JP2017015128A - 変速機のドグプレート取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機ケースの大きさを抑えつつ、変速機ケースに容易且つ適切にドグプレートを取り付ける。
【解決手段】変速のレンジを切替可能な副変速機60のリングギヤ64の回転を拘束するためのギヤが形成されたドグプレート71を有する変速機1のドグプレート取付構造において、ドグプレート71は、ピン91を嵌入可能な貫通孔72aが形成された取付部72を複数有し、ドグプレート71の一部の取付部71に嵌入されるピン91の一部分が圧入される固定穴101bが形成され、ピン91を介してドグプレート71を固定可能な固定部101を有するセンターケース2bと、センターケース2bと対向し、ドグプレート71の残りの取付部72に嵌入されるピン91の一部分が圧入される固定穴104aが形成され、ピン91を介してドグプレート71を固定可能な固定部104を有するリアケース2cと、を有するように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、変速機に関し、特に、変速のレンジを切り替える副変速機のリングギヤを変速機ケースに結合するためのドグプレートの取付構造に関する。
従来、変速のレンジを切り替えるための副変速機を備える変速機が知られている。副変速機は、例えば、サンギヤ、ピニオンギヤ、リングギヤ等を有する遊星歯車機構によって構成されている。
このような変速機においては、変速機ケースに固定されているドグプレートに、副変速機のリングギヤを結合することにより、変速のレンジを切り替えている。
ドグプレートを、ピンを用いて変速機ケースに取り付ける技術として、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。
特開2008−32164号公報
変速機ケースにドグプレートを固定する場合においては、複数の箇所においてピンにより固定する必要がある。このため、変速機ケースにピンを固定するための部位(ピン取付部位)を複数形成しておく必要がある。
変速機ケース内には、複数のギヤ、シャフト等の多くの構成が配置されるので、ピン取付部位を形成できる領域には制限がある。このため、必要な数のピン取付部位を変速機ケースにおいて確保することは困難であり、場合によっては、変速機ケースのサイズを大きくしなくては対応できないこともある。変速機ケースのサイズが大きくなると、製造コストの増大や、変速機の車両等への組み込みが困難になるなどの他の問題も発生する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、変速機ケースの大きさを抑えつつ、変速機ケースに容易且つ適切にドグプレートを取り付けることのできる技術を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の一観点に係る変速機のドグプレート取付構造は、変速機における変速のレンジを高速又は低速に切替可能な副変速機のリングギヤの回転を拘束するためのギヤが形成されたドグプレートを有する変速機のドグプレート取付構造であって、ドグプレートは、ピンを嵌入可能な貫通孔が形成された取付部を複数有し、ドグプレートの一部の取付部に嵌入されるピンの一部分が圧入される固定穴が形成され、ピンを介してドグプレートを固定可能な第1固定部を有する第1壁部と、第1壁部と対向し、ドグプレートの残りの取付部に嵌入されるピンの一部分が圧入される固定穴が形成され、ピンを介してドグプレートを固定可能な第2固定部を有する第2壁部と、を有する。
上記変速機のドグプレート取付構造において、第2固定部と重ね合わされる取付部を第1壁部に支持する支持部材をさらに有するようにしてもよい。
また、上記変速機のドグプレート取付構造において、支持部材は、第1壁部に存在する凸状部に固定されていてもよい。
また、上記変速機のドグプレート取付構造において、凸状部は、ギヤを支持するシャフトの端部であってもよい。
また、上記変速機のドグプレート取付構造において、支持部材は、円筒状の部材であってもよい。
本発明によると、変速機ケースの大きさを抑えつつ、変速機ケースに容易且つ適切にドグプレートを取り付けることができる。
本発明の一実施形態に係る機械式自動マニュアル変速機の概要を示す。 本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第1の一部分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第2の一部分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の一部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第1の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第2の部分断面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る機械式自動マニュアル変速機の概要を示す。
機械式自動マニュアル変速機(変速機という。)1は、インプットシャフト10と、インプットシャフト10と同軸に配置されたメインシャフト11と、メインシャフト11の出力側にメインシャフト11と同軸に配置された副変速機60と、インプットシャフト10及びメインシャフト11と平行に配置されたカウンタシャフト12及びリバースアイドラシャフト16と、を備えている。
インプットシャフト10には、インプットメインギヤ13が一体回転可能に設けられている。メインシャフト11には、入力側から順に、第1ハブ21、5速/9速メインギヤM5、3速/7速メインギヤM3、第2ハブ31、2速/6速メインギヤM2、1速メインギヤM1、第3ハブ41、リバースメインギヤMR、ガイドピース53、副変速機60のサンギヤ61が設けられている。5速/9速メインギヤM5、3速/7速メインギヤM3、2速/6速メインギヤM2、1速メインギヤM1、及びリバースメインギヤMRは、メインシャフト11に相対回転可能に設けられ、第1ハブ21、第2ハブ31、第3ハブ41、ガイドピース53、及びサンギヤ61はメインシャフト11に一体回転可能に設けられている。
副変速機60は、メインシャフト11の回転をハイ(高速)と、ロー(低速)の2つのレンジの何れかに切り替えてキャリア63(アウトプットシャフト)に伝達する。副変速機60は、例えば、遊星歯車機構により構成される。具体的には、副変速機60は、サンギヤ61と、サンギヤ61と噛合するようにサンギヤ61の周囲に配置された複数のプラネタリギヤ62と、プラネタリギヤ62と噛合する内歯が形成されたリングギヤ64と、複数のプラネタリギヤ62を回転可能に支持するキャリア63とを有する。キャリア63の出力側は、メインシャフト11と同軸の円柱状形状となっている。リングギヤ64の出力側は、キャリア63の円柱状形状の部分を取り囲み、キャリア63と相対回転可能な円環部65が形成されている。円環部65には、第4ハブ66が一体回転可能に設けられている。
メインシャフト11の内部には、軸方向に延び、潤滑油を流すための軸方向流路11aと、軸方向流路11aからメインシャフト11の外周面に径方向に延び、潤滑油を外周面の開孔(出口)から放出するための1以上の径方向流路11bが形成されている。径方向流路11bは、例えば、5速/9速メインギヤM5、3速/7速メインギヤM3、2速/6速メインギヤM2、1速メインギヤM1、リバースメインギヤMR、及びガイドピース53のそれぞれの内周面に対向する位置に設けられている。
カウンタシャフト12には、入力側から順に、インプットメインギヤ13と噛合するインプットカウンタギヤ14、5速/9速メインギヤM5と噛合する5速/9速カウンタギヤC5、3速/7速メインギヤM3と噛合する3速/7速カウンタギヤC3、2速/6速メインギヤM2と噛合する2速/6速カウンタギヤC2、1速メインギヤM1と噛合する1速カウンタギヤC1、リバースメインギヤMRと噛合する後述するアイドラギヤ17と噛合するリバースカウンタギヤCRが設けられている。インプットカウンタギヤ14、5速/9速カウンタギヤC5、3速/7速カウンタギヤC3、2速/6速カウンタギヤC2、1速カウンタギヤC1、及びリバースカウンタギヤCRは、カウンタシャフト12に一体回転可能に設けられている。カウンタシャフト12の出力側には、カウンタシャフト12の回転を制動するためのカウンタシャフトブレーキ15が設けられている。
リバースアイドラシャフト16には、アイドラギヤ17が相対回転可能に設けられている。アイドラギヤ17は、リバースカウンタギヤCRと、リバースメインギヤMRと噛合している。
第1ハブ21には、回転不能且つ軸方向に移動可能に第1スリーブ22が取り付けられている。なお、第1スリーブ22と、インプットメインギヤ13及び5速/9速メインギヤM5のそれぞれに固定されている図示しないドグギヤとのそれぞれの間にシンクロナイザリングが介装されていてもよい。第1スリーブ22の外周凹溝には、第1スリーブ22を軸方向に移動させる図示しないシフトフォークが係合されている。
第1スリーブ22が図中矢印A方向に移動してインプットメインギヤ13のドグギヤとスプライン噛合すると、インプットシャフト10とメインシャフト11とが直結されて動力が伝達される。この結果、副変速機60のレンジがローに設定されている場合には、キャリア63は、4速相当で回転し、副変速機60のレンジがハイに設定されている場合には、キャリア63は、8速相当で回転する。
第1スリーブ22が図中矢印B方向に移動して5速/9速メインギヤM5に接続されているドグギヤとスプライン噛合すると、インプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、5速/9速カウンタギヤC5、5速/9速メインギヤM5、を介してメインシャフト11に動力が伝達される。この結果、副変速機60のレンジがローに設定されている場合には、キャリア63は、5速相当で回転し、副変速機60のレンジがハイに設定されている場合には、キャリア63は、9速相当で回転する。
第2ハブ31には、回転不能且つ軸方向に移動可能に第2スリーブ32が取り付けられている。なお、第2スリーブ32と、3速/7速メインギヤM3及び2速/6速メインギヤM2のそれぞれに固定されている図示しないドグギヤとのそれぞれの間にシンクロナイザリングが介装されていてもよい。第2スリーブ32の外周凹溝には、第2スリーブ32を軸方向に移動させる図示しないシフトフォークが係合されている。
第2スリーブ32が図中矢印A方向に移動して3速/7速メインギヤM3に接続されているドグギヤとスプライン噛合すると、インプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、3速/7速カウンタギヤC3、3速/7速メインギヤM3を介して動力がメインシャフト11に伝達される。この結果、副変速機60のレンジがローに設定されている場合には、キャリア63は、3速相当で回転し、副変速機60のレンジがハイに設定されている場合には、キャリア63は、7速相当で回転する。
第2スリーブ32が図中矢印B方向に移動して2速/6速メインギヤM2に接続されているドグギヤとスプライン噛合すると、インプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、2速/6速カウンタギヤC2、2速/6速メインギヤM2を介して、メインシャフト11に動力が伝達される。この結果、副変速機60のレンジがローに設定されている場合には、キャリア63は、2速相当で回転し、副変速機60のレンジがハイに設定されている場合には、キャリア63は、6速相当で回転する。
第3ハブ41には、回転不能且つ軸方向に移動可能に第3スリーブ42が取り付けられている。なお、第3スリーブ42と、1速メインギヤM1及びリバースメインギヤMRのそれぞれに固定されている図示しないドグギヤとのそれぞれの間にシンクロナイザリングが介装されていてもよい。第3スリーブ42の外周凹溝には、第3スリーブ42を軸方向に移動させる図示しないシフトフォークが係合されている。
第3スリーブ42が図中矢印A方向に移動して1速メインギヤM1に接続されているドグギヤとスプライン噛合すると、インプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、1速カウンタギヤC1、1速メインギヤM1を介して動力がメインシャフト11に伝達される。本実施形態の変速機1では、1速の変速段が選択される場合には、副変速機60のレンジは、一方のレンジ(例えば、ローのレンジ)に固定的に設定されるようになっているので、キャリア63は、1速相当で回転する。
第3スリーブ42が図中矢印B方向に移動してリバースメインギヤMRに接続されているドグギヤとスプライン噛合すると、インプットメインギヤ13、インプットカウンタギヤ14、リバースカウンタギヤCR、アイドラギヤ17、リバースメインギヤMRを介して、メインシャフト11に動力が伝達される。本実施形態の変速機1では、後退(リバース)の変速段が選択される場合には、副変速機60のレンジは、一方のレンジ(例えば、ローのレンジ)に固定的に設定されるようになっているおり、キャリア63は、逆回転する。
第4ハブ66には、回転不能且つ軸方向に移動可能に第4スリーブ67が取り付けられている。なお、第4スリーブ67と、ドグプレート71のドグギヤ及びキャリア63に固定されているドグギヤとのそれぞれの間にシンクロナイザリングが介装されていてもよい。第4スリーブ67の外周凹溝には、第4スリーブ67を軸方向に移動させる図示しないシフトフォークが係合されている。
第4スリーブ67が図中矢印A方向に移動して、変速機ケース2(例えば、センターケース2b)に固定されているドグプレート71のドグギヤとスプライン噛合すると、リングギヤ64が変速機ケース2に固定され、副変速機60の状態がローのレンジとなる。すなわち、副変速機60によって、メインシャフト11が回転すると、キャリア63は1より大きい減速比で回転する。
一方、第4スリーブ67が図中矢印B方向に移動して、キャリア63に固定されている図示しないドグギヤとスプライン噛合すると、リングギヤ64と、キャリア63とが一体回転するように固定されて、副変速機60の状態がハイのレンジとなる。すなわち、副変速機60によって、メインシャフト11とキャリア63とが直結される。
変速機1においては、基本的には、インプットシャフト10の入力側端部と、キャリア63の出力側端部とを除いて、変速機ケース2(フロントケース2a、センターケース2b、リアケース2c等)内に収容される。変速機ケース2の内部には、各部を潤滑させるための潤滑油が供給されている。
変速機ケース2の底部近傍には、底部に貯留している潤滑油を吸引するためのオイルパイプ80が配置されている。オイルパイプ80は、図示しないオイルポンプに接続されており、オイルパイプ80を介して吸引された潤滑油は、例えば、メインシャフト11の軸方向流路11aに供給される。
次に、変速機1のドグプレート取付構造100について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第1の一部分解斜視図である。図2は、図1における矢印B方向側から、リアケース2c、ドグプレート71、第4ハブ66等を取り除いた変速機1を見た状態を示している。
変速機1のセンターケース2b(第1壁部)は、ドグプレート71と接触し、固定するための複数の固定部101(図2では、1つの固定部101のみを示す。)を有する。固定部101には、ドグプレート71と接触する接触面101aと、ドグプレート71を固定するピン91(図3参照)を圧入するための固定穴101bとが形成されている。
ドグプレート取付構造100は、カラー90(支持部材の一例)を有する。カラー90は、略円筒状の部材である。カラー90の一端には、リバースアイドラシャフト16の矢印B方向側の端部が嵌入される嵌入部90cが形成され、他端には、ドグプレート71と接触する接触面90bと、ピン91の端部が嵌め込まれる嵌め込み部90dとが形成されている。カラー90の長さは、嵌入部90cにリバースアイドラシャフト16の矢印B方向側の端部が嵌入された場合に、接触面90bが固定部101の接触面101aと同一平面上となる長さとなっている。カラー90の一端側の外周部には、リバースアイドラシャフト16の矢印B方向側の端部を嵌入させる際に、ベアリングリテーナ52と接触することを防止するための切欠き部90aが形成されている。この切欠き部90aは、カラー90が軸を中心に回転することを抑止する。
図3は、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第2の一部分解斜視図である。(a)は、ドグプレート71を固定するためのピン91を示し、(b)は、ドグプレート71を示し、(c)は、図2に示す状態において、カラー90をリバースアイドラシャフト16の矢印B方向側の端部に取り付けた状態を示す。図4は、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の一部の斜視図である。
ドグプレート取付構造100は、(a)に示すように、ドグプレート71をセンターケース2b又はリアケース2cに固定するための複数のピン91を有する。ピン91は、円筒状の部材である。ピン91の外径は、ドグプレート71、センターケース2b、リアケース2cに圧入されることにより固定される長さ(例えば、圧入される部分の径よりもわずかに長い長さ)となっている。ピン91のセンターケース2b又はリアケース2cに圧入される側の外周面には、圧入しやすいように面取りが行われた面取り部91aが形成されている。また、ピン91の内周面の一部には、ねじ溝91b(図5参照)が形成されている。
センターケース2bは、(c)に示すように、キャリア63の周囲に複数(図3では、3つ)の固定部101を有する。リバースアイドラシャフト16の矢印B方向側の端部に取り付けられたカラー90の接触面90bは、固定部101の接触面101aと同一平面上となっている。
ドグプレート71は、(b)に示すように、ピン91が嵌入される嵌入孔(貫通孔)72aが形成された、複数(図3では、4つの)の取付部72を有する。取付部72は、センターケース2bの固定部101の接触面101a又はカラー90の接触面90bに重ね合わされた状態にされる。このため、センターケース2bの固定部101の接触面101a及びカラー90の接触面90bと、ドグプレート71の各取付部72とは、適切な位置関係で重なるように形成されている。
変速機1を組み立てる際には、(c)に示す状態において、ドグプレート71の中央の貫通穴71aにキャリア63を挿入して、ドグプレート71の取付部72が、センターケース2bの固定部101の接触面101a及びカラー90の接触面90bに重なるようにする。これにより、センターケース2bの固定部101の固定穴101bと、ドグプレート71の取付孔72aとが適切に連通する。
次いで、固定部101の接触面101a上に載置されたドグプレート71の取付孔72aに対して、ピン91を嵌入する。これにより、ピン91は、ドグプレート71の取付孔72aと、それに連通する固定穴101bとに圧入される。この結果、ドグプレート71を、ピン91を介して、センターケース2bに適切に固定することができる。
一方、カラー90の接触面90b上に載置されたドグプレート71の取付孔72aに対して、ピン91を嵌入する。なお、この場合には、ピン91のAB方向の向きを逆にしてドグプレート71の取付孔72aに対して嵌入する。これにより、ピン91は、ドグプレート71の取付孔72aに嵌入され、ピン91がカラー90の嵌め込み部90dに嵌め込まれる。
この結果、変速機1においては、図4に示すように、ドグプレート71の3つの取付部72(固定部101の接触面101aに重ね合わされた取付部72)において、ドグプレート71がピン91によりセンターケース2bに固定され、残りの1つの取付部72(カラー90の接触面90bに重ね合わされた取付部72)において、ピン91が固定されて矢印B方向に突出した状態となる。なお、後述するが、ピン91の突出した部分は、リアケース2c(第2壁部)に圧入されることとなる。
図4に示す状態となった以降の変速機1の組み立て工程においては、第4ハブ66等の構成が取り付けられ、その後、センターケース2bに対して、リアケース2cが組み付けられる作業が行われる。
次に、センターケース2bに対して、リアケース2cが組み付けられた状態におけるドグプレート取付構造100を説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第1の部分断面図である。図5は、センターケース2bに対して、リアケース2cが組み付けられた状態における、固定部101の接触面101aに重ね合わされたドグプレート71の取付部72の周辺の断面図を示す。
センターケース2bと、リアケース2cとは、ねじ孔102に図示しないボルトを螺合することにより、組み付けられている。
センターケース2bの固定穴101b及びドグプレート71の取付孔72aに対して、ピン91が圧入されており、ドグプレート71は、センターケース2bに対して、ピン91を介して固定されている。また、ドグプレート71は、センターケース2bと、リアケース2cとにより挟持されている。ピン91は、リアケース2cの貫通穴103を介して挿入された図示しないボルトによって固定されている。
図6は、本発明の一実施形態に係る変速機のドグプレート取付構造の第2の部分断面図である。図6は、センターケース2bに対して、リアケース2cが組み付けられた状態における、カラー90の接触面90bに重ね合わされたドグプレート71の取付部72の周辺の断面図を示す。
センターケース2bと、リアケース2cとは、ねじ孔105に図示しないボルトを螺合することにより、組み付けられている。
カラー90は、リバースアイドラシャフト16に取り付けられている。カラー90の接触面90bにドグプレート71の取付部72が重ね合わされている。ドグプレート71の取付部72の取付孔72aに、ピン91が嵌入され、ピン91の矢印A方向側の端部は、カラー90の嵌め合わせ部90dに取り付けられている。ピン91の矢印B方向側の部分は、リアケース2cに形成された固定部104の固定穴104aに圧入されている。これにより、ドグプレート71は、リアケース2cに対して、ピン91を介して固定されている。また、ドグプレート71は、センターケース2bと、リアケース2cとにより挟持されている。
以上説明したように、本実施形態に係る変速機1のドグプレート取付構造によると、ドグプレート71の取付部72を固定するための固定穴101bをセンターケース2b側に備えられる部分に対しては、ドグプレート71をセンターケース2bと固定するようにし、センターケース2b側に固定穴を備えられない部分に対しては、リアケース2c側に固定穴104aを用意することにより、ドグプレート71をリアケース2cに強固に固定するようにすることができる。したがって、ドグプレート71を変速機ケース2に強固に固定することができる。また、センターケース2b側にすべての取付部72に対応する固定穴を用意する必要がないので、変速機ケース2を比較的小さいサイズとすることができる。また、すべての固定穴をセンターケース2b側で用意するという制約がなくなるので、ドグプレート71の取付部72の配置に対する制約が減り、ドグプレート71のサイズを小さくすることができる。
また、円筒状のカラー90を用いてドグプレート71の取付部72を支持するようにしているので、重量の増加を抑制することができ、適切にドグプレート71を所望の位置に配置して、ピン91をリアケース2cに適切に圧入することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、カラー90をバースアイドラシャフト16の端部に固定するようにしていたが、本発明はこれに限られず、センターケース2bの別の凸状部に対してカラー90を固定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ドグプレート71を固定するために1か所の取付部72を固定するピン91のみをリアケース2c側に圧入するようにしていたが、2か所以上の取付部72を固定するそれぞれのピン92をリアケース2cに圧入するようにしてもよい。
1 変速機
2 変速機ケース
2a フロントケース
2b センターケース
2c リアケース
10 インプットシャフト
11 メインシャフト
12 カウンタシャフト
13 インプットメインギヤ
14 インプットカウンタギヤ
16 リバースアイドラシャフト
17 アイドラギヤ
21 第1ハブ
22 第1スリーブ
31 第2ハブ
32 第2スリーブ
41 第3ハブ
42 第3スリーブ
51 ベアリング
52 ベアリングリテーナ
60 副変速機
61 サンギヤ
62 プラネタリギヤ
63 キャリア
64 リングギヤ
66 第4ハブ
67 第4スリーブ
71 ドグプレート
72 取付部
72a 嵌入孔
90 カラー
91 ピン
101 固定部
101a 接触部
101b 固定穴
104 固定部
104a 固定穴
M1 1速メインギヤ
M2 2速/6速メインギヤ
M3 3速/7速メインギヤ
M5 5速/9速メインギヤ
MR リバースメインギヤ
C1 1速カウンタギヤ
C2 2速/6速カウンタギヤ
C3 3速/7速カウンタギヤ
C5 5速/9速カウンタギヤ
CR リバースカウンタギヤ

Claims (5)

  1. 変速機における変速のレンジを高速又は低速に切替可能な副変速機のリングギヤの回転を拘束するためのギヤが形成されたドグプレートを有する変速機のドグプレート取付構造であって、
    前記ドグプレートは、ピンを嵌入可能な貫通孔が形成された取付部を複数有し、
    前記ドグプレートの一部の前記取付部に嵌入される前記ピンの一部分が圧入される固定穴が形成され、前記ピンを介して前記ドグプレートを固定可能な第1固定部を有する第1壁部と、
    前記第1壁部と対向し、前記ドグプレートの残りの前記取付部に嵌入される前記ピンの一部分が圧入される固定穴が形成され、前記ピンを介して前記ドグプレートを固定可能な第2固定部を有する第2壁部と、
    を有する変速機のドグプレート取付構造。
  2. 前記第2固定部と重ね合わされる前記取付部を前記第1壁部に支持する支持部材をさらに有する
    請求項1に記載の変速機のドグプレート取付構造。
  3. 前記支持部材は、前記第1壁部に存在する凸状部に固定されている
    請求項2に記載の変速機のドグプレート取付構造。
  4. 前記凸状部は、ギヤを支持するシャフトの端部である
    請求項2に記載の変速機のドグプレート取付構造。
  5. 前記支持部材は、円筒状の部材である
    請求項2から請求項4の何れか一項に記載の変速機のドグプレート取付構造。
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