本発明の一実施形態を図1〜図12に依拠して説明する。本実施形態は、上記(式A)ESTC=∫0 ISTC 1/s〜(I)dIを用いて、標準試験条件の光(EAM1.5 λ(λ))が照射されたときの太陽電池の短絡電流ISTCを算出する。しかし、本実施形態は、その際に必要な、太陽電池の分光感度(微分分光応答)s〜(I、λ)を測定する回数をできるだけ少なくして、より少ない演算量と時間とで短絡電流ISTCを算出する。
本実施形態は、測定した微分分光応答s〜(I、λ)を用いて算出した短絡電流ISTCが、所定の誤差の範囲内となるような、微分分光応答s〜(I、λ)を測定する位置、言い換えれば、短絡電流の値を求める。
本実施形態は、太陽電池に照射するバイアス光を、非常に弱いバイアス光から略1.5・ESTC相当の強いバイアス光の範囲で細かくバイアス光強度(放射照度)を変えて測定するのではなく、太陽電池の短絡電流が、事前に求めた短絡電流の値となるようなバイアス光強度でのみ、微分分光応答s〜(Ii、λ)を測定すればよいことになる。以下、微分分光応答s〜(I、λ)を測定する短絡電流の値を「短絡電流ポイント」というものとする。
<短絡電流ポイント(測定位置)の決定方法>
ここで、本実施形態での微分分光応答s〜(I、λ)を測定する短絡電流ポイントを求める方法を説明する。
測定対象の太陽電池に、バイアス光源の光を照射して短絡電流Iが得られている状態で、以下の式で示される光が重畳される。
δE(λ)=dE・{E(λ)/∫−∞ +∞E(λ’)dλ’}
そのときの短絡電流の増分dIが測定される。dIは以下の式で表される。s〜(I、λ)は微分分光応答である。
dI=dE∫−∞ +∞s〜(I、λ)・{E(λ)/∫−∞ +∞E(λ’)dλ’}dλ
δE(λ)のスペクトル分布は、標準試験条件の分光放射照度スペクトルに概ね相似であればよく、高い一致度は必要ではない。以下、この光を「相似光」というものとする。また、dEは、重畳照射した相似光の放射照度(分光放射照度ではない)を、校正された線形素子(基準検知器)で測定して求めたものである。
複数のバイアス光強度Ijについて、繰り返してdEj、及び、dIjが測定され、以下の式を用いてR(Ij)が算出される。
R(Ij)=(dEj/dIj) (j=0、1、2、・・・、M−1)
δEj(λ)のスペクトル分布は、標準試験条件AM1.5の分光放射照度分布に概ね等しいので、R(Ij)は以下の式で表される1/s〜(Ij)に概ね等しいことになる。
1/s〜(Ij)=1/[∫−∞ +∞s〜(Ij、λ)・{EAM1.5(λ)/∫−∞ +∞EAM1.5(λ’)dλ’}dλ]
尚、IjとIj+dIjとはほぼ等しいので、R(Ij)はR(Ij+dIj)としてもよい。
従って、R(Ij) (j=0、1、2、・・・、N−1)から、以下の式を満足するISCが求められる。
1.2*ESTC=∫0 ISC R(I)dI
尚、この式の「1.2」は、短絡電流ポイントを決定する際の短絡電流の上限値を示すことになる値であり、適時、最適な値を設定すればよい。図6は、短絡電流ポイントを説明するための図である。短絡電流ポイントを、0〜ISCの間で決定する。
詳細には、0≦Ij≦ISCの範囲内のIjにおけるR(Ij) (j=0、1、2、・・・、N−1)より、0≦I≦ISCにおけるR(I)の2次微係数が推定され、それに基づいてs〜(Ib、λ)を測定すべき短絡電流ポイントが決定される。
実施形態では、短絡電流を所定の誤差範囲内で算出するために必要なs〜(I、λ)の最小限の数の測定短絡電流ポイントを決定するために、0≦I≦ISCにおけるR(I)の2次微係数が使用される。∫0 ISTC 1/s〜(I)dIを台形公式で近似するときの近似誤差は1/s〜(x) (0≦x≦ISTC)の、2次微係数の絶対値に依存するからである。尚、数値積分にシンプソンの公式を用いる場合には、近似誤差は1/s〜(x) (0≦x≦ISTC)の、4次微係数の絶対値に依存する。従って、この場合は、R(I)の4次微係数を推定し、それに基づいてs〜(Ib、λ)を測定すべき短絡電流ポイントが決定される。
以下、短絡電流ポイントを求める具体的方法の一例により、標準試験条件の光による太陽電池の短絡電流を求める太陽電池評価装置を説明する。
<太陽電池評価装置>
実施形態の太陽電池評価装置は、以下の3つの処理を行う。
第1の処理は、分光感度を測定する短絡電流ポイントを、バイアス光を照射している状態での太陽電池の短絡電流と、前記バイアス光を照射している状態で相似光を重畳照射したときの短絡電流との差分(増分)と、相似光の放射照度とに基づいて求める処理である。
第2の処理は、第1の処理で求めた複数の短絡電流ポイントでバイアスの光の照射を行いつつ、単色光(実際には、数nmの狭波長帯域を持つ波長の光)を照射し、太陽電池11からの電流を逐次求めることで短絡電流ポイントにおける分光感度を測定する処理である。
第3の処理は、短絡電流ポイントで測定した分光感度を用いて、標準試験条件の光による太陽電池11の短絡電流を算出する処理である。
<構成>
図1は、太陽電池評価装置100の構成を示すブロック図である。
太陽電池評価装置100は、分光光源駆動制御部1、分光光源2、光学系3a、光学系3b、光学系3c、光学系3d、光学系3e、モノクロメータ4、サーボモータ6、光ブレード6a、チョッピングモータ駆動制御部7、バイアス光源駆動制御部8、バイアス光源9、放射照度測定部10、太陽電池11、ロックインアンプ12、DCアンプA13、DCアンプC14、演算制御部15、データ入出力部16、データ記憶部17、設定部18、表示部19、光カプラ20a、光カプラ20b、光カプラ20c、光カプラ21a、光カプラ21b、光ファイバー22、フィルター23、シャッター24、シャッター制御部25、放射照度検知器26、及び、DCアンプB27で構成される。
分光光源2は、太陽電池11に光を照射するキセノンランプ等であり、分光光源駆動制御部1は、分光光源2の出力光の強度を制御する装置である。光学系3a、光学系3b、光学系3c、光学系3d、光学系3eは、その用途に応じて光を集中、又は、コリメート(平行光化)させるためのレンズ等の光学素子である。
モノクロメータ4は、広範囲の波長の光を空間的に分散させ、それをスリット等で狭い範囲の波長のみを取り出す分光器である。モノクロメータ4は、例えば、入射スリット、第1反射鏡、回折格子、第2反射鏡、及び、出射スリットを備えて構成され、入射スリットを介して入射された入射光束を第1反射鏡で回折格子へ反射し、回折格子で回折された入射光束の回折光を第2反射鏡で出射スリットへ反射する装置である。回折格子等を回転させてスリットの位置に到達する光の波長を選択させ、所望の範囲の波長のみを取り出す。モノクロメータ4は、前記所望する範囲の波長を取り出すように演算制御部15によって制御される。
光ブレード6aは、所定の幅で径方向にのびる切欠き部が周方向に一定間隔に並んでいる円板状の部材であり、サーボモータ6は、サーボ機構において光ブレード6aをその中心を回転軸として回転させるモータである。チョッピングモータ駆動制御部7は、光ブレード6aが所望の速度で回転するようにサーボモータ6を制御する装置である。
光カプラ20a、光カプラ20b、光カプラ20cは、入射光を2つの光に分配して射出する光部品であり、光カプラ21a、光カプラ21bは、複数の入射光を重畳して射出する光部品である。光カプラ20a、光カプラ20b、光カプラ20c、光カプラ21a、光カプラ21bは、例えばハーフミラー等の微小光学素子形光分岐結合器や溶融ファイバーの光ファイバー形分岐結合器や光導波路形光分岐結合器等を利用することができる。
バイアス光源9は、太陽電池11に光を照射するキセノンランプ等であり、バイアス光源駆動制御部8は、バイアス光源9の出力光の強度を制御する装置である。
放射照度測定部10は、光カプラ20bによる分配光(モノクロメータ4から射出された単色光)の放射照度を測定する装置であり、DCアンプC14は、放射照度測定部10で測定された、図5で示す放射照度ΔEを出力する。
太陽電池11は、測定対象の太陽電池である。
ロックインアンプ12、及び、DCアンプA13は太陽電池11の光電流を取り出す装置である。ここで、図7は、太陽電池11が出力する光電流のグラフの例を示す図である。太陽電池11には、後述のように、バイアス光源9から射出された光(バイアス光)と、光ブレード6aによって所定周期(周期T)でON/OFFされたパルスの単色光(単色光パルス、変調光)とが重畳された光が照射される。そのため、このグラフで示すように、太陽電池11が出力する光電流には、バイアス光による光電流と、所定周期Tで入射される単色光パルスによる光電流とが含まれる。ロックインアンプ12は、図7に示す単色光パルスによる光電流を所定周期Tと同期することで検出し、図5で示すΔIを出力する。また、DCアンプA13は、図7に示すバイアス光による光電流、すなわち、図5に示す参照符号Faのグラフの縦軸で示す太陽電池11の短絡電流の値を出力する。
光ファイバー22は、石英ガラス等を使用した、光を導光する光路である。フィルター23は、入射光の分光放射スペクトルをAM1.5の太陽光スペクトルに概ね相似になるような分光透過率を持つ光学素子である。光ファイバー22を介して導光された光は、フィルター23を介して、相似光として射出される。
シャッター24は、太陽電池11に照射する相似光を遮る遮光装置であり、シャッター制御部25は、シャッター24の遮断状態と透過状態との切り替えを制御する装置である。
放射照度検知器26は、光カプラ20cによる分配光(相似光)の放射照度を測定する装置(基準検知器)であり、DCアンプB27は、放射照度検知器26で測定された放射照度dE(図5で示す放射照度ΔEの算出に用いる)を出力する。尚、相似光の放射照度dEjが予め測定され、それがデータ記憶部17に記憶されていてもよい。その場合は放射照度検知器26及びDCアンプB27は無くてもよい。
ここで、太陽電池評価装置100において、短絡電流ポイントを求める処理(上記第1の処理)を行う場合の、光路について説明する。
分光光源2から照射された光は、光カプラ20aに入射する。光カプラ20aで分配された光は、光ファイバー22を介して、フィルター23に入射する。フィルター23から出射された光、すなわち、相似光は、光学系3eを介して、光カプラ20cに入射し、光カプラ20cで分配された相似光は放射照度検知器26に入射する。残余の相似光は透過して、シャッター24に入射する。シャッター24に入射した相似光は、シャッター24が透過状態の場合には、光カプラ21bを介し、光カプラ21aを介して太陽電池5に入射する。すなわち、フィルター23から射出された相似光は、バイアス光源9から射出されたバイアス光と重畳されて、太陽電池11に入射する。また、シャッター24が遮蔽状態の場合には、シャッター24に入射した相似光は光カプラ21bに入射せず、バイアス光源9から射出されたバイアス光のみが、太陽電池11に入射する。尚、短絡電流ポイントを求めるときは、チョッピングモータ駆動制御部7によってサーボモータ6が制御され、光ブレード6aによって分光光源2からの光が遮光される。
次に、分光感度を測定する処理(上記第2の処理)を行う場合の、光路について説明する。
分光光源2から射出された光は、光カプラ20aを介し、光学系3aを介してモノクロメータ4に入射し、モノクロメータ4で所定波長の光が切り出されて、モノクロメータ4から単色光が射出される。モノクロメータ4から射出された単色光は、光学系3bを介して光カプラ20bに入射し、入射した単色光の一部が反射されて放射照度測定部10に入射する。残余の単色光は透過して、光ブレード6aに入射する。光ブレード6aに入射した単色光は、光ブレード6aの周方向に並ぶ切欠き部によって透過又は遮光されることで所定周期TでON/OFFされてパルス化され、光学系3cを介し、光カプラ21aを介して太陽電池11に入射する。
一方、バイアス光源9から射出された光は、光学系3dを介し、光カプラ21bを介して光カプラ21aに入射する。光カプラ21aで反射されたバイアス光は太陽電池11に入射する。すなわち、バイアス光源9から射出されたバイアス光は、モノクロメータ9から射出された単色光パルスと重畳されて、太陽電池11に入射する。尚、分光感度を測定するときは、シャッター24が遮蔽状態とされる。
演算制御部15は、分光光源駆動制御部1等を制御して太陽電池評価装置100全体を制御し、ロックインアンプ12から取得したΔIと、DCアンプC14から取得したΔEと、DCアンプA13から取得した短絡電流Iとから短絡電流Iにおける微分分光応答を求める。また、演算制御部15は、バイアス光のみが太陽電池11に照射されているときと相似光が重畳されているときとにDCアンプA13から取得した短絡電流と、DCアンプB27から取得した放射照度に基づいて短絡電流ポイントを求め、短絡電流ポイントで分光感度を測定し、測定した分光感度から、太陽電池11のEAM1.5 λ(λ)の光による短絡電流ISTCを算出する。
データ入出力部16は、外部の機器とデータをやり取りするための、USBポート等のいわゆる外部インタフェースであり、データ記憶部17は、その用途に応じて、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶素子、ROM(Read Only Memory)や書換え可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子、ハードディスク等により構成され、演算制御部15が動作するのに必要なプログラムや、データを記憶している。
設定部18は、短絡電流測定処理を開始するコマンドや、処理を行う上で必要な分光光源駆動制御部1等の制御部に対するパラメータ等の各種データを、太陽電池評価装置100に入力する機器である。例えば、キーボードやマウス等である。表示部19は、設定部18から入力されたコマンドやデータ、及び、演算制御部15が算出した短絡電流値等を出力(提示)する機器である。例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、及び、プラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
太陽電池評価装置100の演算制御部15、データ入出力部16、データ記憶部17、設定部18、及び、表示部19等は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリおよびその周辺回路を備えるコンピュータによって構成される。前記マイクロプロセッサは、いわゆるCPU(Central Processing Unit)等であり、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、太陽電池評価装置100は、機能的に、演算制御部15〜表示部19等を備えることになる。
以下、太陽電池評価装置100を用いて上記方法で、標準試験条件下の太陽電池の短絡電流を求める具体的処理について説明する。尚、試験条件は、標準試験条件に限定するものではない。例えば、試験条件は、所望の分光放射照度スペクトル分布の所望の放射照度の光を、仮想的に照射したときの短絡電流を算出することとしてもよい。
図8は、測定対象の太陽電池(被評価太陽電池)の分光応答が非線形である場合の、短絡電流測定処理を示すフローチャートである。
図8のフローチャートでは、ステップS10〜ステップS22の処理で短絡電流ポイントを求める為のデータが測定され、ステップS23の処理で短絡電流ポイントが求められ、ステップ24の処理で短絡電流ポイントでの分光感度が測定され、ステップ25、26の処理で標準試験条件下の太陽電池の短絡電流が算出される。ステップS23の処理の詳細は、図9を用いて説明する。
まず、測定を開始する前に、標準試験条件の分光放射照度EAM1.5 λ(λ)から、照射光エネルギーESTCが以下の式を用いて算出され、算出されESTCがデータ記憶部17に記憶される。
ESTC=∫EAM1.5 λ(λ)dλ
測定者は、太陽電池11をセットし、測定開始コマンドを設定部18から入力する。
測定開始コマンドが設定部18から入力されると、測定開始コマンドを検知した演算制御部15は、バイアス光源駆動制御部8を制御し、予め設定されている初期設定の放射照度の光をバイアス光源9から照射させる(ステップS10)。測定者は、この初期設定の放射照度を、ESTCより十分弱く設定しておく。また、演算制御部15は、分光光源駆動制御部1を制御し、分光光源2から光を照射させ、チョッピングモータ駆動制御部7を制御して、光ブレード6aで分光光源2から放射される光を遮光する。
次に、演算制御部15は、変数Eとインデックスjに0(ゼロ)を設定する(ステップS11)。変数Eは、演算で求めた照射光の放射照度を格納する変数であり、インデックスjは、バイアス光源9の光強度の変更回数を示すインデックスである。
演算制御部15は、シャッター制御部25を制御してシャッター24を遮断状態にする。バイアス光のみが照射された状態で短絡電流IjがDCアンプA13によって測定され、演算制御部15は測定された短絡電流IjをDCアンプA13から取得して記憶する(ステップS12)。
次に、演算制御部15は、シャッター制御部25を制御してシャッター24を透過状態にする。すなわち、太陽電池5は、重畳光が照射された状態となる。このときのシャッター24を透過した光のスペクトル分布は、標準試験条件の分光放射スペクトルに概ね相似であるものとする。重畳光が照射された状態で短絡電流Ij+dIjがDCアンプA13によって測定され、演算制御部15は測定された短絡電流Ij+dIjをDCアンプA13から取得して記憶する(ステップS13)。
演算制御部15は、重畳光が照射された状態で測定された短絡電流Ij+dIjと、バイアス光のみが照射された状態で測定された短絡電流Ijとの差分(増分)dIjを算出する(ステップS14)。このdIjは、図5のΔIに相当する。
次に、相似光の放射照度dEjが放射照度検知器26によって測定され、演算制御部15は、放射照度dEjをDCアンプB27から取得する(ステップS15)。尚、相似光の放射照度dEjが予め測定されてデータ記憶部17に記憶されている場合は、それが取得されてもよい。その後、演算制御部15は、シャッター制御部25を制御してシャッター24を遮断状態にする(ステップS16)。
演算制御部15は、Rjを以下の式で算出する(ステップS17)。
Rj=dEj/dIj
そして、演算制御部15は、図5のΔEに相当する値を以下の式で算出する。
ΔE=0.5×(Rj−1+Rj)×(Ij−Ij−1)
そして、演算制御部15は、j=j−1の時に算出したEj−1にΔEを加算して、現時点のEjを求める(ステップS18)。尚、j=0のときは、Rj−1=Rj、及び、Ij−1=0(ゼロ)として算出する。
演算制御部15は、現時点のEjが、1.2×ESTCを超えていないと判断した場合は(ステップS19:NO)、バイアス光源駆動制御部8を制御して、バイアス光源9の放射照度を所定量増加させ(ステップS20)、インデックスjに1を加算する(ステップS21)。そして、ステップS12からの処理が行われる。
一方、演算制御部15は、現時点のEjと1.2×ESTCとを比較し(ステップS19)、現時点のEjが、1.2×ESTCを超えていると判断した場合は(ステップS19:YES)、Ijを、短絡電流ポイントを求める範囲の上限であると決定する。
短絡電流ポイントの範囲を決定した演算制御部15は、変数ISCにIjを設定し、変数Nにj+1を設定する(ステップS22)。ISCは、短絡電流ポイントの上限を示し、Nは、ステップS17で算出したRの個数を示す。
演算制御部15は、短絡電流ポイントを決定する(ステップS23)。この短絡電流決定処理は、図9〜12を用いて<短絡電流ポイント決定処理>で説明する。なお、ここでは、短絡電流ポイントIbl (l=0、1、2、・・・L−1)が求められたとする。
短絡電流ポイントを決定した演算制御部15は、各短絡電流ポイントで分光感度s〜(Ibl、λ)を測定する(ステップS24)。具体的には、演算制御部15は、バイアス光源駆動制御部8を制御して、DCアンプA13から取得する短絡電流が短絡電流ポイントとなるようなバイアス光をバイアス光源9から出射させる。そして、演算制御部15は、チョッピングモータ駆動制御部7を制御して、単色光パルスを太陽電池11に照射し、ロックインアンプ12から取得したΔIと、DCアンプC14から取得したΔEとから、以下の式を用いて分光感度s〜(Ibl、λ)を求める(測定する)。
s〜(Il、λ)=ΔI(λ)/ΔE(λ)
短絡電流ポイントの分光感度を測定した演算制御部15は、測定した分光感度s〜(Ibl、λ)と、標準試験条件の分光放射照度EAM1.5 λ(λ)とから、以下の式を用いて、分光感度s〜(I)を求める(ステップS25)。
s〜(I)=∫s〜(I、λ)・{EAM1.5 λ(λ)dλ/∫EAM1.5 λ(λ’)dλ’}
そして、演算制御部15は、以下の式を満足するISCを求め、太陽電池の標準試験条件の光による短絡電流ISTCとする(ステップS26)。
ESTC=∫0 ISC 1/s〜(I)dI (ESTC=∫EAM1.5 λ(λ’)dλ’)
測定者は、太陽電池11の短絡電流が、算出されたISTCと同じになるように、バイアス光源9の光強度を調整し、調整の済んだバイアス光源9(ソーラーシミュレータ)を用いて、太陽電池11のI−V特性を測定することが可能となる。
<短絡電流ポイント決定処理>
実施形態では、短絡電流0≦Ij≦ISCの範囲内のIjにおけるR(Ij) (j=0、1、2、・・・、N−1)より、0≦I≦ISCにおけるR(I)の2次微係数が求められ、それに基づいてs〜(Ib、λ)を測定すべき短絡電流ポイントが決定される。
実施形態では、1/s〜(I)の数値積分誤差の目標値がεとされる。短絡電流0〜ISCを分割する数がmとされる。
まず、分割したm個の各区間の数値積分誤差が均等に割り振られる。すなわち、各区間の誤差がε/mとされる。
次に、Ibの左端(Ib=0の方)から区間が決められる。
区間Ibl≦I<Ibの数値積分誤差は、以下のようになる。
(1/12)*|R(2)(I)|max*(Ib−Ibl)3
|R(2)(I)|maxは、区間Ibl≦I<Ibにおける|R(2)(I)|の最大値である。従って、(1/12)*|R(2)(I)|max*(Ib−Ibl)3はIbの関数として扱うことができる。
(1/12)*|R(2)(I)|max*(Ib−Ibl)3は、Ibについて単調増加なので、以下の(式B)を満足するIbを求めれば、数値積分誤差をε/m以下にする区間(Ibl、Ib)を決めることができる。
(1/12)*|R(2)(I)|max*(Ib−Ibl)3=ε/m ・・・(式B)
このIbをIbl+1とし、次の区間が求められる。すなわち、次の区間が、求められたIbから始まることになる。
これがl=m−1まで繰り返され、最後の区間において、(式B)を満足するIbがISCに一致するか、(式B)を満足するIbが存在しないようになったら、すべての最適短絡電流測定ポイントが決定されたことになる。
(式B)を満足するIbが存在しない場合は、最後の積分区間はIbm−1〜ISCとされる。(1/12)*|R(2)(I)|max*(Ib−Ibl)3は単調増加であるので、数値積分誤差は(1/12)*|R(2)(I)|max*(ISC−Ibl)3となり、これは必ずε/mより小さいからである。
以下、図9を用いて、短絡電流ポイント決定処理を説明する。図9は、短絡電流ポイント決定処理のフローチャートである。演算制御部15は、区間数mを1から順に増加させて、短絡電流ポイントの探索範囲0≦I≦ISCを、数値積分誤差がε/m以下の区間m個に分割できるまで、処理を繰り返す。最終的に、Ib0、Ib1、Ib2、・・・、Ibm、すなわち、m個の短絡電流ポイントが決定される。Ib0は、短絡電流が0のポイントである。
図10〜12に、短絡電流ポイント探索図を示す。これらの図は、横軸が短絡電流ポイントの探索範囲0≦I≦ISCを表し、縦軸が数値積分誤差を表す。ISC=10mAとし、数値積分誤差の目標値をε=0.1とする。図10は、区分数m=1のときの図であり、図11は、区分数m=2のときの図であり、図12は、区分数m=3のときの図である。図10〜12を参照しながら、短絡電流ポイント決定処理を説明する。
まず、演算制御部15は、R(Ij) (j=0、1、2、・・・、N−1)から、R(I) (0≦I≦ISC)の2次微係数を算出する(ステップS30)。
次に、演算制御部15は、変数mに1をセットする(ステップS31)。また、演算制御部15は、Ib0に0(ゼロ)をセットし(ステップS32)、変数l(エル)に0(ゼロ)をセットする(ステップS33)。Ib0は、最初の短絡電流ポイントである。変数lは、処理した区間の数を示す。
また、演算制御部15は、IbにIbl+δをセットする(ステップS34)。δは正の微小量である。演算制御部15は、区間Ibl〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ibl、Ib)とする(ステップS35)。
Qmax(Ibl、Ib)はIbの関数と見なすことができ、必ずIbについて単調増加であるので、演算制御部15は、以下の式で誤差Xを算出する(ステップS36)。
X=(1/12)*Qmax(Ibl、Ib)*(Ib−Ibl)3
そして、演算制御部15は、算出した誤差Xがε/mより大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(ステップS37:YES)。具体的には、演算制御部15は、Ibl+δがISCより小さい又は等しい場合(ステップS42:NO)は、IbにIbl+δをセットし(ステップS43)、すなわち、例えば、図10においては、IbをISCに近づけて、ステップS35からの処理を繰り返す。Ibl+δがISCより大きい場合(ステップS42:YES)は、すべての探索範囲0≦I≦ISCを処理したことになるので、演算制御部15は、ISCをIbmにセットして(ステップS41)処理を終了する。
算出した誤差Xがε/mより大きくなったら、演算制御部15は、IbをIbl+1とする(ステップS38)。すなわち、演算制御部15は、算出した誤差が目標値ε/mに達したところを短絡電流ポイントとし、新たに次の区間の誤差を算出する。Ibが短絡電流ポイントであり、Ibl+1が、次の区間の開始ポイントとなる。例えば、図10では、m=1であるのでε/1=ε=0.1が1区間の目標誤差であり、短絡電流ポイントIblは、約5.3である。
次に、演算制御部15は、処理した区間の数を示す変数lがmに達したかを判断する(ステップS39)。達していない場合(ステップS39:YES)、演算制御部15は、変数lをカウントアップし(ステップS44)、ステップS34からの処理を繰り返す。処理した区間の数を示す変数lがmに達していた場合(ステップS39:NO)、演算制御部15は、次の区間の開始ポイントIbl+1が、ISCを超えているかを判断する(ステップS40)。次の区間の開始ポイントIbl+1が、ISCを超えている場合(ステップS40:YES)は、すべての探索範囲0≦I≦ISCを処理したことになるので、演算制御部15は、ISCをIbmにセットして(ステップS41)処理を終了する。次の区間の開始ポイントIbl+1が、ISCを超えていない場合(ステップS40:NO)、演算制御部15は、区間数mを1増やし(ステップS45)、ステップS32から処理を行う。
ここで、m=1のときに、以下の式で算出した誤差Xがε=0.1を超えるIb(<ISC)が存在する場合を、図10を用いて説明する。
X=(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3
矢印のIbが「Ib1」のときに、区間Ib0〜IbでR(I)の台形公式で数値積分したときの最大値(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3がεになる(ステップS37:NO)。このときのIbをIb1とする(ステップS38)。Ib1<ISCだから、分割数mを1としたときは、0〜ISCでR(I)を数値積分したときに目標誤差ε=0.1を超えてしまう(ステップS40:NO)。そこで分割数を増やしてm=2にする(ステップS45)。
次に、m=2のときに、誤差Xが、ε/m=0.1/2=0.05を超えるIb(<ISC)が、m個(2個)存在する場合を、図11を用いて説明する。
演算制御部15は、Ib0=0、Ib=Ib0+δとし、区間Ib0〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ib0、Ib)とする(ステップS35)。演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3がε/m=0.05より大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(、ステップS36、ステップS37:YES)。演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3がε/m=0.05を超えるIbをIb1とする(ステップS38)。
区間数m=2であるので(ステップS39:YES)、演算制御部15は、次にIb2を求める。
演算制御部15は、Ib0=0、Ib=Ib1+δとし、区間Ib1〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ib1、Ib)とする(ステップS35)。演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib1、Ib)*(Ib−Ib1)3がε/m=0.05より大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(ステップS36、ステップS37:YES)。Ib+δがISC以上になったときは(ステップS42:YES)、分割数2で目標誤差以下に抑えることができるので、演算制御部15は、Ibm=ISCとする。これで、短絡電流ポイントすべてが決定される。図11では、(1/12)*Qmax(Ib1、Ib)*(Ib−Ib1)3がε/m=0.05を超えるIb(<ISC)が存在する場合を示しており、演算制御部15は、そのIbをIb2とする。Ib2≧ISCなら分割数2で数値積分して誤差は目標以下となる(ステップS40:YES)。しかし、図11の場合は、Ib2<ISCなので(ステップS40:NO)、演算制御部15は、更にmを増やして処理を続ける。
次に、m=3のときに、誤差Xが、ε/m=0.1/3=0.033を超えるIb(<ISC)が、m−1個(2個)存在する場合、すなわち、短絡電流ポイントが決定される場合を、図12を用いて説明する。
演算制御部15は、Ib0=0、Ib=Ib0+δとし、区間Ib0〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ib0、Ib)とする(ステップS35)。演算制御部15は、以下の式で求められる誤差Xがε/m=0.033より大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(ステップS36、ステップS37:YES)。
X=(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3
図12に示すように、演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib0、Ib)*(Ib−Ib0)3が0.033を超えるIbをIb1とする。
演算制御部15は、次にIb2を求める。演算制御部15は、Ib=Ib1+δとし(ステップS34)、区間Ib1〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ib1、Ib)とする(ステップS35)。演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib1、Ib)*(Ib−Ib1)3がε/m=0.033より大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(ステップS36、ステップS37:YES)。図12に示すように、演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib1、Ib)*(Ib−Ib1)3が0.033を超えるIbをIb2とする。
演算制御部15は、次にIb3を求める。演算制御部15は、Ib=Ib2+δとし(ステップS34)、区間Ib2〜Ibにおける|R(2)(I)|の絶対値の最大値を求め、それをQmax(Ib2、Ib)とする(ステップS35)。演算制御部15は、(1/12)*Qmax(Ib2、Ib)*(Ib−Ib2)3がε/m=0.033より大きくなるまでIbを微小量δ増やしていく(ステップS36、ステップS37:YES)。図12では、(1/12)*Qmax(Ib2、Ib)*(Ib−Ib2)3がε/m=0.033を超える前にIbがISC以上になる場合(ステップS42:YES)を示している。このときは分割数3で目標誤差以下に抑えることができるので、演算制御部15は、Ibm=ISCとする(ステップS41)。これで、短絡電流ポイントのすべてが決定される。
次に本発明の別の実施形態について図13〜図14に依拠して説明する。この実施形態では、相似光を複数の波長バンドごとに作成する場合の処理を説明する。
現実には、相似光を得ること、例えば、ハロゲンランプとフィルターとの組み合わせ、または、Xeランプとフィルターとの組み合わせで所望の微小重畳光のスペクトルを得ることは難しいことが多い。
例えば、AM1.5の太陽光スペクトルは、水の吸収帯において、その強度が低下している。従って、Xeランプとフィルターとの組み合わせを用いて得た相似光は、水の吸収帯の部分では、理想的な相似光との一致度が悪くなる。その場合は、相似光を得る場合に、水の吸収がある波長バンドと、それ以外の波長バンドに分割して、波長バンドiの光Ei(λ) (λi≦λ<λi+1, i=0、1、・・・、N−1)を照射すればよい。λ0は測定対象の太陽電池の分光応答s〜(Ij、λ)が0(ゼロ)より大きい最小の波長、λNは太陽電池のs〜(Ij、λ)が0(ゼロ)より大きい最大の波長である。
Ei(λ)は、以下の式を満足するように、すなわち波長バンドiの分光放射スペクトルEi(λ)を荷重加減算したスペクトルがE(λ)に概ね相似になるように選ばれる。
Σi=0 N−1 αiEi(λ)=dEj・{E(λ)/∫λ0 λN E(λ’)dλ’}
αiはEi(λ)とE(λ)の関係に基づいて事前に決定される。
E(λ)はAM1.5の太陽光の分光放射照度とし、dEjはAM1.5の太陽光の分光放射照度と概ね相似な微小な光の放射照度である。
具体的には、太陽電池にバイアス光を照射して短絡電流Ijが得られている状態で、波長バンド0の光が重畳照射される。このときの短絡電流Ijからの増分dIj0が算出され、重畳照射した波長バンド0の光の放射照度dE’0が校正された線形素子(基準検知器)で測定される。
同様に順次、波長バンド1、2、・・・、i、i+1、・・・、N−1の光を、短絡電流Ijが得られている状態で重畳照射して、短絡電流のIjからの増分dIjiおよび重畳照射した波長バンドiの光の放射照度dE’jiが校正された線形素子で測定される。
増分dIjiは、以下の式で求められる。
dIji=∫λ0 λN s〜(Ij、λ)・Ei(λ)dλ
放射照度dE’jiは、以下の式で求められる。
dE’ji=∫λ0 λN Ei(λ)dλ
dE’jiに重み係数を用いて荷重加減算して以下の式によりdEjが算出される(処理A)。
Σi=0 N−1 αi・dE’ji=∫λ0 λN Σi=0 N−1 αi・Ei(λ)dλ
=dEj・∫λ0 λN {E(λ)/∫λ0 λN E(λ’)dλ’}
=dEj
一方増分dIjiに重み係数を用いて荷重加減算して以下の式によりdIjが算出される(処理B)。
dIj=Σi=0 N−1 αi・dIji
=∫λ0 λN s〜(Ij、λ)・{Σi=0 N−1 αi・Ei(λ)}dλ
=dEj・∫λ0 λN s〜(Ij、λ)・E(λ)dλ/∫λ0 λN E(λ’)dλ’
これらよりR(Ij)=(dEj/dIj)が算出される(処理C)。
R(Ij)が算出できれば、<短絡電流ポイント(測定位置)の決定方法>での説明と同様に、複数のバイアス光強度の状態でR(Ij)=(dEj/dIj) (j=0、1、2、・・・)を算出することによって、以下の式を満足するISCが求められる。
1.2*ESTC=∫0 ISC R(I)dI
尚、基準検知器は波長バンド毎に校正されているものとする。またαiは負の量のものを含んでいてもよい。
また、波長バンドの微弱な光それぞれのスペクトルは単色光でも、単色光よりも広い波長幅のスペクトルでもよく、さらに連続スペクトルを有するものであってもよい。それらの光強度を荷重加減算することにより評価したい光のスペクトル(例えばAM1.5など標準試験条件の光)に相似な微弱なスペクトルを得ることができるものであればよい。
図13は、本発明の別の実施形態である太陽電池評価装置200の構成を示すブロック図である。図1の太陽電池評価装置100では、分光光源2からの光から、フィルター23を用いて相似光を作成していたが、本実施形態では、フィルター23等の代わりに、スペクトル光を生成するための相似光用光源駆動制御部30、及び、相似光用光源31を備える点が異なる。
分光光源駆動制御部1、分光光源2、光学系3a、光学系3b、光学系3c、光学系3d、モノクロメータ4、サーボモータ6、光ブレード6a、チョッピングモータ駆動制御部7、バイアス光源駆動制御部8、バイアス光源9、放射照度測定部10、太陽電池11、ロックインアンプ12、DCアンプA13、DCアンプC14、演算制御部15、データ入出力部16、データ記憶部17、設定部18、表示部19、光カプラ20b、光カプラ20c、光カプラ21a、光カプラ21b、シャッター24、シャッター制御部25、放射照度検知器26、及び、DCアンプB27は、それぞれ図1の同じ符号の機能部と同様の機能を有する。
相似光用光源駆動制御部30は、相似光用光源31を制御し、所望のスペクトルであって所望の強度の光を射出させる装置である。相似光用光源31は、キセノンランプ等の1以上の光源と1以上のフィルターとの組み合わせで構成され、重畳すると相似光となる複数の光、すなわち、スペクトル及び波長帯の何れか一方が異なる複数の光(以下、「スペクトル光」という。)を照射する。尚、この場合は、演算制御部15において、各スペクトル光の放射照度の荷重加減算を行う必要があることもある。光源とフィルターとの組み合わせとして、例えば、1つの光源と積層された複数のフィルターとの組み合わせ、1つの光源と複数のフィルターの順繰りの組み合わせ、複数の光源と1以上のフィルターとのそれらの特性に応じた組み合わせ等がある。
図14は、相似光を複数の波長バンドごとに作成して、短絡電流を算出する処理を示すフローチャートである。尚、図14のフローチャートのステップS10、ステップS11、ステップS22〜26の処理は、図8のフローチャートのステップS10、ステップS11、ステップS22〜26の処理とそれぞれ同じである。
測定を開始する前に、照射光エネルギーESTCがデータ記憶部15に記憶される。また、波長バンドはN個に分割されているものとする。すなわち、波長バンド0〜波長バンドN−1の波長の光(以下、「スペクトル光」という。)が順次重畳される。
まず、測定者は、太陽電池11をセットし、測定開始コマンドを設定部18から入力する。測定開始コマンドが設定部18から入力されると、演算制御部15は、バイアス光源駆動制御部8を制御し、予め設定されている初期設定の放射照度の光をバイアス光源9から照射させる(ステップS10)。測定者は、この初期設定の放射照度を、EAM1.5より十分弱く設定しておく。また、演算制御部15は、チョッピングモータ駆動制御部7を制御し、光ブレード6aで分光光源2から放射される光を遮光する。
また、演算制御部15は、変数E−1とインデックスjに0(ゼロ)を設定する(ステップS11)。変数E−1は、演算で求めた照射光照度を格納する変数であり、インデックスjは、バイアス光源9の光強度の変更回数を示すインデックスである。
また、演算制御部15は、変数dIj、dEj、及び、インデックスiに0(ゼロ)を設定する(ステップS54)。インデックスiは、波長バンド数をカウントするインデックスである。変数dIjは、短絡電流の増分を格納する変数であり、変数dEjは、スペクトル光の放射照度を格納する変数である。
次に、演算制御部15は、シャッター制御部25を制御してシャッター24を遮断状態にする。バイアス光のみが照射された状態で短絡電流IjがDCアンプA13によって測定され、演算制御部15は測定された短絡電流IjをDCアンプA13から取得して記憶する(ステップS55)。
演算制御部15は、相似光用光源駆動制御部30を制御して、波長バンドiのスペクトル光を照射させ、シャッター制御部25を制御してシャッター24を透過状態にする(ステップS56)。すなわち、太陽電池11には、バイアス光源9の光に波長バンドiのスペクトル光が重畳された重畳光が照射された状態となる。
重畳光が照射された状態で短絡電流Ij+dIjiがDCアンプA13によって測定され、演算制御部15は、測定された短絡電流Ij+dIjiをDCアンプA13から取得して記憶する(ステップS57)。
演算制御部15は、重畳光が照射された状態で測定された短絡電流Ij+dIjiと、バイアス光のみが照射された状態で測定された短絡電流Ijとの差分dIjiを算出し、記憶する(ステップS58)。
演算制御部15は上述の(処理B)で示すように、差分dIjiを所定の重み係数αiで荷重加減算してdIjを算出し、記憶する(ステップS59)。重み係数αiは事前に算出されて記憶されている。
次に、スペクトル光の放射照度dEjiが放射照度検知器26によって測定され、DCアンプB27を介して演算制御部15が取得し、記憶する(ステップS60)。波長バンドiのスペクトル光の放射照度dEjiが事前に測定されて記憶されている場合は、ステップS60において、演算制御部15は、記憶されている値を読み出してもよい。演算制御部15は、上述の(処理A)で示すように、放射照度dEjiを前記の所定の重み係数αiで荷重加減算してdEjを算出し、記憶する(ステップS61)。次に、演算制御部15は、シャッター制御部25を制御してシャッター24を遮断状態にする(ステップS62)。
演算制御部15は、すべての波長バンドにおいて、それぞれの短絡電流の増分とスペクトル光の放射照度とを測定したかを判断する(ステップS63)。具体的には、演算制御部15は、iとN−1とを比較し、iの方が小さい場合は(ステップS63:NO)、まだ測定されていないと判断し、iに1加算して(ステップS69)、ステップS55からの処理を行う。一方、iとN−1が同じ場合は(ステップS63:YES)、演算制御部15は、すべての波長バンドにおける測定が終了したと判断し、放射照度Eを求める処理を始める。
次に、演算制御部15は、上述の(処理C)で示すように、Rjを算出する(ステップS64)。
次に、演算制御部15は、図5のΔEに相当する値を以下の式で算出する。
ΔE=0.5×(Rj−1+Rj)×(Ij−Ij−1)
そして、演算制御部15は、j=j−1の時に算出したEj−1にΔEを加算して、現時点のEjを求める(ステップS65)。
演算制御部15は、現時点のEjと1.2×ESTCとを比較し(ステップS66)、ステップS66において、現時点のEjとESTCとを比較し、現時点のEjが、1.2×ESTCを超えていないと判断される場合(ステップS66:NO)、演算制御部15は、バイアス光源駆動制御部8を制御して、バイアス光源9の放射照度を所定量増加させ(ステップS71)、インデックスjに1加算する(ステップS70)。そして、演算制御部15は、ステップS54からの処理を行う。
一方、現時点のEjが、1.2×ESTCを超えていると判断した場合は(ステップS66:YES)、演算制御部15は、Ijを、短絡電流ポイントを求める範囲の上限であると決定する。
短絡電流ポイントの範囲を決定した演算制御部15は、変数ISCにIjを設定し、変数Nにj+1を設定する(ステップS22)。
演算制御部15は、<短絡電流ポイント決定処理>で説明したように、短絡電流ポイントを決定する(ステップS23)。ここでは、短絡電流ポイントIbl(l=1、2、・・・L−1)が求められたとする。
短絡電流ポイントを決定した演算制御部15は、各短絡電流ポイントで分光感度s〜(Ibl、λ)を測定する(ステップS24)。
短絡電流ポイントの分光感度を測定した演算制御部15は、測定した分光感度s〜(Ibl、λ)と、標準試験条件の分光放射照度EAM1.5 λ(λ)とから、以下の式を用いてs〜(I)を求める(ステップS25)。
s〜(I)=∫s〜(I、λ)・{EAM1.5 λ(λ)dλ/∫EAM1.5 λ(λ’)dλ’}
そして、演算制御部15は、以下の式を満足するISCを求め、太陽電池の標準試験条件の光による短絡電流ISTCとする(ステップS26)。
ESTC=∫0 ISC 1/s(I)dI (ESTC=∫EAM1.5 λ(λ’)dλ’)
尚、この実施形態の他の形態として、重畳する光として微弱連続スペクトルと(複数の)特定波長バンドの微弱光とが、切り替えられて用いられてもよい。この場合、[微弱連続スペクトル+{Σi αi*特定波長バンドの微弱光i}]は、評価すべき分光放射照度スペクトルと概ね相似形とする。αiは負の量のものを含んでいてもよい。演算制御部15は、以下の式を用いてR(Ij)を算出する。
R(Ij)=dEj/dIj
dEj=微弱連続スペクトルの放射照度+Σi αi*(特定波長バンドの微弱光の放射照度i)
dIj=微弱連続スペクトル重畳による電流増分+Σi αi*(特定波長バンドの微弱光重畳による電流増分i)
更に、もう一つの形態として、重畳する光としてスペクトル形状の異なる複数の微弱連続スペクトル光が切り替えられて用いられてもよい。この場合、{Σi αi*微弱連続スペクトル光i}は、評価すべき分光放射照度スペクトルと相似形とする。演算制御部15は、以下の式を用いてR(Ij)を算出する。
R(Ij)=dEj/dIj
dEj={Σi αi*微弱連続スペクトル光i}
dIj=Σi αi*(微弱連続スペクトル光iの重畳による電流増分i)
また、実施形態では、相似光等の重畳する光をバイアス光源9とは別の手段で照射してバイアス光源9の光と重畳することとしているが、バイアス光源9そのものを調整等して重畳光が作り出されてもよい。この場合は、バイアス光源9の所定強度の光を基準として(すなわち、実施形態のバイアス光に相当するものとして)、その基準強度からの差分を用いて、短絡電流が算出される。尚、この場合は、バイアス光の放射照度を測定する機能部が必要となる。
具体的には、バイアス光源9から、複数種類の強度jの光が被試験太陽電池に照射される。更に、バイアス光源9は、各強度jの基準状態(j、0)から、N種類の光の強度、及び、スペクトルのうち、少なくとも一方を微小量変化させて、状態(j、i) (i=1、2、・・・N)の光を照射できるものとする。
各状態(j、i)は、{N種類の状態(j、i)のスペクトル−基準状態(j、0)のスペクトル}のiについての荷重加減値が、前記評価光のスペクトルに相似になるように微小量変化させたものとなっている。
演算制御部15は、微小量変化させた状態(j、i)の放射照度を測定し、{微小量変化させた状態(j、i)の放射照度−基準状態(j、0)の放射照度}を算出して、そのiについての荷重加減値を得る。また、演算制御部15は、微小量変化させた状態(j、i)の短絡電流を測定し、{微小量変化させた状態(j、i)の短絡電流−基準状態(j、0)の短絡電流}を算出して、そのiについての荷重加減値を得る。
そして、演算制御部15は、主光源の各強度jについての前記放射照度変化量の荷重加減値と短絡電流の変化量の荷重加減値とに基づいて、R(Ij)=dEj/dIjを算出する。演算制御部15は、R(Ij)の2次微係数を求めて、短絡電流ポイントを算出する。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に示す。
太陽電池評価装置は主に、測定対象の太陽電池に、放射照度が異なる複数の測定光を個別に照射すると共に、特別光と相似したスペクトルを有し、前記特別光の放射照度より低い放射照度を有する相似光を、前記複数の測定光にそれぞれ重畳した複数の重畳光を個別に照射する照射部と、前記複数の測定光それぞれ、及び前記複数の重畳光それぞれを受けたときに前記太陽電池に生じる短絡電流を測定する測定部と、前記太陽電池が前記各測定光を受けたときに前記測定部で測定された第1短絡電流と、前記各重畳光を受けたときに前記測定部で測定された第2短絡電流との差分を、前記複数の測定光それぞれについて求め、求めた各差分とそれに対応する前記相似光の放射照度との各照度電流比から、ゼロから前記第1短絡電流の最大値までの間の所定範囲の短絡電流に対する前記照度電流比の2次以上の微係数を算出して、前記照度電流比の2次以上の微係数と短絡電流との関係を算出する微係数算出部と、前記微係数算出部で算出された照度電流比の微係数と短絡電流との前記関係に基づいて、微分分光応答を測定する前記太陽電池の短絡電流を測定ポイントとして決定する測定ポイント決定部とを備える。前記測定ポイントは、前記太陽電池が前記特別光を受けたときに生じる第3短絡電流を、異なる放射照度を有する複数の測定光で測定した各微分分光応答に基づいて算出する場合に、当該第3短絡電流が所定の誤差範囲内となるための短絡電流である。
前記照射部は、前記測定光を照射する第1光源部と、前記相似光を照射する第2光源部を備えることが好ましい。
さらに、前記第2光源部が照射する前記相似光の放射照度を測定する放射照度測定部を備えることが好ましい。
また前記照射部は、前記測定光を照射する第1光源部と、前記相似光を照射する第2光源部とを備え、前記第2光源部は、前記相似光のスペクトルを形成する複数のスペクトル光を所定の重み係数で荷重加減算して順次照射し、前記微係数算出部は、前記複数の測定光の1つにおいて、前記複数のスペクトル光のそれぞれに対して前記第2短絡電流と前記第1短絡電流との差分をそれぞれ求め、求めた各差分に所定の重み係数で荷重加減算した第1荷重加減値を求め、前記複数のスペクトル光の各放射照度を前記所定の重み係数で荷重加減算した第2荷重加減値を求める処理を、前記複数の測定光のそれぞれに対して行い、前記複数の測定光のそれぞれについて求めた各第1荷重加減値と各第2荷重加減値との各照度電流比を求め、求めた各照度電流比から、前記関係を算出することが好ましい。
さらに、前記第2光源部が照射する相似光の放射照度を測定する放射照度測定部を備え、前記微係数算出部は、放射照度測定部で測定した前記複数のスペクトル光の放射照度を前記所定の重み係数で荷重加減算して第2荷重加減値を求めることが好ましい。
さらに、前記測定ポイント決定部で決定された測定ポイントの短絡電流が前記太陽電池で測定されている状態で、前記太陽電池の微分分光応答を測定する分光応答測定部を備えることが好ましい。
さらに、前記分光応答測定部が測定した微分分光応答に基づいて、前記特別光を受けたときに前記太陽電池に生じる短絡電流を算出する特別光短絡電流算出部を備えることが好ましい。
さらに、前記特別光短絡電流算出部が算出した短絡電流を前記太陽電池が出力するように、前記照射部が照射する照射光の放射照度又は分光照射照度を変更する調整部を備えることが好ましい。
さらに、前記調整部で変更された照射光を受けたときの前記太陽電池の特性を評価する特性評価部を備えることが好ましい。
前記特性評価部は、前記太陽電池のI−V特性を評価することが好ましい。
別の太陽電池評価装置は主に、所定の重み係数で荷重加減算したスペクトルが、特別光のスペクトルと相似する共に放射照度が前記特別光の放射照度より小さい複数のスペクトル光を個別に照射する照射部と、前記複数のスペクトル光それぞれを受けたときに前記太陽電池に生じる短絡電流を測定する測定部と、前記複数のスペクトル光を複数の組に分けた場合の前記複数の組の1つにおいて、予め定められた所定の放射照度の光を照射したときの代表短絡電流を取得し、前記複数のスペクトル光をそれぞれ受けたときの短絡電流と前記代表短絡電流との差分を所定の重み係数で荷重加減算した第1荷重加減値を求め、前記複数のスペクトル光の放射照度と前記所定の放射照度との差分を所定の重み係数で荷重加減算した第2荷重加減値を求める処理を前記複数の組のそれぞれに対して行い、前記複数の組のそれぞれについて求めた各第1荷重加減値と各第2荷重加減値との各照度電流比を求め、予め定められた所定範囲の短絡電流に対する前記照度電流比の2次以上の微係数を算出し、算出した微係数と前記所定範囲の短絡電流との関係を算出する微係数算出部と、前記微係数算出部が算出した前記関係に基づいて、微分分光応答を測定する前記太陽電池の短絡電流を測定ポイントとして決定する測定ポイント決定部とを備えている。前記測定ポイントは、前記太陽電池が前記特別光を受けたときに生じる第3短絡電流を、異なる放射照度を有する複数の測定光で測定した各微分分光応答に基づいて算出する場合に、当該第3短絡電流が所定の誤差範囲内となるための短絡電流である。
太陽電池評価方法は主に、測定対象の太陽電池に、放射照度が異なる複数の測定光を個別に照射すると共に、特別光と相似したスペクトルを有し、前記特別光の放射照度より低い放射照度を有する相似光を、前記複数の測定光にそれぞれ重畳した複数の重畳光を個別に照射する照射ステップと、前記複数の測定光それぞれ、及び前記複数の重畳光それぞれを受けたときに前記太陽電池に生じる短絡電流を測定する測定ステップと、前記太陽電池が前記各測定光を受けたときに測定された第1短絡電流と、前記各重畳光を受けたときに測定された第2短絡電流との差分を、前記複数の測定光それぞれについて求め、求めた各差分とそれに対応する前記相似光の放射照度との各照度電流比から、ゼロから前記第1短絡電流の最大値までの間の所定範囲の短絡電流に対する前記照度電流比の2次以上の微係数を算出して、前記照度電流比の2次以上の微係数と短絡電流との関係を算出する微係数算出ステップと、算出された照度電流比の微係数と短絡電流との前記関係に基づいて、微分分光応答を測定する前記太陽電池の短絡電流を測定ポイントとして決定する測定ポイント決定ステップとを備えている。前記測定ポイントは、前記太陽電池が前記特別光を受けたときに生じる第3短絡電流を、異なる放射照度を有する複数の測定光で測定した各微分分光応答に基づいて算出する場合に、当該第3短絡電流が所定の誤差範囲内となるための短絡電流である。
別の太陽電池評価方法は主に、所定の重み係数で荷重加減算したスペクトルが、特別光のスペクトルと相似する共に放射照度が前記特別光の放射照度より小さい複数のスペクトル光を個別に照射する照射ステップと、前記複数のスペクトル光それぞれを受けたときに前記太陽電池に生じる短絡電流を測定する測定ステップと、前記複数のスペクトル光を複数の組に分けた場合の前記複数の組の1つにおいて、予め定められた所定の放射照度の光を照射したときの代表短絡電流を取得し、前記複数のスペクトル光をそれぞれ受けたときの短絡電流と前記代表短絡電流との差分を所定の重み係数で荷重加減算した第1荷重加減値を求め、前記複数のスペクトル光の放射照度と前記所定の放射照度との差分を所定の重み係数で荷重加減算した第2荷重加減値を求める処理を前記複数の組のそれぞれに対して行い、前記複数の組のそれぞれについて求めた各第1荷重加減値と各第2荷重加減値との各照度電流比を求め、予め定められた所定範囲の短絡電流に対する前記照度電流比の2次以上の微係数を算出し、算出した微係数と前記所定範囲の短絡電流との関係を算出する微係数算出ステップと、算出された前記関係に基づいて、微分分光応答を測定する前記太陽電池の短絡電流を測定ポイントとして決定する測定ポイント決定ステップとを備えている。前記測定ポイントは、前記太陽電池が前記特別光を受けたときに生じる第3短絡電流を、異なる放射照度を有する複数の測定光で測定した各微分分光応答に基づいて算出する場合に、当該第3短絡電流が所定の誤差範囲内となるための短絡電流である。
このような構成の太陽電池評価装置や評価方法では、太陽電池に特別光を受けたときに生じる短絡電流を、従来の評価装置や評価方法に比べて著しく少ない演算量と時間とで容易に求めることができる。
このように、標準試験条件の光、即ち特別光を受けた太陽電池の短絡電流を容易に算出できるので、ソーラーシミュレータの光量を容易に調整することができ、評価対象の太陽電池の特性評価を正確かつ迅速に行うことができる。
この出願は、2011年11月11日に出願された日本国特許出願特願2011−247727を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれている。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。