JP2017011843A - 分光感度測定装置及び分光感度測定方法 - Google Patents

分光感度測定装置及び分光感度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止する。【解決手段】分光感度測定装置1は、太陽電池100の絶対分光感度の測定前に、測定者が設定した許容誤差の下で、ライトソーキング時間の予測値及び絶対分光感度の測定時間の予測値をそれぞれ算出し、算出した予測値を表示部70に表示させる。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定装置及び分光感度測定方法に関する。
太陽電池は、光起電力効果を利用することによって光エネルギーを直接電力へ変換する素子であり、様々な太陽電池が研究、開発され、近年、広く普及し始めている。太陽電池には、シリコン(Si)を用いたシリコン系太陽電池、InGaAs等の化合物半導体を用いた化合物系太陽電池、及び、有機半導体を用いた有機系太陽電池等の様々な種類がある。有機系太陽電池には、2種類の有機半導体を用いてPN接合を形成しPN接合における電子の光励起によって光起電力を得るPN接合型太陽電池と、有機色素中の電子の光励起によって光起電力を得る色素増感太陽電池とがある。
有機系太陽電池は、シリコン系太陽電池と異なり、短絡電流が、放射照度に対して線形に変化しない特性を有する物がある。
太陽電池の性能を評価するために、例えばIEC60904やJIS(C8905〜C8991)で定義された評価方法等がある。非線形太陽電池の分光感度の評価方法として、DSR法(differential spectral responsivity method)による太陽電池の絶対分光感度を測定する測定方法がある(例えば、特許文献1及び非特許文献1,2参照)。なお、IECは、International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略称である。JISは、Japanese Industrial Standards(日本工業規格)の略称である。また、DSR法以外の太陽電池の絶対分光感度を測定する測定方法がある(例えば、特許文献2参照)。
絶対分光感度及びこれに関連する用語を説明する。
(1)太陽電池の絶対分光感度は、測定したい分光放射照度の光源の下で測定した分光感度を意味する。
(2)短絡電流は、太陽電池の+極と−極との電位差を0Vにしたときに、太陽電池に流れる電流である。
(3)太陽電池の分光感度[A/W/m/nm]は、特定の波長の光を太陽電池に照射したときに太陽電池から出力される短絡電流を、照射したエネルギーで割ったものである。
(4)バイアス光は、差分分光感度を測定する時に、一定量のバイアス電流を流す為に、太陽電池に照射される光(例えば白色光)である。
(5)DSR法は、バイアス光の照射エネルギーを順次に変えることによって各バイアス電流に対する各差分分光感度をそれぞれ測定し、これら測定した複数の差分分光感度と、求めたい照射光の分光放射照度分布から、太陽電池の絶対分光感度を求める方法である。詳細は非特許文献2に記載されている。
(6)差分分光感度は、各バイアス光の基での太陽電池において、任意の波長の分光エネルギーの微少な変動による短絡電流の変化率である。差分分光感度は、太陽電池における短絡電流(バイアス光照射の短絡電流)を測定し、照射エネルギーが微小な単色光をさらに照射した状態の短絡電流(バイアス光及び単色光照射の短絡電流)を測定し、バイアス光照射の短絡電流とバイアス光及び単色光照射の短絡電流との差を、単色光の照射エネルギーで割ることによって求められる。
(7)単色光は、差分分光感度を測定するために太陽電池に照射する任意波長の光である。通常、バイアス光(白色バイアス光)に対して十分小さいエネルギーに調整されて用いられる。
上述した非線形太陽電池は、差分分光感度を測定する前に、ライトソーキングがされる(例えば、特許文献3参照)。正確な差分分光感度を測定するには、非線型太陽電池を定常状態にする必要がある。ライトソーキングは、太陽電池を定常状態にするために、太陽電池にバイアス光を照射して出力を定常状態にする処理である。なお、特許文献4には、単色光に対する太陽電池の応答特性に関する技術が開示され、特許文献5には、差分分光感度を測定する際のバイアス光の設定に関する技術が開示されている。
国際公開第2013/084441号パンフレット 特開2004−281706号公報 特開2013−221857号公報 特開2013−234895号公報 国際公開第2015/025600号パンフレット
"Calibration of solar cells.1:The differential spectral responsivity method"、1 May 1987/Vol.26 No.9 Applied Optics IEC 60904−8 Edition 3
絶対分光感度の測定には、DSR法(すなわち、複数の差分分光感度を用いる方法)以外に、所定の照明下での太陽電池の分光感度を用いる方法がある。以下の「分光感度」は、差分分光感度、及び、所定の照明下での太陽電池の分光感度の両者を含む意味である。絶対分光感度は、分光感度を演算して求められる。この演算に要する時間は、1秒程度である。従って、絶対分光感度の測定時間は、分光感度の測定時間(DSR法では、複数の差分分光感度の測定時間を加算した値)とほぼ同じである。よって、絶対分光感度の測定時間は、分光感度の測定時間とほぼ同じである。
絶対分光感度の測定では、太陽電池を安定させるライトソーキングが前提となるので、絶対分光感度の測定時間に加えて、ライトソーキングに要する時間(以下、ライトソーキング時間)を考慮しなければならない。一般にライトソーキングが開始されてから時間が経過するに従って、短絡電流の変動幅が小さくなる。分光感度を正確に測定するには、測定中の短絡電流の変動幅ができるだけ小さくする必要があるが、そのようにすれば、ライトソーキング時間が長くなる。
分光感度の測定では、バイアス光と単色光とを重ねた合成光が太陽電池に照射されることにより生じる短絡電流が測定される。分光感度を正確に測定するには、この短絡電流の変動幅をできるだけ小さくする必要があるが、そのようにすれば、分光感度の測定時間が長くなる。
DSR法では、光量が異なる複数のバイアス光のそれぞれについて、ライトソーキングをし、差分分光感度を測定する必要があり、絶対分光感度の測定時間が必然的に長くなる。IEC 60904−8 Edition 3は、非線形太陽電池の分光感度測定に、DSR法を用いることを要求している。
上記変動幅の許容値(言い換えれば、許容誤差)を、測定者に設定させ、設定された許容誤差の条件で、DSR法を用いて絶対分光感度を自動的に測定する分光感度測定装置を考える。測定者は、正確な絶対分光感度測定を望むので、許容誤差を厳しく設定する傾向にある。本発明者によれば、許容誤差を厳しく設定したとき、各々のバイアス光下でのライトソーキング時間が想定より長くなったり、被測定物の応答特性が想定より遅かったりするため、DSR方式では、測定時間(=ライトソーキング時間+絶対分光感度の測定時間)が相当長くなる事態が発生することが分かった(例えば、100時間や、一週間)。
このような分光感度測定装置によれば、測定者は、DSR方式による絶対分光感度の測定において、上記測定時間(=ライトソーキング時間+絶対分光感度の測定時間)を、例えば、数時間と想定していたのに、実際には、測定者の想定を大きく超える測定時間となる可能性がある。
本発明は、絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止できる分光感度測定装置及び分光感度測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の第1の局面に係る分光感度測定装置は、バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定装置であって、前記バイアス光を出射する第1の光源部と、前記単色光を出射する第2の光源部と、前記太陽電池の短絡電流を測定する電流測定部と、前記単色光を前記太陽電池に照射させる開状態と前記単色光を前記太陽電池に照射させない閉状態とを切り替えるシャッタ部と、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定部と、を備え、前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記シャッタ部が閉じた状態から開いた状態に切り換えられ、前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第3の短絡電流とし、前記予備測定部は、前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成部と、前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成部と、前記閉状態から前記開状態に切り替えられて、前記太陽電池に前記合成光が照射されたときの前記第3の短絡電流を用いて、前記切り替えられたときから前記第3の短絡電流の応答特性を測定し、前記応答特性を用いて、前記第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間と、前記第3の短絡電流の誤差との関係を示す第3の情報を生成する第3の情報生成部と、を備え、前記分光感度測定装置は、さらに、前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第3の情報で示される前記第3の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第3の許容誤差が、前記測定者により入力される入力部と、前記入力部に入力された前記第1の許容誤差、第2の許容誤差及び第3の許容誤差が設定される第1の設定部と、前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出部と、を備える。
予備測定部は、太陽電池の絶対分光感度の測定が開始される前に、その太陽電池を用いて予備測定をする。時間算出部は、予備測定の結果、及び、測定者が設定した許容誤差(第1の許容誤差、第2の許容誤差、第3の許容誤差)を用いて、ライトソーキング時間の予測値、及び、絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する。第1の許容誤差が決まると、第1の情報からライトソーキング時間の予測値が決まる。
第2の許容誤差が決まると、第2の情報から平均化回数及び蓄積時間が決まる。第3の許容誤差が決まると、第3の情報から待ち時間が決まる。平均化回数、蓄積時間及び待ち時間を用いた絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する式は、当業者の設計事項である。平均化回数が多いこと、蓄積時間が長いこと、待ち時間が長いことは、測定時間が長くなる要因となる。平均化回数が少ないこと、蓄積時間が短いこと、待ち時間が短いことは、測定時間が短くなる要因となる。
以上の通り、本発明の第1の局面に係る分光感度測定装置によれば、ライトソーキング時間の予測値及び絶対分光感度の測定時間の予測値が、絶対分光感度の測定が開始される前に、測定者が知ることができる。これにより、絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止できる。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、前記分光感度を差分分光感度とし、前記バイアス光の光量を順次変えて、前記合成光を前記太陽電池に照射することにより測定した前記差分分光感度を用いて、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定し、前記分光感度測定装置は、さらに、前記バイアス光について、値が異なる複数の光量が設定される第2の設定部を備え、前記複数の光量の前記バイアス光のそれぞれについて、前記第1の情報生成部は、前記第1の情報を生成し、前記第2の情報生成部は、前記第2の情報を生成し、前記第3の情報生成部は、前記第3の情報を生成する。
この構成は、DSR法を用いた絶対分光感度の測定に本発明の第1の局面を適用している。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、さらに、表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記ライトソーキング時間の予測値、前記絶対分光感度の測定時間の予測値、並びに、前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差を含む前記絶対分光感度の測定条件を示す測定条件画面を前記表示部に表示させ、前記第1の設定部は、前記入力部からの入力により、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差の少なくとも一つを変更する変更設定がされ、前記時間算出部は、前記第1の設定部に前記第1の許容誤差が変更設定されたとき、前記ライトソーキング時間の予測値を再計算し、前記第1の設定部に前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差の少なくとも一つが変更設定されたとき、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算し、前記表示制御部は、前記再計算された前記予測値を含む前記測定条件画面を前記表示部に表示させる。
測定者が、表示部に表示された測定条件画面に含まれるライドソーキング時間の予測値を見て、第1の許容誤差を変更したとき、時間算出部は、ライトソーキング時間の予測値を再計算する。測定者が、表示部に表示された測定条件画面に含まれる絶対分光感度の測定時間の予測値を見て、平均化回数、蓄積時間、待ち時間、第2の許容誤差、及び、第3の許容誤差の少なくとも一つを変更したとき、時間算出部は、絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算する。表示制御部は、再計算された予測値を含む測定条件画面を表示部に表示させる。
従って、この構成によれば、ライトソーキング時間と第1の許容誤差とのバランスを測定者が決めることができ、また、絶対分光感度の測定時間と、第2の許容誤差及び第3の許容誤差とのバランスを測定者が決めることができる。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、さらに、前記表示部に表示されている前記測定条件画面に示される前記絶対分光感度の測定条件に対して、確定する入力が前記入力部にされたとき、前記測定条件を記憶する測定条件記憶部を備え、前記分光感度測定装置は、前記絶対分光感度を測定する命令が前記入力部に入力されたとき、前記測定条件記憶部に記憶されている前記測定条件を用いて、前記絶対分光感度を測定する。
この構成は、確定した絶対分光感度の測定条件を記憶するので、この測定条件を繰り返し利用することができる。
本発明の第2の局面に係る分光感度測定装置は、バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定装置であって、前記バイアス光を出射する第1の光源部と、前記単色光を出射する第2の光源部と、前記太陽電池の短絡電流を測定する電流測定部と、前記単色光を所定の周波数でチョッピングするチョッピング部と、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定部と、を備え、前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記チョッピング部で周期的にチョッピングされた前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第4の短絡電流とし、前記予備測定部は、前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成部と、前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成部と、を備え、前記電流測定部は、前記予備測定において、前記周波数が高い値から低い値又は低い値から高い値に順番に並べられた周波数群を構成する複数の前記周波数のそれぞれで、前記単色光をチョッピングしたときの前記第4の短絡電流を測定し、前記予備測定部は、さらに、前記順番が隣り合う前記周波数について、前記第4の短絡電流の誤差を算出し、複数の前記周波数と前記第4の短絡電流の誤差との関係を示す第4の情報を生成する第4の情報生成部を備え、前記分光感度測定装置は、さらに、前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第4の情報で示される前記第4の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第4の許容誤差が、前記測定者により入力される入力部と、前記入力部に入力された前記第1の許容誤差、第2の許容誤差及び第4の許容誤差が設定される第1の設定部と、前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出部と、を備える。
本発明の第2の局面に係る分光感度測定装置が、本発明の第1の局面に係る分光感度測定装置と異なるのは、第3の許容誤差の替わりに第4の許容誤差を用いる点である。本発明の第2の局面に係る分光感度測定装置は、絶対分光感度の測定において、単色光による短絡電流をロックインアンプによって得ることを前提とする。ロックインアンプを用いる場合、単色光が周期的にチョッピングされる。周波数が高ければ、分光感度の測定時間を短くでき、周波数が低ければ、分光感度の測定時間が長くなる。本発明者は、周波数に応じて、第4の短絡電流の誤差が異なることを見出した。本発明の第2の局面に係る分光感度測定装によれば、単色光をチョッピングする周波数と第4の短絡電流の誤差とを基に、測定者が第4の許容誤差を決めることができる。よって、第4の許容誤差を反映した絶対分光感度の測定時間の予測値を算出することができる。
また、本発明の第2の局面に係る分光感度測定装置は、本発明の第1の局面に係る分光感度測定装置と同様の理由で、絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止できる。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、前記分光感度を差分分光感度とし、前記バイアス光の光量を順次変えて、前記合成光を前記太陽電池に照射することにより測定した前記差分分光感度を用いて、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定し、前記分光感度測定装置は、さらに、前記バイアス光について、値が異なる複数の光量が設定される第2の設定部を備え、前記複数の光量の前記バイアス光のそれぞれについて、前記第1の情報生成部は、前記第1の情報を生成し、前記第2の情報生成部は、前記第2の情報を生成し、前記第4の情報生成部は、前記第4の情報を生成する。
この構成は、DSR法を用いた絶対分光感度の測定に本発明の第2の局面を適用している。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、さらに、表示部と、前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記周波数、前記ライトソーキング時間の予測値、前記絶対分光感度の測定時間の予測値、並びに、前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第4の許容誤差を含む前記絶対分光感度の測定条件を示す測定条件画面を前記表示部に表示させ、前記第1の設定部は、前記入力部からの入力により、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記周波数、前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第4の許容誤差の少なくとも一つを変更する変更設定がされ、前記時間算出部は、前記第1の設定部に前記第1の許容誤差が変更設定されたとき、前記ライトソーキング時間の予測値を再計算し、前記第1の設定部に前記平均化回数、前記蓄積時間、前記周波数、前記第2の許容誤差、及び、前記第4の許容誤差の少なくとも一つが変更設定されたとき、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算し、前記表示制御部は、前記再計算された前記予測値を含む前記測定条件画面を前記表示部に表示させる。
この構成によれば、本発明の第1の局面と同様の理由で、ライトソーキング時間と第1の許容誤差とのバランスを測定者が決めることができ、また、絶対分光感度の測定時間と、第2の許容誤差及び第4の許容誤差とのバランスを測定者が決めることができる。
上記構成において、前記分光感度測定装置は、さらに、前記表示部に表示されている前記測定条件画面に示される前記絶対分光感度の測定条件に対して、確定する入力が前記入力部にされたとき、前記測定条件を記憶する測定条件記憶部を備え、前記分光感度測定装置は、前記絶対分光感度を測定する命令が前記入力部に入力されたとき、前記測定条件記憶部に記憶されている前記測定条件を用いて、前記絶対分光感度を測定する。
この構成は、確定した絶対分光感度の測定条件を記憶するので、この測定条件を繰り返し利用することができる。
本発明の第3の局面に係る分光感度測定方法は、バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定方法であって、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定ステップを備え、前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光を前記太陽電池に照射させる開状態から前記単色光を前記太陽電池に照射させない閉状態に切り替えられ、前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第3の短絡電流とし、前記予備測定ステップは、前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成ステップと、前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成ステップと、前記閉状態から前記開状態に切り替えられて、前記太陽電池に前記合成光が照射されたときの前記第3の短絡電流を用いて、前記切り替えられたときから前記第3の短絡電流の応答特性を測定し、前記応答特性を用いて、前記第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間と、前記第3の短絡電流の誤差との関係を示す第3の情報を生成する第3の情報生成ステップと、を備え、前記分光感度測定方法は、さらに、前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第3の情報で示される前記第3の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第3の許容誤差が、前記測定者により入力される入力ステップと、前記入力ステップに入力された前記第1の許容誤差、第2の許容誤差及び第3の許容誤差が設定される設定ステップと、前記設定ステップで設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出ステップと、を備える。
本発明の第3の局面に係る分光感度測定方法は、本発明の第1の局面に係る分光感度測定装置と同様の作用効果を有する。
本発明の第4の局面に係る分光感度測定方法は、バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定方法であって、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定ステップを備え、前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、周期的にチョッピングされた前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第4の短絡電流とし、前記予備測定ステップは、前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成ステップと、前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成ステップと、前記周波数が高い値から低い値又は低い値から高い値に順番に並べられた周波数群を構成する複数の前記周波数のそれぞれで、前記単色光をチョッピングしたときの前記第4の短絡電流を測定するステップを含み、前記順番が隣り合う前記周波数について、前記第4の短絡電流の誤差を算出し、複数の前記周波数と前記第4の短絡電流の誤差との関係を示す第4の情報を生成する第4の情報生成ステップと、を備え、前記分光感度測定方法は、さらに、前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第4の情報で示される前記第4の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第4の許容誤差が、前記測定者により入力される入力ステップと、前記入力ステップで入力された前記第1の許容誤差、第2の許容誤差及び第4の許容誤差が設定される設定ステップと、前記設定ステップで設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出ステップと、を備える。
本発明の第4の局面に係る分光感度測定方法は、本発明の第2の局面に係る分光感度測定装置と同様の作用効果を有する。
本発明によれば、絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止できる。
本実施形態に係る分光感度測定装置の構成を示すブロック図である。 第1の短絡電流を説明するグラフである。 第2の短絡電流を説明するグラフである。 第3の短絡電流を説明するグラフである。 本実施形態に係る分光感度測定装置に備えられる制御部の機能ブロックを説明する説明図である。 測定条件の設定を説明するフローチャートである。 第1の短絡電流と放射照度との関係を示すグラフである。 太陽電池に光を照射した時間、第1の短絡電流(実線)、及び、第1の短絡電流の単位時間当たりの電流変化量(点線)の関係を示すグラフである。 平均化回数と第2の短絡電流の誤差との関係を、蓄積時間に応じて示すグラフである。 予備測定3で得られたSignal_norm(t)を示すグラフである。 図8の波形を拡大したグラフである。 予備測定を説明するフローチャートである。 設定された第1の許容誤差及びタイマーアウトの時間を示す表である。 設定された第2の許容誤差を示す表である。 設定された第3の許容誤差を示す表である。 ライトソーキング時間の予測値、及び、絶対分光感度の測定時間の予測値を含む測定条件を示す表の第1例である。 同第2例である。 本測定を説明するフローチャートである。 図1に示すチョッパの模式図である。 第4の短絡電流を説明するグラフである。 変形例1の予備測定部のブロック図である。 変形例1において、第4の短絡電流の測定結果を示す表である。 変形例1において、誤差を計算した結果を示す表である。 変形例2の予備測定部のブロック図である。 白色バイアス光の光量1200W/mにおいて、予備測定5で得られた情報を示すグラフである。 白色バイアス光の光量100W/mにおいて、予備測定5で得られた情報を示すグラフである。 白色バイアス光の光量10W/mにおいて、予備測定5で得られた情報を示すグラフである。 白色バイアス光の光量0W/mにおいて、予備測定5で得られた情報を示すグラフである。 変形例2において、誤差を計算した結果を示す表である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1に示す本実施形態に係る分光感度測定装置1は、DSR法を用いて太陽電池100の絶対分光感度を測定する。すなわち、分光感度測定装置1は、白色バイアス光の光量を順次変えて、白色バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池100に照射することにより測定した差分分光感度を測定し、複数の差分分光感度から太陽電池100の絶対分光感度を測定する。上述したように、絶対分光感度の測定には、DSR法以外に、所定の照明下での太陽電池100の分光感度を用いる方法があるが、本実施形態では、DSR法を例にして説明する。
分光感度測定装置1を用いた絶対分光感度の測定は、以下の(A)〜(D)により構成される。
(A)測定条件の設定
(B)予備測定
(C)許容誤差の設定、並びに、ライトソーキング時間の予測値及び絶対分光感度の測定時間の予測値の表示
(D)本測定
(A)は、測定に用いる複数の白色バイアス光の光量の設定、測定波長範囲、測定波長ピッチ、平均化回数、測定周波数等の差分分光感度測定に際して必要な測定条件を設定することである。(B)は、太陽電池100の絶対分光感度の測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間のそれぞれの予測値(言い換えれば、概算値)を本測定の前に測定者に知らせるために、その太陽電池100を用いて各種測定をすることである。(C)は、(B)の結果を基にして、測定者が各種の許容誤差を設定し、設定した許容誤差の下でのライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間のそれぞれの予測値を算出し、表示することである。(D)は、(A)で設定された測定条件、及び、(C)で設定された許容誤差の下で、その太陽電池100の絶対分光感度を測定することである。(A)、(B)、(C)、(D)の順に実施される。
図1を参照して、本実施形態に係る分光感度測定装置1の構成を説明する。図1は、分光感度測定装置1の構成を示すブロック図である。分光感度測定装置1は、第1の光源部2、第2の光源部3、照射部4、電流測定部5、制御部6及び操作部7を備える。
第1の光源部2は、白色バイアス光の光量を調節して白色バイアス光を出射する。白色バイアス光は、バイアス光の一例である。第1の光源部2は、第1の発光部20、平面鏡21、シャッタ22、光学フィルタ23及び絞り24を備える。
第1の発光部20は、白色バイアス光を放射する。白色バイアス光は、測定対象となる太陽電池100に一定量の短絡電流を流す為の光である。第1の発光部20は、例えば、ハロゲンランプ又はキセノンランプである。
第1の発光部20が放射した白色バイアス光の光路に、平面鏡21が配置されている。平面鏡21は、第1の発光部20が放射した白色バイアス光を反射する。
平面鏡21で90度反射された白色バイアス光の光路に、シャッタ22、光学フィルタ23及び絞り24が順に配置されている。
シャッタ22が開かれていると、第1の光源部2から白色バイアス光が出射され、シャッタ22が閉じられていると、遮光され、第1の光源部2から白色バイアス光が出射されない。第1の発光部20が安定した白色バイアス光を放射するのに時間がかかるので、分光感度測定装置1の使用中、第1の発光部20は、ON状態であり、白色バイアス光を放射している。白色バイアス光を使用するとき、シャッタ22が開けられ、白色バイアス光を使用しないとき、シャッタ22が閉じられる。
国際規格では、太陽電池評価用の基準太陽光として、AM1.5G(Air Mass 1.5G)を定義している。光学フィルタ23は、第1の発光部20が放射した白色バイアス光を、AM1.5Gで定義された基準太陽光が有する分光スペクトルと近似する分光スペクトルを有する白色バイアス光スペクトル(擬似太陽光)に変換する。
光学フィルタ23で、擬似太陽光に変換された白色バイアス光の光量は、絞り24によって調節される。絞り24は、例えば、開口面積を可変する光彩絞りである。
絞り24を通過した白色バイアス光は、第1の光源部2から外部に出射され、この白色バイアス光は、照射部4に入射する。
第2の光源部3は、単色光を出射する。第2の光源部3は、第2の発光部30、スリット31、絞り32、回折格子33、シャッタ34及びチョッパ36を備える。
第2の発光部30は、回折格子33によって選択された単色光の波長を含む、所定の波長帯域の光を放射する。第2の発光部30は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色ランプである。なお、第2の光源部3において、第1の発光部20からの光と第2の発光部30からの光とが交差しているが、これは作図上の理由であり、実際には交差していない。
第2の発光部30が放射した光の光路に、スリット31、絞り32及び回折格子33が配置されている。第2の光源部3は、スリット31及び回折格子33を構成要素として含むモノクロメータ38を備える。モノクロメータ38は、第2の発光部30によって放射された光を用いて単色光を生成する。
モノクロメータ38は、第2の発光部30が放射した光を、制御部6の指示に応じた所定の波長で単色光化して射出する装置である。モノクロメータ38は、例えば、第2の発光部30から放射された所定の波長帯域の光を回折格子33で回折し、狭い範囲の波長のみを取り出す分光器である。
モノクロメータ38は、例えば、入射スリット(スリット31)、反射型の回折格子33及び出射スリット(不図示)を備え、入射スリットを介して入射された入射光束を反射型の回折格子33で回折し、回折格子33で回折された入射光束の回折光のうち、出射スリットで所定の波長のみを取り出す装置である。モノクロメータ38は、このような構成によって、回折格子33等を回転させてスリットの位置に到達する光の波長を選択させ、所望の範囲の波長のみを取り出すこと(単色光化)ができる。
モノクロメータ38は、所望する範囲の波長を取り出すように制御部6によって制御される。
絞り32は、例えば、光彩絞りであり、スリット31を通過した光の光量を調節する。
モノクロメータ38から射出された単色光の光路に、シャッタ34及びチョッパ36が順に配置されている。
シャッタ34が開かれていると、第2の光源部3から単色光が出射され、シャッタ34が閉じられていると、遮光して、第2の光源部3から単色光が出射されない。第2の発光部30が安定した光を放射するのに時間がかかるので、分光感度測定装置1の使用中、第2の発光部30は、ON状態であり、光を放射している。単色光を使用するとき、シャッタ34が開けられ、単色光を使用しないとき、シャッタ34が閉じられる。
チョッパ36は、入射した単色光を周期的にチョッピングすることによって、点灯と消灯とを交互に起こさせる。これにより光量がパルス状に変化する単色光が得られる。この単色光は、第2の光源部3から外部に出射され、照射部4に入射する。
照射部4は、第1の光源部2から出射された白色バイアス光と第2の光源部3から出射された単色光とを重ねた光である合成光(言い換えれば、重畳光)を生成し、ステージ9に載置された測定対象となる太陽電池100に照射する。
照射部4は、ハーフミラー40、投光レンズ41及びマスク42を備える。第1の光源部2から出射された白色バイアス光及び第2の光源部3から出射された単色光は、ハーフミラー40で重ねられ、白色バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光が生成される。合成光は、投光レンズ41で集光され、マスク42を介して、太陽電池100に照射される。
合成光は、その断面の中央部において、一様な明るさを有するが、周辺部ではレンズのシェーディング特性等により、明るさが均一でなくなる。この為に、マスク42により、合成光の中央部だけを太陽電池100に照射されるようにする。
電流測定部5は、太陽電池100の短絡電流を測定する。電流測定部5は、ロックインアンプ50を備える。ロックインアンプ50は、照射部4によって合成光が太陽電池100に照射された状態において、電流測定部5によって測定された短絡電流の中から、単色光による短絡電流(図18)だけを検出して増幅する機能を有する回路である。なお、電流測定部5は、ロックインアンプ50を使わずに、単色光による短絡電流を演算で抽出することができる。
制御部6は、分光感度測定装置1を制御する。図3は、制御部6の機能ブロックを説明する説明図である。制御部6は、CPU、RAM及びROM等によって実現され、機能ブロックとして、出射制御部60、第1の設定部61、第2の設定部62、情報生成部63、表示制御部64、予備測定部65、時間算出部66、測定条件記憶部67、差分分光感度測定部68及び絶対分光感度算出部69を備える。これらのブロックの詳細は、後で説明する。
図1を参照して、操作部7は、測定者が分光感度測定装置1を操作するための入出力装置であり、表示部70及び操作キー部71を備える。表示部70は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイである。表示部70には、例えば、絶対分光感度の測定条件や測定結果等が表示される。操作キー部71は、数字キーを含むキーボードである。測定者は、操作キー部71や表示部70のタッチパネルを操作して、コマンドやデータ等を分光感度測定装置1に入力する。操作部7は、入力部の一例である。
本実施形態に係る分光感度測定装置1は、太陽電池100の絶対分光感度の測定前に、DSR方式で差分分光感度測定する場合に特定する測定条件を確定させるために、被測定物となる太陽電池100の特性を事前に測定し、この特性と、測定者が設定した許容誤差から、その太陽電池100の絶対分光感度を測定において、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間のそれぞれの予測値を算出し、表示部70にそれらの予測値を示すことを主な特徴とする。
第1の短絡電流〜第3の短絡電流について説明する。図2Aは、第1の短絡電流を説明するグラフであり、縦軸は、第1の短絡電流を示し、横軸は、時間を示している。第1の短絡電流は、白色バイアス光と単色光のうち、白色バイアス光のみが太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。
第2の短絡電流及び第3の短絡電流は、いずれも、白色バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光が、太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。図2Bは、第2の短絡電流を説明するグラフであり、縦軸は、第2の短絡電流を示し、横軸は、時間を示している。第2の短絡電流は、白色バイアス光が太陽電池100に照射中に、単色光が連続的に太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。
図2Cは、第3の短絡電流を説明するグラフであり、縦軸は、第3の短絡電流を示し、横軸は、時間を示している。第3の短絡電流は、白色バイアス光が太陽電池100に照射中に、シャッタ34(図1)が閉じた状態から開いた状態に、また、開いた状態から閉じた状態に切り換えられ、単色光が太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。
上述した(A)〜(D)を順番に説明する。
[測定条件(波長範囲 波長ピッチ 白色バイアス光量)の設定]
測定条件の設定について、図1及び図4を参照して説明する。図4は、測定条件の設定を説明するフローチャートである。測定者は、操作部7を操作して、差分分光感度を測定する際の測定波長範囲及び測定波長ピッチを分光感度測定装置1に入力する。第2の設定部62(図3)には、入力された測定波長範囲及び測定波長ピッチが設定される(ステップS1)。測定波長範囲は、例えば、300〜900nmに設定され、測定波長ピッチは、例えば、10nmに設定されたとする。
測定者は、操作部7を操作して、白色バイアス光の光量について、値が異なる複数の光量を入力する(ステップS2)。例えば、1200W/m、1000W/m、300W/m、100W/m、30W/m、10W/m、3W/m、1W/mが入力されたとする。
測定者は、測定対象となる太陽電池100をステージ9の上に載置する。太陽電池100は、色素増感太陽電池のような非線形太陽電池である。
出射制御部60(図3)は、ステップS2で入力された複数の光量のそれぞれについて、白色バイアス光を太陽電池100に照射し、電流測定部5は、太陽電池100の第1の短絡電流を測定する(ステップS3)。
詳しく説明すると、出射制御部60は、第1の光源部2のシャッタ22を開け、かつ、第2の光源部3のシャッタ34を閉じる制御をする。そして、出射制御部60は、絞り24等を制御して1200W/mの白色バイアス光を第1の光源部2に出射させる。これにより、第1の光源部2から出射された白色バイアス光は、照射部4によって、太陽電池100に照射される。電流測定部5は、その状態で、太陽電池から出力されている第1の短絡電流を測定する。なお、出射制御部60は、第2の光源部3のシャッタ34を閉じる制御の替わりに、第2の発光部30を消灯する制御をしてもよい。
残りの光量(1000W/m、300W/m、100W/m、30W/m、10W/m、3W/m、1W/mについても、同様にして第1の短絡電流が測定される。
情報生成部63(図3)は、ステップS3で測定された第1の短絡電流を用いて、第1の短絡電流と放射照度との関係を示す情報を生成し、表示制御部64は、その情報を表示部70に表示させる(ステップS4)。図5は、この情報の一例であり、第1の短絡電流と放射照度との関係を示すグラフである。横軸は、放射照度(W/m)であり、光量を放射照度に置き換えている。縦軸は、第1の短絡電流(mA)である。グラフ中の実線で示すように、放射照度が大きくなると、第1の短絡電流が大きくなる。グラフ中の点線は、第1の短絡電流の一次微分値である。点線は、第1の短絡電流の二次微分値でもよい。
第1の短絡電流が非線形となる放射照度の区間(点線のグラフの値が一定でない区間)では、高精度に測定するためには、放射照度を細かく設定する必要がある。これに対して、第1の短絡電流が線形となる放射照度の区間(点線のグラフの値が一定の区間)では、放射照度を細かく設定しなくても高精度測定ができる。グラフ中の点線で示すように、200(W/m)以下の放射照度(光量)のとき、第1の短絡電流が非線形であることが分かる。
測定者は、図5の点線のグラフを参考にして、操作部7を操作して、例えば、6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)を入力する。この設定では、非線形領域の200〜30W/mの区間を密に設定した。第2の設定部62(図3)には、入力された光量が設定される(ステップS5)。このように、第2の設定部62には、白色バイアス光について、値が異なる複数の光量が設定される。
以上説明したように、本実施形態では、値が異なる複数の光量のそれぞれを測定者が、第1の短絡電流の測定結果の情報を基に、設定している。これに対して、光量の最大値及び最小値を測定者が設定し、分光感度測定装置が残りの光量を予め決まった法則で自動的に設定する方式がある(光量自動設定方式)。この方式では、太陽電池セルが光量に対して非線形となる放射照度の区間を把握していないので、光量を比較的細かく設定する必要があり、設定される光量の数が多くなる。例えば、12の光量(1200W/m、1000W/m、700W/m、500W/m、300W/m、200W/m、100W/m、70W/m、50W/m、30W/m、20W/m、10W/m)が設定される。光量毎に、ライトソーキングが行われ、かつ、差分分光感度が測定されるので、光量自動設定方式では、絶対分光感度の測定時間が長くなる。
本実施形態では、測定者が、図5に示すグラフが非線形となる放射照度の区間を把握して、複数の光量を設定する。このため、複数の光量の最適な組み合わせを迅速に見つけることができ、かつ、差分分光感度測定に必要な複数の白色バイアス光量の数を少なくできる。
[予備測定(ライトソーキング特性、平均化回数、蓄積時間、応答特性)]
予備測定部65(図3)は、太陽電池100の絶対分光感度を測定する前に、太陽電池100を用いて、予備測定をする。予備測定には、予備測定1〜3がある。予備測定1は、ライトソーキングに関する予備測定である。予備測定2は、平均化回数及び蓄積時間に関する予備測定である。予備測定3は、白色バイアス光から合成光に切り替えたときに、短絡電流が安定するまでの待ち時間に関する予備測定である。
{予備測定1}
第1の情報生成部650(図3)は、ライトソーキング時間と第1の短絡電流の誤差との関係を示す第1の情報を生成する。ライトソーキングとは、差分分光感度を測定する前に白色バイアス光を太陽電池100に照射し、太陽電池100を安定させることである。
図6は、太陽電池100に光を照射した時間、第1の短絡電流(実線)、及び、第1の短絡電流の単位時間当たりの電流変化量(点線)の関係を示すグラフである。このグラフは、予備測定1で得られた第1の情報の一例である。横軸は、光照射開始後の経過時間であり、単位は、何時間何分である。左側の縦軸は、第1の短絡電流の値であり、単位は、mAである。右側の縦軸は、1時間の間で第1の短絡電流の変化量であり、単位は、%である。これを第1の短絡電流の変化量とする。
図6のグラフ中の点線は、光照射開始からの経過時間と第1の短絡電流の変化量との関係を示している。0.0%とは、1時間の間で第1の短絡電流が変動した量(第1の短絡電流の誤差)が0を意味する。すなわち、1時間の間で第1の短絡電流が全く変化していないことを意味する。光照射開始(0:00)から時間とともに、変化量が少なくなっている状況が判る。図6では、約12時間までの間、第1の短絡電流の変化量は、大きいが、その後、変化量は小さくなっている。被測定物の太陽電池100が変化している状態で測定をすると、測定誤差の原因となるので、高精度に測定するためには、被測定物を安定させるライトソーキングが必要になってくる。例えば、図6の特性を持つ太陽電池100を、ライトソーキングを実施せずに測定を開始すると、測定中に最大2%程度の誤差が発生する。
なお、予備測定1以降は、測定中の被測定物の特性変化を防止するために、被測定物は常に短絡状態にしておくとよい。
{予備測定2}
予備測定2は、平均化回数及び蓄積時間に関する予備測定である。分光感度測定装置1では、ノイズが不可避的に発生し、これが原因で第2の短絡電流に誤差が発生する(SN誤差)。平均化回数及び蓄積時間を適切な値に設定することにより、その誤差を小さくするのである。第2の情報生成部651(図3)は、第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積して測定する。この操作を複数回繰り返し、複数回のそれぞれでの第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、蓄積時間の長さを変えてその処理をし、測定値の平均の算出に用いる測定値の数である平均化回数と、蓄積時間と、第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する。以下、詳しく説明する。
図7は、平均化回数と第2の短絡電流の誤差との関係を、蓄積時間に応じて示すグラフである。このグラフは、予備測定2で得られた第2の情報の一例である。蓄積時間は、例えば、1PLC(Power Line Cycle)、100ミリ秒、200ミリ秒の三つである。50Hzのとき、1PLCは、1/50秒(つまり、20ミリ秒)となる。60Hzのとき、1PLCは、1/60秒(つまり、16.7ミリ秒)となる。
図7のグラフは、以下の方法で求めることができる。複数回を例えば、30回とする。第2の情報生成部651は、第2の短絡電流(図2B)の値を所定の蓄積時間において蓄積することを30回繰り返す。第2の情報生成部651は、1回目から30回目までのそれぞれについて、この蓄積時間での第2の短絡電流の測定値(Signal(n))を算出する。
第2の情報生成部651は、測定値の平均の算出に用いる回数を変えて、測定値を平均する。この平均は、次の式で表される。
Signal_average(n)=ΣSignal(n)/n
Signal_average(n)は、n回目までの測定値の平均値である。
第2の情報生成部651は、次の式を用いて、Signal_average(n)を正規化する。∞は、ここでは30回である。
Signal_average_norm(n)={Signal_average(n)/Signal_average(∞)}−1
第2の情報生成部651は、蓄積時間が、1PLC、100ミリ秒、200ミリ秒について、Signal_average_norm(n)を算出する。以上のようにして、図7に示すグラフが得られる。横軸は、平均化回数を示している。縦軸は、Signal_average_norm(n)を示している。これは、平均化回数が30回での第2の短絡電流の平均値に対して、平均化回数が1〜30のそれぞれでの第2の短絡電流の平均値の誤差であり、単位は、%である。これを第2の短絡電流の誤差とする。平均化回数が多くなると、第2の短絡電流の誤差が小さくなる。
{予備測定3}
図1及び図3を参照して、出射制御部60は、白色バイアス光が太陽電池100に照射されている状態で、太陽電池100の短絡電流を電流測定部5で測定中に、シャッタ34を開け、電流測定部5が短絡電流(第3の短絡電流)を測定する。予備測定3は、白色バイアス光から合成光に切り替えたときに、第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間(図8)に関する予備測定である。予備測定3では、図2Cに示す第3の短絡電流が利用される。矢印は、第3の短絡電流を測定するタイミングを示す。
図1を参照して、シャッタ34は、シャッタ部の一例であり、単色光を太陽電池100に照射させる開状態と単色光を太陽電池100に照射させない閉状態とを切り替える。開状態では、合成光が太陽電池100に照射される。閉状態では、白色バイアス光が太陽電池100に照射される。第3の情報生成部652(図3)は、シャッタ34が閉状態から開状態に切り替えられて、太陽電池100に合成光が照射されたときの第3の短絡電流を用いて、第3の情報を生成する。第3の情報は、上記切り替えられたときから第3の短絡電流が安定するまでの時間と第3の短絡電流の誤差との関係を示す情報である。
図1を参照して、出射制御部60(図3)は、第2の光源部3から出射される単色光の波長を所定値(例えば、546nm)に設定する。出射制御部60は、白色バイアス光を太陽電池100に照射を開始してから所定時間(例えば、0.2秒)が経過したとき、シャッタ34を開ける制御をする。これにより、合成光が太陽電池100に照射される。電流測定部5は、合成光による第3の短絡電流の立ち上がり特性(Signal_rise(t))を測定する。そして、出射制御部60は、シャッタ34を閉じる制御をする。これにより、白色バイアス光のみが太陽電池100に照射され、単色光の立ち下がり特性(Signal_fall(t))を測定する。
第3の情報生成部652は、単色光の応答特性を示すSignal(t)を求める。
Signal(t)=Signal_rise(t)−Signal_fall(t)
第3の情報生成部652は、次の式でSignal(t)を正規化する。
Signal_norm(t)=Signal(t)/Signal(∞)
ここで、Signal(∞)は、Signal(t)を測定した最後の時間である。例えば、Signal_rise(t)、 及び、Signal_fall(t)を20秒間測定した場合、Signal(20)である。Signal(t)の波形が乱れている場合、Signal(t)に対して、波形を滑らかにするために、ラグランジェ補間、移動平均などの補間処理を行い、波形を滑らかにしてもよい。
図8は、Signal_norm(t)を示すグラフであり、図9は、図8の波形を拡大したグラフである。図から判るように、白色バイアス光の光量に応じて、単色光の応答特性が異なる。強い白色バイアス光(1200W/m)を照射時には、単色光は重畳させると、短絡電流は、急峻に立ち上がるが、白色バアイス光が照射されていない状態(0W)の場合、短絡電流は緩やかに増える。このように白色バイアス光量により単色光の応答特性が異なるので、高精度に測定するためには、白色バイアス光量により、単色光を重畳後、異なる待ち時間後に測定する必要がある。このグラフは、予備測定3で得られた第3の情報の一例である。
第3の情報生成部652は、Signal_norm(t)を用いて図8のグラフを生成する。横軸は、時間(待ち時間)を示し、単位は、秒である。縦軸は、Signal_norm(t)を示し、単位は、%である。Signal_norm(t)は、第3の短絡電流の誤差を示している。白色バイアス光の光量が1200(W/m)、100(W/m)、10(W/m)、0(W/m)のそれぞれのケースが示されている。尚、上記のグラフでは シャッタ34は0.2秒後に開いている。
この単色光の応答特性から、測定者は、白色バイアス光から合成光に切り替えたときに、第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間を判断することができる。例えば、シャッタ34を開いてから0.2秒後に測定をすると 1200(W/m)の場合 被測定物の応答特性の影響により、第3の短絡電流は10%の誤差が生じるが、100(W/m)の場合、第3の短絡電流の誤差は1%程度である。これらの情報から測定者は、白色バイアス光量毎に最適な待ち時間を判断できる
以上が、予備測定1〜3の説明である。
複数の光量の白色バイアス光のそれぞれについて、図3に示す第1の情報生成部650は、予備測定1をして第1の情報(図6)を生成し、第2の情報生成部651は、予備測定2をして第2の情報(図7)を生成し、第3の情報生成部652は、予備測定3をして第3の情報(図8)を生成する。図10は、それを説明するフローチャートである。図4のステップS5で説明したように、白色バイアス光の光量Eb_i(i:1〜n)として、光量Eb_1(1200W/m)、光量Eb_2(1000W/m)、光量Eb_3(200W/m)、光量Eb_4(100W/m)、光量Eb_5(50W/m)、光量Eb_6(30W/m)が設定されている。
図1及び図10を参照して、出射制御部60(図3)は、i=1と設定する(ステップS11)。出射制御部60は、第1の光源部2のシャッタ22を開け、かつ、第2の光源部3のシャッタ34を閉じる制御をする(ステップS12)。なお、出射制御部60は、第2の光源部3のシャッタ34を閉じる制御の替わりに、第2の発光部30を消灯する制御をしてもよい。
そして、出射制御部60は、絞り24等を制御して、光量Eb_1(1200W/m)の白色バイアス光を第1の光源部2に出射させる(ステップS13)。これにより、第1の光源部2から出射された白色バイアス光は、照射部4によって、太陽電池100に照射されて太陽電池100がライトソーキングされる。この状態で、第1の情報生成部650は、予備測定1(すなわち、ライトソーキングに関する予備測定)を行い(ステップS14)、被測定物の太陽電池100を安定状態にさせる。
出射制御部60は、第1の光源部2のシャッタ22と、第2の光源部3のシャッタ34を開ける(ステップS15)。これにより、光量Eb_1(1200W/m)の白色バイアス光と単色光とを重ねた合成光が、太陽電池100に照射される。
この状態で、第2の情報生成部651は、予備測定2(すなわち、平均化回数及び蓄積時間に関する予備測定)をする(ステップS16)。
予備測定2の終了後、第3の情報生成部652は、予備測定3(すなわち、白色バイアス光から合成光に切り替えたときに、第3の短絡電流の応答特性に関する予備測定)をする(ステップS17)。
ステップS17の後、出射制御部60は、i=nか否かを判断する(ステップS18)。上述したように設定されている複数の光量の数は、6なので、nは6である。
出射制御部60は、i=nでないと判断したとき(ステップS18でNo)、i=i+1(ステップS19)とし、ステップS12に戻る。ここでは、i=2であり、ステップS12を経て、出射制御部60は、光量Eb_2(1000W/m)にし(ステップS13)、第1の情報生成部650は、予備測定1をする(ステップS14)。
出射制御部60は、i=nと判断したとき(ステップS18でYes)、すなわち、光量Eb_6(30W/m)において、第3の情報生成部652が予備測定3(ステップS17)を終了したとき、予備測定が終了する。
[許容誤差の設定、並びに、ライトソーキング時間の予測値及び絶対分光感度の測定時間の予測値の表示]
図1及び図3を参照して、予備測定1で説明したように、第1の情報生成部650は、図4のステップS5で設定された6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)のそれぞれについて、図6で示すようなグラフを生成する。従って、図6に示すようなグラフが6つ生成されることになる。図6の右側の縦軸で示される%は、予備測定1で説明したように、1時間の間で第1の短絡電流が変動する量であり、これを第1の短絡電流の誤差とする。第1の短絡電流の誤差が、例えば、0.1%のとき、太陽電池100を安定状態にするためのライトソーキングの時間は、約24時間となり、1%のとき、数時間となる。差分分光感度を高精度に測定するためには、被測定物を安定させるのが望ましいが、そのためには膨大な待ち時間が必要になってしまい、現実的でない。
表示制御部64は、光量1200W/mの場合について、図6に示すようなグラフ(第1の情報)を表示部70に表示させる。測定者は、そのグラフを見て、ライトソーキング時間と第1の短絡電流の誤差とを考慮し、光量1200W/mの白色バイアス光によるライトソーキングについて、第1の短絡電流の誤差の許容値である第1の許容誤差を決定する。本測定においては、この決定した許容値以下になるまで被測定物を安定化させるために白色バイアス光の照射を行っている。測定者は、操作部7(入力部の一例)を操作して、第1の許容誤差を入力すると、第1の許容誤差が第1の設定部61に設定される。
測定者は、タイマーアウト時間を設定する事もできる。出射制御部60は、白色バイアス光照射が開始されてから、所定時間が経過しても、第1の設定部61に設定された第1の許容誤差に到達しないとき、タイマーアウトとなり、ライトソーキングを強制的に終了させる事もできる。測定者は、操作部7を操作して、タイマーアウトの時間(例えば、60分)を入力することにより、第1の設定部61には、タイマーアウトの時間が設定される。これにより、被測定物が安定しない場合でも、安定するまで長時間待つのでなく、所定時間経過後に、次のステップに移行できる。
残りの光量(1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)についても、同様にして、第1の許容誤差及びタイマーアウトの時間が第1の設定部61に設定される。図11は、設定された第1の許容誤差及びタイマーアウトの時間を示す表であり、表示制御部64は、この表を表示部70に表示させる。図11において、光量の替わりに「放射照度」が示されている。
予備測定2で説明したように、第2の情報生成部651は、図4のステップS5で設定された6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)のそれぞれについて、図7で示すようなグラフを生成する。従って、図7に示すようなグラフが6つ生成されることになる。図7の縦軸で示される%は、予備測定2で説明したように、Signal_average_norm(n)を示しており、これを第2の短絡電流の誤差とする。第2の短絡電流の誤差が、例えば、±1%とする。蓄積時間が1PLCのとき、平均化回数2回であり、蓄積時間が100ミリ秒のとき、平均化回数が10回であり、蓄積時間が200ミリ秒のとき、平均化回数が7回となる。
表示制御部64は、光量1200W/mの場合について、図7に示すようなグラフ(第2の情報)を表示部70に表示させる。測定者は、そのグラフを見て、平均化回数、蓄積時間及び第2の短絡電流の誤差を考慮し、光量1200W/mの白色バイアス光による差分分光感度の測定について、第2の短絡電流の誤差の許容値である第2の許容誤差を決定する。測定者は、操作部7を操作して、第2の許容誤差を入力すると、第2の許容誤差が第1の設定部61に設定される。
残りの光量(1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)についても、同様にして、第2の許容誤差が第1の設定部61に設定される。図12は、設定された第2の許容誤差を示す表であり、表示制御部64は、この表を表示部70に表示させる。
予備測定3で説明したように、第3の情報生成部652は、図4のステップS5で設定された6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)について、図8で示すグラフを生成する(第3の情報)。図8は、光量(1200W/m、100W/m、10W/m、0W/m)の場合が示されているが、上記6つの光量の場合が示されることになる。図8の縦軸で示される%は、予備測定3で説明したように、Signal_norm(t)を示しており、これを第2の短絡電流の誤差とする。
測定者は、待ち時間と第3の短絡電流の誤差を考慮し、光量1200W/mの白色バイアス光による差分分光感度の測定について、第3の短絡電流の誤差の許容値である第3の許容誤差を決定する。測定者は、操作部7を操作して、第3の許容誤差を入力すると、第3の許容誤差が第1の設定部61に設定される。
残りの光量(1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)についても、同様にして、第3の許容誤差が第1の設定部61に設定される。図13は、設定された第3の許容誤差を示す表であり、表示制御部64は、この表を表示部70に表示させる。
以上説明したように、第1の設定部61には、第1の情報(図6)で示される第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、第2の情報(図7)で示される第2の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第2の許容誤差、及び、第3の情報(図8)で示される第3の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第3の許容誤差が、入力部(操作部7)からの入力により設定される。
第1の許容誤差、第2の許容誤差及び第3の許容誤差が設定されると、時間算出部66は、予備測定をした太陽電池100について、ライトソーキング時間の予測値、及び、絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する。図14は、これらの予測値を含む測定条件を示す表である。
{ライトソーキング時間の予測値の算出}
ライトソーキング時間の予測値は、予備測定1で得られた第1の情報(図6)及び第1の許容誤差を用いて算出される。図4のステップS5で設定された6つの光量のそれぞれについて、図11に示す第1の許容誤差が設定されている。時間算出部66は、予備測定1で得られた光量1200W/mについての図6に示すグラフ、及び、光量1200W/mについての第1の許容誤差を用いて、光量1200W/mの白色バイアス光によるライトソーキング時間を求める。図6によれば、例えば、第1の許容誤差が1%とすれば、ライトソーキング時間が3時間となる。
光量に応じて図6に示すグラフが異なるので、測定者は、光量に応じて、第1の許容誤差を設定する。時間算出部66は、残りの光量(1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)についても、同様にして、ライトソーキング時間を求める。時間算出部66は、これら6つのライトソーキング時間を加算した時間T1を求める。時間T1が、測定対象となる太陽電池100についてのライトソーキング時間の予測値となる。
{絶対分光感度の測定時間の予測値の算出}
絶対分光感度は、複数の差分分光感度(本実施形態では6つの差分分光感度)を演算して求められる。この演算に要する時間は、1秒程度である。従って、絶対分光感度の測定時間は、複数の差分分光感度の測定時間を加算した値とほぼ同じである。よって、絶対分光感度の測定時間の予測値は、複数の差分分光感度の測定時間の予測値を加算した値とほぼ同じである。
差分分光感度の測定時間は、予備測定2で得られた第2の情報(図7)及び第2の許容誤差、並びに、予備測定3で得られた第3の情報(図8)及び第3の許容誤差を用いて算出される。以下、詳しく説明する。
図4のステップS5で設定された6つの光量のそれぞれについて、図12に示す第2の許容誤差が設定されている。時間算出部66は、予備測定2で得られた光量1200W/mについての図7に示すグラフ、及び、光量1200W/mについての第2の許容誤差を用いて、光量1200W/mの白色バイアス光で差分分光感度を測定する場合に、設定される平均化回数及び蓄積時間を求める。これが、図14の「1200W/m」に対応する平均化回数及び蓄積時間である。
時間算出部66は、予備測定3で得られた光量1200W/mについての図8に示すグラフ、及び、光量1200W/mについての第3の許容誤差を用いて、光量1200W/mの白色バイアス光で差分分光感度を測定する場合に、設定される待ち時間を求める。これが、図14の「1200W/m」に対応する待ち時間である。
時間算出部66は、上述のようにして求めた、光量1200W/mに対応して設定された平均化回数、蓄積時間及び待ち時間を用いて、光量1200W/mでの差分分光感度の測定時間(すなわち、光量1200W/mの白色バイアス光で差分分光感度を測定する場合の時間)の予測値を算出する。
光量に応じて図7及び図8に示すグラフが異なるので、測定者は、光量に応じて、第2の許容誤差及び第3の許容誤差を設定する。時間算出部66は、残りの光量(1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)についても、同様にして、光量1000W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量200W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量100W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量50W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量30W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値を算出する。これらの予測値を算出する式として、様々な式が考えられるが、これは当業者の設計事項である。平均化回数が多いこと、蓄積時間が長いこと、待ち時間が長いことは、予測値が長くなる要因となる。平均化回数が少ないこと、蓄積時間が短いこと、待ち時間が短いことは、予測値が短くなる要因となる。
時間算出部66は、これら6つの差分分光感度の測定時間の予測値を加算した時間T2を求める。時間T2が、測定対象となる太陽電池100についての絶対分光感度の測定時間の予測値となる。
表示制御部64は、図14に示す表を含む測定条件画面(不図示)を表示部70に表示させる。
絶対分光感度の測定時間の予測値が8時間であり、測定者が、その測定時間を短くするために、操作部7を操作して、例えば、第3の許容誤差を図15に示すように緩めると、分光感度測定装置1は、待ち時間を再計算し、この修正された待ち時間に基づき、絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算する。第3の許容誤差を緩めたので、測定時間の予測値は、図14に示すそれよりも短くなっている。
同様に、測定者が、第2の許容誤差を変更した場合も、分光感度測定装置1は、変更された値に基づき、絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算し、表示制御部64は、再計算した測定時間の予測値を表示部70に表示させる。
また、測定者が、第1の許容誤差を変更した場合、分光感度測定装置1は、変更された値に基づき、ライトソーキング時間の予測値を再計算し、表示制御部64は、再計算した時間の予測値を表示部70に表示させる。
測定条件記憶部67(図3)は、表示部70に表示されている測定条件画面(不図示)に示される絶対分光感度の測定条件に対して、測定者が操作部7(入力部の一例)を操作して確定する入力をしたとき、測定条件を記憶する。詳しく説明すると、図14に示す表を含む測定条件画面が表示部70に表示されている状態で、測定者が操作部7を操作して、確定する入力をすると、この測定条件画面に示される絶対分光感度の測定条件が、測定条件記憶部67に記憶される。同様に、図15に示す表を含む測定条件画面が表示部70に表示されている場合は、この測定条件画面に示される絶対分光感度の測定条件が測定条件記憶部67に記憶される。確定した絶対分光感度の測定条件が記憶されるので、この測定条件を繰り返し利用することができる。
[本測定]
図16は、本測定を説明するフローチャートである。図1及び図16を参照して、測定者は、操作部7(入力部の一例)を操作して、絶対分光感度を測定する命令を入力する。これにより、分光感度測定装置1は、上述した測定条件記憶部67(図3)に記憶されている測定条件、及び、[測定条件の設定]で説明した第2の設定部62に設定されている各種設定を用いて、絶対分光感度の測定を開始する。
まず、出射制御部60は、i=1と設定する(ステップS21)。出射制御部60は、第1の光源部2のシャッタ22を開け、かつ、第2の光源部3のシャッタ34を閉じる制御をする(ステップS22)。
そして、出射制御部60は、絞り24等を制御して、光量Eb_1(1200W/m)の白色バイアス光を第1の光源部2に出射させる(ステップS23)。これにより、第1の光源部2から出射された白色バイアス光は、照射部4によって、太陽電池100に照射されて太陽電池100のライトソーキングを行う(ステップS24)。
ライトソーキングが終了すると、分光感度測定装置1は、予備測定で設定した測定条件で、単色光の波長を変更しながら、差分分光感度を測定する(ステップS26)。
電流測定部5は、第2の短絡電流(図2B)から、演算によって単色光による短絡電流を抽出する。差分分光感度測定部68(図3)は、単色光による短絡電流を用いて、光量Eb_1(1200W/m)での差分分光感度を測定する。なお、ロックインアンプ50により、第2の短絡電流から単色光による短絡電流を抽出してもよい。分光感度測定装置1では、この二つの方法を選択できる。
ステップS26の後、出射制御部60は、i=nか否かを判断する(ステップS27)。上述したように設定されている複数の光量の数は、6なので、nは6である。
出射制御部60は、i=nでないと判断したとき(ステップS27でNo)、i=i+1(ステップS28)とし、ステップS22に戻る。ここでは、i=2であり、ステップS22を経て、出射制御部60は、光量Eb_2(1000W/m)の白色バイアス光を第1の光源部2に出射させる(ステップS23)。そして、ステップS24の処理がされる。
出射制御部60は、i=nと判断したとき(ステップS27でYes)、すなわち、光量Eb_6(30W/m)において、ステップS26の測定が終了したとき、絶対分光感度算出部69(図3)は、差分分光感度測定部68によって測定された複数(6個)の差分分光感度を用いて、太陽電池100の絶対分光感度を算出する(ステップS29)。以上が本測定の説明である。
本実施形態の主な効果を説明する。図1及び図3を参照して、予備測定部65は、太陽電池100の絶対分光感度の測定が開始される前に、その太陽電池100を用いて予備測定をする。時間算出部66は、予備測定の結果、及び、測定者が設定した許容誤差(第1の許容誤差、第2の許容誤差、第3の許容誤差)を用いて、ライトソーキング時間の予測値、及び、絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する。第1の許容誤差が決まると、第1の情報(図6)からライトソーキング時間の予測値が決まる。
第2の許容誤差が決まると、第2の情報(図7)から平均化回数及び蓄積時間が決まる。第3の許容誤差が決まると、第3の情報(図8)から待ち時間が決まる。平均化回数、蓄積時間及び待ち時間を用いた絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する式は、当業者の設計事項である。
以上のように、本実施形態に係る分光感度測定装置1によれば、DSR法を用いた絶対分光感度の測定が開始される前に、ライトソーキング時間の予測値、及び、絶対分光感度の測定時間の予測値を、測定者が知ることができるので、ライトソーキング時間及び絶対分光感度の測定時間が、測定者の想定を大きく超えることを事前に防止できる。
図14及び図15で説明したように、測定者が、表示部70に表示された測定条件画面(不図示)に含まれる絶対分光感度の測定時間の予測値を見て、絶対分光感度の測定条件(平均化回数、蓄積時間、待ち時間、第2の許容誤差、第3の許容誤差)を変更したとき、時間算出部66は、絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算する。表示制御部64は、再計算された絶対分光感度の測定時間の予測値を含む測定条件画面を表示部70に表示させる。ライトソーキング時間の予測値についても同様である。
従って、本実施形態によれば、絶対分光感度の測定時間の予測値と、許容誤差(第2の許容誤差、第3の許容誤差)とのバランスを測定者が決めることができる。また、ライトソーキング時間の予測値と第1の許容誤差とのバランスを測定者が決めることができる。
本実施形態では、単色光による電流値の測定を、シャッタ34を開けてから一定の待ち時間経過後に短絡電流を測定する方式で説明した。本実施形態の変形例1,2を説明する。変形例1,2は、差分分光感度の測定において、単色光による短絡電流をロックインアンプ50(図1)によって得ることを前提とする。
変形例1から説明する。図17は、チョッパ36(図1)の模式図である。チョッパ36は、単色光を所定の周波数でチョッピングするチョッピング部の機能を有する。図18は、第4の短絡電流を説明するグラフであり、縦軸は、第4の短絡電流を示し、横軸は、時間を示している。第4の短絡電流は、第2の短絡電流(図2B)及び第3の短絡電流(図2C)と同様に、白色バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光が、太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。第4の短絡電流は、白色バイアス光が太陽電池100に照射中に、チョッパ36で周期的にチョッピングされた単色光が太陽電池100に照射されることにより生じる太陽電池100の短絡電流である。図1及び図18を参照して、ロックインアンプ50を用いる場合、チョッパ36を回転させて、単色光を周期的にチョッピングする。これにより、合成光を構成する単色光は、光量が周期的に変化する単色光(言い換えれば、パルス状の単色光)となる。
単色光をチョッピングする周波数に関する予備測定を予備測定4とする。変形例1では、予備測定3の替わりに、予備測定4がされる。図19は、変形例1の予備測定部65aのブロック図である。予備測定部65aが、図3に示す予備測定部65と異なるのは、第3の情報生成部652の替わりに、予備測定4を実行する第4の情報生成部653を備える。
予備測定4について説明する。測定者は、単色光をチョッピングする周波数の候補として、例えば、以下の周波数群を定める。
周波数群:100Hz、30Hz、10Hz、3Hz、1Hz、0.5Hz、0.3Hz、0.1Hz
これは、周波数が高い値から低い値に順番に並べられた周波数群である。周波数が低い値から高い値に順番に並べられた周波数群でもよい。電流測定部5は、所定の光量の白色バイアス光の下で、周波数群を構成するそれぞれの周波数について、第4の短絡電流を測定する。ここでは、所定の光量を、例えば、1000W/m、100W/m、10W/mとした。三つの光量としたのは、説明を簡単にするためである。実際には、所定の光量は、図4のステップS5で設定された6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)である。
図20は、第4の短絡電流の測定結果を示す表である。光量の替わりに放射照度(W/m)が示されている。第4の情報生成部653は、順番が隣り合う周波数について、第4の短絡電流の誤差を算出する。放射照度(光量)が1000W/mを例に説明すると、100Hzでの第2の短絡電流(177mA)と30Hzでの第4の短絡電流(201mA)との差、30Hzでの第4の短絡電流(201mA)と10Hzでの第4の短絡電流(206mA)との差、10Hzでの第4の短絡電流(206mA)と3Hzでの第4の短絡電流(206mA)との差、3Hzでの第4の短絡電流(206mA)と1Hzでの第4の短絡電流(206mA)との差、1Hzでの第4の短絡電流(206mA)と0.5Hzでの第4の短絡電流(205mA)との差、0.5Hzでの第4の短絡電流(205mA)と0.3Hzでの第4の短絡電流(204mA)との差、0.3Hzでの第4の短絡電流(204mA)と0.1Hzでの第4の短絡電流(198mA)との差を算出する。
差をSignal_nor(Bias,f)とする。差は、次の式を用いて算出した。
Signal_nor(Bias,f)={Signal(Bias,f−1)/Signal(Bias,f)}−1
Signal(Bias,f)を、例えば、光量1000W/m、周波数100Hzを条件とした第4の短絡電流(177mA)としたとき、Signal(Bias,f−1)は、光量1000W/m、周波数30Hzを条件とした第4の短絡電流(201mA)である。
図21は、差を計算した結果を示す表である。この表は、第4の情報の一例である。図1及び図3を参照して、表示制御部64は、図21に示す表を含む画面を表示部70に表示させる。測定者が、第4の情報で示される第4の短絡電流の誤差を見て、この許容誤差(第4の許容誤差)を、例えば、±1%と決定する。測定者は、操作部7を操作して、第4の許容誤差を入力すると、第4の情報生成部653(図19)は、図21に示す表を参照し、高い周波数から差が±1%以下となる周波数は探し、光量1000W/mのときの周波数を、例えば3Hz、光量100W/mのときの周波数を、例えば1Hz、光量10W/mのときの周波数を、例えば0.5Hzと決定する。第1の設定部61には、決定された周波数及び第4の許容誤差が設定される。
図20及び図21において、光量を、1000W/m、100W/m、10W/mとしたのは、説明を簡単にするためである。実際は、図4のステップS5で設定された6つの光量(1200W/m、1000W/m、200W/m、100W/m、50W/m、30W/m)である。
絶対分光感度の測定時間の予測値の算出方法は、上述した通りである。変形例1では、予備測定3の替わりに予備測定4がされる。このため、上述した{絶対分光感度の測定時間の予測値の算出}において、差分分光感度の測定時間の予測値は、予備測定2で得られた第2の情報及び第2の許容誤差、並びに、予備測定4で得られた第4の情報及び第4の許容誤差を用いて算出される。
すなわち、時間算出部66は、上述のようにして求めた、光量1200W/mに対応して設定された平均化回数、蓄積時間及び周波数を用いて、光量1200W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値を算出する。同様にして、光量1000W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量200W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量100W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量50W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値、光量30W/mでの差分分光感度の測定時間の予測値を算出する。これらの測定時間の予測値を算出する式として、様々な式が考えられるが、これは当業者の設計事項である。平均化回数が多いこと、蓄積時間が長いこと、周波数が低いことは、測定時間の予測値が長くなる要因となる。平均化回数が少ないこと、蓄積時間が短いこと、周波数が高いことは、測定時間の予測値が短くなる要因となる。
変形例1が本実施形態と異なる点は、以上の通りである。測定条件画面、第1の設定部61での変更設定、絶対分光感度の測定時間の予測値の再計算等は、本実施形態で説明した内容について、第3の情報を第4の情報と読み替え、第3の許容誤差を第4の許容誤差に読み替え、待ち時間を周波数に読み替えればよい。
変形例1の主な効果を説明する。図1に示すロックインアンプ50を用いる場合、単色光が周期的にチョッピングされる。周波数が高ければ、差分分光感度の測定時間を短くでき、周波数が低ければ、差分分光感度の測定時間が長くなる。本発明者は、周波数に応じて、第4の短絡電流の差が異なることを見出した。変形例1によれば、単色光をチョッピングする周波数と周波数を変更した時の第4の短絡電流との差を基に、測定者が第4の許容誤差を決めることができる。これにより、第4の許容誤差を反映した絶対分光感度の測定時間の予測値を算出することができる。
次に、変形例2を説明する。図22は、変形例2の予備測定部65bのブロック図である。変形例2において、分光感度測定装置1は、図10のステップS17で求めた単色応答特性(Signal_norm(t))を使い、第3の情報生成部652の替わりに、予備演算部654を備え、該演算部は、以下の式で示す演算を行う。
Figure 2017011843
予備演算部654は、周波数ωを変更しながら、Signal_norm(t)に、sin(ωt)を畳み込み積分を行い、sin(ωt)の積分値で割った値を求めていく。図23Aでは、白色バイアス光量1200W/mの時のSignal_norm(t)の応答特性(実線)に対して、2/1/0.5Hzの正弦波(点線)を示している。同様に、図23B〜図23Dでは、放射照度を、100W/m、10W/m、0W/mのSignal_norm(t)と周波数の異なる正弦波を示している。
予備演算部654で計算された各々の放射照度と周波数の関係を図24に示す。測定者が許容誤差を、例えば、1%を設定すると、図24の表から各々の放射照度において、周波数の高い方から1%以下となる周波数を選択する。図24の場合、放射照度1200W/mでは、2Hz、放射照度100W/mでは、2Hz、放射照度10W/mでは、2Hz、放射照度0W/mでは、0.5Hzを選択する。このようにして選択された、放射照度毎のロックインアンプ50の周波数を測定条件記憶部67(図3)に記憶する。
上記の結果から求めた絶対分光感度の測定時間の予測値の算出方法は、変形例1と同様である。
1 分光感度測定装置
7 操作部(入力部の一例)
34 シャッタ(シャッタ部の一例)
36 チョッパ(チョッピング部の一例)
PV 太陽電池

Claims (7)

  1. バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定装置であって、
    前記バイアス光を出射する第1の光源部と、
    前記単色光を出射する第2の光源部と、
    前記太陽電池の短絡電流を測定する電流測定部と、
    前記単色光を前記太陽電池に照射させる開状態と前記単色光を前記太陽電池に照射させない閉状態とを切り替えるシャッタ部と、
    前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定部と、を備え、
    前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記シャッタ部が閉じた状態から開いた状態に切り換えられ、前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第3の短絡電流とし、
    前記予備測定部は、
    前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成部と、
    前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成部と、
    前記閉状態から前記開状態に切り替えられて、前記太陽電池に前記合成光が照射されたときの前記第3の短絡電流を用いて、前記切り替えられたときから前記第3の短絡電流の応答特性を測定し、前記応答特性を用いて、前記第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間と、前記第3の短絡電流の誤差との関係を示す第3の情報を生成する第3の情報生成部と、を備え、
    前記分光感度測定装置は、さらに、
    前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第3の情報で示される前記第3の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第3の許容誤差が、前記測定者により入力される入力部と、
    前記入力部に入力された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差が設定される第1の設定部と、
    前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出部と、を備える分光感度測定装置。
  2. 前記分光感度測定装置は、前記分光感度を差分分光感度とし、前記バイアス光の光量を順次変えて、前記合成光を前記太陽電池に照射することにより測定した前記差分分光感度を用いて、前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定し、
    前記分光感度測定装置は、さらに、前記バイアス光について、値が異なる複数の光量が設定される第2の設定部を備え、
    前記複数の光量の前記バイアス光のそれぞれについて、前記第1の情報生成部は、前記第1の情報を生成し、前記第2の情報生成部は、前記第2の情報を生成し、前記第3の情報生成部は、前記第3の情報を生成する請求項1に記載の分光感度測定装置。
  3. 前記分光感度測定装置は、さらに、
    表示部と、
    前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、
    前記表示制御部は、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記ライトソーキング時間の予測値、前記絶対分光感度の測定時間の予測値、並びに、前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差を含む前記絶対分光感度の測定条件を示す測定条件画面を前記表示部に表示させ、
    前記第1の設定部は、前記入力部からの入力により、前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差の少なくとも一つを変更する変更設定がされ、
    前記時間算出部は、前記第1の設定部に前記第1の許容誤差が変更設定されたとき、前記ライトソーキング時間の予測値を再計算し、前記第1の設定部に前記平均化回数、前記蓄積時間、前記待ち時間、前記第2の許容誤差、及び、前記第3の許容誤差の少なくとも一つが変更設定されたとき、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を再計算し、
    前記表示制御部は、前記再計算された前記予測値を含む前記測定条件画面を前記表示部に表示させる請求項1又は2に記載の分光感度測定装置。
  4. 前記分光感度測定装置は、さらに、前記表示部に表示されている前記測定条件画面に示される前記絶対分光感度の測定条件に対して、確定する入力が前記入力部にされたとき、前記測定条件を記憶する測定条件記憶部を備え、
    前記分光感度測定装置は、前記絶対分光感度を測定する命令が前記入力部に入力されたとき、前記測定条件記憶部に記憶されている前記測定条件を用いて、前記絶対分光感度を測定する請求項3に記載の分光感度測定装置。
  5. バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定装置であって、
    前記バイアス光を出射する第1の光源部と、
    前記単色光を出射する第2の光源部と、
    前記太陽電池の短絡電流を測定する電流測定部と、
    前記単色光を所定の周波数でチョッピングするチョッピング部と、
    前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定部と、を備え、
    前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記チョッピング部で周期的にチョッピングされた前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第4の短絡電流とし、
    前記予備測定部は、
    前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成部と、
    前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成部と、を備え、
    前記電流測定部は、前記予備測定において、前記周波数が高い値から低い値又は低い値から高い値に順番に並べられた周波数群を構成する複数の前記周波数のそれぞれで、前記単色光をチョッピングしたときの前記第4の短絡電流を測定し、
    前記予備測定部は、さらに、前記順番が隣り合う前記周波数について、前記第4の短絡電流の誤差を算出し、複数の前記周波数と前記第4の短絡電流の誤差との関係を示す第4の情報を生成する第4の情報生成部を備え、
    前記分光感度測定装置は、さらに、
    前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第4の情報で示される前記第4の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第4の許容誤差が、前記測定者により入力される入力部と、
    前記入力部に入力された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差が設定される第1の設定部と、
    前記第1の設定部に設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出部と、を備える分光感度測定装置。
  6. バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定方法であって、
    前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定ステップを備え、
    前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光を前記太陽電池に照射させる開状態から前記単色光を前記太陽電池に照射させない閉状態に切り替えられ、前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第3の短絡電流とし、
    前記予備測定ステップは、
    前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成ステップと、
    前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成ステップと、
    前記閉状態から前記開状態に切り替えられて、前記太陽電池に前記合成光が照射されたときの前記第3の短絡電流を用いて、前記切り替えられたときから前記第3の短絡電流の応答特性を測定し、前記応答特性を用いて、前記第3の短絡電流が安定するまでの待ち時間と、前記第3の短絡電流の誤差との関係を示す第3の情報を生成する第3の情報生成ステップと、を備え、
    前記分光感度測定方法は、さらに、
    前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第3の情報で示される前記第3の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第3の許容誤差が、前記測定者により入力される入力ステップと、
    前記入力ステップに入力された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差が設定される設定ステップと、
    前記設定ステップで設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第3の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出ステップと、を備える分光感度測定方法。
  7. バイアス光と単色光とを重ねた光である合成光を太陽電池に照射することにより測定した分光感度を用いて、前記太陽電池の絶対分光感度を測定する分光感度測定方法であって、
    前記太陽電池の前記絶対分光感度を測定する前に、前記太陽電池を用いて、予備測定をする予備測定ステップを備え、
    前記バイアス光が、前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第1の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、前記単色光が連続的に前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第2の短絡電流とし、
    前記バイアス光が前記太陽電池に照射中に、周期的にチョッピングされた前記単色光が前記太陽電池に照射されることにより生じる前記短絡電流を第4の短絡電流とし、
    前記予備測定ステップは、
    前記分光感度を測定する前に前記バイアス光を前記太陽電池に照射するライトソーキング時間と、前記第1の短絡電流の変化量との関係を示す第1の情報を生成する第1の情報生成ステップと、
    前記第2の短絡電流の値を所定の蓄積時間において蓄積することを複数回繰り返し、前記複数回のそれぞれでの前記第2の短絡電流の測定値を算出する処理について、前記蓄積時間の長さを変えて前記処理をし、前記測定値の平均の算出に用いる前記測定値の数である平均化回数と、前記蓄積時間と、前記第2の短絡電流の誤差との関係を示す第2の情報を生成する第2の情報生成ステップと、
    前記周波数が高い値から低い値又は低い値から高い値に順番に並べられた周波数群を構成する複数の前記周波数のそれぞれで、前記単色光をチョッピングしたときの前記第4の短絡電流を測定するステップを含み、前記順番が隣り合う前記周波数について、前記第4の短絡電流の誤差を算出し、複数の前記周波数と前記第4の短絡電流の誤差との関係を示す第4の情報を生成する第4の情報生成ステップと、を備え、
    前記分光感度測定方法は、さらに、
    前記第1の情報で示される前記第1の短絡電流の誤差を基に測定者が決めた第1の許容誤差、前記第2の情報で示される前記第2の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第2の許容誤差、及び、前記第4の情報で示される前記第4の短絡電流の誤差を基に前記測定者が決めた第4の許容誤差が、前記測定者により入力される入力ステップと、
    前記入力ステップで入力された前記第1の許容誤差、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差が設定される設定ステップと、
    前記設定ステップで設定された前記第1の許容誤差に基づいて、前記ライトソーキング時間の予測値を算出し、前記第2の許容誤差及び前記第4の許容誤差に基づいて、前記絶対分光感度の測定時間の予測値を算出する時間算出ステップと、を備える分光感度測定方法。
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