JP2017020866A - シール部検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 横シール部を形成する前の工程で、横シール形成予定領域に異物が存在しているか否かを検知して、横シール部での噛み込みの発生を高精度に防止できるシール部検査装置を提供する。【解決手段】 横ピロー包装装置1において、上流側移動領域L1にX線照射部11とX線センサ12が対向して設けられている。X線センサ12からの検知出力により、包装材fで形成された筒状体31の内部で前後に並ぶ内容物W1の間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICを特定し、その範囲内に異物が存在しているか否かを検査する。異物が存在していたらその間欠部Iがシール切断装置20に送られても、シール動作と切断動作を行わない。【選択図】図1

Description

本発明は、包装材で形成された筒状体に横シール部を形成する前の工程で、横シール部の形成予定領域に異物が存在しているか否かを検査するシール部検査装置に関する。
特許文献1に、透過光検査装置に関する発明が記載されている。この透過光検査装置は、袋詰め商品がX線検査装置に送られ、商品に照射されたX線がラインセンサで検知される。画像処理装置では、ラインセンサで検知されたX線透過信号に基づいてX線画像が生成される。このX線画像により商品の袋の輪郭が抽出され、予め設定された横シール部の寸法情報から袋の両端部に形成された横シール領域が特定される。
さらに、横シール領域における噛み込みの有無が検知される。これは、予め設定された閾値で横シール領域の画像データを二値化し、内容物の破片の画像のみを抽出することで行われる。横シール領域に噛み込みが検出されると、内容物の破片を噛み込んだ横シール領域が先行の袋と繋がっていたか、後続の袋と繋がっていたかを判定する。この判定により当該袋詰め商品が振り分け装置で排除されるとともに、噛み込みが検出された横シール領域に繋がっていた、先行あるいは後続の商品も排除される。
特開2015−64336号公報
特許文献1に記載された透過光検査装置は、縦シール部と横シール部が形成された包装材の内部に内容物が封入された袋詰め商品が完成した後に、個々の袋詰め商品にX線を照射してX線画像を取得し、このX線画像を画像処理して横シール領域を特定している。
この検査方法では、X線画像から横シール領域を特定するときにその計測誤差により、横シール領域を正確に特定できないことがある。さらに、横シール部の端部に包装材の折れや皺が形成されていると、この部分の画像がシール領域の噛み込みの画像と区別できなくなり、噛み込みが生じていないのにもかかわらず商品を不良品と誤検知しやすい。
また、前記検査方法では、X線画像から横シール領域を特定するための複雑な画像処理が必要であるため、高額な計算装置が必要になる。また個々の商品ごとに画像処理を行って横シール領域を特定する処理が必要であるため、処理の高速化に限界がある。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、横シール部を形成する前の工程で検査波による検査を行うことで、横シール部での噛み込みの有無を高精度に検知することができるシール部検査装置を提供することを目的としている。
また本発明は、複雑な画像処理を不要にして、噛み込み検知を高速に行うことが可能なシール部検査装置を提供することを目的としている。
本発明のシール部検査装置は、筒状の包装材に内容物を含ませる供給部と、
内容物が入れられた前記筒状体の前記包装材を接合して横シール部を形成する横シール形成部と、
前記横シール部を形成する前の工程で、前記横シール部の形成を予定している横シール形成予定領域で前記筒状体に検査波を照射する検査波照射部と、
前記筒状体を透過した前記検査波を検知する検知部と、
前記検知部からの検知信号に基づいて、前記横シール形成予定領域に異物が存在しているか否かを判定する判定部と、
が設けられていることを特徴とするものである。
さらに具体的には、
本発明のシール部検査装置は、包装材が縦シール部で接合されて筒状に形成された筒状体および前記筒状体の内部に間隔を空けて収納された内容物が移動する移動領域と、
前記移動領域の下流側に位置し移動方向に並ぶ前記内容物の間欠部で前記包装材を接合して横シール部を形成する横シール形成部と、
前記移動領域で前記筒状体に検査波を照射する検査波照射部と、
前記筒状体を透過した前記検査波を検知する検知部と、
前記検知部からの検知信号に基づいて、前記間欠部に異物が存在しているか否かを判定する判定部と、が設けられていることを特徴とするものである。
さらに本発明のシール部検査装置は、前記判定部では、前記間欠部内に横シール部を形成する横シール形成予定領域を想定し、前記横シール形成予定領域に異物が存在しているか否かを判定するものである。
例えば、本発明のシール部検査装置は、前記判定部では、前記検知信号のレベル変化を監視し、前記レベル変化から前記間欠部を特定するものとして構成できる。
さらには、前記判定部では、前記検知信号のレベル変化を監視し、前記レベル変化から前記内容物の端部を検知し、前記端部からの距離または前記端部を検知してからの時間経過に基づいて、前記横シール形成予定領域を特定することも可能である。
また、本発明のシール部検査装置は、前記内容物の移動タイミングを検知するタイミング検知部が設けられており、前記判定部では、前記タイミング検知部でタイミング信号が得られてからの時間を測定して前記間欠部を特定するものであってもよい。
さらに、前記内容物の移動タイミングを検知するタイミング検知部が設けられており、前記判定部では、前記タイミング検知部でタイミング信号が得られてからの時間を測定して前記横シール形成予定領域を特定するものであってもよい。
例えば、前記タイミング検知部は、移動している前記内容部を検知するものである。
あるいは、前記移動方向に並ぶ横シール部の中間で前記筒状体を切断するカッターが設けられており、前記タイミング検知部は、前記カッターの動作または前記横シール形成部の動作を検知するものである。
本発明のシール部検査装置は、前記移動領域で、前記筒状体と前記内容物とが水平方向へ移動するものである。
または本発明のシール部検査装置は、前記移動領域で、前記筒状体と前記内容物とが重力方向へ移動するものである。
本発明は、包装材で形成された筒状体に横シール部を形成する予定領域を、横シール部を形成する前の工程で想定し、その予定領域に内容物の一部などの異物が存在しているか否かを検査している。横シール部を形成する前に異物の存在を検査しているため、横シール部の折れや皺などが異物の噛み込みであると誤検知されることがなくなる。
また、噛み込みが生じている状態で包装材がカッターで切断されると、カッターに汚れが付着したり、カッターが損傷しやすくなる問題がある。また、横シール部に噛み込みが存在しているとシールヘッドに汚れが付着する問題がある。これに対し、本発明では、シールヘッドによるシール動作とカッターによる切断動作の前に噛み込みの原因となる異物の存在を検査し、異物が存在していたらシール動作と切断動作を休止させることができるため、このような問題は生じない。
本発明では、検査波を検知する検知部からの検知出力によって、内容物の間欠部や横シール部を形成する予定領域を特定することができるため、従来のようにX線画像を画像処理して横シール部を特定する必要がなくなり、計算処理の負荷を軽減でき、また処理速度も速くできるようになる。
本発明の実施の形態のシール部検査装置が横ピロー包装装置に搭載された状態を示す説明図、 本発明の実施の形態のシール部検査装置のブロック図、 シール形成予定領域に異物が存在するか否かを検査する動作の一例を示す説明図、 シール形成予定領域に異物が存在するか否かを検査する動作の他の例を示す説明図、 本発明の実施の形態のシール部検査装置が縦ピロー包装装置に搭載された状態を示す説明図、 (A)(B)は、本発明のシール部検査装置で検査する包装材のシール構造の他の例を示す説明図、 (A)(B)は、本発明のシール部検査装置で検査する包装材のシール構造の他の例を示す説明図、 (A)(B)は、本発明のシール部検査装置で検査する包装材のシール構造の他の例を示す説明図、 図6ないし図8のいずれかに示すシール構造を使用した包装材に内容物を投入する包装装置の他の構成例を示す説明図、
図1に、本発明の実施の形態のシール部検査装置10が搭載された横ピロー包装装置1の構造が示されている。
図1に示す横ピロー包装装置1は、上流側移動領域L1と下流側移動領域L2を有している。上流側移動領域L1には、上流側移動機構2aが設けられている。上流側移動機構2aは、上流側ローラ3と下流側ローラ4および両ローラ3,4に巻かれたベルト5とで構成されている。上流側ローラ3または下流側ローラ4の一方にモータからの回転動力が与えられてベルト5が反時計方向へ周回する。下流側移動領域L2に下流側移動機構2bが設けられている。下流側移動機構2bは、上流側ローラ6と下流側ローラ(図示せず)および両ローラに巻かれたベルト7とで構成されている。上流側ローラ6または下流側ローラの一方にモータからの回転動力が与えられてベルト7が反時計方向へ周回する。
上流側移動機構2aと下流側移動機構2bとで包装体の内容物W1が図示左方向(F方向)へ搬送される。上流側移動機構2aによる搬送は間欠搬送であり、下流側移動機構2bによる搬送も間欠搬送である。ただし、下流側移動機構2bは連続搬送であってもよい。
内容物W1は、上流側移動機構2aの上流側において一定の間隔で配置されたバケットに収納され、内容物W1はバケットからベルト5上に順番に置かれていく。このバケットが内容物の供給部である。よって、ベルト5に置かれて移動していく内容物W1は移動方向(F方向)の前後の間欠部Iの距離がほぼ一定に揃えられている。
図1に示すように、上流側移動領域L1のさらに上流側の上方に包装材原反Rが配置されている。包装材原反Rには包装材fが巻かれている。包装材fは、樹脂フィルムとアルミ箔などの金属箔とのラミネート材、または樹脂フィルムどうしのラミネート材であって印刷が施されたもの、あるいは樹脂フィルムと紙材とのラミネート材などである。
包装材fは、ガイドロール8で案内されて、上流側移動機構2aとその上に順番に載せられた内容物W1を包むように筒状に成形される。包装材fの両縁部は内面を合わせた状態で縦シール形成部9に供給され、縦シール形成部9によって包装材fの両縁部どうしが接合されて縦シール部Slが形成される。縦シール部Slは包装材fの繰出し方向へ連続して形成され、縦シール形成部9よりも下流側では、包装材fによって筒状体31が形成される。
縦シール形成部9はヒートシール機構または超音波シール機構を有しており、包装材fの縁部どうしがヒートシールされまたは超音波シールされて溶融接合され、縦シール部Slが形成される。
縦シール部Slが形成された筒状体31は、搬送部材18,18から搬送力を受けて、内容物W1の移動と同期して図示左方向へ間欠的に送り出される。搬送部材18,18は回転ローラあるいは周回ベルトなどで構成されている。
上流側移動領域L1と下流側移動領域L2との間にシール切断装置20が設けられている。シール切断装置20には、互いに対向する上流側シールヘッド21a,21bと、互いに対向する下流側シールヘッド22a,22bと、両シールヘッドの間に位置する上部カッター23aと下部カッター23bとが設けられている。上流側シールヘッド21a,21bと下流側シールヘッド22a,22bは、ヒートシールまたは超音波シールによって包装材とを接合させるものである。各シールヘッド21a,21b,22a,22bが横シール形成部となっている。
前後の内容物W1の間欠部Iが、シール切断装置20に至ると、上流側移動機構2aと下流側移動機構2bが停止し、さらに搬送部材18,18が停止して、筒状体31の移動が一時的に止まる。これにタイミングを合わせて上流側シールヘッド21a,21bで包装材fが加圧されて上流側横シール部Sc1が形成され、同時に下流側シールヘッド22a,22bで包装材fが加圧されて下流側横シール部Sc2が形成される。その直後に、上部カッター23aと下部カッター23bとが互いに接近し、上流側横シール部Sc1と下流側横シール部Sc2との間で包装材fが切断され、個々の包装体30に分離される。
個々の包装体30は、内容物W1を内蔵した状態で、縦シール部Slおよび上流側横シール部Sc1と下流側横シール部Sc2とで内部が密閉された構造である。それぞれの包装体30は、下流側移動機構2bのベルト7によって図示左側へ搬出される。
図1に示すように、上流側移動領域L1では、上流側移動機構2aの上方に、検査波照射部としてX線照射部11が設けられており、上流側移動機構2aの下側には、前記X線照射部11に対向する検知部であるX線センサ12が設けられている。X線センサ12はラインセンサであり、センサ基板に複数のX線検知素子が、内容物W1の移動方向(F方向)と直交する方向に直線的に配列している。
検査波照射部としてX線照射部11を使用することにより、包装材fが、樹脂フィルムと金属箔とのラミネート材のように透視が不可能なものであっても、筒状体31内の内容物W1の形状や異物W2の存在を監視することができる。
なお、包装体fが透視不可能なものであるときは、検査波照射部から照射される検査波としてテラヘルツ波などの電磁波を使用することができる。また、包装材fが透明フィルムのように透視可能なものである場合には、検査波照射部から照射される検査波として、近赤外線などの光を使用することが可能である。
図1に示すように、X線照射部11とX線センサ12およびシール切断装置20は遮蔽ケース13に囲まれている。遮蔽ケース13は、上流側移動領域L1の一部と下流側移動領域L2の一部を覆うように設けられている。
図1に示すように、本発明の実施の形態のシール部検査装置10は横ピロー包装装置1の一部に組み込まれているものであり、例えば、前記遮蔽ケース13で遮蔽されている領域がシール部検査装置10と定義される。
図2に示すように、シール部検査装置10には制御部14が設けられている。この制御部14はCPUとメモリを主体として構成されている。制御部14はメモリに格納されたソフトウエアを実行することで各種計算処理部が設定される。図2では、制御部14で実行される計算処理部として判定部15とラインデータ取得部17が示されている。X線センサ12で検知されたライン検知出力はA/D変換部18でディジタル値に変換され、インターフェース16を介してラインデータ取得部17に与えられる。またX線照射部11は制御部14からの指令に基づいて動作するようになっている。
なお、制御部14は、横ピロー包装装置1の動作を司る主制御部と共有されていてもよいし、別個の制御部として構成されていてもよい。
次に、シール部検査装置10によって横シール部の噛み込みを検査する動作について説明する。
図1に示すようにシール部検査装置10では、シール切断装置20よりも上流側にX線照射部11とX線センサ12とが設けられ、横シール部Sc1,Sc2が形成される前の時点で内容物W1を検知している。
図3(A)は、X線センサ12上を通過する前後の内容物W1の間欠部Iに、内容物W1の一部が欠け落ちるなどした異物W2が存在する状態を示しており、図3(B)は、前記内容物W1と異物W2がX線センサ12の上を通過しているときのX線センサ12からの検知出力の変化を示している。内容物W1と異物W2は図示左方向(F方向)へ間欠動作により移動しているが、図3(B)では、検知出力が右方向を時間tの進み方向として示されている。
図3(B)に示す検知出力は、模式的な説明図であり、ラインセンサであるX線センサ12によるX線の検知量が多いときをHレベルで示し、X線センサ12によるX線の検知量が少ないときをLレベルで示している。
図3(B)に示す検知出力は、図2に示すラインデータ取得部17から判定部15に与えられる。判定部15では、図3(B)に示す検知出力を監視することで、X線センサ12の上を内容物W1が通過しているか否かを識別することができる。X線センサ12の上を内容物W1が通過しているときの検知出力はLレベルである。また、検知出力がHになっているときに、前後に並ぶ内容物W1の間欠部IがX線センサ12の上を通過していると識別することができる。間欠部Iの距離は、内容物W1の間欠動作の停止時間と移動速度とから算出される。
内容物W1の上流側の端部WeがX線センサ12の上を通過すると、図3(B)に示す検知出力がLレベルからHレベルに立ち上がるため、この立ち上がりのタイミングからの時間t1の経過をカウントすることで、筒状体31に横シール部を形成することが予定されている横シール形成予定領域ICがX線センサ12を通過していることを検知できる。横シール形成予定領域ICの移動方向の長さは、上流側シールヘッド21a,21bで上流側横シール部Sc1が形成される領域と、下流側シールヘッド22a,22bで下流側横シール部Sc2が形成される領域の双方の領域を含む距離に一致している。
図3(A)に示すように、包装材fで形成された筒状体31の内部において、内容物W1の間欠部Iに内容物W1の一部が欠け落ちるなどして生成された異物W2が存在していると、間欠部Iの監視時間内に、検知出力の変動Lvが発生する。判定部15では、検知出力の変動Lvが予め設定されてしきい値Lsを超えたときに、異物W2が存在すると認識する。また、前記のように横シール形成予定領域ICが通過している時間内に異物W2が存在しているか否かも検知できる。
判定部15では、ラインデータ取得部17から得られる図3(B)に示す検知出力のレベル変化を監視するだけで、間欠部Iを認識でき、さらには横シール形成予定領域ICを認識できる。また、間欠部Iあるいは横シール形成予定領域ICに異物W2が存在しているか否かを検知することができる。
判定部15では、間欠部Iに異物W2が存在していると検知したら、好ましくは横シール形成予定領域ICに異物W2が存在していると検知したら、その後に形成される上流側横シール部Sc1と下流側横シール部Sc2の少なくとも一方に異物の噛み込みが生じる可能性が高いため、横ピロー包装装置1の主制御部に警告を与え、異物W2が存在している間欠部Iがシール切断装置20に至ったときのシール動作と切断動作を休止させる。そして、次に異物が存在していない間欠部Iがシール切断装置20に至ったときに横シール部Sc1,Sc2が形成されるとともに切断が行われ、横シール部が形成されていない間欠部Iを含んでいる不良部分が下流側移動機構2b上から排除される。
上記シール部検査装置10では、横シール部Sc1,Sc2が形成される前の工程で、前後に並ぶ内容物W1の間欠部Iに異物W2が存在しているか否かを検査し、さらに好ましくは横シール形成予定領域ICに異物W2が存在しているか否かを検査しているため、横シール部Sc1,Sc2が形成された後の工程で検査を行う従来例のように、横シール部での包装材の折れや皺が噛み込まれた異物であると誤検知されるのを防止でき、横シール部に噛み込みが生じているか否かを高い精度で検査することができる。
また、図3(B)に示すように、X線センサ12からの検知出力の変化から、間欠部Iや横シール形成予定領域ICを特定し、異物W2の存在も検知できるようにしているため、完成後に包装体を検査する従来例のように、画像処理で包装体の画像の傾きを補正したり、包装体の画像から横シール部を特定する処理が不要になるため、制御部14で複雑な画像処理や計算処理を行うことが不要となり、また処理速度も速くできるようになる。
また、異物W2が検出された間欠部Iではシール動作や切断動作が行われないため、シールヘッド21a,21b,22a,22bに異物が付着するのを防止でき、またカッター23a,23bで異物を切断しないため、シール切断装置20の清掃作業が簡単になり、シール切断装置20の寿命を延ばすことができるようになる。
なお、本発明では、図3(B)に示すX線センサ12からの検知出力の変化によって、間欠部Iや横シール形成予定領域ICの範囲を特定した後に、この範囲内に限って画像処理を行い、この画像処理によって前記範囲内に異物W2が存在しているか否かを判定してもよい。
すなわち、図3(B)に示すX線センサ12からの検知出力の変動から間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICの範囲を特定できたら、この範囲内で、ラインセンサであるX線センサ12からの検知出力(ライン検知出力)を蓄積して、間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICの範囲のX画像を生成する。そして、判定部15では、前記X線画像に基づいて、異物W2が存在しているか否かを判定する。この処理方法では、異物W2の大きさや数、さらには複数の異物W2の分散状態などを把握でき、間欠部Iや横シール形成予定領域ICの範囲に、噛み込みの原因となりそうな異物W2が存在しているか否かをさらに高い精度で検査できるようになる。
次に、図4に示す他の実施の形態の検査方法では、横ピロー包装装置1のいずれの箇所にタイミング検知部を設け、このタイミング検知部からのタイミング信号tmに基づいて間欠部Iや横シール形成予定領域ICを特定できるようにしている。
タイミング検知部は、例えば、上流側シールヘッド21a,21bまたは下流側シールヘッド22a,22bの動作を検知するスイッチであり、シールヘッドで筒状体31を挟圧したときにタイミング信号を発生し、また横シール部Sc1,Sc2を形成してシールヘッドが包装体fから離れ始めたときにタイミング信号tmを発生する。あるいは、タイミング検知部は前記カッター23a,23bによる切断動作を検知するものであり、筒状体31を切断する動作の開始または完了に合わせてタイミング信号を発生する。
図4(B)に示すように、判定部15では、タイミング信号tmが得られたら時間の計測を開始し、タイミング信号tmから所定の時間t2を経過したときに、横シール形成予定領域ICが、X線センサ12の上に至ったと判断し、その後の時間計測で横シール形成予定領域ICの範囲が特定される。なお、タイミング信号tmを基準にして、間欠部IがX線センサ12の上に至っていることを認識することもできる。
X線センサ12の上に間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICが位置していると認識しているときに、X線センサ12からの検知出力に、しきい値Lsを超える変動Lvが検出されたら、間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICに異物W2が存在すると判定する。あるいは、X線センサ12の上に間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICが位置していると認識しているときに、X線センサ12からの検知出力(ライン出力)を蓄積して間欠部Iまたは横シール形成予定領域ICのX線画像を生成し、このX線画像の画像処理により、異物W2が存在しているか否かを判定してもよい。
または、図1に示すように、タイミング検知部として、上流側移送機構2aで移動させられる内容物W1の下流側の端部または上流側の端部を検知する検知スイッチ25を設けておき、この検知スイッチ25から図4(B)に示すタイミング信号tmが出されるものであってもよい。検知スイッチ25は光学式検知スイッチなどである。
なお、図1に示す横ピロー包装装置1およびシール部検査装置10において、上流側移動機構2aが搬送方向に分割されて、移動機構が途切れる領域が設けられ、上流側移動機構2aの途切れた領域にX線照射部11とX線センサとが設けられていてもよい。また、移動機構2aの下側にX線照射部11が設けられ、上側にX線センサ12が設けられてもよい。
また、検知スイッチ25からの検知出力など利用して、内容物W1が供給されていないと判定されているときは、X線照射部11からのX線照射を休止させることが好ましい。
さらに、遮蔽ケース13は少なくとも一部が透明であることが好ましい。
図5は、縦ピロー包装装置41に本発明の実施の形態のシール部検査装置10が搭載された例を示している。
縦ピロー包装装置41は、包装材fが、ガイド部材43で案内されて、内容物投入管42を巻き込むように成形され、縦シール形成部9によって、包装材fの縁部どうしが対面状態で接合されて縦シール部Slが形成される。縦シール部Slが形成された筒状体31は、スクイーズロール44,44の回転力で下側へ送り出される。
シール切断装置20では、上流側シールヘッド21a,21bと下流側シールヘッド22a,22bが一緒に圧接動作し、筒状体31に上流側横シール部Sc1と下流側横シール部Sc2が同時に形成され、その直後に、カッター23a,23bの動作で、上流側横シール部Sc1と下流側横シール部Sc2の中間で筒状体31を形成している包装材fが切断される。
上流側横シール部Sc1が形成されると、スクイーズロール44,44が包装体31から離れ、内容物投入管42から上流側横シール部Sc1の上に位置する筒状体31の内部に内容物Waが投入される。その後に、スクイーズロール44,44が筒状体31に圧接し、スクイーズロール44,44の回転力で筒状体31が下向きに送り出され、内容物Waが充填されている領域よりも上方に位置している横シール形成予定領域IC(あるいは間欠部I)がシール切断装置20に至り、横シール部の形成と包装材の切断とが繰り返される。
縦ピロー包装装置41は、シール切断装置20よりも上方の領域が、内容物Waが移動する移動領域である。この移動領域にX線照射部11とX線センサ12とが対向して配置されている。
縦ピロー包装装置41に搭載されたシール部検査装置10では、横ピロー包装装置1と同様の処理動作によって、X線センサ12からの検知出力で横シール形成予定領域ICまたは間欠部Iの範囲が検出され、この範囲内に異物が存在しているか、例えば内容物Waの一部が存在しているかを検知する。そして、異物W2が存在していると判定されたら、その横シール形成予定領域ICまたは間欠部Iでのシール切断動作を休止する。
図6以下は、さらに他の実施の形態の包装体の構造を示している。
図6(A)では、包装材fがチューブ状に形成されており、図6(B)では、チューブ状の包装材fに横シール部Sc3が形成される。図7(A)では、包装材fが2つ折りにされ、横シール部Sc3と縦シール部Sc4が形成される。図8(A)では2枚の包装材fが重ねられ、図8(B)では、横シール部Sc3と縦シール部Sc5,Sc5が形成される。
図9に示すように、包装装置では、図6(B)、図7(B)または図8(B)に記載された包装材fの上方開口部に機械的な開封力Pが与えられて、開口部が形成され、この開口部から袋体の内部に内容物ICが供給される。そして、横シール形成予定領域ICにX線などの検査波が照射され、横シール形成予定領域ICが検査された後に、この領域に横シール部が形成されて袋体が封入される。
1 横ピロー包装装置
2a 上流側移送機構
2b 下流側移動機構
9 縦シール形成部
10 シール部検査装置
11 X線照射部
12 X線センサ
13 遮蔽ケース
14 制御部
15 判定部
20 シール切断装置
30 包装体
31 筒状体
41 縦ピロー包装装置
I 間欠部
IC 横シール形成予定領域
L1 上流側移動領域
L2 下流側移動領域
Sc1 上流側横シール部
Sc2 下流側横シール部
Sl 縦シール部
W1 内容物
W2 異物
Wa 内容物
f 包装材

Claims (11)

  1. 筒状の包装材に内容物を含ませる供給部と、
    内容物が入れられた前記筒状体の前記包装材を接合して横シール部を形成する横シール形成部と、
    前記横シール部を形成する前の工程で、前記横シール部の形成を予定している横シール形成予定領域で前記筒状体に検査波を照射する検査波照射部と、
    前記筒状体を透過した前記検査波を検知する検知部と、
    前記検知部からの検知信号に基づいて、前記横シール形成予定領域に異物が存在しているか否かを判定する判定部と、
    が設けられていることを特徴とするシール部検査装置。
  2. 包装材が縦シール部で接合されて筒状に形成された筒状体および前記筒状体の内部に間隔を空けて収納された内容物が移動する移動領域と、
    前記移動領域の下流側に位置し移動方向に並ぶ前記内容物の間欠部で前記包装材を接合して横シール部を形成する横シール形成部と、
    前記移動領域で前記筒状体に検査波を照射する検査波照射部と、
    前記筒状体を透過した前記検査波を検知する検知部と、
    前記検知部からの検知信号に基づいて、前記間欠部に異物が存在しているか否かを判定する判定部と、
    が設けられていることを特徴とするシール部検査装置。
  3. 前記判定部では、前記間欠部内に横シール部を形成する横シール形成予定領域を想定し、前記横シール形成予定領域に異物が存在しているか否かを判定する請求項2記載のシール部検査装置。
  4. 前記判定部では、前記検知信号のレベル変化を監視し、前記レベル変化から前記間欠部を特定する請求項2記載のシール部検査装置。
  5. 前記判定部では、前記検知信号のレベル変化を監視し、前記レベル変化から前記内容物の端部を検知し、前記端部からの距離または前記端部を検知してからの時間経過に基づいて、前記横シール形成予定領域を特定する請求項3記載のシール部検査装置。
  6. 前記内容物の移動タイミングを検知するタイミング検知部が設けられており、前記判定部では、前記タイミング検知部でタイミング信号が得られてからの時間を測定して前記間欠部を特定する請求項2記載のシール部検査装置。
  7. 前記内容物の移動タイミングを検知するタイミング検知部が設けられており、前記判定部では、前記タイミング検知部でタイミング信号が得られてからの時間を測定して前記横シール形成予定領域を特定する請求項3記載のシール部検査装置。
  8. 前記タイミング検知部は、移動している前記内容部を検知するものである請求項6または7記載のシール部検査装置。
  9. 前記移動方向に並ぶ横シール部の中間で前記筒状体を切断するカッターが設けられており、前記タイミング検知部は、前記カッターの動作または前記横シール形成部の動作を検知するものである請求項6または7記載のシール部検査装置。
  10. 前記移動領域で、前記筒状体と前記内容物とが水平方向へ移動する請求項2ないし9のいずれかに記載のシール部検査装置。
  11. 前記移動領域で、前記筒状体と前記内容物とが重力方向へ移動する請求項2ないし9のいずれかに記載のシール部検査装置。
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