JP2017016840A - 絶縁電線及び巻線束 - Google Patents

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Shuhei Maeda
修平 前田
齋藤 秀明
Hideaki Saito
秀明 齋藤
槙弥 太田
Shinya Ota
槙弥 太田
菅原 潤
Jun Sugawara
潤 菅原
雅晃 山内
Masaaki Yamauchi
雅晃 山内
田村 康
Yasushi Tamura
康 田村
吉田 健吾
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健吾 吉田
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Yuji Hatanaka
悠史 畑中
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Abstract

【課題】可撓性を維持しつつコロナ放電開始電圧を高められる絶縁電線を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に積層される絶縁層と、複数の発泡剤を有し、絶縁層の外周面側に積層される半導電層とを備え、半導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である。また、半導電層が、合成樹脂を主成分とするマトリックスと、このマトリックス中に分散する複数の導電性フィラーとを有するとよい。また、導電性フィラーの主成分がカーボンであるとよい。また、半導電層が、導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含む合成樹脂を主成分とするマトリックスを有することも好ましい。また、半導電層が複数の発泡剤を有し、発泡剤が、化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルであるとよい。また、半導電層の加熱後の平均厚さ膨張率としては、1.1倍以上5倍以下が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線及び巻線束に関する。
適用電圧が高い電気機器、例えば高電圧で使用されるモーター等では、電気機器を構成する絶縁電線に高電圧が印加され、その絶縁被膜表面で部分放電(コロナ放電)が発生し易くなる。コロナ放電の発生により、局部的な温度上昇、オゾンの発生、イオンの発生等が引き起こされると、早期に絶縁破壊を生じ、絶縁電線ひいては電気機器の寿命が短くなる。このため、適用電圧が高い電気機器に使用される絶縁電線には、高いコロナ放電開始電圧が求められる。
コロナ放電開始電圧を高める方法として、導体上に形成された絶縁層の外周面側に樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層を形成した絶縁電線が提案されている(特許第5108251号公報参照)。この絶縁電線は、絶縁層の外周面側に半導電層を形成することで、交流通電時の漏れ電流による絶縁電線表面での発熱を抑制し、絶縁電線の劣化を防止している。また、この絶縁電線は、絶縁層の外周面側に半導電層を形成することで、巻線束としてコイルなどで用いられるときに絶縁電線が近接して配設され高電圧がかかった場合でも絶縁電線間の電位差を生じ難くしている。これにより、絶縁電線間における電界の集中を緩和し、絶縁電線間に存在する空気に電圧を加わり難くしてコロナ放電開始電圧を高めている。
特許第5108251号公報
しかし、絶縁層の外周面側に半導電層を形成した上記絶縁電線は、半導電層を構成する樹脂及びカーボンブラックにより可撓性が低下する。また、上記絶縁電線の導体上に形成される被膜の誘電率は、半導電層を構成する樹脂固有の誘電率により制限されるため低誘電率化に限界があり、コロナ放電開始電圧の上昇にも限界がある。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、可撓性を維持しつつコロナ放電開始電圧を高められる絶縁電線及び巻線束を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に積層される絶縁層と、複数の発泡剤を有し、上記絶縁層の外周面側に積層される半導電層とを備え、上記半導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である絶縁電線である。
上記課題を解決するためになされた別の本発明の一態様に係る巻線束は、複数の上記絶縁電線を捲線加工して束ねることにより形成される巻線束である。
本発明に係る絶縁電線及び巻線束は、可撓性を維持しつつコロナ放電開始電圧を高められる。
本発明の第一実施形態に係る絶縁電線の模式的断面図である。 本発明の第二実施形態に係る絶縁電線の模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に積層される絶縁層と、複数の発泡剤を有し、上記絶縁層の外周面側に積層される半導電層とを備え、上記半導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である絶縁電線である。
当該絶縁電線は、半導電層の体積抵抗率が上記上限以下なので、巻線束等として当該絶縁電線が並列に近接して配設される際、高電圧の負荷がかかっても、近接する当該絶縁電線間において互いの半導電層間の電位差を生じ難くできる。これにより、近接する当該絶縁電線間における電界の集中が緩和され、当該絶縁電線間に存在する空気に電圧が加わり難くなるのでコロナ放電開始電圧を高められる。また、当該絶縁電線は、半導電層の体積抵抗率が上記下限以上なので、当該絶縁電線が並列に近接して配設される場合、近接する当該絶縁電線間の静電容量を小さくでき、交流通電時にこれらの当該絶縁電線間に流れる漏れ電流が小さくなるので、半導電層の発熱による劣化を防止できる。また、当該絶縁電線は、半導電層が複数の発泡剤を有するので、優れた可撓性を有すると共に、半導電層の誘電率が低下しコロナ放電開始電圧を高められる。ここで、「体積抵抗率」とは、1×10Ω・cm以上のものはJIS−C2139(2008)、1×10Ω・cm以下のものはJIS−K7194(1994)に準拠して測定される値を意味する。
上記半導電層が、合成樹脂を主成分とするマトリックスと、このマトリックス中に分散する複数の導電性フィラーとを有するとよい。このように、上記半導電層がマトリックス中に分散する複数の導電性フィラーを有することで、合成樹脂と導電性フィラーとの配合量又は導電性フィラーの平均粒子径を調節することにより半導電層の体積抵抗率を容易に調節できる。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。また、「平均粒子径」とは、分散液中の体積粒度分布の中心径D50で表されるものを意味する。
上記導電性フィラーの主成分がカーボンであるとよい。カーボンは金属粒子に比べて合成樹脂に対する分散安定性に優れているので、カーボンを主成分とする導電性フィラーを用いることにより、導電性フィラー同士の凝集防止のための攪拌工程を簡便又は不要にできる。その結果、導電性フィラーが均一に含まれる半導電層を容易かつ確実に形成でき、より確実にコロナ放電開始電圧を高められる。
上記半導電層が、導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含む合成樹脂を主成分とするマトリックスを有することも好ましい。このように、半導電層が導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含むマトリックスを有することで、厚さ方向の電気抵抗を均一にさせ易く、誘電率が局所的に高くなることを抑制し易い。その結果、確実にコロナ放電開始電圧を高くし易い。
上記半導電層が複数の発泡剤を有し、上記発泡剤が、化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルであるとよい。このように、半導電層が複数の化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルを有することで、半導電層の加熱後の平均厚さ膨張率を大きくすることができる。その結果、当該絶縁電線を用いたコイルの絶縁電線間の隙間を縮小又は消滅させることができ、より確実にコロナ放電開始電圧を高められる。ここで「平均厚さ膨張率」とは、加熱による膨張後の半導電層の平均厚さの加熱前の半導電層の平均厚さに対する比を意味する。
上記半導電層の加熱後の平均厚さ膨張率としては、1.1倍以上5倍以下が好ましい。このように、半導電層の膨張率が上記範囲内であることによって、当該絶縁電線を用いたコイルの絶縁電線間の隙間をより確実に縮小又は消滅させることができ、より確実にコロナ放電開始電圧を高められる。
上記半導電層が熱融着性を有するとよい。このように、半導電層が熱融着性を有することにより、当該絶縁電線を捲線加工したコイルにおいて、加熱後に近接する絶縁電線同士が密着固定されるので、コイル使用時に絶縁電線同士の位置ズレが生じない。これにより、絶縁電線同士の位置ズレに伴う絶縁電線間の空隙の発生が抑制されるので、コロナ放電開始電圧が低下することを確実に防止できる。また、加熱により当該絶縁電線を用いたコイルを放熱用部材に容易かつ確実に固定できる。
本発明の一態様に係る巻線束は、複数の上記絶縁電線を捲線加工して束ねることにより形成される巻線束である。
当該巻線束は、複数の上記絶縁電線で形成されるので、半導電層の体積抵抗率が上記上限以下であり、高電圧の負荷がかかっても、巻回されることで近接する同相及び異相の半導電層間の電位差を生じ難くできる。これにより、近接する絶縁電線間における電界の集中が緩和され、これらの絶縁電線間に存在する空気に電圧が加わり難くなるので、コロナ放電開始電圧を高くできる。また、当該巻線束を形成する絶縁電線の半導電層の体積抵抗率が上記下限以上なので、巻回されることで近接する絶縁電線間の静電容量を小さくでき、交流通電時に近接する絶縁電線間を流れる漏れ電流が小さくなるので、半導電層の発熱による劣化を防止できる。また、当該巻線束は、半導電層が複数の発泡剤を有するので、優れた可撓性を有すると共に、半導電層の誘電率が低下しコロナ放電開始電圧を高められる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る絶縁電線及び巻線束を説明する。
[第一実施形態]
図1の当該絶縁電線1は、線状の導体2と、この導体2の外周面側に積層される絶縁層3と、複数の発泡剤6を有し、上記絶縁層3の外周面側に積層される半導電層4とを備える。上記半導電層4の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である。また、上記半導電層4は、合成樹脂を主成分とするマトリックス5と、このマトリックス5中に分散する複数の導電性フィラー7とを有する。
<導体>
上記導体2は、例えば断面が円形状の丸線とされるが、断面が方形状の角線や、複数の素線を撚り合わせた撚り線であってもよい。
導体2の材質としては、導電率が高くかつ機械的強度が大きい金属が好ましい。このような金属としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、ニッケル、銀、軟鉄、鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。導体2は、これらの金属を線状に形成した材料や、このような線状の材料にさらに別の金属を被覆した多層構造のもの、例えばニッケル被覆銅線、銀被覆銅線、銅被覆アルミニウム線、銅被覆鋼線等を用いることができる。
導体2の平均断面積の下限としては、0.01mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、導体2の平均断面積の上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。導体2の平均断面積が上記下限に満たない場合、導体2に対する絶縁層3の体積が大きくなり、当該絶縁電線1を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。逆に、導体2の平均断面積が上記上限を超える場合、誘電率を十分に低下させるために絶縁層3を厚く形成しなければならず、当該絶縁電線1が不必要に大径化するおそれがある。
<絶縁層>
上記絶縁層3は、図1に示すように、導体2と半導電層4との間に、導体2の外周面側に積層される。
絶縁層3は、絶縁性を有する樹脂組成物で形成される。絶縁層3を形成する樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えばポリビニルホルマール、熱硬化ポリウレタン、熱硬化アクリル、エポキシ、熱硬化ポリエステル、熱硬化ポリエステルイミド、熱硬化ポリエステルアミドイミド、芳香族ポリアミド、熱硬化ポリアミドイミド、熱硬化ポリイミド等の熱硬化性樹脂や、例えば熱可塑性ポリイミド、ポリフェニルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の熱可塑性樹脂を主成分とするものが使用できる。絶縁層3は2種類以上の樹脂の複合体又は積層体であってもよく、また熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体又は積層体であってもよい。
絶縁層3の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、絶縁層3の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、150μmがより好ましい。絶縁層3の平均厚さが上記下限に満たない場合、絶縁層3が破れ易くなり、導体2の絶縁が不十分となるおそれがある。逆に、絶縁層3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線1を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。
<半導電層>
上記半導電層4は、当該絶縁電線1の最外層である。半導電層4は、複数の発泡剤6と、合成樹脂を主成分とするマトリックス5と、このマトリックス5中に分散する複数の導電性フィラー7とを有する。
半導電層4は、加熱による発泡剤6の膨張で発泡し、全体的に膨張する。
半導電層4の加熱前の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。一方、半導電層4の加熱前の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、200μmがより好ましい。半導電層4の加熱前の平均厚さが上記下限に満たない場合、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に、絶縁電線同士の密着が不十分となるおそれがある。逆に、半導電層4の加熱前の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線1を用いて形成されるコイル等の体積効率が低くなるおそれがある。
半導電層4の加熱後の平均厚さ膨張率の下限としては、1.1倍が好ましく、2倍がより好ましい。一方、半導電層4の加熱後の平均厚さ膨張率の上限としては、5倍が好ましく、4倍がより好ましい。半導電層4の加熱後の平均厚さ膨張率が上記下限に満たないと、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に絶縁電線間の空間が十分に埋まらず、絶縁電線同士の密着が不十分となるおそれがある。逆に、半導電層4の加熱後の平均厚さ膨張率が上記上限を超える場合、半導電層4の密度が不十分となることにより当該絶縁電線1の強度が不十分となるおそれがある。半導電層4の膨張率は、発泡剤6の種類及び量、並びに発泡剤6の発泡開始温度でのマトリックス5の弾性率を選択することにより制御できる。なお、「発泡開始温度」とは、化学発泡剤から気体の発生が確認される温度、又は熱膨張性マイクロカプセルの体積が、膨張前(常温、具体的には25℃)の1.05倍となる温度をいう。
加熱による発泡剤6の発泡によって半導電層4に形成される気孔の平均径の下限としては、1μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、上記半導電層4に形成される気孔の平均径の上限としては、300μmが好ましく、200μmがより好ましい。上記半導電層4に形成される気孔の平均径が上記下限に満たない場合、十分な膨張率が得られないおそれがある。逆に、上記半導電層4に形成される気孔の平均径が上記上限を超える場合、半導電層4が不必要に厚くなるおそれや、半導電層4の膨張が不均一になるおそれがある。なお、「気孔の平均径」とは、細孔直径分布測定装置(例えばPorus Materials社の「多孔質材料自動細孔径分布測定システム」)により断面を測定することにより得られる値である。
半導電層4は、熱融着性を有していることが好ましい。例えばマトリックス5を形成する樹脂組成物として熱融着性を有する樹脂組成物を用いることにより、半導電層4に熱融着性を持たせることができる。半導電層4が熱融着性を有していると、当該絶縁電線1を用いたコイルの絶縁電線同士が密着固定されるので、コイル使用時に絶縁電線同士の位置ズレが生じない。これにより、絶縁電線同士の位置ズレに伴う絶縁電線間の空隙の発生が抑制され、コロナ放電開始電圧が低下することを確実に防止できる。また、加熱することで、当該絶縁電線1を用いたコイルを放熱用部材に容易かつ確実に固定できる。
(マトリックス)
上記マトリックス5は、複数の発泡剤6を有し、複数の導電性フィラー7が分散する。
マトリックス5は合成樹脂を主成分とする。マトリックス5を構成する樹脂組成物の主成分としては、特に限定されないが、例えばフェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール、熱硬化ポリウレタン、熱硬化アクリル、エポキシ樹脂、熱硬化ポリエステル、熱硬化ポリエステルイミド、熱硬化ポリエステルアミドイミド、芳香族ポリアミド、熱硬化ポリアミドイミド、熱硬化ポリイミド等の熱硬化性樹脂や、例えば熱可塑性ポリイミド、ポリフェニルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルケトン、半芳香族ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂が使用できる。マトリックス5は2種類以上の樹脂組成物の複合体又は積層体であってもよく、例えば熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体又は積層体であってもよい。また、マトリックス5を構成する樹脂組成物の主成分とする上記熱可塑性樹脂にエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート等の熱反応性硬化剤を添加することにより架橋させて、一部熱硬化タイプにすることも可能である。さらに、熱硬化性樹脂の場合は硬化剤と組み合わせることで半硬化状態又は硬化状態として使用することができる。これらの樹脂組成物を用いることにより、半導電層4に熱融着性を付与できる。
マトリックス5を構成する樹脂組成物は、特に熱可塑性樹脂を主成分とする場合、揮発性溶剤を含むことが好ましい。
マトリックス5を構成する樹脂組成物として熱硬化性樹脂と硬化剤とを組み合わせた場合、半導電層4のマトリックス5は半導電層4の形成時の熱によって半硬化状態又は硬化状態となり、さらに発泡処理時の加熱により完全に硬化する。マトリックス5の弾性率は、未硬化の状態では温度上昇に伴って下がるが、さらに温度上昇して硬化反応が進むと上昇に転じる。マトリックス5の弾性率が1kPa以上に上昇した状態で発泡反応を行うことが、発泡倍率や発泡径を制御し易いので好ましい。
上記フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、又はビスフェノールFを主成分とした樹脂や変性フェノキシ樹脂が例示される。フェノキシ樹脂は、硬化剤の添加により融着処理後に硬化させることが可能であることから、比較的大きな気孔を形成する熱膨張性マイクロカプセルを使用した場合でも半導電層4の強度を十分に確保することができる。
上記ポリアミドとしては、例えば各種共重合ポリアミド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等が例示される。
上記ブチラール樹脂としては、例えばポリビニルブチラール等が例示される。
上記マトリックス5を構成する樹脂組成物に添加される熱反応性硬化剤としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂、ポリイソシアネート等が挙げられる。
上記熱反応性硬化剤の含有量の下限としては、マトリックス5中の合成樹脂成分100質量部に対して10質量部が好ましく、20質量部がより好ましい。一方、上記熱反応性硬化剤の含有量の上限としては、マトリックス5中の合成樹脂成分100質量部に対して50質量部が好ましく、40質量部がより好ましい。上記熱反応性硬化剤の含有量が上記下限に満たない場合、発泡剤6の発泡時にマトリックス5が必要以上に流動して半導電層4が不均一な形状となるおそれがある。逆に、上記熱反応性硬化剤の含有量が上記上限を超える場合、半導電層4が膨張し難くなり、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に絶縁電線間の空間が十分に埋まらず、絶縁電線同士の密着が不十分となるおそれがある。
マトリックス5を構成する樹脂組成物中に含まれる揮発性溶剤としては、例えばトルエン、シクロヘキサノン、キシレン、アノン、Nメチルピロリドン、クレゾール、フェノール、キリレノール等、又はこれらの混合物が挙げられる。
また、マトリックス5を構成する樹脂組成物に、上記主成分として用いる樹脂と共に導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含有させてもよい。導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含有させることで、マトリックス5に半導電性を付与できる。
上記導電性ポリマーとして、例えばポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。ポリエーテルエステルアミドとは、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド成分と、ビスフェノール類等をエーテル結合して得られる重合体であるポリエーテル成分とをエステル結合して得られるブロック共重合体である。また、帯電防止ポリマーとして、例えばポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合等が挙げられる。
(発泡剤)
発泡剤6としては、化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルを用いることができる。
発泡剤6の半導電層4における含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、発泡剤6の半導電層4における含有率の上限としては、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。発泡剤6の半導電層4における含有率が上記下限に満たない場合、半導電層4が膨張し難くなり、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に絶縁電線間の空間が十分に埋まらず、絶縁電線同士の密着が不十分となるおそれがある。逆に、発泡剤6の半導電層4における含有率が上記上限を超える場合、相対的にマトリックス5が少なくなることにより、半導電層4の強度が不十分となるおそれがある。
〈化学発泡剤〉
発泡剤6として用いられる化学発泡剤は、加熱することにより分解して、例えば窒素ガス、炭酸ガス、一酸化炭素、アンモニアガス等を発生するものであり、有機発泡剤又は無機発泡剤が使用できる。
有機発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(A.D.C.A)、アゾビスイソブチロニトリル(A.I.B.N)等のアゾ系発泡剤、例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン(D.P.T)、N,N’ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド(D.N.D.M.T.A)等のニトロソ系発泡剤、例えばP−トルエンスルホニルヒドラジド(T.S.H)、P,P−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(O.B.S.H)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(B.S.H)等のヒドラジド系、他にはトリヒドラジノトリアジン(T.H.T)、アセトン−P−スルホニルヒドラゾンなどが例示され、これらを単独で、又は二種類以上合わせて使用できる。
また、無機発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、ソジウムボロンハイドライド、シリコンオキシハイドライド等が例示される。一般的に無機発泡剤は、ガス発生速度が有機発泡剤より緩慢でありガス発生の調整が難しい。そのため、化学発泡剤としては、有機発泡剤が好ましい。
化学発泡剤の分解温度の下限としては、60℃が好ましく、70℃がより好ましい。一方、化学発泡剤の分解温度の上限としては、250℃が好ましく、200℃がより好ましい。化学発泡剤の分解温度が上記下限に満たない場合、当該絶縁電線1の製造時、輸送時又は保管時に化学発泡剤が意図せず発泡してしまうおそれがある。逆に、化学発泡剤の分解温度が上記上限を超える場合、膨張工程でコイル以外のモーター部品等に過剰な熱負荷がかかるために悪影響が出たり、発泡剤6を発泡させるために必要なエネルギーコストが過大となるおそれがある。
半導電層4には、化学発泡剤と共に、発泡助剤を配合してもよい。発泡助剤としては、化学発泡剤の熱分解を促進するものであれば特に限定されず、例えば加硫促進剤、充填剤、加硫促進助剤、PVC用安定剤、老化防止剤、加硫剤、尿素化合物等が挙げられる。このような発泡助剤は、化学発泡剤の分解を促進し、発泡温度を低下させる。
加硫促進剤としては、例えばグアジニン系、アルデヒド−アンモニア系、スルフェンアミド系、チウラム系、ザンテート系、アルデヒド−アミン系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系のもの等が挙げられる。充填剤としては、例えばシリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛、塩基性炭酸鉛、水酸化カルシウム、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ジエチレングルコール、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、有機アミン等が挙げられる。PVC用安定剤としては、例えば三塩基性硫酸鉛、ジブチルすずジラウレート、ジブチルすずジマレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。老化防止剤としては、例えばナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、P−フェニレン系、キノリン系、モノフェノール系、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、亜りん酸エステル系のもの等が挙げられる。加硫剤としては、例えばタイク、硫黄安息香酸アンモニウム等が挙げられる。その他薬品としては、無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸、三酸化アンチモン、白色ワセリン、酸化チタン、酸化カドミウム、ホウ砂、グリセリン、ジブチルチンジマレート等が挙げられる。発泡助剤としては、これらの中でも、亜鉛華、三塩基性硫酸鉛、及び各種加硫促進剤が好ましい。
これらの発泡助剤の化学発泡剤100質量部に対する配合量の下限としては、5質量部が好ましく、50質量部がより好ましい。一方、上記発泡助剤の配合量の上限としては、200質量部が好ましく、150質量部がより好ましい。上記発泡助剤の配合量が上記下限に満たない場合、化学発泡剤を分解させる効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記発泡助剤の配合量が上記上限を超える場合、当該絶縁電線1の製造時や保管時等に半導電層4が意図せず膨張してしまうおそれがある。
〈熱膨張性マイクロカプセル〉
発泡剤6として用いられる熱膨張性マイクロカプセルは、内部発泡剤からなる芯材(内包物)と、この芯材を包む外殻とを有し、芯材の膨張によって外殻が膨張する。
熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤は、加熱により膨張又は気体を発生するものであればよく、その原理は問わない。熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤としては、例えば低沸点液体、化学発泡剤及びこれらの混合物を使用することができる。
上記低沸点液体としては、例えばブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等のアルカンや、トリクロロフルオロメタン等のフレオン類などが好適に用いられる。
上記化学発泡剤としては、加熱によりNガスを発生するアゾビスイソブチロニトリル等の熱分解性を有する物質が好適に用いられる。
熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の膨張開始温度、つまり低沸点液体の沸点又は化学発泡剤の熱分解温度としては、後述する熱膨張性マイクロカプセルの外殻の軟化温度以上とされる。
より詳しくは、熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の発泡開始温度の下限としては、60℃が好ましく、70℃がより好ましい。一方、熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の発泡開始温度の上限としては、250℃が好ましく、200℃がより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の発泡開始温度が上記下限に満たない場合、当該絶縁電線1の製造時、輸送時又は保管時に熱膨張性マイクロカプセルが意図せず膨張してしまうおそれがある。逆に、熱膨張性マイクロカプセルの内部発泡剤の発泡開始温度が上記上限を超える場合、膨張工程でコイル以外のモーター部品等に過剰な熱負荷がかかるために悪影響が出たり、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させるために必要なエネルギーコストが過大となるおそれがある。
一方、熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、上記内部発泡剤の発泡時に破断することなく膨張し、発生したガスを包含するマイクロバルーンを形成できる延伸性を有する材質から形成される。この熱膨張性マイクロカプセルの外殻を形成する材質としては、通常は、熱可塑性樹脂等の高分子を主成分とする樹脂組成物が用いられる。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻の主成分とされる熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリレート、メタアクリレート、スチレン等の単量体から形成された重合体、あるいは2種以上の単量体から形成された共重合体が好適に用いられる。好ましい熱可塑性樹脂の一例としては、アクリロニトリル系共重合体が挙げられ、この場合の内部発泡剤の分解温度は、70℃以上250℃以下とされる。
加熱前の熱膨張性マイクロカプセルの平均径の下限としては、1μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、加熱前の熱膨張性マイクロカプセルの平均径の上限としては、300μmが好ましく、200μmがより好ましい。加熱前の熱膨張性マイクロカプセルの平均径が上記下限に満たない場合、十分な膨張率が得られず半導電層4の空隙率が大きくならないため、誘電率が十分に低下せずコロナ放電開始電圧を十分に高められないおそれがある。逆に、加熱前の熱膨張性マイクロカプセルの平均径が上記上限を超える場合、半導電層4が不必要に厚くなるおそれや、半導電層4の膨張が不均一になるおそれがある。なお、熱膨張性マイクロカプセルの「平均径」とは、熱膨張性マイクロカプセルの10以上のサンプルを顕微鏡観察した際の平面視における最大径とこの最大径に直交する方向の径との平均値をいうものとする。
熱膨張性マイクロカプセルの平均径の半導電層4の平均厚さに対する比の下限としては、1/16が好ましく、1/8がより好ましい。一方、熱膨張性マイクロカプセルの平均径の半導電層4の平均厚さに対する比の上限としては、9/10が好ましく、8/10がより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの平均径の半導電層4の平均厚さに対する比が上記下限に満たない場合、外殻の厚さが不足して膨張時に破れるおそれや、内容積が小さくなり発泡剤が不足して十分に膨張できないおそれがある。逆に、熱膨張性マイクロカプセルの平均径の半導電層4の平均厚さに対する比が上記上限を超える場合、熱膨張性マイクロカプセルがマトリックス5から突出して半導電層4を十分に膨張させられないおそれや、半導電層4が部分的に膨張して均一に膨張できないおそれがある。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張率の下限としては、3倍が好ましく、5倍がより好ましい。一方、熱膨張性マイクロカプセルの膨張率の上限としては、20倍が好ましく、10倍がより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの膨張率が上記下限に満たない場合、半導電層4の膨張率が不十分となるおそれがある。逆に、熱膨張性マイクロカプセルの膨張率が上記上限を超える場合、半導電層4のマトリックス5が熱膨張性マイクロカプセルに追従することができず、半導電層4を全体的に膨張させられないおそれがある。なお、熱膨張性マイクロカプセルの「膨張率」とは、熱膨張性マイクロカプセルの加熱前の平均径に対する加熱時の平均径の最大値の比をいう。
(導電性フィラー)
導電性フィラー7としては、例えばカーボンブラック、カーボンナノファイバー等のカーボン、金、銀等の金属粒子などの導電性を有するものが挙げられる。これらの中でも、カーボンが好ましい。その理由は、導電性のカーボンは金属粒子に比べ樹脂に対する分散安定性が良好であるため、導電性フィラー同士の凝集防止のための攪拌工程が簡便又は不要になり、半導電層4を安価に製造することが可能になるからである。また、このようにカーボンは樹脂に対する分散安定性に優れているので、半導電層4中での導電性フィラー7の凝集が起こり難く、当該絶縁電線1の可撓性を向上させ易い。ここで、カーボンナノファイバーとは、繊維状の形状を持つ炭素で、繊維の直径が200nm以下、アスペクト比(=繊維の長さ/繊維の直径)が10以上500以下の範囲内のものを意味する。
導電性フィラー7としてカーボンブラックを用いる場合、半導電層4を形成する樹脂組成物100質量部に対するカーボンブラックの配合量の下限としては、3質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。一方、上記カーボンブラックの配合量の上限としては、50質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。また、導電性フィラー7としてカーボンナノファイバーを用いる場合、樹脂組成物100質量部に対するカーボンナノファイバーの配合量の下限としては、1質量部が好ましく、2質量部がより好ましい。一方、上記カーボンナノファイバーの配合量の上限としては、5質量部が好ましく、4質量部がより好ましい。カーボンの含有量が上記下限に満たない場合及び上記上限を超える場合には、半導電層4の体積抵抗率を所望の範囲にできないおそれがある。
カーボンブラックは、平均径が3nm以上500nm以下程度の炭素の微粒子であり、単体の炭素が主体であるが、様々な官能基が表面に残存した複雑な組成を持つものも含まれる。また、上記カーボンブラックとして、炭化水素油や天然ガスの不完全燃焼(ファーネス法)により製造されるファーネスブラック、アセチレンガスを熱分解して得られるケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、天然ガスの熱分解により得られるサーマルブラック等も用いることができる。これらの中でも、少量で高い導電性を付与できる点において、アセチレンブラック及びケッチェンブラックが好ましい。これらのカーボンブラックは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
発泡剤6の発泡開始温度におけるマトリックス5の弾性率の下限としては、1kPaが好ましい。発泡剤6の発泡開始温度におけるマトリックス5の弾性率が上記下限に満たない場合、膨張時にマトリックス5が必要以上に流動して半導電層4が不均一な形状となるおそれがある。なお、「マトリックスの弾性率」とは、JIS−K6868−2(1999)に準拠して測定されるせん断弾性率を意味する。
上記半導電層4の体積抵抗率の下限としては、1×10Ω・cmであり、1×10Ω・cmがより好ましい。一方、半導電層4の体積抵抗率の上限としては、1×1011Ω・cmであり、1×1010Ω・cmがより好ましい。半導電層4の体積抵抗率が上記下限に満たない場合、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に、絶縁電線間の静電容量を小さくできないため交流通電時に絶縁電線間を流れる漏れ電流を小さくできず、半導電層4の発熱による絶縁電線1の劣化を抑制できないおそれがある。逆に、半導電層4の体積抵抗率が上記上限を超える場合、当該絶縁電線1でコイルを形成した場合に、高電圧の負荷がかかったときに半導電層4間に生じる電位差を十分に低減できず、コロナ放電開始電圧を十分に高められないおそれがある。
上記半導電層4の体積抵抗率は、半導電層4に含有させるカーボンの特性(pH、一次粒子の平均粒子径、DBP吸油量等)により調整することができる。例えばカーボンブラックの表面官能基は導電の役割を果たすπ電子を捕捉するため、特性の異なるカーボンブラックを用いることで、カーボンブラックを配合するマトリックス5の導電性を制御することが可能になる。なお、カーボンブラックの表面官能基は、カーボンブラックのpHや水素含有量により間接的に評価することができる。ここで、カーボンブラックのpHとは、カーボンブラックと蒸留水との混合液を電極メーターで測定した時の値を意味する。
また、導電性フィラー7として用いるカーボンのJIS−K6217−4(2008)に準拠して測定されるDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、カーボン粒子間の結合に基づくカーボンの凝集の発達度合いを表すものである。このDBP吸油量が大きくなると、カーボンが分散するマトリックス5を主成分とする半導電層4の導電性が向上する。
当該絶縁電線1は、例えばモーター用のコイルとして用いる場合、スロット中にコイルを挿入した後、加熱により発泡剤6を発泡させて半導電層4を膨張させる。半導電層4が膨張することにより、このコイルの隣接する絶縁電線1同士が密着し、高電圧がかかった場合でも互いの半導電層4間に電位差が生じ難くなるので、コロナ放電開始電圧を高くできる。さらに、発泡剤6の発泡により半導電層4内に気孔が形成されるので、当該絶縁電線1の可撓性が向上すると共に、半導電層4の誘電率が低下しコロナ放電開始電圧をより高められる。
半導電層4は、発泡剤6及び導電性フィラー7に加えて、マトリックス5中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる金属塩を含有してもよい。マトリックス5中にこれらの金属塩を含有させることにより、半導電層4の体積抵抗率を上記範囲内となるよう調節し易くなり、コロナ放電開始電圧をより確実に高め易くなる。
上記アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる金属塩としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でも、塩化ナトリウム及び塩化カリウムが好ましい。この金属塩の含有量により、半導電層4の体積抵抗率を調節できる。
半導電層4における金属塩の含有量の上限としては、5質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。金属塩の含有量が上記上限を超える場合、当該絶縁電線1の表面に金属塩が析出し、外観を損ねるおそれがある。
また、半導電層4は、発泡剤6及び導電性フィラー7に加えて、マトリックス5中に非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤を含有してもよい。これらの界面活性剤の中では、アニオン性界面活性剤、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。マトリックス5中にこれらの界面活性剤を含有させることにより、半導電層4の体積抵抗率を上記範囲内となるよう調節し易くなり、コロナ放電開始電圧をより確実に高め易くなる。なお、マトリックス5は、上記金属塩と共に上記界面活性剤を含有してもよい。
〔絶縁電線の製造方法〕
当該絶縁電線1の製造方法は、絶縁層3の主成分が熱硬化性樹脂である場合、導体2の外周面側への絶縁層形成用樹脂組成物の塗布及び加熱により絶縁層3を形成する工程(絶縁層形成工程)と、絶縁層3を形成した導体2のさらに外周面側への半導電層形成用組成物の塗布及び乾燥により半導電層4を形成する工程(半導電層形成工程)とを備える。
<絶縁層形成工程>
上記絶縁層形成工程では、まず、導体2の外周面側に絶縁層形成用樹脂組成物を塗布する。絶縁層形成用樹脂組成物を導体2の外周面側に塗布する方法としては、例えば液状の絶縁層形成用樹脂組成物を貯留した液状組成物槽と塗布ダイスとを備える塗布装置を用いた方法を挙げることができる。この塗布装置によれば、導体2が液状組成物槽内を挿通することで液状組成物が導体2の外周面側に付着し、その後塗布ダイスを通過することで、この液状組成物が略均一な厚さに塗布される。
次に、導体2の外周面側に塗布した絶縁層形成用樹脂組成物を加熱により硬化させて、絶縁層3を形成する。この加熱に用いる装置としては、特に限定されないが、例えば導体2の走行方向に長い筒状の焼付炉を用いることができる。加熱方法は特に限定されないが、例えば熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法により行うことができる。また、加熱温度としては、例えば300℃以上600℃以下とされる。
絶縁層形成工程において、上述の絶縁層形成用樹脂組成物を塗布する工程と絶縁層形成用樹脂組成物を加熱する工程とを複数回繰り返して行ってもよい。このようにすることで、絶縁層3の厚さを順次増加させていくことができる。このとき、塗布ダイスの孔径と繰り返し回数とは、導体2の径及び絶縁層3の狙い塗布膜厚にあわせて適宜調整される。
<半導電層形成工程>
上記半導電層形成工程では、まず、マトリックス5を形成する合成樹脂を溶剤で希釈した溶液に発泡剤6及び導電性フィラー7を分散した半導電層形成用組成物を上記絶縁層3の外周面側に塗布する。半導電層形成用組成物の塗布方法としては、上述の絶縁層形成用樹脂組成物を塗布する方法と同様とすることができる。
次に、発泡剤6の膨張開始温度よりも低い温度で溶剤を蒸発させることにより、半導電層形成用組成物を乾燥して半導電層4を形成する。乾燥方法としては、例えば熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法により行うことができる。
〔巻線束〕
本発明の別の実施形態に係る巻線束は、複数の当該絶縁電線1を捲線加工して束ねることにより形成される。
[利点]
当該絶縁電線は、半導電層の体積抵抗率が1×1011Ω・cm以下なので、巻線束等として当該絶縁電線が並列に近接して配設される際、高電圧の負荷がかかっても、近接する当該絶縁電線間において互いの半導電層間の電位差を生じ難くできる。これにより、近接する当該絶縁電線間における電界の集中が緩和され、当該絶縁電線間に存在する空気に電圧が加わり難くでき、コロナ放電開始電圧を高められる。また、当該絶縁電線は、半導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上なので、当該絶縁電線が並列に近接して配設される場合、近接する当該絶縁電線間の静電容量を小さくでき、交流通電時にこれらの当該絶縁電線間に流れる漏れ電流が小さくなるので、半導電層の発熱による劣化を防止できる。
また、当該絶縁電線は、半導電層が発泡剤を含有するので、加熱による発泡後に優れた可撓性が得られると共に、半導電層の誘電率が低下しコロナ放電開始電圧を高められる。
[第二実施形態]
図2の当該絶縁電線11は、線状の導体2と、この導体2の外周面側に積層される絶縁層3と、複数の発泡剤6を有し、上記絶縁層3の外周面側に積層される半導電層12とを備える。上記半導電層12の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である。また、半導電層12は、導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含む合成樹脂を主成分とするマトリックス13を有する。
図2の当該絶縁電線11は、図1の絶縁電線1とは半導電層12の構成が異なる。当該絶縁電線11の導体2及び絶縁層3は、絶縁電線1と同様のものを用いることができるので説明を省略する。
<半導電層>
上記半導電層12は、合成樹脂を主成分とするマトリックス13と、このマトリックス13に分散する発泡剤6とを有し、マトリックス13に導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーが含まれている。半導電層12は、導電性フィラーを有していないが、導電性ポリマー及び帯電防止ポリマーが導電性を有しているので、1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下の体積抵抗率を有する。
(マトリックス)
マトリックス13を構成する樹脂組成物の主成分として、第一実施形態のマトリックス5の主成分として用いる樹脂組成物と同種のものを用いることができる。マトリックス13は、主成分とする樹脂の他に導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含有している。なお、マトリックス13は導電性ポリマー及び帯電防止ポリマーの両方を含有してもよい。
〈導電性ポリマー〉
上記導電性ポリマーとして、例えばポリエーテルエステルアミド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。これらの導電性ポリマーにより、半導電層12の体積抵抗率を調節できる。例えばポリエーテルエステルアミドは、その分子量、樹脂の原料であるモノマーの種類、ポリアミド成分とポリエーテル成分との比等により、ポリエーテルエステルアミドを含むマトリックス13により形成される半導電層12の体積抵抗率を調節できる。
半導電層12における導電性ポリマーの含有量の下限としては、3質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。一方、導電性ポリマーの含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。導電性ポリマーの含有量が上記下限に満たない場合、半導電層12の体積抵抗率が上記範囲内とならず、コロナ放電開始電圧を十分に高められないおそれがある。逆に、導電性ポリマーの含有量が上記上限を超える場合、当該絶縁電線11のコストが高くなるおそれがある。
〈帯電防止ポリマー〉
上記帯電防止ポリマーとして、例えばポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合等が挙げられる。これらの帯電防止ポリマーの体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×10Ω・cm以下程度なので、マトリックス13に帯電防止ポリマーを含有させることで、体積抵抗率が上記範囲となる半導電層12が形成し易い。
半導電層12における帯電防止ポリマーの含有量の下限としては、30質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。一方、帯電防止ポリマーの含有量の上限としては、100質量%が好ましい。帯電防止ポリマーの含有量が上記下限に満たない場合、半導電層12の体積抵抗率が十分に低下せず、コロナ放電開始電圧を十分に高められないおそれがある。
なお、マトリックス13は、第一実施形態のマトリックス5と同様に、導電性ポリマー、帯電防止ポリマー及び発泡剤6に加えて、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる金属塩や、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤を含有してもよい。マトリックス13にこれらの金属塩や界面活性剤を含有させることで、半導電層12の体積抵抗率を所望の範囲内となるよう調節し易くなり、コロナ放電開始電圧をより確実に高くし易くなる。
(発泡剤)
発泡剤6としては、第一実施形態で用いた発泡剤と同種のものを用いることができる。つまり、上記発泡剤6として化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルを用いることができる。
当該絶縁電線11は、例えば第一実施形態で説明した絶縁電線の製造方法により製造できる。第一実施形態で説明した製造方法により製造する場合、半導電層形成用組成物は、例えばマトリックス13の主成分の樹脂と導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーとを溶剤で希釈した溶液に発泡剤6を分散させて作成する。
[利点]
当該絶縁電線は、半導電層のマトリックスに導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含ませることにより半導電層の体積抵抗率を所定範囲に調節するので、半導電層の厚さ方向の電気抵抗を均一にさせ易く、誘電率が局所的に高くなることを抑制し易い。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
つまり、上記実施形態においては、絶縁層が導体の外周面側を被覆する1つの層を有する絶縁電線について説明したが、絶縁層が複数の層で形成され、その複数の絶縁層の外周面側を半導電層が被覆する絶縁電線も本発明の意図する範囲内である。また、半導電層のさらに外周面側を別の層が被覆する絶縁電線も本発明の意図する範囲内である。半導電層のさらに外周面側を別の層が被覆する場合、その別の層は導電性を有することが好ましく、その別の層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下であることがより好ましい。
また、例えば当該絶縁電線において、導体の外周面にプライマー処理層を形成し、このプライマー処理層を形成した導体の外周面側に絶縁層を形成してもよい。プライマー処理層は、層間の密着性を高めるために設けられる層であり、例えば公知の樹脂組成物により形成することができる。
導体外周面にプライマー処理層を設ける場合、このプライマー処理層を形成する樹脂組成物は、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステル及びフェノキシ樹脂の中の一種又は複数種の樹脂を含むとよい。また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物は、密着向上剤等の添加剤を含んでもよい。このような樹脂組成物によって導体と絶縁層との間にプライマー処理層を形成することで、導体と絶縁層との間の密着性を向上することが可能であり、その結果、当該絶縁電線の可撓性や耐摩耗性、耐傷性、耐加工性等の特性を効果的に高めることができる。
また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物は、上記樹脂と共に他の樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂等を含んでもよい。また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物に含まれる各樹脂として、市販の液状組成物(絶縁ワニス)を使用してもよい。
プライマー処理層の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、プライマー処理層の平均厚さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。プライマー処理層の平均厚さが上記下限に満たない場合、導体との十分な密着性を発揮できないおそれがある。逆に、プライマー処理層の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線が不必要に大径化するおそれがある。
本発明に係る絶縁電線及び巻線束は、可撓性を維持しつつコロナ放電開始電圧を高められるので、コイルやモーター等を形成するために好適に利用することができる。
1、11 絶縁電線
2 導体
3 絶縁層
4、12 半導電層
5、13 マトリックス
6 発泡剤
7 導電性フィラー

Claims (8)

  1. 線状の導体と、
    この導体の外周面側に積層される絶縁層と、
    複数の発泡剤を有し、上記絶縁層の外周面側に積層される半導電層と
    を備え、
    上記半導電層の体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1011Ω・cm以下である絶縁電線。
  2. 上記半導電層が、合成樹脂を主成分とするマトリックスと、このマトリックス中に分散する複数の導電性フィラーとを有する請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 上記導電性フィラーの主成分がカーボンである請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 上記半導電層が、導電性ポリマー又は帯電防止ポリマーを含む合成樹脂を主成分とするマトリックスを有する請求項1に記載の絶縁電線。
  5. 上記半導電層が複数の発泡剤を有し、
    上記発泡剤が、化学発泡剤又は熱膨張性マイクロカプセルである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 上記半導電層の加熱後の平均厚さ膨張率が1.1倍以上5倍以下である請求項5に記載の絶縁電線。
  7. 上記半導電層が熱融着性を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の複数の絶縁電線を捲線加工して束ねることにより形成される巻線束。
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