JP2022138794A - 光走査装置 - Google Patents

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【課題】画像形成装置に搭載した際に画質の低下を抑制しつつトナー容量を増大させることができる光走査装置を提供する。【解決手段】本発明に係る光走査装置100は、光束を偏向して被走査面706を主走査方向に走査する偏向器704と、偏向器704によって偏向された光束を被走査面706に導光する結像光学系709とを備え、結像光学系709は、偏向器704によって偏向された光束を反射する内面反射面904と、当該光束が通過する互いに光学的に不連続な第1及び第2の透過面903及び905とを有する光学素子901を含み、第1及び第2の透過面903及び905は、副走査断面において屈折力を有する一方、主走査断面においては屈折力を有さないことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、光走査装置に関し、例えばレーザービームプリンタ、デジタル複写機及びマルチファンクションプリンタ等の画像形成装置に好適なものである。
従来、光走査装置が搭載される画像形成装置においては、本体の小型化とトナー容量の増大との両立を低コストで図ることが求められている。
特許文献1は、偏向器によって偏向された光束を被走査面へ向けて反射させる際に表面反射素子の代わりに内面反射素子を用いることによって、搭載される画像形成装置において本体の小型化を維持しつつトナー容器が配置される空間を広げることで、トナー容量の増大を図った光走査装置を開示している。
特開2018-36438号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている光走査装置に設けられている内面反射素子は、被走査面に近接して配置されていると共に、全て平面で形成されている光学面から構成されている。
そのため、光走査装置を画像形成装置に搭載すると、回転ドラム等の部材の駆動に伴って発生する振動が伝搬することによって内面反射素子が偏心することで、被走査面上において走査線間隔のばらつきを引き起こし、画質が低下してしまう。
そこで本発明は、画像形成装置に搭載した際に画質の低下を抑制しつつトナー容量を増大させることができる光走査装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光走査装置は、光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、偏向器によって偏向された光束を被走査面に導光する結像光学系とを備え、結像光学系は、偏向器によって偏向された光束を反射する内面反射面と、当該光束が通過する互いに光学的に不連続な第1及び第2の透過面とを有する光学素子を含み、第1及び第2の透過面は、副走査断面において屈折力を有する一方、主走査断面においては屈折力を有さないことを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置に搭載した際に画質の低下を抑制しつつトナー容量を増大させることができる光走査装置を提供することができる。
本実施形態に係る光走査装置の模式的主走査断面図及び一部拡大模式的副走査断面図。 本実施形態に係る光走査装置に設けられている内面反射素子の模式的副走査断面図。 本実施形態に係る光走査装置における各像高での部分倍率のずれを示した図。 本実施形態に係る光走査装置における各像高でのLSFスポット径及びLSF深度中心位置を示した図。 本実施形態に係る光走査装置における各像高での副走査方向照射位置及び面倒れ一分におけるそのずれを示した図。 本実施形態に係る光走査装置に設けられている内面反射素子の模式的副走査断面図。 本実施形態に係る光走査装置において内面反射素子が偏心したときの各像高での副走査方向照射位置のずれを示した図。 実施形態に係るモノクロ画像形成装置の要部副走査断面図。
以下、本実施形態に係る光走査装置について添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお以下に示す図面は、本実施形態を容易に理解できるようにするために実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
また以下の説明において、主走査方向とは、偏向手段の回転軸及び光学系の光軸に垂直な方向(偏向手段によって光束が偏向走査される方向)である。副走査方向とは、偏向手段の回転軸に平行な方向である。主走査断面とは、副走査方向に垂直な断面である。副走査断面とは、主走査方向に垂直な断面である。
従って、以下の説明において、主走査方向及び副走査断面は、入射光学系と結像光学系とで異なることに注意されたい。
図1(a)及び(b)はそれぞれ、本実施形態に係る光走査装置100の模式的主走査断面図及び一部拡大模式的副走査断面図を示している。
本実施形態に係る光走査装置100は、光源701、アナモフィックレンズ702、副走査絞り703s、主走査絞り703m、偏向手段704(偏向器)、第1結像光学素子705(結像光学素子)及び内面反射素子901(光学素子)を備えている。
光源701は、少なくとも一個の発光点を有する、例えば半導体レーザーを用いることができ、副走査絞り703sに向けて光束を射出する。
副走査絞り703sは、矩形状の開口部を有しており、光源701から出射した光束の副走査方向における光束径を整形する。なお主走査方向については、実際に使用する光束径よりも広いラフアパーチャとしている。
アナモフィックレンズ702は、主走査断面内において正の屈折力を有しており、副走査絞り703sを通過した光束を主走査断面内において平行光束に変換している。なおここで、平行光束とは厳密な平行光束だけでなく、弱発散光束や弱収束光束等の略平行光束も含むものとする。
なお本実施形態に係る光走査装置100では、アナモフィックレンズ702によって副走査絞り703sを通過した光束を主走査断面内において弱収束光束に変換することで、結像光学系709に必要な屈折力を低減している。
またアナモフィックレンズ702は、副走査断面内において正の屈折力を有しており、入射した光束を偏向手段704の偏向面704aの近傍に集光することで、主走査方向に長い線像を形成している。
主走査絞り703mは、矩形状の開口部を有しており、アナモフィックレンズ702を通過した光束の主走査方向における光束径を整形する。なお副走査方向については、実際に使用する光束径よりも広いラフアパーチャとしている。
本実施形態に係る光走査装置100では、上記に示した副走査絞り703s、アナモフィックレンズ702及び主走査絞り703mによって入射光学系708が構成される。
そして、光源701から出射し入射光学系708を通過した光束は、偏向手段704の偏向面704aによって偏向された後、第1結像光学素子705に入射する。
第1結像光学素子705は、入射面及び出射面の二つの光学面(レンズ面)を有しており、偏向手段704の偏向面704aによって偏向された光束が被走査面706上を主走査方向に所望の走査特性で走査するように構成されている。
また第1結像光学素子705は、副走査断面内においては、偏向手段704の偏向面704aの近傍と被走査面706の近傍とを互いに共役にすることで、面倒れ補償、すなわち偏向面704aが倒れた際の被走査面706上における副走査方向の走査位置ずれの低減を行っている。
そして、第1結像光学素子705を通過した光束は、詳細に後述する内面反射素子901によって反射された後、被走査面(感光面)706上に導光される。
このとき第1結像光学素子705及び内面反射素子901は、主走査断面内及び副走査断面内の双方において、被走査面706の近傍にスポット状の像を形成している。
本実施形態に係る光走査装置100では、上記に示した第1結像光学素子705及び内面反射素子901によって結像光学系709が構成される。
本実施形態に係る光走査装置100では、偏向手段704を不図示の駆動部によって図中矢印B方向に一定速度で回転させることで被走査面706上を図中矢印C方向に沿って主走査方向に走査することによって、被走査面706上に静電潜像が形成される。
また、偏向手段704によって所定の偏向角度に偏向された光束は、不図示の同期検知光学系によって不図示の同期検知センサへ導光されることで、同期検知信号が取得される。
そして、取得された同期検知信号に基づいて、偏向手段704の回転が一定速度に制御されると共に、光源701の発光タイミングが制御される。
なお、本実施形態に係る光走査装置100では、入射光学系708においてアナモフィックレンズ702を用いているが、代わりにその光学的機能を複数の光学素子、例えばカップリングレンズ及びシリンドリカルレンズに分けて構成してもよい。
また、本実施形態に係る光走査装置100では、偏向手段704として四つの偏向面704aを有する回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いているが、これに限らず四つ以上の偏向面704aを有する回転多面鏡を用いてもよい。
また、本実施形態に係る光走査装置100では、アナモフィックレンズ702及び第1結像光学素子705において射出成形によって形成されたプラスチックモールドレンズを用いているが、これに限らずガラスモールドレンズを用いてもよい。
このとき、モールドレンズは非球面形状の成形が容易であると共に、大量生産に適しているため、アナモフィックレンズ702及び第1結像光学素子705においてガラスモールドレンズを用いても生産性及び光学性能の向上を図ることができる。
本実施形態に係る光走査装置100が画像形成装置に搭載されると、図1(a)及び(b)に示されている結像光学系709の右側(+X側)に不図示のカートリッジ(CRG)トナー容器が配置される。
そのため、結像光学系709における走査光束の光路の折り返し点を被走査面706に非常に近接した位置に設定すると共に、当該折り返し点における走査光束の折り返し角度を鋭角に設定することで、CRGトナー容器の容量を増大することができる。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、図1(b)に示されているように、結像光学系709における走査光束の光路の折り返し点(点730B等)を被走査面706に非常に近接した位置に設定すると共に、当該折り返し点における走査光束の折り返し角度を鋭角に設定している。
これにより、本実施形態に係る光走査装置100では、画像形成装置に搭載した際に本体の小型化を維持しつつCRGトナー容器が配置される空間を十分に確保することで、大容量且つ長寿命のCRGトナーを提供することができる。
そして、結像光学系709を上記のように設計したとき、走査光束の光路を折り返すためにガラス板上に反射膜が蒸着された一般的な折り返しミラーである表面反射素子を用いると、折り返し点に対して偏向手段704から離間する方向(+X方向)に表面反射素子がその厚みの分だけ出っ張ってしまう。
これにより、光走査装置100を画像形成装置に搭載した際に、表面反射素子とCRGトナー容器の部品や画像形成装置本体の部品との間における機械的な干渉の発生を抑制するために、画像形成装置の本体が大きくなってしまう。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、走査光束の光路を折り返すために結像光学系709の光路内に内面反射素子901を設けることで、画像形成装置に搭載した際にCRGトナー容量の増大と本体の小型化とを両立している。
図2は、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901の模式的副走査断面図を示している。
図2に示されているように、内面反射素子901は、入射面903(第1の透過面)、内面反射面904及び出射面905(第2の透過面)を有している。
そして内面反射素子901では、結像光学系709における走査光束の光路の折り返し角度を鋭角にすると共に、光学面を最小限で構成することで射出成形のための金型のコストや製造コストを低減するために、副走査断面内において入射面903と出射面905とが互いに角度をなすように設定している。
換言すると、本実施形態に係る光走査装置100では、入射面903及び出射面905それぞれにおいて、結像光学系709の光軸と被走査面706との交点(以下、軸上像高と称する。)へ向かう光束(以下、軸上光束と称する。)の主光線(以下、軸上主光線と称する。)の通過位置での面法線が互いに非平行になるように内面反射素子901を設計している。
また内面反射素子901では、走査光束の内面反射面904への入射角が大きく設定されることによって全反射条件が満たされることで、内面反射面904上に反射膜を蒸着せずに走査光束を全反射させることができる。
これにより、内面反射素子901の低コスト化を達成することができる。
このとき、CRGトナー容量を増大するために走査光束の光路の折り返し角度を鋭角にする際に、内面反射素子901の内面反射面904における反射角だけで当該折り返し角度を達成しようとすると、内面反射面904において全反射条件を満たすことは困難である。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、図1(b)及び図2に示されているように、内面反射素子901の入射面903及び出射面905それぞれにおいて、軸上主光線の入射位置における面法線と入射方向とが互いに角度をなすように設定している。
これにより、内面反射素子901の入射面903及び出射面905それぞれにおいて走査光束の光路を積極的に折り曲げることで、内面反射面904において全反射条件を満たしつつ、結像光学系709において走査光束の光路を鋭角に折り返すことができる。
次に、本実施形態に係る光走査装置100の諸元値を以下の表1、表2及び表3に示す。
なお表2において、内面反射素子901における入射面903と内面反射面904との間及び内面反射面904と出射面905との間の面間隔は、それぞれの座標から算出している。
また表3において、各非球面係数は、光線の進行方向を正としたときの値である。
Figure 2022138794000002
Figure 2022138794000003
Figure 2022138794000004
表3に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100に設けられているアナモフィックレンズ702の入射面は、回折格子が形成された回折面としている。
これにより、プラスチック材料を用いた射出成形で形成されているアナモフィックレンズ702は、環境変動による屈折力の変化を半導体レーザーから出射する光束の波長の変化に伴う回折パワーの変化によって補償する、所謂温度補償光学系とすることができる。
本実施形態に係る光走査装置100に設けられているアナモフィックレンズ702の入射面に形成されている回折面は、以下の式(1)に表されるような位相関数によって定義される。
Figure 2022138794000005
ここで、φは位相関数、Mは回折次数、λは設計波長である。なお、本実施形態に係る光走査装置100では、1次回折光(すなわち、回折次数Mは1)を用いており、設計波長λは790nmとなっている。
また、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている第1結像光学素子705の入射面及び出射面の母線形状は、Yの12次までの関数で表すことができる非球面形状によって構成されている。
具体的には、第1結像光学素子705の入射面及び出射面それぞれにおいて、第1結像光学素子705の光軸との交点を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸としたとき、母線形状が以下の式(2)のように定義される。
Figure 2022138794000006
ここで、Rは母線曲率半径、K、B、B、B、B10及びB12は非球面係数である。
なお、母線形状が主走査方向において非対称である場合には、非球面係数B、B、B、B10及びB12はそれぞれ、光源701が配置されていない側(Y≧0)ではB4U、B6U、B8U、B10U及びB12U、光源701が配置されている側(Y≦0)ではB4L、B6L、B8L、B10L及びB12Lとし、数値を互いに異ならせればよい。
また、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている第1結像光学素子705の入射面及び出射面の子線形状は、以下の式(3)のように定義される。
Figure 2022138794000007
ここで、Sは母線方向の各位置における母線の法線を含み主走査断面に垂直な面内に定義される子線形状である。
また、第1結像光学素子705の入射面及び出射面それぞれにおける第1結像光学素子705の光軸から主走査方向にYだけ離間した位置での副走査断面内における曲率半径、すなわち子線曲率半径r’は、以下の式(4)のように定義される。
Figure 2022138794000008
ここで、rは光軸上における子線曲率半径、E、E、E、E、E、E10及びE12は子線変化係数である。
なお、上記の母線形状と同様に、子線形状が主走査方向において非対称である場合には、子線変化係数E乃至E12はそれぞれ、光源701が配置されていない側(Y≧0)ではE1U乃至E12U、光源701が配置されている側(Y≦0)ではE1L乃至E12Lとし、数値を互いに異ならせればよい。
また本実施形態に係る光走査装置100では、光学面の形状を上記に示した式によって定義したが、本発明の権利の範囲はこれに制限されるものではない。
以上のように、式(2)は、主走査断面(XY断面)内における光学面の形状(母線形状)を示しており、式(3)は、任意の像高Yにおける副走査断面(ZX断面)内における光学面の形状(子線形状)を示している。
そして、このとき式(4)に示したように、光学面の子線形状における曲率半径r’は、Yの値に応じて変化する。
また本実施形態に係る光走査装置100では、式(2)及び(4)における各係数において、Y≧0の場合をupper、Y≦0の場合をlowerと設定している。
そして表3では、upper、すなわちY≧0の場合における非球面係数にはuの添え字を付すと共に、lower、すなわちY≦0の場合における非球面係数にはlの添え字を付している。
本実施形態に係る光走査装置100では、表2に示されているように、入射面903及び出射面905それぞれの原点の座標、換言すると、入射面903及び出射面905それぞれの副走査断面内における曲率中心の位置が互いに異なる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、表3に示されているように、式(3)及び(4)において定義される子線形状における曲率半径や係数が入射面903と出射面905とで互いに異なる。
すなわち本実施形態に係る光走査装置100では、入射面903及び出射面905は互いに不連続な光学面となるように設計されている。
図3は、本実施形態に係る光走査装置100における各像高での部分倍率ずれを示している。
なお図3では、電気補正を行う前の部分倍率ずれを示している。
図3から分かるように、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている第1結像光学素子705は、通過する走査光束が被走査面706上において等速性を有さないような走査特性を有している。
そして、第1結像光学素子705がこのような走査特性を有することで、第1結像光学素子705を偏向手段704に近接して配置することを可能にすると共に、第1結像光学素子705の小径化及び光走査装置100の小型化を実現することができる。
具体的には、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている第1結像光学素子705が目標とする走査特性は、以下の式(5)で表される。
Figure 2022138794000009
ここで、偏向手段704による走査角度をθ[rad]、走査角度θの方向に偏向された光束の被走査面706上での主走査方向における集光位置(像高)をY[mm]、軸上像高における結像係数をKK[mm/rad]としている。
なお、本実施形態に係る光走査装置100では、軸上像高とは光軸上の像高(Y=0)を指し、走査角度θ=0に対応する。
また、軸外像高とは光軸外の像高(Y≠0)、すなわち走査角度θ≠0に対応し、最軸外像高とは走査角度θが最大(最大走査画角)となるときの像高を指す。
また、式(5)における結像係数KKは、第1結像光学素子705に完全平行光束が入射する場合の走査特性(fθ特性)Y=fθにおけるfに相当する係数である。
すなわち結像係数KKは、第1結像光学素子705に完全平行光束以外の光束が入射する場合に、fθ特性と同様に像高Yと走査角度θとを互いに比例関係にするための係数である。
なお本実施形態に係る光走査装置100では、第1結像光学素子705へ入射する光束を主走査方向において弱収束光束に設定しており、それに合わせるように軸上像高における結像係数KKを設定している。
また、式(5)におけるαは、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている第1結像光学素子705の走査特性を決定するための係数(以下、走査特性係数と称する。)であり、表1に示されているように、正の値に設定されている。
例えばα=0の場合には、式(5)はY=KK・θとなることから、従来の光走査装置に用いられる結像光学素子の走査特性であるY=fθに対応する。
また、軸上像高に対する各軸外像高における等速性からのずれ量、すなわち軸上像高における部分倍率に対する軸外像高における部分倍率のずれ量(部分倍率ずれ)は、以下の式(6)のように表すことができる。
Figure 2022138794000010
従って、本実施形態に係る光走査装置100における各像高での部分倍率ずれは、式(5)及び(6)から以下の式(7)のように表すことができる。
Figure 2022138794000011
式(7)に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100のようにα=0を満たさない場合には、軸上像高と軸外像高とで光束による走査速度が互いに異なることとなる。
換言すると、本実施形態に係る光走査装置100では、結像光学系709は、軸上像高と最軸外像高とで主走査方向における部分倍率が互いに異なるように構成されている。
すなわち、軸外像高における走査位置(単位時間当たりの走査距離)は部分倍率ずれに応じて間延びしてしまうため、この部分倍率ずれを考慮せずに被走査面706を走査した場合には、画像形成装置が形成する画像における劣化(印字性能の低下)を招いてしまう。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、不図示の制御部によって部分倍率ずれに応じて光源701の変調タイミング(発光タイミング)を制御することによって電気的に走査位置及び印字幅を補正することで、等速性が確保できている場合と同様の印字性能を達成している。
すなわち本実施形態に係る光走査装置100では、図3に示されているように最大で最軸外像高において生じている約37%の部分倍率ずれを電気補正することによって、全像高にわたって均一な部分倍率を達成している。
一方、上記のような電気補正を行う場合には、軸外像高において所定の走査距離を走査する際の光源701の発光時間は、軸上像高に比べて走査速度の比の分だけ短くなるため、画像濃度が軸上像高に比べて軸外像高の方が薄くなってしまう。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、そのような濃度ムラを補正するために、軸上像高と軸外像高との間の走査速度の比の分だけ軸外像高において光源701の発光光量を強くするように制御を行っている。
これにより、被走査面706上の像高全域にわたって照度分布も均一にしている。
本実施形態に係る光走査装置100では、このように光源701の変調タイミングと発光光量とを制御することで、非等速性に起因する印字性能の低下を抑制している。
図4(a)は、本実施形態に係る光走査装置100における各像高での主走査方向及び副走査方向それぞれのLSF(Line Spread Function)スポット径を示している。
ここで、主走査方向におけるLSFスポット径(以下、主走査LSFスポット径と称する。)とは、スポットプロファイルを各像高において副走査方向に積算した光量プロファイルを、その最大値に対して13.5%の位置でスライスした時の幅のことを指す。
また、副走査方向におけるLSFスポット径(以下、副走査LSFスポット径と称する。)とは、スポットプロファイルを各像高において主走査方向に積算した光量プロファイルを、その最大値に対して13.5%の位置でスライスした時の幅のことを指す。
また図4(b)及び(c)はそれぞれ、本実施形態に係る光走査装置100における各像高での主走査方向及び副走査方向のLSF深度中心位置を示している。
ここで、LSF深度中心位置とは、被走査面706の近傍において結像光学系709の光軸方向にデフォーカスを行った際に、LSFスポット径が所定の大きさ(スライスレベル)以下となる前側ピント許容位置と後側ピント許容位置との間の領域の中心位置のことを指す。
なお本実施形態に係る光走査装置100では、主走査方向においては像高-80mm乃至+80mmの範囲内では100μm以下、像高-107mm及び+107mmでは120μmをスライスレベルに設定している。
また、像高-107mm乃至-80mm及び+80mm乃至+107mmの範囲内では上記の値に合わせて徐々に変化するようにスライスレベルを設定している。
また副走査方向においては、像高-80mm乃至+80mmの範囲内では105μm以下、像高-107mm乃至-80mm及び+80mm乃至+107mmの範囲内では120μmをスライスレベルに設定している。
図4(b)及び(c)に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100では、主走査方向及び副走査方向それぞれにおいて全像高にわたってLSF深度中心位置は±2mm以内になっており、良好な像面性能を達成できていることが分かる。
上記のように、本実施形態に係る光走査装置100では、結像光学系709を一枚の結像レンズ、すなわち第1結像光学素子705を用いて構成することで低コスト化を図っているが、これに限られない。すなわち、結像光学系709が複数の結像光学素子を用いて構成されていても、本実施形態の効果を得ることができる。
ここで、本実施形態に係る光走査装置100のように結像光学系709を一枚の第1結像光学素子705を用いて構成した場合、主走査方向のピント、走査特性及び照射位置等を向上するために、第1結像光学素子705を偏向手段704の近傍に配置する傾向がある。
このとき、副走査断面内において屈折力を有するレンズ、すなわち第1結像光学素子705が偏向手段704の近傍に配置されることで、結像光学系709の副走査方向の倍率(以下、副走査倍率と称する。)が非常に高くなる傾向がある。
そして副走査倍率が高くなると、偏向手段704における複数の偏向面704aの倒れによって被走査面706上における走査線のピッチムラが大きくなったり、公差に依る結像性能の低下への敏感度が高くなる等の問題が発生する。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901に対して副走査断面内において正の屈折力を付与することによって副走査倍率を低減することで、良好な結像性能を得ている。
すなわち、表3に示されているように内面反射素子901に対して副走査断面内において正の屈折力を付与することで、表1に示されるように副走査倍率を十分に低減することができる。
図5(a)は、本実施形態に係る光走査装置100における各像高での副走査方向照射位置を示している。
図5(a)に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100では走査線湾曲が十分に小さく抑えられていることが分かる。
また図5(b)は、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている偏向手段704において面倒れが1分だけ発生した際の各像高での副走査方向照射位置のずれを示している。
図5(b)に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100ではピッチムラがピークトゥピークで10μm以下と十分に小さく抑えられていることが分かる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901において、三つの光学面、すなわち入射面903、内面反射面904及び出射面905がそれぞれ互いに角度をなして構成されている。
このため、射出成形に用いられる型の構造上、いずれかの光学面は型抜き方向に対して角度をなしている。
一般的に、型抜き方向と光学面とが互いになす角度が可能な限り小さい、すなわち開角が小さいほど型の構造も簡易に設計することができるため、成形安定性が得られ易い。
一方、光学面において副走査方向における曲率半径が小さ過ぎる場合には、成形時において型抜き方向に対する開角が大き過ぎる領域が形成されるため、成形する毎に面形状が安定して得られ難いという課題が発生する。
そして、光学素子において入射面及び出射面のいずれか一方のみに副走査断面内における屈折力を付与することで副走査倍率における所望の低減効果を得ようとすると、屈折力が付与された光学面の副走査方向における曲率が強くなり過ぎてしまう。これにより、良好な成形精度を確保することが困難となってしまう。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905をそれぞれ副走査断面内においてのみ屈折力を有する副走査シリンダ面に設定している。
これにより、表3に示されているように、光軸上における副走査方向の曲率半径rs1及びr2sを十分大きくすることができるため、簡易な型構造で成形安定性を確保することができると共に、副走査倍率の低減効果を得ることができる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、CRGトナー容量を増大するために、結像光学系709における最終結像レンズである第1結像光学素子705の下流側に内面反射素子901を配置している。
そして、このような配置において内面反射素子901が走査画角全域をカバーするためには、内面反射素子901は長尺にならざるを得ない。
また、内面反射素子901の製造コストを削減するために、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901をガラス等に比べて剛性が弱い樹脂で形成している。
さらに内面反射素子901は、回転運動を行う感光ドラム等に近い位置に配置されていることから振動を受けやすい。
また内面反射素子901は、通常の表面反射素子における外面反射に比べて原理的に振動に対する照射位置ずれへの敏感度が大きくなるデメリットを有している。
以上のように、本実施形態に係る光走査装置100では内面反射素子901が振動を受けやすいため、振動によって被走査面706上における照射位置が振れると、形成された画像上において走査線の間隔のばらつきが発生することで、良好な画像を形成することが困難となる。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905の双方に対して副走査断面内において屈折力を付与することで、偏心に対する照射位置ずれへの敏感度を低減している。
図6は、内面反射素子901において偏心に対する照射位置ずれへの敏感度を低減する原理を説明するための模式的副走査断面図を示している。
図6に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905に対して副走査断面内において屈折力を付与している。
このため、内面反射素子901が偏心しても、入射面903及び出射面905それぞれにおいて光束の通過位置が変化することによって光束の屈折角度が変化することで、照射位置ずれを相殺できていることが分かる。
図7は、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901が副走査方向に0.1mmだけ偏心したときの各像高における副走査方向照射位置のずれを示している。
図7に示されているように、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901における偏心に対する照射位置のずれを十分に小さく低減できていることが分かる。
なお、本実施形態に係る光走査装置100が搭載された画像形成装置では、特に図6に示されている方向における振動が大きい傾向がある。
そのため、そのような傾向を鑑みて、内面反射素子901の当該方向の偏心に対する照射位置のずれを低減するように内面反射素子901の入射面903及び出射面905それぞれの副走査断面内における屈折力を設定している。しかしながら、本実施形態の効果はこの構成に限られない。
また本実施形態に係る光走査装置100では、上述のように、内面反射素子901は、結像光学系709において走査光束の光路を折り返す役割に加えて、結像機能の一部が付与された結像光学素子としての役割も担っている。
光走査装置において用いられる従来の結像光学素子には、一般的に各収差を補正するために主走査断面内においても屈折力が付与される。
しかしながら、そのように結像光学素子に対して主走査断面内において屈折力を付与すると、結像光学素子において主走査方向の位置に応じて副走査断面内における形状が異なってしまう。
一方、上述のように本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901は、互いに対して角度をなす三つの光学面を有している。
そのため、内面反射素子901を射出成形するための金型は、一般的な結像レンズを射出成形するための金型に比べて構造上において制約が多くなる。
すなわち、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901に対して主走査断面内においても屈折力を付与すると、金型の構造の複雑化に伴う金型の精度の低下が生じてしまう。
加えて、金型の構造を成立させるために、内面反射素子901の大型化ひいては製造するためのコスト増大といったデメリットが生じてしまう。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、表3に示したように内面反射素子901の入射面903及び出射面905をそれぞれ、副走査断面内においてのみ屈折力を有する副走査シリンダ面に設定している。
換言すると、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901の入射面903及び出射面905はそれぞれ、副走査断面内において屈折力を有する一方、主走査断面内においては屈折力を有さない。
これにより、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901を射出成形するための金型の構造をシンプルに構成できることによって金型の精度を確保しつつ、内面反射素子901を所望の性能が満たされながら最小限のサイズで設計することができる。
次に、上記の構成を内面反射素子901の稜部から説明する。図1(b)及び図2に示されているように、内面反射素子901は、入射面903と内面反射面904との間並びに内面反射面904と出射面905との間それぞれにおいて主走査方向(Y方向)に延在する稜線を有している。
ここで、内面反射素子901の入射面903及び出射面905をそれぞれ主走査断面内において屈折力が付与された面に設計すると、上記の稜線は曲線となるため、内面反射素子901を射出成形するための金型の構造においてデメリットが生じる。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905をそれぞれ副走査シリンダ面に設定することで、上記の稜線が直線となるように内面反射素子901を構成することができる。
換言すると、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905の少なくとも一方は、隣接する面との間に形成される主走査方向に延在する稜線の少なくとも一つが直線であるように構成される。
これにより、上述のデメリットの発生を抑制することができる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905がそれぞれ副走査断面内において負及び正の屈折力を有するように曲率半径を設定している。
これにより、主点位置を被走査面706側へ寄せる効果を効率的に得ることで、副走査倍率を十分に低減することができる。しかしながら当該効果は、上記の構成以外でも得ることができる。
また、内面反射素子901の稜線を長手方向(Y方向)において大きく湾曲させた形状に設計すると、偏肉比が大きくなることで内面反射素子901を成形した後の変形や屈折率分布が大きくなる等の弊害が発生する。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、表3に示したように、内面反射素子901を主走査方向において湾曲した光学面を有さない、すなわち主走査断面内において屈折力を有さない構成に設計している。
また本実施形態に係る光走査装置100では、低コスト化を図るために結像光学系709を一枚の第1結像光学素子705及び内面反射素子901のみによって構成している。
そのため、本実施形態に係る光走査装置100では、第1結像光学素子705のみを用いて主走査方向における各収差を補正しなければならない。
ここで、結像光学系709の光路長O51について以下の定義を行う。図1(b)に示されているように、点730Aは、偏向手段704の偏向面704a上における軸上主光線の偏向点(以下、軸上偏向点と称する。)である。
また点730Bは、内面反射素子901の内面反射面904上における軸上主光線の反射点であり、点730Cは、被走査面706上における軸上主光線の到達位置、すなわち軸上像高(到達像高)である。
ここで、軸上主光線の光路上において、点730Aと点730Bとの間の距離をP51、点730Bと点730Cとの間の距離をQ51と表すと、結像光学系709の光路長O51は、距離P51と距離Q51との和で表すことができる。
また、本実施形態に係る光走査装置100によって被走査面706上において走査される幅、すなわち走査幅(走査全幅)をW51としたとき、本実施形態に係る光走査装置100は、以下の条件式(8)が満たされるように設定されている。
Figure 2022138794000012
条件式(8)の上限値を上回ると、本実施形態に係る光走査装置100を画像形成装置に搭載した際に、画像形成装置のCRG部品や本体の部品と走査光束とが互いに干渉し易くなるため、画像形成装置のサイズを小さくすることが困難となってしまう。
一方、条件式(8)の下限値を下回ると、本実施形態に係る光走査装置100において所望の光学性能を達成することが困難となるため、画像形成装置に搭載した際に良好な画像を得ることが困難となってしまう。
本実施形態に係る光走査装置100では、表1に示されているように、走査幅W51に対する光路長O51の比は、0.56となっており、条件式(8)が満たされている。
このように結像光学系709を短光路長に設定することにより、本実施形態に係る光走査装置100を画像形成装置に搭載する際に、画像形成装置の本体の大型化を抑制しつつ良好な画質を得ることができる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、走査幅W51に対して光路長O51を非常に短く設定することで、光路長O51が長い場合に比べて結像光学系709における走査光束の光路の取り回しに伴うデッドスペースの発生を抑制している。
これにより、本実施形態に係る光走査装置100を画像形成装置に搭載した際にCRGトナー容量を増大する効果を得ることができる。
そして、本実施形態に係る光走査装置100のように、光路長O51が走査幅W51に対して短い結像光学系709において、一枚の第1結像光学素子705のみを用いて主走査方向における各収差を補正しようとすると、第1結像光学素子705の主走査方向における形状においてうねりが非常に大きくなってしまう。
また第1結像光学素子705の偏肉比においても歪が大きい形状に設計する必要が生じるため、偏心に対する敏感度が高くなってしまう。
その結果、本実施形態に係る光走査装置100を画像形成装置に搭載する際に取りつけ誤差が生じた場合に画像劣化が著しくなるため、良好な画像を形成することが困難となる。
そこで本実施形態に係る光走査装置100では、結像光学系709の走査特性を一般的なfθ特性から意図的にずらしている。
すなわち、軸上像高及び軸外像高それぞれに対する結像光学系709の主走査方向における部分倍率を意図的に互いに異ならせることで、一枚の第1結像光学素子705のみを用いて主走査方向におけるピントやコマ収差等の各収差を良好に補正している。
加えて、図1(a)及び表3に示されているように、第1結像光学素子705を偏肉比が小さい非常に素直な主走査形状で構成している。
また、結像光学系709の主走査方向における部分倍率を上述のように設定した分だけ被走査面706上における走査速度が非等速になる。
そのため本実施形態に係る光走査装置100では、各像高においてそのような走査速度の違いを光源701の発光タイミングを変化させることによって電気的に補正している。
これにより、本実施形態に係る光走査装置100では、結像光学系709の主走査方向における部分倍率のずれ、すなわち被走査面706上における主走査方向での照射位置のずれを良好に補正することができる。
以上のように、本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901の入射面903及び出射面905をそれぞれ副走査シリンダ面に設定することで、内面反射素子901の偏心に伴う走査線間隔のばらつきを抑制すると共に、内面反射素子901を射出成形するための金型の構造をシンプルにすることができる。
これにより、本実施形態に係る光走査装置100を画像形成装置に搭載した際に、良好な印字性能を確保しつつ、低コスト化及び小型化を達成することができる。
なお本実施形態に係る光走査装置100では、入射面903及び出射面905がそれぞれ副走査シリンダ面であると共に、互いに不連続な二つの光学面になるように形成されている。
しかしながら、これに限らず、入射面903及び出射面905を互いにスプライン面で接続することによって構造的に連続な一つの光学面に設計しても本実施形態の効果を十分に得ることができる。
すなわち本実施形態に係る光走査装置100では、内面反射素子901が、内面反射面と互いに光学的に不連続な第1の透過面及び第2の透過面とを有していれば本実施形態の効果を十分に得ることができる。
また本実施形態に係る光走査装置100は、第1の透過面である入射面903を通過した光束が内面反射面904によって反射された後、第2の透過面である出射面905を通過する構成を有しているが、これに限られない。
すなわち、第1の透過面及び第2の透過面双方が内面反射面904より上流側にあっても下流側にあっても本実施形態の効果を十分に得ることができる。
また、本実施形態に係る光走査装置100に設けられている内面反射素子901においては、偏心に対する照射位置ずれへの敏感度を低減するために入射面903及び出射面905に対して副走査断面内において屈折力を付与している。
加えて、内面反射素子901の入射面903及び出射面905それぞれの内面反射面904との間の稜線を直線にすることで金型の構造がシンプルになるように、入射面903及び出射面905をそれぞれ副走査シリンダ面に、すなわち主走査方向に湾曲しないようにしている。
このとき、入射面903及び出射面905それぞれと内面反射面904との間においてさらに透過面が設けられている場合には、偏心に対する照射位置ずれへの敏感度を低減するために当該透過面に対して副走査断面内において屈折力を付与してもよい。
そして、金型の構造をシンプルにするために入射面903及び出射面905を主走査方向に湾曲しないように設計することで上記の構成を分担させることによっても、本実施形態の効果を十分に得ることができる。
なお、本実施形態に係る光走査装置100では、低コスト化を図るために結像光学系709を一枚の第1結像光学素子705及び内面反射素子901から構成しているが、これに限られない。
すなわち、結像光学系709における走査光束の光路内において第2結像光学素子や折り返しミラー等をさらに設けても本実施形態の効果を十分に得ることができる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、偏向手段704によって偏向された光束を反射するために内面反射素子901において内面反射面904のみを設けているが、これに限らず内面反射素子901において複数の内面反射面を設けてもよい。
また本実施形態に係る光走査装置100では、樹脂材料を射出成形することで内面反射素子901を作成することによって、ガラス製の内面反射素子を作成する場合に比べて低コスト化を図ることができると共に、容易に副走査シリンダ面を形成することができる。
しかしながら、これに限らず、ガラス材料を切削したり成形することで内面反射素子901を作成しても本実施形態の効果を得ることができる。
また本実施形態に係る光走査装置100では、主走査方向及び副走査方向それぞれにおける光束径を制限する機能を分けるように主走査絞り703m及び副走査絞り703sを設けているが、代わりに両方の機能を備えた単一の絞りを設けても構わない。
[画像形成装置]
図8は、本実施形態に係る光走査ユニット100が搭載されたモノクロ画像形成装置104の要部副走査断面図を示している。
モノクロ画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117から出力したコードデータDcが入力される。このコードデータDcは、画像形成装置104内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって被転写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図8において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109の端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上のようにして、未定着トナー像が転写された用紙112は、さらに感光ドラム101後方(図8において左側)の定着器150へと搬送される。定着器150は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラ113と定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114との圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像は定着せしめられる。更に定着器150の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112がモノクロ画像形成装置104の外部に排出せしめられる。
なお、プリンタコントローラ111は、データの変換だけでなく、モータ115を始めモノクロ画像形成装置104内の各部や、光走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制御も行う。
また、本実施形態に係る光走査装置100は、モノクロ画像形成装置104に限らず、カラー画像形成装置にも用いることができる。
100 光走査装置
704 偏向手段(偏向器)
706 被走査面
709 結像光学系
901 内面反射素子(光学素子)
903 入射面(第1の透過面)
904 内面反射面
905 出射面(第2の透過面)

Claims (14)

  1. 光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、
    該偏向器によって偏向された光束を前記被走査面に導光する結像光学系とを備え、
    該結像光学系は、前記偏向器によって偏向された光束を反射する内面反射面と、該光束が通過する互いに光学的に不連続な第1及び第2の透過面とを有する光学素子を含み、
    前記第1及び第2の透過面は、副走査断面において屈折力を有する一方、主走査断面においては屈折力を有さないことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学素子の入射面及び出射面の少なくとも一方が隣接する面との間に形成する主走査方向に延在する稜線の少なくとも一つは、直線であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記第1及び第2の透過面は、前記光学素子の入射面及び出射面であることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1及び第2の透過面の副走査断面における曲率半径は、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置。
  5. 前記光学素子は、前記偏向器によって偏向された光束を前記内面反射面のみによって反射することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記第1及び第2の透過面の少なくとも一方は、副走査断面において正の屈折力を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記光学素子は、副走査断面において正の屈折力を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記結像光学系は、軸上像高と最軸外像高とで主走査方向における部分倍率が互いに異なるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記結像光学系は、前記光学素子及び結像光学素子からなることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記光学素子は、樹脂で形成されている光学素子であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光走査装置。
  11. 軸上光束の主光線の光路上における前記偏向器の偏向面上の偏向点から前記被走査面上の到達像高までの距離をO51、前記被走査面上における走査幅をW51としたとき、
    0.4≦O51/W51≦0.8
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の光走査装置。
  12. 前記内面反射面は、前記第1の透過面を通過した光束を前記第2の透過面へ向けて反射することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の光走査装置。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置により前記被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至12の何れか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力された信号を画像データに変換して該光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
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