JP2017016144A - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結像光学系の良好な結像性能を達成しつつ、低コスト化及び小型化を実現することが可能な光走査装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 光源1からの光束を偏向して被走査面7を主走査方向に走査する偏向器5と、偏向器5により偏向された光束を被走査面7に導光する結像光学系6と、結像光学系6の部分倍率ずれに基づいて光源1の発光を制御する制御部と、を備え、結像光学系6の光軸上における結像係数をKとし、偏向器5により走査角度θで偏向された光束が入射する、被走査面7での主走査方向における像高YをY=(K/B)×tan(B×θ)なる式で表すとき、走査角度θが最大となるときの像高Yにおいて0.3≦B≦0.6なる条件を満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は光走査装置に関し、例えば、レーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機、マルチファンクションプリンタ(多機能プリンタ)等の画像形成装置に好適なものである。
従来、光走査装置及びそれを用いた画像形成装置においては、装置の低コスト化及び小型化が求められている。特許文献1では、光走査装置が備える結像光学系のコストを低減するために、結像光学系を1枚の結像レンズ(結像光学素子)のみで構成することが提案されている。また、特許文献2では、1枚の結像レンズのみを備える光走査装置において、被走査面上での走査速度が非等速になるように構成することにより、結像レンズの肉厚を従来よりも薄くしつつ、像面湾曲を補正して良好な結像性能を達成することが提案されている。
特開2011−81382号公報 特開2007−156174号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の光走査装置においては、良好な結像性能を達成するために、結像レンズを偏向器から十分に離して配置する必要が有るため、結像レンズの幅が大きくなってしまう。そのため、光走査装置を十分に小型化できず、また結像レンズ1枚当たりの製造コストが高くなってしまう。
そこで本発明の目的は、結像光学系の良好な結像性能を達成しつつ、低コスト化及び小型化を実現することが可能な光走査装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光走査装置は、光源からの光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、該偏向器により偏向された光束を前記被走査面に導光する結像光学系と、該結像光学系の部分倍率ずれに基づいて前記光源の発光を制御する制御部と、を備え、前記結像光学系の光軸上における結像係数をKとし、前記偏向器により走査角度θで偏向された光束が入射する、前記被走査面での主走査方向における像高YをY=(K/B)×tan(B×θ)なる式で表すとき、前記走査角度θが最大となるときの前記像高Yにおいて0.3≦B≦0.6なる条件を満足することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされる。
本発明によれば、結像光学系の良好な結像性能を達成しつつ、低コスト化及び小型化を実現することが可能な光走査装置及び画像形成装置を提供することができる。
実施例1に係る光走査装置の要部断面図。 実施例1におけるY=Kθに対する部分倍率ずれを示す図。 実施例1における電気補正後の部分倍率ずれを示す図。 実施例1における各像高でのスポットプロファイルを示す図。 実施例1における各像高での主走査方向のLSF径を示す図。 実施例1における被走査面上での像面湾曲を示す図。 実施例1における収束度と結像性能との関係を説明するための図。 実施例2におけるY=Kθに対する部分倍率ずれを示す図。 実施例2における電気補正後の部分倍率ずれを示す図。 実施例2における各像高での主走査方向のLSF径を示す図。 実施例2における被走査面上での像面湾曲を示す図。 実施例3に係る光走査装置の要部断面図。 実施例3におけるY=Kθに対する部分倍率ずれを示す図。 実施例3における電気補正後の部分倍率ずれを示す図。 実施例3における各像高での主走査方向のLSF径を示す図。 実施例3における被走査面上での像面湾曲を示す図。 実施例4におけるY=Kθに対する部分倍率ずれを示す図。 実施例4における電気補正後の部分倍率ずれを示す図。 実施例4における各像高での主走査方向のLSF径を示す図。 実施例4における被走査面上での像面湾曲を示す図。 実施例5におけるY=Kθに対する部分倍率ずれを示す図。 実施例5における電気補正後の部分倍率ずれを示す図。 実施例5における各像高での主走査方向のLSF径を示す図。 実施例5における被走査面上での像面湾曲を示す図。 比較例に係る光走査装置の要部断面図。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部概略図。
以下に、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
なお、以下の説明において、主走査方向とは、偏向器の回転軸と結像光学系の光軸とに垂直な方向(偏向器により光束が偏向される方向)であり、副走査方向とは、偏向器の回転軸に平行な方向である。また、主走査断面とは、主走査方向と結像光学系の光軸方向とを含む断面(副走査方向に垂直な断面)であり、副走査断面とは、主走査方向に垂直な断面である。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る光走査装置について詳細に説明する。図1は、本実施例に係る光走査装置の要部断面図であり、図1(a)は主走査断面を、図1(b)は副走査断面を、それぞれ示している。
本実施例において、光源1から出射した光束は、開口絞り2によって楕円形状に整形されてカップリングレンズ3に入射する。カップリングレンズ3を通過した光束は、略平行光に変換されて、アナモフィックレンズ4に入射する。なお、略平行光とは、弱収束光及び弱発散光を含むものである。アナモフィックレンズ4は、主走査断面内において正の屈折力を有しており、入射する光束を主走査断面内において収束光に変換している。また、アナモフィックレンズ4は、副走査断面内において偏向器5の偏向面5aの近傍に光束を集光しており、主走査方向に長い線像を形成している。
そして、アナモフィックレンズ4を通過した光束は、偏向器5の偏向面5aにて反射偏向され、結像光学素子としての結像レンズ6に入射する。本実施例においては、単一の結像光学素子(結像レンズ6)のみで結像光学系が構成されている。結像レンズ6を通過した光束は、被走査面(感光面)7上に導光される。この時、結像レンズ6は、主走査断面内及び副走査断面内の両方において、被走査面7の近傍にスポット状の像を形成している。本実施例に係る光走査装置は、偏向器5を不図示の駆動部により矢印A方向に一定速度で回転させ、被走査面7上を主走査方向に光走査することにより、被走査面7上に静電潜像を形成している。
光源1としては、例えば半導体レーザーを用いることができ、その発光部は1個でも複数個でもよい。本実施例では、開口絞り2として楕円絞りを採用しているが、これに限らず矩形絞り等を採用してもよい。また、本実施例においては、入射光学系を構成するカップリングレンズ3とアナモフィックレンズ4とを個別に設けているが、それぞれの光学的機能を統合した単一の光学素子により入射光学系を構成してもよい。なお、本実施例では、偏向器5として4つの偏向面を有する回転多面鏡(ポリゴンミラー)を採用しているが、偏向面の数を5つ以上にしてもよい。
結像レンズ6は、入射面(第1面)6a及び出射面(第2面)6bの2つの光学面(レンズ面)を有しており、主走査断面内において、偏向面5aにて偏向された光束が被走査面7上を所望の走査特性で走査するように構成されている。また、結像レンズ6は、副走査断面内においては、偏向面5aの近傍と被走査面7の近傍とを共役の関係にすることで、面倒れ補償(偏向面5aが倒れた際の被走査面7上での副走査方向の走査位置ずれを低減すること)を行っている。
なお、本実施例に係る結像レンズ6は、射出成形によって形成されたプラスチックモールドレンズであるが、結像レンズ6としてガラスモールドレンズを採用してもよい。モールドレンズは、非球面形状の成形が容易であり、かつ大量生産に適しているため、結像レンズ6としてモールドレンズを採用することで、その生産性及び光学性能の向上を図ることができる。
本実施例に係る光走査装置の構成を表1に示す。
本実施例に係る結像レンズ6のレンズ面の形状xは、レンズ面と光軸との交点を原点とし、光軸方向の軸をX軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をZ軸、とするとき、以下の式によって定義される。
x=X+S ・・・(1)
なお、式(2)は、主走査断面(XY断面)内でのレンズ面の形状(母線形状)を示し、式(3)は、任意の像高Yにおける副走査断面(ZX断面)内でのレンズ面の形状(子線形状)を示している。この時、式(4)に示したように、レンズ面の子線形状の曲率半径r’はYの値に応じて変化している。式(2)及び式(4)においては、Y≧0の場合をupper、Y≦0の場合をlower、として各々の非球面係数を設定しており、upperがi=u、lowerがi=l、として各非球面係数を表1に示している。
次に、本発明の効果を説明するための比較例として、従来の光走査装置について説明する。
図25は、比較例に係る光走査装置の要部断面図であり、図25(a)は主走査断面を、図25(b)は副走査断面を、それぞれ示している。比較例の本実施例に対して異なる点は、結像レンズ6の配置及び構成と、カップリングレンズ3とアナモフィックレンズ4とが一体化されて成るアナモフィックレンズ8を備えている点と、である。ただし、カップリングレンズ3とアナモフィックレンズ4とを一体化するか否かは本発明には影響しないため、以下、結像レンズ6の配置及び構成についてのみ説明する。
比較例において、等速(等角速度)で回転する偏向器5によって偏向された光束は、結像レンズ6を通過して被走査面7上を等速度で走査している。ここで、比較例においては、被走査面7上での光束の等速性(リニアリティ)と結像性能とを両立するために、結像レンズ6を偏向器5の偏向面5aから十分に離間して配置している。さらに、比較例では、アナモフィックレンズ8により、光源1からの光束を主走査断面内において強い収束光に変換することで、偏向器5から被走査面7までの距離を短くしている。
しかしながら、比較例では、結像レンズ6を偏向器5から十分に離間させる必要があるため、結像レンズ6の肉厚や主走査方向の幅が増大してしまう。ここで、被走査面7上での光束の等速性と結像性能とを両立するために、結像レンズ6を偏向器5の偏向面5aから十分に離間させることの必要性について説明する。
単一の結像レンズ6のみを用いて、被走査面7上において良好に像を形成しつつ等速性を確保するためには、主走査断面内でのレンズ面の形状を、比較例のように軸上像高(Y=0)と軸外像高(Y≠0)とで大きく異ならせる必要がある。この結像レンズ6を偏向器5に近づけて配置した場合、結像レンズ6を通過する光束の瞳内において、主走査断面内での面形状変化がより急峻になる。そのため、比較例において、等速性を確保しつつ結像レンズ6を偏向器5に近づけた場合、主走査断面内でのコマ収差が増大し、結像性能の劣化を引き起こしてしまう。
以上より、比較例において等速性と結像性能とを両立するためには、結像レンズ6を偏向器5から十分に離間して配置する必要があり、結果として結像レンズ6を十分に小型化できなくなってしまう。
以下、本実施例に係る結像レンズ6の配置及び構成について詳細に説明する。
本実施例に係る結像レンズ6は、それを通過する光束が被走査面7上で等速性を持たないような走査特性を有している。結像レンズ6にこのような走査特性を持たせることで、結像レンズ6を偏向器5に近接して配置することを可能にし、かつ、結像レンズ6の小径化及び光走査装置の小型化を実現している。
本実施例に係る結像レンズ6の走査特性は、以下の式(5)で表される。
ただし、式(5)においては、偏向器5による走査角度(走査画角)をθ、走査角度θで偏向された光束の被走査面7上での主走査方向の集光位置(像高)をY[mm]、軸上像高における結像係数をK[mm]、としている。なお、本実施例において、軸上像高は、光軸上の像高(Y=0)を指し、走査角度θ=0に対応する。また、軸外像高は、光軸外の像高(Y≠0)を指し、走査角度θ≠0に対応している。さらに、最軸外像高とは、走査角度θが最大(最大走査画角)となる時の像高を指す。
ここで、結像係数Kは、結像レンズ6に平行光が入射する場合の走査特性(fθ特性)Y=fθにおけるfに相当する係数である。すなわち、結像係数Kは、結像レンズ6に平行光以外の光束が入射する場合にも、fθ特性と同様に集光位置Yと走査角度θとを比例関係にするための係数であり、結像レンズ6に平行光が入射する場合は、K=fとなる。表1に示したように、本実施例においては、軸上像高における結像係数K=105である。
なお、式(5)におけるBは、本実施例にかかる結像レンズ6の走査特性を決定するための係数(以下、走査特性係数と称する)であり、表1に示したように、本実施例においては、B=0.588である。例えば、B=0のときの式(5)は、Y=Kθとなるため、従来の光走査装置に用いられる結像レンズの走査特性Y=fθに相当する。また、B=1のときの式(5)は、Y=Ktanθとなるため、撮像装置(カメラ)などに用いられるレンズの射影特性Y=ftanθに相当する。すなわち、式(5)において、走査特性係数Bを0≦B≦1の範囲で設定することで、射影特性Y=ftanθとfθ特性Y=fθとの間の走査特性を得ることができる。
ここで、式(5)を走査角度θで微分すると、次式(6)に示すように走査角度θに対する被走査面7上での光束の走査速度が得られる。
さらに、式(6)を軸上像高における速度dY/dθ=Kで除すると、次式(7)に示すようになる。
式(7)は、軸上像高に対する各軸外像高での等速性のずれ量、すなわち軸上像高での部分倍率に対する軸外像高での部分倍率のずれ量(部分倍率ずれ)を表している。本実施例に係る光走査装置は部分倍率を有するため、B=0の場合以外においては、軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なっていることになる。すなわち、軸外像高における走査位置(単位時間あたりの走査距離)は部分倍率ずれに応じて間延びしてしまうため、この部分倍率ずれを考慮せずに被走査面を走査した場合は、画像形成装置が形成する画像の劣化(印字性能の劣化)を招いてしまう。
そこで、本実施例においては、不図示の制御部により、B≠0の場合に部分倍率ずれに応じて光源1の変調タイミング(発光タイミング)を制御し、電気的に走査位置を補正することで、等速性が確保できている場合と同様に良好な印字性能を得ている。
また、式(7)の右辺すなわち部分倍率ずれをdBY、最大走査角度をθMax、とする時、次式(8)を満たすように結像レンズ6を構成することが望ましい。
式(8)の下限値を下回った場合は、部分倍率ずれが小さくなり過ぎてしまい、結像レンズ6を偏向面5aに近づけた際に、良好な結像性能を確保できなくなる。また、式(8)の上限値を上回った場合は、部分倍率ずれが大きくなり過ぎてしまい、電気的な走査位置の補正が困難になってしまう。本実施例においては、表1に示したように最大画角θMax=52.6°であるので、部分倍率ずれdBY=0.36となり、式(8)を満足している。なお、部分倍率ずれdBY=0.36の時は、最軸外像高における走査速度が、軸上像高における走査速度よりも、軸上像高における走査速度の36%だけ速くなる。
また、被走査面7上での光束の結像性能の向上を図る上で、結像レンズ6に入射する光束の種類(収束光、発散光、又は平行光)、すなわち結像レンズ6に入射する光束の収束度を適切に選択することが重要となる。以下、結像レンズ6の光軸上における、主走査方向の焦点距離をfm、結像レンズ6の出射面6bから被走査面7までの距離をSk、として定義した収束度Sk/fmについて詳細に説明する。
図7は、収束度がどのように結像性能に寄与するのかを説明するための図である。図7の光走査装置において、結像レンズは屈折率が1であるとした仮想的なレンズであり、屈折力を有するのはカップリングレンズとアナモフィックレンズのみとなっている。図7の光走査装置において、光源から出射した光束は、カップリングレンズを介して略平行光となり、さらにアナモフィックレンズによって、主走査断面内においては強い収束光に変換され、副走査断面内においては偏向面5a近傍に集光される。Rmは偏向面5aから主走査断面内における光束の集光位置までの距離を、Tcは光軸上における偏向面5aから被走査面7までの距離を、それぞれ示している。
ここで、偏向面5aにより偏向される光束は、主走査断面内において収束光となっているため、もしも結像レンズが配置されていない場合は被走査面7の後方のRmの位置に集光される。なお、光束が偏向面5aで偏向されることにより、その集光位置は偏向面5aを中心とする半径Rmの円弧状に変化している。これは、言い換えると、結像レンズが配置されていない場合は負の像面湾曲が生じるということを示している。そのため、主走査断面内において、被走査面7上の軸上像高から軸外像高までの全像高で像面湾曲を補正するためには、正の像面湾曲を発生させるように結像レンズを構成する必要がある。
結像レンズに像面湾曲を発生させる方法としては、結像レンズの入射面及び出射面のベンディングを行う方法が挙げられる。しかし、結像レンズに入射する光束の収束度合や発散度合が強過ぎる場合には、ベンディングによる補正量が大きくなるため、像面湾曲を十分に補正することができない。また、ベンディングの量が大きくなると、入射面と出射面との相対的な位置ずれによる結像性能の劣化が発生し易くなるため、製造上の観点からも好ましくない。
そこで、前述の収束度Sk/fmを、次式(9)を満たすように設定することが望ましい。これにより、被走査面7上での像面湾曲を補正することができ、結果として結像性能を向上させることができる。
式(9)の下限値を下回った場合は、結像レンズによって強い正の像面湾曲を発生させる必要があるため、軸上像高に対する屈折力よりも軸外像高に対する屈折力を弱くする必要がある。その結果、式(7)で示した部分倍率ずれが大きくなり、電気的な走査位置の補正量が増大してしまう。また、式(9)の上限値を上回った場合は、結像レンズによって負の像面湾曲を発生させるために、結像レンズ6の主走査断面内での屈折力を強くすることが必要となり、結像レンズ6の薄肉化が困難になってしまう。
さらに、収束度Sk/fmを、次式(10)を満たすように設定することがより好ましい。
式(10)を満たすように収束度Sk/fmを設定することで、結像レンズのレンズ面のベンディング量をより少なくすることができ、結果としてより良好な結像性能を得ることができる。本実施例においては、表1に示したようにSk=102.2、fm=109.98であるため、収束度Sk/fm=0.93となり、式(9)及び(10)を満たして良好な結像性能を得ている。
次に、本実施例に係る光走査装置における具体的な結像性能及び印字性能を示す。
図2は、本実施例に係る被走査面7上での走査位置をY=Kθの特性でフィッティングした際の、各像高における部分倍率ずれを示している。本実施例においては、式(5)に示した走査特性を結像レンズ6に与えたことで、図2に示したように、軸上像高から軸外像高に向かうにつれて徐々に部分倍率ずれが大きくなっている。その結果、軸外像高における等速性を確保するために、主走査断面内でのレンズ面形状に急峻な変化を与える必要が無くなるため、結像レンズ6に所望の走査特性を与えて良好な結像性能を得ることができる。
図3は、式(5)に示した走査特性に基づいて被走査面7上での走査位置を電気的に補正する前(図2)における軸上像高での部分倍率に対する、電気補正後の部分倍率ずれを示している。一般的に、fθ特性を有する結像光学系においては、部分倍率ずれの大きさが全像高で2%以内に収まっていれば、良好な印字性能を確保できる。本実施例では、図3を見てわかるように、電気補正後の部分倍率ずれが全像高において1%程度となっており、良好な印字性能を確保できている。
図4は、本実施例における被走査面7上の各像高でのスポットプロファイルを示している。図4では、Y=±107mm、±70mm、0mmのそれぞれにおいて、被走査面7から結像レンズ6の光軸方向にX=±2mm、0mmだけデフォーカスした際のスポットプロファイルを示している。ここで、各スポットプロファイルの等高線は、スポットのピーク光量に対して50%、13.5%、5%、2%のそれぞれの位置に設定されている。一般的に、サイドローブが13.5%以上発生すると問題となるが、図4を見てわかるように、本実施例では各像高においてサイドローブの少ない良好なスポットプロファイルが得られていることがわかる。
図5は、式(7)から算出される、各像高における主走査方向の理想的なLSF(LineSpreadFunction)径と、本実施例に係るLSF径とを示している。ここで、主走査方向のLSF径とは、スポットプロファイルを各像高で副走査方向に積算した光量プロファイルを、その最大値に対して13.5%の位置でスライスした時の幅のことである。図5より、本実施例では、各像高においてほぼ無収差に近い良好なスポットプロファイルが得られていることが分かる。
図6は、本実施例における被走査面7上での像面湾曲を示しており、図6(a)は主走査像面湾曲を、図6(b)は副走査像面湾曲を、それぞれ示している。図6より、本実施例では、被走査面7上における主走査像面湾曲及び副走査像面湾曲の両方が良好に補正されていることがわかる。
以上より、本実施例に係る光走査装置は、式(5)に示した走査特性を有することで、良好な結像性能及び印字性能を達成している。
なお、式(5)において、次式(11)を満たすように走査特性係数Bを設定することが望ましい。
式(11)の下限値を下回った場合は、部分倍率ずれが小さくなり過ぎてしまい、結像レンズ6を偏向面5aに近づけた際に、良好な結像性能を確保できなくなる。また、式(11)の上限値を上回った場合は、部分倍率ずれが大きくなり過ぎてしまい、電気的な走査位置の補正が困難になってしまう。
さらに、走査特性係数Bを、次式(12)を満たすように設定することがより好ましい。
式(12)を満たすように走査特性係数Bを設定することで、より良好な結像性能を得ることができる。本実施例においては、前述したようにB=0.588としているので、電気的な走査位置の補正が容易となり、かつ良好な結像性能を確保できている。なお、本実施例では、全像高において式(11)及び式(12)を満たす構成を採っているが、少なくとも走査角度θが最大となる時の集光位置Y(最軸外像高)において式(11)又は式(12)を満たしていれば、本発明の効果を得ることができる。
また、光軸上において、偏向面5aから結像レンズ6の出射面6bまでの距離をT2、結像レンズ6の出射面6bから被走査面7までの距離をSk、とする時、次式(13)を満たすように構成することが望ましい。
式(13)の下限値を下回った場合は、結像レンズ6が偏向面5aに近づき過ぎてしまい、結像性能及び印字性能を確保することが困難になる。また、式(13)の上限値を上回った場合は、結像レンズ6が偏向面5aから離間し過ぎてしまうため、光走査装置が大型化してしまう。
さらに、次式(14)を満たすように構成することがより好ましい。
式(14)を満たすように構成することで、より良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、光走査装置の小型化を達成することができる。本実施例においては、表1よりT2=d6+d=17.8であることがわかるため、T2/Sk=0.17となり、式(13)及び式(14)を満たして、結像性能及び印字性能を両立しつつ、光走査装置の小型化を達成している。
さらに、結像レンズ6の光軸上での肉厚dと前述の結像係数Kとが、次式(15)を満たすように構成することが望ましい。
式(15)は、結像係数Kと結像レンズ6の肉厚dとを関係付ける式である。ここで、結像係数Kは、被走査面7上の走査幅(印字領域)の大きさ(A3やA4等)に応じて適切に設定する必要があり、走査幅が大きくなるにつれて結像係数Kも大きくなる。一般的に、単一の結像レンズのみを有する光走査装置において、A4サイズの印字領域を走査する際の結像係数は90〜140であり、A3サイズの印字領域を走査する際の結像係数は180〜220である。
すなわち、式(15)は、走査幅の大きさに応じた適切な肉厚の条件を示していることになる。式(15)の下限値を下回った場合は、結像レンズ6のコバ厚が小さくなり過ぎてしまい、結像レンズ6の製造が困難になる。また、式(15)の上限値を上回った場合は、結像レンズ6の肉厚が厚くなり、結像レンズ6の製造コストが上がってしまう。
さらに、次式(16)を満たすように構成することがより好ましい。
本実施例に係る光走査装置は、A4サイズの印字領域に対応し、d/K=0.06であるため、式(15)及び式(16)を満たしており、結像レンズ6の肉厚が印字サイズに合わせて適切に設定されている。
以上、本実施例に係る光走査装置によれば、良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る光走査装置について詳細に説明する。
本実施例に係る光走査装置の構成は、実施例1に係る光走査装置の構成と略同一であるが、主走査断面内おいてアナモフィックレンズ4に負の屈折力を付加することで、結像レンズ6に発散光を入射させているという点で実施例1とは異なる。そして、被走査面7上での正の像面湾曲を補正するために、負の像面湾曲を発生させるように結像レンズ6を構成している。
本実施例に係る光走査装置の構成を表2に示す。
また、実施例1と同様に、本実施例に係る光走査装置における具体的な結像性能及び印字性能を、図8〜図11に示す。
本実施例においては、軸上像高に対する主走査断面内での屈折力よりも軸外像高に対する主走査断面内での屈折力の方が大きく、実施例1よりも部分倍率ずれが小さい構成を採っている。図8に示したように、本実施例の最軸外像高における部分倍率ずれはdBY=0.264となっている。また、本実施例においては、表2に示したように、走査特性係数B=0.5であるため、式(11)及び式(12)を満たしつつ、実施例1よりもfθ特性に近い走査特性を得ている。そのため、本実施例は、実施例1に比べて電気的な走査位置の補正量が小さくなり、電気補正がより容易な構成となっている。
図9に示したように、本実施例における電気補正後の部分倍率ずれは最大でも1.1%となっており、良好な印字性能を確保できていることがわかる。また、図10に示したように、理想的なLSF径と本実施例に係るLSF径とは各像高において略一致しているため、各像高において良好な結像性能を確保できていることがわかる。さらに、図11を見てわかるように、本実施例においても、被走査面7上における主走査像面湾曲及び副走査像面湾曲の両方が良好に補正されていることがわかる。
なお、本実施例では、表2に示したように、Sk=105.5、fm=97.34であるため、収束度Sk/fm=1.08となり、式(9)及び(10)を満たして良好な結像性能を確保しつつ、結像レンズ6の肉厚を薄くすることを可能にしている。また、表2よりT2=d6+d=19.5であることがわかるため、T2/Sk=0.18となり、式(13)及び式(14)を満たして、結像性能及び印字性能を両立しつつ、光走査装置の小型化を達成している。さらに、表2に示したように、d=7、K=106であり、d/K=0.066となるため、本実施例においても式(15)及び式(16)を満たしており、結像レンズ6の肉厚が印字サイズに合わせて適切に設定されていることがわかる。
以上、本実施例に係る光走査装置によれば、良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
[実施例3]
以下、本発明の実施例3に係る光走査装置について詳細に説明する。図12は、本実施例に係る光走査装置の要部断面図であり、図12(a)は主走査断面を、図12(b)は副走査断面を、それぞれ示している。
本実施例に係る光走査装置は、実施例1及び2に係る光走査装置とは異なり、A3サイズの印字領域に対応する光走査装置である。また、本実施例に係るカップリングレンズ3のレンズ面は非球面形状を有しており、カップリングレンズ3で発生する球面収差の除去、及びマルチビーム使用時における像面湾曲の低減を可能にしている。ただし、カップリングレンズ3のレンズ面を非球面としても本発明には影響しないため、実施例1と同様の構成としてもよい。
また、本実施例においては、実施例2と同様に、主走査断面内おいてアナモフィックレンズ4に負の屈折力を付加することで、結像レンズ6に発散光を入射させている。ただし、本実施例に係るアナモフィックレンズ4の負の屈折力は、実施例2に係るアナモフィックレンズ4の負の屈折力よりも大きくなっている。そのため、本実施例においては、被走査面7上での正の像面湾曲を補正するために、実施例2よりも大きな負の像面湾曲を発生させるように結像レンズ6を構成している。
本実施例に係る光走査装置の構成を表3に示す。
また、実施例1と同様に、本実施例に係る光走査装置における具体的な結像性能及び印字性能を、図13〜図16に示す。
本実施例の、軸上像高に対する主走査断面内での屈折力と軸外像高に対する主走査断面内での屈折力との差は、実施例2におけるその差よりも大きく、図13に示したように、最軸外像高における部分倍率ずれはdBY=0.197となっている。つまり、本実施例では、実施例2よりも部分倍率ずれが小さい構成を採っている。そのため、本実施例は、実施例2に比べて電気的な走査位置の補正量が小さくなり、電気補正がより容易な構成となっている。また、本実施例においては、表3に示したように、走査特性係数B=0.59であるため、式(11)及び式(12)を満たし、良好な結像性能及び印字性能を確保している。
図14に示したように、本実施例における電気補正後の部分倍率ずれは最大でも0.7%となっており、良好な印字性能を確保できていることがわかる。また、図15に示したように、理想的なLSF径と本実施例に係るLSF径とは各像高において略一致しているため、各像高において良好な結像性能を確保できていることがわかる。さらに、図16を見てわかるように、本実施例においても、被走査面7上における主走査像面湾曲及び副走査像面湾曲の両方が良好に補正されていることがわかる。
なお、本実施例では、表3に示したように、Sk=213、fm=179.37であるため、収束度Sk/fm=1.19となり、式(9)を満たして良好な結像性能を確保しつつ、結像レンズ6の肉厚を薄くすることを可能にしている。また、表3よりT2=d6+d=37であることがわかるため、T2/Sk=0.17となり、式(13)及び式(14)を満たして、結像性能及び印字性能を両立しつつ、光走査装置の小型化を達成している。さらに、本実施例においては、表3に示したようにd=7、K=207であるため、d/K=0.034となり、式(15)を満たしていることがわかる。本実施例に係る光走査装置では、結像レンズ6の肉厚が印字サイズに合わせて適切に設定されており、かつ実施例1及び2よりも肉厚の薄さを追求した構成を採っている。
以上、本実施例に係る光走査装置によれば、良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
[実施例4]
以下、本発明の実施例4に係る光走査装置について詳細に説明する。
本実施例に係る光走査装置の構成は、実施例3に係る光走査装置の構成と略同一であるが、実施例1と同様に主走査断面内おいてアナモフィックレンズ4に正の屈折力を付加することで、結像レンズ6に収束光を入射させているという点で実施例3とは異なる。なお、本実施例に係るアナモフィックレンズ4の正の屈折力は、実施例1に係るアナモフィックレンズ4の正の屈折力よりも大きくなっている。
本実施例に係る光走査装置の構成を表4に示す。
本実施例では、表4に示したように、Sk=195.5、fm=239.20であり、収束度Sk/fm=0.817となるため、実施例1よりも収束度が小さい、すなわち収束性の強い光束が結像レンズ6に入射する構成となっている。本実施例においても、式(9)を満たしており、良好な結像性能を確保しつつ、結像レンズ6の肉厚を薄くすることを可能にしている。ここで、本実施例において、結像レンズ6に入射させる光束の収束度を実施例1よりも小さくしている理由を以下に説明する。
本実施例においては、表4よりT2=d6+d=54.5であることがわかるため、T2/Sk=0.279となる。つまり、本実施例では、実施例1乃至3と比較して、より被走査面7に近い位置に結像レンズ6が配置されている。これは、結像レンズ6を被走査面7により近づけて配置することで、副走査断面内における結像倍率を下げることが可能となり、結果として主走査像面敏感度と副走査像面敏感度とのバランスをとることができるためである。
この時、収束度Sk/fmを小さくしないと、被走査面7上の印字領域を走査するための走査角度(最大走査角度)がより大きくなり、結像レンズ6の大径化を招いてしまう。そのため、本実施例においては、他の実施例よりも収束度Sk/fmを小さくしている。なお、本実施例においても式(13)を満たしており、結像性能及び印字性能を両立しつつ、光走査装置の小型化を達成している。なお、通常は収束度Sk/fmを小さくすると部分倍率ずれも大きくなってしまうが、本実施例では結像レンズ6を被走査面7に近づけて配置しているため、部分倍率ずれを小さくすることを可能にしている。
次に、実施例1と同様に、本実施例に係る光走査装置における具体的な結像性能及び印字性能を、図17〜図20に示す。
本実施例においては、図17に示したように、最軸外像高における部分倍率ずれはdBY=0.072となっている。つまり、本実施例では、他の実施例よりも部分倍率ずれが小さい構成を採っている。そのため、本実施例は、他の実施例に比べて電気的な走査位置の補正量が小さくなり、電気補正がより容易な構成となっている。また、本実施例においては、表4に示したように、走査特性係数B=0.36であるため、式(11)を満たしつつ、他の実施例よりもfθ特性に近い走査特性を得ている。そのため、本実施例は、他の実施例に比べて電気的な走査位置の補正量が小さくなり、電気補正がより容易な構成となっている。
図18に示したように、本実施例における電気補正後の部分倍率ずれは最大でも1.3%となっており、良好な印字性能を確保できていることがわかる。また、図19に示したように、理想的なLSF径と本実施例に係るLSF径とは各像高において略一致しているため、各像高において良好な結像性能を確保できていることがわかる。さらに、図20を見てわかるように、本実施例においても、被走査面7上における主走査像面湾曲及び副走査像面湾曲の両方が良好に補正されていることがわかる。
なお、本実施例においては、表4に示したように、d=9.5、K=209であり、d/K=0.046となるため、式(15)及び式(16)を満たしており、結像レンズ6の肉厚が印字サイズに合わせて適切に設定されていることがわかる。
以上、本実施例に係る光走査装置によれば、良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
[実施例5]
以下、本発明の実施例5に係る光走査装置について詳細に説明する。
本実施例に係る光走査装置の構成は、実施例4に係る光走査装置の構成と略同一であり、本実施例においても、実施例4と同様に、主走査断面内おいてアナモフィックレンズ4に正の屈折力を付加することで、結像レンズ6に収束光を入射させている。ただし、本実施例に係るアナモフィックレンズ4の正の屈折力は、実施例4に係るアナモフィックレンズ4の正の屈折力よりも小さくなっている。
本実施例に係る光走査装置の構成を表5に示す。
本実施例では、表5に示したように、Sk=197.5、fm=237.23であり、収束度Sk/fm=0.833となるため、実施例4よりも収束度が大きい、すなわち収束性の弱い光束が結像レンズ6に入射する構成となっている。本実施例においても、式(9)を満たしており、良好な結像性能を確保しつつ、結像レンズ6の肉厚を薄くすることを可能にしている。
また、本実施例においては、表5よりT2=d6+d=52.5であることがわかるため、T2/Sk=0.266となる。つまり、本実施例では、実施例4よりも偏向面5aに近く、かつ実施例3よりも被走査面7に近い位置に結像レンズ6が配置されている。そのため、実施例4よりも結像レンズ6が小径化され、かつ実施例3よりも主走査像面敏感度と副走査像面敏感度とのバランスがとれた構成となっている。なお、本実施例においても式(13)及び式(14)を満たしており、結像性能及び印字性能を両立しつつ、光走査装置の小型化を達成している。
次に、実施例1と同様に、本実施例に係る光走査装置における具体的な結像性能及び印字性能を、図21〜図24に示す。
本実施例においては、図21に示したように、最軸外像高における部分倍率ずれはdBY=0.125となっている。つまり、本実施例では、実施例1乃至3よりも部分倍率ずれが小さい構成を採っている。そのため、本実施例は、実施例4よりも結像性能が確保し易く、かつ実施例3よりも電気補正が容易な構成となっている。また、本実施例においては、表5に示したように、走査特性係数B=0.45であるため、式(11)及び式(12)を満たし、良好な結像性能及び印字性能を確保している。
図22に示したように、本実施例における電気補正後の部分倍率ずれは最大でも1.3%となっており、良好な印字性能を確保できていることがわかる。また、図23に示したように、理想的なLSF径と本実施例に係るLSF径とは各像高において略一致しているため、各像高において良好な結像性能を確保できていることがわかる。さらに、図24を見てわかるように、本実施例においても、被走査面7上における主走査像面湾曲及び副走査像面湾曲の両方が良好に補正されていることがわかる。
なお、本実施例においては、表5に示したように、d=9.5、K=210であり、d/K=0.045となるため、式(15)及び式(16)を満たしており、結像レンズ6の肉厚が印字サイズに合わせて適切に設定されていることがわかる。
以上、本実施例に係る光走査装置によれば、良好な結像性能及び印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
[画像形成装置]
図26は、本発明の実施形態に係る画像形成装置104の要部概略図(副走査断面図)である。画像形成装置104は、上述した各実施例のいずれかにおける光走査装置(光走査ユニット)100を備えている。
図26に示すように、画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力される。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像信号(ドットデータ)Diに変換される。この画像信号Diは、上述した各実施例のいずれかにおける光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像信号Diに応じて変調された光束103が出射され、この光束103によって感光ドラム101の感光面(被走査面)が主走査方向に走査される。なお、プリンタコントローラ111は、前述したデータの変換だけでなく、後述するモータ115などの画像形成装置内の各部の制御を行う。
静電潜像担持体(感光体)としての感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光束103に対して副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が感光面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光面上に、光走査ユニット100からの光束103が照射されるように構成されている。
先に説明したように、光束103は、画像信号Diに基づいて変調されており、この光束103を照射することによって感光面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、光束103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光面に当接するように配設された現像器107によって、トナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって、被転写材としての用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図26において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、これにより用紙カセット109内の用紙112が搬送路へ送り込まれる。
以上のようにして、未定着トナー像が転写された用紙112は、さらに感光ドラム101後方(図26において左側)の定着器へと搬送される。定着器は、内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113と、この定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。この定着器は、転写ローラ108から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114との圧接部にて加圧しながら加熱することにより、用紙112上の未定着トナー像を定着させる。さらに、定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、トナー像が定着された用紙112は画像形成装置104の外に排出される。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述した各実施例に係る光走査装置において、結像レンズ6と被走査面7との間の光路上に反射部材(反射ミラー)を配置することで、結像レンズ6を通過した光束を折り曲げて被走査面上に導光するように構成してもよい。また、副走査断面内において、光源1からの光束を偏向面5aに対して斜め方向から入射させるように、入射光学系を構成してもよい。
1 光源
5 偏向器
6 結像光学系
7 被走査面

Claims (9)

  1. 光源からの光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、
    該偏向器により偏向された光束を前記被走査面に導光する結像光学系と、
    該結像光学系の部分倍率ずれに基づいて前記光源の発光を制御する制御部と、を備え、
    前記結像光学系の光軸上における結像係数をKとし、前記偏向器により走査角度θで偏向された光束が入射する、前記被走査面での主走査方向における像高Yを
    Y=(K/B)×tan(B×θ)
    なる式で表すとき、前記走査角度θが最大となるときの前記像高Yにおいて
    0.3≦B≦0.6
    なる条件を満足することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記走査角度θが最大となるときの前記像高Yにおいて
    0.45≦B≦0.6
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記走査角度θが最大となるとき、
    0.07≦tan(B×θ)≦0.5
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記制御部は、tan(B×θ)に応じて前記光源の発光を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記制御部は、前記結像光学系の部分倍率ずれが全像高で2%以内になるように、前記光源の発光を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記結像光学系の光軸上における前記結像光学系から前記被走査面までの距離をSk、前記結像光学系の主走査断面内での焦点距離をfm、とするとき、
    0.8≦Sk/fm≦1.2
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光走査装置。
  7. 0.9≦Sk/fm≦1.1
    なる条件を満足することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面上に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の光走査装置と、外部機器から出力されたコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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