JP2017020620A - 折り畳み構造物 - Google Patents

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野島 武敏
Taketoshi Nojima
武敏 野島
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Abstract

【課題】折り畳んで収納した状態で省スペース化可能な折り畳み構造物を提供すること。
【解決手段】軸方向に沿って延びる稜線部(72)と、稜線部(72)上に設定された節点(75)から延びる山折り線(73)と谷折り線(74)と、を有し、前記節点を中心として稜線部(72)、山折り線(73)および谷折り線(74)が折り畳み条件を満足する第1のシート(68)と、第1のシート(68)に対して対称に稜線部(72)、山折り線(73)および谷折り線(74)が形成さた第2のシート(69)と、を備え、立体化した筒状の状態と、稜線部(72)に沿って折られつつ、山折り線(73)および谷折り線(74)に沿って折り畳まれた収納状態と、の間で変形可能な折り畳み構造物。
【選択図】図9

Description

本発明は、折り畳み構造物に関し、特に、2枚のシートを貼りあわせて形成される折り畳み構造物に関する。
折り紙のように、山折り線や谷折り線に折ることで折り畳み可能な折り畳み構造物について、下記の特許文献1に記載の技術が従来公知である。
特許文献1(特開2015−33772号公報)には、円弧状または螺旋状の軸方向に沿って延びる筒状の折り畳み構造物において、筒の周方向に沿って、折り畳み条件を満たす折り線を形成して、軸方向に折り畳んでいく構造物が記載されている。
特開2015−33772号公報
(従来技術の問題点)
特許文献1に記載の従来の構成では、折り畳まれた状態では、軸方向の長さは短くなるが、断面の大きさはほとんど小さくならない。したがって、元々の断面が大きい場合、折り畳まれた状態の構造物を倉庫等に収容したり、運搬したりする場合に、広いスペースが必要になる場合があった。
本発明は、折り畳んで収納した状態で省スペース化可能な折り畳み構造物を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の折り畳み構造物は、
予め設定された幅方向と前記幅方向に交差する軸方向に延びるシート状に形成された第1のシートであって、前記軸方向に沿って延びる折り線により構成された稜線部と、軸方向に沿って間隔をあけて前記稜線部上に設定された節点に対して幅方向の一方に向かって延びる山折り線と幅方向の他方に向かって延びる谷折り線と、を有し、前記節点を中心として前記稜線部、山折り線および谷折り線が折り畳み条件を満足する前記第1のシートと、
前記第1のシートの稜線部、山折り線および谷折り線に対して対称に稜線部、山折り線および谷折り線が形成され、幅方向の両端の貼り合せ部で前記第1のシートに貼り合せられる第2のシートと、
を備え、
前記シートどうしの貼り合せ部に沿った折り線と、前記稜線部に沿って折って、シートどうしが離間して立体化して前記軸方向に延びる筒状の状態と、
前記筒状の状態における筒の内面どうしが密着する状態まで前記稜線部に沿って折られつつ、前記山折り線および前記谷折り線に沿って折り畳まれた収納状態と、
の間で変形可能であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、筒の軸方向に向けて折り畳む折り畳み構造物に比べて、折り畳んで収納した状態で省スペース化可能な折り畳み構造物を提供することができる。
図1は貼り合せによる折り紙の基本形の説明図であり、図1(a)は2つのシートを貼り合わせた状態の図、図1(b)は図1(a)の状態から立体化した状態の図、図1(c)は図1(b)の状態から貼り合せ部分どうしが近づく方向に収縮させながら折り畳む場合の説明図、図1(d)〜(g)は貼り合せ状態から立体化の後、軸方向に折り畳む過程の斜視図である。 図2は折り畳み条件の説明図であり、図2(a)は正方形の紙の中心線で2つ折りにした状態の説明図、図2(b)は図2(a)の紙を展開した状態の図、図2(c)は図2(a)の状態から右下部分を更に折り曲げた状態の説明図、図2(d)は図2(c)の紙を展開した状態の図、図2(e)は1節点4折り線の図、図2(f)は図2(e)の折り線に沿って折り畳んだ状態の説明図、図2(g)は円形の紙に図2(e)の折り線が形成された場合の図、図2(h)は図2(d)の折り線を2つの2等辺三角形で置き換えた場合の図、図2(i)は鏡面則の説明図、図2(j)は円形膜を半径方向に折り畳む場合の折り畳み条件の説明図である。 図3は凸面体や凹面体の節点での折り畳み条件の説明図であり、図3(a)はお椀形状の説明図、図3(b)は図3(a)の要部拡大図、図3(c)は本発明の折り畳み構造物の展開図、図3(d)は図3(c)の折り畳み構造物が筒状の状態の斜視図、図3(e)は図3(d)の折り畳み構造物を折り畳む途中の状態の図、図3(f)は図3(d)の折り畳み構造物を上方から見た図、図3(g)は図3(f)の折り畳み構造物の要部拡大図、図3(h)は図3(f)の折り線の説明図、図3(i)は図3(d)の折り畳み構造物を側方から見た図、図3(j)は図3(i)の折り畳み構造物の要部拡大図、図3(k)は図3(i)の折り線の説明図、図3(l)は図3(c)の展開図を対称になるように配置した図、図3(m)は図3(l)の展開図に糊付け部を付加した状態の図、図3(n)は図3(m)の糊付け部どうしを筒の外側で貼りあわせた場合の図である。 図4は多角形や円筒形状の筒を折り畳む方法の説明図であり、図4(a)は軸方向に折り畳む場合の説明図、図4(b)は径方向に折り畳んだ後に軸方向に折り畳む場合の説明図である。 図5は図4(a)の構造の折り畳み構造物の説明図であり、図5(a)は展開図、図5(b)は図5(a)を折り畳んだ状態図、図5(c)は図5(b)の上面図、図5(d)は図5(c)の構成を2つ準備して対称に配置した状態の説明図、図5(e)は図5(d)の構成を2つの蝶番で接合する場合の概念図である。 図6は従来公知の二重蝶番法の説明図であり、図6(a)は蝶番で接合する前の状態の説明図、図6(b)は折り畳み構造物の一例の一段分の展開図、図6(c)は図6(b)の展開図を筒の軸方向に複数段並べた図、図6(d)は縫い目の拡大図、図6(e)は斜視図、図6(f)は図6(e)の構造物を上方から見た図、図6(g)は図6(e)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図である。 図7は本発明者が考案した単一蝶番法の説明図であり、図7(a)は展開図、図7(b)は中央の蝶番部で折り返した状態の説明図、図7(c)は図7(a)の構造物を斜め上方から見た図、図7(d)は図7(a)の構造物を斜め側方から見た図、図7(e)は図7(c)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図、図7(f)は断面が六角形の構造物の展開図、図7(g)は図7(f)の構造物を斜め上方から見た図、図7(h)は図7(f)の構造物を斜め側方から見た図、図7(i)は図7(f)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図である。 図8は本発明の一例の折り畳み構造物の説明図であり、図8(a)は図7(a)の一段のみの展開図、図8(b)は図8(a)の構造物を筒状にした図、図8(c)は図8(b)を軸方向に折り畳んだ状態の説明図、図8(d)は図8(c)の辺を抽出した図、図8(e)は図8(a)から折り線の間隔や高さを変えた他の例の展開図、図8(f)は図8(e)の構造物を筒状にした図、図8(g)は図8(f)を軸方向に折り畳んだ状態での辺を抽出した図、図8(h)は図8(a)から折り線の間隔や高さを変えた他の例の展開図、図8(i)は図8(h)の構造物を筒状にした図、図8(j)は図8(i)を軸方向に折り畳んだ状態での辺を抽出した図である。 図9は本発明の折り畳み構造物の基本的な性質の説明図であり、図9(a)は展開図、図9(b)は筒状の状態と収納状態との説明図、図9(c)は径方向に折り畳む状態の説明図、図9(d)は斜視図、図9(e)は四角筒との関係の説明図、図9(f)は図9(d)の上面図、図9(g)は一段分の帯板の斜視図および展開図、図9(h)は図9(g)を軸の周方向にずらして並べた展開図である。 図10は対称2枚貼り合せ法の制約の説明図であり、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)の稜線部に沿って折った場合の断面図、図10(c)は図10(a)の貼り合せ部に沿って折った場合の断面図、図10(d)は辺DCを辺ABの内側に食い込ませるように折り畳んだ場合の説明図、図10(e)は長方形断面の折り畳み構造物の説明図である。 図11は対称2枚貼り合せ法の発展形の説明図であり、図11(a)は稜線部が一対の貼り合せ部の中央からズレた位置にある場合の説明図、図11(b)はのりしろ部分を有する展開図の説明図、図11(c)は図11(b)の構造物の斜視図および収納する途中の状態の説明図、図11(d)は図11(a)よりも稜線部の位置をさらに偏らせた展開図、図11(e)は図11(d)の構造物の斜視図および収納途中の状態の説明図、図11(f)は筒の周方向に沿った折り線をジグザグにした場合の展開図、図11(g)は図11(f)の構造物の斜視図、図11(h)は図11(g)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図11(i)は図11(f)の要素の拡大説明図、図11(j)は図11(i)の4つの要素の長さの関係の説明図、図11(k)は図11(f)の構造物の1段分の要素が折り畳まれる場合の説明図、図11(l)は擬似六角筒の展開図、図11(m)は図11(l)の構造物の斜視図および収納途中の状態の説明図、図11(n)は図11(m)の構造物の断面図、図11(o)は図11(n)の状態から断面長方形の状態に変形した図、図11(p)は図11(o)の状態から径方向に折り畳む途中の状態の説明図である。 図12は対称2枚貼り合せ法による応用構造の説明図であり、図12(a)は四角筒を斜めに切断した断面の説明図、図12(b)は図12(a)とは異なる傾きで斜めに切断した断面の説明図、図12(c)は筒状の構造物の帯板の説明図、図12(d)は円環状の構造物の帯板の説明図、図12(e)は図12(c)の帯板を並べて配置した場合の説明図、図12(f)は図12(d)の帯板を並べて配置した場合の説明図、図12(g)は12(d)の帯板を構成する大径をジグザグ方向でなく同方向に並べた場合の説明図、図12(h)は図12(e)、図12(f)の構造物が折り畳まれる場合の説明図、図12(i)は図12(g)の構造物が巻き取られるように収納される場合の説明図、図12(j)は図12(i)とは異なる巻き取り方の説明図、図12(k)は図12(g)において長手方向の折り線の間隔を徐々に変化させた巻き取る場合の展開図である。 図13は湾曲する両端が自由に変改できない閉じない筒の説明図であり、図13(a)は半円弧状の帯板を貼りあわせて作る折り畳み型の角筒の展開図、図13(b)は図13(a)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(c)は図12(k)を適用した構造物の展開図、図13(d)は図13(c)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(e)は図13(a)の構造物をS字クランク状につなぎあわせた構造物の展開図、図13(f)は図13(e)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(g)は図13(c)の構造物をS字クランク状につなぎあわせた構造物の展開図、図13(h)は図13(g)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図である。 図14は螺旋形状の筒の説明図であり、図14(a)はアルキメデス螺旋の説明図、図14(b)は螺旋形状の筒の展開図、図14(c)は図14(b)の構造物の斜視図、図14(d)は図14(b)の構造物の収納状態の図である。 図15は鉤形の筒の説明図であり、図15(a)は折り線および貼り合せ部の説明図、図15(b)は鉤形の筒の展開図、図15(c)は図15(b)の構造物を筒状に立ち上げる前の図、図15(d)は図15(c)の構造物の筒状の状態の図、図15(e)は図15(c)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図15(f)は図15(e)の状態から更に折り畳んだ状態の説明図、図15(g)は図15(c)〜図15(f)における断面積の推移の説明図である。 図16は環状に閉じた筒の説明図であり、図16(a)は環状の筒の展開図、図16(b)は図16(a)の展開図を貼りあわせた状態の説明図、図16(c)は図16(a)の構造物の筒状の状態の説明図、図16(d)は図16(c)の構造物を収納した状態の説明図、図16(e)は図16(a)の構造物の内径をゼロにした環状の筒の展開図、図16(f)は図16(e)の構造物を収納した状態の説明図、図16(g)は図16(f)の状態から筒の軸方向に延ばした状態の説明図、図16(h)は図16(g)の状態から筒の断面積を最大にして筒の状態にした説明図、図16(i)は帯板が径方向に2重になった筒の展開図、図16(j)は図16(i)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図16(k)は帯板が径方向に3重になった筒の展開図、図16(l)は図16(k)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図である。 図17は環状に閉じた筒の説明図であり、図17(a)は円弧状の部分と直線上の部分とが接合された楕円状の筒の展開図、図17(b)は図17(a)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図17(c)は図17(a)の構造物の内径をゼロにした環状の筒の展開図、図17(d)は図17(c)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図、図17(e)は円弧状の部分と直線上の部分とを組み合わせたひょうたん型の筒の展開図、図17(f)は図17(e)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図、図17(g)は円弧状の部分と直線上の部分とを組み合わせた5弁花の筒の展開図、図17(h)は図17(g)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図である。 図18は環状に閉じた筒の説明図であり、図18(a)は図16(a)の環状の筒において一部に直線部を設けた構造物の展開図、図18(b)は図18(a)の展開図を張り合わせた状態および筒状の状態にした説明図、図18(c)は図18(b)の構造物を筒の径方向に閉じた状態の説明図、図18(d)は図18(b)の構造物を収納する途中の説明図、図18(e)は図18(d)の状態からさらに収納した状態の説明図、図18(f)はひょうたん型の一部に直線部を設けた構造物の展開図、図18(g)は図18(f)の構造物の筒状の状態の説明図、図18(h)は図18(g)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図、図18(i)は環状の筒において直線部を2箇所設けた構造物の展開図、図18(j)は図18(i)の構造物の貼り合わせた状態および筒状の状態の説明図、図18(k)は図18(j)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図である。 図19は環状に閉じた筒の説明図であり、図19(a)は図16(a)の環状の筒において外に凸状のハット部を2箇所設けた構造物の展開図、図19(b)は図19(a)の構造物を筒状の状態にした説明図、図19(c)は図19(b)の構造物を筒の径方向に閉じた状態の説明図、図19(d)は図19(b)の構造物を収納する過程の説明図、図19(e)はハート形の筒の構造物の展開図、図19(f)は図19(e)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図19(g)はハート形の肩部分に直線部を設けた筒の構造物の展開図、図19(h)は図19(g)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図19(i)は一部に直線部を設けた円形環の展開図、図19(j)は図19(i)の構造物の筒状の状態の説明図、図19(k)は図19(j)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図である。 図20は正方形に閉じた筒の説明図であり、図20(a)は各筒を45度の面で切断した場合の側面図および上面図、図20(b)は図20(a)の展開図、図20(c)は図20(a)の構造物を2つ接合するように配置した図、図20(d)は図20(c)の筒を接合した状態の角度関係の説明図、図20(e)は折り畳めない正方形状の閉じた筒の展開図、図20(f)は折り畳める正方形状の閉じた筒の展開図、図20(g)は図20(f)の構造物の筒状の状態の図、図20(h)は図20(f)の構造物を収納した状態の説明図、図20(i)は正方形の対角の角に直線部を配置した構造物の展開図、図20(j)は図20(i)の構造物の筒状の状態から収納される過程の説明図である。 図21は角錐形の筒の説明図であり、図21(a)は対称2枚貼り合せの角錐の正面図、図21(b)は図21(a)の角錐の斜視図、図21(c)は折り線が対象となるように設定した説明図、図21(d)は図21(c)において四角OEDFを反転させた状態の図、図21(e)は図21(d)における角度関係の説明図、図21(f)は式(4−2)の説明図である。 図22は概略直線上の角錐筒のジグザグ形の折り畳みの説明図であり、図22(a)は各節点の位置や折り線の角度の説明図、図22(b)は図22(a)において偶数段目を左右反転させた場合の説明図、図22(c)は図22(b)の方法を採用した折り畳み構造物の展開図、図22(d)は図22(c)の構造物の筒状の状態の説明図、図22(e)は図22(d)の構造物の収納途中の説明図、図22(f)は図22(d)の構造物の収納状態の説明図である。 図23は湾曲した角錐筒のジグザグ形の折り畳みの説明図であり、図23(a)は各節点の位置や折り線の角度の説明図、図23(b)は図23(a)において偶数段目を左右反転させた場合の説明図、図23(c)は稜線部の傾斜角の説明図、図23(d)は図23(b)の方法を採用した折り畳み構造物の展開図、図23(e)は図23(d)の構造物の平面図、図23(f)は図23(d)の構造物の収納途中の説明図、図23(g)は巻き貝形の構造物の展開図、図23(h)は図23(g)の構造物の筒状の状態の図、図23(i)は図23(g)の構造物の収納状態の説明図である。 図24は湾曲した角錐筒を巻き取るように折り畳む構造物みの説明図であり、図24(a)は各節点の位置関係の説明図、図24(b)は図24(a)において各接点の角度関係の説明図、図24(c)は図24(a)の偶数段を反転させた折り畳み構造物の展開図、図24(d)は図24(c)の展開図を貼り合わせた状態の図、図24(e)は図24(c)の構造物を筒状にした状態の図、図24(f)は図24(d)の構造物の収納途中の説明図、図24(g)は図24(d)の構造物の収納状態の説明図、図24(h)は頂角が小さい角錐筒の展開図、図24(i)は図24(h)の展開図を貼り合わせた状態の図、図24(j)は図24(h)の構造物を収納する過程の説明図である。 図25は近似設計法の説明図であり、図25(a)は等角螺旋に基づく折り線を描く方法の説明図、図25(b)は反転型等角螺旋に基づく折り線を描く方法の説明図である。 図26は近似設計法で作製した折り畳み構造物の説明図であり、図26(a)は頂角を10度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(b)は図26(a)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(c)は図26(b)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図26(d)は図26(b)の構造物を収納した状態の説明図、図26(e)は頂角を40度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(f)は図26(e)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(g)は図26(e)の構造物を径方向に閉じた状態の説明図、図26(h)は図26(e)の構造物を収納した状態の説明図、図26(i)は頂角を80度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(j)は図26(i)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(k)は図26(i)の構造物を収納した状態の説明図、図26(l)は図26(e)の展開図を頂角で繋いだ折り畳み構造物の展開図、図26(m)は図26(l)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(n)は図26(l)の構造物を収納する過程の説明図である。 図27は螺旋形状の角筒のデザイン法の説明図であり、図27(a)は稜線部および貼り合せ部の説明図、図27(b)は図27(a)において稜線部等がジグザグになるように設定する場合の説明図、図27(c)は図27(a)の方法で作製した折り畳み構造物の展開図、図27(d)は図27(c)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の図、図27(e)は図27(b)の方法で作製した折り畳み構造物の展開図、図27(f)は図27(e)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の図である。 図28は角錐筒の突き合わせ接合の説明図であり、図28(a)は角筒の一端を斜めに切断した展開図、図28(b)は頂角が10度の角錐の外端を斜めに切断した展開図、図28(c)は頂角が30度の角錐の外端を斜めに切断した展開図、図28(d)図28(a)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(e)図28(b)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(f)図28(c)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(g)は図28(d)〜(f)の構造物の四隅の点が同一平面上にないことの説明図、図28(h)は図28(e)の構造物と図28(f)の構造物を組み合わせた構造物の説明図、図28(i)は図28(h)において断面が正方形になるように接合線ACで切断した上側部分の構造物の展開図、図28(j)は図28(h)において断面が正方形になるように接合線ACで切断した下側部分の構造物の展開図、図28(k)は図28(j)の構造物を筒状にした状態で接合した図、図28(l)は図28(k)の構造物の展開図である。 図29は角錐の頂角側の部分を突き合わせた構造物の説明図であり、図29(a)は突き合わせ部分の傾斜角が20度の構造物の展開図および折った状態の図、図29(b)は突き合わせ部分の傾斜角が60度の構造物の展開図および折った状態の図、図29(c)は突き合わせ部分に切れ込みを入れた構造物の展開図および折った状態の図である。 図30は2枚貼り合せによる分枝の折り畳みの説明図であり、図30(a)は折り畳み可能なT字の分枝構造の展開図、図30(b)は図30(a)の展開図を貼り合せた状態と収納する途中の状態の図、図30(c)は図30(a)の両袖部分を下がり気味にした折り畳み可能な矢印型の分枝構造の展開図、図30(d)は図30(c)の展開図を貼り合せた状態と収納する途中の状態の図、図30(e)は図30(a)の袖部が支えの筒部よりも太い折り畳み不能な分枝構造の展開図、図30(f)は図30(e)に補助折り線を形成した折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(g)は図30(f)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(h)は袖部が支えの筒部よりも細い場合に補助折り線を形成した折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(i)は図30(h)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(j)は袖部を台形にした折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(k)は図30(j)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(l)は両袖部分を上がり気味にした折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(m)は図30(l)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(n)は図30(a)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(o)は図30(n)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(p)は図30(k)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(q)は図30(m)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の筒状の状態と収納する途中の状態の図である。 図31は分枝構造の幾何学的な説明図であり、図31(a)は対称2枚貼りのT字構造の右半分の展開図、図31(b)は図31(a)を折り畳んで矢印XXXIB方向から見た図、図31(c)は図31(a)の小周防物を完全に折り畳んだ状態の図、図31(d)は切れ込みを入れる条件の説明図である。 図32は分子構造を用いた応用構造の説明図であり、図32(a)はT字分枝を連結させた網目状の筒構造の展開図、図32(b)は図32(a)の構造物を筒状にした図、図32(c)は図32(b)の構造物の要部拡大図、図32(d)は図32(b)の構造物を収納する途中の図、図32(e)は図32(d)の状態からさらに収納した状態の図、図32(f)はY字分枝を連結させた網目状の筒構造の展開図、図32(g)は図32(f)の構造物を筒状にした図、図32(h)は図32(g)の構造物の要部拡大図、図32(i)は図32(g)の構造物を収納する途中の図、図32(j)は図32(i)の状態からさらに収納した状態の図、図32(k)は図32(c)の切れ込みをV字状にして支え部分に棒を貫通させた状態の説明図である。 図33はY字状の分枝モジュールの説明図であり、図33(a)は分枝の中心部が六角形のY字分枝構造の展開図、図33(b)は図33(a)に貼り合せられる対称の展開図、図33(c)は図33(a)、図33(b)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図33(d)は図33(c)のモジュールを6つ連結して作成された構造物の図、図33(e)は図33(d)の構造物が収納された状態の図、図33(f)は図33(d)の構造物が連結された網目状の構造物の図、図33(g)は図33(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の中心部の説明図、図33(h)は図33(g)の中心部の折り線の説明図、図33(i)は図33(g)の構造物を収納した状態の図である。 図34は十字状の分枝モジュールの説明図であり、図34(a)は分枝の中心部が八角形の十字分枝構造の展開図、図34(b)は図34(a)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図34(c)は図34(b)の構造物が収納される途中の図、図34(d)は図34(b)のモジュールを4つ連結して作成された網目状の構造物の図、図34(e)は図34(d)の構造物が収納された状態の図、図34(f)は図34(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の中心部の折り線の説明図、図34(g)は図34(f)の中心部を有する網目状の構造物の説明図、図34(h)は図34(g)の構造物を収納した状態の図である。 図35は亀の子型の分枝モジュールの説明図であり、図35(a)は分枝の中心部が12角形の亀の子分枝構造の展開図、図35(b)は図35(a)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図35(c)は図35(b)のモジュールを7つ連結して作成された網目状の構造物の図、図35(d)は図35(c)の構造物が収納される途中の図、図35(e)は図35(c)の構造物が収納された状態の図、図35(f)は図35(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の展開図、図35(g)は図35(f)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の筒状の状態および収納される過程の図、図35(h)は図35(g)のモジュールを3つ連結して作成された網目状の構造物の図、図35(i)は図35(h)の構造物が収納される途中の図である。 図36は正4面体の構造物の説明図であり、図36(a)は正4面体の稜線部分の断面の説明図、図36(b)は図36(a)を折り畳んだ場合の説明図および四面体の展開図、図36(c)は正4面体の稜線部分の外側のパーツの展開図、図36(d)は正4面体の稜線部分の内側のパーツの展開図、図36(e)は正4面体の角の部分の拡大図、図36(f)は図36(c)、図36(d)の展開図から構造物を組み立てる途中の状態の図、図36(g)は図36(f)の構造物が完成した状態の図、図36(h)は図36(g)の構造物の角を折り畳んだ状態の図、図36(i)は図36(h)の角の部分の拡大図である。 図37は折り畳み可能な正4面体の構造物の説明図であり、図37(a)は展開図、図37(b)は図37(a)の構造物が立ち上がった状態の図、図37(c)は図37(b)の構造物が収納された状態の図、図37(d)は4面体を4つのモジュールに分割する説明図、図37(e)は分割されたモジュールの斜視図である。 図38は正6面体の構造物の説明図であり、図38(a)は正6面体の展開図、図38(b)は図38(a)の構造物の斜視図、図38(c)は正6面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図38(d)は図38(c)の構造物の斜視図、図38(e)は正6面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図38(f)は図38(e)の構造物の斜視図、図38(g)は6面体を8つのモジュールに分割する説明図、図38(h)は図38(e)の角部分を採用した正6面体の展開図、図38(i)は図38(h)の構造物の斜視図および角部分を折り畳んだ図、図38(j)は図38(e)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図38(k)は図38(j)の構造物の斜視図、図38(l)は図38(k)の角部分を採用した正6面体の斜視図、図38(m)は図38(l)の構造物を収納する途中の状態の図、図38(n)は図38(m)からさらに収納した状態の図、図38(o)は図38(l)の構造物の展開図である。 図39は正8面体の構造物の説明図であり、図39(a)は正8面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図39(b)は図39(a)の構造物の斜視図、図39(c)は図39(a)の角部分を採用した正8面体の展開図、図39(d)は図39(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図39(e)は図39(c)の構造物の斜視図、図39(f)は図39(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図39(g)は図39(f)の構造物の斜視図、図39(h)は図39(g)の構造物を収納する過程の図である。 図40は正12面体の構造物の説明図であり、図40(a)は正12面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図40(b)は図40(a)の構造物の斜視図、図40(c)は図40(a)の角部分を採用した正12面体の展開図、図40(d)は図40(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図40(e)は図40(c)の構造物の斜視図、図40(f)は図40(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図40(g)は図40(f)の構造物の斜視図、図40(h)は図40(g)の構造物を収納する過程の図である。 図41は正20面体の構造物の説明図であり、図41(a)は正20面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図41(b)は図41(a)の構造物の斜視図、図41(c)は図41(a)の角部分を採用した正20面体の展開図、図41(d)は図41(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図41(e)は図41(c)の構造物の斜視図、図41(f)は図41(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図41(g)は図41(f)の構造物の斜視図、図41(h)は図41(g)の構造物を収納する過程の図である。 図42は角筒のつなぎあわせ方法の説明図であり、図42(a)は対称の2つの角筒の展開図、図42(b)は図42(a)の構造物の斜視図、図42(c)は図42(a)の角筒どうしのつなぎあわせ方の説明図、図42(d)は図42(a)の2つのパーツを1枚のシートで形成するための展開図、図42(e)は図42(d)の展開図を貼り合わせる途中の説明図、図42(f)は図42(e)の構造物が完成した状態の図、図42(g)は図42(f)の構造物を折り畳んだ状態の図、図42(j)は図42(f)の構造物を積層した構造物の説明図、図42(k)は図42(j)の構造物を折り畳んだ状態の図、図42(l)は図42(f)の構造物のプラスチック製品の図である。 図43は角錐のつなぎあわせ方法の説明図であり、図43(a)は対称の2つの角錐の展開図、図43(b)は図43(a)の構造物の斜視図、図43(c)は図43(b)の構造物を折り畳んだ状態の図、図43(d)は対称の2つのパーツが半円状の場合の展開図、図43(e)は図43(d)の構造物の斜視図および折り畳んだ状態の図、図43(f)は対称の2つのパーツが円状の場合の展開図、図43(g)は図43(f)の構造物の斜視図および折り畳んだ状態の図である。 図44は部分貼り合せ方法の説明図であり、図44(a)は部分貼り合せの構造物の折り線の説明図、図44(b)は図44(a)の帯板を2つ対称に並べた状態の図、図44(c)は図44(b)から空白部どうしを仮止めした状態の図、図44(d)は図44(c)を模式的に示した図、図44(e)は図44(d)の折り目部分を拡大した図、図44(f)は図44(d)を正方形になるように折った図、図44(g)は図44(a)の空白部に谷折り線を追加した図、図44(h)は図44(g)の構造物の斜視図、図44(i)は図44(g)を高さ方向に積み上げた展開図、図44(j)は図44(i)の構造物の外筒と内筒のそれぞれの斜視図および外筒と内筒を組み合わせた2重筒の斜視図と上面図である。 図45は部分貼りあわせによる六角筒の説明図であり、図45(a)は内筒の展開図、図45(b)は外筒の展開図、図45(c)は二重筒の斜視図、図45(d)は図45(c)の上面図、図45(e)は内筒のみの斜視図、図45(f)は外筒のみの斜視図である。 図46は単一蝶番法による二重筒状の折り畳み構造物の説明図であり、図46(a)は単一蝶番法による二重筒の概念図、図46(b)は外筒と内筒の角の部分の展開図、図46(c)は図46(b)の展開図を折り線に沿って折った図、図46(d)は図46(b)の折り線を採用した二重筒の半分の外筒及び内筒の展開図、図46(e)は図46(d)の半分の二重筒の上面図、図46(f)は図46(e)を2つ貼り合わせて作成された四角筒の側面図、図46(g)は図46(f)の斜視図および上面図である。 図47は長尺の二重筒状の折り畳み構造物の説明図であり、図47(a)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の概念図、図47(b)は図47(a)を径方向に閉じる途中の状態の説明図、図47(c)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の外筒の展開図、図47(d)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の内筒の展開図、図47(e)は図47(d)の内筒の斜視図、図47(f)は図47(e)の内筒が収納される途中の図、図47(g)は図47(c)、図47(d)の二重筒の斜視図である。 図48は二重の角錐状の折り畳み構造物の説明図であり、図48(a)は二重の角錐筒の外筒の展開図、図48(b)は二重の角錐筒の内筒の展開図、図48(c)は図48(a)の外筒の斜視図、図48(d)は図48(b)の内筒の斜視図、図48(e)は図48(d)の内筒を折り畳む途中の図、図48(f)は図48(c)の外筒と図48(d)の内筒を組み合わせた二重の角錐筒の斜視図である。 図49は収縮/展開可能な3次元構造物の説明図であり、図49(a)は円弧状のモジュールと亀の子モジュールの展開図、図49(b)は図49(a)を組み立てた図、図49(c)は亀の子モジュールに円弧状の筒を接続する前後の説明図、図49(d)は図49(c)の構成を採用した球状の構造物が立ち上がった状態の図、図49(e)は図49(d)の構造物が収納された状態の図、図49(f)は図49(d)において亀の子モジュールを八角形に変更した場合の斜視図、図49(g)は図49(d)において亀の子モジュールを12角形に変更した場合の斜視図、図49(h)は円弧状のモジュールと十字モジュールと長尺のモジュールとを組み合わせた構造物が立ち上がった状態の図、図49(i)は図49(h)の構造物が収納された状態の図、図49(j)は図49(d)から上側の亀の子モジュールを除去し且つ下側の亀の子モジュールを5角形に変更した構造物が立ち上がった状態の図、図49(k)は人の掌に基づく亀の子モジュールの展開図、図49(l)は人の指に基づく円弧状のモジュールの展開図、図49(m)は図49(k)および図49(l)のモジュールを組み合わせ且つ円弧状のモジュールを伸ばした状態の図、図49(n)は図49(m)において円弧状のモジュールを部分的に曲げた状態の図である。 図50は正4面体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図50(a)は正4面体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図50(b)は正4面体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図50(c)は正4面体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図50(d)は図50(a)および図50(b)を使用して作成された正4面体用のモジュールの斜視図、図50(e)は図50(b)および図50(c)を使用して作成された正4面体用のモジュールの斜視図、図50(f)は図50(d)を下側に配置し且つ図50(e)を上側に配置して接続された構造物の斜視図、図50(g)は図50(f)の構造物を複数つなげた構造物の斜視図、図50(h)は図50(g)の上面図、図50(i)は図50(g)のジグザグ構造の説明図、図50(j)は図50(g)の構造の模式図、図50(k)は図50(g)の構造を面内でつなげた構造物の斜視図、図50(l)は図50(k)の構造物を高さ方向に重ねた構造物の斜視図、図50(m)は図50(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(n)は図50(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(o)は図50(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(p)は図50(m)〜図50(o)のパーツを使用して図50(k)の構造物を作製した図、図50(q)は図50(m)〜図50(o)のパーツを使用して図50(l)の構造物を作製した図、図50(r)は図50(q)の構造物を収納する途中の図、図50(s)は図50(r)からさらに収納した図である。 図51は立方体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図51(a)は立方体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図51(b)は立方体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図51(c)は立方体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図51(d)はモジュールのつなげ方の説明図、図51(e)は図51(a)〜図51(d)の方式で図50(k)と同様にして作成された構造物の斜視図、図51(f)は図51(e)の構造物において配置される立方体の位置関係の説明図、図51(g)はT字分枝を結合した骨組み構造物の展開図、図51(h)は図51(e)の構成を高さ方向に重ねた構造物の斜視図、図51(i)は図51(h)の上面図、図51(j)は図51(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(k)は図51(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(l)は図51(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(m)は図51(j)〜図51(k)のパーツを使用して作成される構造物の展開図、図51(n)は図51(m)の展開図を使用して作成される構造物の斜視図、図51(o)は図51(n)の構造物を高さ方向に2段重ねた構造物の斜視図、図51(p)は図51(o)の構造物を収納する途中の図、図51(q)は図51(p)からさらに収納した図である。 図52は八面体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図52(a)は八面体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図52(b)は八面体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図52(c)は八面体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図52(d)は図52(a)および図52(b)を使用して作成された正八面体用のモジュールの斜視図、図52(e)は図52(b)および図52(c)を使用して作成された正八面体用のモジュールの斜視図、図52(f)は図51(d)および図51(e)のモジュールを使用して図50(k)と同様にして作成された構造物の斜視図、図52(g)は図52(f)の構造物を高さ方向に2段に重ねた斜視図、図52(h)は図52(g)の上面図、図52(i)は切頂正八面体の説明図、図52(j)は切頂八面体を頂面で接合した図、図52(k)は図52(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(l)は図52(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(m)は図52(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(n)は図52(k)〜図52(m)のパーツを使用して図52(f)と同様に作成された構造物の斜視図、図52(o)は図52(n)を高さ方向に2段に重ねた構造物の斜視図、図52(p)は図52(o)の構造物を収納した状態の図である。 図53は胴部に沿うように折り畳める服飾品の説明図であり、図53(a)はT字モジュールと服飾との関係の説明図、図53(b)は切れ込みの形成されたT字モジュールの展開図、図53(c)は袖が胴よりも太いT字モジュールの展開図、図53(d)は袖が胴よりも細いT字モジュールの展開図、図53(e)は図53(d)のモジュールにおいて形成する切り込みの説明図、図53(f)は袖と胴が台形のT字モジュールの図、図53(g)は分枝の中心部分に補助折り線の一例を形成した展開図、図53(h)は図53(g)の展開図を使用した構造物の斜視図、図53(i)は図53(g)とは異なる補助折り線の一例を形成した展開図、図53(j)は図53(i)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図、図53(k)は図53(i)の補助折り線の描画法の説明図、図53(l)は袖部が台形の場合の補助折り線の一例を形成した展開図、図53(m)は図53(l)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図、図53(n)は袖部および胴部が台形の場合の補助折り線の一例を形成した展開図、図53(o)は図53(n)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図である。 図54は前面と後面で折り線や切込みが異なる構造物の説明図であり、図54(a)は図53(g)と同様の前面パーツの展開図、図54(b)は図53(i)と同様の後面パーツの展開図、図54(c)は図54(a)および図54(b)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図、図54(d)は図54(c)を後方から見た図、図54(e)は図54(c)の上面図、図54(f)は袖の幅方向の中央よりも下方に稜線がずれた前面パーツの展開図、図54(g)は袖の幅方向の中央よりも上方に稜線がずれた後面パーツの展開図、図54(h)は図54(f)および図54(g)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図、図54(i)は図54(h)を前方から見た図、図54(j)は図54(h)を収納する途中の図、図54(k)は図54(i)からさらに収納された図、図54(l)は袖部に折り畳みに寄与しないダミーの補助線が形成されたパーツの展開図、図54(m)は図54(l)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図である。 図55は折り畳み可能な服飾型の構造物の説明図であり、図55(a)は折り畳み可能な服飾の前後のパーツの展開図、図55(b)は図55(a)を貼り合わせた構造物の斜視図、図55(c)は図55(b)の構造物を収納する途中の状態の図、図55(d)は図55(c)からさらに収納した状態の図、図55(e)は図55(d)からさらに収納した状態の図、図55(f)は図55(e)からさらに収納した状態の図、図55(g)は図55(a)とは異なる折線の折り畳み可能な前後のパーツの展開図、図55(h)は図55(g)を貼り合わせた構造物の斜視図、図55(i)は図55(h)の構造物を収納する途中の状態の図、図55(j)は図55(i)からさらに収納した状態の図である。 図56は折り畳み可能な服飾型の構造物の説明図であり、図56(a)は胴部を台形上にした折り畳み可能な服飾の前後のパーツの展開図、図56(b)は図56(a)を貼り合わせた構造物の斜視図、図56(c)は図56(b)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(d)は図56(c)からさらに収納した状態の図、図56(e)は折り畳み可能なパンツの前後のパーツの展開図、図56(f)は図56(e)を貼り合わせたパンツ型の構造物の斜視図、図56(g)は図56(f)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(h)は図56(g)からさらに収納した状態の図、図56(i)は図56(h)からさらに収納した状態の図、図56(j)はダミーの折線を追加した角錐状の構造物の展開図、図56(k)は図56(j)の展開図を多角錐状にした図、図56(l)は図56(k)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(m)は図56(l)からさらに収納した状態の図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
本出願は‘立体を同じ折り線図からなる展開図を2枚対称に貼り合わせて作る’新たに提案する折り畳み構造物について述べるものである。これを簡単に「対称2枚貼り折紙」と名付ける。
図1は貼り合せによる折り紙の基本形の説明図であり、図1(a)は2つのシートを貼り合わせた状態の図、図1(b)は図1(a)の状態から立体化した状態の図、図1(c)は図1(b)の状態から貼り合せ部分どうしが近づく方向に収縮させながら折り畳む場合の説明図、図1(d)〜(g)は貼り合せ状態から立体化の後、軸方向に折り畳む過程の斜視図である。
なお、本願図面において、展開図における折り線については、一部例外を除いて、山折り線を実線で示し、谷折り線を破線で示すものとする。
図1において、この2枚対称に貼り合わせによる折り紙模型の基本形を示したものが図1(a)で、図の○点(貼り合せ部分1)を蝶番のようにして立体化するもので(図1(b))、模型は図1の(a)と(b)の間を行き来できる。折り畳みの基本中の基本は折り線の対称性にある。例えば、‘鶴’を折ってこれを元に戻すと、対称な折り線が多く見られる。これは折り線を対称に配置すると簡単に折り畳まれることと関連している。折り畳みを考慮しながら立体構造の展開図を作ることは折紙に精通していてもなかなか厄介であるが、2枚を対称に貼ることで、貼り合わせ部1でのこの厄介さから一挙に解放される。これが対称2枚貼りを提唱する基本理念になっている。図1(c)は立体化したものを元の形態(頭1(a))に戻すのではなく、横幅あるいは半径方向に収縮させながら折畳む模型の模式図である。
図1(d)〜(g)は対称にその側面を貼り合わせた2枚の紙(シート)2,3の中心部(稜線部4)を持ち上げ4角形断面の筒に立体化しこれを長手方向(軸方向)に折り畳む考えを示したものであり、これが本発明で用いる基本モデルである。
(1節点での折り畳み(平坦折り)条件と折紙における対称な折り線の利便性)
図2は折り畳み条件の説明図であり、図2(a)は正方形の紙の中心線で2つ折りにした状態の説明図、図2(b)は図2(a)の紙を展開した状態の図、図2(c)は図2(a)の状態から右下部分を更に折り曲げた状態の説明図、図2(d)は図2(c)の紙を展開した状態の図、図2(e)は1節点4折り線の図、図2(f)は図2(e)の折り線に沿って折り畳んだ状態の説明図、図2(g)は円形の紙に図2(e)の折り線が形成された場合の図、図2(h)は図2(d)の折り線を2つの2等辺3角形で置き換えた場合の図、図2(i)は鏡面則の説明図、図2(j)は円形膜を半径方向に折り畳む場合の折り畳み条件の説明図である。
図2(a)に示すように正方形の紙11の中心線12で2つ折りにすると左右対称である(図2(b)参照)。図の右下部分を更に図2(c)のように折って畳み、開くと図2(d)のように新たな折り線13,14は中心線12で対称になっている。これを逆に考えると、折り線13,14を対称に配置すると折り畳みができることが担保されることを示唆している。
図2(d)の折り線が合流する点を節点16と呼ぶ。このような1節点4折り線図は一般的に図2(e)のように示され、4分割された角度を図のように定める。これを折り畳むと図2(f)のようになる。図で折り線17を基準に考えると、谷折り線18はα−β、あるいはδ−γだけ回転した位置にある。これらの角度は互いに等しくならねばならないから、平坦に折り畳まれるとき次式が成り立つ。
α−β=δ−γ …式(2−1)
全折り線17,18,19,20は1つの平面状にあるから、α+β+γ+δ=360°より、式(2−1)は次のようになる。
(α+γ)=(β+δ)=180° …式(2−2)
これは図2(e)の4つの中心角を一つ飛びにたすと180°(補角)になることを示す。これを一般に‘平面紙の平坦折りのための補角条件’と呼ぶ。図2(g)に示すように円形紙が4本の折り線17〜20で分割された領域をI〜IVとする。折り畳まれたときIとIIIが表、IIとIVが裏になるから裏と表の部分の角度の和が等しいこと、すなわち式(2−2)が成り立つことは考えるに当然のことではある。また、これより、一つの節点16周りに平面を平坦に折り畳むためには4あるいは6,8本など偶数の折り線が必要であることに気付くだろう(2本の場合は図2(b)で中央に○で示した節点を考える)。これも紙には表と裏しかなく、折り畳まれたとき折り線で紙の表、裏が交互に現れることを考えると納得できる。奇数本の折り線の場合はもちろん折り畳むことはできず節点16で立体の頂点が作られる。
図2(d)の対称形の折り線12〜14を図2(h)のように斜辺の長さが等しい2つの2等辺3角形の斜辺で置き換え、これらの2等辺3角形は頂点Oでピンによりつながれているとする。上の2等辺3角形を回転させても補角条件は成り立っている。2つの2等辺3角形△AODと△COBの底辺ADとBCは直交する。節点16でこれらの辺に平行に点線で示した直交する線分を描きこれらを鏡I、IIとする。点Aから出た光は点Oで反射して点Dへ、点Bから出た光は点Oを経て点Cに至る。鏡IIに対して点BとC、鏡Iに対して点AとDは対称である(図2(i)参照)。この折り畳み条件から得られる特性を理解していると、円形の紙や円錐殻の折り畳み構造を設計する際極めて重宝である。これを本発明者は4折り線法の「直交鏡面則」と名付けた。
上述の鏡面則を用いた描画例を以下で紹介する。図2(j)は円形膜の一部を示したもので、本発明では円形膜を半径方向に折り畳むモデルや折り畳み出来る円錐の設計などに用いる。点A、B、C、点D、E、Fは各々同一半径上に等間隔で配されたものであり、半径方向の折り線をジグザグにするため点D、E、Fは点A、B、Cより中心角で角度θだけずれた位置にある。点Bから半径方向と角度φをなす折り線BEを引く。点Eよりさらに中心に向けて折り線EHをどのように引けば点Eで補角条件が成り立つのだろうか?点D、EおよびFは同心円上にあるから、鏡面則により一つの鏡面は半径と垂直である。結果、別の鏡面は半径となる。すなわち∠HEO=∠BEJで、∠BEJ=φ+θであるから∠HEO=φ+θとなり、∠EHB=φ+2θとなるから∠OHK=φ+2θとなり、反射する毎に、半径方向となす角はθだけ順次増えてゆく。それゆえ、角度φやθが大きいと中心に近づくとφ+2θが90°を超え折り線が描けなくなる。これは円形膜の中心部までジグザグ折りで折り畳めないことを意味する。本発明者は折り線の描ける半径sinφになると明らかにした。円形膜を折り畳む模型を設計するときで中央にハブを設けることはこのことと関連している。ここでは節点16での折り畳み条件を述べたが、立体折紙では折り畳めない1節点5折り線が度々現れる。本願明細書を読むにあたっては節点16での折り線数を確認する努力をしてほしい。
(凸や凹面体の節点での折り畳みの条件)
図3は凸面体や凹面体の節点での折り畳み条件の説明図であり、図3(a)はお椀形状の説明図、図3(b)は図3(a)の要部拡大図、図3(c)は本発明の折り畳み構造物の展開図、図3(d)は図3(c)の折り畳み構造物が筒状の状態の斜視図、図3(e)は図3(d)の折り畳み構造物を折り畳む途中の状態の図、図3(f)は図3(d)の折り畳み構造物を上方から見た図、図3(g)は図3(f)の折り畳み構造物の要部拡大図、図3(h)は図3(f)の折り線の説明図、図3(i)は図3(d)の折り畳み構造物を側方から見た図、図3(j)は図3(i)の折り畳み構造物の要部拡大図、図3(k)は図3(i)の折り線の説明図、図3(l)は図3(c)の展開図を対称になるように配置した図、図3(m)は図3(l)の展開図に糊付け部を付加した状態の図、図3(n)は図3(m)の糊付け部どうしを筒の外側で貼りあわせた場合の図である。
垂直の軸周りに回転して作られた薄い殻からなる湾曲した面のお椀を図3(a)に示す。この湾曲面を図3(a)の要素31〜34のように平面の小要素の集まりで、すなわち湾曲面を多面体に置き換えて折り畳みを考える。これら4つの要素31〜34を取出し、要素31と要素34だけを切り離し平面の上に並べると、図3(b)に示すように4要素31〜34の接合点をOとしてこれらの間に隙間が生じる。これらの要素31〜34の折り畳み条件は線分OCを基準にして、OA、OEを折ったときこの隙間がなくなる条件から図2(f)と同じ考えによりβ−α=γ−δから、
α+γ=β+δ …式(2−3)
となる。
図2(e)との相違は凸面であるからα+β+γ+δ<360°である。式(2−3)は凹に湾曲した面の頂点でも成り立つ。平面の折り畳み条件式、式(2−2)と同じように湾曲した場合においても‘対角の角度の和が等しいとき’に折り畳まれることを示し、式(2−3)が平坦に折り畳むための一般形である。
本願明細書で取り扱う2枚対称貼り合わせ折紙を例にしてこの問題を考える。図3(c)のように中央で少し曲がった上下端が平行の帯板36,37を考え、上下端中央に対称折り線(稜線部)38を設け、角度を図のように定める(α+β=180°,α<90°β>90°)。この短冊帯板36,37を2枚対称に貼り合わせ、上下端を押すと図3(d)のような矩形断面の管状になり、図3(e)のように折畳まれてゆく。図3(d)を上から見ると図3(f)のようになっている。
この上面図の稜線BOをカットすると中心Oに集まる4面の頂角の合計が4α<360°であるから図3(g)のように切れ目が現れる。頂点Oで合流する折り線は双方とも山折り型の稜線である(図3(h)参照)。図3(i)は下から見たものでその展開図は集まる4面の頂角の合計が4β>360°になるため、稜線HGをカットすると図3(j)に示すように交差する。中心点Gで合流する長手方向の稜線FGHは山型、DGは谷型である(図3(k)参照)。このような面構造は背反構造と呼ばれ、これは集まる面の頂角の和が360°以上であることに起因する。図3(g)(j)から分かるように上、下面の頂点(節点)OおよびGで折り畳み条件が成り立っている。側面の頂点Dで折り畳み条件が成り立つようデザインしているからこの筒構造は折り畳みに必要な条件を満たしている。すなわち、本願明細書で用いる対称2枚貼り合わせによる折紙模型では貼り合わせで作られる頂点(節点)で折り畳み条件が自動的に成り立つため、折り畳み型の構造をデザインするのに極めて好都合なのである。
本願明細書で用いる対称2枚貼りの展開図の配置を上の例を用いて述べる。図3(c)を直線ABを対称軸にして配置したものが図3(l)であり、直線ABで折り返すと境界線39と40、境界線41と42が同じ位置に来る。「対称2枚貼り折紙」はこの対称配置に基づいて名付けられている。対称線ABで折り畳む展開図を作ったものが図3(m)でこの薄墨部(糊付け部)43を糊付して折紙模型を作ると図3(n)のようになり、筒の上、下にある糊付け部43は一体化して図3(e)のようにスムーズに折畳まれる。
(対称2枚貼り折紙による基本構造)
次に、新たに提案する2枚貼り合わせ折紙(pairing origami)によって作る基本的な模型の作り方について述べる。
(簡便に折り畳める筒構造)
図4は多角形や円筒形状の筒を折り畳む方法の説明図であり、図4(a)は軸方向に折り畳む場合の説明図、図4(b)は径方向に折り畳んだ後に軸方向に折り畳む場合の説明図である。
図4に示すように多角形や円筒状の筒を折り畳む方法は大まかに軸方向に折り畳む方法と押しつぶすように折り畳むものに分類できる。底や上蓋のある多角形の筒を図4(a)のように折り畳む方法は本発明者により系統的にモデル化され、ランプシェード等で実用化された。図4(b)のように貫通した底のない細長い筒は半径方向に押し潰し、2つ折りすることができる。ここでは、これを2枚の紙の貼り合わせで筒が作られていると考え、平面紙の折り畳みの手法で処理できる対称2枚貼り合わせ法で考える。この貼り合わせ法で作られる管状の筒は4あるいは6角形に限られるが、押し潰しと折り曲げが連動して折り畳まれるため極めて効率的かつ簡便であるため、製品作りの際にはその有用性を発揮すると期待される。
図5は図4(a)の構造の折り畳み構造物の説明図であり、図5(a)は展開図、図5(b)は図5(a)を折り畳んだ状態図、図5(c)は図5(b)の上面図、図5(d)は図5(c)の構成を2つ準備して対称に配置した状態の説明図、図5(e)は図5(d)の構成を2つの蝶番で接合する場合の概念図である。
図5(a)の平面折りの基本図を折ると図5(b)のように折られ、その上面図は図5(c)のようになる。これを図5(d)のように対称に配置し左右端を図5(e)のように蝶番のような機能を持つ折り線図を作り上下をつなげて、折り畳みの可能な筒構造をデザインする。これをここでは縫い合わせ蝶番モデルと呼ぶ。この筒は半径方向から押し付けると元の平坦な2枚の紙になり、軸方向に押し付けると筒状で折り畳まれる。すなわち2方向に折り畳むことができる。つなぎ部となる蝶番の部分の作り方で以下の2つに分類する。
(二重蝶番法)
図6は従来公知の二重蝶番法の説明図であり、図6(a)は蝶番で接合する前の状態の説明図、図6(b)は折り畳み構造物の一例の一段分の展開図、図6(c)は図6(b)の展開図を筒の軸方向に複数段並べた図、図6(d)は縫い目の拡大図、図6(e)は斜視図、図6(f)は図6(e)の構造物を上方から見た図、図6(g)は図6(e)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図である。
図6(a)に示すように短冊を2つ折りにして、中央で120°、両端で60°逆方向に折り曲げる。これで短冊には図6(b)のような折り線が入る。これを横に並べると筒の一段分の展開図になり、数段縦方向に並べたものが図6(c)で、中央の垂直線01で折り返して筒にする。
図6(d)に示す中央の折り線01の対が蝶番と呼ぶ折り線図で、筒にしたとき左右端が合体してもう一つの蝶番が作られる。蝶番部分(縫い目部分)が鉛直方向のジグザグの折線2本(図6(d)参照)でできているため二重蝶番と呼ぶ。三浦と舘はこの方法を用いている。
なお、二重蝶番法では、円筒の周方向に沿って、山折り線と谷折り線が交互に出現しており、縫い目に対して対称な配置となっていない。また、120°の折り線02も左右で対称(線対称)になっていない。よって、縫い目(蝶番部分、貼り合せ部分)に沿って半径方向に折り畳んだ後に軸方向に折り畳むことは山折り線と谷折り線の関係上できない。
(単一蝶番法)
図7は本発明者が発明した単一蝶番法の説明図であり、図7(a)は展開図、図7(b)は中央の蝶番部で折り返した状態の説明図、図7(c)は図7(a)の構造物を斜め上方から見た図、図7(d)は図7(a)の構造物を斜め側方から見た図、図7(e)は図7(c)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図、図7(f)は断面が六角形の構造物の展開図、図7(g)は図7(f)の構造物を斜め上方から見た図、図7(h)は図7(f)の構造物を斜め側方から見た図、図7(i)は図7(f)の構造物を軸方向に折り畳んだ状態の説明図である。
図7(a)は本発明者が発明した蝶番部分のジグザグを1本に簡素化したもので、単一蝶番法と呼ぶ展開図の例である。ここでは、直角2等辺3角形を2個つなぎ合わせて正方形を作るため90°の折り曲げを4ヵ所設けたものである。図7(b)は中央の蝶番部の折り返しの様子を示したもので、垂直線で180°折り曲げ、左のジグザグの谷折り線で90°折り返すことを示したものである。図7(c)〜(e)はこの展開図による折紙模型の様子と2方向に折り畳んだ状態を示したものである。この蝶番法では蝶番部で直接折り返されているため、図7(c)の矢印に示す3角形部分は一体化して常に接触して動く。図7(e)の上面図の接合部分の内側に「凹み」がないことがこれに対応する(図6(g)の接合部分01と比較参照)。すなわち、プラスチックなどで成形するときには図7(a)の薄墨の菱形部分は不要で取り除くことができる。図7(f)〜(i)に6角形の筒を作る場合の展開図と折紙模型を折り畳む様子を示す。展開図は60°で3回折り曲げた短冊を2枚貼り合わせたものを基本にしている。中央の蝶番と左右端を合体して作られる蝶の糊付け部が省かれている。
(単一蝶番法よる簡易折り畳み可能な長尺の筒)
図8は本発明の一例の折り畳み構造物の説明図であり、図8(a)は図7(a)の一段のみの展開図、図8(b)は図8(a)の構造物を筒状にした図、図8(c)は図8(b)を軸方向に折り畳んだ状態の説明図、図8(d)は図8(c)の辺を抽出した図、図8(e)は図8(a)から折り線の間隔や高さを変えた他の例の展開図、図8(f)は図8(e)の構造物を筒状にした図、図8(g)は図8(f)を軸方向に折り畳んだ状態での辺を抽出した図、図8(h)は図8(a)から折り線の間隔や高さを変えた他の例の展開図、図8(i)は図8(h)の構造物を筒状にした図、図8(j)は図8(i)を軸方向に折り畳んだ状態での辺を抽出した図である。
上で述べた正方形に折り畳む模型の辺の長さを変えてみる。図8(a)は図7(a)の1段だけを示す展開図で、辺61〜63は各々上端,中央、下端を表すものとする。この短冊を折ると図8(b)のような「く」の字形の筒模型が得られる。折り畳むと図8(c)、(d)に示すように、上端と下端は同じ位置に、中央部は上下端から少しだけ右にずれた位置にくる。段数を増やした図7(a)はこの「く」の字形を積み上げたものであるから、図7(c)のように帯板を折り曲げて作った正方形を積み上げたように見える。辺の長さを短く、すなわち筒の形を小さくしてゆくと、図8(e)から図8(h)の展開図になり、図8(f)から図8(i)のように筒は相対的に縦長となる。このため、細長い筒では中央部分は上下端と離れた所で折り畳まれる(図8(j))。これは図4(b)で示した筒のジグザグ折りの形である。以下ではこれに基づき長尺の筒のジグザグ折りによる簡易な折り畳みを考える。
(基本的な性質)
図9は本発明の折り畳み構造物の基本的な性質の説明図であり、図9(a)は展開図、図9(b)は筒状の状態と収納状態との説明図、図9(c)は径方向に折り畳む状態の説明図、図9(d)は斜視図、図9(e)は四角筒との関係の説明図、図9(f)は図9(d)の上面図、図9(g)は一段分の帯板の斜視図および展開図、図9(h)は図9(g)を軸の周方向にずらして並べた展開図である。
図8(a)を鉛直方向に引き伸ばした図形を積み上げると図9(a)になる。この展開図の折り線は節点75で折り畳み条件を満たし、かつ、第1のシート68と第2のシート69との対称2枚貼りの形であるから自動的に折り畳むことができる。すなわち、折り畳みの条件について何らの幾何学的な考察なしで折り畳み模型を作ることができる。展開図を図3(l)〜(n)の要領で中央の対称線(貼り合せ部71)で折り返し糊付けすると図9(b)の折紙模型となる。正方形断面の筒を稜線部72対角方向(径方向)に押しつぶすと、表裏の山折り線73および谷折り線74で自然に折れ曲がり、一枚の短冊を折るように折り畳まれる優れた特性を示す。折り畳み後の折り畳み部での断面形は(正方形から)図9(a)の垂直方向のジグザグの折り線のなす角度で決まる縦長の菱形になる(図9(c))。
図9(d)に見るようにこの角筒はどの方向から見てもジグザグ形であり、その形は図9(e)、図9(f)に示すように4角筒を斜め方向に平行に切断し、逆方向に並べ変えたものである。実際、図9(g)に示すように、一段分を上の隅で切り開き、図のようにこれらを数段交互に並べると、図9(h)の展開図になり、これは図9(a)と(見掛けは異なるが)同じものである。この折り畳み模型の製作は極めて簡単で、この折り畳みの機構を理解・習得すれば誰もがより進化した折紙構造を自由に開発・デザインできるであろうと考える。 特に、図6に示す構成では、折り畳んだ状態で折り線で囲まれた帯板(1段分)の要素4つ分の面積に加えて、4つの帯板で囲まれた中央の空間の面積分が、折り畳み後の軸方向から見た面積となるが、図9(b)に示す収納状態では、帯板の要素2つ分の面積が折り畳み後の軸方向から見た面積となる。よって、帯板の要素の面積が同一の場合、図9に示す本発明の構成の方が省スペース化が可能である。
(対称2枚貼り合せ法の制約)
図10は対称2枚貼り合せ法の制約の説明図であり、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)の稜線部に沿って折った場合の断面図、図10(c)は図10(a)の貼り合せ部に沿って折った場合の断面図、図10(d)は辺DCを辺ABの内側に食い込ませるように折り畳んだ場合の説明図、図10(e)は長方形断面の折り畳み構造物の説明図である。
上で述べた折り畳みモデルは図10に示すように(i)対称に貼り合わせた2枚の紙を(ii)垂直方向から押し潰すように折畳むため、(i)、(ii)から生じる幾何学的な制約がある。最初の貼り合わせるための条件より、図10(a)(b)のように寸法を与えると、A+D=B+Cとなる。平坦に押し潰した状態の図10(c)ではA+B=C+Dでなければならない。この2つの関係より「AとC、BとDが等しくなければならない」ことが判る。これより、図10(a)に示す正方形断面だけでなく、図10(e)のような任意の長方形断面形状の筒でもジグザグ折りができることが判る。図10(d)のように折り畳む場合にはA+D=B+C、A−D=B−Cより、A=B、C=Dが導かれる。この形の折り畳みは後述の例で述べるように限られた条件のもとで可能である。
(対称2枚貼り合せ法の発展形)
この対称2枚貼り合せ法では基本的に正方形断面形状の筒の設計に限られる。しかしながら、上述したように長方形断面の筒や図10(d)のように長さの違う場合も折り畳み可能な場合がある。また、展開図上で細工を施すことにより折り畳み可能な筒の断面形状の種類を少し増やすことができる。以下にそのような例を述べる。
(長方形断面の筒)
図11は対称2枚貼り合せ法の発展形の説明図であり、図11(a)は稜線部が一対の貼り合せ部の中央からズレた位置にある場合の説明図、図11(b)はのりしろ部分を有する展開図の説明図、図11(c)は図11(b)の構造物の斜視図および収納する途中の状態の説明図、図11(d)は図11(a)よりも稜線部の位置をさらに偏らせた展開図、図11(e)は図11(d)の構造物の斜視図および収納途中の状態の説明図、図11(f)は筒の周方向に沿った折り線をジグザグにした場合の展開図、図11(g)は図11(f)の構造物の斜視図、図11(h)は図11(g)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図11(i)は図11(f)の要素の拡大説明図、図11(j)は図11(i)の4つの要素の長さの関係の説明図、図11(k)は図11(f)の構造物の1段分の要素が折り畳まれる場合の説明図、図11(l)は擬似六角筒の展開図、図11(m)は図11(l)の構造物の斜視図および収納途中の状態の説明図、図11(n)は図11(m)の構造物の断面図、図11(o)は図11(n)の状態から断面長方形の状態に変形した図、図11(p)は図11(o)の状態から径方向に折り畳む途中の状態の説明図である。
正方形断面の筒の展開図(図9(a))のジグザグの折り線を短冊の幅方向で不等分に分割し、貼りつける2枚の帯板を図11(a)のように配置すると折り畳み可能な長方形断面形状の筒の模型を作ることができる。この図は中央線で折り返す展開図、図11(b)は2枚貼りの展開図で、折紙模型と折り畳みの様子を図11(c)に示す。極めて薄い筒を作る場合の展開図と模型、折り畳みの様子を図11(d)(e)に示す。
(擬正4角断面筒)
平面折りで水平方向のみならず鉛直方向の折り線もジグザグにして折畳む方法がある。これを用いた展開図と折紙模型、折り畳みの様子を図11(f)〜(h)に示す。図11(i)(j)に示すように展開図は2種類の平行4辺形要素で構成され、折り線ABとACの長さを等しくとってもそれらの高さpとqは異なる(p<q)。そのため折り畳まれる際には図11(k)および(h)に示すように大きい平行4辺形を上にして「く」の字ハット形に折られ、その後、2つ折りされて平坦に折り畳まれる。これは図10(d)の折り畳みに対応する。
(擬6角断面筒)
図11(l)(m)は疑似的な6角形断面の筒を作る展開図とその模型を示す。展開図は図11(a)の長方形断面の展開図に筒の径方向の折り線(第2の稜線部76)を付加したもので、図11(m)のように折り畳まれる。ここでは付加した折り線76が蝶番のように作用し、正6角形断面を潰して長方形断面筒として、最終的に稜線部72に沿って径方向に折り畳まれている(図11(n)〜(p))。
(対称2枚貼り合わせ折り紙による応用構造)
ここまでジグザグ状に折り畳みのできる一様太さの直線状の筒の製作法とその特性などについて述べた。次に、これを基に湾曲する筒のジグザグの折り畳み法や巻き取って収納する方法、折り畳みのできる角錐状の筒のデザイン法について述べる。
(折り畳みのできる任意形状の4角筒のデザイン法)
図12は対称2枚貼り合せ法による応用構造の説明図であり、図12(a)は四角筒を斜めに切断した断面の説明図、図12(b)は図12(a)とは異なる傾きで斜めに切断した断面の説明図、図12(c)は筒状の構造物の帯板の説明図、図12(d)は円環状の構造物の帯板の説明図、図12(e)は図12(c)の帯板を並べて配置した場合の説明図、図12(f)は図12(d)の帯板を並べて配置した場合の説明図、図12(g)は12(d)の帯板を構成する大径をジグザグ方向でなく同方向に並べた場合の説明図、図12(h)は図12(e)、図12(f)の構造物が折り畳まれる場合の説明図、図12(i)は図12(g)の構造物が巻き取られるように収納される場合の説明図、図12(j)は図12(i)とは異なる巻き取り方の説明図、図12(k)は図12(g)において長手方向の折り線の間隔を徐々に変化させた巻き取る場合の展開図である。
正方形の筒を対角の方向に斜めに切断すると、どのような角度で切断してもその切断面は机の上に隙間なく置かれる(図12(a)(b))。すなわち切断で得られる4辺は常に同じ平面上にあり、4角形の筒の断面の形が押し潰される過程においても平面を保つ特性がなくなることはない。これは同じ角度で切断した矩形の筒を対称につないでも、筒は自由に変形することができることを示す。このことより、折り畳みのできる種々の形の筒を設計する際には、筒をあたかも一枚の短冊で置き換たように考え簡便に取り扱うことができる。
前述のジグザグ状の(概略)直線的な筒は図12(c)に示される左端と右端が平行な要素のつなぎ合わせで作られ、円環状の筒は図12(d)のような左端と右端の傾きが異なる要素をつなぎ合わせて作ることが出来る。これらの展開図を各々図12(e)と図12(f)に示す。台形状に切断した要素を同方向に接合しても円弧状になる(図12(g))。
図12(e)(f)のいずれの場合も基本的にジグザグ状であるから図12(h)のように積み重ねるように折り畳まれる。図12(g)のように同方向に曲がる場合には図12(i)(j)のように巻き取るように収納することになるが、折り線を等間隔に設けると紙の厚みなどの影響で巻き取りが困難になる。また、折り線間隔の配置は丸めながら巻き取るのか、完全に平坦に折り畳みながら巻き取りたいのかでも異なる。図12(k)は長手方向の折り線の間隔を徐々に大きくして巻き取る形で平坦に折り畳むものの展開図の例を示したものである。
(任意形状の一様太さの筒)
次に、竹輪のように端を持つ閉じない筒とドーナツのような環状に閉じる筒に分類して述べる。筒の形状が自ら閉じて端がなくなると構造の変形の自由度が低減し、折り畳みの特性や機能が大きな影響を受けるためである。
(湾曲する両端が自由に変形できる閉じない筒)
図13は湾曲する両端が自由に変改できない閉じない筒の説明図であり、図13(a)は半円弧状の帯板を貼りあわせて作る折り畳み型の角筒の展開図、図13(b)は図13(a)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(c)は図12(k)を適用した構造物の展開図、図13(d)は図13(c)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(e)は図13(a)の構造物をS字クランク状につなぎあわせた構造物の展開図、図13(f)は図13(e)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図13(g)は図13(c)の構造物をS字クランク状につなぎあわせた構造物の展開図、図13(h)は図13(g)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図である。
図13(a)(b)は半円弧状の短冊を貼り合わせて作る折り畳み型の角筒の展開図、折紙模型とその折り畳みの様子である。図13(c)は円弧の一部を貼り合わせて作る巻き取り型の角筒の展開図で図13(d)に示すように3角形状に巻き取ったり、あるいはほぼ平坦に折り畳むように巻き取ったりすることが出来る。図13(a)の半円形の筒をつなぎ合わせるとS字形のクランクの展開図になる。この展開図を図13(e)に、その折紙模型と折り畳みの様子を図13(f)に示す。この模型は両端からジグザグで平坦に折り畳むことができる。図13(g)は図13(d)の模型を繋ぎ合わせたものであり、図13(h)に示すように両端から巻き取る形で収納される。
図14は螺旋形状の筒の説明図であり、図14(a)はアルキメデス螺旋の説明図、図14(b)は螺旋形状の筒の展開図、図14(c)は図14(b)の構造物の斜視図、図14(d)は図14(b)の構造物の収納状態の図である。
上述したように筒を短冊や帯板に置き換えて設計する方法を用いると任意形状の筒を自由にデザインすることができる。この例として、市販の円形の丸型グラフ用紙を用い、アルキメデスの螺旋形状の筒の模型をデザインする方法を簡単な6角形を基本にして述べる(図14(a))。円の中心0から60°毎に設けた放射線でこの円を分割し、外周上の点Aの半径を1とし、反時計周りに点B、C、D・・を放射線上に定め、それらの半径を0.9,0.8,0.7のように等差的に小さく描く。これらの点を結んだものを中央線81(稜線部72)とする。点B、C・・において∠ABC、∠BCD・・・を2等分する線分IJ、KLを引く。これは折り線が対称になるようにするためである。これらの2等分線上に線分AG、AH、BI、BJ、CK、CLの長さを等しく採って、点G、H、I、J、K、L・・を定める。点G、I、K・・および点H、J、L・・を連ねて得る螺旋82および83(貼り合せ部分71)を内周と外周としたものを展開図とする。このようにして得た展開図の例を図14(b)に示す。図14(c)に示す折紙模型は図14(d)のように4角形形状で巻き取られて収納される。
図15は鉤形の筒の説明図であり、図15(a)は折り線および貼り合せ部の説明図、図15(b)は鉤形の筒の展開図、図15(c)は図15(b)の構造物を筒状に立ち上げる前の図、図15(d)は図15(c)の構造物の筒状の状態の図、図15(e)は図15(c)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図15(f)は図15(e)の状態から更に折り畳んだ状態の説明図、図15(g)は図15(c)〜図15(f)における断面積の推移の説明図である。
次に、より一般的な例として図15(a)のような鉤形の筒を考える。ここでは、右端の点Aから点Eまでジグザグ状に、この点Eから終点Kまで同方向に曲げた中心線86が描かれている。外側の境界線87と88は86と平行に描かれており、これらの境界線は、例えば、点D では∠CDEを2等分する線分で折り曲げられている。これを2枚貼りする展開図を図15(b)に示す。貼り合わせた状態の折り紙模型(図15(c))は断面が正方形の状態(図15(d))から(e)を経て上部(図15(a)における左側部分)が巻き取り型、下部(図15(a)における右側部分)が折り畳み型で折畳まれる(図15(f))。
図15に示す折り畳みの過程で矩形の管の断面積は変化する。この変化は図15(g)のようなサイン曲線で表され、最初の貼り付けた状態では断面積は0(状態I)、正方形のときに最大(状態II)になり、折り畳まれた状態で0(状態III)になる。これより折畳まれた状態あるいは巻き取りされた状態IIIで内部を加圧すると最大の断面積の状態IIまで変化して立体になり、減圧で元に帰る。これより正方形断面状態あるいは折り畳まれた状態あるいは巻き取りされた状態に近い状態で端を閉じてプラスチック製品が成形できれば内部の減圧、あるいは加圧などで駆動できる機能を持つ大変形の可能な製品が作成できると考える。これについては後述する種々の模型ついても同じことが言える。
(ドーナツ状に環状に閉じた筒)
図16は環状に閉じた筒の説明図であり、図16(a)は環状の筒の展開図、図16(b)は図16(a)の展開図を貼りあわせた状態の説明図、図16(c)は図16(a)の構造物の筒状の状態の説明図、図16(d)は図16(c)の構造物を収納した状態の説明図、図16(e)は図16(a)の構造物の内径をゼロにした環状の筒の展開図、図16(f)は図16(e)の構造物を収納した状態の説明図、図16(g)は図16(f)の状態から筒の軸方向に延ばした状態の説明図、図16(h)は図16(g)の状態から筒の断面積を最大にして筒の状態にした説明図、図16(i)は帯板が径方向に2重になった筒の展開図、図16(j)は図16(i)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図、図16(k)は帯板が径方向に3重になった筒の展開図、図16(l)は図16(k)の構造物の筒状の状態および収納状態の説明図である。
図17は環状に閉じた筒の説明図であり、図17(a)は円弧状の部分と直線上の部分とが接合された楕円状の筒の展開図、図17(b)は図17(a)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図17(c)は図17(a)の構造物の内径をゼロにした環状の筒の展開図、図17(d)は図17(c)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図、図17(e)は円弧状の部分と直線上の部分とを組み合わせたひょうたん型の筒の展開図、図17(f)は図17(e)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図、図17(g)は円弧状の部分と直線上の部分とを組み合わせた5弁花の筒の展開図、図17(h)は図17(g)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の説明図である。
自由に変形できる端のない閉じた筒に折り畳みの機能を持たせるには自由端があるものと少し状況が異なり工夫を要する。図16(a)〜図16(d)において、最初、中心角が300°の円弧を対称2枚貼りでドーナツ状の角筒を作る場合を考える。30°の要素を10個つなげてジグザグとした展開図を図16(a)に示す。図16(b)のよう貼り付け後、厚み方向に膨らしながら、左右端を差し込むように接合すると幾何学的な拘束から膨張する時には安定な構造(図16(c))になるが、容易に図16(d)のように折畳まれて小さく収納される折紙模型が作られる。
図16(e)は上の円環状の筒の内径を0にした模型を作る展開図である。ここでは半径の1/2の大きさの環状の山折り線を設け、この折り線で扇形が作る円錐を折り返している。最初、図16(e)を貼り合わせたものを図16(f)のように平坦に折り畳み、これを円周方向に広げてゆくと、円環が最も収縮した状態を示す図16(g)に変化させることができる。これを上から押し付けると大きな抵抗もなく図16(h)へと形を変える。この形は幾何学的な拘束で定まり、押しつけに対しては安定な構造である。
筒を2重の環状に並べるものや3重の折紙模型などが同じようにデザインできる。これらの展開図と折紙模型、折り畳みの様子を図16(i)〜(l)に各々示す。このような模型も膨らませた時は安定で半径方向に収縮させて収納することができる。
図17(a)〜(d)のように円弧と直線の筒を繋ぐと概略楕円形の折紙模型や多重にした模型を作ることができる。また、円弧を部分的に反対方向に用いることで、ひょうたん形(図17(e)、図17(f))や5弁花(図17(g)、図17(h))のように変形した模型をつくることが出来る。
図18は環状に閉じた筒の説明図であり、図18(a)は図16(a)の環状の筒において一部に直線部を設けた構造物の展開図、図18(b)は図18(a)の展開図を張り合わせた状態および筒状の状態にした説明図、図18(c)は図18(b)の構造物を筒の径方向に閉じた状態の説明図、図18(d)は図18(b)の構造物を収納する途中の説明図、図18(e)は図18(d)の状態からさらに収納した状態の説明図、図18(f)はひょうたん型の一部に直線部を設けた構造物の展開図、図18(g)は図18(f)の構造物の筒状の状態の説明図、図18(h)は図18(g)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図、図18(i)は環状の筒において直線部を2箇所設けた構造物の展開図、図18(j)は図18(i)の構造物の貼り合わせた状態および筒状の状態の説明図、図18(k)は図18(j)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図である。
図16、図17では、半径方向に収縮させる標準的な折り畳み構造物を述べた。次に、折紙構造が持つ折り畳みの優れた特性を上手に活用して創出した閉じた筒の少しスマートな折り畳み方法を紹介する。図18(a)は折り畳み可能な円環状の筒を作る展開図で、図のジグザグの円弧の一部に直線部91を設けることで、この直線部91に円弧部が吸い寄せられるように折り畳まれる。この展開図を貼り合わせ円弧の両端を糊付すると図18(b)のような環状の筒になる。この筒は最初、図18(c)のように簡単に折られ、図18(d)を経て、最終的に図18(e)のように想定外の形に折畳まれる。同じ手法で折り畳むことが出来るひょうたん形の構造物の展開図とこの構造物が折り畳まれる様子を図18(f)〜(h)に示す。
図18(i)は展開図に直線部91を2か所設けたもので、この展開図で作られる図18(j)に示す構造物は図18(k)のように設けた2つの直線部91に挟まれるようにして平坦に折り畳まれてゆく。
図19は環状に閉じた筒の説明図であり、図19(a)は図16(a)の環状の筒において外に凸状のハット部を2箇所設けた構造物の展開図、図19(b)は図19(a)の構造物を筒状の状態にした説明図、図19(c)は図19(b)の構造物を筒の径方向に閉じた状態の説明図、図19(d)は図19(b)の構造物を収納する過程の説明図、図19(e)はハート形の筒の構造物の展開図、図19(f)は図19(e)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図19(g)はハート形の肩部分に直線部を設けた筒の構造物の展開図、図19(h)は図19(g)の構造物の筒状の状態および収納した状態の説明図、図19(i)は一部に直線部を設けた円形環の展開図、図19(j)は図19(i)の構造物の筒状の状態の説明図、図19(k)は図19(j)の状態から筒の半径方向に閉じた状態および収納した状態の説明図である。
図19(a)に示す展開図は上の構造物で用いた2つの直線部92をハット形にし、平行4辺形と台形の要素を用いてジグザグの円弧をつないで作られている。この展開図で作られる図19(b)の構造物は図19(c)を経て図19(d)のようにハット部92に挟まれて折り畳み収納される。
図19(e)は折り畳みのできるハート形の筒を作る展開図とその構造物を示したもので、ジグザグの円弧と直線のジグザグ折りを組み合わせたものを左右対称に配置したものである。この模型は図19(f)のように中央の対称軸に左右から押し付けられるように折り畳まれる。同じハート形の筒を作る別の展開図と構造物模型を図19(g)に示す。ここでは、円弧部とジグザグ折り部の間に直線部を設けたものを対称に配置している。この構造物は図19(h)のように、2つの直線部91に挟まれるように折り畳まれる。
図19(i)(j)は図18(i)の2か所設けた直線部91に挟んで折り畳む構造物を基にして多重の円環にした展開図とその構造物で、図19(k)に示すように図18(i)の構造物と同じように問題なく良好に直線部93に挟まれて平坦に折り畳まれる。
ここではいくつかの基本的な形状を例にその形状に対応した種々の折り畳み法を紹介し、あたかも一枚の短冊を折るように折り畳むことができることを述べた。
(正方形状に閉じた筒)
図20は正方形に閉じた筒の説明図であり、図20(a)は各筒を45度の面で切断した場合の側面図および上面図、図20(b)は図20(a)の展開図、図20(c)は図20(a)の構造物を2つ接合するように配置した図、図20(d)は図20(c)の筒を接合した状態の角度関係の説明図、図20(e)は折り畳めない正方形状の閉じた筒の展開図、図20(f)は折り畳める正方形状の閉じた筒の展開図、図20(g)は図20(f)の構造物の筒状の状態の図、図20(h)は図20(f)の構造物を収納した状態の説明図、図20(i)は正方形の対角の角に直線部を配置した構造物の展開図、図20(j)は図20(i)の構造物の筒状の状態から収納される過程の説明図である。
図20(a)に示すように垂直に置いた正方形断面の筒(一辺の長さ1)を軸方向と45°の平面で対角線方向に切断すると、切断高さは√2となる。切断された筒の展開図は図20(b)のようになる。切断された角筒を2個つくり、図20(c)のように接合すると正方形断面の筒を直角につなぎ合わせることができる。図20(b)の展開図を用いると図20(c)のカド部は図20(d)のような曲がった短冊を2枚対称に貼り合わせて作ることでできる。これより正方形状に閉じた正方形断面の筒は図20(d)をつないだ図20(e)の展開図を貼り合わせて作ることができる。図20(e)の4辺部分を図9(a)のジグザグの平面折りで置き換えると、ジグザグ折りのできる閉じた角筒の展開図が得られる。これを図20(f)に、作られた構造物と折り畳みの様子を図20(g)(h)に示す。
図18、図19で前述した2つの直線部91に挟み込んで折り畳む手法を正方形状の筒に用いたものが図20(i)の展開図で、この構造物は図20(j)のように良好に折り畳まれる。
(角錐形の筒)
図21は角錐形の筒の説明図であり、図21(a)は対称2枚貼り合せの角錐の正面図、図21(b)は図21(a)の角錐の斜視図、図21(c)は折り線が対象となるように設定した説明図、図21(d)は図21(c)において四角OEDFを反転させた状態の図、図21(e)は図21(d)における角度関係の説明図、図21(f)は式(4−2)の説明図である。
平面の紙でモデル化できるもので残るものは円錐や角錐である。次に、対称2枚貼りによって4角錐筒の簡易折り畳み構造物を作る。図21(a)のような頂角θの2等辺3角形2個からなる展開図を考え、これを対称に貼り合わせて角錐形状を作る。図は貼り合わせ時の状態を表し、これより図21(b)のような角錐の筒になる。図9(e)(f)の一様太さの筒の場合と同じように斜めに切断してジグザグにつなぐことを考える。折り畳まれた状態の図21(a)の線分DFで切断すると、線分DEとEFの長さが異なるから、反転させてつなぐにはこのような直線の切断では不可能であることが判る。図21(b)の4角錐形に開いた状態を平面で切断しても同様にこの寸法の相違の問題は解決しない。
そこで図21(c)のように直線ではなく屈曲した線分DEFで切断することを考える。図の切断線より上の4角形ODEFの左右を図21(d)のように反転させて連続させるためには、線分DEとEFの長さが同じでなければならない。これを満たす条件を以下で導く。正弦定理によりDE/OE=sinθ/sin(180°−θ−β)、EF/OE=sinθ/sin(180°−θ−α)が得られる。線分DEとEFの長さ等しいとき、次式が成り立つ。
sin(180°−θ−β)=sin(180°−θ−α) …式(4−1)
これより、β=α、あるいは180°−θ−β=θ+αを得る。前者の場合は左右対称で図形は折れ曲がらないから、結局、後者の条件式でジグザグにつなぐ条件が与えられる。
2θ+α+β=180° …式(4−2)
点E周りの角度を図21(c)のようにα〜δで表すと、上部の反転後の状態を示す図21(e)は折り畳みのための補角条件は、α+δ=β+γ=180°となる。この条件は図21(c)で点O、E、Bが直線上にある(α+δ=180°)から自動的に満たされる。
式(4−2)の幾何学的意味を示したものが図21(f)で、点Dの垂直線OEに対する対称点をF′、点Eから辺OF′に引いた垂直線OHを対称軸として、点Fが点F′に対称であるとすると∠OED=β、∠OEF=αとなる。
図21(c)の切断法と式(4−2)を用いて、(a)概略直線状の角錐筒、(b)湾曲した角錐筒のジグザグ形の折り畳み模型と(c)湾曲した角筒を巻き取るように折る折り畳み構造物の例を以下に示す。
((a) 概略直線状の角錐筒のジグザグ形の折り畳み)
図22は概略直線上の角錐筒のジグザグ形の折り畳みの説明図であり、図22(a)は各節点の位置や折り線の角度の説明図、図22(b)は図22(a)において偶数段目を左右反転させた場合の説明図、図22(c)は図22(b)の方法を採用した折り畳み構造物の展開図、図22(d)は図22(c)の構造物の筒状の状態の説明図、図22(e)は図22(d)の構造物の収納途中の説明図、図22(f)は図22(d)の構造物の収納状態の説明図である。
式(4−2)でθ=10°、α=85°とすると、β=75°となる。図22(a)で点G、B、Cを外周円上の点とし、点Bを起点に角度αとβを用いて切断線ABCを定める。次にこの切断線と平行に、切断線DEF、HIJを円の中心に向かって描く。ここでは中心線OB上の起点E、I、Kの半径を0.85,0.852,0.853と等比数列的に小さくしているが、基本的に起点の位置は自由に選ぶことができる。切断線で分割された領域を下(外周部)からI段目,II段目、III段目・・として、偶数段目の左右を逆転させて積み上げると図22(b)となる。この手順によって図22(c)のような展開図が得られる。図の右のパーツを裏返して貼りつけると図22(d)のような角錐の折り畳み構造物が得られ、これを左右から押しつけると図22(e)のように自動的にジグザグ凸凹に折られ最終的に図22(f)のように完全に折り畳まれる。
((b) 湾曲した角錐筒のジグザグ形の折り畳み)
図23は湾曲した角錐筒のジグザグ形の折り畳みの説明図であり、図23(a)は各節点の位置や折り線の角度の説明図、図23(b)は図23(a)において偶数段目を左右反転させた場合の説明図、図23(c)は稜線部の傾斜角の説明図、図23(d)は図23(b)の方法を採用した折り畳み構造物の展開図、図23(e)は図23(d)の構造物の平面図、図23(f)は図23(d)の構造物の収納途中の説明図、図23(g)は巻き貝形の構造物の展開図、図23(h)は図23(g)の構造物の筒状の状態の図、図23(i)は図23(g)の構造物の収納状態の説明図である。
図23において、IとII段目、IIIとIV段目のように2つの段を一組にして取り扱う。θ=5°にすると、α+β=170°となる。I段目の下辺の切断線ABCはα=110°、β=60°、II段目の切断線DEFをα=95°、β=75°とする。III、IV段目は各々I、II段目と同じ切断角として順次この組み合わせを繰り返す。これを示したものが図23(a)で、ここではI、III、∨段目の起点とする点B、I、L・・の半径は等比数列的に小さくなるよう1,0.85,0.852・・とし、II、IV・・の起点E、Kの半径を0.85,0.85×0.7・・とした。図23(a)の偶数段目の左右を反転させたものが図23(b)で2つの段を組み合わせたものになっているから図23(c)に示すように、2つの段の組で角度(α−β)だけ折れ曲がって積み上げられ、その結果、螺旋状に配置された図23(d)が得られる。2枚の貼り合わせにより図23(e)のようなジグザグの折紙模型が得られ、これは図23(f)のように折られ、最終的に積み重なって平坦に折り畳まる。同じ手法で作られた巻貝状の模型の展開図と平坦に折り畳まれる様子を図23(g)〜(i)に示す。
((c)湾曲した角筒を巻き取るように折り畳む折り畳み構造物)
図24は湾曲した角錐筒を巻き取るように折り畳む構造物みの説明図であり、図24(a)は各節点の位置関係の説明図、図24(b)は図24(a)において各接点の角度関係の説明図、図24(c)は図24(a)の偶数段を反転させた折り畳み構造物の展開図、図24(d)は図24(c)の展開図を貼り合わせた状態の図、図24(e)は図24(c)の構造物を筒状にした状態の図、図24(f)は図24(d)の構造物の収納途中の説明図、図24(g)は図24(d)の構造物の収納状態の説明図、図24(h)は頂角が小さい角錐筒の展開図、図24(i)は図24(h)の展開図を貼り合わせた状態の図、図24(j)は図24(h)の構造物を収納する過程の説明図である。
切断角α、βやθを図22(a)と同じ値にして、切断の方向を一段毎に逆方向に行う例を示す。切断して得られる領域を上述の例と同じように下からI、II、III、・・とし、偶数段目の下辺の切断角をα=75°、β=85°に、奇数段目の下辺のそれらをα=85°、β=75°にして得た図形が図24(a)である。図24(b)はその拡大図である。図24(a)の偶数段の左右を反転させて積み上げると図24(c)の展開図になる。これを貼り合わせたものが図24(d)で、この模型は図24(e)のように丸まり、図24(f)のように3,4角形状あるいは図24(g)のように丸めながら完全に平坦に折り畳むことができる。
図24(h)〜(j)に示されるように、頂角の小さな角錐の場合は上述の例以上に容易に丸めながら折りで平坦に折り畳むことができる。頂角が大きな角錐になると平坦に折り畳める展開図の作図が幾何学的に窮屈になるため、この巻き取り法は頂角が大きな角錐の設計には不向きである。
(反転型の等角螺旋状折り線を用いた近似設計法)
図25は近似設計法の説明図であり、図25(a)は等角螺旋に基づく折り線を描く方法の説明図、図25(b)は反転型等角螺旋に基づく折り線を描く方法の説明図である。
前述したように、角錐筒の設計法は数理的に厳密なものであるが、習熟するまで作業が面倒で容易さが要求される物づくりの観点から問題が残るように考える。ここでは等角螺旋による近似作図法を述べる。円形のグラフ用紙を用意し、図25(a)に示すように周辺に点A、B、Cを等角度で定める(図では15°)。中心をO、円の半径を1とする。点Aから反時計周りに5°ずつ回転した半径上に点D、G・・を定める。ここでは、点D、G・・の半径を0.8,0.8、0.8、・・のように0.8倍で等比数列的に小さくしている。点A、D、G・・は等角螺旋上にある。何故なら、これらを結んだ曲線は各点で半径方向と同じ角度になるからである。点B、Cからも同様の螺旋を描く。
図25(a)において、ゆがんだ4辺形を外側からI、II、III、IVとして、II、IVを逆方向にすると図25(b)になる。この半径方向のジグザグ線を反転螺旋と呼び、ジグザグ幅を振り角θと名付けた。この反転螺旋図を描く場合には、円形のグラフ用紙の外周部(半径1)に点A、B、Cを定め、基準とする半径OA、OB、OCを描く。次に、任意の小さな角θだけずらせて半径OD、OE、OFを引き、半径0.8(=r)の点D、E、F・・を打つ。元の半径に戻って半径0.8(=r2)で点G、H、I・・を定める。この行き来を繰り返しながら半径を0.8、0.8・・と中心に向かって小さくして打点してゆくと所望するジグザグの折り線図が得られる。
図23では厳密に折り畳み条件が成立するよう折り線を定めたが、この反転型の等角螺旋状折り線を用いると振り角θ分だけ平坦に折り畳む条件を満たさない。しかしながら、θを小さな値、例えば1〜3°に選択すれば紙やプラスチック材などの柔らかい材料では折り畳みに問題が生じることはほとんどない。θ値が小さいほど直線に近い折り畳み構造になるため、実用的には極めて簡便でこの等角螺旋法による設計法を推奨したい。
図26は近似設計法で作製した折り畳み構造物の説明図であり、図26(a)は頂角を10度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(b)は図26(a)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(c)は図26(b)の構造物を収納する途中の状態の説明図、図26(d)は図26(b)の構造物を収納した状態の説明図、図26(e)は頂角を40度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(f)は図26(e)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(g)は図26(e)の構造物を径方向に閉じた状態の説明図、図26(h)は図26(e)の構造物を収納した状態の説明図、図26(i)は頂角を80度に設定した折り畳み構造物の展開図、図26(j)は図26(i)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(k)は図26(i)の構造物を収納した状態の説明図、図26(l)は図26(e)の展開図を頂角で繋いだ折り畳み構造物の展開図、図26(m)は図26(l)の構造物を筒状に立ち上げた状態の図、図26(n)は図26(l)の構造物を収納する過程の説明図である。
上述の誤差1〜2%を許容して作った折り畳み構造物を図26に示す。片面の頂角10°の扇形に反転型等角螺旋の等比数列の公比(縮小率r)を0.85とし、振り角θを0.5°として描いた展開図を図26(a)に、これを2枚貼りして得た折紙模型と折り畳まれる様子を図26(b)〜(d)に示す。角筒の場合と同じように短冊を折るように極めてスムーズに折り畳まれる。
図26(e)に片面の頂角40°の扇形に螺旋の縮小率を0.8、振り角2°で描いた展開図を、図26(f)〜(h)にその折紙模型と折り畳まれる様子を示す。図26(i)に片面の頂角80°の扇形に螺旋の縮小率を0.8、振り角2°で描いた展開図を、図26(j)(k)に折紙模型と折り畳みの様子を示す。図26(l)に2つの角錐を頂点でつないだときの展開図、その折紙模型を図26(m)(n)に示す。
(螺旋形状の角筒の簡便なデザイン法)
図27は螺旋形状の角筒のデザイン法の説明図であり、図27(a)は稜線部および貼り合せ部の説明図、図27(b)は図27(a)において稜線部等がジグザグになるように設定する場合の説明図、図27(c)は図27(a)の方法で作製した折り畳み構造物の展開図、図27(d)は図27(c)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の図、図27(e)は図27(b)の方法で作製した折り畳み構造物の展開図、図27(f)は図27(e)の構造物を筒状にした状態および収納した状態の図である。
次に市販の円形グラフ用紙を用い、角錐状の筒をデザインする方法を図27(a)を用いて述べる。一例として6角形を基本にし、円の中心0から60°の放射線で円を分割する。外周上の点Aの半径を1とし、反時計周りに点B、C、D・・を放射線上に定め、それらの半径を0.8、0.8、0.8のように等比的に小さくとる(公比r=0.8)。これらの点を結んだものを中心線101とする。点B、C・・において∠ABC、∠BCDの2等分線FJ、GKを引く。ここで、点F、Gの半径を点B、Cのそれらより15%大きくとる(幅拡大比s=1.15)。すなわち、それぞれの半径は1.15×0.8,1.15×0.8である。点B、Cが中点となるよう線分FJ、GKを定め、∠IAB=∠JBCとなる線分EIを点Aに引く。点Eの半径を1.15とし、点Aが中点になるよう点Iを定める。点I、J、K、L・・と点E、F、G、H・・を連ねた102,103が展開図の内周と外周を与える。このようにして得た展開図を図27(c)に示す。図27(d)に見られるようにこの折紙模型は巻き取る形で折り畳まれる。
図27(a)をジグザグにする場合の例を図27(b)に示す。円の中心0から30°の放射線で円を分割し、外周上の点A(半径1)から、反時計周りに点B、C、D、E、F・・を放射線上に定める。ここで、一つ飛びの点A、C、E・・の半径を1,0.8(=p)、0.64(=p)のように等比的に小さくなるよう定める。次に、これらの点の中央の点B、D、F・・の半径を0.75(=q)、0.6(=pq)、0.48(=qp)、0.384(=qp)のように(ジグザグになるよう)小さく選ぶ。これらの点を結び中心線101′とする。先のモデルと同じように、点B、C・・において∠ABC、∠BCD・・の2等分線IJ、KL・・を引き、ジグザグ状の展開図の内周102′と外周103′を定める。図では外周の点H、J、L・・は中心線101′を形作る点A、B、C・・の半径のそれらより25%大きくしている。このようにして得た展開図を図27(e)に、その折紙模型はジグザグ型のため平坦に折り畳まれる(図27(f))。
(角錐筒の突合せ接合)
図28は角錐筒の突き合わせ接合の説明図であり、図28(a)は角筒の一端を斜めに切断した展開図、図28(b)は頂角が10度の角錐の外端を斜めに切断した展開図、図28(c)は頂角が30度の角錐の外端を斜めに切断した展開図、図28(d)図28(a)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(e)図28(b)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(f)図28(c)の展開図を2枚対称に貼り合わせた折り畳み構造物の斜視図、図28(g)は図28(d)〜(f)の構造物の四隅の点が同一平面上にないことの説明図、図28(h)は図28(e)の構造物と図28(f)の構造物を組み合わせた構造物の説明図、図28(i)は図28(h)において断面が正方形になるように接合線ACで切断した上側部分の構造物の展開図、図28(j)は図28(h)において断面が正方形になるように接合線ACで切断した下側部分の構造物の展開図、図28(k)は図28(j)の構造物を筒状にした状態で接合した図、図28(l)は図28(k)の構造物の展開図である。
図28(a)〜(c)は4角形の筒および頂角の異なる2種類の角錐筒の展開図を2枚貼り合わせた状態で下部を水平方向と20°で切断したものである。これらを左右から押し付けて断面を正方形の状態にした4角筒、4角錐筒の側面の様子は各々図28(d)〜(f)のようになる。図28(d)の4角筒の場合(頂角θ=0°)には4隅の点A〜Dは筒の断面の形を変えても常に一つの平面上にある。これが前章で述べた切断してつなぐ模型の容易な変形と折り畳みを担保している。一方、角錐の場合には図28(e)(f)から判るように4隅の点A、B′、C、D′は同一平面上にはなく、図28(g)に模式的に示すように中央の点B′やD′で凹んだ位置にくる。断面形状を変えるとこの凹み量が変化し、凹み量は頂角θが大きなものほど顕著である。
図28(h)のようにθが10°と30°角錐を組み合わせで作られた段付きの展開図を貼り合わせた模型の挙動を上述の角錐の幾何学的特性に留意して以下で検討する。図28(i)と(j)は図28(h)を接合線A−Cで切断し、その上部分と下部分を各々2枚貼りして、断面を正方形にしたときの側面の様子を模式的に示したものであり、上部(図28(i))の下辺ABCと下部(図28(j))の上辺ABCの形には明らかな相違が生じる。これは図28(h)のようなパーツを2枚貼りしても面の大きな曲がりを許容しない限り立体化して筒状には出来なことを意味する。また、図28(k)のように、頂角の大きな角錐の底部分を突合せて接合した展開図の場合も、図28(l)のように接合部に大きな隙間が生じるため、このような形状の2枚貼り模型も面の曲りなしに立体化や折り畳みができない。
図29は角錐の頂角側の部分を突き合わせた構造物の説明図であり、図29(a)は突き合わせ部分の傾斜角が20度の構造物の展開図および折った状態の図、図29(b)は突き合わせ部分の傾斜角が60度の構造物の展開図および折った状態の図、図29(c)は突き合わせ部分に切れ込みを入れた構造物の展開図および折った状態の図である。
上述のように、頂角の異なる角錐筒を接合して接合面で折り畳める模型を作ることは幾何学的観点からは不可能であると考えられる。しかしながら、種々の折紙模型を作ると図29(a)(b)のように頂角の小さな角錐を頂点方向に突合せて接合した場合や頂角の大きな角錐であっても少し曲がった状態で突き合わせて接合した場合には、折り畳み時に(平)面が相応に湾曲し簡単に折り畳める場合がある。そのため、紙や布のように柔らかな素材を用いた製品のデザインにおいては、実用的観点から上述の幾何学的な議論はその意味を失う。また、服飾品などのデザインの場合には図29(c)のように上部に切込みを入れる作品も多く、このような場合には上述の幾何学的な拘束の問題が氷解してしまう。
(2枚貼り合わせによるT字分枝とY字分枝の折り畳み)
図30は2枚貼り合せによる分枝の折り畳みの説明図であり、図30(a)は折り畳み可能なT字の分枝構造の展開図、図30(b)は図30(a)の展開図を貼り合せた状態と収納する途中の状態の図、図30(c)は図30(a)の両袖部分を下がり気味にした折り畳み可能な矢印型の分枝構造の展開図、図30(d)は図30(c)の展開図を貼り合せた状態と収納する途中の状態の図、図30(e)は図30(a)の袖部が支えの筒部よりも太い折り畳み不能な分枝構造の展開図、図30(f)は図30(e)に補助折り線を形成した折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(g)は図30(f)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(h)は袖部が支えの筒部よりも細い場合に補助折り線を形成した折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(i)は図30(h)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(j)は袖部を台形にした折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(k)は図30(j)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(l)は両袖部分を上がり気味にした折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(m)は図30(l)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(n)は図30(a)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の展開図、図30(o)は図30(n)の構造物の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(p)は図30(k)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の筒状の状態と収納する途中の状態の図、図30(q)は図30(m)において切り込みを入れた折り畳み可能な分枝構造の筒状の状態と収納する途中の状態の図である。
図29で前述した突き合わせ構造の発展形として、ここでは左右対称のT字やY字形の分枝構造の折り畳みを考える。図30(a)(b)はT字の横棒(袖部111)と垂直の支えの筒部分112が同径のT字分枝の展開図と2枚貼りによる折紙模型で水平の両袖111が垂直の筒部112に沿うように折り畳まれる例を示したものである。このように折り畳むためには、袖部111と支え筒112の脇から描かれた谷折り線が脇の角度を2等分するよう設けることが必要である。これについては後述する。
このような構造の折り畳みは幾何学的な拘束を強く受け、模型が折り畳めるのは素材の柔軟性に因る。折り畳めるか否かの判定は多分に主観的なものであるため、ここではグラフ用紙程度の厚さの紙で作られた模型が破損なく折り畳まれるか否かを一つの目安とする。どのような模型が折り畳めるのかを数理的に明らかにするのは現状では容易なことではないため試行錯誤的な取扱いになる。以下にこのような模型の折り畳みの例を述べる。
図30(c)(d)のように両袖部分111を少し下がり気味にした2枚貼りの構造物も容易に折り畳まれる。図30(e)は袖部111が支えの筒部分112より太い場合で、この模型を折り畳むことはできないが、図30(f)の展開図のような補助折り線113を設けると、分枝中心付近の折り目が移動することで辛うじて折り畳まれる(図30(g))。
図30(h)は袖部111が垂直の支えの筒部分112より細い場合で図に設けた補助折り線113で図30(i)のように、また、袖部111を台形した場合も図30(j)のような補助折り線113を用いると、図30(k)のように良好に折り畳まれる。両袖111の上がったT字分枝の折り畳みは困難であるが、図30(k)のように補助折り線113を上手に設けると折り畳むことが出来る。このような例から「曲げられるT字の横棒(袖部111)が支え112に対して(分枝中心付近で)細いものや下がり気味の構造物は直接あるいは補助折り線113を適切に導入することで折り畳むことが出来るが、太くなるほど難しくなる」と大まかにまとめることができる。
上述した構造物を厚紙や高分子材などで作ると折り畳むのは容易なことではない。このような場合には切込み114を入れることで簡便に折り畳むことができる。図30(n)は上の基本の模型の中央に幅の半分だけ上から切込みを入れたもので、図30(o)のように容易に折り畳まれる。図30(p)(q)はT字の袖部111と支え部112を台形にした場合とY字の全ての部分を台形にした場合である。これらの構造物を折り畳むことは不可能ではあるが、切り込み114を設けることで折り畳みが極めて容易になる。このため、切込み法は実用性に富んだ簡便法として一つの有用な手法になると考える。
図30ではT字とY字分枝型の袖部分の可動性を検討し、補助折り線113を設けて折り畳む方法や切込み114を入れる簡便方法を述べた。しかしながら、両袖111と支え部112を一体化して平坦に折りに畳むためには、展開図が次に述べる幾何学的な条件を満たしていなければならない。
図31は分枝構造の幾何学的な説明図であり、図31(a)は対称2枚貼りのT字構造の右半分の展開図、図31(b)は図31(a)を折り畳んで矢印XXXIB方向から見た図、図31(c)は図31(a)の小周防物を完全に折り畳んだ状態の図、図31(d)は切れ込みを入れる条件の説明図である。
図31(a)は対称2枚貼りのT字模型の右半分の展開図を示したものである。この模型を折って図31(a)の左方向(矢印XXXIB方向)から見ると図31(b)のようになっている。完全に折り畳んだ状態を示したものが図31(c)である。袖部111を平坦に折り畳んだとき、鉛直方向の筒の稜線BCが中央に来て左右の連続性を保つためには図31(a)の展開図で「∠ABC、すなわち袖部111と支えの筒112がなす脇の角を谷折り線BDが2等分するように定めねばならない」。これが基本となる条件である。図30で示した全ての模型はこの条件を満たすように引いた谷折り線で折紙模型が作られている。
第2の条件は谷折り線を引いたことから生じる問題で、図31(d)で谷折り線BDの左の上端の点Dが水平方向の筒の稜線121より下に来る場合はこの点Dまで切込むことが必要である。図31(d)のように点Dが稜線121より上にあると線分EDに切込みを入れても折り畳むことはできない。これについては後述する。
(分枝構造を用いた応用構造)
分枝構造を組み合わせると平面を特定の模様で埋め尽くす網目模様が作られる。この構造に折り畳みの機能を持たせると大きな構造を効率よく収納できる構図物が設計出来る。次に、このような折り畳み構造や分枝構造を改良して基礎的な立体構造物を作ることを2枚貼りの折紙手法で考える。
(T字分枝およびY字分枝の連結構造)
図32は分子構造を用いた応用構造の説明図であり、図32(a)はT字分枝を連結させた網目状の筒構造の展開図、図32(b)は図32(a)の構造物を筒状にした図、図32(c)は図32(b)の構造物の要部拡大図、図32(d)は図32(b)の構造物を収納する途中の図、図32(e)は図32(d)の状態からさらに収納した状態の図、図32(f)はY字分枝を連結させた網目状の筒構造の展開図、図32(g)は図32(f)の構造物を筒状にした図、図32(h)は図32(g)の構造物の要部拡大図、図32(i)は図32(g)の構造物を収納する途中の図、図32(j)は図32(i)の状態からさらに収納した状態の図、図32(k)は図32(c)の切れ込みをV字状にして支え部分に棒を貫通させた状態の説明図である。
図32(a)のT字分枝を連結させると網の目状の筒状構造になる。その展開図、筒状に立ち上げた状態を各々図32(a)(b)に示す。ここでは、変形を可能にするため分枝の中心上部に切込み114を設けた(図32(c))。これは図32(d)を経て図32(e)のように折り畳まれる。
Y字分枝を連結した展開図、筒状に立ち上げた状態、切込み114の様子を図32(f)〜(h)に示す。折紙模型は正6角形模様が連なった筒状構造になり、図32(i)(j)のように変形する。これらは筒部材を蝶番でつないだ構造で、切り込み部分114が蝶番の働きをする。そのためプラスチックなどで製品化した際には耐久性などの問題があるが簡便ゆえの利便性は大きいと考えている。図32(c)の切込み114を∨字形にして図32(k)のように丈夫な棒116を差し込んで貫通させると、碁盤目のメッシュ構造になり、工事現場や園芸用品などで収納効率の良い組み立て式の製品になると期待される。
(分枝モジュールの折り畳み構造物)
図32では分枝の中心部分の一部に切込みを入れて蝶番機能を持たせて折り畳む方法を述べた。ここでは切込みをなくし、分枝構造の枝の部分を長くしてこれに折り畳み機能を持たせるモジュールと名付けた部品を2枚貼り手法で製作し、これらを接合して大きな構造を作る方法について述べる。このような部品は高分子材料で簡単に成型できるため、端末を閉じて空気や水圧で構造全体を収縮・展開(拡張)させることを考えている。
(Y字モジュール)
図33はY字状の分枝モジュールの説明図であり、図33(a)は分枝の中心部が六角形のY字分枝構造の展開図、図33(b)は図33(a)に貼り合せられる対称の展開図、図33(c)は図33(a)、図33(b)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図33(d)は図33(c)のモジュールを6つ連結して作成された構造物の図、図33(e)は図33(d)の構造物が収納された状態の図、図33(f)は図33(d)の構造物が連結された網目状の構造物の図、図33(g)は図33(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の中心部の説明図、図33(h)は図33(g)の中心部の折り線の説明図、図33(i)は図33(g)の構造物を収納した状態の図である。
図33(a)(b)は分枝の中心部131を6角形で作ったものの表裏1対の展開図とその構造物でY字モジュール132と呼ぶ。この構造物の枝部分133は図33(a)(b)に基づく折り畳みのできるものでジグザグの数と周期長は自由に選べるため枝部133の長さに制限はない。図33(d)は6個つないで正6角形を作ったもの、図33(f)はこのモジュール132を更につないで網目構造を作ったもので、図33(d)の正6角形のモジュール132は図33(e)のように小さく収納される。図33(g)は分枝の中心部131が図33(h)のように図33(a)とは異なる展開図によるもので、図33(i)のように収納される。
(十字モジュール)
図34は十字状の分枝モジュールの説明図であり、図34(a)は分枝の中心部が八角形の十字分枝構造の展開図、図34(b)は図34(a)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図34(c)は図34(b)の構造物が収納される途中の図、図34(d)は図34(b)のモジュールを4つ連結して作成された網目状の構造物の図、図34(e)は図34(d)の構造物が収納された状態の図、図34(f)は図34(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の中心部の折り線の説明図、図34(g)は図34(f)の中心部を有する網目状の構造物の説明図、図34(h)は図34(g)の構造物を収納した状態の図である。
図34(a)〜(c)は分枝の中心部を8角形にした4本枝の分枝モデルの展開図とその模型、および枝部133′が折られる様子を示したものである。これを十字モジュール132′と名づける。枝部133′が折り畳まれた時、モジュール132′の中心部131′は上面図が正方形の直方体状になる。図34(d)はこれを連ねて作った網目構造の基本要素で図34(e)のように折畳まれて収納される。分枝の中心部131′を図34(f)のような展開図に変えることもでき、これによって作られた網目構造と収納の様子を図34(g)(h)に示す。
(亀の子モジュール)
図35は亀の子型の分枝モジュールの説明図であり、図35(a)は分枝の中心部が12角形の亀の子分枝構造の展開図、図35(b)は図35(a)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の図、図35(c)は図35(b)のモジュールを7つ連結して作成された網目状の構造物の図、図35(d)は図35(c)の構造物が収納される途中の図、図35(e)は図35(c)の構造物が収納された状態の図、図35(f)は図35(a)とは異なる折り線を有する分枝構造の展開図、図35(g)は図35(f)の展開図を貼り合わせて作成された構造物の筒状の状態および収納される過程の図、図35(h)は図35(g)のモジュールを3つ連結して作成された網目状の構造物の図、図35(i)は図35(h)の構造物が収納される途中の図である。
図35(a)は分枝の中心部が12角形の亀の子(亀の甲)モジュール132″と名づけた分枝構造の展開図で、その折紙模型を図35(b)に示す。図35(c)〜(e)はこれをつないで作った正3角形による平面充填模様の網目構造と枝部133″が折り畳まれて効率よく収納されることを示したものである。図35(f)〜(i)は枝部133″を長くしたモジュールの展開図とその模型、これをつないだ模型の折り畳みの様子を示したものである。
(概略対称のパーツの貼り合わせによる構造物)
次に、以下では、正4面体や正6面体などのプラトンの正多面体の稜線がなす骨格構造やそれらの折り畳み構造を外側と内側のパーツで置き換え、それらを貼り合わせる2枚貼り方法を用いて作る。外側のパーツの展開図を基本に、折り返しのための折り線を付加した展開図を内側パーツとして用いるため「概略」対称貼り合わせとした。ここでは、(i)頂点に集まる稜線を枝と考え、この集まりを分枝構造(分枝モジュールと呼ぶ)と見て、これらをつないで多面体を作る方法と、(ii)一体化した展開図を貼り合わせて構造を作る2つの方法を述べる。前者はプラスチックなどで成形した部品をつないで製品を作ることを考えたものであり、後者は折紙的な方法によるものづくりを考えている。
(正4面体)
図36は正4面体の構造物の説明図であり、図36(a)は正4面体の稜線部分の断面の説明図、図36(b)は図36(a)を折り畳んだ場合の説明図および四面体の展開図、図36(c)は正4面体の稜線部分の外側のパーツの展開図、図36(d)は正4面体の稜線部分の内側のパーツの展開図、図36(e)は正4面体の角の部分の拡大図、図36(f)は図36(c)、図36(d)の展開図から構造物を組み立てる途中の状態の図、図36(g)は図36(f)の構造物が完成した状態の図、図36(h)は図36(g)の構造物の角を折り畳んだ状態の図、図36(i)は図36(h)の角の部分の拡大図である。
まず、正4面体の6本の稜線部分141を4角形断面の筒にした骨格構造を2枚貼り手法でデザインする。次に、これを基に折り畳むことができる正4面体の骨格構造を作る。図36(a)はこの製作法を概念的に示したもので稜線部141を外側と内側の2つのパーツ142,143からなる4角形断面の筒とし、正4面体の頂点部分144は図36(b)に示すように内側のパーツ143の展開図に折り返しのための谷折り線146を設けたものにする。
6本の稜線部分を4角形断面の筒にした構造を示したものが図36(c)(d)で各々が外側パーツ142と内側パーツ143に対応し、頂点部144は図36(e)に示すように半平面180°を9等分して3本の稜線部分141を配置したもので、デザインの手法は、図33〜図35のモジュール中心部131,131′,131″と同じ考えに基づいている。
パーツ142,143の相違は内側パーツ143には折り返しのため中心軸と80°で交差する谷折り線146が追加して設けられていること(図36(e))と糊しろ部が付与されていることである。図36(c)を折ると図36(f)になり、図中の点EとFを貼り合わせると図36(g)に示すように正4面体の外側部分になる。図36(d)を折ると図36(h)の内側部分が作られる。図36(i)に内側パーツ143の頂点部144の拡大図を示す。製作手順は内外パーツ142,143を貼り合わせた後、最後にE−F部を結合すると作りやすいように思われる。
図37は折り畳み可能な正4面体の構造物の説明図であり、図37(a)は展開図、図37(b)は図37(a)の構造物が立ち上がった状態の図、図37(c)は図37(b)の構造物が収納された状態の図、図37(d)は四面体を4つのモジュールに分割する説明図、図37(e)は分割されたモジュールの斜視図である。
折り畳みができる正4面体の骨格構造の構造物は上述の頂点部分144をそのまま用い6本の稜線部分141′を折り畳みにした2つのパーツの展開図(図37(a))を用いる。これらを折って貼り合わせると図37(b)のような折り畳み可能な構造物になる。図37(b)の模型は図37 (c)のようにその枝(稜線)部141′がコンパクトに折り畳まれる。稜線部分141′がより長いものを製作するときは図37(d)のように頂点144を起点に正4面体を4分割し、これをモジュール147(図37(e))としてつなぎ合わせると便利である。
(立方体(正6面体))
図38は正6面体の構造物の説明図であり、図38(a)は正6面体の展開図、図38(b)は図38(a)の構造物の斜視図、図38(c)は正6面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図38(d)は図38(c)の構造物の斜視図、図38(e)は正6面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図38(f)は図38(e)の構造物の斜視図、図38(g)は6面体を8つのモジュールに分割する説明図、図38(h)は図38(e)の角部分を採用した正6面体の展開図、図38(i)は図38(h)の構造物の斜視図および角部分を折り畳んだ図、図38(j)は図38(e)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図38(k)は図38(j)の構造物の斜視図、図38(l)は図38(k)の角部分を採用した正6面体の斜視図、図38(m)は図38(l)の構造物を収納する途中の状態の図、図38(n)は図38(m)からさらに収納した状態の図、図38(o)は図38(l)の構造物の展開図である。
次に、折り畳みのできる立方体の骨格構造を貼り合せ法で作る方法を述べる。外側のパーツ152の最も簡単な展開図とその模型を示したものが図38(a)(b)である。立方体の頂点154を形作る内側のパーツ153の展開図の例を外側パーツ152とともに示したものが図38(c)(d)である。この展開図を折るのは極めて窮屈な作業で実用性は期待できない。これに換えて頂点部分154に余裕をもたせた図38(e)に示す展開図を用いる。展開図の分枝中心で枝部分151の中心角を50°、分枝間の余白部を40°とした。内側パーツ153の折り返し角度を67.5°としている。この模型は図38(f)のようになる。その結果、外側のパーツ152と内側のパーツ153の展開図は内側のそれに折り返しの折り線156を追加するだけの相違になっている。ここで、完成したモジュール157をつなぐための糊しろ部分は削除されている。図38(f)をモジュールとして図38(g)のように8個を立方体の頂点にしてなぎ合わせると立方体の稜線を筒部材とした骨組み構造が得られる。
図38(h)はこのパーツを8個つないで一体化した展開図で、これらを用いて作った外側パーツ152、内側パーツ153、これを組み合わせた完成品の折紙模型の様子を図38(i)に示す。
折り畳みができる立方体の骨格構造の模型は上述のそれらの頂点部分をそのまま用い、稜線部分151′をジグザグ折りに置き換えて折り畳めるようにした展開図(図38(j))で作られる。これらを折って貼り合わせると図38(k)のようなモジュール157′を得る。これを8個つなぐと図38(l)の折り畳み構造物になり、この構造物は図38(m)(n)のようにコンパクトに折り畳まれる。図38(o)はこの折り畳み立方体を2枚の紙の貼り合わせで作るための一体化された展開図である。
(正8面体)
図39は正8面体の構造物の説明図であり、図39(a)は正8面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図39(b)は図39(a)の構造物の斜視図、図39(c)は図39(a)の角部分を採用した正8面体の展開図、図39(d)は図39(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図39(e)は図39(c)の構造物の斜視図、図39(f)は図39(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図39(g)は図39(f)の構造物の斜視図、図39(h)は図39(g)の構造物を収納する過程の図である。
正8面体の頂点数は6で、面は正3角形8つで構成され、一つの頂点に集まる稜線とこれで構成される面の数はいずれも4である。この頂点部分を4本の分枝構造と見なして作った展開図と折紙模型を図39(a)(b)に示す。ここで分枝の中心は20°毎に分割され、中心角は60°が4面分の240°で作られている。2枚貼りした分枝構造のモジュールを6個つなぐと正8面立方体の骨格が作られる。6個を一体化したものは図39(c)の展開図で作られ、各々、外側と内側の展開図を表している。外側だけを折ったものと内側と外側を貼り合わせたものの様子を図39(d)(e)に示す。折り畳みのできる正8面立方体の骨格構造を一体化して作る展開図を図39(f)に、その模型と折り畳みの様子を図39(g)(h)に示す。
(正12面体および正20面体)
図40は正12面体の構造物の説明図であり、図40(a)は正12面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図40(b)は図40(a)の構造物の斜視図、図40(c)は図40(a)の角部分を採用した正12面体の展開図、図40(d)は図40(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図40(e)は図40(c)の構造物の斜視図、図40(f)は図40(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図40(g)は図40(f)の構造物の斜視図、図40(h)は図40(g)の構造物を収納する過程の図である。
正12面体は頂点数20、面の数は正5角形12で、一つの頂点に集まる稜線と面の数はいずれも3であることが判る。この頂点部分を3本の分枝構造にした展開図と分枝モジュールの模型を図40(a)(b)に示す。ここで分枝の中心は27°毎に分割し、中心角を324°、すなわち、正5角形の内角108°を3つ分にしたものである。この分枝モジュールを20個つなぐと正12面体の骨格を得る。これを一体化した展開図は図40(c)のようになり、外側だけを折ったものを図40(d)に、内、外パーツを貼り合わせた完成模型を図40(e)に示す。折り畳みのできる正12面体の骨格構造を一体化して作る展開図を図40(f)に、その模型と折り畳みの様子を図40(g)(h)に示す。
図41は正20面体の構造物の説明図であり、図41(a)は正20面体の角部分の外側および内側パーツの展開図、図41(b)は図41(a)の構造物の斜視図、図41(c)は図41(a)の角部分を採用した正20面体の展開図、図41(d)は図41(c)の外側パーツのみを組み立てた構造物の斜視図、図41(e)は図41(c)の構造物の斜視図、図41(f)は図41(a)の角部を採用し且つ稜線が折り畳み可能な外側および内側パーツの展開図、図41(g)は図41(f)の構造物の斜視図、図41(h)は図41(g)の構造物を収納する過程の図である。
正20面体の頂点数は12、面の数は正3角形20で、一つの頂点に集まる稜線と面の数は5である。この頂点部分を5本の分枝構造にした展開図と分枝モジュールの模型を図41(a)(b)に示す。ここで分枝の中心は20°毎に分割し、中心角を正3角形の内角60°の5個分として300°としている。モジュールを12個つなぐと正20面体の骨格になる。これを一体化した展開図の一例を図41(c)に示す。外側だけを折ったものと貼り合わせ後の完成模型を図41(d)(e)に示す。折り畳みのできる正20面体の骨格構造を一体化して作る展開図を図41(f)に、その模型と折り畳みの様子を図41(g)(h)に示す。
(準対称の貼り貼り合わせによる折紙構造)
(平面折りの積み重ねによる角筒のつなぎ合わせ)
図42は角筒のつなぎあわせ方法の説明図であり、図42(a)は対称の2つの角筒の展開図、図42(b)は図42(a)の構造物の斜視図、図42(c)は図42(a)の角筒どうしのつなぎあわせ方の説明図、図42(d)は図42(a)の2つのパーツを1枚のシートで形成するための展開図、図42(e)は図42(d)の展開図を貼り合わせる途中の説明図、図42(f)は図42(e)の構造物が完成した状態の図、図42(g)は図42(f)の構造物を折り畳んだ状態の図、図42(j)は図42(f)の構造物を積層した構造物の説明図、図42(k)は図42(j)の構造物を折り畳んだ状態の図、図42(l)は図42(f)の構造物のプラスチック製品の図である。
ジグザグの平面折りの周期を交互に極く少量ずらすことにより2枚のジグザグ面を貼り合わせることができる。ここではこれを準対称貼りあわせと呼ぶ。この展開図と折紙模型の例を図42(a)(b)に示す。この展開図の鉛直方向のジグザグの折り線は等間隔ではなく薄墨分だけ交互に広くしたもので構成されている。2枚の展開図は同じもので、裏面どうしを薄墨部で接合する。展開図をジグザグに折り2枚の紙を図42(c)の模式図のように配置し、接触部(薄墨部)を貼り合わせる。図42(d)(e)はこれを1枚の紙で作れるようにしたもので中央の垂直線で折り返す。図42(c)のように配置後接触部を貼り合わせ、上から押し付けると図42(f)のようにジグザグの筒が並んだ折紙模型が得られる。この折紙模型は図42(g)のようにあたかも1枚の紙のように平坦に折り畳まれる。この積み重ねは何層であっても折り畳みは容易にできるため、高効率の収納可能な3次元の折り畳み構造が作られる(図42(j)(k))。図42(l)にこの模型に基づく実用的なプラスチック製品の例を示す。
(角錐筒のつなぎ合わせによる扇形および円形構造)
図43は角錐のつなぎあわせ方法の説明図であり、図43(a)は対称の2つの角錐の展開図、図43(b)は図43(a)の構造物の斜視図、図43(c)は図43(b)の構造物を折り畳んだ状態の図、図43(d)は対称の2つのパーツが半円状の場合の展開図、図43(e)は図43(d)の構造物の斜視図および折り畳んだ状態の図、図43(f)は対称の2つのパーツが円状の場合の展開図、図43(g)は図43(f)の構造物の斜視図および折り畳んだ状態の図である。
鏡面則を用いて得た角錐の展開図(図26(e))についても前項と同じように2枚貼りをすることができる。図26(e)の展開図の右半分を3つ円周方向に極狭い隙間を持たせて貼り合わせたものを図43(a)に示す。これを2枚貼り合わせて折ると図43(b)のようになり、この模型は図43(c)のように簡単に折ることができ、最終的に平坦に折り畳まれる。半円および円形膜の展開図と模型、折り畳みの過程を各々図43(d)(e)と図43(f)(g)に示す。これらの展開図も鏡面側に従い得られたもので、中心部を含めた円形膜の折り畳みはできないため、図示した模型は中心部を大きく切り取った環状模型にしている。
(部分貼り合わせによる折紙手法)
図44は部分貼り合せ方法の説明図であり、図44(a)は部分貼り合せの構造物の折り線の説明図、図44(b)は図44(a)の帯板を2つ対称に並べた状態の図、図44(c)は図44(b)から空白部どうしを仮止めした状態の図、図44(d)は図44(c)を模式的に示した図、図44(e)は図44(d)の折り目部分を拡大した図、図44(f)は図44(d)を正方形になるように折った図、図44(g)は図44(a)の空白部に谷折り線を追加した図、図44(h)は図44(g)の構造物の斜視図、図44(i)は図44(g)を高さ方向に積み上げた展開図、図44(j)は図44(i)の構造物の外筒と内筒のそれぞれの斜視図および外筒と内筒を組み合わせた2重筒の斜視図と上面図である。
以下に、予め折り目を付けた紙を周期的に貼り合わせ、これを一枚の紙と考えて折る折紙手法について述べる。これによって折り畳みのできる2層構造を設計することができ、新しい造形作品を創出することが出来るのは勿論のこと、層間に空気などを注入して管を駆動するアクチュエータなどの工業製品をデザインする際に応用できると考えられる。3つの例を以下に示す。
図44(a)は短冊の中央に水平の折り線を設け、鉛直方向に角度α(図では75°)で折り線201,202,203を等間隔aで引き、長さbの空白部204を設けたのち、折り線201〜203と空白部204を繰り返し設けたものである。これを2枚用意し、図44(b)に示すように折り線201〜203を各々、谷、山、谷折り線とし、空白部204を(仮止めの)糊付けし、糊付けされたものを折り目入りの一枚の紙と考える(図44(c))。図44(c)を模式化したものが図44(d)で、図44(e)のように折り目部分を蝶番A〜Fで置き換えて考える。図44(d)を図44(f)のように正方形に折ると、外側の紙の蝶番AとC(図44(a)の折り目201と203)は伸びて平面状になり、Bだけが直角に曲がる。一方、内側の紙ではすべての蝶番が直角に折れ曲がる。
図44(a)の空白部204に図44(g)に示すように新たにβ=30°の谷折り線206を設ける。山折り線202はα=75°としたから、α−β=45°となり、この山折り線202と新たな谷折り線206とのペアで短冊は(75−30)×2=90°だけ折れ曲がる。図44(g)にはこの折れ線のペアが4個あるから、図44(h)のように概略正方形状で4隅に穴の開いた断面が作られ、この筒は垂直方向に折り畳むことができる。図44(g)の短冊を高さ方向に積み上げると折り畳みができる概略正方形状の筒の展開図になる、外筒211と内筒212のみの模型およびこれらを組み合わせた2層筒213を図44(j)に示す。これは本発明者が過去に提案した反転らせん型の多角形筒の折り畳み法を基にしたものである。
図45は部分貼りあわせによる六角筒の説明図であり、図45(a)は内筒の展開図、図45(b)は外筒の展開図、図45(c)は二重筒の斜視図、図45(d)は図45(c)の上面図、図45(e)は内筒のみの斜視図、図45(f)は外筒のみの斜視図である。
上述の部分貼りつけ法を用いて、6角形状の折り畳み筒をデザインしたものが図45(a)(b)で、各々内筒212と外筒211の展開図である。内筒の薄墨部分が仮止め部(空白部204)で図45(a)と(b)のαとβを各々75°、45°とした。これらの角度の折り線202,206のペアで、(75−45)×2=60°だけ短冊が折れ曲がり、図45(a)(b)の展開図には6つのペアの折り線202,206を配されているため、折り畳み時の閉じる条件が満たされ、6角形の星形で平坦に折り畳まれる。
ここで、図45(b)の外筒の展開図では引き伸ばされる図44(a)で示した折り線201,203は描いていない。この折紙模型の側面と上面の様子を図45(c)(d)に各々示す。図44では仮の貼り付け後に2層の筒を製作すると述べた。しかしながら、内筒212、外筒211は図44(e)(f)に示すように個別に折り畳むことができ、かつ、それらは仮止め部204で完全に接触した状態で変形するから原理的には内筒212、外筒211を糊付する必要はない。すなわち、内筒212を作った後、外筒211をかぶせるようにして作ることもでき、そのようにすることで折り畳み構造物の製作がより容易になる。
図46は単一蝶番法による二重筒状の折り畳み構造物の説明図であり、図46(a)は単一蝶番法による二重筒の概念図、図46(b)は外筒と内筒の角の部分の展開図、図46(c)は図46(b)の展開図を折り線に沿って折った図、図46(d)は図46(b)の折り線を採用した二重筒の半分の外筒及び内筒の展開図、図46(e)は図46(d)の半分の二重筒の上面図、図46(f)は図46(e)を2つ貼り合わせて作成された四角筒の側面図、図46(g)は図46(f)の斜視図および上面図である。
部分貼り合わせ構造物の別のタイプの例として前述した単一蝶番法による折り畳み構造物を2層にすることを考える。ここでは最も簡単な4隅に穴221のあいた正方形に折り畳まれる模型作りを考え、その概念図を図46(a)に示す。この模型の外筒211と内筒212を一段だけで表すと図46(b)のようになる。正方形状に折るため、鉛直方向のすべての折り線222,223は水平軸と45°とし、展開図は左右対称形である。これらの展開図は各々図46(c)のように折られる。図46(b)の短冊を鉛直方向に積み上げたものが図46(d)の展開図である。これを貼り合わせて折ると筒の外筒の半分が出来る(図46(e))。2層の筒はこれを一段ずらせて貼り合わせて作られる(図46(f)(g))。外筒211の薄墨部は図46(a)の外筒211と内筒212の接触部で糊付け部であるが、工作時の仮止め程度とし、しっかりと接合する必要はない。
(長尺の筒と角錐筒の2層化)
(長尺の2層の筒)
図47は長尺の二重筒状の折り畳み構造物の説明図であり、図47(a)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の概念図、図47(b)は図47(a)を径方向に閉じる途中の状態の説明図、図47(c)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の外筒の展開図、図47(d)はジグザグ形で折り畳みができる長尺の二重筒状の折り畳み構造物の内筒の展開図、図47(e)は図47(d)の内筒の斜視図、図47(f)は図47(e)の内筒が収納される途中の図、図47(g)は図47(c)、図47(d)の二重筒の斜視図である。
図9(a)のジグザグ形で折り畳みができる長尺の正方形断面筒を2層の構造にする折り畳み構造物の概念図と折り畳みの過程を、外筒211、内筒212として図47(a)(b)に示す。このような模型を作る展開図を図47(c)(d)に示す。図47(d)の内筒212には折り返して∨字形のみ溝を作る2本の折り線231を図47(c)に新たに2組追加している。図47(e)の内筒212の模型は図47(f)のように折り畳まれ、結果として、単層の角筒のように内外筒211,212が一体化して折り畳まれる(図47(g))。前述した模型と同様、必ずしも内外筒211,212を強固に糊付する必要はない。断面隅に作られる2本の穴に空気などの気体を注入・吸引することでこの4角管を自在に伸縮することが期待出来る。
(2層の角錐の筒)
図48は二重の角錐状の折り畳み構造物の説明図であり、図48(a)は二重の角錐筒の外筒の展開図、図48(b)は二重の角錐筒の内筒の展開図、図48(c)は図48(a)の外筒の斜視図、図48(d)は図48(b)の内筒の斜視図、図48(e)は図48(d)の内筒を折り畳む途中の図、図48(f)は図48(c)の外筒と図48(d)の内筒を組み合わせた二重の角錐筒の斜視図である。
図22の角錐筒を2層構造にする模型の展開図を、外筒211と内筒212について図48(a)(b)に各々示す。これらの展開図は基本的に同じもので、図48(b)には鉛直方向に2本の折り線236が付加されている。これらの折り線236は図48(a)の台形要素の上下辺の中点を結んだものである。この簡易な作図法では、新たに設けた節点(台形要素の中点)での折り畳み条件(補角条件)は厳密には満たされないが(凡そ0.6%程度の誤差)、簡便性を考慮すれば工学的には十分に許容できる近似である。この展開図より得た折紙模型を図48(c)(d)に示し、図48(d)に導入された2本の谷折り線237が内筒212の凹み部を作る。図48(d)の内筒212は図48(e)のように折られ、この2層の角錐状の筒(図48(f))は素材が薄い場合にはあたかも単層の筒のように折畳まれる。
(直線や曲線の折り畳み模型の組み合わせによる応用模型)
前述した角筒や角錐形状筒あるいは分枝モジュールをつなぎ合わせたり、組み合わせて、より複雑な構造物を作成した。ここでは、これらの構造物について述べる。
(水圧や空気圧などで駆動して収縮/展開される3次元模型)
図49は収縮/展開可能な3次元構造物の説明図であり、図49(a)は円弧状のモジュールと亀の子モジュールの展開図、図49(b)は図49(a)を組み立てた図、図49(c)は亀の子モジュールに円弧状の筒を接続する前後の説明図、図49(d)は図49(c)の構成を採用した球状の構造物が立ち上がった状態の図、図49(e)は図49(d)の構造物が収納された状態の図、図49(f)は図49(d)において亀の子モジュールを八角形に変更した場合の斜視図、図49(g)は図49(d)において亀の子モジュールを12角形に変更した場合の斜視図、図49(h)は円弧状のモジュールと十字モジュールと長尺のモジュールとを組み合わせた構造物が立ち上がった状態の図、図49(i)は図49(h)の構造物が収納された状態の図、図49(j)は図49(d)から上側の亀の子モジュールを除去し且つ下側の亀の子モジュールを5角形に変更した構造物が立ち上がった状態の図、図49(k)は人の掌に基づく亀の子モジュールの展開図、図49(l)は人の指に基づく円弧状のモジュールの展開図、図49(m)は図49(k)および図49(l)のモジュールを組み合わせ且つ円弧状のモジュールを伸ばした状態の図、図49(n)は図49(m)において円弧状のモジュールを部分的に曲げた状態の図である。
図13(a)のジグザグに折り畳める円弧状の筒と図33(a)の亀の子モジュールを糊づけあるいは差し込んで組み合わせると折り畳みのできる球状の骨組み構造が作られる。これらの展開図と模型を示したものが図49(a)(b)で、組み合わせる過程と作られた模型を図49(c)(d)に各々示す。この概略球状の骨組み構造の円弧部分は上下に配置された亀の子モジュールに挟まれるように折り畳まれて収納される(図49(e))。ジグザグに折り畳める円弧部品や亀の子モジュールはより細かな配置にすることができる。亀の子モジュールを8角形および12角形にした折紙模型を図49(f)(g)に示す。
円弧モジュールと十字モジュールと上下に伸びる長尺のモジュールを組み合わせると図49(h)のような構造が作られ、この構造も効率よく収納される(図49(i))。このような構造は空気圧や水圧で収縮や展開が容易にでき、また、パーツやモジュールの製作と接合は汎用のプラスチックの成型技術で可能であるから、このような折り畳み製品がデフォルメされて製品化されることが期待される。
図49(d)の骨組みから上面の亀の子モジュールを取り去ると図49(j)のような鷲掴みする人の掌と指を連想させる模型が得られる。人の手の動きを摸擬することを意図してデザインされた掌と指の展開図を図49(k)(l)に示す。これらを2枚貼りした後、組み合わせ作られた模型を図49(m)(n)に示す。このような模型に手を加えることでロボットの掴み装置に進化させることが期待できる。
(多面体の稜線を繋いで作る折り畳み可能な3次元の網目構造)
ジャングルジムのような3次元の網目状の構造をデザインできれば種々の産業応用が期待できると思われる。しかしながら、平面の展開図を貼り合わる本書の手法でこのような構造を製作することは困難であり、この手法の限界でもある。以下では、前述した正4面体や立方体などの折り畳み模型を作った手法を転用して、最初、立体的なジグザグ面状の網目構造を作り、これを基本要素として積み重ねて3次元の網目構造を作る方法を採用する。
(正4面体の稜線に基づく構造物)
図50は正4面体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図50(a)は正4面体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図50(b)は正4面体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図50(c)は正4面体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図50(d)は図50(a)および図50(b)を使用して作成された正4面体用のモジュールの斜視図、図50(e)は図50(b)および図50(c)を使用して作成された正4面体用のモジュールの斜視図、図50(f)は図50(d)を下側に配置し且つ図50(e)を上側に配置して接続された構造物の斜視図、図50(g)は図50(f)の構造物を複数つなげた構造物の斜視図、図50(h)は図50(g)の上面図、図50(i)は図50(g)のジグザグ構造の説明図、図50(j)は図50(g)の構造の模式図、図50(k)は図50(g)の構造を面内でつなげた構造物の斜視図、図50(l)は図50(k)の構造物を高さ方向に重ねた構造物の斜視図、図50(m)は図50(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(n)は図50(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(o)は図50(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図50(p)は図50(m)〜図50(o)のパーツを使用して図50(k)の構造物を作製した図、図50(q)は図50(m)〜図50(o)のパーツを使用して図50(l)の構造物を作製した図、図50(r)は図50(q)の構造物を収納する途中の図、図50(s)は図50(r)からさらに収納した図である。
図36を参考にして正4面体の頂点を作るパーツの展開図として図50(a)〜(c)を用いる。図50(a)(b)と(b)(c)の貼り合わせで各々頂点が尖ったモジュールIと凹んだモジュールIIが作られ、これらを図50(d)(e)に各々示す(図50(a)と(b)のパーツを各々外側、内側にしてモジュールI、図50(c)と(b)のパーツを各々外側、内側にしてモジュールIIが作られる)。これらのモジュールを図50(f)のように正4面体を作る場合とは逆の方向に貼りつける。この時、尖ったモジュールIを下向き、凹んだモジュールIIを上向きとする。このようにして作られたジグザグ折紙構造の側面図と上面図を図50(g)(h)に示す。図50(g)のA〜Dが正4面体の頂点をなし、点A、B、D、E、F、G、Aを結ぶと正8面体となっている。このジグザグの骨組構造は図50(i)に示すように正3角形の底面(薄墨部)を網目状に並べた正4面体群のジグザグの奥行方向の稜線241と横方向の2本の稜線242を組み合わせたものになっている。
このジグザグ構造の積み重ねで3次元の網目構造が作られる。この積み重ねは図50(j)に模式的に示すように、ジグザグ構造の上部の尖った頂点を下部の凹んだ頂点に配置することによる。1段だけのジグザグ面の折紙模型を図50(k)に、これを積み重ねて2段にした模型を図50(l)に示す。
この正4面体の頂点を作るパーツの枝部分を折り畳みにしたものの展開図の例を図50(m)〜(o)に示す。図50(m)(n)と(n)(o)の貼り合わせで枝部が折り畳める頂点の尖ったモジュールIと凹んだモジュールIIが作られる。これらのモジュールを図50(g)のように枝部を糊付けしてつなぐ。製作した折り畳み可能な1段と2段の折り畳み構造を図50(p)(q)に示す。2段の構造を折り畳む途中と折り畳まれた様子を図50(r)(s)に示す。
(立方体の稜線に基づく構造物)
図51は立方体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図51(a)は立方体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図51(b)は立方体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図51(c)は立方体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図51(d)はモジュールのつなげ方の説明図、図51(e)は図51(a)〜図51(d)の方式で図50(k)と同様にして作成された構造物の斜視図、図51(f)は図51(e)の構造物において配置される立方体の位置関係の説明図、図51(g)はT字分枝を結合した骨組み構造物の展開図、図51(h)は図51(e)の構成を高さ方向に重ねた構造物の斜視図、図51(i)は図51(h)の上面図、図51(j)は図51(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(k)は図51(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(l)は図51(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図51(m)は図51(j)〜図51(k)のパーツを使用して作成される構造物の展開図、図51(n)は図51(m)の展開図を使用して作成される構造物の斜視図、図51(o)は図51(n)の構造物を高さ方向に2段重ねた構造物の斜視図、図51(p)は図51(o)の構造物を収納する途中の図、図51(q)は図51(p)からさらに収納した図である。
立方体の頂点を作るパーツの展開図として図51(a)〜(c)を用いる。図51(a)と(b)および(b)と(c)を貼り合わせて、頂点が尖ったモジュールIと凹んだモジュールIIを作る。これらのモジュールI、IIを図51(d)のように枝部が逆の方向になるよう貼りつけて行く。作られたジグザグ面の折紙模型を図51(e)に示す。この骨組み構造は図51(f)に示すように1段目は立方体A、B、C、D・・を碁盤目上に一つ飛びに並べ、2段目は立方体Eのように1段目の4個の立方体の4つの頂点上に下段と同じように配置したとき立方体の稜線が作る網目模様に沿って太い実線のように結んだものに対応している。
図51(e)の骨組構造は図51(g)に示すようなT字分枝の結合(図32(a)(b))で表される展開図でも製作できる。図51(e)を積み重ねると3次元の網目状の構造ができる。2段重ねにした例の側面図と上面図を図51(h)(i)に各々示す。
この構造物の枝部分を折り畳みにした場合のパーツの展開図を図51(j)〜(l)に示す。図51(j)と(k)、(k)と(l)を貼り合わせて折り畳み可能な2種類のモジュールを作る。これらのモジュールを用いると図51(n)のような一段のジグザグ模型を作ることができる。このジグザグ模型は図51(m)に示す一体化した展開図でも作られる。これを積み上げると折り畳みのできる網目状の立体構造になる。2段積み重ねた折紙模型とその折り畳みの様子を図51(o)〜(q)に示す。
(切頂8面体の稜線に基づく模型)
図52は八面体用のモジュールに基づく構造物の説明図であり、図52(a)は八面体用のモジュールの外側パーツの一例の展開図、図52(b)は八面体用のモジュールの内側パーツの一例の展開図、図52(c)は八面体用のモジュールの外側パーツの他の例の展開図、図52(d)は図52(a)および図52(b)を使用して作成された正八面体用のモジュールの斜視図、図52(e)は図52(b)および図52(c)を使用して作成された正八面体用のモジュールの斜視図、図52(f)は図51(d)および図51(e)のモジュールを使用して図50(k)と同様にして作成された構造物の斜視図、図52(g)は図52(f)の構造物を高さ方向に2段に重ねた斜視図、図52(h)は図52(g)の上面図、図52(i)は切頂正八面体の説明図、図52(j)は切頂八面体を頂面で接合した図、図52(k)は図52(a)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(l)は図52(b)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(m)は図52(c)のパーツの稜線部を折り畳めるようにした展開図、図52(n)は図52(k)〜図52(m)のパーツを使用して図52(f)と同様に作成された構造物の斜視図、図52(o)は図52(n)を高さ方向に2段に重ねた構造物の斜視図、図52(p)は図52(o)の構造物を収納した状態の図である。
正8面体の頂点を作るパーツの展開図として図52(a)〜(c)を用いる。図52(a)(b)と(b)(c)を貼りつけると、各々図52(d)(e)のような頂点が尖ったモジュールと凹んだモジュールの製作途中の状態になり、前面の隙間をなくすよう上から貼りつけると2種類のモジュールが得られる。ここでは切頂8面体による空間充填形を考慮して図52(e)の上部の凹み量を前述の2例に比べて大きくしている。立方体のときと同様にして逆方向に貼りつけてゆくと図52(f)のようなジグザグ面状の骨組み構造が作られる。2段重ねにした模型の側面と上面から見た様子を図52(g)(h)に示す。図52(g)の骨組み構造は図52(i)の正8面体の点線で示された6個の頂点部分(点線部)を切り落とした切頂8面体を積み上げた図52(j)の構造の稜線をつないだものになっている。
この構造物の枝部分を折り畳み型にしたパーツを作る展開図を図52(k)〜(m)に示す。折り畳み可能なジグザグ状の構造を図52(n)、これを2段積んだ模型とその折り畳みの様子を図52(o)(p)に示す。
(折り畳み式の服飾品のデザインへの応用)
次に、対称2枚貼りによるT字分枝やそれを変形した分枝で作った模型を応用して折り畳みの機能を持つ服飾品をデザインする方法について考える。最初に、図28、図29で述べた切込みや補助折り線を設けた構造物の例、次に前面と後面の切込み量を変える構造物、最後に分枝構造の枝部を細かく折り畳む方法とこれによる構造物などについて述べる。
(切込み領域の検討と補助折り線の設定)
図53は胴部に沿うように折り畳める服飾品の説明図であり、図53(a)はT字モジュールと服飾との関係の説明図、図53(b)は切れ込みの形成されたT字モジュールの展開図、図53(c)は袖が胴よりも太いT字モジュールの展開図、図53(d)は袖が胴よりも細いT字モジュールの展開図、図53(e)は図53(d)のモジュールにおいて形成する切り込みの説明図、図53(f)は袖と胴が台形のT字モジュールの図、図53(g)は分枝の中心部分に補助折り線の一例を形成した展開図、図53(h)は図53(g)の展開図を使用した構造物の斜視図、図53(i)は図53(g)とは異なる補助折り線の一例を形成した展開図、図53(j)は図53(i)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図、図53(k)は図53(i)の補助折り線の描画法の説明図、図53(l)は袖部が台形の場合の補助折り線の一例を形成した展開図、図53(m)は図53(l)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図、図53(n)は袖部および胴部が台形の場合の補助折り線の一例を形成した展開図、図53(o)は図53(n)の展開図を使用した構造物の斜視図および収納途中の図である。
T字および変形したT字形の2枚貼り折紙模型の展開図を図53(a)〜(d)に示す。図53(a)のように各部分を袖部301、胴部302を名づけ、袖部301と胴部302の中心線の交点を分枝の中心O、袖部301の中心の折り線を303とする。図28、図29で袖部301を胴部302に沿うように折り畳むには図53(a)の脇角を谷折り線304が2等分するよう設けることが幾何学的に必要であることや分枝の中央上部に切込みや∨字のカットを適切に導入すればほぼ無条件に折り畳めることを概説した。
最初、折り畳むために必要な切込み量を考えるために、袖部301と胴部302の寸法を図53(b)に示すようにそれぞれd1とd2とし、これらの大小で区分けして基本的に必要な切込み量を考える。袖部301と胴体部302が同じ(d1=d2)場合には図53(b)の谷折り線304が分枝の中心点で稜線306と交差するため点Oまで、図53(c)の袖部301が太い場合(d1>d2)には谷折り線304と中心線306との交点Dが分枝中心Oより下にあるため点Dまでの深い切り込みが必要となる。服飾品として用いられる可能性が高い図53(d)の胴が太い場合(d1<d2)には谷折り線304が折り線303と直接交差し折り畳みに影響するため、図53(e)の薄墨で示した領域、すなわち谷折り線304と折り線303との交点を含む広い領域を削除しなければならなくなる。この切込み法は袖部301や胴部302が図53(f)のように台形の組み合わせであっても折り畳みに極めて有効であり、切込みが許される服飾品の場合には、折り畳みの問題はほぼこのような簡便法で対処できると思われる。
しかしながら、服飾品として用いられる可能性が最も期待できる図53(e)の場合の切込み量は大きく、これが自由なデザインの一つの障害になると思われる。図30(e)で述べた補助折り線法を用いることで袖部が太い場合のこの問題にある程度対処できる。2,3の例を示す。図53(g)(h)に示す展開図と模型は谷折り線304と稜線303の交点で補助折り線307を上方に設ける例を示したもの(首の部分は糊付けなし)で良好に折り畳まれる。図53(i)は上と同じ外形の展開図で補助折り線307を脇から上部の中央点に引いたもので、図53(j)のように良好に折り畳まれる。これらの展開図の補助折り線307の描画法を図53(i)を例に図53(k)を用いて述べる。図53(k)の脇を2等分するように谷折り線304を引き、稜線303との交点を定める。この点から上部中点に山折り線307aを引くと平坦に折り畳むための条件(補角条件,式(2−2))より山折り線307bが決められる。図53での展開図の補助折り線307はすべてこの手法で描かれている。両袖部301を台形にした展開図と胴部302も台形にした展開図を各々図53(l)(n)に示す。これらの模型も想定以上にうまく折り畳まれる(図53(m)(o))。
(前面と後面の折り線図や切込みが異なる折り畳み構造物)
図54は前面と後面で折り線や切込みが異なる構造物の説明図であり、図54(a)は図53(g)と同様の前面パーツの展開図、図54(b)は図53(i)と同様の後面パーツの展開図、図54(c)は図54(a)および図54(b)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図、図54(d)は図54(c)を後方から見た図、図54(e)は図54(c)の上面図、図54(f)は袖の幅方向の中央よりも下方に稜線がずれた前面パーツの展開図、図54(g)は袖の幅方向の中央よりも上方に稜線がずれた後面パーツの展開図、図54(h)は図54(f)および図54(g)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図、図54(i)は図54(h)を前方から見た図、図54(j)は図54(h)を収納する途中の図、図54(k)は図54(i)からさらに収納された図、図54(l)は袖部に折り畳みに寄与しないダミーの補助線が形成されたパーツの展開図、図54(m)は図54(l)のパーツを貼り合わせた構造物の斜視図である。
上述の図53(g)と図53(i)のように折り線図は異なるが外形が同じ展開図を前面と後面に用い貼り合わせても基本的な折り畳みの動作に影響しないため、デザインの幅を広げることができる。この例を示したものが図54(a)〜(e)で前、後面の展開図、前、後から見た様子および上面の様子を示したものである。
正方形断面筒を長方形断面にして折り畳む手法(図11参照)をT字分枝の袖部分に用い、分枝中心を前面と後面でずらせた例を図54(f)〜(k)に示す。前面の展開図の中央の薄墨部分に切込みを入れ除去したものが図54(f)で、後面には切込みがない展開図(図54(g))を用いている。この模型の様子は図54(h)(i)のようになり、図54(j)(k)のように折り畳まれる。扁平な長方形筒には最終的な折り畳みに寄与しないダミーの補助折り線311を図54(k)のように(任意に)追加することで図54(l)(m)のように多角形化して丸みをつけることも出来る。展開図の胴部前面の折り線312は模様を作るため導入したもので折り畳みを考慮して対称形の折り線を採用している。
(折り畳み機能を持つ服飾品設計のための折紙模型)
図55は折り畳み可能な服飾型の構造物の説明図であり、図55(a)は折り畳み可能な服飾の前後のパーツの展開図、図55(b)は図55(a)を貼り合わせた構造物の斜視図、図55(c)は図55(b)の構造物を収納する途中の状態の図、図55(d)は図55(c)からさらに収納した状態の図、図55(e)は図55(d)からさらに収納した状態の図、図55(f)は図55(e)からさらに収納した状態の図、図55(g)は図55(a)とは異なる折線の折り畳み可能な前後のパーツの展開図、図55(h)は図55(g)を貼り合わせた構造物の斜視図、図55(i)は図55(h)の構造物を収納する途中の状態の図、図55(j)は図55(i)からさらに収納した状態の図である。
図53と図54で述べたT字やY字分枝は角筒や角錐で作られている。これらの枝部や胴部を更に折り畳みの様式にすることでより細かな折り畳みのできる服飾品をデザインすることができる。以下に基本的な模型を示す。紹介する模型はまさに着せ替え人形の洋服の域を出ない幾何学模型であるが、このような無機質な模型が一流のデザイナーの手でエレガントな作品に進化することが期待される。
図55(a)〜(f)および(g)〜(k)の2つのモデルは前首と後ろ首の形が違う図54(h)の模型の袖部と胴部を折り畳み型にしたもので、その展開図を図55(a)と(g)に示す。折り畳まれる過程を示した図55(b)〜(f)および(h)〜(j)から判るように、前者は袖301を外側に、後者は袖301を脇の下に折り畳むもので、折り畳みの間隔は自由に選択してデザインできる。
図56は折り畳み可能な服飾型の構造物の説明図であり、図56(a)は胴部を台形上にした折り畳み可能な服飾の前後のパーツの展開図、図56(b)は図56(a)を貼り合わせた構造物の斜視図、図56(c)は図56(b)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(d)は図56(c)からさらに収納した状態の図、図56(e)は折り畳み可能なパンツの前後のパーツの展開図、図56(f)は図56(e)を貼り合わせたパンツ型の構造物の斜視図、図56(g)は図56(f)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(h)は図56(g)からさらに収納した状態の図、図56(i)は図56(h)からさらに収納した状態の図、図56(j)はダミーの折線を追加した角錐状の構造物の展開図、図56(k)は図56(j)の展開図を多角錐状にした図、図56(l)は図56(k)の構造物を収納する途中の状態の図、図56(m)は図56(l)からさらに収納した状態の図である。
図56(a)(b)は胴部を台形状にしたものの展開図と折紙模型で、洋服の形としてはより現実に近いものである。基本的な折り畳みの手順と過程は上の例と同じで、図56(c)(d)のように折り畳まれ、最終的に平坦に折り畳まれる。
図26の折り畳み可能な角錐の筒を2個並べて折り畳みのできるパンツをデザインしたものの展開図と折紙模型を図56(e)(f)に示す。ここで一つの要素の角度を5°の扇形としてこれを4個並べたもの(合計の頂角20°)を対として用い、中央を切断して貼り合わせている。折り畳みの手順と様子を図56(g)〜(i)に示す。
このような筒構造は角錐形状であるが半径方向に折り畳みに寄与しないダミーの折り線を図56(j)のように入れると図56(k)のように概略円形の多角形断面に近づけることができる。これは最終的に基本の角錐の折り線で図56(l)(m)のように折り畳まれる。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
68…第1のシート、
69…第2のシート、
71…貼り合せ部、
72…稜線部、
73…山折り線、
74…谷折り線、
75…節点。

Claims (1)

  1. 予め設定された幅方向と前記幅方向に交差する軸方向に延びるシート状に形成された第1のシートであって、前記軸方向に沿って延びる折り線により構成された稜線部と、軸方向に沿って間隔をあけて前記稜線部上に設定された節点に対して幅方向の一方に向かって延びる山折り線と幅方向の他方に向かって延びる谷折り線と、を有し、前記節点を中心として前記稜線部、山折り線および谷折り線が折り畳み条件を満足する前記第1のシートと、
    前記第1のシートの稜線部、山折り線および谷折り線に対して対称に稜線部、山折り線および谷折り線が形成され、幅方向の両端の貼り合せ部で前記第1のシートに貼り合せられる第2のシートと、
    を備え、
    前記シートどうしの貼り合せ部に沿った折り線と、前記稜線部に沿って折って、シートどうしが離間して立体化して前記軸方向に延びる筒状の状態と、
    前記筒状の状態における筒の内面どうしが密着する状態まで前記稜線部に沿って折られつつ、前記山折り線および前記谷折り線に沿って折り畳まれた収納状態と、
    の間で変形可能な折り畳み構造物。
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