通信機からの通信に係る通信品質を表す情報を含み、チャネル決定機能は、通信品質が最も低いチャネルを、無線通信に用いるべきチャネルとして決定する機能であってもよい。
チャネル決定機能において決定されたチャネルを用いて、給電装置を特定するためのデータを送信してもよい。
この発明によれば、車両が存在している時にはチャネルスキャンが抑制されるので、非接触充電が妨げられず、より適切な時点で非接触充電処理が開始可能となる。
実施の形態1に係る非接触充電制御システムを含む構成の例を示す図である。 非接触充電に関する処理の概要を示す図である。 図1のスタンド側無線通信機がチャネルスキャンを実行するタイミングを説明する図である。 実施の形態1に係る無線通信のスループットを説明する図である。 従来の構成に係る無線通信のスループットを説明する図である。 実施の形態2に係る非接触充電制御システムを含む構成の例を示す図である。 図2のスタンド側無線通信機がチャネルスキャンを実行するタイミングを説明する図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る非接触充電制御システムを含む構成の例を示す。充電スタンド10が設置され、充電スタンド10から給電を受けるために車両20がその近辺に停車している。
充電スタンド10は、給電装置11と、給電ケーブル12と、給電コイル13と、スタンド側無線通信機14と、アンテナ15とを備える。給電装置11は、図示しない電源装置から電力を受電し、これを外部の電気機器(たとえば車両20)に給電を行うために送電する。給電ケーブル12は、給電装置11から送電される電力を給電コイル13に伝達する。給電コイル13は非接触給電器であり、外部の受電器(たとえば後述の充電コイル23)と電磁的結合を形成する電磁誘導、または共鳴により非接触給電を行う。
スタンド側無線通信機14は、たとえば無線通信機能を有するアクセスポイントとして構成することができる。スタンド側無線通信機14は、複数(たとえば13個)のチャネルを用い、非接触充電処理の制御に関するデータを送受信する。各チャネルには、たとえばそれぞれ異なる周波数帯域が割り当てられる。このように、スタンド側無線通信機14は、実施の形態1における非接触充電制御システムの構成要素である。
スタンド側無線通信機14は、無線送信機として、給電装置11から通信データを取得し、無線パケットの形態でアンテナ15を介して外部の無線受信機(たとえば後述の車両側無線通信機24)に送信する。また、スタンド側無線通信機14は、無線受信機として、外部の無線送信機(たとえば車両側無線通信機24)からアンテナ15を介して無線パケットを受信し、通信データを再生して給電装置11に提供する。
車両20は、バッテリ21と、充電装置22と、充電コイル23と、車両側無線通信機24とアンテナ25とを備える。バッテリ21は電力を貯蓄する。充電コイル23は非接触受電器であり、外部の給電器(たとえば給電コイル13)と電磁的結合を形成する電磁誘導、または共鳴により非接触受電を行う。充電装置22は、充電コイル23から電力を受電し、バッテリ21に送電する。
車両側無線通信機24は、無線送信機として、充電装置22から通信データを取得し、無線パケットの形態でアンテナ25を介して外部の無線受信機(たとえばスタンド側無線通信機14)に送信する。また、車両側無線通信機24は、無線受信機として、外部の無線送信機(たとえばスタンド側無線通信機14)からアンテナ25を介して無線パケットを受信し、通信データを再生して充電装置22に提供する。
充電装置22と車両側無線通信機24との間の通信は、たとえばCAN(Car Area Network)を用いて実現可能である。この場合には、車両側無線通信機24は、CANから受信した通信データをアンテナ25を介して送信し、また、アンテナ25から受信したデータをCANに対して送信する。
図2に、非接触充電に関する処理Proc1の概要を示す。非接触充電に関する処理Proc1は、非接触充電処理の制御に関するデータを送受信する処理を含み、たとえば次の順序で進行する。
まず、スタンド側無線通信機14から車両側無線通信機24に、充電スタンド10の存在を通知するためのビーコンが送信される(ステップS1)。この送信は、たとえば定期的にブロードキャスト方式で行われる。車両側無線通信機24は、このビーコンを検知すると、スタンド側無線通信機14に通信の接続要求を送信する(ステップS2)。
この接続要求に基づき、スタンド側無線通信機14と車両側無線通信機24との間で通信が確立する(ステップS3)。通信が確立した後、給電装置11の制御に基づき、給電装置11から、給電コイル13および充電コイル23を介して、充電装置22に弱電力の出力が行われる(ステップS4)。
弱電力の出力の結果(たとえば給電コイル13および充電コイル23における電圧の変動状況)に基づき、給電装置11は、充電スタンド10と車両20とのペアリングが成立するか否かを判定する(ステップS5)。ペアリングが成立すると判定されると、給電装置11の制御に基づき、給電コイル13から充電コイル23に非接触充電のための送電が開始され、これに伴って充電処理が実行される(ステップS6)。
なお、このステップS6においては、電力の送受とともに、制御情報(たとえば送電動作の制御に関するもの)の送受も行われる。すなわち、ステップS6の実行中であっても、スタンド側無線通信機14と車両側無線通信機24との間で無線通信が行われる。
充電処理が完了すると、車両側無線通信機24は、スタンド側無線通信機14に通信の切断要求を送信する(ステップS7)。図2の例では、このステップS7の実行終了をもって、非接触充電に関する処理Proc1が完了する。これにより、車両20に対する非接触充電の制御が終了する。
非接触充電に関する処理Proc1において、ビーコン、接続要求および切断要求は、いずれも、非接触充電処理の制御に関するデータの例である。また、ビーコンは、給電装置11(または給電装置11を含む充電スタンド10)の存在を通知するためのデータである。さらに、ビーコンは、給電装置11(または給電装置11を含む充電スタンド10)を特定するためのデータであってもよい。すなわち、複数の給電装置が存在する場合には、各給電装置に係る無線通信機は、互いに識別可能となるように、互いに異なる内容のビーコンを送信する。
図3は、スタンド側無線通信機14がチャネルスキャンを実行するタイミングを説明する図である。この図は、時系列に沿って発生する処理の例を上から下に向かう順に示すものである。
スタンド側無線通信機14は、時刻t11において、チャネルスキャン機能の実行を開始する。チャネルスキャン機能とは、たとえば、複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する機能をいう。
チャネルスキャン機能は、本実施形態では次のように実行される。まずスタンド側無線通信機14は、特定のチャネルにおいてプローブ要求を送信し、その後所定時間(たとえば50ms)だけそのチャネルのプローブ応答を待つ。そして、所定時間内にプローブ応答を受信した場合には、そのチャネルは使用されていると判定し、所定時間内にプローブ応答を受信しなかった場合には、そのチャネルは使用されていないと判定する。このような処理を各チャネルについて繰り返す。
次に、スタンド側無線通信機14は、時刻t12において、チャネルスキャン機能の実行結果に基づくチャネル決定機能の実行を開始する。チャネル決定機能とは、たとえば、通信に用いるべきチャネルを決定する機能をいう。
チャネル決定機能は、本実施形態では次のように実行される。使用されていないチャネルが存在する場合には、そのチャネル(複数存在する場合にはいずれか1つ)を、通信に用いるべきチャネルとして決定する。すべてのチャネルが使用されている場合には、所定のチャネル選択基準に基づき、通信に用いるべきチャネルを決定する。このチャネル選択基準は、公知の基準を用いてもよい。また、使用されている程度(たとえば受信したプローブ応答の数)が取得されている場合には、使用されている程度が最も低いチャネル(たとえば受信したプローブ応答の数が最も小さいチャネル。複数存在する場合にはいずれか1つ)を、通信に用いるべきチャネルとして決定してもよい。
このようにしてチャネル決定機能が実行された後、スタンド側無線通信機14は、決定されたチャネルを用いて無線通信を行う。たとえば、図2に示す非接触充電に関する処理Proc1に含まれる無線通信が、いずれもこの決定されたチャネルを用いて行われる。図3の例では、時刻t13において、車両20に対し、非接触充電に関する処理Proc1が開始される。すなわち、スタンド側無線通信機14は、チャネル決定機能において決定されたチャネルを用いて、給電装置11(または給電装置11を含む充電スタンド10)を特定するためのデータを送信する。
時刻t14において非接触充電に関する処理Proc1が終了したとする。スタンド側無線通信機14は、この直後に、チャネルスキャン機能の実行を開始する。「直後」とは、たとえば非接触充電の制御が終了してから所定時間以内を意味する。すなわち、次のチャネルスキャン機能の実行が開始される時刻t15は、時刻t14から所定時間以内である。この所定時間は、たとえば10秒であるが、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、等であってもよい。
または、スタンド側無線通信機14は、非接触充電に関する処理Proc1が終了すると、ただちにチャネルスキャン機能の実行を開始してもよい。たとえばスタンド側無線通信機14が起動(または再起動)の直後にチャネルスキャン機能を実行するよう設計されている場合には、再起動処理の開始がチャネルスキャン機能の実行開始に相当すると解釈することができる。言い換えると、スタンド側無線通信機14は、非接触充電に関する処理Proc1が終了すると、ただちに自身の再起動を行うことにより、チャネルスキャン機能の実行を開始してもよい。
たとえば、スタンド側無線通信機14の再起動処理として、アクセスポイントとしての動作を終了して再起動を開始するまでに3秒、再起動の開始からチャネルスキャンを開始するまでに3秒、13チャネルのそれぞれについてスキャンするのに50ms(全チャネル合計で650ms)かかったとすると、合計で約6秒経過後にチャネルスキャン機能の実行が開始され、約6.65秒経過後にはチャネルスキャン機能の実行が終了することになる。
その後、上記と同様にしてチャネルスキャン機能およびチャネル決定機能が実行される。その後、時刻t16において、別の車両30に対し、非接触充電に関する処理Proc1が開始される。
ここで、充電スタンド10と車両との位置関係の変化が比較的ゆっくりと起きる場合(たとえば、車両20が充電スタンド10から離れ、空いた充電スタンド10に車両30が接近するまでに10秒程度の時間がかかる場合)には、新たな車両30が接近した時点ではチャネルスキャンが完了している可能性が高まる。このため、結果として、車両が存在している時にはチャネルスキャンが抑制されることになる。
このように、本発明の実施の形態1に係るスタンド側無線通信機14によれば、非接触充電が妨げられず、より適切な時点で非接触充電処理が開始可能となる。
また、非接触充電処理の終了に伴ってチャネルスキャンが実行されるので、チャネルスキャンの実行機会を比較的確実に確保することができる。たとえば、周囲の電波状況が時間とともに変化し、他の無線機器(他の充電スタンドまたはそれ以外の無線機器)と使用チャネルが重なった状況において、チャネルを変更できないとスループットが低下するが、実施の形態1によればそのような事態を回避し、スループットを比較的高く保つことができる。
図4および図5は、このようなスループットに関する効果を説明する図である。図4および図5は、充電の継続的な監視に関連して、車両側無線通信機からスタンド側無線通信機へと送信されるデータの構成を示す。
図4は、本発明の実施の形態1に対応する例を示す。充電装置22は、通信データDを生成して車両側無線通信機24に出力する。この出力は、たとえば上述のようにCANを介した送信により行われる。また、この出力または送信は、たとえば定期的に行われ、その間隔はたとえば10ms〜100msの範囲の値である。
車両側無線通信機24は、充電装置22によって生成される通信データDを入力として取得する。上述のように、通信データDは定期的に取得される。また、上述のように、通信データDは、CAN通信を介した受信により取得される。各通信データのデータ長はたとえば8バイトである。
車両側無線通信機24は、通信データDを取得することに応じて、その通信データDを含む無線パケットPを生成する機能を備える。図4において、通信データDと、無線パケットPとの間の矢印は、通信データと無線パケットとの間の対応関係を示す。無線パケットPはオーバーヘッドを含んでもよい。さらに、車両側無線通信機24は、生成した無線パケットPを出力する機能を備える。この出力は、たとえばアンテナ25を介した無線送信により行われる。各無線パケットPのデータ長は、たとえばオーバーヘッドを含んで300バイト程度である。
「通信データ」の意味は、当業者が適宜定義可能であるが、たとえば充電装置22またはその構成要素(たとえば充電動作を制御するアプリケーションプログラムを実行するECU)が生成するアプリケーションデータであってもよい。または、車両側無線通信機24におけるペイロードデータであってもよい。
「オーバーヘッド」の意味は、当業者が適宜定義可能であるが、たとえば無線パケットPに含まれるデータのうち通信データ以外のものをいう。たとえば、オーバーヘッドは、様々なプロトコルのヘッダ、誤り訂正符号、その他車両側無線通信機24が生成する任意の付加情報を含む。また、オーバーヘッドは、通信データDを互いに識別するための情報(データ番号、時刻、等)を含んでもよい。
スタンド側無線通信機14は、送信された無線パケットPを受信し、この無線パケットPに含まれる通信データDを抽出して給電装置11に出力する。給電装置11は通信データDを取得し、これに基づいて非接触充電の制御を行う。
図5は、従来の構成に対応する例を示す。充電装置と給電装置との間の通信は、たとえば図4の例と同じ手順に従って行われるが、無線パケットPの送信頻度が低くなっている。これは、スタンド側無線通信機14と他の無線機器との使用チャネルが重なった結果として、無線通信のスループットが低下している状態を表す。
このように、実施の形態1によれば、チャネルスキャンの実行機会を比較的確実に確保することにより、他の無線機器との使用チャネルの重なりをより確実に回避することができ、スループットを比較的高く保つことができる。
また、無線通信に用いるべきチャネルの決定は、他の無線通信機によるチャネルの使用状況(たとえば応答プローブの存在およびその数)に基づいて行われるので、近傍に充電スタンドが複数配置され互いの通信が干渉し得るような充電施設では、各充電スタンドの使用チャネルをそれぞれ異ならせることができる。すなわち、充電スタンド10から他の充電スタンドへの干渉を回避し、充電施設全体のスループットを向上させることができる。
なお、ビーコンの送信は、充電スタンド10側からのみ行われる。このため、車両20側ではビーコンを受信したチャネルをそのまま用いればよく、車両20側でチャネルを決定する必要がない。したがって、車両20はチャネルスキャン機能やチャネル決定機能を備える必要はない。ただし、車両20がチャネルスキャン機能やチャネル決定機能を備える構成であってもよい。
上述の実施の形態1において、次のような変形を施すことができる。
実施の形態1では、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報は、プローブ応答の存在およびその数によって表されるが、使用状況は他の情報によって表されてもよい。たとえば、各チャネルの使用状況に関する情報は、当該チャネルにおける他の無線通信機からの通信に係る通信品質を表す情報を含んでもよい。この場合には、通信品質が最も低いチャネルが、使用されている程度が最も低いチャネルであるということができる。
具体例として、通信品質を表す情報としてRSSIを用いてもよい。この場合には、スタンド側無線通信機14は、他の充電スタンドから受信する信号のRSSIを測定し、これをそのチャネルが使用されている程度を表す情報として用いてもよい。また、この場合には、通信品質が最も低いチャネル、すなわちRSSIが最も小さいチャネル(複数存在する場合にはいずれか1つ)を、無線通信に用いるべきチャネルとして決定してもよい。
あるいは、通信品質を表す情報としてS/N比を用いてもよい。この場合には、スタンド側無線通信機14は、他の充電スタンドから受信する信号のS/N比を測定し、これをそのチャネルが使用されている程度を表す情報として用いてもよい。また、この場合には、通信品質が最も低いチャネル、すなわちS/N比が最も小さいチャネル(複数存在する場合にはいずれか1つ)を、無線通信に用いるべきチャネルとして決定してもよい。
また、通信品質を表す情報として、RSSIおよびS/N比の双方を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、チャネルスキャン機能の実行を開始するタイミングを変更するものである。以下、実施の形態1との相違点を説明する。
図6に、本発明の実施の形態2に係る非接触充電制御システムを含む構成の例を示す。充電スタンド110は、実施の形態1のスタンド側無線通信機14に代えて、スタンド側無線通信機14とは異なる動作を実行するスタンド側無線通信機114を備える。さらに、充電スタンド110は、車両の存在を検知する車両検知センサ116を備える。スタンド側無線通信機114および車両検知センサ116は、実施の形態2における非接触充電制御システムの構成要素である。車両検知センサ116はどのように構成されてもよく、公知の車両検知センサを用いてもよい。
スタンド側無線通信機114は、実施の形態1のスタンド側無線通信機14と同様のチャネルスキャン機能およびチャネル決定機能を備える。また、スタンド側無線通信機114は、チャネルスキャン機能を定期的に実行する機能を備える。すなわち、スタンド側無線通信機114は、定期的に、複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する、定期チャネルスキャン機能を備えるということができる。
実施の形態2において、「定期チャネルスキャン機能」とは、チャネルスキャン機能のうち定期的に実行されるもののみを指す。したがって、定期的でないタイミングで実行されるチャネルスキャン機能は、実施の形態2における「定期チャネルスキャン機能」には該当しない。スタンド側無線通信機114は、定期的に実行されるものに加え、定期的でない任意のタイミングで追加のチャネルスキャン(すなわち、定期チャネルスキャン機能によらないチャネルスキャン)を実行するものであってもよい。
図7は、スタンド側無線通信機114がチャネルスキャンを実行するタイミングを説明する図である。この図は、時系列に沿って発生する処理の例を上から下に向かう順に示すものである。
スタンド側無線通信機114は、たとえば時刻t21において、定期チャネルスキャン機能の実行を開始する。時刻t21におけるチャネルスキャンは、たとえば起動直後、無線通信による非接触充電の制御を開始する前に必要なものであってもよい。
その後に、スタンド側無線通信機114は、実施の形態1と同様にチャネル決定機能を実行する。すなわち、定期チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定する。
定期チャネルスキャン機能の実行は、所定間隔で(図7の例では時間Int周期で)開始可能である。Intはたとえば60分である。図7の例では、スタンド側無線通信機114は、時刻t21から時間Int経過後の時刻t22に、定期チャネルスキャン機能の実行を開始することが可能である。
時刻t22において、スタンド側無線通信機114は、車両の存在が検知されているか否かを判定する。この判定は、たとえば車両検知センサ116から車両の存在を示す所定の信号が出力されているか否かに基づいて行われる。
図7の例では、時刻t22には車両20は充電スタンド110の検知範囲外であり、車両検知センサ116は車両の存在を検知しない。車両の存在が検知されていない場合には、スタンド側無線通信機114は、定期チャネルスキャン機能の実行を禁止しない。したがって、たとえば図7に示すように定期チャネルスキャン機能が実行され、その結果に基づいてチャネル決定機能が実行される。
さらに、スタンド側無線通信機114は、時刻t22から時間Int経過後の時刻t23に、定期チャネルスキャン機能の実行を開始することが可能である。時刻t23において、スタンド側無線通信機114は、車両の存在が検知されているか否かを判定する。図7の例では、時刻t23には車両20は充電スタンド110の検知範囲内に入っており、車両検知センサ116は車両の存在を検知している。車両の存在が検知されている場合には、スタンド側無線通信機114は、定期チャネルスキャン機能の実行を禁止する。このため、時刻t23にはチャネルスキャンが開始されない。
このため、時刻t23またはその直後(たとえば数秒以内)に、スタンド側無線通信機114はビーコンを送信することが可能であり、これに伴って図7に示すように非接触充電に関する処理Proc1が開始される可能性がある。
ここで、時刻t23において定期チャネルスキャン機能の実行が禁止されなかった場合には、チャネルスキャンが終了するまでビーコンの送信ができないので、非接触充電に関する処理Proc1を開始することができない。このため、車両20に対する非接触充電処理の開始が遅延したり、または機会を逸して開始されなかったりする可能性がある。
たとえば、車両20がビーコンの受信判定を60秒間隔で行っている場合には、時刻t23においてチャネルスキャンが開始されると最大で60秒以上の遅延が発生する可能性がある。または、この遅延の間に運転者が充電を断念して充電スタンド110から離れてしまうと、車両20は充電の機会を逸してしまう。
実施の形態2に係る非接触充電制御システムによれば、このような事態を回避し、より適切な時点で非接触充電処理を開始することができる。
また、実施の形態2によれば、車両が検知されない限りは定期的にチャネルスキャンが実行されるので、チャネルスキャンの実行機会を比較的確実に確保することができる。このため、他の無線機器との使用チャネルの重なりをより確実に回避することができ、スループットを比較的高く保つことができる。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様の変形を施すことができる。
11 給電装置、14,114 スタンド側無線通信機(無線通信機)、20,30 車両、116 車両検知センサ(センサ)。

Claims (4)

  1. 複数のチャネルを用い、非接触充電処理の制御に関するデータを送信する無線通信機であって、
    ‐前記複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する、チャネルスキャン機能と、
    ‐前記チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定する、チャネル決定機能と
    を備え、
    非接触充電の制御が終了するとただちに、または、非接触充電の制御が終了してから所定時間以内に、前記チャネルスキャン機能の実行を開始する、無線通信機。
  2. 複数のチャネルを用い、非接触充電処理の制御に関するデータを送信する無線通信機と、
    車両の存在を検知するセンサと
    を備える、非接触充電制御システムであって、
    ‐定期的に、前記複数のチャネルをスキャンして、他の無線通信機による各チャネルの使用状況に関する情報を取得する、定期チャネルスキャン機能と、
    ‐前記定期チャネルスキャン機能の実行結果に基づき、無線通信に用いるべきチャネルを決定する、チャネル決定機能と
    を備え、
    前記車両の存在が検知されている場合には、前記定期チャネルスキャン機能の実行を禁止する、非接触充電制御システム。
  3. 各チャネルの使用状況に関する前記情報は、当該チャネルにおける前記他の無線通信機からの通信に係る通信品質を表す情報を含み、
    前記チャネル決定機能は、前記通信品質が最も低いチャネルを、無線通信に用いるべきチャネルとして決定する機能である、請求項1に記載の無線通信機または請求項2に記載の非接触充電制御システム。
  4. 前記チャネル決定機能において決定されたチャネルを用いて、給電装置を特定するためのデータを送信する、
    請求項1に記載の無線通信機、または、
    請求項2に記載の非接触充電制御システム、または、
    請求項3に記載の無線通信機もしくは非接触充電制御システム。
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