JP4253145B2 - 筒状折り畳み構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外形が小さくなる折り畳み状態と、外形が大きくなる展開状態との間で変形するように折り畳み/展開可能な折り畳み構造物に関し、特に、円筒状、角筒状、円錐状または角錐状の折り畳み構造物に関する。
本発明は、例えば、折りたたみ可能なペットボトルや紙コップ、コーヒー缶等の金属製の缶、インスタント食品の容器等に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
折りたたみ・展開構造の開発に関する研究は、工学的には宇宙空間で展開するためのアンテナや太陽電池用の構造物の構築、あるいは逆に折りたたみ法を用いた塑性座屈の研究に関連して発展した。また、これらの研究は、昆虫等の羽や木の葉の折りたたみの機構等、生物の成長や運動機能の解明を目的とした研究にも適用されるようになってきた。これらの研究等により、種々の折り畳み可能な筒状(円筒状、角筒状、円錐状及び角錐状)折り畳み構造物が知られており、例えば、実開昭59−188837号公報、実開昭57−64415号公報、特開平11−223299号公報記載の折り畳み構造物が従来公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以前は、折り線に囲まれた各パーツが密着状態で折り畳むための条件である折りたたみ条件、及び、折り線に沿って折り畳んだ時に前記パーツが密着して、筒状折り畳み構造物が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件が知られていなかった。したがって、従来は、非常に限定された形状のパーツのみによって構成された折り畳み構造物や、パーツどうしが密着状態で折り畳むことのできない(途中までしか折り畳めない)折り畳み構造物しか製作することができず、用途に応じた任意の形状の折り畳み構造物を製作することができなかった。
【0004】
本発明者は前記事情に鑑み、折り畳み/展開可能な筒状構造物について研究を重ねた結果、筒状構造物がその側壁に形成された複数の折り線に沿って折り畳む時に、折り線によって囲まれたパーツが密着状態で折り畳まれるために複数の折り線が満足しなければならない条件を導き出すに至った。以下、本発明者の研究の説明を行う。
【0005】
(本発明者の研究の説明)
本発明者は、筒状折り畳み/展開構造物の研究の結果、次のことがわかった。
(A)多数の分割平面壁(パーツ)により側壁が形成される擬似的な円筒壁及び円錐壁(筒壁)に関し、その分割平面壁の外側辺に形成された折り線が所定の折り畳み条件および閉じる条件を満足する時に、前記筒壁は分割平面壁が密着状態で折り畳み可能である。
(B)本発明者は、円筒壁、角筒壁、円錐壁及び角錐壁の折り畳み条件及び閉じる条件をすべて明らかにした。この折り畳み条件及び閉じる条件によると、前記分割平面壁(パーツ)の形状は、従来公知の形状や従来研究されていた形状(二等辺三角形、直角三角形、等脚台形等)以外の種々の形状によって構成することが可能である。
(C)本発明者は、前記折り畳み条件、閉じる条件及び連続条件を満足する円筒壁、角筒壁、円錐壁、角錐壁の展開図の一般的な作図法を明らかにした。
【0006】
次に、研究結果の詳細を説明する。
ここでは、折り畳みの可能性を幾何学的観点から明らかにすることを主眼にし、折り紙モデルを用いた折り畳み法の一般的な議論を行い、次に折り畳み可能な筒状の構造モデルについて展開図を用いて解析的に明らかにしていく。
【0007】
1.折り畳み方法(折り畳み条件の説明)
まず最初に、折り線によって囲まれたパーツどうしが密着状態で折り畳まれるための条件である折り畳み条件を、1つの節点に集まる折り線の数及び山折り線と谷折り線の集まり方のパターンに分けて説明する。
なお、以下の折り畳み条件に関する説明は、本発明者の論文、日本機械学会論文集66巻643号に詳細に記載されている。
(1)1節点4折り線法
図1は折り畳み構造物の折り畳まれる直線である折り線と複数の折り線の交点である節点との代表例を示す折り線説明図である。
図1において、山折りによる折り線を実線(M1、M2、M3)、谷折り線を破線(V1)で表し、節点に合流する山折り、谷折り線の数を各々NM、NVとする。前記節点におけるNMと、NVとの間には次式が成り立つことは良く知られている。
|NM−NV|=2 …………………………………………………… (1)
全折り線数をNTと置くと、NT=NM+NVとなる。式(1)を、例えばNM−NVとするとNT=2(1+NV)となり、節点を構成する折り線の数は、「偶数」となることがわかる。したがって、全折り線数NT≧4であることが分かり、NT=4が節点を構成するための最小の全折り線数である。
図1のようにX軸を山折り線(M3)に一致させ、山折り線(M1)と(M2)に沿って折ると、谷折り(V1)が生じる。この時、山折り線(M1)、(M2)と前記X軸とのなす角を各々α、βとし、谷折り線(V1)と山折り線(M2)とのなす角をγとすると、
γ=α …………………………………………………………………… (2)
の関係が与えられる。式(2)は、Y軸方向に折り線(M1、M2、M3、V1)で完全に折り畳んだ時の角度の関係式(折り畳み条件式)である。
【0008】
この操作によって、帯状の紙は半折りにされ、節点右方の軸方向は2α(α<βの時)、あるいは2β(α>βの時)だけ折り曲げられる。
α=βの場合には軸方向はY軸方向に折り曲げられることはない。この時、山折と谷折りを交互に行うと帯状の紙はジグザグに折れ曲がり、山折り(または谷折り)だけを連続的に行うと筒状になることが容易に推察される。
本明細書では、このように平面紙をジグザグに折り曲げ、新たな平面に折り畳む”平面折り”については触れず、同方向に折り曲げてY軸方向に折り畳み得る筒状の構造モデルを製作する折り方である”筒折り”に関して述べる。
【0009】
(2)1節点6折り線法(タイプ1)
図2は2本の谷折り線が4本の山折り線の対称位置に挿入されるタイプの1節点6折り線の折り畳み条件を示す図である。
図2に示されるように、6本の折り線が1つの節点で交わる1節点6折り線の時には、2本の谷折り線が4本の山折り線の対称位置に挿入される組み合わせがある。これは、本明細書で多用する折り線法であり、この場合の折り畳み条件を満たす角度関係を以下に示す。
山折り線を(M1)、(M2)、(M3)、(M4)、谷折り線を(V1)、(V2)とし、谷折り線(V1)の延長戦をX軸とする。折り線(M1)と(V1)、(M2)と(V1)のなす角度をα、βとし、(M3)と(V2)、(M4)と(V2)のなす角度をγ、δとする。そして、(V2)とX軸とがなす角度をθとおくと、折り畳み条件式は次式(3)で表される。
β−α=δ−γ+θ ………………………………………………………(3)
前記式(3)が折り畳み条件式であることは、次のように証明される。
【0010】
図2に示された1節点6折り線法の場合に、節点OでY軸方向に折り畳まれる条件を導く。節点Oを原点としてX−Y軸を図2のように取る。折り線(M1)、(V1)、(M2)とX軸への垂直線(P)とのなす角度をp1、p2、p3とし、垂直線(Q)と折り線(M4)、(V2)、(M3)とのなす角度をq1、q2、q3とすると、
p1=π/2−α、
p2=π/2、
p3=π/2+β、
q1=π/2+δ+θ、
q2=π/2+θ、
q3=π/2−γ+θ、
となる。
【0011】
山折り線(M1)、(M2)、及び谷折り線(V1)によって、X<0の領域のX軸対称位置(図2の点A、点B)を基点とする同方向を向く2つのベクトルは、p1〜p3の関係を使用すると、折り畳み後、p1−p2+p3=−α+β+π/2の角度をなす。
また、X>0の領域では、山折り線(M3)、(M4)及び谷折り線(V2)によってX軸対称位置(図2の点C、点D)を貴店にする2つのベクトルは、折り畳み後、q1−q2+q3=δ−γ+θ+π/2の角度をなす。
折り畳み後は、前記点A、点C及び点B、点Dは各々同一平面状にあり、各々のベクトルは同方向を向くことから、これら2つの式を等置して前記式(3)が得られる。
前記谷折り線(V2)とX軸とが一致する場合にはθ=0として、次式(3′)が成立する。
β−α=δ−γ …………………………………………………………(3′)
【0012】
(3)1節点6折り線法(タイプ2)
図3は山折り線(M1)、(M2)、(M3)の間に谷折り線(V1)、(V2)が交互に挿入される場合の1節点6折り線の折り畳み条件を示す図である。
図3に示すように、節点Oを原点としてX-Y軸をとる。そして、図3において、山折り線(M4)の延長線であるX軸と山折り線(M1)及び(M3)とがなす角度を各々α*、β*とし、各折り線間の角度をθ1〜θ4とする。
節点OでY軸方向に折り畳まれる条件を前述と同様にして導く、X<0の領域では、X軸の対称位置(図3の点B、点C)にある同方向を向くベクトルは、山折り線(M4)によって折り畳み後には、角π(=Q1)だけ回転し反対方向を向く。
【0013】
次にX>0の領域のX軸の対称位置(図3の点D、点E)にある同方向をむくベクトルを考える。X軸への垂線(Q)と折り線(M1)、(V1)、(M2)、(V2)、(M3)のなす角度を図3に示すようにq1〜q5とすると、
q1=π/2+α*、
q2=π/2+α*、
q3=π/2+α*、
q4=π/2−β*、
q5=π/2−β*、
となる。例えば、山折り線(M1)での折り畳みによって、前記ベクトルは山折り線(M1)に対して、角度2×q1だけ回転する。したがって、これらの折り畳みによるこれらのベクトルのなす角Q2は、
Q2 =2(q1−q2+q3−q4+q5)
=π/2+α*−(θ2+θ4)
で与えられる。
折り畳み後、点B、点Dは同一平面上にあり、この点でのベクトルは同方向を向いているので、このQ2の値とX<0の領域のQ1=πと等置すると、以下の折り畳み条件式(4)を得る。
α*=θ2+θ4 ……………………………………………………………(4)
【0014】
また、図3において、
α*+β*=θ1+θ2+θ3+θ4
の関係が有るので、この式を前記式(4)に用いると、
β*=θ1+θ3 ……………………………………………………………(5)
を得る。
したがって、このタイプの1節点6折り線法の折り畳み条件式は、
α*=θ2+θ4 または β*=θ1+θ3 …………………………(6)
で表される。
【0015】
前述の説明から、1節点6折り線法の場合には、中央の節点の両側で常に山折り(あるいは谷折り)となる。この折り方を繰り返して行うと、同じ方向に折り曲げられ、自動的に平面紙は筒状になる。
したがって、前記1節点4折り線法、及び1節点6折り線法の折り法を使用すると、折り畳み可能な筒状折り畳み構造物を製作できる可能性がある。
【0016】
2.折り線付筒状折り畳み構造物の製作(閉じる条件及び連続条件の説明)
等角の山折りを連続的に行うと垂直方向に折り畳みが可能な円筒を製作することができることは容易に推察される。以下このような操作によって折り畳み可能な円筒を製作することを考える。
なお、円筒型の筒状構造物の閉じる条件については、前述の日本機械学会論文集66巻643号に記載されており、円錐型の筒状構造物の閉じる条件については、本発明者の論文、日本機械学会論文集66巻647号に記載されている。
【0017】
(1)円筒型の筒状折り畳み構造物の製作
(1−1)円筒を展開した帯板(円筒型筒状構造物の閉じる条件の説明)
図4は帯板を折り線に沿って折りたたんだときに帯板の両端部が接合されて円筒となる条件を説明する図であり、図4Aは帯板と折り線および折り線の角度を示す図、図4Bは図4Aに示す折り線に沿って折りたたんだときの基準軸の向きを変化を示す図である。
図4Aのように帯板を山折り、谷折りを交互、あるいは同方向にN回折る場合を考える(N:偶数)。N個の折り線(1),(2),…,(N)とX軸とのなす角をθ1、θ2、…、θNとし、折られた後の軸方向を各々X1、X2…,XNとする。1つ目の折りの操作(折り線(1))によって、(1)の右側部分は裏面となる。
この操作によって新しい軸(X1)はX0軸と2θ1=Θ2の角度をなす(図4B参照)。折り線(2)で第2番目の折りを行うと、X2軸は基準軸X0と角度Θ2=2θ1−2θ2をなす。折り(3)によってX3軸はX0とΘ3=2(θ1−θ2+θ3)の角度となる。これら一連の折りの操作によって、表裏面交互に現われ、N回の折りの操作によって、XN軸が基準軸となす角ΘN(N=偶数の場合)は次式で表される。
ΘN=2{θ1−θ2+θ3−…−θN} ……………………………………(7)
この帯板が折りたたまれた時、帯板の左右端が隙間なく接合されるための条件(閉じる条件)は、nを0以外の整数としたとき次式(8)で与えられる。
ΘN/2π =n ……………………………………………………………(8)
【0018】
(1−2)1節点4折り線法の折り線群によって構成された折り線付円筒及び擬似円筒
次に、前記閉じる条件(式(8))を満足するように折り畳まれた帯板の左右両端が隙間なく接合される具体例を説明する。
図5は閉じる条件を満たし且つ折り畳み方向が同一方向(山折りまたは谷折りのいずれか一方)の折り線により正4角形に折り畳む例の説明図で、図5Aは展開された状態の帯板の折り線を示す図、図5Bは折り畳み途中の状態を示す図、図5Cは折り畳んだ状態を示す図である。
図5Aにおいて基準軸であるX軸方向に延びる帯板の同一方向(山折りまたは谷折りのいずれか一方)に折られる折り線(1),(2),(3),(4)はそれぞれX軸に対して角度θ1,θ2,θ3,θ4をなしており、θ1=θ3=135°、θ2=θ4=45°である。すなわち、折り線(1),(2),(3),(4)はX軸に対して45°(=π/4)でジグザグに形成されている。また、X軸の折り線(1)より左側部分をX0軸とし、n=1,2,3,4とした場合の各折り線(n)の右側のX軸部分をXn軸(n=1〜4)とする。
図5Cにおいて軸X2が軸X0となす角度Θ2はΘ2=2(θ1−θ2)=2(135°−45°)=2×90°=180°=πである。
また、軸X4が軸X0となす角度Θ4はΘ4=2(θ1−θ2+θ3−θ4)=2(135°−45°+135°−45°)=2πである。したがって、前記式(8)のnは、n=(Θ4/2π)=1となり、軸X4は軸X0と重なる。この場合、帯板の両端は隙間無く接合される。
【0019】
前記図5の説明から、折り畳み方向が同一方向(山折りまたは谷折りのいずれか一方)の折り線により帯板を同じ方向に折り曲げて正N角形(Nは偶数)に折り畳む場合、基準軸Xに対して角度θ=π/Nの折り線(1),(2)…,(N)を等間隔でジグザグに形成すればよいことが分かる。
【0020】
(1−2−1)主折り線が水平の折り線群からなる折り線付円筒及び擬似円筒の具体例
前記図4Aの帯状の紙の上下端を水平の折り線と考え、Y軸方向にこれ等が何段か連結した平面紙を想定する。そして、平行な水平の折り線(群)を主折り線と名付ける。
このようにして形成した平面紙の垂直方向の両端を接合すると、折り線付筒状折り畳み構造物が形成される。その具体例を図6〜図13に示す。
図6は前記図4Aに示す帯状の板をπ・(N−2)/Nだけ等間隔に同方向に折り曲げて正N角形を構成する場合で且つN=6の場合の代表的な展開図を示す図である。
図6に記載された筒状構造物では、前記式(7)で折り角度θの時、2θだけ曲げられることを考慮して水平の折り線と角度π/6をなす6本のジグザグの山折り線(1)〜(6)を等間隔に導入している。各々の山折り線で、π/3ずつ折曲げられ、最終的に6角形断面形状で折りたたまれる円筒構造物が製作される。
【0021】
図7は前記図6の山折り線と水平の折線の角度の2倍(π/3)をα=2π/9とβ=π/9のように分解して不等辺の台形要素で構成される疑似円筒の展開図である。
正6角形に折り畳む場合には前記角度の分割はその合計がπ/3になる限り、任意に選択することができる。
図8は前記図6のY軸方向の山折り線をα=π/3の山折り線Iとβ=π/6の谷折り線IIに分解した折り線の組を6個導入することによって製作される円筒の説明図で、図8Aは展開図、図8Bは前記図8Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図、図8Cは前記図8Bの折り畳み円筒をさらに折り畳んだ状態を示す図である。
図8Aにおいて、ここでα−β=π/6である限りα、βの値は自由に選択できる。
図9は前記図6の点AとBを合致させ、水平の折り線から山折り部分をなくした図で、水平方向に底角π/6の2等辺三角形からなるダイヤモンド模様((1)〜(3))の展開図である。
このとき、水平の折り線部での断面形状は正三角形になり、これは薄肉円筒の塑性座屈におけるdiamond座屈のモデルに対応する。
【0022】
図10は不等辺三角形要素で構成される変形ダイヤモンド模様による展開図である。
図11は水平の折り線に対して1つ飛びに対称で且つ折り畳みが可能な展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図11Aは展開図、図11Bは前記図11の展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図、図11Cは前記図11Bと同じものを異なる方向から見た図である。
前記図6〜図10で示された5種の展開図は水平の全ての折り線に関して対象であるが、図11に示す展開図でも折り畳み可能である。
図11中、A点ではその対称性から折り畳み条件式、式(3)が満たされていることは勿論であるが点Bにおいても同式(3)が成立する。
図12は前記図11の点Bと同様の折り線だけで構成した折り畳みの展開図の例を示す図である。
図13は折り畳み線により形成された複数の形状の多角形のパーツ(平板壁)を有する折り畳み可能な円筒壁の展開図である。
図13の展開図を有する円筒壁は、複数の形状の多角形パーツを有する折り畳み可能な円筒体を作成することができる。
【0023】
なお、筒状構造物の展開図において、複数の折り線に囲まれたパーツが紙などの柔軟性を有する材料で形成された場合は、折り線を伸ばした状態で筒状の構造物は円筒となる。しかし、前記パーツが柔軟性を有しない材料で構成された場合、折り線を延ばした状態では、パーツが平板状のため、筒状の構造物は表面に凹凸を有する筒となる。本明細書では、この表面に凹凸を有する筒状の構造物を擬似円筒と呼ぶ。
【0024】
(1−2−2)主折り線が水平線に対して傾斜している(螺旋に沿っている)折り線付円筒または擬似円筒
図14は前記図6をπ/6傾斜させた展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図14Aは展開図、図14Bは前記図14Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
図14Aは、前記図6を水平線とπ/6傾斜する直線GHで切断し、その切断線を水平な下端とした図に対応する。図14Aにおいて、主折り線は、水平線に対して傾斜しており、筒状構造物の表面において、筒状構造物の中心軸を中心とした螺旋に沿っている。これを螺旋型の円筒状折り畳み構造物と呼ぶ。
前記螺旋型の構造物の展開図の左右両端で接合した時、一般に、展開図の両端で折り線の連続性が満たされるとは限らない。図14の場合のように、台形要素で展開図が与えられる場合には、台形の上底長さLuを適正に選ぶことで連続性を保つことができる。
【0025】
(1−2−3)展開図の両端で折り線が連続しているための条件(連続条件)
図15は展開図の両端を接合したときの連続性を保つ方法の説明図である。
図15において、原点Oを基点に台形要素を主折り線(角度ψ)方向にN個描き、点Aを定める。台形の高さをhとすると、正N角形のとき、長さOA=N{(h/tanθ)+Lu}となる。N個目の台形要素の下方にm(偶数)個の要素を描き、点Bを図のように定める。展開図が任意のψについて連続であるためには点BがX軸上にくることが必要である。AB=mhであるから、tanψ=OA/OBより次式(9)を得る。
Lu={2N−m・tanψ/tanθ}h/tanψ ………………(9)
すなわち、式(9)でLuを適正に決めると、これ等の場合の展開図の左右端の連続性が得られる。
【0026】
(閉じる条件を満たすことの証明)
前述した折り線を持つ円筒を折りたたんだ時、円周方向に閉じる条件(式(8)参照)が満たされるか否かは一般に不明であるので、これを検証する。
図14で与えられる円筒においては、この展開図の最下端の帯板部分(微小幅D)の折り線を考える。ここには18本の折り線があり、左側から6本毎に同じ傾きの折り線が繰り返し現れるので、それらは6本の折り線からなる3つの組で構成されている。式(7)を用いると、これらの折り線による軸線の回転角は、ψ(=π/6)を傾斜角として、
ΘN=2{(α+ψ)−ψ+ψ−ψ+(α+ψ)−ψ}×3=12α…(10)
となる。α=π/6としたから、式(7)のΘT=2πとなって前記式(8)を満たすので、折り畳み後、閉じる条件を満たすことが分かる。
【0027】
したがって、図14Aのように、1節点4折り線で主折り線が水平な折り線群から構成された筒状構造物において切断後の展開図の折り線が左右連続するように任意の角度で切断して得られた展開図による筒状構造物も、切断前の展開図が閉じる条件を満足していれば軸方向に折り畳まれる。
【0028】
(1−2−4)主折り線が水平線に対して傾斜している(螺旋に沿っている)折り線付円筒または擬似円筒の具体例
前述のようにして形成された断面図において、主折り線が水平線に対して傾斜している筒状構造物の具体例を図16〜図19に示す。
図16は前記図7をπ/6傾斜させた展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図16Aは展開図、図16Bは前記図16Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
図17は前記図8をπ/6傾斜させた展開図である。
図16、図17に示す例では、展開図の左端と右端を接合して円筒を製作すると折り線のなす模様は一般的には連続しないが、前述の連続条件を満足するように形成した図16,図17の展開図は左右両端で連続している。
図18は図11の螺旋型であり、図中の点A,Dを結ぶ直線で切断して得たものである。
図18中に記載の角(〜0.193π)はこの切断線と水平線のなす角を示し、この場合には三角形要素の形状が与えられているため谷折り線の角度は限定されたものになる。
図19は、前記図12に示す円筒体の展開図の平行な2本の直線AB′、C′Dにより切り取られた部分を示す図であり、AとB′およびDとC′が重なるように図19の左右の両端縁を接続することにより折り畳み可能な円筒体となるものの展開図である。
図19に示す展開図を有する円筒壁は、複数の形状の多角形パーツを有する折り畳み可能な円筒体を作成することができる。
【0029】
(1−2−5)その他
その他にも、前記折り畳み条件、閉じる条件および連続条件を満足する折り線群によって形成された筒状構造物は無数に存在する。その一例を図20に示す。
図20は任意形状の4角形要素(パーツ)を有するり畳み可能な円筒体の展開図である。
図20において、AFを延長した直線をAEとした場合、折り畳み条件は∠BAE=∠DAC=αである。αの値は、α=180°/N(Nは正の整数)として任意に定めることができる。例えばN=8のときには、α=180°/8=22.5°となる。したがって、∠BAE=∠DAC=α=22.5°として、AEの長さを適当な任意の値とすることにより、任意形状のパーツを有する折り畳み可能な円筒体を作成することができる。
【0030】
(1−3)1節点6折り線法の折り線群によって構成された折り線付円筒及び擬似円筒
(1−3−1)閉じる条件の確認
図21は閉じる条件を満たし且つ折り畳み方向が交互に反転する(山折り方向と谷折り方向とに反転する)折り線により正6角形に折り畳む例の説明図で、図21Aは展開された状態の帯板の折り線(1)〜(12)を示す図、図21B〜図21Fは折り畳み途中の状態を示す図、図21Gは折り畳んだ状態を示す図である。
図21Aにおいて基準軸であるX軸方向に延びる帯板の同一方向(例えば山折り方向)に折られる実線で示した折り線(1),(3),…,(11)はそれぞれX軸に対して角度θ1,θ3,…,θ11をなしており、θ1=θ3=…=θ11=60°である。また、前記折り線(1),(3),…,(11)とは逆方向(例えば谷折り方向)に折られる点線で示す折り線(2),(4),…,(12)はそれぞれX軸に対して角度θ2,θ4,…,θ12をなしており、θ2=θ4=…=θ12=30°である。
なお、図21に示す仮想線(13)は帯板を折り畳んだときに折り線(1)と重なる線である。
図21において実線で軸X12が軸X0となす角度Θ12はΘ12=2(θ1−θ2+θ3−…+θ11−θ12)=2(60°−30°+60°−…+60°−30°)=2×πである。したがって、前記式(8)のnは、n=(Θ12/2π)=1となり、軸X12は軸X0と重なる。この場合、帯板の両端は隙間無く接合される。
【0031】
前記図21の説明から、折り畳み方向が交互に反転する(山折りまたは谷折りのいずれか一方)の折り線により帯板を同じ方向に折り曲げて正N角形(Nは整数)に折り畳む場合、基準軸X軸に対して、(θ2m−θ2m+1)=π/N(mは整数)を満たす山折り線及び谷折り線(1),(2),…(2N)を等間隔でジグザグに形成すればよいことが分かる。
【0032】
(1−3−2)主折り線が水平の折り線群からなる折り線付円筒及び擬似円筒の具体例
1節点4折り線法の場合と同様に、前記図21Aの帯状の紙の上下端を水平の折り線と考え、Y軸方向にこれ等が何段か連結した平面紙を想定する。すると、平行な水平の折り線(群)を主折り線となる。
このようにして形成した平面紙の垂直方向の両端を接合すると、折り線付筒状折り畳み構造物が形成される。その具体例を図22〜図25に示す。
図22は水平の折り線に対して1つ飛びに対称で且つ折り畳みが可能な展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図22Aは展開図、図22Bは前記図22の展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
図22に示す例では、展開図の左端Lと右端Rを接合して円筒を製作すると折り線のなす模様が連続する。 そして、α=β=π/6に設定されているので折り畳み条件を満足し、且つ、Θ6=2(6×π/6)=2πとなり、前記式(8)のnは、n=(Θ6/2π)となるので閉じる条件を満足する。したがって、図22に示された円筒は折り畳まれる。
【0033】
図23は前記図22を一般化した折り線を有する折り畳み円筒体の説明図で、図23Aは展開図、図23Bは前記図23Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
図23Aに示すように角度α、βを置き、最下端の6つの同一の平行四辺形部分の折り線による回転角を考えると次式を得る。
ΘT=2{(α+β)−β}×6=12α …………………………(11)
α=π/6を用いるとΘT=2πとなって閉じる条件(式(8)参照)が満たされる。式(11)から分かるように、ΘTはβ値に依存しないことが分かる。
すなわち、この1節点6折り線型で、主折り線が水平の折り線群からなる筒状折り線付構造物のモデルでは、正N角形形状に折りたたむための条件はα=π/Nで、図中の角度βは自由に選ぶことができる。即ち角度βの値には依存しない。
したがって、図23Aに示す筒状構造物の展開図の折り線は、折り畳み条件、閉じる条件及び連続条件を満足しているので、折り畳むことができる。
【0034】
図24は前記図23Aの6段の展開図を3段にしαを30°として1段毎にβの値を変えた場合の展開図である。
図24に示すように、βの値は1段毎に独立して設定しても折り畳み条件等を満足することができる。
図25は図23Aの螺旋状の山折り線および谷折り線を1段毎に逆転させて得られる反復螺旋型の展開図である。
この展開図はまた図8の点AとBを一致させることによっても得られる。図25に示す筒状折り線付構造物も折り畳み条件等を満足することができる。
【0035】
(1−3−3)主折り線が傾斜している(螺旋に沿っている)折り線群からなる折り線付円筒及び擬似円筒
図26は図23のABを結ぶ線が水平になるように全体を角度ψ傾斜させたものに対応した図である。
図26は、折り畳み構造物の研究者であるGuest等が検討した筒状構造物の展開図に相当し、三角形状の分割平板で作られ、主折り線が螺旋状になり、主折り線が1周するごとに螺旋(1)が1段上昇する時の円筒状構造物を本発明者が展開図で表したものである。彼らは、図26の展開図で表される円筒が折り畳み時にどのような特性を示すかを、螺旋間の角度(α、β)を変数として解析したが、完全な折り畳み条件を示すことはできなかった。
図26において、主折り線は、水平線に対して傾斜しており、図26の展開図のように図23のABを結ぶ直線に沿って切断した場合、展開図の両端で折り線の連続性は満たされる。しかし、一般に、閉じる条件を満足するか否かは不明であるので、これを検証する。
【0036】
(閉じる条件の検証)
前述の式(7)において、
となる。これを閉じる条件式(8)に用いると、次式を得る。
Θ6/2π=(6α−β)/π=n ……………………………………(12)
したがって、α=π/6の場合、β=0、π…となり、閉じる条件は満足しない。この場合、α=π/5、β=π/5とすることによって、閉じる条件を満足し、主折り線が1段上昇する螺旋に沿った折り畳み可能な円筒状折り線付構造物を製作することができる。
また、式(12)を導出する過程から分かるように、最下段に配置される平行四辺形の数を、6個から7個に増やすことによって、
Θ7/2π=(7α−β)/π=n
となり、α=β=π/6の場合でも閉じる条件が成立する。即ち、最下段の平行四辺形の数を適切に設定することによって、閉じる条件を満足する主折り線が1段上昇する螺旋に沿った折り畳み可能な円筒状折り畳み構造物を製作することができる。
さらに、主折り線が1周するごとに螺旋が2段上昇する場合、式(12)と同様の導出を行うと、
Θ6=(6α−2β)/π=n
となる。
したがって、一般に、最下段の平行四辺形の数をL、主折り線がM段上昇する場合の閉じる条件の式は、
ΘL=(L×α−M×β)/π=n ……………………………………(13)
で表される。
【0037】
(1−4)折り畳み可能な疑似円筒の製作
本発明者は、上述した展開図に従い、軸方向への折り畳み特性を厚さ0.2mmのポリプロピレンシートで製作した疑似円筒で調べ、それが可能であることを確認した。図14と図17とで示される螺旋型の折り畳みモデルを材料試験機で押したたむと、下部が停止した状態で円筒の上部が回転しながら折りたたまれる。
これらの折り畳みの進展の様子を観察した結果は提案したモデルで良好な折り畳みが可能であることが示されるとともに、完全に折りたたむために要する荷重は20〜40Nの極めて低い値であることを示した(折り畳み前の円筒の直径;約100mm)。
【0038】
(1−5)折り線付き円筒体の研究のまとめ
前述の説明ではN=6(一部N=3,8)を例にして、展開図を三角要素や台形要素あるいは任意形状の4角形で分割し、正N角形形状で折りたたむ疑似円筒の製造法を説明した。展開図の左右端の連続性を満たすことが困難な主折り線が水平で奇数個の台形要素で構成される場合を除くと、一つの節点での折り角度を(N−2)/N・πとすることで、任意のN値(N≧3、整数)について折り畳み構造の製作が可能である。
また、式(8)を満たすように折り線の角度を選び、折り線の長さを適正に選択すると、正N角形形状でない折り畳み構造の製作も可能である。
円筒を薄い高分子シートで製作する場合には、図8B、図22Bのような形状に成型加工することは容易であると思われる。それゆえこのような形状で成型加工を行えば、折り畳み可能なPETボトルのような容器の製作が可能であると考えられる。
谷折り線が、螺旋型をなす場合には、水平型のそれに比べて軸方向の伸縮が一般に容易であった。このことは、折り畳みの構造を改良して行く上で考慮すべきであると思われる。
【0039】
(2)円錐型の筒状折り畳み構造物の製作
(2−1)1節点4折り線法、且つ主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐(折り畳み条件の再検討及び閉じる条件の説明)
折り線付円錐に関しても、各節点における折り畳み条件は前記円筒型筒状折り線付構造物と同様に、前記式(2)、(3)、(6)であるが、円筒型の筒状折り畳み構造物のように、明らかに成立している場合は少なく、折り線の配置パターンごとに検証が必要である。
また、閉じる条件も前記円筒型筒状折り線付構造物と同様に導き出す必要がある。
なお、円錐型の筒状折り畳み構造物に関し、折り線によって囲まれるパーツが円周方向に沿って複数配置されている時に、この複数のパーツの円周方向に沿って接続している折り線を主折り線と呼ぶ。
【0040】
(2−1−1)折り畳み条件
図27は主折り線が円周に沿って形成され、パーツが台形要素により形成された場合の円錐型筒状折り畳み構造物の展開図の要部拡大図である。
まず折り畳み条件の検討を行う。図27において、中心Oに対して頂角2Θを有する外辺上の点A,BからABと角度αをなす2本の直線(AC,BD)をABの中点Iと中心Oとを結ぶ直線OIに対称に引き、頂角φ*となるよう点C、Dを決める。以下、頂角が2Θとφ*の間で、中心方向に点を配置していく。
このようにして、形成された折り線群による台形パーツは全て相似形状になり、決まった点C、Dを結ぶ線はABと平行になる。即ち、直線DCの延長上に点Hを取ると、ABとCDが平行より∠ACH=αとなり、パーツが相似なので∠ECF=αとなる。したがって、折り畳み条件式(2)を満たす。
【0041】
(2−1−2)閉じる条件
円錐型の筒状折り畳み構造物の閉じる条件は、前述の円筒型筒状折り畳み構造物の閉じる条件と同様の考え方で導き出せる。しかし、円錐の場合は展開図が中心角を有しているので、この中心角を考慮に入れなければならない。
前述の円筒型折り畳み構造物の閉じる条件と同様に、前記図27の台形ABDC及びその右方に形成されている台形ACFG等によって形成される帯板を考える。この帯板の各折り線と円周に沿う主折り線とのなす鋭角はαとなる。この折り線に沿う折り畳みによって、ABとAGは2×∠CAB=2α折れ曲がる。同様にして、N個の台形が円周に沿って配置されている場合、折り畳みによって2α×N折れ曲がる。この折れ曲がりによって変化する角度2αNと、展開図が最初から有している中心角{(2Θ+φ*)N/2}との和が1周分360°(=2π)となれば、帯板の両端は隙間なく接合する(閉じる)。したがって、図27の場合の閉じる条件は以下の式(14)
2αN+(2Θ+φ*)N/2=2π…………………………………(14)
主折り線と各折り線とのなす角をθ1、θ2、…として、式(7)を使用してΘNを用い、中心角をφ(=(2Θ+φ*)N/2)と置くと、
ΘN+φ=2π ……………………………………………………………(15)
となり、一般の折り線の閉じる条件が導き出された。
【0042】
(2−1−3)1節点4折り線法、且つ主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐の具体例
図28は図27と同様にして折り線により等脚台形に分割され且つ正N角錐に折り畳まれる折り線付円錐壁の、N=6、前記図27のφ*=π/36、2Θ=π/12の場合の展開図を有する疑似円錐壁の説明図で、図28Aは展開図、図28Bは前記図28Aの展開図を有する折り線付円錐壁を半折りにした状態の斜視図である。
図29は前記図28の展開図の描き方の説明図である。
図29において、点A,Gから同じ角φで線分(1)と(2)を引き、△OAGの底辺AGに点Oから引いた垂線に対して対称に取った線分OB,OHとの交点をB,Hとする。
点B,Hから反対方向にφを取り、OA,OGとの交点をC,Iとする。このような操作で、ジグザグの折り線ABCDE…とGHLJ…を得る。各節点での折りたたみ条件は前述の説明で明らかにされている。また、N=6、φ*=π/36、2Θ=π/12なので、中心角がπ/3となり、閉じる条件の式(14)からα=5π/36であれば、円錐型筒状折り畳み構造物が折り畳めることが導き出される。
【0043】
(2−2)1節点4折り線法、且つ主折り線が円周に対して傾斜して形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐の具体例
図30は前記図28を螺旋型にした展開図を有する疑似円錐体の説明図で、図30Aは展開図、図30Bは前記図30Aの展開図を有する折り線付円錐壁を半折りにした状態の斜視図である。
図30の筒状構造物は、前記図28において、主折り線が等角螺旋に沿って形成されるように折り線群が構成された構造物である。図30A、図30Bに示すように折り線が螺旋に沿って配置した台形を形成する展開図も、折り畳み可能な円錐型筒状構造物を形成することが可能である。
各折り線が等角螺旋で形成されているので、図28において成立している角度関係は、図30においても成立している(等角螺旋変換の性質)。したがって、各節点における折り線どうしの角度関係は保存されるので、折り畳み条件は満たされている。閉じる条件に関しては、各折り線間の角度関係と中心角の関係から個別に成立しているかを確認しなければならない。連続条件に関しては後述。
【0044】
(2−3)1節点6折り線法、且つ谷折り線によって形成された主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐
(2−3−1)折り畳み条件
図31は主折り線が円周に沿って形成された円錐における展開図が頂角2ΘのN個の二等辺三角形で構成される場合の展開図の要部拡大図である。
図31中の谷折り線(破線)を主折り線と呼ぶ。頂点を0、外辺の点をA,B,C,Dとし、これらの点から外辺と角αをなす直線を作図し、各々の交点をE,F,Gとする。
点E,F,Gから上と同様に線分EF,FGと角度αをなす線を描き、それらの交点をH,Iとする。この作図によって展開図は2種類の二等辺三角形要素によって分割される。対称性からO,H,B及びO,I,Cは直線をなし、直線OFの左右に対称なダイヤモンド模様を得る。直線OFは外辺BCと直角をなす。節点Fを構成する折り線は図35のそれに対応する。
∠CFG=∠BFE=βとし、節点Fにおける対称性を考慮して折り畳み条件式(3)のδをα、γをβと置く。
節点Fにおける折り畳み条件を検討するには、谷折り線EFとFGとのなす角が必要となる。谷折り線EFの延長線FJを仮定すると、△OEFが二等辺三角形より、∠OFE=π/2−Θとなり、∠OFJ=πー∠OFE=π/2+Θとなる。△OFGも二等辺三角形なので∠OFG=π/2−Θより、
∠GFJ=∠OFJ−∠OFG=2Θ ………………………………(16)
の関係が得られる。この∠GFJが谷折り線EFとFGとのなす角に相当する。
【0045】
また、△EFBに関して、∠EBF=π−2βより、∠OBF=π/2−βとなる。△OBCが二等辺三角形なので、∠OBC=π/2−Θ=∠OBF+∠FBCより、
π/2−Θ=π/2−β+α
即ち、
β−α=Θ ………………………………………………………………(17)
の関係が得られる。式(16)、(17)の関係を、折り畳み条件式(3)に適用すると、
β−α−(δ−γ+θ)=β−α−(α−β+2Θ)=0
となる。したがって、折り畳み条件が成立しており、図31の円錐型筒状折り畳み構造物は折り畳み可能である。
なお、このとき、∠HFI=γ*と置くと、節点Fで折り畳んだ時、谷折り線EFとFGのなす角は、γ*−2αとなる。
【0046】
図31のような各パーツが二等辺三角形で構成されたのではなく、より一般的な場合について、折り畳み条件を検証する。
図32は折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の折り線付円錐壁の展開図の要部拡大図である。
図32において、外辺の点をA,B,C,D…とし、各点で外辺と角αをなす線分を右上方に、角δをなす線分を左上方に作図し、交点をE,F,Gとする(∠BOF=θ*)。これらの点から線分EF、FGと角度αで左上方に、角度δで右上方に直線を作図し、それらの交点をH,Iとする。
点O,H,B及びO,I,Cは直線をなす。直線OFの左右に非対称ダイヤモンド模様を得る。∠BFE=β、∠CFG=γとし、EFとBCの交点をJとする。△OBCと△OCD、△OEFと△OFGは各々頂角2Θの二等辺三角形で、∠DCJ=∠GFJ=2Θとなり、∠OFJ=∠OCJを得る。
すなわち、点O,F,C,Jは同一円上にあり、∠CJF=∠FOC=2Θ−θ*となる。△BFJに注目すると次式を得る。
β−α=2Θ−θ* ……………………………………………………(18)
点F周りの角度関係より得られる∠CFJ=γ−2Θを△CFJの角度関係から得られるδ=∠CFJ+(2Θ−θ*)に用いると次式(19)が得られる。
δ−γ=−θ* ……………………………………………………(19)
【0047】
式(19)のθ*を式(18)に代入して、谷折り線EF、FGのなす角が2Θであることを考慮すると、次に示す折りたたみ条件式(20′)が成立つ。
β−α=δ−γ+2Θ…………………………………………………(20′)
先と同様に∠HFI=γ*とおくと、節点Fで折りたたんだ時の谷折り線EF、FGのなす角はγ*−(α+δ)となる。正N角形の折りたたみを考え、この値と(N−2)/N・πを等置して、幾何学的な関係より得られるγ*+(α+δ)=π−2Θを用いると次に示す折りたたみ条件式(20)が得られる。
(α+δ)=π/N−Θ ……………………………………………(20)
式(20)を満たすα、δを選ぶと不等辺三角形要素からなる折りたたみ可能な正N角形の折り畳み構造物の展開図が得られる。
【0048】
等角螺旋に沿った折り線が形成されている展開図の場合の折り畳み条件を検証する。
図33は等角螺旋に沿った折り線を有する折り畳み可能な折り線付円錐壁の展開図の説明図で、図33Aは全体説明図、図33Bは前記図33Aの要部拡大図である。
図31と同様に、一つの模様が中心Oに対して張る角を2Θとして、一般的に図33Aのような形で表される。この図33Aは、以下のように描かれる。最初、点A,Iを起点に中心Oからの放射線OA,OIと角度ψをなすよう右上方向に線分(1),(2)を引く。
次に点A,Mから放射線と角度φをなすよう左上方向に線分(4),(5)を引く(ψとφ値は図32のα,δと、ψ=π/2−Θ−α,φ=π/2−Θ−δの関係にある)。(1)と(5),(2)と(4)の交点を各々F,Bとすると、点B,Fは同心円上に来る。
同様に上の操作を点B,Fで行うと点C,J,Gが定められ、順次点D,K,Hが定められる。すなわち、点Aから右上方向に取られた点の列F,G,H…は常に半径方向と角度ψを、また点列A,B,C,D,Eは、半径方向と角度φをなすよう描かれる。点A.F,G,Hを結ぶ線を新たに曲線(1)、点A,B,C,Dを結ぶ線を新たに曲線(4)とすると、これら2つの曲線は、半径方向と等角を成しながら中心に向かう線となる。
すなわち、これらの各々の点は中心Oから出る等角螺旋上にある。図33A中の(1),(2),(3)は反時計周りの螺旋、(4),(5),(6)は時計周りの螺旋になる。
【0049】
図33Aのように、線分AB,BC,…が中心角に対して張る角を2Θ′と置くと、線分AF,FG,GHが張る角は2(Θ−Θ′)である。点Fの左右の2つの矩形の拡大図(図33B)を用いて折りたたみ条件を調べる。これらの矩形は合同であり、線分BF,FGは角2Θをなす。ψ,φおよびα〜δの角度関係は図のようになる。図33Aの△OBFは頂角2Θの二等辺三角形であるから、α+φ=π/2−Θとδ+ψ=π/2−Θとなり、
α+δ=π−(φ+ψ)−2Θ ………………………………(21)
を得る。△ABFあるいは△MFNの内角関係より、
β+γ=π−(φ+ψ) ………………………………(22)
を得る。式(21)、(22)より次式が成立つ。
β−α=δ−γ+2Θ ………………………………(23)
線分BFとFGが角2Θをなすことを考慮すると、前記折り畳み条件式(3)が成立つ。
すなわち、等角螺旋で折り線を描くと折りたたみ条件が自動的に成立つことが分かる。
(連続条件)
また、点B,Fの半径R1は展開図の半径をR0として正弦法則を用いて次式で与えられる。
R1/R0=sin{2(Θ−Θ′)+ψ}=p ……………………(24)
外周より2段目の点(C,J,G…)および3段目の点(D,K,H…)の半径は順次p2,p3…で与えられる。即ち、展開図の両端部でこのp,p2,p3…の値が一致していれば、展開図の両端で折り線が連続することを意味する。したがって、このp,p2,p3…が円錐状構造物における連続条件に相当する。
【0050】
(2−3−2)閉じる条件
閉じる条件は、前述の(2−1−2)で述べた閉じる条件と同一なので、説明は省略する。
【0051】
(2−3−3)1節点6折り線法、且つ谷折り線によって形成された主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐の具体例図34は図31と同様の角度関係を有する折り線群によって形成された展開図を有する円錐型筒状折り畳み構造物の説明図で、図34Aは展開図、図34Bは前記図34Aの展開図を有する折り線付円錐壁の半折り状態の斜視図である。
図34の円錐型筒状折り畳み構造物は、N=3、2Θ=π/6、α=π/8とした時の展開図であり、図31と同様の角度関係を有する折り線群によって形成されているので折り畳み可能である。
図35は折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の円錐型筒状折り線付構造物の展開図で、N=3、2Θ=π/9、α=π/9、δ=π/6とした時の展開図(θ*=約0.0688π)である。
図35の筒状折り畳み構造物の折り線は、図32と同様の角度関係を有する折り線群によって形成されているので、図35の筒状折り畳み構造物は折り畳み可能である。
図36は前記図32の点Fで右上方に角度α、左上方に角度δを取った折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の折り線付円錐壁の展開図で、Θ,α,δ値を図35と同じ値とした場合の展開図である。
図36の筒状折り畳み構造物も折り畳むことが可能である。
なお、前記等角螺旋型の折り線に当てはめると、φ=ψが前記図34A、φ≠ψの時は図36が対応する。
【0052】
(2−4)1節点6折り線法、且つ山折り線によって形成された主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐
(2−4−1)折り畳み条件
主折り線が円錐に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐には、前記折り畳み条件式(3)に対応する折り線群(タイプ1)と、折り畳み条件式(6)に対応する折り線群(タイプ2)の2つのタイプがある。
(タイプ1)
図37は折り畳み条件を説明するための1段目と2段目の帯板の要部拡大図である。
図37に示すように外周上に中心点Oに対して中心角2Θの間隔で点A,B,Gをとり、OA、OB、OGに対して、角度ψ*成す直線と中心角2θ*成す直線との交点をそれぞれ点E,F,Hと取る。同様にして点I、J、Kをとり、図37に示すように角度α〜δ、p、qをとる。このようにして形成された帯板は1段目の2段目の形状が相似形状となる。
【0053】
図37において、∠OAB=∠OBA=π/2−Θを考慮すると次式を得る。
p=π/2−Θ+ψ*,β=π/2+Θ−γ−ψ*,
δ=π/2−Θ−(γ+ψ*) ………………………………(25−1)
OA上に△OCEが二等辺三角形になるように点Cを取ると、∠OCE=π/2−θ*となるので、△AECに着目して、∠AEC=π/2−θ*−ψ*を得る。△OCEと△OEFが二等辺三角形であることを考慮し、点E周りの角度関係より得られる∠AEF=q=π−(∠OEC+∠OEF+∠AEC)を用いると次式(25−1)を得る。
q=π/2+2θ*+ψ*+Θ,α=γ−2θ*
……………………………(25−2)
図37において、点Fを例にとり折りたたみ条件を調べる。式(25−1)と(25−2)より、β−α=π/2+Θ−ψ*+2θ*−2γおよびδ−γ=π/2−Θ−ψ*−2γを得る。すなわち次式(27)を得る。
β−α=δ−γ+(p−q)=δ−γ+2(Θ+θ*) …………(26)
図37の谷折り線(1)と(2)のなす角は周期性より2Θ、同様に折り線(2)と(3)のなす角は2θ*である。すなわち、(1)と(3)は2(Θ+θ*)の角度をなすことを考慮すると、式(26)は節点Fで折りたたみの条件式が成立つことを示す。
【0054】
(タイプ2)
図38は前記図37で2段目の谷折り線を1段目のそれと角度γで逆方向に取った場合の図である。
この谷折り線とOA(O;中心)の交点をKとすると、△KEOはψ*となり、新しく得られた矩形EFIKは1段目のそれと相似である。点Fでの折り線の様子は折り畳み条件式(6)の折り線群に対応する。この山折り線(1)を山折り線FHに対応させると折り畳み条件式(6)のθ1〜θ4はθ1=δ,θ2=γ,θ3=α,θ4=βとなる。
図38の線分FHとFEは角度2Θをなすから、折り畳み条件式(6)のα*とβ*は図38上では、
α*=δ+γ+2Θ,β*=α+β+2Θ …………………(27−1)
となる。
図38の1段目の帯板は図37の1段目の帯板と同一なので、前記式(25−1),(25−2)を用いる用いることが可能である。したがって、式(25−1),(25−2)を用いると上式のα*,β*は、
α*=π/2−ψ*−Θ=β+γ
β*=π/2−ψ*−Θ−2θ*=α+δ………………………………(27−2)
となる。これらの式にθ1=δ,θ2=γ,θ3=α,θ4=βを用いると式(3)を得、折りたたみ条件が成立つ。
このように一段毎に逆方向に谷折り線を描くと、反復型の折り線群による折りたたみ構造物が作られる。
【0055】
(2−4−2)閉じる条件
図39は二等辺三角形要素(頂角2Θ)がN個からなる折り線付円錐壁の展開図を考え、その一段だけを湾曲した帯状部分として書き出した図である。
1節点6折り線法の折り線群で構成された円錐型筒状折り畳み構造物の閉じる条件を、前述の円筒型筒状折り畳み構造物の場合と同様に帯板で考える。
ここで、山折りと谷折りが周期的に導入されるとし、折り線が外辺AB,…となす角をζ,ηとする(0≦(ζ,η)≦π/2)。
この帯板をこれらの折り線で折り曲げるとφ=2(ζ−η)Nだけ円周方向に折り曲がる。元々、この帯板は角度ψ=2NΘ曲がっていたから、折りたたみ後、この帯板の両端を隙間なく接合するためには、折れ曲がることによって変化する角度φと最初から曲がっていた角度(中心角)ψとの和が1周分360°(=2π)でないといけない。即ち、この円錐型筒状折り畳み構造物が閉じるためにはφ+ψ=2πが成立つことが必要である。これは、円錐の閉じる条件に対応し、この条件は次式(21)で表される。
φ+ψ=2(ζ−η+Θ)N=2π ………………………………(28)
【0056】
(2−4−3)1節点6折り線法、且つ山折り線によって形成された主折り線が円周に沿って形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐の具体例図40は、前記図37に示す折り線を有する円錐型筒状折り畳み構造物においてN=6、γ+ψ*=π/3、ψ*=π/6、γ=π/6とした場合の展開図(2Θ=π/18)を有する疑似円錐壁の説明図で、図40Aは展開図、図40Bは前記図40Aの展開図を有する円錐型筒状折り畳み構造物を半折りにした状態の斜視図である。
図41は前記図37に示す折り線を有する円錐型筒状折り畳み構造物においてN=6、γ+ψ*=π/3、ψ*=π/4,γ=π/12とした場合の展開図(2Θ=π/6)である。
図42は前記図40Aの展開図の段数を少なくして1段毎にψ*の値を大きくした場合の展開図である。
図42において、円錐型構造物の場合、ψ*+γ=60°である。ψ*+γ=60°のもとでψ*とγとを分割している。各段毎にψ*およびγの値に任意に分割することができる。等角螺旋では中心に向かう程模様が小さくなるので、それを回避するため、ψ*を小さくしている。
図43は前記図42の展開図を有する折り畳み構造物と同じ円錐壁を形成する展開図である。
図43は前記図42と同一形状の円錐壁の展開図である。
図43の展開図は前記図42に比較して両側縁の接合が容易である。
【0057】
図44は前記図38に示す折り線を有する疑似円錐構造物の説明図で、図44Aは展開図、図44Bは前記図44Aの展開図を有する擬似円錐構造物を半折りにした状態の斜視図である。
図45は2Θ=π/6,ψ*=π/6,γ=π/6として得た反復螺旋型折り線付円錐構造物の展開図(N=6)である。
【0058】
(2−4)1節点6折り線法、且つ山折り線によって形成された主折り線が円周に対して傾斜して(螺旋に沿って)形成された折り線群によって構成された円錐及び擬似円錐
図46は図40Aの円周方向の螺旋を右端で1段上昇するようにした折り線付きの折り畳み円錐壁の展開図である。
前記図46の展開図を円錐壁とする場合には、右端の点A,B,C,…と、左端の点D,E,F,Dとが重なるように、右側縁および左側縁を接続する。
上述のように、等角螺旋あるいは反転型の等角螺旋を組合わせると節点での折りたたみ条件が自動的に成立つが、円周方向の折りたたみ条件は、各点での折りたたみ角の周方向の合計が2πになるように、前述の閉じる条件式(15)や(28)に基づいて設定しなければならない。
また、これらの展開図上の節点は、前述の連続条件の説明で用いた式(24)で使用したp値を求めて、半径p,p2,p3…の同心円と半径の交点より決定できる。
(2−5)製作された折りたたみ式円錐殻とその特性
厚さ0.2mmのポリプロピレンシートを用い、図51Aで示された展開図で製作した図51Bの円錐殻および図56Aで示された展開図で製作した図56Bの円錐殻の折りたたみの様子を観察した。その結果、折り紙モデルで予測した通り、良好な折りたたみが可能であることが分かった。
【0059】
3.円筒型筒状折り畳み構造物に関する更なる検討
前記1.節及び2.節において、以前、本発明者が発表した論文に基づいた筒状折り畳み構造物に関する研究を説明したが、この研究をさらに検討した結果を以下に詳述する。
(3−1)目的
折りたたみ・展開の可能な円筒、円錐殻や円板等を合同又は相似形状の矩形あるいは6角形要素でパターン化した展開図は既に上述した。 これらの展開図を 2種類以上の異なる要素の組合わせで創製することが出来れば(擬)円筒断面とは異なる異型の断面(例えば長方形断面等)の角筒や角錐等の製作が可能になると考えられる。
以下では、異なる形状の要素群を組合わせて折りたたみ可能な角筒や角錐殻を創製し、 その造形性や機能性を増やして、 この技法が宇宙構造のみならず工業製品や民製品に用いられるための基本モデルを開発し、 この技法の汎用性を高めることを目的として記述する。
【0060】
(3−2) 折りたたみ可能な筒状構造の基本展開図
図47は折り畳み/展開が可能な平面紙の折り畳み方法を説明する図で、図47Aは従来公知の折り畳み可能な平面紙の展開図の要部説明図、図47Bは折り畳み後に筒状となる平面紙の展開図の要部説明図である。
図48は折り畳み/展開可能な筒状構造物の展開図であり、図48Aは同一の三角形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図、図48Bは同一の等脚台形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図である。
図49は折り畳み/展開可能な筒状構造物の展開図であり、図49Aは異なる台形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図、図49Bは異なる三角形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図である。
簡素な展開が可能な平面紙の折りたたみ法、あるいは折りたたみ可能な擬円筒を製作するための基本的な展開図の例を図47に示す。図47Aは1節点4折り線法の最も基本的な形で垂直方向の折り線が全て同形で等角のジグザグ状であり、これは平面の折りたたみを与える。 図47Bは前記図47Aの等角のジグザグの折り線を2種類にし、これ等を交互に導入したものである。図47Bの展開図を折りたたむと、水平に沿って接続した複数の折り線(即ち主折り線)は曲線を形成する。すなわち折りたたみ可能な円筒(角筒)の基本形になる。
【0061】
図48Aは円筒を形成するための別の基本モデルで、図48Bははその変形型である。図49Aは図48Bの台形要素の形状を更に多様化したものである。図49Bは図47Aの基本モデルを1節点6折り線にしたもので異型モデルの基本形となる。
図47A、図48A、図48Bの展開図は同形の平行四辺形、台形要素あるいは3角形要素からなる。一方、図48B、図49A、図49Bの展開図は2種類の台形要素あるいは三角形要素からなる。水平方向の要素数をNとすると、1種類の要素で構成される図48A、図48Bの場合には擬似的な円筒とみなせる正N角形状の円筒(各筒)型筒状折り畳み構造物になるが、 図47Aを除く他のモデルでは断面が正N角形ではない異型形状の筒状折り畳み構造物になる。
【0062】
(3−3)折り畳み可能な異型角筒のモデル
(3−3−1)1節点4折り線法による異型角筒のモデル化
図50は断面が十文字型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図50Aが展開図、図50Bが図50Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
図51は断面が菱形の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図51Aは展開図、図51Bは図51Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
図52は断面が擬楕円型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図52Aは展開図、図52Bは図52Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
図53は断面が矩形型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図53Aは展開図、図53Bは図53Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
【0063】
異型のモデルとして考えられる代表的な展開図を図50A〜図53Aに示し、各展開図の折りたたみ後の形状を図50B〜図53Bに示す。ここで、完全に折りたたんだ時の形状が各々、十文字型、菱型、擬楕円型及び矩形型になるものを選択した。図50A〜図53Aは、図47B、図48B等の原モデルを基に得られた。図50Aは図47Bに対応し、図47B中2種類のジグザグの山及び谷折り線(水平の折り線となす角; 75°,30°)の組が4組で構成されている。図50Aの展開図の折り線は、2×(75−30)×4=2×360より、円筒型筒状折り畳み構造物の閉じる条件式(13)を満足している。
図51B〜図53Bは図48Bから派生するもので折りたたみ後、図51B〜図53Bの形状を呈し、円筒型筒状折り畳み構造物として閉じる条件を満たすよう水平線との角度が図50Aと同様に設定されている。
【0064】
(主折り線が螺旋に沿う円筒型構造物)
図54は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図54Aは前記図50Aの展開図に対応する図、図54Bは前記図51Aの展開図に対応する図である。
図55は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図55Aは前記図52Aの展開図に対応する図、図55Bは前記図53Aの展開図に対応する図である。
図56は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、前記図49Aに対応する図である。
【0065】
前記図50A〜図53Aの展開図を切断後の展開図の折線が左右連続するよう任意の角度で切断すると、図54A、図54B、図55A、図55Bの主折り線が筒の中心軸を中心とする螺旋模様を形成する展開図を得る。
例えば図54Aは図50Aの線分ABの傾斜線で左右両端の折り線が連続するよう切断して得たものである。これらの切断方法による展開図で得られる異型筒も軸方向に折りたたまれる。 また、図50A〜図53Aの基本パターンが円周方向に閉じる条件を満たせば、 切断する傾斜線の角度に関係なく、図54、図55に示す螺旋型の展開図は折りたたみ後円周方向に閉じる条件を満たす。これらのら旋型の折りたたみ構造の展開能(折り畳み前後の外形の収縮率:折り畳み/展開率)は図50A〜図53Aの基本パターンに比して一般に優れ、 折りたたむと径方向にも収縮する等の特性を有する。
図49Aの基本パターンを応用すると種々の形状の台形要素で構成されたら旋型の擬似円筒の展開図が得られる。これに基づき図50A〜図53Aのような水平の折り線を持つ展開図を得た後、これを傾斜線で切断してら旋型の展開図を作成すると、図56のような擬円筒状構造を与える展開図が得られる。
【0066】
(3−3−2)1節点6折り線法による異型筒のモデル化
図57は水平方向にzigzagに形成された折り線と垂直方向にzigzagに形成された折り線とによって構成される折り線群の角度関係を説明する図である。
(折り畳み条件、閉じる条件等の条件式について)
図57に周期的にx軸と角Θ1、 Θ2をなすzigzagの水平方向の山折り線(DBAC)とy軸と交互に角度Θ3、Θ4となすx軸とほぼ垂直方向の山折り線(EAF)で構成した4種類の形状の平行4辺形要素を基に描かれた1節点6折り線による折り線図を示す。各節点と角度を図57に示すように定める。∠BAG=α,∠GAE=β,∠CAH=γ,∠FAH=δとおくと、図57から、
α+β=π/2+Θ1-Θ3,γ+δ=π/2-Θ2-Θ4 ……………………………(29)
を得る。式(29)を前記折り畳み条件式(3)を組合わせて、次式(30)が得られる。
β-δ=γ-α+Θ1+Θ2+Θ4-Θ3 ………………………………………(30)
【0067】
図57において、線分GAの延長線と線分AHのなす角をθ1とすると、θ1=β+Θ3+π/2+Θ2+γ-πであるから、式(29)のβをこの関係式に用いるとθ1は次式(31)で与えられる。
θ1=γ-α+Θ1+Θ2 ……………………………………………………(31)
節点Aでの折りたたみ条件式は前記折り畳み条件式(3)からβ-α=δ-γ+θ1であるから、この折り畳み条件式に式(31)のθ1を代入すると、
β-δ=Θ1+Θ2 …………………………………………………………(32)
が得られる。 また式(32)と式(30)より次式(33)が成立つ。
γ-α=Θ3-Θ4 …………………………………………………………(33)
次に、谷折り線BIの延長線と谷折り線BFのなす角をθ2とすると、 同様にθ2=γ* -α* -(Θ1+Θ2)となるから、点Bでの折りたたみ条件式は次式(34)で表される。
γ* -α* =Θ3-Θ4, β* -δ* =-(Θ1+Θ2) …………………(34)
これらをまとめると、折りたたみ条件式(32)〜(34)は、
γ-α=γ* -α* =Θ3-Θ4 …………………………………………(35)
β-δ=δ* -β* =Θ1+Θ2 …………………………………………(36)
となる。
【0068】
図57において、閉じる条件(折りたたみ後円周方向に閉じる条件)は次式(37)、(38)で表される(N;偶数)。
(N/2)・2(β+β*)=2π ………………………………………………(37)
(N/2)・2(δ+δ*)=2π ………………………………………………(38)
ここで、辺AB≡a,AC≡b,AF≡c,AE≡dと表すと、 正弦定理を △ABF、
△AFHに用いると、a/c=sinδ* /sinγ*, b/c= sinδ/sinγを得る。こ
れらの関係より、次式(39)を得る。
a/b=sinβsinα* /(sinα・sinβ*)………………………………(39)
同様の手順で下記の関係式(39′)、(40)を得る。
a/b=sinγsinδ* /(sinδ・sinγ*)……………………………(39′)
更に幾何学的な拘束条件として、次の関係式がある。
α-α* +β* -β=γ* -γ+δ* -δ=Θ1+Θ2……………………(41)
8個の角度(α〜δ*)を未知数として、辺の長さの比a/b、c/dを与えると、拘束式は式(35)〜(41)の9個あり、一般に解くことが困難である。
【0069】
したがって、ここではΘ1+Θ2=0及びΘ3-Θ4=0の2つの簡単な場合を考える。前者はΘ1=Θ2=0で水平の折り線が直線、後者はΘ3=Θ4で垂直方向の折り線が直線になる場合である。
(i)Θ1=Θ2=0の場合
水平方向の折り線が直線の場合、鉛直方向の折り線がzigzagの平行であるから、角度関係は、
α=α*,β=β*,γ=γ*、δ=δ*………………………………(42)
となる。またΘ1+Θ2=0とおくと、式(34),(35)は、
β=δ,β* =δ*,γ-α=γ* -α* =Θ3-Θ4 ………………(43)
で表される。
【0070】
(Θ1=Θ2=0の場合の具体例)
図58は水平方向に接続する折り線が直線の折り線を有する筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、図58Aは鉛直方向の折り線がzigzag状になる筒状構造物の展開図、図58Bは鉛直方向の折り線が曲線状になる筒状構造物の展開図である。
図59は水平方向に接続する折り線が直線の折り線を有する筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、前記図58Aの展開図において1段ごとに反転させた展開図である。
図58、図59に、水平方向に並んで配置された平行4辺形要素の形状、寸法が同じ場合の折り線図を示す。ここで角度δの値は式(37)の水平方向に閉じる条件より決まる(δ=π/N)。2段目のβをδと等置すると、式(37)が満たされる。式(30)でΘ1+Θ2=0及びβ=δとおくとγ-α=Θ3-Θ4となり、式(38)も自動的に満たされる。 すなわち図57Bのように各段毎にβ=δ=π/Nと選び、α,γは任意の値に選択した展開図でも折りたたみが可能になる。 結果として鉛直方向の山折り線はzigzag(図58A)あるいは曲線状(図58B)になる。
【0071】
図59は図58Aを一つ跳びに逆方向にし、反復型の折り線にしたもので、 角度関係は図58Aのようになる。この1節点6折り線法における節点Oでの折りたたみ条件は図58中の水平の山折り線(線分AO)の延長線が線分OBと一致するから、α+β=α+δ,γ+δ=β+γを同時に満たすことで与えられる。
双方の式ともに、β=δとなるから、図58A、図58Bの展開図は自動的に折りたたみ条件、及び閉じる条件を満たす。このことは平行4辺形で展開図を構成すると、閉じる条件だけを満たすように角β=δを選ぶと、各段任意の模様で折りたたみ可能な擬円筒の展開図を設計出来ることを示す。
前記式(39)に式(42),(43)を用いるとa/b=1となる。これは、水平方向の折り線が直線の場合には、水平方向の平行4辺形の寸法の異なる折りたたみ可能な異型形状の展開図を作ることが出来ないことを示す。
【0072】
図59の反復型の折り線を用いると 平行4辺形の水平方向の寸法長さが異なる場合、 すなわち矩形形状で折りたたまれる展開図が得られる。これを図60に示す(N=4)。
図60は反復型の折り線で構成された筒状折り畳み構造物の展開図であり、折り畳まれた後の断面が矩形状となる構造物の展開図である。
図60の各接点での折りたたみ条件は図59と全く同様に成立つ。図60中のδとδ'はその和がπ/2で、 それらは鉛直方向の3角形要素(パーツ)について一定である(δとδ'以外の角度は任意)。このことより、反復型の折り線を有する筒状構造物は、図58A、図58Bのタイプの構造物に比し、折りたたみ条件についての拘束度合が緩やかであることが分かる。
【0073】
(ii)Θ3=Θ4、即ち、鉛直方向の山折り線が直線の場合
図61は鉛直方向に接続される折り線が直線を形成する折り線群を有する筒状折り畳み構造物の角度関係を説明する図である。
Θ3=Θ4の場合、筒状構造物のモデルは図61のようになるから、α* =γ,β* =δ,γ* =α,δ* =βとなる。したがって、式(35)はΘ3=Θ4の時γ-α=0となる。また図57よりα+β-Θ1+Θ3=γ+δ+Θ2+Θ4となるから、 Θ3=Θ4,γ=αとおくと、この関係式はβ-δ=Θ1+Θ2となり、前記式(32)も同時に満たされる。すなわち式(32)〜(36)の折りたたみ条件は単一の次式(37)で表される。
α=γ, β-δ=Θ1+Θ2 ………………………………………………(37)
前記式(36)でα* =γ,β* =δとおき、α=γとすると、
a/b=sinβ/sinδ ……………………………………………………(38)
を得る。a/b値を与え、閉じる条件(β+δ=π/N)を式(38)に用いると、β,δが数値計算で求まり、式(37)よりΘ1+Θ2が決まる。したがって、前記図57よりa/b=sinΘ2/sinΘ1であるから、得られたΘ1+Θ2を用いるとΘ1,Θ2が決まる。
図62は鉛直方向に接続される折り線が直線を形成する折り線群を有する筒状折り畳み構造物の具体例の図であり、図62Aはa/b=2.5、N=4の場合の展開図、図62Bはa/b=2.5、N=6の場合の展開図である。
図62Aの筒状折り畳み構造物は、a/b=2.5、N=4(β+δ=π/4)、図62Bの筒状折り畳み構造物は、a/b=2.5、N=6(β+δ=π/6)に設定されているので、折り畳み条件及び閉じる条件等を満足するので、折り畳むことができる。ここでα=γは自由に選択出来る。
【0074】
(3−4)異なる要素形状の組合せによる擬円錐殻の製作及びこれによる異型角錐殻モデルの創製
(3−4−1)異なる模様による円錐殻のモデル
等角ら旋や反復型の折り線を用い、展開図を相似な矩形や6角形要素に分割して、折りたたみ可能なの円錐型筒状構造物を製作する方法は前述した。この時、要素寸法は中心に近づく程、等比級数的に小さくなり、これを製作加工する際に煩雑な工程が要求された。それゆえここでは、中心に近づく程、等角ら旋が与える寸法より大きくして行く修正モデルを考える。
図63は等角螺旋の修正モデルの図であり、図63Aは螺旋型の折り線の説明図、図63Bは図63AにおいてN=6とした時の具体例を示す図である。
図63Aに示されるように外周上に点A,B,C,…、これより小さな半径上に点D,E,F…及びG,H,I…をとる。各点を結んで描いた矩形要素を分割して得られる上側の3角形の左下隅の角(∠DAE,∠EBF,∠GDH等)を図58の説明で使用したように全てδ0と置く。
【0075】
ここで、点Eでの折りたたみ条件を考える。要素ABEDを分割する線分AEと右上の要素のそれ(線分EI)のなす角θ1は、∠ADE=∠BEF≡pとおくと、θ1=β0+p+γ1-πとなる。△ADEの内角の和よりp+α0+δ0=πを得る。これらの式から、pを消去すると、
β0-α0=δ0-γ1+θ1 …………………………………………………(39)
となり、折りたたみ条件が成立つ。これは角δ0を各段毎に一定に保つと折りたたみ可能な擬似円錐型筒状構造物が製作出来ることを示す。このδ0値は閉じる条件で決まり、展開図の初期曲がりをNΘとして(Θ; 矩形要素の下辺が中心に対して張る角)、次式により決定される。
NΘ+2δ0×N=2π ………………………………………………………(40)
N=6とした例を図63Bに示す(Θ=20°,δ0=20°)。
【0076】
図64は反復型等角螺旋の修正モデルの図であり、図64Aは螺旋型の折り線の説明図、図64Bは図64AにおいてN=6とした時の具体例を示す図である。
図64Aに前記図63Aのモデルで外周から偶数段目の矩形を反対方向にとった反復型のモデルを示す。なお、各点と角度を図63Aと全く同様に定める。
点Eにおける折り畳みについて考える。線分EFの延長上に点Jを取る。点Eでの折りたたみ条件は∠HEJ=∠GED+∠AEBと∠BEJ=∠HEG+∠DEAが同時に成立つことである。∠DEJ=Θであるから∠HEJ=δ0+γ1+Θ、また∠JEB=π-p=α0+δ0であるから、上の条件が成立つ。したがって、図64Aの反復型の等角螺旋の修正モデルでは、折り畳み条件が成立し、閉じる条件は、図63Aの場合と同様である。
この反復型の筒状構造物の例を図64Bに示す(N=6,Θ=20°,δ0=20°)。
【0077】
(3−4−2) 異型角錐筒の製作
図65は異型の角錐状構造物の説明図であり、図65Aは角度関係を説明する図、図65Bは異型の角錐状構造物の具体例である。
図65Aに示されるように、外周上の点Aから中心Oに向かうzigzagの山折り線ACDE(図65Aの折り線▲1▼)を考え、この折り線ACDEの「振り角」をjΘ(j;正数値、Θ;扇形の微小分割角)とし、折り線AC,CD,DE…が半径方向と角φ0,φ1,φ2…をなすものとする。また同様に点Bから最初、前記折り線ACと逆方向に向かう山折り線(図65Aの折り線▲2▼)を描き、これが半径方向と角ψ0、ψ1、ψ2…をなすものとる(振り角;kΘ)。このような折り線(▲1▼、▲2▼)を交互に取って、展開図65Aを作図し扇形を台形形状の要素で分割する。図65Aの中央部の線分AB,DG等が中心Oに対して張る角度をmΘ、また左右の線分IC,JD,FK,GL等の張る角度をnΘとする。線分IC、KFの延長線上に点M,Nをとる。点Cでの折りたたみ条件は∠ACM=π/2-[(n/2+j)Θ+φ0],∠DCF=π/2-[(j+m/2)Θ+φ1]を等置して、
φ0-φ1=(m-n)Θ/2 …………………………………………………(41)
となる。同様に点Fでの折り畳み条件は次式(42)で表される。
ψ0-ψ1=(m-n)Θ/2 ……………………………………………………(42)
【0078】
図65Aにおいて、∠DCF=π/2-(j+m/2)Θ-φ1, ∠ICD=π/2-nΘ/2+φ1であるから、点Cでの折りたたみ後の角度Φ≡∠ICD-∠DCF、及び点Fでの折りたたみ後の角度Ψは次式(43)、(44)で表される。
Φ=2φ1+{j+(m-n)/2}Θ …………………………………………(43)
Ψ=2ψ1+{k+(m-n)/2}Θ …………………………………………(44)
折りたたみ後の形状が長方形の場合を考え、j=k=1と置き、各々の頂点が90°で折りたたまれるとする。長方形の縦横比を与えるm、nをm-n=2とすると、式(43),(44)は、
2(φ1+Θ)=2(ψ1+Θ)=90° …………………………………………(45)
となる。また、式(41),(42)は次式(46)となる。
φ0-φ1=ψ0-ψ1=(m-n)Θ/2=Θ ……………………………………(46)
式(45)でΘ=5°と置くと、φ1=ψ1=40°、式(46)よりφ0=ψ0=45°となる。同様の手順でφ2、φ3・・・が求められ、最終的にφ(=ψ)の変化は45°→40°→45°→40°で与えられる。m=3,n=1とした場合の展開図を図65Bに示す。
【0079】
4.円筒型筒状折り畳み構造物と円錐型筒状折り畳み構造物の関係
以下では、最初、等角ら旋状折り線を任意角で逆方向、あるいは同方向に交叉させて構成した3角形要素による折りたたみ可能な円錐(台)形状筒状構造物の展開図の作図方法を述べる。次にこれに基づき考案されたより大きな展開能を有する矩形要素からなる展開図の製作法を述べる。
(4−1)折りたたみ式円筒から円錐殻への変換の基本関係
図66は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の展開図を説明する図であり、図66Aは円筒の座屈パターンの展開図で図9に対応する図、図66Bは各要素の角度の説明図、図66Cは図66AのABが水平になるように傾斜した図である。図67は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の説明図であり、図67Aは図66Bを描き直した図でで図22Aに対応する図、図67Bは展開図の上昇を説明するための図で図66Bに対応する図である。
図68は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の説明図であり、図68Aは図67BのGFが水平になるように傾斜させた図、図68Bは図68Aを描き直した図である。
【0080】
図66〜図68に円筒の折りたたみの展開図を示す。図66Aは円筒の軸圧縮時の座屈パターンから得られる折りたたみの基本形で、α=β=π/6(図66B参照)の2等辺3角形要素からなる。これを図66A中の傾斜した線分ABで切断しACを下辺DEに接合すると 図66Cが得られ、図67Aのように変形できる。 図67BにおいてFGで切断すると1段上がり(1段上昇)、 あるいはFHで切断すると2段上がりの主折り線が螺旋に沿う筒状構造物の展開図になる。1段上がりのものが図68Aであり、この図68Aは図68Bと等価である。図68の展開図の両端を接合して円筒を構成した時、左下隅から出る傾斜した折り線の右端(図68Aの点F)はこの山折り線の一段上の折り線の左端と連続する。これはGuest等が数値計算によって折りたたみ特性を調べた円筒のモデルに相当する。図67Aは筒状構造物の円周方向に沿って平行4辺形要素が6個配置されるが、彼等が示したように図68の一段上がりのモデルではこれが7個、2段上がりのものは8個で構成される。これ等のモデルの折りたたみ条件はβ=π/6であり、α=π/6の時には、正6角形状で折りたたまれるがαがπ/6でない限り、正多角形形状で折りたたまれることはない。また、この段上がり数が増えると折りたたみ時に半径方向の収縮が大きくなる。
【0081】
前記図66〜図68に示す円筒型の筒状折り畳み構造物に対応する円錐型の筒状折り畳み構造物の展開図を図69〜図71に示す。
図69は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図69Aは図66Aの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図、図69Bは図67Aの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図である。
図70は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図68Bの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図である。
図71は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図71Aは図67Bにおける2段上がりの円筒状構造物に対応する円錐型構造物の展開図であり、図71Bは図71Aを描き直したものである。
なお、図71Bは図71Aを描きなおしたもので、右上がりの緩やかな山折り螺旋方向に6個の要素で構成されていることを示している。以下においては図69Aの形式の折り線を逆方向ら旋、図69Bの形式の折り線を同方向ら旋と呼ぶ。
【0082】
(4−2)ら旋状折り線による折りたたみ型円錐殻の作図法
(4−2−1)逆方向に交叉する山折りのら旋状折り線で構成される3角形要素からなる展開図
図72は逆方向螺旋の折り線群に関する作図及び角度の説明図であり、図33に対応する図である。
図72のように点Aを外周上に取り、半径と角φをなすよう折り線ABを引き、点Bを定める(線分ABが中心に対して張る角:mΘ)。同様に、点Bから更に角φで右上方向に進展させ点Cを定め、次に点Dを定める。この折れ線を▲1▼とする。点Aから半径方向と角ψをなすよう線分AEを左上方向に引き (線分AEが張る角度:nΘ)、同じ角ψ,nΘを用いて作図し、 点E,F,Gを定める。点Eから右上がりの折れ線▲3▼を▲1▼と同様に描く。又点Bから折れ線▲4▼(点I,B,H・・・)を▲2▼と同様の手順で描き、等角ら旋状折り線で展開図を構成する。△0AB及び△0AEに正弦定理を用いると、Bの半径をR1、点Eの半径をR1*とするとp≡R1/R0とq≡R1*/R0は各々
p=sinφ/sin(φ+mΘ),q=sinψ/sin(ψ+nΘ) ………………………(46)
で与えられる。点C,Dの無次元半径はp2,p3・・,点F,G・・・の無次元半径は各々q2,q3・・・で与えられ、折り線▲1▼,▲2▼は等角の螺旋になる。また、点E,B,J・・・の無次元半径は各々q,p,p2 /q,p3 /q2・・ のようにp/q(≡r)の等比数列になり、この点列も等角ら旋上に来る。折り線で構成された矩形要素は相似形である。
【0083】
ここで、各節点における折り畳み条件を確認する。この矩形を構成する3角形要素の角度を図72のように角α〜δで表し、これらの角度関係を求める。△OEBと△ABEの内角の和の関係より、
α+δ+φ+ψ+(m+n)Θ=π、
β+γ+φ+ψ=π ………………………(47)
を得る。上の2式(47)より次式(48)が導かれる。
β-α=δ-γ+(m+n)Θ …………………………………………… (48)
線分EB、BJがなす角が(m+n)Θであるから、式(48)は点Bで折りたたみ条件が成立つことを示す。矩形要素の相似性より、全ての節点で折り畳み条件を満足している。∠0EH=∠0AB=φより、線分EHとABの交点と点0,E,Aの4点は同一円上にある。それゆえδ=β+mΘが成立ち、式(48)より
δ-β=mΘ,γ-α=nΘ …………………………………………………(49)
を得る。また式(47)より次式(50)を得る。
α=π-δ-(φ+ψ)-(m+n)Θ …………………………………………(50)
r≡p/qは△OABにおいて正弦定理より、次式(51)で与えられる。
r=sin(φ+δ)/sin[φ+δ+(m+n)Θ] …………………………………(51)
【0084】
次に具体例を考える。 図72の点Kが外周上にある場合にはp/q2 =1である。 一般的にp/qk =1で表す(k;整数)。 q=sinψ/sin(ψ+nΘ)=p(1/k)より次式(52)を得る。
cosψ=sinψ・f(p) ……………………………………………………(52)
ただし、f(p)≡(1-p(1/k)cosmΘ)/(p(1/k)sinmΘ)
したがって、ψはpすなわちφの関数である。cos2ψ+sin2ψ=1を用い、sinψ>0を採るとsinψ=(1+f2)-0.5すなわちψは
ψ=arcsin(1+f2)-0.5 ………………………………………………(53)
となる。またr=p/q=p(1-1/k)より、上と同様に、δ+φは、
δ+φ=arcsin(1+g2)-0.5 …………………………………………(54)
ただし、g(p)≡[1-p(1-1/k)cos(m+n)Θ]/[p(1-1/k)sin(m+n)Θ]
で表される。
【0085】
折りたたみ後、円周方向に閉じる条件は展開図上の左上がり方向の山折り線数をN(周方向の要素数)として、折りたたみによる曲げ角Φは
Φ=2[δ+[π-φ-ψ-(m+n)Θ]]・N ……………………………………(55)
で与えられる。展開図の初期曲がり(両端のなす角)はΨ=(m+kn)NΘであるから、折りたたみ後 周方向に閉じる条件式(28)(Φ+Ψ=2π)は、
[δ+π-φ-ψ-(m+n)Θ]+(m+kn)Θ/2N=π/N ………………………(56)
で与えられる。 式(53),(54)を式(56)に用い、これを満たすφを数値計算で算出して得た展開図の一例を用いた定数とともに図73に示す。
図73は逆方向螺旋の折り線群を有する円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の展開図である。
この図73の筒状構造物は前記図69Aのら旋状山折り線を傾斜させたものに対応し、p=qk (k=2)の条件より、展開図の左右端での折り線の連続性が成立っている。図73では、N=3,Θ=5°,m=3,n=2で計算を行い、p=0.8873,q=0.9419の計算結果を得た。
【0086】
(4−2−2)同方向で交叉する山折りのら旋状折り線で構成される3角形要素からなる展開図
図74は同方向螺旋の折り線群に関する作図及び角度の説明図であり、図74Aは全体図、図74Bは図74A要部拡大図である。
図74Aのように点A(半径R0)を円の外周上に取り、半径と角φをなす線分ABを引き(線ABが中心に対して張る角:mΘ)、点Bから同じφとmΘ値を用いて点C,点Dを順次定める。この折り線を▲1▼とする。次に、点Aから角度ψ(<φ)で同様に点Eを定め(線分AEが張る角度:Θ)、同じ手順で点F,G,Hを定め、折れ線▲2▼を作図する。p≡R1/R0 (R1;Bの半径)は
p≡sinφ/sin(φ+mΘ) ………………………………………………(57)
で与えられる。同様にして、点Eの無次元半径qは次式(58)で与えられる。
q≡sinψ/sin(ψ+Θ) …………………………………………………(58)
したがって、点B,C,Dの無次元半径はp2,p3,p4で、 点F,G,Hのそれらは各々q2,q3,q4で与えられる。次に点B,C,D…を起点として折れ線▲2▼を得たのと同様に、角φを取って描く。このような手順により、図74Aのような矩形模様を得、各点の半径は図74Aのようになる。点Aから矩形の対角線(点線)上にある点A,I,J,Kの列(白丸点)を結ぶ折り線を▲3▼とする。これらの点の無次元半径は、各々1,(pq),(pq)2,(pq)3で表される。したがって、折り線▲1▼〜▲3▼は等角ら旋状になる。
【0087】
具体的に無次元半径を計算する。r≡pqは△OAIに正弦定理を用いて、次式(59)で表される(∠EAI=δ)。
r=sin(ψ+δ)/sin[ψ+δ+(m+1)Θ] …………………………………(59)
節点Iについて、折りたたみ条件を検証する。全て相似形の矩形要素を対角に分割し、角α〜δを図74Bに示すように定める。図74Bよりφ=γ+δ+ψである。半径OEの延長上に点Lを取ると、∠AEL=ψ+Θ、∠OEI=φであるから、∠AEI=∠AEL+∠LEI=ψ+Θ+π-φになる。△AEIの内角の和の関係よりαは、α=π-∠AEI-δ=φ-ψ-δ-Θとなり、γは∠OABの関係より、γ=φ-(ψ+δ)となる。△OABの内角から∠ABI=(π-φ-mΘ)+ψより、β=π-γ-∠ABI=φ-ψ-γ+mΘ=δ+mΘで表される。線分AIが中心に対して張る角が(m+1)Θ、線分AI,IJのなす角は(m+1)Θを考慮すると次式(60)、
β-α=δ-γ+(m+1)Θ …………………………………………………(60)
すなわち節点Iでの折りたたみ条件(式(3))が成立つ。
【0088】
次に連続条件の検証を行う。円周方向の矩形要素数をNとした時、一段上昇の場合の展開図の左右の連続条件はq=pNである。この値は、次のようにして計算する。q≡sinψ/sin(ψ+Θ)=pNより、式(53)を得たのと同様に計算して、
ψ=arcsin(1+f2)-0.5………………………………………………(61)
ただし、f(p)≡(1-pNcosΘ)/(pNsinΘ)
を得る。したがって、ψはpすなわちφの関数である。
r=pN+1とr=sin(ψ+δ)/sin[(ψ+δ)+(m+1)Θ]を用いて、r=pN+1sin[(ψ+δ)+(m+1)Θ]=sin(ψ+δ)を得る。同様の手順で、ψ+δとして次式を得る。
ψ+δ=arcsin[(1+g2)] ………………………………………(62)
ただし、g≡[1-pN+1cos[(m+1)Θ]]/(pN+1sin[(m+1)Θ])
【0089】
折りたたみ後、円周方向に閉じる条件を導く。1段上昇の場合、折りたたみによる折り曲げ角Φは、
Φ=[N[(ψ+δ)-ψ]-(φ-ψ-δ-Θ)]×2 ……………………………(63)
で与えられる。円錐殻の展開図の初期曲がりΨは、
Ψ=[(N-1)m+(m-1)]Θ=(Nm-1)Θ ……………………………………(64)
であるから、閉じる条件(Φ+Ψ=2π)は次式(65)となる。
(N+1)δ+(ψ-φ)+(Nm+1)Θ/2=π ……………………………………(65)
式(61),(62)を式(65)に用いて、式(65)を満たすφを数値計計算で算出することより、前記図70の展開図を得る。螺旋に沿った山折り線(主折り線)が1周回る毎に2段上昇する場合には、
2N[G-2φ-F]-NmΘ+2(N-1)π=0 ……………………………………(66)
で閉じる条件が与えられる。式(61),(62)を式(66)に用い、 数値計算で得た結果を図75に示す。
図75は同方向螺旋の折り線群を有する円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の展開図である。
なお、図75において、N=8,Θ=5°,m=2.4で計算を行い、p=0.98547、q=0.868859の計算結果を得た。
【0090】
(4−2−3)矩形要素で構成される展開図
前記図72では2つの等角ら旋状の山折り線 (▲1▼,▲2▼)とそれらの交点を結ぶ谷折り線の群で3形要素の展開図を構成した。これを基にここでは相似な台形要素で展開図を分割する。
図76は台形要素によって構成された円錐状構造物の説明図であり、図76Aは作図方法及び角度関係の説明図、図76Bは図76Aの作図法によって形成した具体例の構造物の展開図である。
図76Aにおいて、折り線を外周上の点A(半径R0)から最初中心に張る角nΘで左上方向に、次に右上方向にkΘ進展させ、これを交互に繰り返してzigzagの折り線(ADEFG)を描く(線分が半径方向となす角を交互にφ、ψとする)。中心角(m+n)Θ置きに等間隔に配置された外周上の点B,Cからも全く同様のzigzagの山折り線BHIJK,CLMNP・・を描く。次に点C,D,A,H,B・・やL,M,F,E,J,K・・を結び、これを円周方向の山折り線とし、台形要素に2分割する線LE等を谷折り線にする。点Dの半径をR1、点Eの半径をR2とすると、p≡R1/R0、q≡R2/R1は、
p≡sinφ/sin(φ+nΘ)
q≡sinψ/sin(ψ+kΘ) ………………………………………………(67)
となる。同一径上の点L,D,Hの無次元半径はp、点M,E,I,及び点N,F,Jのそれらは各々pq,p2q,…で与えられる。台形の底辺AH,CDが半径方向となす角をξ(mΘ;線分AHが中心にたいして張る角)、谷折り線DI,LEが半径方向となす角をχとするとpとq値は
p≡sinξ/sin(ξ+Θ)
q≡sinχ/sin[χ+(k+m+n)Θ] ………………………………………(68)
のようにも表記出来る。
【0091】
次に点Dにおける折りたたみ条件を導く。線分CDの延長線上に点Qをとる。半径ODの延長上に点Sを定める。点Dにおける折り畳み条件は、∠ADQ=∠EDIで表される。∠ODQ=∠CDS=ξ+mΘ,∠ADS=φ+nΘより、∠ADQ=π-[ξ+φ+(m+n)Θ]となる。∠EDI=χ-ψであるから、これらを等置して、折りたたみ条件として
χ-ψ+ξ+φ+(m+n)Θ=π ……………………………………………(69)
を得る。点Eにおいては、半径OEの延長上に取った点Tに対して、∠JED=∠JET+∠DET=(π-ξ)+(ψ+kΘ)より、∠DEL=ξ-(ψ+kΘ)となり、∠FEL=[π-χ-(k+m+n)Θ]-φを等置すると上式(69)になる。すなわち全ての点での折りたたみ条件は式(69)で表される。
【0092】
次に、円周方向の曲がった帯板部分を考え、折りたたみ後円周方向に閉じる条件を導く。円周方向の台形要素数をN個とすると、折りたたみによって、2(χ-ψ)Nだけ折れ曲がる。 この帯板の初期曲がり(両端のなす角)は(m+n)ΘNである。 これらの和を2πと置いて、閉じる条件として、
(χ-ψ)+(m+n)Θ/2=π/N ……………………………………………(70)
を得る。折り畳み条件式(69)及び閉じる条件式(70)より次式(71)を得る。
ξ+φ=(N-1)/N・π-(m-n)Θ/2 ………………………………………(71)
式(67),(68)のpを等置し、m,n,kを与え式(71)を用いるとφとξが計算でき、同様にqを等置してψとχが算出される。このようにして得た展開図の例を図76Bに示す。なお、図76Bにはp=0.9573,q=0.8746の場合の展開図を示す。
【0093】
図77は台形要素によって構成された図76とは異なる円錐状構造物の説明図であり、図77Aは作図方法及び角度関係の説明図、図77Bは図77Aの作図法によって形成した具体例の構造物の展開図である。
前記図76Aの展開図は点A,B,Cから描いたzigzagの山折り線の頂点を半波長ずらせて結んだ山折り線(例えばCDAHB・)で構成した。これを更に1波長上方にずらせて描いた展開図を図77Aに示す。角度を図76Aと同様に定義する。代表点GとFの折りたたみ条件は各々、
ξ+φ+χ-ψ+(m+n-k)Θ=0 …………………………………………(72)
ξ+φ+χ-ψ+(m+n)Θ=0 ……………………………………………(73)
で与えられる。上の2式(72),(73)は同時に満たされなければならないから、このような模様の展開図ではk=0でなければならない。すなわちψ=0として、式(68)を次式で表す。
p=sinφ/sin(φ+nΘ),q=定数 ………………………………………(74)
点K,D,H・・の無次元半径はp、点L,E・・、点M、F・・のそれらは各々pq,p2q・・で与えられる。点Eの半径はp2qであり、これはまたsinχ/sin[χ+(m+n)Θ]で表されるから、
pq2 =sinχ/sin[χ+(m+n)Θ] ………………………………………(75)
を得る。また次式(76)も成立つ。
p2q=sinξ/sin[ξ+mΘ] ……………………………………………(76)
【0094】
閉じる条件は、折曲がり角Φ=2(χ-ξ)N、初期曲がり角Ψ=(m+n)ΘNとして(N;要素数)、次式(77)で与えられる。
Φ+Ψ=2(2χ-ξ)N+(m+n)Θ)N=2π …………………………………(77)
χ,ψを未知数として、 式(74)〜(77)を解くことにより得られた展開図を図77Bに示す。図77Bにはp=0.8990,q=0.9806の場合の展開図を示す。
【0095】
図78は図74とは異なる矩形要素で構成される円錐型筒状折り畳み構造物の作図法及び角度関係の説明図である。
前記図74のモデルを基に、別の形の矩形要素で構成される展開図を考える。図78のように外縁上の点A(半径R0)を起点に、半径方向と角φをなす線分ABを描く (ABが中心に対して張る角; mΘ)。次に点Bから半径方向と角ξをなす線分BCを描き、これが張る角をnΘとする。同様の手順で交互にmΘ,nΘを経る毎に角φ,ξを取りzigzagの折り線CDEF・・Gを描く。これを周方向の折り線▲1▼とする。点Bの半径をR1とすると無次元半径R1/R0は、
p≡R1/R0=sin[φ/(φ+mΘ)] ………………………………………(78)
で与えられる。点Cの半径をR2とすると次式(79)が成立つ。
r≡R2/R1=sin[ξ/(ξ+nΘ)] …………………………………………(79)
点Cの無次元半径R2/R0はprで表され、順次、 点D,E,Fの無次元半径はp2r, p2r2, p3r2・・・で表される。
【0096】
次に点Aから半径方向と角ψなす線分AIを描く(線分AIが中心に対して張る角; Θ)。点Iの無次元半径qは
q≡sinψ/sin(ψ+Θ) …………………………………………………(80)
で表される。点Iを起点とし、折り線▲1▼と逆に、最初角ξ(張る角nΘ)、次に角ψ(張る角mΘ)で点J,Kを定め、これを繰返して▲1▼と同様な折り線を描く。 このような作図によって扇型膜を相似な6角形要素で分割することが出来る。この分割で得られるzigzag線FEMLT・・を折り線▲2▼とし、6角形要素を対角に分割する線を(谷)折り線とする。
【0097】
点Eでの折りたたみ条件を導く。線分DEの延長上に点S、半径0Eの延長線上に点Rを取る。∠DER=ξ+nΘ,∠REF=π-φであるから、∠FES=φ-ξ-nΘとなる。∠MEP=χ-ψであるから、これらを等置して、折り畳み条件式(81)を得る。
φ+ψ-χ-ξ=nΘ ………………………………………………………(81)
点Mでの折りたたみ条件式も上式(81)で表される。すなわち全ての節点の折りたたみ条件式は式(81)で与えられる。
【0098】
次に連続条件を検討する。折り線▲1▼は角φでN回、角ξでN-1回折り曲げられて、点Gに至る。すなわち点Gの無次元半径はpNrN-1で与えられる。この値が点Iの無次元半径qと等しい時、1段上がりのら旋模様になり、扇形の左右の折り線の連続条件が満たされ、これは次式(82)で表される。
q=pNrN-1……………………………………………………………(82)
6角形要素の連続性から、対角線AKが半径方向となす角をχとし、この対角線が中心に対して張る角が(m+n+1)Θになることを考慮すると、点Kの無次元半径sは、
s=sinχ/sin[χ+(m+n+1)Θ] …………………………………………(83)
で与えられる。s=pqrであるから、sは次式(84)で表される。
s=pN+1 qN ………………………………………………………(84)
【0099】
次に1段上がりの場合の円周方向に閉じる条件を考える。2本の点線で仕切られた円周方向の曲がった帯状部分UVを考える。線分AIと線分AKのなす角はχ-ψ、線分BCと線分DWのなす角ζはζ=ξ-χ-Θである。この帯状部分には前者が(N-1)個、後者が1個ある。すなわちこの折りたたみの操作により、Φ≡2[(N-1)(χ-ψ)-ζ]だけ折れ曲がる。 帯状部分の初期曲がり角Ψは[mN+n(N-1)-1]Θであるから、折り曲げ後、この帯状部分の両端が閉じる条件(Φ+Ψ=2π)は次式(85)で与えられる。
2Nχ-2(N-1)ψ-ξ+[mN+n(N-1)-1]Θ=2π …………………………(85)
【0100】
(具体例)
図79は図78の作図法に基づいて形成された折り線を有する折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、図79Aは1段上がりの展開図、図79Bは2段上がりの展開図である。
φ,ψ,ξ及びχを未知数とし、p,q,r.sの表記式を用いて4つの関係式、(81),(82),(84),(85)を数値的に解くと、これらの値が決定される。N=7として得た1段及上がりの展開図を図79Aに示す。図79Aには、N=7,Θ=5°,m=2,n=1で計算を行い、得られた計算結果p=0.8869,q=1.007,r=0.9525,s=0.7551の場合の展開図を示す。
【0101】
2段上がりの場合には、展開図の連続条件は、
q=pN/2・rN/2-1 …………………………………………………(86)
になる。式(86)をs=pqrに代入してsは次式(87)で表される。
s=p2/(2-N)qN/(N-2) …………………………………………………(87)
折りたたみ後、周方向に閉じる条件はΦ=4[(N/2-1)(χ-ψ)-ζ],Ψ=[mN+n(N-1)-2(n+1)]Θを用いて、
4[(N/2-1)(χ-ψ)-(ξ-χ-Θ)]+[(m+n)N-2(n+1)]Θ=2π …………(88)
で表される。N=8として得た2段上がりの展開図を図79Bに示す。このときN=8,Θ=5°,m=2,n=1で計算を行い、p=0.8479,q=0.9981,R=0.9490,S=0.8031を算出した。図79A,図79Bにおいて、各々N=7,8としたにも拘らず、円周方向右上がりに6要素で展開図が構成されていることが分かる(図69B,図70,図71A参照)。
【0102】
5.考察
3.節において各節点での折りたたみ条件、展開図の左右端の連続性、及び折りたたみ後、展開図の両端が円周方向に閉じる条件を組合わせて、折りたたみ可能な円筒及び円錐型の筒状折り畳み構造物を作る方法の検討を行った。異なる寸法で展開図をモデル化すると、拘束式が極めて多くなり、 同一模様で展開をつくるようには簡単ではない場合が多いことが判明した。本文では記述されていないが、例えば図60に示された矩形断面モデルや 図63B図64Bの4角錐モデルをら旋様式にすることは数理的に不可能であることが明らかになっている。創世期にある折りたたみ法を系統的に研究する観点から、このような折りたたみが出来ないことを示して行くことも、 その限界を明らかにする点から究めて重要なことと思われる。本明細書では、直ぐにこれを工学的に利用するのは難しいと思われるモデルも含まれているが、このようなモデルの開発もまた、折りたたみ技術を体系化し、これをより洗練し、有用な折りたたみ形式の構造を開発して行くことに寄与すると考えられる。また、これらのモデルの折り線をトラス部材とみなすと、折りたたみ式のトラス構造の基本モデルにもなるともに、新しい機構要素の創製にも役立つものと思われる。
環境保全の点からプラスチック製品を紙製品で置き換えようとする動き、あるいは即席食品容器等を折りたたみ収納形式にする要求等に見られるように、上述した折りたたみ技術の集大成はこれらに答えるための時代の要請になりつつあると思われる。
【0103】
また、4.節において折りたたみ可能な円筒、円錐殻等の同形、あるいは相似な形状要素で分割して展開図を構成する結果を基に、これらを異なる要素形状で分割して展開図を設計する方法を議論し、これを応用して折りたたみ可能な異型の角筒及び角錐状折り畳み構造物を作る方法を述べた。
最初、任意角で逆方向に交差する等角ら旋状の山折り線の交点、 また同方向に交差するそれ等の交点を結んで分割した3角形要素で展開図を構成する方法を定式化した。次に、これらの結果に基づき矩形要素で展開図を分割する方法を検討した。これにより、3角形要素で構成される展開図の一般化と、矩形要素についての一般的な取り扱い法が確立された。
折り線をトラス部材とみなすと、1節点6折り線を用いた3角形要素からなる円錐殻は、節点が6個の部材で結合される拘束度合の強い構造になる。一方矩形要素からなる構造は4折り線からなるため、拘束度合が弱く結果として展開が容易な構造になる。またこの矩形要素からなる構造は折り線の導入も3角形のそれより容易であることから、製品を製作加工する点からも有利であると考えられる。紙あるいは高分子膜製の折りたたみ式の容器などは図8(b)のモデルを用いると 1段だけの簡素な展開図で製作出来るため、このような折りたたみモデルを用いて食品容器とその加工法の開発が可能と考えられる。
【0104】
6.まとめ
矩形あるいは 6角形要素を構成する山折り線とこれらの要素を2分割する谷折り線でパターン化して 異なる形状の要素群を用いて折りたたみ可能な円筒、角筒あるいは角錐型筒状折り畳み構造物を設計する方法を述べた。これらは折りたたみ技法の機能性を拡大し、かつ造形性を高め、この技法が工業製品や民製品に汎く用いられるような系統的な折りたたみ収納法を集成する際に、基本モデルとなると思われる。また、展開図を等角ら旋状折り線で3角形要素や矩形要素に分割して折りたたみ可能な円錐殻の展開図を得る方法を検討し、それを解析的に算出する方法を延べ、基本的な展開図を示した。厳しい性能が要求される宇宙構造用のインフレータブル構造にはなお展開性能や安定性についてなお詳細な検討を要するが、簡単な生活用品等への応用は困難なことではないと思われる。
【0105】
従来技術の問題点と前述の研究結果に鑑み、本発明の筒状折り畳み構造物は、以下の事項(O01),(O02)を技術的課題とする。
(O01)従来にない形状の折り畳み/展開可能な筒状折り畳み構造物を提供すること。
(O02)折り線に囲まれたパーツどうしが密着状態になるまで折り畳み/展開できる筒状折り畳み構造物を提供すること。
【0106】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0107】
(本発明)
前記課題を解決するため、本発明の筒状折り畳み構造物は、下記の構成要件(A01)〜(A 06 ),(A 07 c)を備えたことを特徴とする。
(A01)複数の多角形のパーツ(P)と、前記各パーツ(P)の外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線(M、V)が形成された筒壁(1)であって、前記折り線(M、V)は筒壁(1)の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線(M)と谷折りとなる1以上の谷折り線(V)とを有する前記筒壁(1)、
(A02)前記筒壁(1)の軸方向の一端部を閉塞する底壁(2)、
(A03)前記側壁の展開図の両端で折り線(M、V)が連続しているための条件である連続条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A04)前記山折り線(M)及び谷折り線(V)の交点である複数の節点が所定の間隔で配置され、1つの節点で交わる山折り線(M)の数と谷折り線(V)の数との差が2となるように形成され、前記1つの節点で交わる複数の折り線(M、V)を含む各パーツ(P)が密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A05)前記折り線(M、V)に沿って折り畳んだ時に、前記パーツ(P)が密着して前記筒壁(1)が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A06)中心軸に直交する断面の径が中心軸方向に沿って一定に形成された前記筒壁(1)、
(A 07 c)水平方向に沿って配置された前記複数の折り線(M,V)が連結された主折り線により上下を挟まれた帯状の部分を水平方向に対して傾斜した状態で配置し且つ前記帯状の部分が、鉛直方向に複数段連結された前記筒壁(1)であって、前記帯状の部分を構成する前記パーツ(P)において、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツ(P)どうしが非同一且つ非対称形状に形成された前記筒壁(1)。
【0108】
前記構成要件(A01)〜(A06),(A 07 c)を備えた本発明の筒状折り畳み構造物は、筒壁(1)が中心軸に直交する断面の径が中心軸方向に沿って一定に形成されているので、円筒または角筒型の筒状折り畳み構造物である。そして、前記筒壁(1)の軸方向の一端部は、底壁(2)によって閉塞されており、筒状折り畳み構造物は容器として筒壁(1)の内部に物を収容できる。
筒壁(1)には、複数の多角形のパーツ(P)と、前記各パーツ(P)の外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線(M、V)が形成されている。また、前記筒壁(1)は、前記折り線(M、V)は筒壁(1)の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線(M)と谷折りとなる1以上の谷折り線(V)とを有する。また、前記筒壁(1)は、水平方向に沿って配置された前記複数の折り線(M,V)が連結された主折り線により上下を挟まれた帯状の部分を水平方向に対して傾斜した状態で配置し、且つ、前記帯状の部分が、鉛直方向に複数段連結され、前記帯状の部分を構成する前記パーツ(P)において、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツ(P)どうしが非同一且つ非対称形状に形成されている。
前記複数の折り線(M、V)は、前記側壁の展開図の両端で折り線(M、V)が連続しているための条件である連続条件、前記1つの節点で交わる複数の折り線(M、V)を含む各パーツ(P)が密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件、及び、前記折り線(M、V)に沿って折り畳んだ時に前記パーツ(P)が密着して前記筒壁(1)が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線(M、V)を有する。したがって、複数の折り線(M、V)に沿って筒状折り畳み構造物を折り畳んだ時、従来の前記パーツ(P)どうしが密着状態になる前に筒状折り畳み構造物が折り畳めなくなる場合と異なり、前記複数の多角形のパーツ(P)どうしが密着状態まで折り畳まれる。そして、パーツ(P)どうしが密着した状態から折り畳む前の状態まで展開できる。
また、前記筒状折り畳み構造物は、折り畳んで外形を小さくした状態で運搬・輸送し、使用時には展開するなどの用途に対応できる。
【0109】
また、前記課題を解決するために、本発明の筒状折り畳み構造物は、下記構成要件(A01)〜(A05),(A06′),(A 07 d)を備えることもできる。
(A01)複数の多角形のパーツ(P)と、前記各パーツ(P)の外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線(M、V)が形成された筒壁(1)であって、前記折り線(M、V)は筒壁(1)の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線(M)と谷折りとなる1以上の谷折り線(V)とを有する前記筒壁(1)、
(A02)前記筒壁(1)の軸方向の一端部を閉塞する底壁(2)、
(A03)前記側壁の展開図の両端で折り線(M、V)が連続しているための条件である連続条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A04)前記山折り線(M)及び谷折り線(V)の交点である複数の節点が所定の間隔で配置され、1つの節点で交わる山折り線(M)の数と谷折り線(V)の数との差が2となるように形成され、前記1つの節点で交わる複数の折り線(M、V)を含む各パーツ(P)が密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A05)前記折り線(M、V)に沿って折り畳んだ時に、前記パーツ(P)が密着して前記筒壁(1)が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線(M、V)を有する前記複数の折り線(M、V)、
(A06′)中心軸方向の一端部に行くに従って断面の径が小さくなる筒壁(1)、
(A07d)前記筒壁(1)を展開した扇形の展開図において、扇形の円周方向に沿って配置された前記複数の折り線(M,V)が連結された主折り線により挟まれた帯状の部分が円周方向に対して傾斜した状態で配置された前記筒壁(1)であって、前記帯状の部分を構成する前記パーツ(P)において、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツ(P)どうしが非同一且つ非対称形状に形成された前記筒壁(1)。
【0110】
前記構成要件(A01)〜(A06′),(A 07 d)を備えた本発明の筒状折り畳み構造物は、筒壁(1)が中心軸方向の一端部に行くに従って断面の径が小さくなっているので、円錐または角錐型の筒状折り畳み構造物である。前記筒壁(1)の軸方向の一端部は底壁(2)によって閉塞されているので、筒状折り畳み構造物は容器として内部に物を収容できる。
前記筒壁(1)には、複数の多角形のパーツ(P)と、前記各パーツ(P)の外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線(M、V)が形成されている。そして、前記筒壁(1)は、前記折り線(M、V)は筒壁(1)の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線(M)と谷折りとなる1以上の谷折り線(V)とを有する。
また、前記筒壁(1)は、前記筒壁(1)を展開した扇形の展開図において、扇形の円周方向に沿って配置された前記複数の折り線(M,V)が連結された主折り線により挟まれた帯状の部分が円周方向に対して傾斜した状態で配置され、前記帯状の部分を構成する前記パーツ(P)において、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツ(P)どうしが非同一且つ非対称形状に形成されている。
前記複数の折り線(M、V)は、前記側壁の展開図の両端で折り線(M、V)が連続しているための条件である連続条件、前記1つの節点で交わる複数の折り線(M、V)を含む各パーツ(P)が密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件、及び、前記折り線(M、V)に沿って折り畳んだ時に、前記パーツ(P)が密着して前記筒壁(1)が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線(M、V)を有する。したがって、複数の折り線(M、V)に沿って筒状折り畳み構造物を折り畳んだ時、従来の前記パーツ(P)どうしが密着状態になる前に筒状折り畳み構造物が折り畳めなくなる場合と異なり、前記複数の多角形のパーツ(P)どうしが密着状態まで折り畳まれる。そして、パーツ(P)どうしが密着した状態から折り畳む前の状態まで展開できる。また、従来には無い、様々な形状の断面を有する円錐または角錐型筒状折り畳み構造物を提供できる。
さらに、前記筒状折り畳み構造物は、折り畳んで外形を小さくした状態で運搬・輸送し、使用時には展開するなどの用途に対応できる。
【0111】
また、前記本発明の筒状折り畳み構造物は、下記の構成要件(A08)を備えることも可能である。
(A08)前記筒壁(1)の中心軸方向の一部分のみに形成された前記複数の折り線(M、V)。
前記構成要件(A 08 )を備えた筒状折り畳み構造物は、前記複数の折り線(M、V)が前記筒壁(1)の中心軸方向の一部分のみに形成されているので、従来には無い折り畳み/展開可能な筒状折り畳み構造物を製作・提供することができる。また、一部分のみに折り線(M、V)が形成されているので、折り線(M、V)の形成されていない部分に物を収容し、折り線(M、V)が形成された部分を折り畳むことによって、物を収容しつつ外形を小さくできる。したがって、全体に折り線(M、V)が形成されている構造物より幅広い用途に使用可能である。
【0115】
また、前記本発明の筒状折り畳み構造物は、下記の構成要件(A012)を備えることができる。
(A012)平行な一対の辺を有しない不等辺四角形のパーツ(P)のみを有する前記複数の多角形のパーツ(P)。
前記構成要件(A 012 )を備えた筒状折り畳み構造物では、前記複数の多角形のパーツ(P)は、平行な一対の辺を有しない不等辺四角形のパーツ(P)のみを有するので、従来には無い、折り畳み/展開可能な筒状折り畳み構造物を提供することができる。
【0116】
(実施例)
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0117】
(実施例1)
図80は本発明の実施例1の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型食品容器の展開図である。
図81は前記図80の食品容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図81Aは折り畳み前の食品容器を上方から見た平面図、図81Bは折り畳み前の食品容器の側面図である。
図82は前記図80の食品容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図82Aは半折り状態の食品容器を上方から見た平面図、図82Bは半折り状態の食品容器の側面図である。
図83は前記図80の食品容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図83Aは完全に折り畳んだ状態の食品容器を上方から見た平面図、図83Bは完全に折り畳んだ状態の食品容器の側面図である。
【0118】
図80において、折り畳み/展開可能な円錐型筒状折り畳み構造物としての食品容器Aは円錐状の側壁(筒壁)1と円板状の底壁2とを有している。前記側壁1には、図80〜図83に示すように、外側面の上部1aと下部1bには折り線が形成されておらず、中央部1cのみに折り線が形成されている。そして、前記中央部1cには折り畳んだ時に外側面が凸となる多数の山折り線M(図80実線参照)および凹となる多数の谷折り線V(図80の点線参照)が形成されている。前記多数の山折り線の内、中央部1cの上端及び下端で接続している複数の山折り線は上側主折り線M1および下側主折り線M2となる。この2つの主折り線M1、M2が食品容器Aの中心軸に垂直な断面上にエンドレスに形成され、螺旋に沿って形成されていないので、2つ主折り線M1、M2の間に形成された部分(1段分)のみが折り畳み可能となる。
【0119】
前記主折り線M1,M2以外の山折り線M及び谷折り線Vは、複数の折り線M,Vの交点である節点において、3本の山折り線Mと1本の谷折り線Vの合計4本の折り線が交わるように配置されている。即ち、節点で交わる山折り線Mの数=3、谷折り線Vの数=1でありその差は2(=3−1)である。そして、前記主折り線M1,M2以外の山折り線M及び谷折り線Vは、各節点における折り畳み条件及び閉じる条件を満足するように、食品容器Aの母線方向に対して一定角度傾斜して等間隔に配置されている。したがって、本実施例1の食品容器の折り線M,Vにより形成される(囲まれる)部分であるパーツPは不等辺三角形(三角形)に形成され、上部1a側に底辺を有する全ての三角形は同一の三角形となり、下部1b側に底辺を有する全ての三角形も同一の三角形となる。
【0120】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の食品容器Aでは、中央部1cの折り線M,Vは折り畳み条件、閉じる条件及び連続条件を満足する折り線群から構成され、且つ主折り線M1、M2が中心軸に対してエンドレスに形成されている。 したがって、実施例1の食品容器Aはねじりながら折ることによって、図81に示す展開状態から、図82に示す半折り状態を経て、図83に示す完全折り畳み状態まで軸方向に折り畳み/展開することができる。
【0121】
このように形成された食品容器Aを、例えば、インスタント味噌汁の容器やインスタントラーメンの容器などに使用することが可能である。この場合、生産者から消費者に輸送する過程においては、食品容器Aの上部1aまたは下部1bの部分に、お湯をかけて膨張する前の容積の小さい具材等を収容し、中央部1cを折り畳むことによって、容器の外形を小さくして出荷することができる。したがって、容器の外形が小さくなるので、従来よりも大量に輸送することが可能となり、輸送コストを抑えることができる。消費者が味噌汁やラーメンを作る時には、消費者が容器Aの中央部1cを展開することによって、お湯を注いでそのまま食することができる食品容器Aとなる。使用後は、再び中央部1cを折り畳むことにより、外形が小さくなり、回収または廃棄が容易となる。
【0122】
したがって、従来存在しなかった、外壁に折り線群が形成された折り畳み/展開可能な食品容器を提供することができる。また、実施例1の食品容器Aは、折り線の形成されていない上部1aまたは下部1bに物を収容して、中央部1cを折り畳むことによって、物を収容しつつ外形を小さくできるという従来には無い機能を有する。そして、実施例1の食品容器Aは、従来できなかった、折り畳んで外形を小さくした状態で食品容器Aを運搬・輸送し、使用時には展開するなどの用途に対応できる。
【0123】
なお、一般に、前記上側及び下側主折り線M1,M2と、谷折り線Vとの成す角度が大きくなるほど、力学的関係から、完全に折り畳んだ状態から自然に展開しにくく、展開状態から折り畳む時に軸方向に圧縮するために必要な力が大きくなる。したがって、成す角を大きく(45°以上)に設定するのが望ましく、このように設定することによって、完全に折り畳んだ状態の食品容器Aに外から力をかけなくても、折り畳んだ状態を維持し、自然に展開することが防止できる。また同時に、展開した状態の食品容器Aは、軸方向に多少の力をかけても折り畳まれなくなるので、食事中に、容器が折り畳まれてしまうことが防止できる。さらに、成す角を大きく設定した上で、折り畳んだ状態の食品容器Aの上部開口を蓋等によって閉塞すると、食品容器A内部の空気が密閉されるので、輸送・運搬時に自然に展開することがより効果的に防止できる。
【0124】
また、実施例1の食品容器Aでは中央部1cの部分にのみ折り線を形成したが、上部1aに折り線を形成したり、下部1bに折り線を形成することもできる。また、上部1aと中央部1cに折り線を形成したり、中央部1cと下部1b、あるいは、上部1aと下部1bに折り線を形成したり等、目的に合わせて任意の部分に折り線を形成することができる。さらに、部分的に折り線を形成せずに全面に折り線を形成することも可能である。このように形成した場合、アウトドアで使用できる折り畳み/展開可能なコップや食器、水筒などにも使用できる。また、ペットボトルやコーヒー缶等に使用すれば、小さく折り畳んで廃棄することができる
さらに、折り線を1段分だけ形成するのではなく、2段や3段など複数段形成することもできる。複数段形成することによって、1段形成する場合よりも軸方向に小さく折り畳み可能となる。
【0125】
(食品容器の製造方法)
次に、実施例1の食品容器Aの製造方法について例示する。
実施例1の食品容器は、図80に示すように、折り線を有する側壁1の展開図が形成されたプラスチックや紙等のシートを筒状に折り曲げて両端を接着した後、別個に作成した底壁2を側壁1に接着することによって食品容器Aを製造することができる。しかし、この手法では大量生産が困難である。プラスチック製の折り畳み/展開可能な食品容器を大量生産するためにプラスチック成形に使用される真空成形法を利用した製造方法を以下に例示する。なお、プラスチック以外の材料(発泡スチロール、鉄、アルミ、紙等)で容器を形成する場合は、その材料の特性に応じて、この他の成形法で製造することが可能である。なお、展開図から食品容器Aを製造する時に接着剤等による接着ではなく樹脂等によるコーティングや融着等によって製造することも可能である
図84は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の予張の工程を示す図である。
図85は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の圧入の工程を示す図である。
図86は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の成形の工程を示す図である。
【0126】
図84〜図86において、食品容器製造装置Bは成形装置B1と圧入装置B2とを有している。成形装置B1は、上部に開口21aを有する成形台21と、成形台21のその上部に設けられた成形材支持部22と、成形台21内部に上下方向に移動可能に支持された成形型23とを有している。前記成形型23の外形は前記成形台21の開口21aよりも小さく形成されている。前記成形型23の内壁の側部24は、製造目的の食品容器Aに対応した円錐形状をしており、形成したい折り線に対応した山折り線形成用の凹部24aと谷折り線形成用の凸部24bが形成されている。前記成形型23内壁の底部25には複数の空気穴25aが形成されており、全ての空気穴25aは底部25の下部に設けられた空気溜まり26に通じている。前記空気溜まり26には空気入出路27が接続しており、空気入出路27は空気ポンプ(図示せず)に接続されている。前記空気入出路27には、空気の流れを遮断する空気弁27a(図85参照)が設けられている。
【0127】
図84〜図86において、前記圧入装置B2は前記成形装置B1に対して接近/離隔可能に配置されており、成形装置B1に対向するノズル31が設けられている。前記ノズル31には吸気路32が接続されており、前記吸気路32はポンプ(図示せず)に接続している。図示しないポンプによって吸気路32に流入した気体は、前記ノズル31から成形装置B1へ向かって噴射されるように構成されている。
【0128】
(製造方法の説明)
前記構成を備えた食品容器製造装置Bは、図84に示す予張工程では、前記圧入装置B2と成形装置B1とを離隔させ、成形型23を下方の待機位置に保持する。まず、成形材支持部22に食品容器Aと同じ材料の成形材A′を装着する。前記成形材A′は成形台21の開口21aを密閉するように被覆している。そして前記空気入出路27から成形装置B1に向かって空気を流入させると、成形台21の内部は成形材A′によって密閉されているので、空気圧によって成形材A′は外部に向かって膨張する。
【0129】
図85に示す、圧入工程において、前記空気入出路27の空気の流入を停止し、空気弁27aを閉じて空気入出路27を遮断することによって、成形台21の空気を密封する。その後、前記成形型23を上昇させるとともに、圧入装置B2を成形装置B1に接近させる。このとき、圧入装置B2のノズル31から前記外部に向かって膨張した成形材A′に向けて気体を噴射しながら接近させることによって、成形材A′は成形型23の内壁(24,25)側に変形する。しかし、この状態では、まだ、成形型23の内壁と同じ形に成形材A′は成形されない。
【0130】
図86に示す、成形工程において、前記成形型23を成形台21の開口21aよりも突出させた状態で保持し、圧入装置B2を前記成形型23の内側に入った状態で保持する。前記成形型23が開口21aよりも突出しているので、成形型23の上端によって、成形材A′が保持され、成形材A′と成形型23の内壁24,25との間は密封される。
そして、前記ノズル31からの期待の噴射を停止し、空気弁27aを開放して、空気入出路27から空気穴25aおよび空気溜まり26を介して、成形型23の内部の空気を排出する。このとき成形型23と成形材A′との間は密封されているので、成形型23の内部がの空気が排気され負圧になると、成形材A′は成形型23の内壁に密着するように変形して、成形型23の内壁24,25と同じ形状に成形される。したがって、山折り線形成用凹部24aによって山折り線Mが形成され、谷折り線形成用凸部24bによって谷折り線Vが形成された錐壁を有する食品容器Aが成形型23の内部に形成される。
【0131】
(実施例2)
図87は本発明の実施例2の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型容器の展開図である。
図88は前記図87の容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図87Aは折り畳み前の容器を上方から見た平面図、図87Bは折り畳み前の容器の側面図である。
図89は前記図87の容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図89Aは半折り状態の容器を上方から見た平面図、図89Bは半折り状態の容器の側面図である。
図90は前記図87の容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図90Aは完全に折り畳んだ状態の容器を上方から見た平面図、図90Bは完全に折り畳んだ状態の容器の側面図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0132】
図87において、実施例2の筒状折り畳み構造物は、折り畳み/展開可能な円筒状折り畳み構造物としての容器Cは、実施例1とは異なり、折り線M、Vによって囲まれるパーツPが不等辺四角形で構成されている。また、実施例2の容器Cにはエンドレスに形成された主折り線M1、M2、M3が3つ配置されており、2段分折り畳み可能に構成されている。したがって、実施例2の容器Cをねじりながら折ることによって、図88に示す展開状態から、図89に示す半折り状態を経て、図90に示す完全折り畳み状態に折り畳み/展開可能である。
【0133】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の容器Cでは、実施例1の容器Aと同様に折り線が形成されていない上部1a及び下部1bに物を収容しつつ、中央部1cを折り畳んで外形を小さくすることができる。
したがって、従来存在しなかった、筒壁1に折り線群が形成された折り畳み/展開可能な容器Cを提供することができる。また、実施例2の容器Cは、折り畳み可能な部分が2段分あるので、実施例1の容器Aよりも軸方向により小さくすることができる。
なお、折り畳む時に2段とも折り畳まず、例えば、物を内部に収容して運搬・輸送する時には1段だけ折り畳み、食事や展示等使用するときは折り線を展開し、廃棄する時は2段とも折り畳む等の使用法も可能である。
また、実施例2の容器Cは、実施例1の容器Aと同様に、中央部1cのみだけではなく、上部1aや下部1bに折り線M,Vを形成したり、全面に折り線M,Vを形成することも可能である。
さらに、実施例2の容器Cも実施例1の容器Aと同様に、主折り線M1、M2、M3と谷折り線Vとの成す角度を大きく設定するのが望ましく(更に望ましくは45°以上)、このように設定することによって折り畳んだ状態から自然に展開したり、使用中に折り畳まれたりすることを防止できる。。
【0134】
(実施例3)
図91は本発明の実施例3の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型容器の展開図である。
図92は前記図91の容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図92Aは折り畳み前の容器を上方から見た平面図、図92Bは折り畳み前の容器の側面図である。
図93は前記図91の容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図93Aは半折り状態の容器を上方から見た平面図、図93Bは半折り状態の容器の側面図である。
図94は前記図91の容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図94Aは完全に折り畳んだ状態の容器を上方から見た平面図、図94Bは完全に折り畳んだ状態の容器の側面図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0135】
図91において、実施例3の折り畳み/展開可能な円錐状折り畳み構造物としての容器Dは、実施例1とは異なり、折り線M,Vによって囲まれるパーツPが不等辺四角形で構成されている。したがって、実施例3の容器Dは軸方向にねじりながら折り畳むことによって、図92に示す展開状態から、図93に示す半折り状態を経て、図94に示す完全折り畳み状態に折り畳み/展開可能である。
また、実施例3の容器Dも、実施例1の容器Aと同様に、中央部1cのみだけではなく、上部1aや下部1bに折り線M,Vを形成したり、全面に折り線M,Vを形成することも可能である。
さらに、実施例3の容器Dも実施例1の容器Aと同様に、主折り線M1、M2と谷折り線Vとの成す角度を大きく設定するのが望ましく(更に望ましくは45°以上)、このように設定することによって折り畳んだ状態から自然に展開したり、使用中に折り畳まれたりすることを防止できる。
【0136】
(実施例4)
図95は本発明の実施例4の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円筒型容器の展開図であり、図95Aは実施例2と同様に中央部が2段折り畳める円筒容器の展開図であり、図95Bは図95Aの両端面が直線状になるように形成した展開図である。
図95に示す展開図の左右両端を接合して形成される円筒容器Eは、前記各実施例の容器と同様に、エンドレスに形成された主折り線M1〜M3の間の部分(中央部1C)が折り畳み可能で、展開状態から半折り状態を経て完全折り畳み状態に折り畳み/展開する。
なお、図95Aのように展開図の左右両端に凹凸が形成されていると、左右両端が接合しにくいので、図95Bのように展開図を形成すると、両端が接合し易くなり、展開図から円筒容器Eを形成するのが容易である。
また、実施例4の容器Eも、実施例1の容器Aと同様に、中央部1cのみだけではなく、上部1aや下部1bに折り線M,Vを形成したり、全面に折り線M,Vを形成することも可能である。
さらに、実施例4の容器Eは、実施例1の容器Aと同様に、主折り線M1、M2、M3と谷折り線Vとの成す角度を大きく設定するのが望ましく(更に望ましくは45°以上)、このように設定することによって折り畳んだ状態から自然に展開したり、使用中に折り畳まれたりすることを防止できる。
【0137】
(実施例5)
図96は本発明の実施例5の円錐型容器の展開図であり、主折り線が螺旋に沿って形成された円錐容器の展開図である。
図96に示す展開図の左右両端を接合して形成される円錐容器Fは、前記各実施例の容器と同様に、展開状態から半折り状態を経て完全折り畳み状態に折り畳み/展開可能である。ただし、主折り線がエンドレスに形成されておらず、螺旋に沿って形成されているので、折り線M,Vが形成されている中央部分F1cの上端部と下端部において、折り畳み条件等が満たされない節点が存在する可能性が高い。すなわち、中央部1cの各パーツPや、上部1aまたは下部1bの筒壁1にひずみが生じてしまう可能性がある。
また、実施例5の容器Fは、実施例1の容器Aと同様に、中央部1cのみだけではなく、上部1aや下部1bに折り線M,Vを形成したり、全面に折り線M,Vを形成することも可能である。
さらに、実施例5の容器Cも実施例1の容器Aと同様に、主折り線M1、M2と谷折り線Vとの成す角度を大きく設定するのが望ましく(更に望ましくは45°以上)、このように設定することによって折り畳んだ状態から自然に展開したり、使用中に折り畳まれたりすることを防止できる。
【0138】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(H01)前記各実施例の容器の中央部1cに形成された折り線群の代わりに、本発明者の研究結果において示した種々の折り線群を使用することができる。即ち、折り畳み条件、閉じる条件及び連続条件を満足する任意の折り線群を使用可能である。また、これら折り線群を使用することによって、断面が円形のものだけでなく断面が多角形の角筒または角錐型の筒状折り畳み構造物を製作することもできる。
(H02)前記各実施例において、筒状構造物の一端だけを底壁2によって閉塞せずに両端を閉塞することもできる。
【0139】
【発明の効果】
前述の本発明の梱包装置は、下記の効果(E01)、(E02)を奏することができる。
(E01)従来にない形状の折り畳み/展開可能な筒状折り畳み構造物を提供することができる。
(E02)折り線に囲まれたパーツどうしが密着状態になるまで折り畳み/展開できる筒状折り畳み構造物を提供することができる。
【0140】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は折り畳み構造物の折り畳まれる直線である折り線と複数の折り線の交点である節点との代表例を示す折り線説明図である。
【図2】 図2は2本の谷折り線が4本の山折り線の対称位置に挿入されるタイプの1節点6折り線の折り畳み条件を示す図である。
【図3】 図3は山折り線(M1)、(M2)、(M3)の間に谷折り線(V1)、(V2)が交互に挿入される場合の1節点6折り線の折り畳み条件を示す図である。
【図4】 図4は帯板を折り線に沿って折りたたんだときに帯板の両端部が接合されて円筒となる条件を説明する図であり、図4Aは帯板と折り線および折り線の角度を示す図、図4Bは図4Aに示す折り線に沿って折りたたんだときの基準軸の向きを変化を示す図である。
【図5】 図5は閉じる条件を満たし且つ折り畳み方向が同一方向(山折りまたは谷折りのいずれか一方)の折り線により正4角形に折り畳む例の説明図で、図5Aは展開された状態の帯板の折り線を示す図、図5Bは折り畳み途中の状態を示す図、図5Cは折り畳んだ状態を示す図である。
【図6】 図6は前記図4Aに示す帯状の板をπ・(N−2)/Nだけ等間隔に同方向に折り曲げて正N角形を構成する場合で且つN=6の場合の代表的な展開図を示す図である。
【図7】 図7は前記図6の山折り線と水平の折線の角度の2倍(π/3)をα=2π/9とβ=π/9のように分解して不等辺の台形要素で構成される疑似円筒の展開図である。
【図8】 図8は前記図6のY軸方向の山折り線をα=π/3の山折り線Iとβ=π/6の谷折り線IIに分解した折り線の組を6個導入することによって製作される円筒の説明図で、図8Aは展開図、図8Bは前記図8Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図、図8Cは前記図8Bの折り畳み円筒をさらに折り畳んだ状態を示す図である。
【図9】 図9は前記図6の点AとBを合致させ、水平の折り線から山折り部分をなくした図で、水平方向に底角π/6の2等辺三角形からなるダイヤモンド模様((1)〜(3))の展開図である。
【図10】 図10は不等辺三角形要素で構成される変形ダイヤモンド模様による展開図である。
【図11】 図11は水平の折り線に対して1つ飛びに対称で且つ折り畳みが可能な展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図11Aは展開図、図11Bは前記図11の展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図、図11Cは前記図11Bと同じものを異なる方向から見た図である。
【図12】 図12は前記図11の点Bと同様の折り線だけで構成した折り畳みの展開図の例を示す図である。
【図13】 図13は折り畳み線により形成された複数の形状の多角形のパーツ(平板壁)を有する折り畳み可能な円筒壁の展開図である。
【図14】 図14は前記図6をπ/6傾斜させた展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図14Aは展開図、図14Bは前記図14Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
【図15】 図15は展開図の両端を接合したときの連続性を保つ方法の説明図である。
【図16】 図16は前記図7をπ/6傾斜させた展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図16Aは展開図、図16Bは前記図16Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
【図17】 図17は前記図8をπ/6傾斜させた展開図である。
【図18】 図18は図11の螺旋型であり、図中の点A,Dを結ぶ直線で切断して得たものである。
【図19】 図19は、前記図12に示す円筒体の展開図の平行な2本の直線AB′、C′Dにより切り取られた部分を示す図であり、AとB′およびDとC′が重なるように図19の左右の両端縁を接続することにより折り畳み可能な円筒体となるものの展開図である。
【図20】 図20は任意形状の4角形要素(パーツ)を有するり畳み可能な円筒体の展開図である。
【図21】 図21は閉じる条件を満たし且つ折り畳み方向が交互に反転する(山折り方向と谷折り方向とに反転する)折り線により正6角形に折り畳む例の説明図で、図21Aは展開された状態の帯板の折り線(1)〜(12)を示す図、図21B〜図21Fは折り畳み途中の状態を示す図、図21Gは折り畳んだ状態を示す図である。
【図22】 図22は水平の折り線に対して1つ飛びに対称で且つ折り畳みが可能な展開図を有する疑似円筒体の説明図で、図22Aは展開図、図22Bは前記図22の展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
【図23】 図23は前記図22を一般化した折り線を有する折り畳み円筒体の説明図で、図23Aは展開図、図23Bは前記図23Aの展開図の両端を接合したときに製作される折り畳み円筒の半折り状態を示す図である。
【図24】 図24は前記図23Aの6段の展開図を3段にしαを30°として1段毎にβの値を変えた場合の展開図である。
【図25】 図25は図23Aの螺旋状の山折り線および谷折り線を1段毎に逆転させて得られる反復螺旋型の展開図である。
【図26】 図26は、折り畳み構造物の研究者であるGuest等が検討した筒状構造物の展開図に相当し、三角形状の分割平板で作られ、主折り線が螺旋状になり、主折り線が1周するごとに螺旋(1)が1段上昇する時の円筒状構造物を本発明者が展開図で表したものである。
【図27】 図27は主折り線が円周に沿って形成され、パーツが台形要素により形成された場合の円錐型筒状折り畳み構造物の展開図の要部拡大図である。
【図28】 図28は図27と同様にして折り線により等脚台形に分割され且つ正N角錐に折り畳まれる折り線付円錐壁の、N=6、前記図27のφ*=π/36、2Θ=π/12の場合の展開図を有する疑似円錐壁の説明図で、図28Aは展開図、図28Bは前記図28Aの展開図を有する折り線付円錐壁を半折りにした状態の斜視図である。
【図29】 図29は前記図28の展開図の描き方の説明図である。
【図30】 図30は前記図28を螺旋型にした展開図を有する疑似円錐体の説明図で、図30Aは展開図、図30Bは前記図30Aの展開図を有する折り線付円錐壁を半折りにした状態の斜視図である。
【図31】 図31は主折り線が円周に沿って形成された円錐における展開図が頂角2ΘのN個の二等辺三角形で構成される場合の展開図の要部拡大図である。
【図32】 図32は折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の折り線付円錐壁の展開図の要部拡大図である。
【図33】 図33は等角螺旋に沿った折り線を有する折り畳み可能な折り線付円錐壁の展開図の説明図で、図33Aは全体説明図、図33Bは前記図33Aの要部拡大図である。
【図34】 図34は図31と同様の角度関係を有する折り線群によって形成された展開図を有する円錐型筒状折り畳み構造物の説明図で、図34Aは展開図、図34Bは前記図34Aの展開図を有する折り線付円錐壁の半折り状態の斜視図である。
【図35】 図35は折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の円錐型筒状折り線付構造物の展開図で、N=3、2Θ=π/9、α=π/9、δ=π/6とした時の展開図(θ*=約0.0688π)である。
【図36】 図36は前記図32の点Fで右上方に角度α、左上方に角度δを取った折り線により不等辺三角形要素に分割される場合の折り線付円錐壁の展開図で、Θ,α,δ値を図35と同じ値とした場合の展開図である。
【図37】 図37は折り畳み条件を説明するための1段目と2段目の帯板の要部拡大図である。
【図38】 図38は前記図37で2段目の谷折り線を1段目のそれと角度γで逆方向に取った場合の図である。
【図39】 図39は二等辺三角形要素(頂角2Θ)がN個からなる折り線付円錐壁の展開図を考え、その一段だけを湾曲した帯状部分として書き出した図である。
【図40】 図40は、前記図37に示す折り線を有する円錐型筒状折り畳み構造物においてN=6、γ+ψ*=π/3、ψ*=π/6、γ=π/6とした場合の展開図(2Θ=π/18)を有する疑似円錐壁の説明図で、図40Aは展開図、図40Bは前記図40Aの展開図を有する円錐型筒状折り畳み構造物を半折りにした状態の斜視図である。
【図41】 図41は前記図37に示す折り線を有する円錐型筒状折り畳み構造物においてN=6、γ+ψ*=π/3、ψ*=π/4,γ=π/12とした場合の展開図(2Θ=π/6)である。
【図42】 図42は前記図40Aの展開図の段数を少なくして1段毎にψ*の値を大きくした場合の展開図である。
【図43】 図43は前記図42と同一形状の円錐壁の展開図である。
【図44】 図44は前記図38に示す折り線を有する疑似円錐構造物の説明図で、図44Aは展開図、図44Bは前記図44Aの展開図を有する擬似円錐構造物を半折りにした状態の斜視図である。
【図45】 図45は2Θ=π/6,ψ*=π/6,γ=π/6として得た反復螺旋型折り線付円錐構造物の展開図(N=6)である。
【図46】 図46は図40Aの円周方向の螺旋を右端で1段上昇するようにした折り線付きの折り畳み円錐壁の展開図である。
【図47】 図47は折り畳み/展開が可能な平面紙の折り畳み方法を説明する図で、図47Aは従来公知の折り畳み可能な平面紙の展開図の要部説明図、図47Bは折り畳み後に筒状となる平面紙の展開図の要部説明図である。
【図48】 図48は折り畳み/展開可能な筒状構造物の展開図であり、図48Aは同一の三角形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図、図48Bは同一の等脚台形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図である。
【図49】 図49は折り畳み/展開可能な筒状構造物の展開図であり、図49Aは異なる台形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図、図49Bは異なる三角形要素(パーツ)で構成された筒状折り畳み構造物の展開図である。
【図50】 図50は断面が十文字型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図50Aが展開図、図50Bが図50Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
【図51】 図51は断面が菱形の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図51Aは展開図、図51Bは図51Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
【図52】 図52は断面が擬楕円型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図52Aは展開図、図52Bは図52Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
【図53】 図53は断面が矩形型の筒状折り畳み構造物の説明図であり、図53Aは展開図、図53Bは図53Aの展開図の両端を接合して形成される構造物を折り畳んだ時の平面図である。
【図54】 図54は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図54Aは前記図50Aの展開図に対応する図、図54Bは前記図51Aの展開図に対応する図である。
【図55】 図55は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図55Aは前記図52Aの展開図に対応する図、図55Bは前記図53Aの展開図に対応する図である。
【図56】 図56は主折り線が螺旋に沿う円筒型筒状折り畳み構造物の展開図であり、前記図49Aに対応する図である。
【図57】 図57は水平方向にzigzagに形成された折り線と垂直方向にzigzagに形成された折り線とによって構成される折り線群の角度関係を説明する図である。
【図58】 図58は水平方向に接続する折り線が直線の折り線を有する筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、図58Aは鉛直方向の折り線がzigzag状になる筒状構造物の展開図、図58Bは鉛直方向の折り線が曲線状になる筒状構造物の展開図である。
【図59】 図59は水平方向に接続する折り線が直線の折り線を有する筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、前記図58Aの展開図において1段ごとに反転させた展開図である。
【図60】 図60は反復型の折り線で構成された筒状折り畳み構造物の展開図であり、折り畳まれた後の断面が矩形状となる構造物の展開図である。
【図61】 図61は鉛直方向に接続される折り線が直線を形成する折り線群を有する筒状折り畳み構造物の角度関係を説明する図である。
【図62】 図62は鉛直方向に接続される折り線が直線を形成する折り線群を有する筒状折り畳み構造物の具体例の図であり、図62Aはa/b=2.5、N=4の場合の展開図、図62Bはa/b=2.5、N=6の場合の展開図である。
【図63】 図63は等角螺旋の修正モデルの図であり、図63Aは螺旋型の折り線の説明図、図63Bは図63AにおいてN=6とした時の具体例を示す図である。
【図64】 図64は反復型等角螺旋の修正モデルの図であり、図64Aは螺旋型の折り線の説明図、図64Bは図64AにおいてN=6とした時の具体例を示す図である。
【図65】 図65は異型の角錐状構造物の説明図であり、図65Aは角度関係を説明する図、図65Bは異型の角錐状構造物の具体例である。
【図66】 図66は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の展開図を説明する図であり、図66Aは円筒の座屈パターンの展開図で図9に対応する図、図66Bは各要素の角度の説明図、図66Cは図66AのABが水平になるように傾斜した図である。
【図67】 図67は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の説明図であり、図67Aは図66Bを描き直した図でで図22Aに対応する図、図67Bは展開図の上昇を説明するための図で図66Bに対応する図である。
【図68】 図68は折り畳み可能な円筒型筒状構造物の説明図であり、図68Aは図67BのGFが水平になるように傾斜させた図、図68Bは図68Aを描き直した図である。
【図69】 図69は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図69Aは図66Aの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図、図69Bは図67Aの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図である。
【図70】 図70は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図68Bの円筒型構造物に対応する円錐型構造物の展開図である。
【図71】 図71は折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の展開図であり、図71Aは図67Bにおける2段上がりの円筒状構造物に対応する円錐型構造物の展開図であり、図71Bは図71Aを描き直したものである。
【図72】 図72は逆方向螺旋の折り線群に関する作図及び角度の説明図であり、図33に対応する図である。
【図73】 図73は逆方向螺旋の折り線群を有する円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の展開図である。
【図74】 図74は同方向螺旋の折り線群に関する作図及び角度の説明図であり、図74Aは全体図、図74Bは図74A要部拡大図である。
【図75】 図75は同方向螺旋の折り線群を有する円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の展開図である。
【図76】 図76は台形要素によって構成された円錐状構造物の説明図であり、図76Aは作図方法及び角度関係の説明図、図76Bは図76Aの作図法によって形成した具体例の構造物の展開図である。
【図77】 図77は台形要素によって構成された図76とは異なる円錐状構造物の説明図であり、図77Aは作図方法及び角度関係の説明図、図77Bは図77Aの作図法によって形成した具体例の構造物の展開図である。
【図78】 図78は図74とは異なる矩形要素で構成される円錐型筒状折り畳み構造物の作図法及び角度関係の説明図である。
【図79】 図79は図78の作図法に基づいて形成された折り線を有する折り畳み可能な円錐型筒状折り畳み構造物の具体例の説明図であり、図79Aは1段上がりの展開図、図79Bは2段上がりの展開図である。
【図80】 図80は本発明の実施例1の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型食品容器の展開図である。
【図81】 図81は前記図80の食品容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図81Aは折り畳み前の食品容器を上方から見た平面図、図81Bは折り畳み前の食品容器の側面図である。
【図82】 図82は前記図80の食品容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図82Aは半折り状態の食品容器を上方から見た平面図、図82Bは半折り状態の食品容器の側面図である。
【図83】 図83は前記図80の食品容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図83Aは完全に折り畳んだ状態の食品容器を上方から見た平面図、図83Bは完全に折り畳んだ状態の食品容器の側面図である。
【図84】 図84は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の予張の工程を示す図である。
【図85】 図85は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の圧入の工程を示す図である。
【図86】 図86は本発明の実施例1の折り畳み/展開可能な食品容器の製造装置の断面図であり、真空成形法の成形の工程を示す図である。
【図87】 図87は本発明の実施例2の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型容器の展開図である。
【図88】 図88は前記図87の容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図87Aは折り畳み前の容器を上方から見た平面図、図87Bは折り畳み前の容器の側面図である。
【図89】 図89は前記図87の容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図89Aは半折り状態の容器を上方から見た平面図、図89Bは半折り状態の容器の側面図である。
【図90】 図90は前記図87の容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図90Aは完全に折り畳んだ状態の容器を上方から見た平面図、図90Bは完全に折り畳んだ状態の容器の側面図である。
【図91】 図91は本発明の実施例3の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円錐型容器の展開図である。
【図92】 図92は前記図91の容器の展開(折り畳み前)状態の説明図であり、図92Aは折り畳み前の容器を上方から見た平面図、図92Bは折り畳み前の容器の側面図である。
【図93】 図93は前記図91の容器の半折り(折り畳み途中)状態の説明図であり、図93Aは半折り状態の容器を上方から見た平面図、図93Bは半折り状態の容器の側面図である。
【図94】 図94は前記図91の容器を完全に折り畳んだ状態の説明図であり、図94Aは完全に折り畳んだ状態の容器を上方から見た平面図、図94Bは完全に折り畳んだ状態の容器の側面図である。
【図95】 図95は本発明の実施例4の筒状折り畳み構造物としての折り畳み/展開可能な円筒型容器の展開図であり、図95Aは実施例2と同様に中央部が2段折り畳める円筒容器の展開図であり、図95Bは図95Aの両端面が直線状になるように形成した展開図である。
【図96】 図96は本発明の実施例5の円錐型容器の展開図であり、主折り線が螺旋に沿って形成された円錐容器の展開図である。
【符号の説明】
1…筒壁、2…底壁、M…山折り線、M,V…折り線、P…パーツ、V…谷折り線。
Claims (3)
- 下記の構成要件(A01)〜(A 06 ),(A 07 c)を備えた筒状折り畳み構造物、
(A01)複数の多角形のパーツと、前記各パーツの外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線が形成された筒壁であって、前記折り線は筒壁の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線と谷折りとなる1以上の谷折り線とを有する前記筒壁、
(A02)前記筒壁の軸方向の一端部を閉塞する底壁、
(A03)前記筒壁の展開図の両端で折り線が連続しているための条件である連続条件を満足する折り線を有する前記複数の折り線、
(A04)前記山折り線及び谷折り線の交点である複数の節点が所定の間隔で配置され、1つの節点で交わる山折り線の数と谷折り線の数との差が2となるように形成され、前記1つの節点で交わる複数の折線を含む各パーツが密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件を満足する折り線を有する前記複数の折線、
(A05)前記折り線に沿って折り畳んだ時に、前記パーツが密着して前記筒壁が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線を有する前記複数の折り線、
(A06)中心軸に直交する断面の径が中心軸方向に沿って一定に形成された前記筒壁、
(A07c)水平方向に沿って配置された前記複数の折り線が連結された主折り線により上下を挟まれた帯状の部分を水平方向に対して傾斜した状態で配置し且つ前記帯状の部分が、鉛直方向に複数段連結された前記筒壁であって、前記帯状の部分を構成する前記パーツにおいて、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツどうしが非同一且つ非対称形状に形成された前記筒壁。 - 下記構成要件(A01)〜(A05),(A06′),(A07d)を備えた筒状折り畳み構造物、
(A01)複数の多角形のパーツと、前記各パーツの外側辺を互いに接続する直線状のパーツ接続部とを有し前記直線状のパーツ接続部に沿って折り畳み可能な直線状の折り線が形成された筒壁であって、前記折り線は筒壁の一面側から見て前記一面側が山折りとなる複数の山折り線と谷折りとなる1以上の谷折り線とを有する前記筒壁、
(A02)前記筒壁の軸方向の一端部を閉塞する底壁、
(A03)前記筒壁の展開図の両端で折り線が連続しているための条件である連続条件を満足する折り線を有する前記複数の折り線、
(A04)前記山折り線及び谷折り線の交点である複数の節点が所定の間隔で配置され、1つの節点で交わる山折り線の数と谷折り線の数との差が2となるように形成され、前記1つの節点で交わる複数の折線を含む各パーツが密着状態で折り畳むことができる条件である折り畳み条件を満足する折り線を有する前記複数の折線、
(A05)前記折り線に沿って折り畳んだ時に、前記パーツが密着して前記筒壁が軸方向に折り畳まれるための条件である閉じる条件を満足する折り線を有する前記複数の折り線、
(A06′)中心軸方向の一端部に行くに従って断面の径が小さくなる筒壁、
(A07d)前記筒壁を展開した扇形の展開図において、扇形の円周方向に沿って配置された前記複数の折り線が連結された主折り線により挟まれた帯状の部分が円周方向に対して傾斜した状態で配置された前記筒壁であって、前記帯状の部分を構成する前記パーツにおいて、鉛直方向または水平方向に隣接するパーツどうしが非同一且つ非対称形状に形成された前記筒壁。 - 下記の構成要件(A08)を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の筒状折り畳み構造物、
(A08)前記筒壁の中心軸方向の一部分のみに形成された前記複数の折り線。
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