JP2017015610A - 鼻腔又は咽喉からの粘液採取具 - Google Patents

鼻腔又は咽喉からの粘液採取具 Download PDF

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Abstract

【課題】検体採取部の形状が安定していて、繊維等の脱離や、繊維クズの発生、スポンジ状物より発生する可能性のある樹脂クス゛片などの混入、使用時の不快感の問題もなく、必要とする検査量を安定して採取でき、かつ検査時の検体の放出性も良好な鼻腔又は咽喉からの粘液を採取する検体採取用具を提供する。【解決手段】上記課題は、軸の一端に検体採取部が取着され、該検体採取部がループ状をした繊維で構成された不織布で形成されていることを特徴とする、鼻腔又は咽喉から粘液を採取する検体採取用具によって解決される。【選択図】 図2

Description

本発明は、インフルエンザウイルス等の感染を調べるために鼻腔や咽喉から粘液を採取する検体採取用具に関するものである。
鼻腔や咽喉あるいは細菌を培養した培地等からの検体採取用スワブには多種のものが開発されてきた。インフルエンザウイルス採取用スワブを例にすると、鼻腔から採取する綿棒として、以下のようなものが開発されている。
当初は綿棒が使用されてきた。これは、図6に示すように、紙やプラスチック等の軸9の一端にコットン繊維を巻き付けて綿球10にしたものである。
ところが、検査の高精度化等の理由で、検体採取量が多く、採取した検体を検査液に戻せる量(回収率)が多いものが要望されてきている。
そこで、コットン繊維をポリエステルフィラメントに変え回収率を上げたものが開発された(特許文献1)。また、レーヨンとエステルで構成された不織布をプラスチック軸の巻いたもの(非特許文献1)や、ポリエステルの高空隙構造布をプラスチック軸の巻いたもの(特許文献2)、スポンジ状高空隙シートをプラスチック軸の巻いたもの(特許文献3)など等も提案されている。さらに、ナイロンの細い短いフィラメントをプラスチック軸にブラシ状に植毛されている形状が開発されている(特許文献4)。
特開2008−275576号公報 特開2011−229523号公報 特開2012−100990号公報 特表2007−523663号公報
(一般)医療器具 医療用捲綿糸届出番号4162×10001000001
これらは、採取量、回収率を改善してきたが、それぞれの構造特有の欠点もある。検体採取用具として必要とする機能は、
(1)必要とする検体量が採取できること
(2)採取した検体を反応に用いる液に効率よく戻せること(回収率)
(3)検体採取量が安定していること
(4)製造から検査使用時まで形状が安定していること
(5)異物、化学物質を混入が無いこと
等が要求され、更に、
患者に痛み、かゆみ、違和感等不快感を与えないこと
等も要求される。
プラスチック軸にブラシ状に繊維を植毛した形状のものも使用されている。このものの特徴は採取量が多く取れ、回収率が高いことである。
一方、
(1)毛が抜けやすく、採取検体を反応液に戻す工程で植毛された繊維が抜け、溶解液のろ過工程で目詰まりが起こる。
(2)植毛された繊維は軸に対し直角に植毛されているが、保管時に重力で繊維が寝て、採取量が低下傾向に変動し、採取量もバラツキが生ずる。
等の欠点もあり、更なる開発が要求されている。
本発明の目的は、検体採取部の形状が安定していて、繊維等の脱離、繊維くずの発生や使用時の不快感の問題もなく、必要とする検査量を安定して採取でき、かつ検査時の検体の放出性も良好な鼻腔又は咽喉からの粘液を採取する検体採取用具を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決した検体採取用具を提供するものである。
本発明の検体採取用具は不織布を軸に巻き付けた構造をしている。不織布を用いた綿棒は従来もあったが、採取検体量をコントロールできる範囲が限られている等の問題がある。
検体の採取は、低粘度検体は毛細管現象で空隙に蓄えることが行えるが、限られた大きさの中で、多量の検体採取が可能で、検査のために回収効率を高くするためには、構造空隙密度を大きくする必要があり、一方、皮膚に対して優しくするためにできるだけ細い繊維で構成し、柔軟である必要がある。
ところが、このようにしてできた採取用具は変形しやすい欠点があることが分かった。包装した袋中で圧縮されて、立毛していた繊維がねてしまい、空隙量が変わって、その結果、採取量が低減することによる採取量のバラツキが生じる。この欠点を補うために、綿球部に負荷がかからないような、ソフトブリスタ等の高価な包装を行う必要もある。
本発明においては、これらの点を、不織布を形成する線状の高分子繊維をループ形状にすることによって解決した。
すなわち、本発明は、
軸の一端に検体採取部が取着され、該検体採取部がループ状をした繊維で構成された不織布で形成されていることを特徴とする、鼻腔又は咽喉から粘液を採取する検体採取用具を提供するものである。
本発明の一態様においては、上記繊維のループ径が平均で10〜150μmであることを特徴としている。
本発明の別の態様においては、不織布の空隙率が97〜85%であることを特徴としている。
本発明の別の態様においては、フィラメントがポリオレフィン樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂で形成されていることを特徴としている。
本発明の別の態様においては、不織布に親水性化処理が施されていることを特徴としている。
本発明のさらに別の態様においては、不織布が袋状をしており、熱可塑性樹脂を介して軸に接着されていることを特徴としている。
本発明の検体採取用具は、高空隙の構造で、皮膚に対して優しい柔軟性の繊維であるにもかかわらず、変形しづらく、かつ採取した検体を検査液に戻す際、繊維の抜けや繊維くずの脱落、スポンジ状物より発生する可能性のある樹脂クズ片等の異物が混入しづらい。
不織布の製造段階で線状の高分子繊維をループ状にすることで、
(1)繊維間の空隙が確保できる範囲が広くなり、必要な検体量が採取可能で保管時に構造の変化が少なく、採取量のバラツキが少ない。
(2)検査液に戻す際のスクイズ工程(液の入った容器に綿球部分をいれ、容器の外から揉み検体を検査液に戻す工程)で検査液に繊維の混入がない、
採取用具とすることができた。
(3)また、検体採取部の不織布の構成繊維がループ形状としてある為に、検体採取時にこの部分を肌に押し付けてもループ形状の湾曲部(繊維側面)が触れ、違和感を与え難い。また、繊維のループ形状は検体採取時の押し圧により適度に変形する特性を有し、前述の繊維側面での接触とあわせた両機能の複合効果によっても皮膚に対して優しい構造となっている。
本発明の検体採取用具の一例の平面図である。 ループ状をした繊維で構成された不織布で形成された検体採取部の顕微鏡写真である。 ループ状をした繊維の顕微鏡写真である。 そのループ状に捲縮する前の繊維の顕微鏡写真である。 ループ状をした繊維で構成された不織布を袋状に加工する前の斜視図である。 従来の検体採取用具の一例の平面図である。
本発明の検体採取用具の一態様を図1に示す。この検体採取用具は、丸棒状の軸2の後端側を太くして柄3にしており、先端には検体採取部1が取着されている。
軸の一端に取り付けられる検体採取部は不織布で形成される。この検体採取部の顕微鏡写真(20倍)を図2に示す。この不織布は、それを形成する綿状の高分子繊維がループ形状をしていることを特徴としている。この繊維の一例の顕微鏡写真(100倍)を図3に示す。
この繊維は、平均径が3.0〜70μm(0.1〜50dtex)程度、通常5〜30μm程度、特に10〜20μm程度である。繊維の長さは特に制限されないが、平均繊維長で通常10〜100mm程度である。ループ径は、繊維の中心で求めた円の平均曲率半径で10〜150μm程度、通常30〜100μm程度、特に50〜80μm程度である。
平均曲率半径の評価は、走査型電子顕微鏡( S E M ) を用いて、100倍の不織布断面の拡大写真を撮影した。断面写真中の繊維の中で、1
周以上の螺旋( コイル)形状をしている繊維について、その螺旋に沿って円を描いたときの円の半径( コイル軸方向から捲縮繊維を観察したときの円の半径) を求め、これを曲率半径とした。なお、繊維が楕円状に螺旋を描いている場合は、楕円の長径と短径との和の1
/ 2 を曲率半径とした。ただし、不充分なコイル捲縮発現状態のものや、繊維の螺旋形状が斜めで楕円となっている場合を排除するために、楕円の長径と短径との比が0 .
8 〜 1 . 2 の範囲に入る楕円だけを測定対象とした。なお、測定は、任意の断面について撮影したS E M 画像について測定し、n 数= 1 0 0 の平均値として示した。
このループ状の繊維は、例えば、熱収縮率の異なる複数の樹脂が 繊維断面内で層状に配置され構成された複合繊維を加熱してコイル捲縮させる(ループの発現)ことにより形成することができる。加熱前の繊維の顕微鏡写真(100倍)を図4に示す。
繊維の加熱方法は、熱風を用いても蒸気を用いても繊維に目的を果たす適当なループ状を発現できる熱を与えられるものであれば、汎用の熱処理設備を用いて処理する事が可能で、特に方法を限定する必要はない。より効率的にまた均一性の高いループ状部を発現させようとすると高温水蒸気を用いる方法がより適する。
複数の樹脂は、多種多様の熱可塑性樹脂から選択できるが、ループ発現を高温水蒸気で加熱して行う場合には、その湿熱条件下で繊維相互が融着しないものがよく、この点で、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン等の樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66等のポリアミド系樹脂が好ましい。これらの樹脂の組合せは、熱風処理によってもループ形状の発現をさせることもできる。
不織布には、ループ形状の高分子繊維にする複合繊維に加えて、他繊維も配合することができる。この、他の繊維には、通常の(複合構造ではない)ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系繊維、半合成繊維、再生繊維などを用いることができる。複合繊維と他の繊維の割合は、質量比で100/0〜50/50程度、特に100/0〜80/20とすることができる。この他の繊維は不織布親水性と疎水性のコントロールに使うことができる。
不織布は、空隙率の大きなものが好ましく、98〜75%程度、より好ましくは97〜85%程度、さらに好ましくは96〜90%程度のものが適当である。空隙率は、繊維の太さ、単位体積あたりの繊維量、ループ数あるいは径、を変えることにより調整できる。
また、不織布を厚み方向に圧縮した場合の回復率は、60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上が望ましい。本発明の検体採取用具は、採取する検体が鼻腔や咽喉内の粘液であるところから、採取量を増しかつ安定させるために親水性であることが好ましく、一方、採取した検体を放出するためには疎水性であることが好ましい。そこで、使用する不織布は
繊維表面は親水性で採取検体と馴染み易く、毛細管で繊維構造に吸い込み易く、繊維自体は疎水性で採取検体が吸い込み膨潤等が起きないことが好ましい。
親水性度は不織布と水の接触角が5度以下が好ましい。この親水性度のコントロールは、使用する繊維の材質の選択、すなわち、繊維の作成時に複数から適当な親水性度のものを選択し、あるいは親水性度の異なる2種以上の繊維を組み合わせることによって行うことができる。あるいは、不織布の繊維表面の親水性化処理、例えば、プラズマ処理はコロナ放電等による表面の物理的処理や界面活性剤の含浸などによって行うこともできる。界面活性剤含浸の場合、HLB9.5以上のものが好ましい
不織布の厚みは0.3〜2.0mm程度、通常0.6〜1.4mm程度が適当である。
このような不織布は、例えば、特開2012−12758号公報記載の方法で製造することができる。具体的には、複合繊維あるいはそれに他の繊維を配合した混合繊維をまずウェブ化する。ウェブ化は、不織布を製造する公知の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法などの直接法、メルトブロー繊維やステープル繊維などを用いたカード法。エアレイ法などの乾式法などで行うことができる。
得られた繊維ウェブは、加熱して繊維のループ発現を行うかが、その前に水を噴霧あるいは噴射するなどして繊維の予備的な絡合を行っておくことが好ましい。
繊維にループを発現させる為に加熱を行なうが、繊維の加熱方法は、熱風を用いても蒸気を用いても繊維に目的を果たす適当なループ状を発現できる熱を与えられるものであれば、汎用の熱処理設備を用いて処理する事が可能であり、特に方法を限定する必要はないが。より効率的にまた均一性の高いループ状部を発現させようとすると加熱には高温の水蒸気を用いることが好ましい。水蒸気の温度は、繊維の材質等によるが、70〜150℃程度の範囲から選択される。
尚、本発明で使用される不織布は、クラレクラフレックス株式会社から市販されている。
検体採取部とする不織布は、必要により純水等で洗浄して付着物等の異物を除去し、乾燥させる。そして、この不織布の親水性度が不足し、検体が浸み込まない場合、前述のように、界面活性剤を含浸させるとかプラズマ処理するなどして親水性度を高める。
次いで、この不織布を軸に取着する形状にする。この形状は、原則として管状であり、頭部を閉鎖して袋状とすることが好ましい。また細いテープ状にした不織布を軸に巻きつける方法もある
管状にする方法は、不織布を二枚重ねにして所定間隔で溶断する方法、2つ折りにして所定の幅で溶断していく方法、 二つ折りにして溶断することにより袋状にする場合には、図5に示すように、不織布を二つ折りにし、図中に平行線で示された点線部を超音波溶着機などにより溶断していけば、両側部が切断と同時に溶着されて袋状になる。
この不織布で形成される検体採取部は、基本的に管状をしており、その内径は、それを取着する軸の端部の外径の50〜120%程度、通常60〜110%程度が適当である。外径は、上記の内径プラス取着された不織布の厚みの2倍になる。また、長さは4〜50mm程度、通常7〜30mm程度が適当である。
検体採取部を先端に取り着ける軸は、一般に綿棒等に使用されている紙、木、金属、プラスチック等を広く用いることができる。しかし、形成加工、滅菌、布の取着等の点でプラスチックが好ましい。具体例としては、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート等を挙げることができる。
軸の基端側は、持ちやすくするために柄とすることもできる。柄の材質は軸と同様でよい。軸と柄は材質が異っていてもよいが製造上同一であることが好ましい。形状は、通常丸棒状であるが曲った形でもよい。
軸の直径は0.4〜2.8mm程度、通常、長さが4〜100mm程度でよい。柄部分の直径は1.5〜4.0mm程度、長さが30〜150mm程度でよい。
柄を含めた軸の全長は50〜180mm程度が適当である。
検体採取部の軸への取着は、空隙を出来るだけ減らさないよう配慮する。具体的な方法としては、接着材を用いる方法、熱で溶着させる方法、紐等で縛る方法などをとりうる。
接着材は、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系、シアノアクリレート系、ゴム系などいずれも使用することができ、形態も有機溶剤溶解品、水溶解品、エマルジョン、無溶剤品のいずれでもよい。使用時には、検体採取部の空隙を埋めない程度の量を使用し、粘度も空隙に侵入しにくい程度がよい。
溶着させる場合の加熱手段は、ヒーター、超音波、レーザーを利用できる。
熱収縮チューブを用いて締付け固定することもできる。
固着部位は、検体採取部の内面全面でもよいが、通常は一部でよく、その場合基端側を固着させることが好ましい。
接着材には熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂層は、アンカー作用により管状の検体採取部を固着するものであり、融点が軸と検体採取部のいずれより低く、好ましくはいずれよりも20℃以上低いものであって、検体およびその分析に実質的に影響を与えないものであればよい。熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂は、化学的に検体採取部に接着性を有しないものと有するものがあるがそのいずれでもよい。前者の例としてはポリエチレン、L−LDPE、エチレン−α−オレフィン共重合体等があり、後者の例としては接着性ポリオレフィン樹脂、低分子ポリエステル等がある。
熱可塑性樹脂は、検体採取部を固着できる範囲でなるべく薄いことが望ましく、厚みが0.05〜2mm程度、好ましくは0.1〜1mm程度がよい。この厚みは、熱可塑性樹脂の外側が検体採取部の内側に接触する厚みでも、離隔していてもよいが、軸部を検体採取部に挿入する際にその力で検体採取部が変形して元に戻らないような厚みは検体採取量がばらつく原因となるので好ましくない。熱可塑性樹脂を設ける部位は検体採取部の全長であってもよいが固着しようとする部位のみであってもよい。
この熱可塑性樹脂層の形成にあたっては、軸との間に空隙を生じないようにし、具体的には、軸に熱可塑性樹脂を塗布する方法、熱可塑性樹脂のフィルムを巻き付ける方法、チューブ状にして軸を挿入する方法などをとりうる。チューブ状にした場合には、加熱溶融して軸に固着させるようにする。
本粘液採取具は、滅菌しておくことが好ましい。滅菌手段は、オートクレーブによる感熱滅菌、エチレンオキサイドガスによる化学滅菌、放射線による滅菌、電子線による滅菌等いずれも利用できる。
・回復率評価 方法
約50mm×50mmの試験片を5枚準備し、初荷重として0.02kPaを試験片にかけ厚さを測定する。次に30kPaの荷重を1分間かけた後、荷重を除き1分間放置し、0.02kPaの初荷重に戻した時の試験片の厚さを測定し、次式により回復率を算出する。
R=〔1−(T0−T0‘)/T0〕×100
ここで、 PR ;圧縮回復率(%)
T0;初荷重を加えた時の厚さ(mm)
0‘;初荷重に戻したときの厚さ(mm)
実施例1
検体採取部には、クラレクラフレックス株式会社製の不織布
「フレクスターSR0002」を用いた。
この不織布は、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂とイソフタル酸20モル%及びジエチレングリコール5モル%を共重合した変性ポリエチレンテレフタレート樹脂で構成され、各樹脂を繊維長方向に合わせたサイドバイサイド型複合ステープル繊維((株)クラレ製、「PN−780」、1.7dtex×51mm長、機械捲縮数12個/25mm、130℃×1分熱処理後における捲縮数62個/25mm)を加熱し、ループ発現したもので、繊維の平均径13.0μm、ループの平均曲率半径65μm、空隙率95%、圧縮回復率86%、厚み約1mmである。
この不織布を、ポリオキシエチレン(N=8)ラウリルエーテルの0.04%水溶液に浸漬させた後、取り出して乾燥して親水性化した(水との接触角0度)。
これを幅36mmのテープ状に切断して、長手方向の中心線で二つ折りにし、特開2010−410号公報(段落[0014]〜[0017])記載の方法に従って、超音波溶着機を用いてテープの長手方向と直角に3.3mmの間隔で溶着、切断して袋状にした。
軸部には、ポリエチレン製で検体採取部取着側の直径が0.9mm、柄部分の直径が2.5mmで全長が150mmのものを用いた。
熱可塑性樹脂としてエチレン/α−オレフィン共重合体(「KS240T、融点60℃、日本ポリエチレン株式会社製」を用い、これを内径1.0mm、外径1.5mmのチューブに押出成形して5mm間隔で切断し、これを軸部の検体採取部取着側端部に先端から約14mmまで挿入して70℃に加熱することによりチューブの後端と仮止めした。次いで、検体採取部として前記袋状の不織布を挿入し、70℃に加熱することにより、上記熱可塑性樹脂チューブを介して軸に固定した。
こうして作製した検体採取用具の形状保持性、検体採取量および異物の混入を調べ、市販品と比較した。比較した市販品は、フロックスワブ(FLOQSwabs、COPAN社製品)およびスポンジスワブ(ニプロスポンジスワブ、ニプロ社製品)である。
形状保持性、検体採取量
フラットロールタイプ滅菌バック(ENFR−022−G、(株)エンコーコーポレーション)幅50mm、シール幅8mm、長さ17cmに、各検体採取用具を1本ずつ入れて両端をシールした。これを室温で一週間保管後の検体採取部の直径と検体採取量の変化を測定した。結果を表1と表2に示す。
Figure 2017015610
検体採取量については、検体採取部を5秒間水に浸けて、吸水採取量を重量で測定した。
Figure 2017015610
異物混入確認
口部10mm、底部5mm、肉厚0.6mmのポリエチレン容器に水0.8mlを入れ、検体採取部を底まで差し込み、容器の外から綿球部分を揉み、液をシャーレに戻し、10倍のルーペで異物の混入状況を調べた。
結果を表3に表わす。
Figure 2017015610
本発明の検体採取用具は、鼻腔や咽喉から検査に十分な量の粘液をほぼ一定量で採液できるのでこれらの粘液採取具として広く利用できる。
1 検体採取部
2 軸
3 柄
9 軸
10 綿球

Claims (6)

  1. 軸の一端に検体採取部が取着され、該検体採取部がループ状をした繊維で構成された不織布で形成されていることを特徴とする、鼻腔又は咽喉から粘液を採取する検体採取用具
  2. ループ径が繊維の中心で求めた円の平均曲率半径で10〜150μmである請求項1記載の検体採取用具
  3. 不織布の空隙率が97〜85%である請求項1又はに記載の検体採取用具
  4. 繊維がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂で形成されている請求項1、2又は3記載の検体採取用具
  5. 不織布に親水性化処理が施されている請求項1乃至4のいずれかに記載の検体採取用具
  6. 不織布が袋状をしており、熱可塑性樹脂又は接着剤を介して軸に接着されている請求項1乃至5のいずれかに記載の検体採取用具
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