JP2017019974A - 偏光板用粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
液晶素子などに用いられる偏光板用の粘着剤層は、高温、高湿での使用環境によって、偏光板が耐熱、耐湿条件下において膨張・収縮する。これにより、キレツやハガレ、発泡や光漏れ現象が発生しやすくなる。このような耐久性を向上させるためには、高分子量(100万程度)や高ゲル分率のものの方がよい。
特許文献2は水酸基を必須成分とするもので、さらに養生期間を必要とするものであり、改良の余地は大きい。
[1] 重量平均分子量(Mw)が1〜30万、分散指数(Mw/Mn)1.0〜2.0の範囲にあり、下記ブロック[A]とブロック[B]が[A]−[B]−[A]で表される構造を有する(メタ)アクリル系トリブロックポリマーであって、
[A]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が100〜250℃の範囲にあって、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー全体に対して10〜40質量%の範囲にあり、ブロックを構成するモノマー単位は、水酸基以外の官能基含有モノマーが(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを形成するモノマー100質量%に対して0.1〜5質量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを形成するモノマー100質量%に対して5〜39.9質量%であり、
[B]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であって、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー全体に対して90〜60質量%の範囲にあり、実質的に官能基を含まず、
[A]ブロックと[B]ブロックの合計は100質量%である、(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを含むことを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。
[2]さらに、硬化剤を、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー100質量部に対して0.01〜5質量部の量で含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板用粘着剤組成物。
[3]前記硬化剤が、金属キレート系化合物であることを特徴とする[2]に記載の偏光板用粘着剤組成物。
[4]さらに、シランカップリング剤を含有する[1]〜[3]に記載の偏光板用粘着剤組成物。
[5]少なくとも一方の面に[1]〜[4]に記載の粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着剤付偏光板。
本発明に係る偏光板用粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを含む。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロはアクリロまたはメタクリロを意味する。
本発明で使用される(メタ)アクリル系トリブロックポリマーは、ブロック[A]とブロック[B]が、[A]−[B]−[A]で表される構造を有する(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを示す。
[A]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が100〜250℃の範囲にあり、水酸基以外の官能基含有モノマー(a−1)と(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a−2) を構成要素として含む(メタ)アクリル系ポリマーである。
[A]ブロックのTgは、100〜250℃の範囲内にあると、物理的な擬似架橋点として作用する硬さを発現できる。
Foxの式:1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・+(Wm/Tgm)
W1+W2+・・・+Wm=1
式中、Tgは重合体ブロックのガラス転移点であり、Tg1,Tg2,・・・,Tgmは各モノマー由来の構成単位の前記重合体ブロックにおける重量分率である。
上記に記載が無いTgは、例えば、示差走査型熱量計(DSC)により測定できる。DSCの測定条件としては、試料5mg、窒素雰囲気下とし、1回目の測定(1st RUN)で昇温速度20℃/分で−100℃から200℃まで昇温した後、降温速度99.9℃/分で−100℃まで冷却し、さらに2回目の測定(2nd RUN)で昇温速度20℃/分で−100℃から200℃まで昇温する。ここでガラス転移温度は、2nd RUNにおいて−100℃から200℃まで昇温したときに測定されるDSC曲線のベースラインが吸熱方向にシグモイド型に変化する領域において、シグモイド型に変化する領域より低温側のベースラインの延長線と、シグモイドにおける変曲点の接線の交点を指す。
なお、水酸基を含む官能基含有モノマーを使用すると、水酸基は反応性に富む為、架橋反応が進行しすぎてしまい、応力緩和性が低下し、耐久性とのバランスを取ることが困難となる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[A]ブロックには、上記以外に、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、脂環式基または芳香環含有(メタ)アクリレート等のその他のモノマーが共重合されていてもよい。
[B]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であり、実質的に官能基を含まない(メタ)アクリル系ポリマーである。[B]ブロックを構成する(メタ)アクリル系ポリマーとしては、ホモポリマーのTgが0℃以下のモノマー(a−3)を共重合して得られた(共)重合体である。
[B]ブロックにおける実質的官能基量は、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
ブロック[B]のガラス転移温度(Tg)は、ブロック[A]と同様の手法で求めることができる。
[B]ブロックには、上記以外に、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、脂環式基または芳香環含有(メタ)アクリレート等のその他のモノマーが共重合されていてもよい。
また、最終的に[B]ブロックのTgが0℃以下になるのであれば、Tgが0℃以上のモノマーが共重合されていてもよい。
本発明で使用されるトリブロックポリマーは、前記ブロック[A]とブロック[B]が、[A]−[B]−[A]で表される構造を有し、重量平均分子量(Mw)1万〜30 万、分散指数(Mw/Mn)1.0〜2.0 の範囲にある。この範囲にあるものは耐久性と応力緩和性のバランスを取ることができる。
本発明で使用されるトリブロックポリマーの分子量および分散指数は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、求めることができる。
本発明では、相溶性の著しく低い[A] ブロックと[B]ブロック が一本のポリマーにトリブロック状に共重合され、さらに分散指数(Mw/Mn)が1.0〜2.0とする。
このような[A]ブロック、[B]ブロックから構成される所定のガラス転移温度差および分散指数を有することで、ポリマー分子間での[A] ブロックの自己組織化、[B]ブロックの自己組織化が促されると考えられ、これによって、粘着剤層中にミクロ相分離構造が自己組織化され、[A] ブロックのハードセグメントが疑似架橋点として働くようになると考えられる。
本発明では、組成物は、硬化剤を含むことが好ましい。
硬化剤としては、金属キレート系化合物、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物などが挙げられるが、組成物を塗工直後に架橋の完成する金属キレート系化合物を用いることが好ましい。
また、通常は養生に一週間程度を要するイソシアネート系やエポキシ系のような一般的な硬化剤を用いた場合にも養生期間の短縮が可能である。
本発明の組成物は、さらにシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤は、粘着剤層をガラス基板等の被着体に対して強固に接着させ、高湿熱環境下で偏光板の剥がれを防止でき、前記ブロックポリマーと組み合わせると耐久性の向上効果が大きい。
本発明の組成物において、シランカップリング剤の含有量は、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー100質量部に対して、通常1質量部以下、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部である。含有量が前記範囲にあると、高湿熱環境下における偏光板の剥がれや、高温環境下におけるシランカップリング剤のブリードが防止される傾向にある。
本発明の組成物には、帯電防止剤が含まれていてもよく、具体的には界面活性剤、イオン性化合物、導電性ポリマーが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩類、アミド4級アンモニウム塩類、ピリジウム塩類、第1級〜第3級アミノ基等のカチオン性基を有するカチオン性界面活性剤;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性基を有するアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類、アルキルアミンオキサイド類、アミノ酸硫酸エステル類等の両性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル類、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン類、アルキルジエタノールアミド類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
また、界面活性剤として重合性基を有する反応型乳化剤も挙げられ、上記の界面活性剤または反応性乳化剤を含むモノマー成分を高分子量化したポリマー系界面活性剤を用いることもできる。
イオン性化合物を構成するカチオン部としては、無機系カチオンまたは有機系カチオンのいずれか一方であっても双方であってもよい。無機系カチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンが好ましく、帯電防止性が優れたLi+、Na+およびK+がより好ましい。有機系カチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリンカチオン、ピロールカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールおよびこれらの誘導体が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、必ずしも溶媒を含まなくともよいが、その塗工性を調整するため、有機溶媒を含有していてもよい。本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常50〜90質量%、好ましくは60〜85質量%である。
本発明の粘着剤組成物は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、金属腐蝕防止剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋促進剤、ナノ粒子などを含有してもよい。
本発明の組成物は、(メタ)アクリル系ブロックポリマーと、必要に応じて硬化剤、シランカップリング剤、有機溶媒とを、従来公知の方法により混合することで調製することができる。例えば、(メタ)アクリル系ブロックポリマーを合成する際に得られた、当該ポリマーを含むポリマー溶液に、硬化剤などを必要に応じて他の成分を配合することが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤のゲル分率は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは0〜10質量%である。前記ゲル分率は、例えば実施例記載の条件により測定される値である。
本発明の偏光板用粘着剤層は、上述の粘着剤組成物より形成される。本発明の粘着剤組成物を用いることで形成することができる。
本発明の偏光板用粘着シートは、上述の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する。粘着シートとしては、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された上記粘着剤層とを有する両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層を有する片面粘着シート、およびそれら粘着シートの粘着剤層の基材と接していない面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された粘着シートが挙げられる。
粘着剤層の形成条件は、〔偏光板用粘着剤層〕の欄に記載した条件と同様である。
粘着剤層の厚みは、粘着性能維持の観点から、通常5〜75μm、好ましくは10〜50μmである。
本発明の粘着剤層付き偏光板は、偏光板と、前記偏光板の少なくとも一方の面に積層された、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層とを有する。なお、本明細書では、「偏光板」は「偏光フィルム」を包含する意味で用いる。
粘着剤層は、偏光板の少なくとも一方の面に形成されていればよく、偏光板の片面のみに粘着剤層が形成される態様、偏光板の両面に粘着剤層が形成される態様が挙げられる。
液晶セルが有する基板としては、例えばガラス基板が挙げられる。基板の厚さとしては、通常0.05〜3mm、好ましくは0.2〜1mmである。
(メタ)アクリル系トリブロックポリマー及び(メタ)アクリル系ランダムポリマーについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、下記条件で、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の4連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSKgel HxL−H(ガードカラム)
(2)TSKgel GMHxL
(3)TSKgel GMHxL
(4)TSKgel G2500HxL
・流速:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・サンプル濃度:1.5%(w/v)(テトラヒドロフランで希釈)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・標準ポリスチレン換算
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、n−ブチルアクリレート(BA)85部、1,6−ジ[2−(N−tert−ブチル−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)−N−オキシル)プロピオネート]ヘキシレンアルコキシアミン溶液を1部、N−tert−1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロオキシド溶液を0.07部仕込み、窒素ガスを導入しながら117℃に昇温し、6時間重合反応を行った。反応終了後、39部のトルエンにて希釈した。次いで、メチルメタクリレート(MMA)14部、メタクリル酸(MAA)1部、トルエンを108部仕込み、窒素を導入しながら、105℃で1時間30分反応を行った。得られたポリマーをトルエンで希釈し、固形分濃度30質量%のポリマー溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系ブロックポリマーの重量平均分子量(Mw)は10万であり、分散指数(Mw/Mn)は1.2であった。
重合反応に用いたモノマー成分を表1に記載したとおりに変更したこと以外は合成例1と同様に行い、固形分濃度30質量%のポリマー溶液を調製した。結果を表1に示す。
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、n−ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)、メチルメタクリレート(MMA)を表2の割合とし、酢酸エチルを100部仕込み、窒素ガスを導入しながら80℃に昇温した。次いで、tert−ブチルパーオキシピバレート0.1部を加え、窒素ガス雰囲気下、80℃で6時間重合反応を行った。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し固形分濃度30質量%のポリマー溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系共重合体の特性を表2に合わせて示す。
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
AA:アクリル酸
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
(1)粘着剤組成物の調製
合成例1で得られたポリマー溶液(固形分濃度30質量%)と、当該溶液に含まれる(メタ)アクリル系トリブロックポリマー 100部(固形分量)に対して、アルミキレート化合物(綜研化学(株)製、M−12AT)、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)を表3に示す量で混合して、粘着剤組成物を得た。
剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、泡抜け後、ドクターブレードを用いて塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚20μmの塗膜を有するシートを得た。
前記シートと偏光板(厚さ:110μm、層構成:トリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアルコールフィルム/トリアセチルセルロースフィルム)とを、前記塗膜と偏光板とが接するように貼り合わせ、養生せずに、PETフィルムと厚さ20μmの粘着剤層と偏光子と偏光子保護層とを有する粘着剤層付き偏光板を得た。
実施例1において、ポリマー溶液を合成例2〜7で得られたポリマー溶液に変更し、配合組成を表3に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物、粘着剤層付き偏光板を得た。
なお、アルミキレート化合物の代わりにイソシアネート系化合物として、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(綜研化学(株)製、L−45)、トリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート(綜研化学(株)製、TD−75)を用い、またシランカップリング剤として、比較例2および5〜7では3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)を使用し、比較例6および7は、粘着層を23℃/50%RH環境下で7日間静置して養生させた。
〔耐久性試験(耐熱性・耐湿熱性試験)〕
実施例・比較例で得られた粘着剤層付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光子保護層/偏光子/偏光子保護層からなる積層体)を150mm×250mmの大きさに裁断して、試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光子/偏光子保護層からなる積層体を、厚さ0.5mmのガラス基板の片面に、粘着剤層とガラス基板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブ中に20分間保持して、試験板を作成した。同様の試験板を2枚作成した。前記試験板を、温度80℃の条件下(耐熱性)または温度60℃/湿度90%RHの条件下(耐湿熱性)で500時間放置し、以下の基準で発泡、浮き、剥がれの発生を観察して評価した。
◎:発泡、浮き、剥がれ等の外観不良は観察されなかった
○:発泡、浮き、剥がれ等の外観不良が僅かに観察された
×:発泡、浮き、剥がれ等の外観不良が明らかに観察された
実施例・比較例で得られた2枚の粘着剤付き偏光板(PETフィルム/粘着剤層/偏光子/偏光子保護層からなる積層体)を310mm×385mmの大きさに裁断して、試験片を作成した。試験片からPETフィルムを剥離し、ラミネーターロールを用いて、粘着剤層/偏光子/偏光子保護層からなる積層体を、厚さ0.5mmのガラス基板の両側に互いに偏光軸が直交するように、かつ粘着剤層とガラス基板とが接するように貼着した。得られた積層体を、50℃/5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して、試験板を作成した。この試験板を温度80℃の条件下に500時間放置して、以下の基準で光漏れの観察を行った。
○:光漏れは観察されなかった
×:光漏れが明らかに観察された
・L−45:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート
(綜研化学(株)製、固形分75質量%、トルエン溶液)
・TD−75:トリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネート
(綜研化学(株)製、固形分75質量%、酢酸エチル溶液)
・KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(信越化学工業(株)製)
※硬化剤およびシランカップリング剤の配合量は、(メタ)アクリルトリブロックポリマーまたは(メタ)アクリル系ランダムポリマー100質量部に対する含有量を固形分比で記載した。
Claims (5)
- 重量平均分子量(Mw)が1〜30万、分散指数(Mw/Mn)1.0〜2.0の範囲にあり、下記ブロック[A]とブロック[B]が[A]−[B]−[A]で表される構造を有する(メタ)アクリル系トリブロックポリマーであって、
[A]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が100〜250℃の範囲にあって、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー全体に対して10〜40質量%の範囲にあり、ブロックを構成するモノマー単位は、水酸基以外の官能基含有モノマーが(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを形成するモノマー100質量%に対して0.1〜5質量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを形成するモノマー100質量%に対して5〜39.9質量%であり、
[B]ブロックは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下であって、(メタ)アクリル系トリブロックポリマー全体に対して90〜60質量%の範囲にあり、実質的に官能基を含まず、
[A]ブロックと[B]ブロックの合計は100質量%である、(メタ)アクリル系トリブロックポリマーを含むことを特徴とする偏光板用粘着剤組成物。 - さらに、硬化剤を、前記(メタ)アクリル系トリブロックポリマー100質量部に対して0.01〜5質量部の量で含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板用粘着剤組成物。
- 前記硬化剤が、金属キレート系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の偏光板用粘着剤組成物。
- さらに、シランカップリング剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板用粘着剤組成物。
- 少なくとも一方の面に請求項1〜4のいずれかの1項に記載の粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着剤付偏光板。
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