JP2016046061A - 絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 - Google Patents

絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 Download PDF

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Yasushi Tamura
康 田村
吉田 健吾
Kengo Yoshida
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Abstract

【課題】放熱用部材を介した放熱性に優れる絶縁電線を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備え、上記融着層が、絶縁性を有する高熱伝導性フィラーと、この高熱伝導性フィラーのバインダーとを有する。上記融着層のバインダーの主成分が、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であるとよい。また、上記高熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素を主成分とする鱗片状フィラーであるとよい。また、上記融着層の平均厚さとしては、5μm以上500μm以下が好ましい。また、上記導体と融着層との間に、上記導体の外周面側に積層される絶縁層をさらに備えるとよい。また、本発明の一態様に係る絶縁電線の製造方法は、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程と、上記熱融着性組成物を上記導体の外周面側に被覆する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線及び絶縁電線の製造方法に関する。
発電又は電力変換用途で電源回路等に用いられるインダクタ(リアクトル)は、コア及びコイルの発熱が大きい。この発熱によりインダクタの温度が高くなると、例えばコイル表面の絶縁材料の劣化が早くなる。そのため、上記コア及びコイルによる発熱を効率よく放熱することが重要である。
上記コア及びコイルによる発熱を効率よく放熱させる方法として、コアに巻回したコイルの外表面と、コイルが収納される金属製ケースの内壁面との間にシリコン樹脂等の放熱シートを介在させて取り付けることが一般的に行われている(例えば特開2000−150250号公報参照)。
特開2000−150250号公報
コイルの外表面と金属製ケースの内壁面との間に放熱シートを介在させる上記従来の放熱方法では、放熱シートと金属製ケースとの間、及び放熱シートとコイルとの間に微小な空間ギャップが存在する。そのため、放熱シートが有する高い熱伝導性が効率よく利用されず、コイルに対する放熱効果が不十分である。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、放熱用部材を介した放熱性に優れる絶縁電線を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備え、上記融着層が、絶縁性を有する高熱伝導性フィラーと、この高熱伝導性フィラーのバインダーとを有する絶縁電線である。
別の本発明の一態様に係る絶縁電線の製造方法は、線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備える絶縁電線の製造方法であって、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程と、上記熱融着性組成物を上記導体の外周面側に被覆する工程とを備える。
本発明の絶縁電線は、放熱用部材を介した放熱性に優れる。また本発明の絶縁電線の製造方法は、放熱用部材を介した放熱性に優れる絶縁電線を製造できる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の模式的断面図である。 図1の絶縁電線をコイルとして用いるリアクトルの模式的側面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る絶縁電線は、線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備え、上記融着層が、絶縁性を有する高熱伝導性フィラーと、この高熱伝導性フィラーのバインダーとを有する絶縁電線である。
当該絶縁電線は、融着層が導体の外周面側に被覆されているので、金属製ケース等に接触させて加熱することにより、上記融着層のバインダーが融解して上記空間ギャップが縮小又は消滅する。そのため、当該絶縁電線を用いたコイルは、放熱用部材との密着性に優れるので放熱用部材に容易かつ確実に固定できる。さらに、当該絶縁電線は、融着層が高熱伝導性フィラーにより高い熱伝導性を有する。当該絶縁電線は、これらの相乗効果で優れた放熱性が得られる。
上記融着層のバインダーの主成分が、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であるとよい。このように、融着層のバインダーの主成分をフェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂とすることで、バインダーと高熱伝導性フィラーとの密着性が高くなり、融着層の放熱性がより向上する。また、このように融着層のバインダーの主成分を熱硬化性樹脂とすることにより、当該絶縁電線をコイルに用いた場合、このコイルと放熱用部材との密着性が向上するので、コイルの放熱用部材への固着力がより向上すると共に、融着層の放熱性がより向上する。ここで「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
上記高熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素を主成分とする鱗片状フィラーであるとよい。窒化ホウ素は絶縁体の中で最も高い熱伝導率を有する材料の1つなので、このように高熱伝導性フィラーの主成分を窒化ホウ素とすることで、高い絶縁性を維持しながら放熱性をより向上できる。また、このように高熱伝導性フィラーを鱗片状フィラーとすることで、平面形状の高熱伝導性フィラーが融着層の厚さ方向に折り重なるよう配向するので、高熱伝導性フィラー同士の接触面積が大きくなり、放熱性がより向上する。
上記融着層の平均厚さとしては、5μm以上500μm以下が好ましい。このように、融着層の平均厚さを上記範囲内とすることで、金属製ケース等の放熱用部材と接触したときに放熱用部材との間に生じる空間ギャップを適切に低減でき、より確実に放熱性を向上できる。
上記導体と上記融着層との間に、上記導体の外周面側に積層される絶縁層をさらに備えるとよい。このように、導体と融着層との間に絶縁層をさらに備えることで、導体の保護効果及び絶縁性を向上できる。
本発明の一態様に係る絶縁電線の製造方法は、線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備える絶縁電線の製造方法であって、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程と、上記熱融着性組成物を上記導体の外周面側に被覆する工程とを備える。
当該絶縁電線の製造方法は、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を線状の導体の外周面側に被覆する。これにより、当該絶縁電線の製造方法により製造された絶縁電線は、高熱伝導性フィラー及びバインダーを有する融着層が導体の外周面側に被覆されているので、金属製ケース等に接触させて加熱することにより、上記融着層のバインダーが融解して放熱用部材との間の空間ギャップが縮小又は消滅する。これにより、当該絶縁電線の製造方法により製造された絶縁電線は、高熱伝導性フィラーが有する高い熱伝導性が効率よく利用され、優れた放熱性が得られる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る絶縁電線及び絶縁電線の製造方法を説明する。
[絶縁電線]
図1の当該絶縁電線は、線状の導体1と、この導体1の外周面側に被覆される融着層3とを主に備える。融着層3は、絶縁性を有する高熱伝導性フィラー4と、この高熱伝導性フィラー4のバインダー5とを有する。また、当該絶縁電線は、導体1と融着層3との間に、導体1の外周面側に積層される絶縁層2をさらに備える。
<導体>
上記導体1は、例えば断面が方形状の角線とされるが、断面が円形状の丸線や、複数の素線を撚り合わせた撚り線であってもよい。
導体1の材質としては、導電率が高くかつ機械的強度が大きい金属が好ましい。このような金属としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。導体1は、これらの金属を線状に形成した材料や、このような線状の材料にさらに別の金属を被覆した多層構造のもの、例えばニッケル被覆銅線、銀被覆銅線、銅被覆アルミニウム線、銅被覆鋼線等を用いることができる。
<絶縁層>
上記絶縁層2は、図1に示すように、導体1と融着層3との間に、導体1の外周面側に積層される。
絶縁層2は、絶縁性を有する樹脂組成物で形成される。絶縁層2を形成する樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えばポリビニールホルマール、熱硬化ポリウレタン、熱硬化アクリル、エポキシ、熱硬化ポリエステル、熱硬化ポリエステルイミド、熱硬化ポリエステルアミドイミド、芳香族ポリアミド、熱硬化ポリアミドイミド、熱硬化ポリイミド等の熱硬化性樹脂や、例えばポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の熱可塑性樹脂を主成分とするものが使用できる。
また、絶縁層2を形成する樹脂組成物に、上記樹脂と共に硬化剤を含有させてもよい。硬化剤としては、チタン系硬化剤、イソシアネート系化合物、ブロックイソシアネート、尿素又はメラミン化合物、アミノ樹脂、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等が例示される。これらの硬化剤は、使用する樹脂組成物が含有する樹脂の種類に応じて適宜選択される。例えば、ポリアミドイミドの場合、硬化剤として、イミダゾール、トリエチルアミン等が好ましく用いられる。
なお、上記チタン系硬化剤としては、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラヘキシルチタネート等が例示される。上記イソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンなどの炭素数5〜18の脂環式イソシアネート、キシリレインジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、これらの変性物等が例示される。上記ブロックイソシアネートとしては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等が例示される。上記メラミン化合物としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン等が例示される。
絶縁層2の平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、絶縁層2の平均厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましい。絶縁層2の平均厚さが上記下限未満の場合、絶縁層2に破れが生じ、導体1の絶縁が不十分となるおそれがある。逆に、絶縁層2の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線の放熱性を十分に向上できないおそれがある。
<融着層>
上記融着層3は、絶縁性を有する高熱伝導性フィラー4と、この高熱伝導性フィラー4のバインダー5とを有している。
融着層3の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、融着層3の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、300μmがより好ましい。融着層3の平均厚さが上記下限未満の場合、融着層3が金属製ケース等の放熱用部材と接触したときに放熱用部材との間に生じる空間ギャップが十分に低減されず、放熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記融着層3の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線が不必要に大径化するおそれがある。
上記融着層3の熱伝導率の下限としては、0.1W/mKが好ましく、1W/mKがより好ましい。一方、上記融着層3の熱伝導率の上限としては、100W/mKが好ましく、50W/mKがより好ましい。上記融着層3の熱伝導率が上記下限未満の場合、放熱効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記融着層3の熱伝導率が上記上限を超える場合、高熱伝導性フィラー4の含有量が過多となり、相対的にバインダー5の含有量が小さくなるため、融着層3を形成し難くなるおそれがある。なお、熱伝導率は、JIS−A1412−1(1999)に準拠して測定される。
(バインダー)
上記バインダー5を構成する樹脂組成物の主成分としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリアミド、ブチラール樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂が好適に使用される。これらの中でも、放熱性を向上させる点において、高熱伝導性フィラー4として用いられるセラミック製フィラーとの密着性の高いフェノキシ樹脂及びエポキシ樹脂が特に好ましい。なお、バインダー5を構成する樹脂組成物は、2種以上を混合して用いてもよい。また、バインダー5を構成する樹脂組成物は、密着向上剤等の添加剤を含んでもよい。
上記フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFを主成分とした樹脂や変性フェノキシ樹脂が例示される。また、上記エポキシ樹脂としては、高熱伝導性フィラー4との混合性の観点から、流動性に優れるビスフェノールA型エポキシ又はビスフェノールF型エポキシが好ましい。
上記ポリアミドとしては、例えば各種共重合ポリアミド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等が例示される。また、上記ブチラール樹脂としては、例えばポリビニルブチラール等が例示される。
バインダー5を構成する樹脂組成物の主成分として使用可能なその他の熱可塑性樹脂としては、例えば共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド等が例示される。
(高熱伝導性フィラー)
上記高熱伝導性フィラー4としては、セラミックス製フィラーが好ましく、例えば金属窒化物、金属酸化物等のフィラーを用いることができる。上記金属窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等を用いることができる。これらの中でも、絶縁体の中で最も高い熱伝導率を有する材料の1つであり、高い放熱性を得られる点において窒化ホウ素が特に好ましい。また、上記金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、熱伝導性、価格等の観点から酸化アルミニウムが好ましい。なお、上記金属窒化物及び金属酸化物は、2種以上を混合して用いることができる。
高熱伝導性フィラー4の形状は、特に限定されず、粒状、球状、鱗片状、針状等が挙げられるが、融着層3の熱伝導性を向上させる点において、鱗片状フィラーが好ましい。鱗片状フィラーは、平面形状であるため、薄膜の融着層3が形成される際に融着層の厚さ方向に折り重なるよう配向する。これにより、高熱伝導性フィラー4同士の接触面積が大きくなるので、他の形状のフィラーに比べて熱伝導性の向上効果が大きい。また、上記高熱伝導性フィラー4として、鱗片状フィラーと球状フィラーとを混合したものも好ましい。このような鱗片状フィラーと球状フィラーとを混合したフィラーも、薄膜の融着層3が形成される際に融着層の厚さ方向に連結して構成され易いので、熱伝導性の大きな向上効果が得られる。ここで「球状」とは、重心を通る断面における最大径の長さに対する最小径の長さの比が90%以上となる球を意味する。
上記鱗片状フィラーの平均粒子径の下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、上記鱗片状フィラーの平均粒子径の上限としては、30μmが好ましく、25μmがより好ましい。上記鱗片状フィラーの平均粒子径が上記下限未満の場合、鱗片状フィラーが有する高い熱伝導性の利用効率が低下し、放熱性を十分に向上できないおそれがある。逆に、上記鱗片状フィラーの平均粒子径が上記上限を超える場合、融着層を形成する熱融着性組成物を塗工し難くなり、導体の外周面側への融着層の被覆が困難となるおそれがある。なお、ここで「平均粒子径」とは、分散液中の粒度分布の中心径D50で表されるものを意味する。平均粒子径は、粒子径分布測定装置(例えば、日機装株式会社のマイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300EX2」)で測定することができる。
上記鱗片状フィラーの平均厚さの下限としては、0.1μmが好ましく、0.2μmがより好ましい。一方、上記鱗片状フィラーの平均厚さの上限としては、2μmが好ましく、1μmがより好ましい。上記鱗片状フィラーの平均厚さが上記下限未満の場合、バインダーと混合する際等に鱗片状フィラーが破損するおそれがある。逆に、上記鱗片状フィラーの平均厚さが上記上限を超えると、融着層内で鱗片状フィラーが同一方向に配向し難くなり、放熱性を十分に向上できないおそれがある。
上記鱗片状フィラーの平均粒子径を平均厚さで割った値であるアスペクト比(平均粒子径/平均厚さ)の下限としては、10が好ましく、20がより好ましい。一方、上記アスペクト比の上限としては、200が好ましく、100がより好ましい。上記アスペクト比が上記下限未満の場合、融着層内で鱗片状フィラーが同一方向に配向し難くなり、放熱性を十分に向上できないおそれがある。逆に、上記アスペクト比が上記上限を超える場合、鱗片状フィラーの強度が低下し、バインダーと混合する際等に鱗片状フィラーが破損するおそれがある。
融着層3における高熱伝導性フィラー4の含有量の下限としては、40体積%が好ましく、45体積%がより好ましい。一方、上記高熱伝導性フィラー4の含有量の上限としては、85体積%が好ましく、80体積%がより好ましい。上記高熱伝導性フィラー4の含有量が上記下限未満の場合、融着層3の熱伝導性が不十分となるおそれがある。逆に、上記高熱伝導性フィラー4の含有量が上記上限を超える場合、相対的にバインダー5の含有量が小さくなり、融着層3を形成し難くなるおそれがある。
[絶縁電線の第1の製造方法]
次に、当該絶縁電線の第1の製造方法について説明する。当該絶縁電線の第1の製造方法は、上記絶縁層2を形成する樹脂を溶剤で希釈して絶縁層用ワニスを調製する工程(絶縁層用ワニス調製工程)と、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程(熱融着性組成物取得工程)と、上記導体1の外周面に上記絶縁層用ワニスを被覆する工程(絶縁層被覆工程)と、絶縁層2を形成した上記導体1のさらに外周面側に上記熱融着性組成物を被覆する工程(融着層被覆工程)とを備える。
<絶縁層用ワニス調製工程>
上記絶縁層用ワニス調製工程において、絶縁層2を形成する主ポリマーを溶剤で希釈して絶縁層用ワニスを調製する。
希釈用溶剤としては、絶縁ワニスに従来より用いられている公知の有機溶剤を用いることができる。具体的には、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサエチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン等の極性有機溶媒をはじめ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、ジクロロメタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、クレゾール、クロルフェノールなどのフェノール類、ピリジンなどの第三級アミン類等が挙げられ、これらの有機溶媒はそれぞれ単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
なお、これらの有機溶剤により希釈して調製した絶縁層用ワニスの樹脂固形分濃度の下限としては、20質量%が好ましく、22質量%がより好ましい。一方、上記絶縁層用ワニスの樹脂固形分濃度の上限としては、30質量%が好ましく、28質量%がより好ましい。上記絶縁層用ワニスの樹脂固形分濃度が上記下限未満の場合、絶縁層用ワニスを塗布する際の1回の塗布量が少なくなるため、所望の厚さの絶縁層2を形成するためのワニス塗布工程の繰り返し回数が多くなり、ワニス塗布工程の時間が長くなるおそれがある。逆に、上記絶縁層用ワニスの樹脂固形分濃度が上記上限を超える場合、希釈に要する時間が長くなるおそれがある。
<熱融着性組成物取得工程>
上記熱融着性組成物取得工程において、高熱伝導性フィラー4のバインダー5を溶剤で希釈したものに、高熱伝導性フィラー4を混合して融着層用ワニスを調製する。
上記融着層用ワニスの希釈用溶剤としては、絶縁ワニスに従来より用いられている公知の有機溶剤を用いることができ、具体的には上述した絶縁層用ワニスの調製に用いる希釈用溶剤と同種のものが挙げられる。
なお、これらの有機溶剤により希釈して調製した融着層用ワニスの樹脂固形分濃度の下限としては、20質量%が好ましく、22質量%がより好ましい。一方、上記融着層用ワニスの樹脂固形分濃度の上限としては、30質量%が好ましく、28質量%がより好ましい。上記融着層用ワニスの樹脂固形分濃度が上記下限未満の場合、融着層用ワニスを塗布する際の1回の塗布量が少なくなるため、所望の厚さの融着層3を形成するためのワニス塗布工程の繰り返し回数が多くなり、ワニス塗布工程の時間が長くなるおそれがある。逆に、上記融着層用ワニスの樹脂固形分濃度が上記上限を超える場合、高熱伝導性フィラー4を均一に混合し難く、希釈に要する時間が長くなるおそれがある。
<絶縁層被覆工程>
上記絶縁層被覆工程において、上記絶縁層用ワニス調製工程で調製した絶縁層用ワニスを導体1の外周面に塗布した後、焼付けることで導体1の外周面に絶縁層2を形成する。
絶縁層用ワニスの一度の塗布及び焼付けにより所望の厚さの絶縁層2が形成できない場合、導体1の外周面に形成される絶縁層2が所定の厚さとなるまで、上記絶縁層用ワニスの塗布及び焼付けを繰り返し行う。
<融着層被覆工程>
上記融着層被覆工程は、絶縁層2を形成した上記導体1のさらに外周面側へ、上記熱融着性組成物取得工程で調製した融着層用ワニスを塗布する工程(ワニス塗布工程)と、導体1の外周面側に塗布した融着層用ワニスを焼付ける工程(焼付け工程)とを有する。
(ワニス塗布工程)
上記ワニス塗布工程において、絶縁層2を形成した上記導体1のさらに外周面側へ、上記融着層用ワニスを塗布した後、塗布ダイスにより融着層用ワニスの塗布量の調節及び塗布された融着層用ワニス面の平滑化を行う。
塗布ダイスは開口部を有し、絶縁層2の外周面側へ融着層用ワニスを塗布した導体1がこの開口部を通過することで余分な融着層用ワニスが除去され、融着層用ワニスの塗布量が調整される。これにより、当該絶縁電線は、融着層3の厚みが均一になり、均一な熱伝導特性が得られる。
(焼付け工程)
次に、上記焼付け工程において、絶縁層2の外周面側へ融着層用ワニスが塗布された導体1を焼付炉に通して融着層用ワニスを焼付けることで、導体1の絶縁層2の外周面に融着層3を形成する。
融着層被覆工程において、導体1の絶縁層2の外周面に積層される融着層3が所定の厚さとなるまで、上記ワニス塗布工程及び焼付け工程を繰り返すことにより当該絶縁電線が得られる。
[絶縁電線の第2の製造方法]
次に、当該絶縁電線の第2の製造方法について説明する。当該絶縁電線の第2の製造方法は、熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程(熱融着性組成物取得工程)と、絶縁層2を形成する樹脂組成物及び上記熱融着性組成物を上記導体の外周面側に被覆する工程(被覆工程)とを備える。
<熱融着性組成物取得工程>
上記熱融着性組成物取得工程において、高熱伝導性フィラー4のバインダー5を構成する樹脂組成物に高熱伝導性フィラー4が均一に分散されるよう混練し、熱融着性組成物を得る。
<被覆工程>
上記被覆工程において、絶縁層2を形成する樹脂組成物と、上記熱融着性組成物取得工程で得た熱融着性組成物とを溶融押出機に投入する。そして、これらの樹脂組成物を溶融押出機に投入した後、導体1側から絶縁層2及び融着層3の順で積層されるようにこれらの樹脂組成物を引落ダイスを用いて押出塗装する。すなわち、導体1の外周に絶縁層2を形成するための樹脂組成物、その外周側を取り囲むように融着層3を形成するための熱融着性組成物が配設されるようにして導体1及びこれらの樹脂組成物を押出すことにより、当該絶縁電線を得る。
なお、上記の第2の製造方法では、共押出しにより導体1の外周面側に絶縁層2及び融着層3を同時に形成することとしたが、絶縁層2及び融着層3を個別に形成してもよい。例えば、押出し成形により導体1の外周面に絶縁層2を形成した後、この絶縁層2を形成した導線1に対して、押出し成形により絶縁層2の外周面側に融着層3を形成しても当該絶縁電線が得られる。
[リアクトル]
図2のリアクトルは、コイルとして当該絶縁電線を用いるリアクトルである。このリアクトルは、コア6と、当該絶縁電線がコア6に巻回されて形成されるコイル7と、コア6及びコイル7が収納される金属製ケース8とを備えている。
図2のリアクトルの製造方法の一例を説明する。まず、コア6の外周面にコイル7を巻回した後、コイル7の外周面の一部が金属製ケース8の内壁に接触するように、コイル7を巻き付けたコア6を金属製ケース8に収納する。その後、コイル7の外周面を金属製ケース8の内壁に接触させた状態で、コイル7を加熱して融着層3のバインダー5を融解させる。バインダー5が融解することにより、コイル7と金属製ケース8との接触領域に生じる空間ギャップが縮小又は消滅する。融着層3が高熱伝導性フィラー4を有すること及び上記空間ギャップが縮小又は消滅することの相乗効果により、このリアクトルは優れた放熱性が得られる。また、上記空間ギャップが縮小又は消滅することにより、融着層3と金属製ケース8の内壁とが密着し、コイル7が金属製ケース8に固定される。
[利点]
当該絶縁電線は、融着層3が導体1の外周面側に被覆されているので、金属製ケース等に接触させて加熱することにより、融着層3のバインダー5が融解して放熱用部材との間に生じる空間ギャップが縮小又は消滅する。さらに、当該絶縁電線は、融着層3が高熱伝導性フィラー4により高い熱伝導性を有する。当該絶縁電線は、これらの相乗効果で優れた放熱性が得られる。
また、当該絶縁電線は、放熱用部材との間に生じる上記空間ギャップが縮小又は消滅するので、融着層と放熱用部材との密着性が向上し、当該絶縁電線を用いたコイルを放熱用部材に容易かつ確実に固定できる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
つまり、上記実施形態においては、導体と融着層との間に絶縁層を備える絶縁電線について説明したが、導体と融着層との間に絶縁層を備えていない絶縁電線も本発明の意図する範囲内である。絶縁層を備えていなくても、融着層に含まれる高熱伝導性フィラー及びバインダーが高い絶縁性を有しているので、導体の外周面側を被覆する融着層によって導体は絶縁される。
また、融着層を形成する熱融着性組成物に発泡剤を混合して融着層を形成してもよい。この場合、融着層の形成時に発泡温度以上となるよう加熱することで、発泡剤の発泡が開始し、融着層内に気泡が生成される。これにより、融着層が拡張され、絶縁電線が放熱用部材と接触したときに放熱用部材との間に生じる空間ギャップをさらに縮小できるので、絶縁電線の融着層による放熱性がより向上する。また、融着層内に気泡が生成されることにより、絶縁電線の誘電率が低下するので、高電圧が印加された際に絶縁電線の外周面に生じるコロナ放電の開始電圧を向上できる。ここで「発泡温度」とは、発泡剤が発泡を開始する温度である。
融着層を形成する熱融着性組成物に混合する上記発泡剤としては、化学発泡剤が好ましく、例えば加熱により窒素ガス(Nガス)を発生するアゾビスイソブチロニトリル等の熱分解性を有する物質が好適に用いられる。
上記発泡剤の発泡温度の下限としては、180℃が好ましく、210℃がより好ましい。一方、上記発泡温度の上限としては、300℃が好ましく、260℃がより好ましい。上記発泡温度が上記下限未満の場合、上記第1の製造方法では焼付け前に発泡が生じ易くなり、上記第2の製造方法では押出し時の加熱により発泡が生じ易くなるので、いずれの場合にも絶縁層2の厚さの調整が困難となるおそれがある。逆に、上記発泡温度が上記上限を超える場合、融着層を融着させるための加熱温度を高くしなければならず、コイル取り付け時の加熱時間及びコイルを用いる機器の製造コストが増加するおそれがある。
また、上記発泡剤として熱膨張性マイクロカプセルを使用し、融着層を形成する熱融着性組成物に熱膨張性マイクロカプセルを混合して融着層を形成してもよい。融着層を融着させるための加熱により、熱膨張性マイクロカプセルが膨張又は発泡し、融着層が拡張される。これにより、絶縁電線が放熱用部材と接触したときに放熱用部材との間に生じる空間ギャップを縮小できるので、絶縁電線の融着層による放熱性がより向上する。また、熱膨張性マイクロカプセルの発泡により融着層内に気泡が生成されるので、絶縁電線の誘電率を低下でき、コロナ放電開始電圧を向上できる。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張剤からなる芯材(内包物)と、この芯材を包む外殻とを有する。熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤は、加熱により膨張又は気体を発生するものであればよく、その原理は問わない。熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤としては、例えば低沸点液体、化学発泡剤又はこれらの混合物を使用することができる。
上記低沸点液体としては、例えばブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等のアルカンや、トリクロロフルオロメタン等のフレオン類などが好適に用いられる。また、上記化学発泡剤としては、加熱によりNガスを発生するアゾビスイソブチロニトリル等の熱分解性を有する物質が好適に用いられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤の膨張開始温度、つまり低沸点液体の沸点又は化学発泡剤の熱分解温度としては、後述する熱膨張性マイクロカプセルの外殻の軟化温度以上とされる。具体的には、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤の膨張開始温度の下限としては、180℃が好ましく、210℃がより好ましい。一方、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤の膨張開始温度の上限としては、300℃が好ましく、260℃がより好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤の膨張開始温度が上記下限未満の場合、当該絶縁電線の製造時、輸送時又は保管時に熱膨張性マイクロカプセルが意図せず膨張してしまうおそれがある。逆に、熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張剤の膨張開始温度が上記上限を超える場合、融着層を融着させるための加熱温度を高くしなければならず、コイル取り付け時の加熱時間及びコイルを用いる機器の製造コストが増加するおそれがある。
一方、上記熱膨張性マイクロカプセルの外殻は、上記熱膨張剤の膨張時に破断することなく膨張し、発生したガスを包含するマイクロバルーンを形成できる延伸性を有する材質から形成される。この熱膨張性マイクロカプセルの外殻を形成する材質としては、通常は、熱可塑性樹脂等の高分子を主成分とする樹脂組成物が用いられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルの外殻の主成分とされる熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリレート、メタアクリレート、スチレン等の単量体から形成された重合体、あるいは2種以上の単量体から形成された共重合体が好適に用いられる。好ましい熱可塑性樹脂の一例としては、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。
また、例えば当該絶縁電線において、導体の外周面にプライマー処理層を形成し、このプライマー処理層を形成した導体の外周面側に絶縁層又は融着層を形成してもよい。プライマー処理層は、層間の密着性を高めるために設けられる層であり、例えば公知の樹脂組成物により形成することができる。
導体外周面にプライマー処理層を設ける場合、このプライマー処理層を形成する樹脂組成物は、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステル及びフェノキシ樹脂の中の一種又は複数種の樹脂を含むとよい。また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物は、密着向上剤等の添加剤を含んでもよい。このような樹脂組成物によって導体と絶縁層又は融着層との間にプライマー処理層を形成することで、導体と絶縁層又は融着層との間の密着性を向上することが可能であり、その結果、当該絶縁電線の可撓性や耐摩耗性、耐傷性、耐加工性等の特性を効果的に高めることができる。
また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物は、上記樹脂と共に他の樹脂、例えばエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂等を含んでもよい。また、プライマー処理層を形成する樹脂組成物に含まれる各樹脂として、市販の液状組成物(絶縁ワニス)を使用してもよい。
プライマー処理層の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、プライマー処理層の平均厚さの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。プライマー処理層の平均厚さが上記下限に満たない場合、導体との十分な密着性を発揮できないおそれがある。逆に、プライマー処理層の平均厚さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線が不必要に大径化するおそれがある。
本発明に係る絶縁電線は、放熱用部材を介した放熱性に優れるので、コイルやモーター等を形成するために好適に利用することができる。
1 導体
2 絶縁層
3 融着層
4 高熱伝導性フィラー
5 バインダー
6 コア
7 コイル
8 金属製ケース

Claims (6)

  1. 線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備え、
    上記融着層が、絶縁性を有する高熱伝導性フィラーと、この高熱伝導性フィラーのバインダーとを有する絶縁電線。
  2. 上記融着層のバインダーの主成分が、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂である請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 上記高熱伝導性フィラーが、窒化ホウ素を主成分とする鱗片状フィラーである請求項1又は請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 上記融着層の平均厚さが、5μm以上500μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 上記導体と上記融着層との間に、上記導体の外周面側に積層される絶縁層をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 線状の導体と、この導体の外周面側に被覆される融着層とを備える絶縁電線の製造方法であって、
    熱融着性樹脂及び絶縁性を有する高熱伝導性フィラーを含む熱融着性組成物を得る工程と、
    上記熱融着性組成物を上記導体の外周面側に被覆する工程と
    を備える絶縁電線の製造方法。
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