JP2017014800A - 床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント - Google Patents

床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント Download PDF

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Abstract

【課題】エキスパンションジョイントの床面部材と内壁面部材が相互に干渉しあうことなく円滑に可動する床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供する。
【解決手段】エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動により交錯する部分の床面部材を常に平面形状に保ち、地震により突出したりしない構成にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震建物と非免震建物との躯体間に設けられたクリアランス(間隙部)を覆うエキスパンションジョイント床部材とエキスパンションジョイント内壁面を構成するエキスパンションジョイントに関するものであり、特に、本発明は、地震発生時において上記建物間に設けられたクリアランス部における可動の方向性を重視した床面部材と内壁面部材にて構成されるエキスパンションジョイント部材に関するものである。
而して、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランス(間隙部)に設置される床面部材と内壁面部材にて構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時において相互に連動して可動する場合に対応して床面部材と内壁面部材の連動可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床面部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材を相互に破損させることなく円滑可動でき、地震時の揺れに対応可能な床面部材と内壁面部材からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
エキスパンションジョイントにおける可動の方向性については、地盤に対して水平方向の動きでクリアランスの拡大収縮方向の動きを示す水平X方向変位と、地盤に対して水平方向の動きでクリアランスに対してスライド方向の動きを示す水平Y方向変位、及び地盤に対して垂直方向の動きを示す垂直Z方向変位がある。
従って、免震建物のエキスパンションジョイントにおいては、特に、建物が地震可動時に前記水平X方向変位と水平Y方向変位を生じることに対する地震対応策が最重要事項であり、垂直Z方向変位に関しては、対向して建てられた建築物が不同沈下などの理由で地盤に対して垂直方向の動きをすることに起因するものであることから、床面部材と内壁面部材を構成するエキスパンションジョイントに関しては、水平X方向変位と水平Y方向変位に対して床面部材と内壁面部材とが円滑に連動し、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が互に緩衝して破損することなく連動して可動可能なエキスパンションジョイントの開発が必要になってきた。
即ち、免震建物と非免震建物間に形成されるクリアランス(間隙部)は、屋根部や天井部、外壁部や内壁部、そして、人や車の出入り部分に設けられる床部等があり、夫々の間隙部に設置されるエキスパンションジョイントは、設置場所により独自の構造を有して建物間の相互移動に対応するクリアランスを確保すると同時に、該クリアランスを覆い免震建物と非免震建物間に設置されて地震時の相互可動に対応できるエキスパンションジョイントが必要不可欠となる。
斯くして、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランス部分に設置される床面部材と内壁面部材にて構成されるエキスパンションジョイントに関するものである。
床面部材と内壁面部材から構成されるエキスパンションジョイントにおいて、最近は免震化の影響で免震建物と非免震建物との躯体間のクリアランス(間隙部)は広がる傾向があり、前記躯体間のクリアランス部分に設置されるエキパンジョイント部材は、躯体間のクリアランス部分をジョイント用目地カバー部材(以下、目地カバー部材と称する)にて覆い、該目地カバー材は地震時における躯体間の大きな変形に対応できることが要求されている。
また、本発明の床面エキパンジョイント部材、及び内壁面エキパンジョイント部材は、互いに隣接して設けられることから地震可動時において、互いに連動して相互に衝突し、破損させることなく床面部材と内壁面部材が連動して可動するエキスパンションジョイントを提供することが重要であり、通常時に左右の床目地カバー部材からなる床面エキスパンションジョイント面において左右の床面と目地カバー部材とが同一面上に配置されるように設置できること、並びに、地震可動時において床面の目地カバー部材が収縮した場合には、目地カバー部材の先端部が他の目地カバーの下部にスライド移動して挿入されることにより、他の目地カバープレートを上部にせり上げて建物間のクリアランス(間隙部)が最小限までにも収縮した場合においても対応できることが要求される。
而して、従来の床面エキスパンションジョイント部材として、地震可動時における動作方向が、免震建物と非免震建物が形成する躯体のクリアランス部において水平X方向変位(Xスライド方向)への動作のみに単純化したと云う免震エキスパンションジョイント床部材の滑動措置が、特開2009−102974号公報(以下、特許文献1と称する)に記載されている。
特許文献1は、目地部の幅寸法が目地部の約二倍の幅寸法を有することで設置可能とする床目地装置(床面エキスパンションジョイント)であり、床目地部において目地寸法分だけが伸縮して揺れ動きを確実に吸収する床目地装置を提供するものであるとしている。
然しながら、特許文献1のような片側支持による目地カバー部材の固定構造を採用し、目地部の幅寸法の約二倍の幅寸法を確保することで設置可能で目地寸法分だけ伸縮する揺れ動きを吸収する床目地装置では、目地カバー部材の揺れ動きを吸収するクリアランスL方向の動きが非常に小さく実用的な目地装置ではない。従って、特許文献1においては、目地部の幅寸法、即ち、クリアランスLが大きな目地装置を必要とする場合に、他方の目地プレート(17)や一方の目地プレート(20)の下部に伸縮可能な目地プレート支持体(16)を設けて、水平X方向変位に対応しているものの、目地部の厚さが厚くなることや装置が複雑化することからクリアランスに対してスライド方向の動きを同時に加えた水平Y方向変位にも対応する目地装置とするには、連動して可動する内壁用目地装置との組合せ構造をも考慮しなくてならず、この点が大きな欠点となっている。
また、特許文献1の床目地装置では、目地部(クリアランスL)が狭くなった場合の動作説明図(図21)に記載された一方の目地プレート(20C)や、動作説明図(図26)に記載された一方の目地プレート(20D)等の如く他方の目地プレート(17B)の下部への侵入によりせり上がりが大きく上方に突出される動作をすることがあり、この動作中に水平Y方向変位の動きが加わると前記内壁用目地装置が床目地装置に衝突して互いに破損してしまう欠点があり、特許文献1の発明は、水平X方向変位(Xスライド方向)の可動のみを考え、水平Y方向変位(Yスライド方向)の動作を考慮していない実現性のない床目地用エキスパンションジョイントである。
特開2009−102974
本発明は、地震発生時において建物間に設けられたクリアランス(間隙部)における可動の方向性を重視した床面と内壁面を構成するエキスパンションジョイントに関するものである。
そして、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランスに設置される床面部材と内壁面部材とで構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時において相互に連動して可動する場合に対応し床面部材と内壁面部材との相互可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床面部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材が互に衝突して破損することなく円滑可動でき、地震時の揺れにおける水平X方向変位(Xスライド方向)と水平Y方向変位(Yスライド方向)にも対応可能な床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
本発明は、建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う床用エキスパンションジョイントにおいて、該建物Aと建物Bとの躯体間上面には夫々形状の異なる凹部形状面を構成し、該建物A側に設けられた凹部形状面には比較的幅が狭く前記クリアランスを覆うことがない上下動可能な第一の目地カバー部材が設置されており、また前記建物Bの凹部形状面には幅広の第二の目地カバー部材が設置されており、該第二の目地カバー部材は建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆い建物B側の凹部形状面縁部では第二の目地カバー部材の片側を水平Y方向変位に対応してYスライド方向に摺動可能な摺動溝に嵌合しており、該第二の目地カバー部材の建物A側方向の動きは第二の目地カバー部材の先端部をもって前記第一の目地カバー部材を上部方向にせり上げ第一の目地カバー部材と第二の目地カバー部材が重なり合うことで前記クリアランスの収縮方向に可動する地震の揺れに対応できる構成となし、前記建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う内壁面のエキスパンションジョイントは建物Aの内壁面を形成する第一の目地カバー部材の幅より大き目で前記クリアランスを覆うことのない巾を有する固定内壁面を建物A側の凹部形状面より立ち上げて形成し、前記建物B側の内壁面を形成する第二の目地カバー部材側の内壁面には片側端部を建物Bの壁面に取付けられ前記建物A側に設けられた固定内壁面にスライド移動して建物Aと建物Bの壁面クリアランスの可動に対応できるスライド内壁面を設け、該スライド内壁面の下部には前記第二の目地カバー部材との取合い面においてスライド内壁面の下部と第二の目地カバー部材の上面に隙間部を設けて第二の目地カバー部材の水平Y方向変位に対応したYスライド方向の可動を規制しないように構成した床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントである。
また、本発明において、前記水平X方向変位に対応したXスライド方向の可動を可能にした構成は、第一の目地カバー部材の幅寸法が第二の目地カバー部材の約二分の一寸法を有し、該第一の目地カバー部材は第二の目地カバー部材の先端部を第一の目地カバー部材の下部に重ねることによりXスライド方向の幅広い可動を可能にした床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
更にまた、本発明において、第一の目地カバー部材の幅寸法は、該第一の目地カバー部材の両側壁側に設けられた固定内壁面内に収まる幅寸法に構成することにより常に建物Aの動きに同調し水平Y方向変位に対応してYスライド方向の可動を可能にした床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
斯くして、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランスに設置される床面部材と内壁面部材とで構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時に相互に連動して可動する場合において前記床面部材と内壁面部材の相互間の可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床面部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材が互に衝突して破損することなく円滑に可動でき、地震時の揺れにおける水平X方向変位(Xスライド方向)と水平Y方向変位(Yスライド方向)に対応して可動可能な床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
また、本発明は、地震発生時において建物間に設けられたクリアランス(間隙部)における床面部材と内壁面部材の同時可動の方向性を重視した実用性のある床面と内壁面を構成するエキスパンションジョイントを提供することが可能となり、エキスパンションジョイントの床面部材と内壁面部材との納まりは、非常に狭いスライド内壁下部の間隙を有するのみの構成となることから、意匠的にシンプルで大変きれいな納まりを提供することができる。
本発明の実施形態を説明する側断面図(通常時)。 (A)図1のa−a拡大図。(B)図1のb−b拡大図。(C)図1のc−c拡大図。 図1の要部斜視説明図。 図1の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが奥行方向にスライド移動した場合を示す。 図1の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが手前方向にスライド移動した場合を示す。 地震可動時に躯体間のクリアランスが最少になった状態を示す側断面図。 図6の要部斜視説明図。 図6の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが奥行方向にスライド移動した場合を示す。 図6の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが手前方向にスライド移動した場合を示す。 地震可動時に躯体間のクリアランスが最大になった状態を示す側断面図。 図10の要部斜視説明図。 図10の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが奥行方向にスライド移動した場合を示す。 図10の水平Y方向変位動作を示す斜視図で建物Bが手前方向にスライド移動した場合を示す。
本発明は、免震建物と非免震建物との躯体間に設けられたクリアランス(間隙部)を覆うエキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材を構成するエキスパンションジョイントに関するものであり、本発明は、地震発生時において上記建物間に設けられたクリアランス部における可動の方向性を重視した床面部材と内壁面部材にて構成されるエキスパンションジョイントに関するものである。
また、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランス(間隙部)に設置される床面部材と内壁面部材にて構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時において相互に連動して可動する場合に対応して床面部材と内壁面部材の連動可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床面部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材が互に衝突して破損することなく円滑可動でき、地震時の揺れに対応可能な床面部材と内壁面部材からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
斯くして、本発明は、建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う床用エキスパンションジョイントにおいて、該建物Aと建物Bとの躯体間上面には夫々形状の異なる凹部形状面を構成し、該建物A側に設けられた凹部形状面には比較的幅が狭く前記クリアランスを覆うことがない上下動可能な第一の目地カバー部材が設置されており、また前記建物Bの凹部形状面には幅広の第二の目地カバー部材が設置されており、該第二の目地カバー部材は建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆い建物B側の凹部形状面縁部では第二の目地カバー部材の片側を水平Y方向変位に対応してYスライド方向に摺動可能な摺動溝に嵌合し、該摺動溝に嵌合した第二の目地カバー部材はその端部を摺動溝に嵌合することにより固定されており水平X方向変位に対応したXスライド方向への可動は建物A側方向への動きのみに規制され、該第二の目地カバー部材の建物A側方向の動きは第二の目地カバー部材の先端部をもって前記第一の目地カバー部材を上部方向にせり上げ第一の目地カバー部材と第二の目地カバー部材が重なり合うことで前記クリアランスの収縮方向に可動する地震の揺れに対応できる構成となし、前記建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う内壁面のエキスパンションジョイントは建物Aの内壁面を形成する第一の目地カバー部材の幅より大き目で前記クリアランスを覆うことのない巾を有する固定内壁面を建物A側の凹部形状面より立ち上げて形成し、前記建物B側の内壁面を形成する第二の目地カバー部材側の内壁面には片側端部を建物Bの壁面に取付けられ前記建物A側に設けられた固定内壁面にスライド移動して建物Aと建物Bの壁面クリアランスの可動に対応できるスライド内壁面を設け、該スライド内壁面の下部には前記第二の目地カバー部材との取合い面においてスライド内壁面の下部と第二の目地カバー部材の上面に隙間部を設けて第二の目地カバー部材の水平Y方向変位に対応したYスライド方向の可動を規制しないように構成することが好ましい。
また、本発明において、前記水平X方向変位に対応したXスライド方向の可動を可能にした構成は、第一の目地カバー部材の幅寸法が第二の目地カバー部材の約二分の一寸法を有し、該第一の目地カバー部材は第二の目地カバー部材の先端部を第一の目地カバー部材の下部に重ねることによりXスライド方向の可動を大幅に大きくした床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントであることが好ましい。
更にまた、本発明において、第一の目地カバー部材の幅寸法は、該第一の目地カバー部材の両側壁側に設けられた固定内壁面内に収まる幅寸法となし常に建物Aの動きに同調し水平Y方向変位に対応してYスライド方向の可動を可能にした第一の目地カバー部材を有していることが好ましい。
そして、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランスに設置される床面部材と内壁面部材とで構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床面部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時において互に連動して可動する場合に対応して、床面部材と内壁面部材との相互間の可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床面部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材が互に衝突して破損することなく円滑可動でき、地震時の揺れにおける水平X方向変位(Xスライド方向)と水平Y方向変位(Yスライド方向)に対応可能な床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
図1乃至図5は本発明の実施の形態を説明する床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント説明図を示すもので、図1乃至図4は通常時(設置時の状態図)の床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントの状態図で、図1は側断面図、図2(A)は図1におけるa−a拡大図、図2(B)は図1におけるb−b拡大図、図2(C)は図1におけるc−c拡大図を示しており、図3は図1における要部斜視説明図を示している。そして、図5は、図1の水平Y方向変位動作図で建物Bが図上で奥行方向に可動した場合を示す斜視説明図、図6は、図1の水平Y方向変位動作図で建物Bが図上で手前方向に可動した場合を示す斜視説明図である。
図1乃至図5において、例えば建物Aは非免震建物、建物Bは免震建物となし、建物Aの躯体1と建物Bの躯体2の間にはクリアランス(間隙部)C1が設けられており、該建物Aと建物Bとの躯体1と躯体2間の上面には夫々形状の異なる建物A側の凹部形状面3と建物B側の凹部形状面4が設けられている。そして、建物A側の凹部形状面3上には、滑性の良い金属材料からなるベース基板5が載設されており、更に、建物A側に設けられたベース基板5上には、比較的幅の狭い目地カバー幅W1を有して前記クリアランスC1を覆わない形態で第一の目地カバー部材6が設置されており、前記建物B側の凹部形状面4と建物A側の凹部形状面3上のベース基板5間には幅広の目地カバー幅W2を有する第二の目地カバー部材7が載架されていて建物A側の床面8から略同一面上に第一の目地カバー部材6とクリアランスC1を覆う第二の目地カバー部材7により建物B側の床面9と連繋されるエキスパンション床面部材10を形成している。
また、図1において、11は建物A側に設けられた固定内壁で、建物Aと地震時に一緒に可動するもので、該固定内壁11はエキスパンションジョイント内壁面部材12の固定側内壁面を構成しており、また、該固定内壁11は前記建物Aのエキパンジョイント床面部材10を形成する第一の目地カバー部材6の目地カバー幅W1より大きく構成され、前記クリアランスC1側に突出しているが、クリアランスC1を跨ぐことはない壁巾を有する固定内壁11で、該固定内壁11は、建物A側の凹部形状面3より立ち上げて形成されている。
更に、図1におけるエキスパンションジョイント内壁面部材12の建物B側には、通路用内壁13に対して摺動自在に取付けられたL字形状の平断面を有するスライド可動内壁14が設けられており、該スライド可動内壁14の先端部は前記建物A側に設けられた固定内壁11の当接用目地材15(図3に示す)に当接して目地部16を形成している。そして、スライド可動内壁14は、地震時において通路用内壁13の内側をスライドして建物Aと建物B間の壁面クリアランスL1に沿って可動可能に対応できるスライド可動内壁14であり、該スライド可動内壁14の下部には前記第二の目地カバー部材7との取合い面においてスライド可動内壁14の下部と第二の目地カバー部材7の上面にスライド用隙間部17を設けて、第二の目地カバー部材7のY方向変位となるYスライド方向への可動が(この動きは図4、図5にて説明)できるように構成されている。
而して、図2(A)は図1におけるa−a拡大図を示しており、図2(A)は、前記建物A側の床面8から目地板18、そして、第一の目地カバー部材6の端部を拡大しており、図において8は建物A側の床面、19は凹部形状面3の縁部に設けられた傾斜縁枠、18は目地板、6は第一の目地カバー部材であり、該第一の目地カバー部材6上にはカーペット等を貼着した床仕上げ材20が設置されており、前記第一の目地カバー部材6の建物A側端部には、凹部形状面3の縁部に設けられた傾斜を有する傾斜縁枠19に対向して設けられた端部プレート21に固定されたカム部材22と、前記端部プレート21に丁番23にて回動可能に取付けられた目地板18が設けられており、前記第一の目地カバー部材6は、第二の目地カバー部材7に押圧された時、矢印24方向に移動してカム部材22が傾斜縁枠19の上面にて押し上げられ、第一の目地カバー部材6を上部にせり上げる動作をする(この動作は図6乃至図9にて説明する)。
尚、図2(A)の25は第一の目地カバー部材6の外周部を構成する外周枠で、該外周枠25には第一の目地カバー部材6を通常時に位置固定するための固定用ピン26a、26b、26c・・・が任意間隔をもって固着されている。固定用ピン26a、26b、26c・・・の上部は夫々前記外周枠25に固着されており固定用ピン26a、26b、26c・・・の下部は、ベース基板5に穿設された傾斜孔27a、27b、27c・・・が植設されていて、前記第一の目地カバー部材6が第二の目地カバー部材7に押圧され矢印24方向に移動した場合にカム部材22を有する第一の目地カバー材6を傾斜縁枠19にてせり上げ、第一の目地カバー部材6を上部に押し上げる動作をすると前記固定用ピン26a、26b、26c・・・がベース基板5に穿設された傾斜孔27a、27b、2c・・・内を上方移動するので、前記第一の目地カバー部材6は傾斜縁枠19に沿って第一の目地カバー部材6を上部に押し上げる動作をするものである。
また、図2(B)のb−b拡大図は、第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7の先端部が、前記建物A側のベース基板5上で対向する部分の拡大図で、第一の目地カバー部材6には、カーペット等を貼着した床仕上げ材20が設けられており、該第一の目地カバー部材6には端部プレート28にビス止め固定されたカム部材29と、その端部プレート28に丁番30にて回動可能に取付けられた目地板31が設けられている。また、床仕上げ材20を貼着した第二の目地カバー部材7の先端部には、第一の目地カバー部材6に固定されたカム部材29に対向して設けられた傾斜縁枠32が設けられており、前記第二の目地カバー部材7はXスライド方向の移動、即ち、矢印24の方向に可動可能で水平X方向変位に対応でき、第二の目地カバー部材7が図において左方向に水平移動した場合には、前記第二の目地カバー部材7の先端部に設けられた傾斜縁枠32上にカム部材29をせり上げて第一の目地カバー部材6を上部に押し上げ、第一の目地カバー部材6の下部に重なりあう動作をして、クリアランスC1の収縮に対応することになる。
次に、図2(C)のc−c拡大図は、第二の目地カバー部材7の建物B側の端部を説明するもので、カーペット等を仕上げ材20として貼着している第二の目地カバー部材7の先端上部には目地板33が建物B側の床面9方向に突出して設けられており、該目地板33の下部にはスライド用ガイド部材34が設けてあり、該スライド用ガイド部材34は、前記建物B側の凹部形状面4上に設けられた位置調整架台35上に設置されたスライド機構内蔵の摺動溝36に嵌合され、該摺動溝36に嵌合した第二の目地カバー部材7は、その端部がスライド用ガイド部材34を介して摺動溝36に嵌合することにより、クリアランスC1の水平X方向変位に対応したXスライド方向の移動、即ち、Xスライド方向の矢印37の方向の可動と、水平Y方向変位に対応したYスライド方向の矢印38にて示す可動を可能にしている(図2(C)においては、奥行き方向又は手前方向の動きへの可動)。
図3は、図1の要部斜視説明図であり、39は建物Aの躯体1上に施工された通路用内壁、13は建物Bの躯体2上に施工された通路用内壁であり、該通路用内壁39と通路用内壁13間には、固定内壁11とL字形状の平断面を有するスライド可動内壁14からなるエキスパンションジョイント内壁面部材12が設けられている。このうちエキスパンションジョイント内壁面部材12を構成する固定内壁11は、建物Aの躯体上に施工された前記通路用内壁39に繋がって固定された状態で施工されており、前記スライド可動内壁14は、L字形状の平断面を有し、その一面を通路用内壁13に接して設けられ、該通路用内壁13に対して摺動自在に構成されている。従って、スライド可動内壁14は、建物Bの躯体上に施工された通路用内壁13に対してYスライド方向の矢印38の如く可動でき、前記水平X方向変位のXスライド方向の矢印37の動きにも対応可能に構成されている。
尚、図1にて説明した固定内壁11とスライド可動内壁14の当接部は、当接用目地材15及び固定内壁11とスライド可動内壁14が当接して生じる目地部16が図示されており、また、固定内壁11とスライド可動内壁14の裏面に設けられた40a、40b、40c・・・は前記固定内壁11の当接用目地材15とスライド可動内壁14の角部間に装架された引っ張りスプリングであり、該引っ張りスプリング40a、40b、40c・・・は地震発生時の固定内壁11とスライド可動内壁14の動きを揺れの終息時に元に戻す働きをするものである。
次に、エキスパンションジョイント床面部材10の構成を図3のにて説明する。図3は、エキスパンションジョイントの床面クリアランスC1が通常時(施工時の状態)の状態を示しているもので、8は建物A側の床面、18は目地板、6は第一の目地カバー部材、31は目地板、7は第二の目地カバー部材、33は目地板、9は建物B側の床面を夫々示しており、前記図1にて説明した固定内壁11とスライド可動内壁14の当接部は、当接用目地材15及び目地部16が設置されている。そして、目地板18部分の動作は図2(A)において説明した動きをし、目地板31部分の動作は図2(B)において説明した動きをするものであり、また、目地板33の下部にはスライド用ガイド部材34が設けてあり、該スライド用ガイド部材34にはスライド機構内蔵の摺動溝36に嵌合され、該摺動溝36に嵌合した第二の目地カバー部材7は、その端部がスライド用ガイド部材34を介して摺動溝36に嵌合することにより、クリアランスC1の水平X方向変位に対応したXスライド方向の移動、即ち、Xスライド方向の矢印37にて示す可動と、水平Y方向変位に対応したYスライド方向の移動、Yスライド方向の矢印38にて示す可動を可能にしている。
図3は、エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12の関係を示すもので、その動作は、前記水平X方向変位に対応する動きを示すXスライド方向の矢印37と水平Y方向変位に対応する動きを示すYスライド方向の矢印38の可動動作を行うためにエキスパンションジョイント内壁面部材12のスライド可動内壁14の下部には、スライド用隙間部17が設けられており、この構成を採用することにより、エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12の可動は、互いに部材同士が緩衝することなく可動可能となり、その構成は、非常に狭いスライド用間隙部17の間隙を有するのみの構成となることから、意匠的にシンプルで大変きれいな納まりを提供できる他、エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12が地震発生時に円滑な動作をするエキスパンションジョイントを提供することができる。
斯くして、図1乃至図3は、クリアランスC1が通常時の場合における第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7の設置の状況を説明してきたが、クリアランスC1が通常時の場合において、水平Y方向変位に対応したYスライド方向の矢印38の横揺れが発生した場合にはおいては、建物Aと建物B間には、図4と図5に示すような水平Y方向変位が生じる。
図4は、建物Bが建物Aに対して矢印41方向に揺動した場合を示し(建物Bが奥行方向に水平方向変位)、この場合には、第二の目地カバー部材7が建物Bの摺動溝36に沿ってスライド移動することにより、第二の目地カバー部材7は第一の目地カバー部材6と同一位置になり、エキスパンションジョイント床面部材10の動作を円滑に行える。また、図5においては、建物Bが矢印42方向に移動した場合を示し(建物Bが手前方向に水平方向変位)、この場合には、建物Bに支持されているスライド可動内壁14が建物Bと共に矢印42方向に移動するので、エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12は互いに衝突することなく水平Y方向変位、即ち、Yスライド方向の矢印38の動きに対応することができる。
次に、図6乃至図9において、本発明の水平X方向変位と水平Y方向変位の動作説明をする。図6乃至図9において図1乃至図5と同一符号は同一構成要件を示しており、図6乃至図9にて説明される動作は、地震時において建物Aと建物B間のクリアランスC2が最小限まで縮小した場合を説明している。
図6は側断面図、図7は図6における要部斜視説明図を示している。そして、図8は、図6の水平Y方向変位動作図で建物Bが奥行方向に可動した場合を示す斜視説明図、図9は、図6の水平Y方向変位動作図で建物Bが手前方向に可動した場合を示す説明図である。
図6において、建物Aの躯体1と建物Bの躯体2の間にはクリアランス(間隙部)C2が設けられており、このクリアランスC2は地震時において建物Aと建物B間のクリアランスが最小限に縮小した場合を示している。そして、建物Aと建物Bとの躯体1と躯体2間の上面には夫々形状の異なる建物A側の凹部形状面3と建物B側の凹部形状面4が設けられており、該建物A側の凹部形状面3上には、滑性の良い金属材料からなるベース基板5が載設されており、更に、建物A側に設けられたベース基板5上には、比較的幅の狭い目地カバー幅W1を有し、前記クリアランスC1を覆わない形態で第一の目地カバー部材6が設置されており、前記建物B側の凹部形状面4と建物A側の凹部形状面3上のベース基板5間には幅広の目地カバー幅W2を有する第二の目地カバー部材7が載架されているエキスパンション床面部材10を形成している、
また、図6において、11は建物A側に設けられた固定内壁で、建物Aと地震時に一緒に可動するもので、該固定内壁11はエキスパンションジョイント内壁面部材12の固定側内壁面を構成しており、また、固定内壁11は前記建物Aのエキスパンションジョイント床面部材10を形成する第一の目地カバー部材6の目地カバー幅W1より大き目でクリアランスC1側に突出しているが、クリアランスC1を跨ぐことはない壁巾を有する固定内壁11で、該固定内壁11は、建物A側の凹部形状面3より立ち上げて形成されている。
而して、図6においては、クリアランスC2が通常時のクリアランスC1に対して地震にて非常に縮小されている形態を示し、この縮小動作の過程で、前記第一の目地カバー部材6は第二の目地カバー部材7の移動圧縮を受ける。そして、目地板18及び目地板31の下部構造は、図2(A)、(B)、(C)の如く構成されていることにより第一の目地カバー部材6は、上部にせり上げられ、第二の目地カバー部材7は第一の目地カバー部材6の下部に重なりあう動作をし、クリアランスC2の収縮に対応しているおり、図6は、この状態を側面図にて示している。
図7において、8は建物A側の床面、18は目地板、6は第一の目地カバー部材、31は目地板、7は第二の目地カバー部材、33は目地板、9は建物B側の床面を夫々示しており、図1にて説明した固定内壁11とスライド可動内壁14の当接部は当接目地材15として示されており、水平X方向変位を受けてXスライド方向の矢印37の動きでクリアランスC2は、最小までに縮小された状態を示している。
また、図7における37は水平X方向変位に対応する動きを示すXスライド方向の矢印、38は水平Y方向変位に対応する動きを示すYスライド方向の矢印、13は建物Bの躯体上に施工された通路用内壁で、該通路用内壁13にはスライド移動可能なスライド可動内壁14と該スライド可動内壁14に対向して設けられた当接用目地材15を介して固定内壁11が配置されており、8は建物A側の床面、18は目地板、6は第一の目地カバー部材、31は目地板、7は第二の目地カバー部材、33は目地板、36は摺動溝、9は建物B側の床面を夫々示している。而して、クリアランスC2が最小までに縮小した場合にあっても、前記第二の目地カバー部材7はスライド可動内壁14を図面手前側にスライド可能な目地幅Mを有しており、前記スライド可動内壁14の下部には、スライド用隙間部17が設けられていることがら、エキスパンションジョイントが水平Y方向変位を受けてYスライド方向の矢印38の動きをした場合においても、前記スライド可動内壁14はYスライド方向矢印38の動きが可能であり、エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12との納まりは、互いに衝突して損傷することがなく非常に狭いスライド用間隙部17の間隙を有するのみの構成となることから、意匠的にシンプルで大変きれいな納まりを提供することができる。
而して、図6及び図7において、クリアランスC2が地震の揺れにより最小までに縮小した場合における第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7の設置状況を説明してきたが、クリアランスC2の状況において、水平Y方向変位に対応したYスライド方向の矢印38の横揺れが発生した場合にはおいては、建物Aと建物B間には、図8と図9に示すような水平Y方向変位が生じる。
図8と図9は第一の目地カバー部材6の下方に第二の目地カバー部材7の先端部が重なり合って、第一の目地カバー部材6が上部にせり上がった上がった状態を示し、図8は、建物Bが建物Aに対して矢印41方向に揺動し建物Bが奥行方向に水平方向変位しており、この場合には、第二の目地カバー部材7が建物Bの摺動溝34に沿ってスライド可動することにより、第二の目地カバー部材7は第一の目地カバー部材と同一位置となり、建物Bの躯体上に施工された通路用内壁11とスライド可動内壁14間にずれが生じるがエキスパンションジョイント床面部材10を円滑に動作できる。また、図9においては、建物Bが矢印42方向に移動した場合を示し(建物Bが手前方向に水平方向変位)、この場合には、建物Bに支持されているスライド可動内壁14が建物Bと共にY方向の矢印42方向に移動するのでエキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12は互いに衝突することなく水平Y方向変位、即ち、Yスライド方向の矢印38方向の動きに対応することができる。
次に、図10乃至図13において、本発明の水平X方向変位と水平Y方向変位の動作説明をする。図10乃至図13において図1乃至図5と同一符号は同一構成要件を示しており、図10乃至図13にて説明される動作は、地震時において建物Aと建物B間のクリアランスC3が最大限まで拡大した場合を説明している。
図10は側断面図、図11は図10における要部斜視説明図を示している。そして、図12は、図10の水平Y方向変位動作図で建物Bが奥行方向に可動した場合を示す説明図、図13は、図10の水平Y方向変位動作図で建物Bが手前方向に可動した場合を示す説明図である。
図10において、建物Aの躯体1と建物Bの躯体2の間にはクリアランス(間隙部)C3が設けられており、このクリアランスC3は地震時において建物Aと建物B間のクリアランスが最大限に拡大した場合を示している。そして、建物Aと建物Bとの躯体1と躯体2間の上面には夫々形状の異なる建物A側の凹部形状面3と建物B側の凹部形状面4が設けられており、該建物A側の凹部形状面3上には、滑性の良い金属材料からなるベース基板5が載設されており、更に、建物A側に設けられたベース基板5上には、比較的幅の狭い目地カバー幅W1を有し、前記クリアランスC3を覆わない形態で第一の目地カバー部材6が設置されており、前記建物B側の凹部形状面4と建物A側の凹部形状面3上のベース基板5間には幅広の目地カバー幅W2を有する第二の目地カバー部材7が載架されていて建物A側の床面8から略同一面上に第一の目地カバー部材6とベース基板5、そしてクリアランスC1を覆う第二の目地カバー部材7により建物B側の床面9に連繋されたエキスパンションジョイント床面部材10を形成している、
また、図10において、11は建物A側に設けられた固定内壁で、建物Aと地震時に一緒に可動するもので、該固定内壁11は通路用内壁39に接続されており、前記建物Aのエキスパンションジョイント床面部材10を形成する第一の目地カバー部材6の目地カバー幅W1より大き目でクリアランスC3側に突出しているが、クリアランスC3を跨ぐことはない壁巾を有する固定内壁11で、該固定内壁11は、建物A側の凹部形状面3より立ち上げて形成されている。
尚、前記固定内壁11の先端部には当接用目地材15が設けられており、該固定内壁11の当接用目地材15とスライド可動内壁14の角部間には引っ張りスプリング40a、40b、40c・・・が装架されており、該引っ張りスプリング40a、40b、40c・・・は地震発生時の固定内壁11とスライド可動内壁14の動きを揺れの終息時に元に戻す働きをするものである。
而して、図10においては、クリアランスC3が通常時のクリアランスC1に対して地震にて非常に拡大されているので、この拡大動作の過程で、前記第二の目地カバー部材7は第一の目地カバー部材6をベース基板5上に降ろし、矢印43に示すように建物B側に大きく移動する。図10はこの時の状態を示し、第二の目地カバー部材7はベース基板5と建物B側の凹部形状面4間に装架されクリアランスC3を形成している。
図11は、図10の様態を斜視図で示しており、37は水平X方向変位に対応する動きを示すXスライド方向の矢印、38は水平Y方向変位に対応する動きを示すYスライド方向の矢印を示し、エキスパンションジョイント内壁面部材12において、13は建物Bの躯体上に施工された通路用内壁で、該通路用内壁13にはスライド可能なスライド可動内壁11が設けられており、該スライド可動内壁14の先端部には対向して設けられた当接用目地材15を介して固定内壁15が設置されている。また、エキスパンションジョイント床面部材10において、8は建物A側の床面、18は目地板、6は第一の目地カバー部材、31は目地板、5はベース基板、7は第二の目地カバー部材、33は目地板、36は摺動溝、9は建物B側の床面を夫々示している。而して、図11はクリアランスC3が最大までに拡大した場合にあっても、前記スライド内壁14の下部には、第二の目地カバー部材7上に目立たない極小の間隙を有するスライド用隙間部17が設けられていることがら、エキスパンションジョイントが水平Y方向変位を受けてYスライド方向の矢印38に示す動きをした場合に、前記スライド可動内壁14はYスライド方向の矢印38の円滑な動きが可能であり、前記エキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12との取り合いは、非常に狭いスライド用間隙部17の間隙を有するのみの構成となることから、意匠的に大変シンプルできれいな納まりを提供することができる。
而して、図10及び図11は、クリアランスC3が地震の揺れにより最大限までに拡大した場合における第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7の設置状況を説明してきたが、クリアランスC3の状況において、水平Y方向変位に対応した矢印41や矢印42の横揺れが発生した場合にはおいては、建物Aと建物B間には、図12と図13に示すような水平Y方向変位が生じる。
図12と図13は第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7の先端部がベース基板5上で離間しており、第一の目地カバー部材6はベース基板5上に載置され床面8と同一面上に設置されている。図12は、建物Bが建物Aに対して矢印41方向に移動し建物Bが奥行方向に水平方向変位しており、この場合には、第二の目地カバー部材7の下部に設けられたスライド用ガイド部材31が建物Bの摺動溝36に沿ってスライド可動することにより、第二の目地カバー部材7は第一の目地カバー部材6と同一位置となり、エキスパンションジョイント床面部材10を円滑に動作可能である。また、図13においては、建物Bが矢印42方向に移動した場合を示し(建物Bが手前方向に水平方向変位)、この場合には、建物Bに支持されているスライド可動内壁14が建物Bと共に矢印42方向に移動するのでエキスパンションジョイント床面部材10とエキスパンションジョイント内壁面部材12は互いに衝突することなく水平Y方向変位、即ち、矢印41方向と矢印42方向の動きに対応することができる。
斯くして、本発明は、建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスCを覆うエキスパンションジョイント床部面材10において、該建物Aと建物Bとの躯体間上面には夫々形状の異なる凹部形状面3、4を構成し、該建物A側に設けられた凹部形状面3には比較的幅が狭く前記クリアランスを覆うことがない上下動可能な第一の目地カバー部材6が設置されており、また前記建物Bの凹部形状面4には幅広の第二の目地カバー部材7が設置されており、該第二の目地カバー部材7は建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスCを覆い建物B側の凹部形状面4の縁部では第二の目地カバー部材7の片側を水平Y方向変位に対応してYスライド方向の矢印38方向への摺動可能な摺動溝36に嵌合しており、該第二の目地カバー部材7の建物A側方向の動きは第二の目地カバー部材7の先端部をもって前記第一の目地カバー部材7を上部方向にせり上げ第一の目地カバー部材6と第二の目地カバー部材7が重なり合うことで前記クリアランスCの収縮方向に可動する地震の揺れに対応できる構成となし、前記建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスCを覆うエキスパンションジョイント内壁面部材は建物Aの固定内壁11面を形成する第一の目地カバー部材6の幅より大き目で前記クリアランスを覆うことのない巾を有する固定内壁11を建物A側の凹部形状3面より立ち上げて形成し、前記建物B側の内壁面を形成する第二の目地カバー部材7側の内壁面には片側端部を建物Bの壁面に取付けられ前記建物A側に設けられた固定内壁11にスライド移動して建物Aと建物Bの壁面クリアランスの可動に対応できるスライド可動内壁14を設け、該スライド可動内壁14の下部には前記第二の目地カバー部材7との取合い面においてスライド可動内壁14の下部と第二の目地カバー部材7の上面にスライド用隙間部17からなる隙間部を設けて第二の目地カバー部材7の水平Y方向変位に対応してYスライド方向の可動を規制しないように構成した床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントである。
また、本発明において、前記水平X方向変位に対応したXスライド方向の可動を可能にした構成は、第一の目地カバー部材6の幅寸法が第二の目地カバー部材7の約二分の一寸法を有し、該第一の目地カバー部材6は第二の目地カバー部材7の先端部を第一の目地カバー部材8の下部に重ねることによりXスライド方向の幅広い可動を可能にした床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
更にまた、本発明において、第一の目地カバー部材6の幅寸法は、該第一の目地カバー部材6の両側壁側に設けられた固定内壁11面内に収まる幅寸法に構成することにより常に建物Aの動きに同調し水平Y方向変位に対応してYスライド方向の可動を可能にした床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
斯くして、本発明は、免震建物と非免震建物が形成する躯体間のクリアランスに設置される床面部材と内壁面部材とで構成するエキスパンションジョイントにおいて、エキスパンションジョイント床部材とエキスパンションジョイント内壁面部材が地震可動時において相互に連動して可動する場合に対応して床部材と内壁面部材の相互間の可動を円滑化して、エキスパンションジョイントの床部材とエキスパンションジョイントの内壁面部材が互に衝突して破損することなく円滑に可動でき、地震時の揺れにおける水平X方向変位(Xスライド方向)と水平Y方向変位(Yスライド方向)に対応可能な床面と内壁面からなるエキスパンションジョイントを提供するものである。
また、本発明は、地震発生時において建物間に設けられたクリアランス(間隙部)における床面部材と内壁面部材の同時可動の方向性を重視した実用性のある床面と内壁面を構成するエキスパンションジョイントを提供することが可能となり、エキスパンションジョイントの床面部材と内壁面部材との納まりは非常に狭いスライド内壁の間隙を有するのみの構成となることから、意匠的に大変きれいな納まりを提供することができる。
1 躯体(建物A側)
2 躯体(建物B側)
3 凹部形状面(建物A側)
4 凹部形状面(建物B側)
5 ベース基板
6 第一の目地カバー部材
7 第二の目地カバー部材
8 建物A側の床面
9 建物B側の床面
10 エキスパンションジョイント床面部材
11 固定内壁
12 エキスパンションジョイント内壁面部材
13 通路用内壁
14 スライド可動内壁
15 当接用目地材
16 目地部
17 スライド用隙間部
18 目地板
19 傾斜縁枠
20 床仕上げ材
21 端部プレート
22 カム部材
23 丁番
24 矢印
25 外枠材
26a、26b、26c・・・ 固定用ピン
27a、27b、27c・・・ 傾斜孔
28 端部プレート
29 カム部材
30 丁番
31 目地板
32 傾斜縁部材
33 目地板
34 スライド用ガイド部材
35 位置調整架台
36 摺動溝
37 Xスライド方向の矢印
38 Yスライド方向の矢印
39 通路用内壁
40a、40b、40c・・・ 引っ張りスプリング
41 矢印(奥行方向を示す)
42 矢印(手前方向を示す)
43 矢印
A 建物
B 建物
W1 目地カバー幅(第一の目地カバー部材幅)
W2 目地カバー幅(第二の目地カバー部材幅)
C クリアランス
C1 クリアランス(通常時)
C2 クリアランス(最小時)
C3 クリアランス(最大時)
L1 壁面クリアランス
M 目地幅

Claims (3)

  1. 建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う床用エキスパンションジョイントにおいて、該建物Aと建物Bとの躯体間上面には夫々形状の異なる凹部形状面を構成し、該建物A側に設けられた凹部形状面には比較的幅が狭く前記クリアランスを覆うことがない上下動可能な第一の目地カバー部材が設置されており、また前記建物Bの凹部形状面には幅広の第二の目地カバー部材が設置されており、該第二の目地カバー部材は建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆い建物B側の凹部形状面縁部では第二の目地カバー部材の片側を水平Y方向変位に対応してYスライド方向に摺動可能な摺動溝に嵌合しており、該第二の目地カバー部材の建物A側方向の動きは第二の目地カバー部材の先端部をもって前記第一の目地カバー部材を上部方向にせり上げ第一の目地カバー部材と第二の目地カバー部材が重なり合うことで前記クリアランスの収縮方向に可動する地震の揺れに対応できる構成となし、前記建物Aと建物Bとの躯体間に設けられたクリアランスを覆う内壁面のエキスパンションジョイントは建物Aの内壁面を形成する第一の目地カバー部材の幅より大き目で前記クリアランスを覆うことのない巾を有する固定内壁面を建物A側の凹部形状面より立ち上げて形成し、前記建物B側の内壁面を形成する第二の目地カバー部材側の内壁面には片側端部を建物Bの壁面に取付けられ前記建物A側に設けられた固定内壁面にスライド移動して建物Aと建物Bの壁面クリアランスの可動に対応できるスライド可動内壁面を設け、該スライド可動内壁面の下部には前記第二の目地カバー部材との取合い面においてスライド内壁面の下部と第二の目地カバー部材の上面に隙間部を設けて第二の目地カバー部材の水平Y方向変位に対応したYスライド方向の可動を規制しないようにしたことを特徴とする床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント。
  2. 前記第一の目地カバー部材の幅寸法は第二の目地カバー部材の約二分の一寸法を有し、該第一の目地カバー部材は第二の目地カバー部材の先端部を第一の目地カバー部材の下部に重ねることにより水平X方向変位に対応したXスライド方向の可動を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載された床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント。
  3. 前記第一の目地カバー部材の幅寸法は該第一の目地カバー部材の両側壁側に設けられた固定内壁面内に納まる幅寸法となし常に建物Aの動きに同調し水平Y方向変位に対応してYスライド方向の可動を可能にしたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載された床面と内壁面からなるエキスパンションジョイント。
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