JP5556362B2 - 分光特性測定装置およびその校正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分光輝度計や分光放射計などとして実現される分光特性測定装置およびその校正方法に関し、前記分光特性測定装置としては、特にソーラーシミュレータ測定用の分光放射計であり、その波長校正に関する。
従来から、各種光源や表示装置の輝度や色度を測定、評価するための分光輝度計や、光源からの照射光に対する照度や色度を測定、評価するための分光放射計において、分光特性を測定するポリクロメータは、光学部品の相対的な位置変化が鋭敏に波長誤差に結びつく。このため、前記光学部品の相対的な位置が、経時的、熱的変化によって変化し、波長変化(シフト)が発生した場合に、ユーザの使用現場で、波長変化量(シフト量)の確認および補正を、容易に行えることが望まれる。そこで、そのような課題に対応できる従来技術として、本件出願人は特許文献1および特許文献2を提案している。
特許文献1は、測定装置の内部に、波長確認用の光源を備え、波長変化量(シフト量)を検出するようになっている。特許文献2も、測定装置の内部に(具体的には積分球内に)、校正用の光源としてキセノンランプを備えており、このキセノンランプの輝線を利用して、前記波長変化量(シフト量)を検出している。
特開2005−69784号公報 特開2007−192747号公報
上述の従来技術では、測定装置に、ユーザの使用現場で波長変化量(シフト量)を検出するための光源を備えており、構成が大掛かりになり、またメンテナンスも必要になるという問題がある。
本発明の目的は、構成を簡略化することができる分光特性測定装置およびその校正方法を提供することである。
本発明の分光特性測定装置は、測定対象からの光束を受光し、分光部で分光データを得るようにした分光特性測定装置において、前記測定対象からの光束を受光し、前記分光部で分光データを得た場合に、該分光データにおける予め定める波長域を分析し、その分析結果から、前記測定対象が前記予め定める波長域の輝線を含むか否かを判定する判定部と前記判定部が前記輝線を含むと判定した場合であって、該輝線の波長シフト量が所定値を超えている場合には、前記波長シフト量に基づいて波長校正データを補正する補正前記波長校正データに基づいて、前記分光データから分光放射照度を算出する演算部とを含むことを特徴とする。
また、本発明の分光特性測定装置の校正方法は、測定対象からの光束を受光し、分光部で分光データを得るようにした分光特性測定装置の校正方法において、前記測定対象からの光束を受光し、前記分光部で分光データを得た場合に、該分光データにおける予め定める波長域を分析する工程と、その分析結果から、前記測定対象が前記予め定める波長域の輝線を含むか否かを判定する工程とその判定結果から、前記輝線を含むと判定した場合であって、該輝線の波長シフト量が所定値を超えている場合には、前記波長シフト量に基づいて波長校正データを補正する工程前記波長校正データに基づいて、前記分光データから分光放射照度を算出する工程とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、分光輝度計や分光放射計などとして実現される分光特性測定装置において、ポリクロメータなどの分光部における温度や経年などによる波長分光方向のシフトを補正するにあたって、測定対象からの光束を受光し、分光部で分光データを得た場合に、判定部が前記分光部の分光データの内、予め定める波長域のデータを分析しており、その分析結果から測定対象に前記予め定める波長域の輝線が含まれているか否かを判定し、前記輝線が含まれている場合には、その輝線を使用して、前記シフトに対する補正が可能であることを判定する。補正が可能である場合、前記判定部は、補正部による波長校正データの補正の前に、表示部を駆動して、その旨をユーザに報知したり、補正部を駆動して、自動的に補正を行わせたりしてもよい。
したがって、キセノン光源などの特定のシフト補正用光源を搭載しなくても、測定対象からの光束を用いて補正を行うことが可能になり、分光特性測定装置の構成を簡略化することができる。
さらにまた、本発明の分光特性測定装置およびその校正方法では、前記測定対象は、ソーラーシミュレータであり、前記輝線は、キセノンランプの輝線であることを特徴とする。
上記の構成によれば、太陽電池の特性を評価するにあたって、擬似太陽光源として使用されるソーラーシミュレータは、キセノンランプを光源の少なくとも1つとして使用しており、一方、従来からポリクロメータにおける波長分光方向のシフトを補正するためにも、キセノンランプが使用されている。
したがって、測定対象がソーラーシミュレータである場合に、その光源のキセノンランプの輝線を、分光部の波長分光方向のシフトに対する補正を行うために併用することができ、好適である。
また、本発明の分光特性測定装置では、前記判定部は、前記補正部を駆動して、該補正部は、前記分光部の分光データからキセノンの輝線波長を検出し、その検出した波長の、予め定められているキセノンの輝線波長に対する波長シフト量を算出し、その波長シフト量で前記分光部の波長校正データを補正することを特徴とする。
さらにまた、本発明の分光特性測定装置の校正方法では、前記の判定結果から、前記輝線と判定された波長、予め定められているキセノンの輝線波長に対する波長シフト量を算出する工程と、前記波長シフト量で前記分光部の波長校正データを補正する工程とをさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記分光部の波長シフトを、キセノンの輝線検知から、自動で校正まで行うことができる。
本発明の分光特性測定装置およびその校正方法は、分光輝度計や分光放射計などとして実現される分光特性測定装置およびその校正方法において、分光部における波長分光方向のシフトを補正するにあたって、判定部が前記分光部の分光データの内、予め定める波長域のデータを分析しており、その分析結果から測定対象に前記予め定める波長域の輝線が含まれているか否かを判定し、前記輝線が含まれている場合には、その輝線を使用して、前記シフトに対する補正が可能であることを判定する。
それゆえ、キセノン光源などの特定のシフト補正用光源を搭載しなくても、測定対象からの光束を用いて補正を行うことが可能になり、分光特性測定装置の構成を簡略化することができる。
本発明の実施の一形態に係る分光特性測定装置である分光放射照度測定器のブロック図である。 前記分光放射照度測定器におけるポリクロメータの光学構成の一例を説明するための光路図である。 基準太陽光の分光放射照度分布を示すグラフである。 ソーラーシミュレータの分光放射照度分布を示すグラフである。 他のソーラーシミュレータの分光放射照度分布を示すグラフである。 さらに他のソーラーシミュレータの分光放射照度分布を示すグラフである。 前記ポリクロメータの工場出荷時に行われる波長校正に使用される光源の輝線分布の例を示すグラフである。 前記ポリクロメータの画素ナンバーを求める方法を説明するためのグラフである。 前記ポリクロメータの波長校正データを求める方法を説明するためのグラフである。 前記ポリクロメータの波長校正データを求める方法を説明するためのグラフである。 前記分光放射照度測定器の波長校正動作を説明するためのフローチャートである。 前記波長校正にあたっての輝線のあり/なしの判定動作を説明するためのグラフである。 前記波長校正にあたっての輝線のあり/なしの判定動作を説明するためのグラフである。 前記波長校正にあたっての輝線のあり/なしの他の判定動作を説明するためのグラフである。 前記波長校正にあたっての輝線のあり/なしの他の判定動作を説明するためのグラフである。 波長シフト補正に用いる輝線の画素ナンバーの求め方を説明するためのグラフである。 波長シフト補正に用いる波長校正データの作成方法を説明するためのグラフである。
図1は、本発明の実施の一形態に係る分光特性測定装置である分光放射照度測定器1のブロック図である。この分光放射照度測定器1は、ソーラーシミュレータ2の評価のために用いられ、前記ソーラーシミュレータ2から出射された光束を基準白色反射板3に照射し、該基準白色反射板3からの拡散反射光の一部を光ファイバ4を介して、分光部であるポリクロメータ5に導光し、該ポリクロメータ5で分光測定を行い、その測定結果から、演算制御部6が分光放射照度を算出するものである。
図2は、前記ポリクロメータ5の光学構成の一例を説明するための光路図である。このポリクロメータ5は、ツェルニー・ターナー型のポリクロメータであり、入射スリット51、第1凹面鏡52、回折格子53、第2凹面鏡54、および受光センサ55を備えて構成される。導光用の光ファイバ4からの出射光が、入射スリット51を通過し、第1凹面鏡52で概ね平行光となって回折格子53に照射され、分光(分散)される。その回折格子53で分光された光束を、第2凹面鏡54で受光センサ55に集光する。
前記受光センサ55は、リニアセンサアレイであって、回折格子53で分光された各波長の光を受光する。たとえば、このポリクロメータ5の測定波長範囲は300〜1100nmであり、前記受光センサ55のセンサアレイの数は1000個であり、したがって波長分解能は1nm以下、半値幅(スリット波長幅)は10nmである。なお、受光センサ55の直前には、図示しない色フィルタが配置され、不必要な波長の光、たとえば高次回折光などをカットし、所望の波長の光を受光するようになっている。
ここで、ソーラーシミュレータ2による太陽電池の評価方法について簡単に説明する。太陽電池の性能測定は、基準太陽光に近似させた分光放射照度分布を有する光源(ソーラーシミュレータ)を用いて実施され、所定の条件(AM1.5、1Sun(1000W/m等)の下で行われる。そして、JIS規格のC8912、C8933、C8942では、ソーラーシミュレータの分光放射照度と基準太陽光(AM1.5)の分光放射照度との近似度をスペクトル合致度として定義し、太陽電池を評価する際には、スペクトル合致度のレベル等級を規定している。
スペクトル合致度:M=∫Es(λ)dλ/∫E0(λ)dλ
である。ただし、λは光の波長(nm)、E0(λ)は波長λでの基準太陽光の分光放射照度(W/m・nm)、Es(λ)は波長λでのソーラーシミュレータの分光放射照度(W/m・nm)である。
このようにソーラーシミュレータの分光放射照度分布と、基準太陽光の分光放射照度分布とは、ある程度の差がある。また、異なる機種のソーラーシミュレータでのスペクトル差もある。このようなソーラーシミュレータ2自体の分光放射照度分布を正確に測定しておき、太陽電池の評価に反映させるために、或いはソーラーシミュレータ2の光量調整のために、該分光放射照度測定器1が用いられる。
図3〜図6は、該分光放射照度測定器1の被測定光源の分光放射照度分布を示すグラフである。図3は前記JISなどに規定された基準太陽光の分光放射照度分布を示し、図4〜図6は、各社のソーラーシミュレータの分光放射照度分布を示す。図4〜図6のソーラーシミュレータは、現在最も普及しているキセノンランプを光源とする1光源タイプのソーラーシミュレータであり、連続スペクトルには各社固有の分布を有するものの、各社共通に、キセノンの原子のエネルギー準位に由来し、波長安定性が高い825nm、469nm、764nm、882nmに輝線を有していることが理解される。一方、基準太陽光には目立った輝線は無い。なお、ソーラーシミュレータには、基準太陽光との前記スペクトル合致度Mを高めるために、2または3個の光源を搭載した高近似タイプのものも存在するが、その場合、キセノンランプに、ハロゲンランプなどが共用されている。
そこで本実施の形態で注目すべきは、ポリクロメータ5の受光データから、演算制御部6がキセノンランプに一番顕著な前記825nmの輝線を少なくとも検出し、その検出結果に応じてポリクロメータ5の波長校正データを補正することで、前記ポリクロメータ5の経時的な変化や、使用環境(温度や湿度)による変化を補正することである。
ここで、前記ポリクロメータ5には、予め工場出荷時に波長校正が行われており、その手法を以下に説明する。それには、安定した波長を発する輝線光源が利用される。前記輝線光源の例としては、ガスレーザや水銀(Hg)ランプなどである。図7(a)には水銀(Hg)ランプの輝線分布を示し、図7(b)にはアルゴン(Ar)ランプの輝線分布を示す。これらの輝線光源を受光したセンサアレイの画素ナンバーが、設定されている画素ナンバーからどれだけずれているかが波長シフト量であり、また波長校正データとなる。なお、波長シフト量の検出には、校正用のモノクロメータを利用する方法もある。
具体的な校正の手順としては、先ず受光した複数の各輝線の画素ナンバーを得る。図8はその様子を説明するための図であり、この例では、365.015nmの輝線の受光データを示している。この図8で示すような分光(受光)データを得た場合、輝線の画素ナンバーを求める方法としては、単純にピーク画素のナンバーを使用する方法、重心となる画素のナンバーを計算する方法、ラグランジェ3次補間を行ってそのピーク画素のナンバーを採用する方法、前記ラグランジェ3次補間を行ってそのピーク半値幅の中心画素のナンバーを採用する方法等が考えられる。前者2つは簡単で計算時間が掛らないものの、精度に劣り、予めポリクロメータ5の精度が高い場合に好適である。これに対して、後者の2つは計算時間が掛るものの、精度が高く、ポリクロメータ5の特徴に応じて、使い分けられればよい。
こうして求めた複数の各輝線の画素ナンバーから、画素ナンバーと波長とのテーブルが作成される。得られた輝線の波長と、画素ナンバーとが、表1および図9の関係であるとき、波長校正データは、図10で示すようになる。すなわち波長校正データは、上述のようにして得られた何点かの輝線波長と画素ナンバーとのデータポイントから、ポイント間を直線で補間したり、ラグランジェ3次補間で補間することで、各波長に対応する画素ナンバーが割り付けられたもので、その割り付け関係を示すテーブルが、波長校正データとして、前記演算制御部6のメモリ61に格納される。
Figure 0005556362
再び図1を参照して、前記演算制御部6は、前記波長校正データを格納しているメモリ61と、前記ポリクロメータ5の分光データが入力され、前記メモリ61に格納されている波長校正データに基づいてその入された分光データから、測定対象の正確な分光放射特性を演算する演算部62と、前記ポリクロメータ5の分光データの内、予め定める波長域(たとえば800〜850nm)を分析し、その分析結果から、前記測定対象が前記キセノンランプにおける825nmの輝線を含むか否かを判定する分析・判定部63と、前記分析・判定部63が輝線を含むと判定した場合に、前記演算部62に、その825nmの輝線波長と、実際に輝線として判定された波長との波長分光方向のシフト量を演算させ、前記メモリ61における波長校正データとして更新させる補正部64とを備えて構成される。
図11は、上述のように構成される分光放射照度測定器1の動作を説明するためのフローチャートである。該分光放射照度測定器1が動作を開始し、ステップS1で分析・判定部63が前記ポリクロメータ5の分光データを取得すると、ステップS2でその分光データを分析し、輝線のあり/なしを判定する。その結果、予め定める前記825nmの輝線が確認されない場合にはステップS3に移り、前記分光データに基づいて、演算部62が分光放射特性を演算する通常の分光放射特性の測定動作に移る。
これに対して、前記ステップS2で前記825nmの輝線が確認された場合はステップS4に移り、補正部64で、その輝線の画素ナンバーが後述するようにして求められ、ステップS5では、その輝線の波長のシフト量が所定値A以下、すなわちその画素ナンバーと現在その輝線の波長に対応して設定されている画素ナンバーとのずれ量が所定値以下であると、校正を行わずに前記ステップS3の通常の測定動作に移り、所定値Aを超えているとステップS6で、後述するようにして前記波長校正データが校正されて前記ステップS2に戻る。
このような輝線確認および波長校正動作は、該分光放射照度測定器1の動作開始(電源ON)時、一定時間毎、ユーザの指示時等、任意のタイミングに行われるようにしてもよい。また、上述のように補正部64が自動的に演算部62に補正のトリガを与えるのではなく、表示装置に、波長のシフト量を表示したり、前記所定値Aを超えていることを表示したりして、ユーザから補正の指示があった場合に行うようにしてもよい。
図12および図13は、前記分析・判定部63による前記ステップS2での輝線のあり/なしの判定動作を説明するための図である。図12は前述の図4〜図6で示すようなソーラーシミュレータの分光放射特性を示すグラフであり、図13は前述の図3で示す基準太陽光の分光放射特性を示すグラフである。上述のように、検出対象の輝線はキセノンランプによるもので、波長は825nmである。したがって、ポリクロメータ5のずれによっても、その輝線波長を捉えられないことが無いように、該ポリクロメータ5の分光データの内、前記分析・判定部63による分析対象の波長域は、800〜850nmに設定されている。したがって、分析・判定部63は、前記分光データの内、これらの図12および図13で示すような、波長が前記800〜850nmに対応する画素からのデータを取込む。すなわち、その800〜850nmの画素範囲を計算範囲とする。
そして、その計算範囲における分光放射照度値の平均値L(ave:800−850)を算出し、各波長λの分光放射照度L(λ)が、L(ave:800−850)の2倍より大きいか、すなわちL(λ)>2×L(ave:800−850)を判別し、図12で示すように2倍より大きいL(λ)が存在すれば「825nmの輝線あり」と判別し、被測定物にキセノンランプを光源として含むと認識する。これに対して、図13で示すように2倍より大きいのL(λ)が存在しない場合は、「825nmの輝線なし」と判別する。
図14および図15は、前記分析・判定部63による前記ステップS2での輝線のあり/なしの他の判定動作を説明するための図である。概略的には、この判定方法では、隣接波長間の照度L(λ)の変化量△L(λ)から判定を行う。具体的には、先ず各波長λの分光放射照度L(λ)のデータから、下式のようにピーク値を求め、そのピークで正規化した分光放射照度L’(λ)を求める。図14(a)および図15(a)は、その正規化した分光放射照度L’(λ)を示し、図14(a)はソーラーシミュレータのものであり、図15(a)は基準太陽光のものである。
L’(λ)=L(λ)/L(max:300−1100nm)
次に、こうして求めた各波長λの分光放射照度L’(λ)のデータから、隣り合う波長間での差分の絶対値を下式のように算出する。
△L’(λ)=|L’(λ+1)−L’(λ)|
続いて、300−700nmの範囲での、差分△L’(λ)の平均値△L’(ave:300−700nm)を算出し、0.01より小さいことを確認する。ここで、前記平均値△L’(ave:300−700nm)が、0.01より大きい場合は、測定ノイズが大きく、波長計算に適さない。もしくは、被測定物は「キセノン光源を含まない」と判断する。すなわち、これは、ソーラーシミュレータでは図14(b)で示すように短波長側には目立った変動が存在しないのに対して、基準太陽光では図15(b)で示すように多くの変動があり、基準太陽光を認識しないためである。
さらに、815nm−835nmの間に、差分△L’(λ)が、0.1より大きい波長があれば、「825nmの輝線あり」と判定し、被測定物はソーラーシミュレータで、「キセノン光源を含む」と認識する。さらにまた、872nm−892nmの間に、差分△L’(λ)が0.1より大きい波長があれば、「892nmの輝線あり」と判定し、2つの輝線を確認することで、ソーラーシミュレータによるキセノンランプとの認識精度を高めることができる。
こうして分析・判定部63によって「825nmの輝線あり」と認識された結果、演算部62において、ステップS4での輝線波長位置の演算およびステップS5での波長シフト量の演算が以下のようにして行われる。先ず、輝線波長位置の演算には、キセノンランプの定常光成分を除去(カット)し、最も特徴的である825nmの輝線成分のみのデータから輝線の波長に対する受光画素ナンバーを得るようにする。そのため、前述の図12と同様に、800〜850nmに相当する画素範囲を計算範囲とする。そして、図16で示すように、その中のピーク値L(max:800−850)の50%以下の出力をゼロとする。一方、前記ピーク値L(max:800−850)の50%を超える画素(波長単位)については、その光量データにラグランジェ3次補間を行い、その時のピーク画素ナンバーを算出する。
このようにして、ピーク画素ナンバーを求めることができる。このピーク画素ナンバーの演算方法には、工場校正時と同様に、他の演算方法もある。たとえば、ピーク画素ナンバーをそのまま採用する方法、重心計算による画素ナンバーを採用する方法、ラグランジェ3次補間を行ったときの、ピーク半値幅の中心画素ナンバーを採用する方法などである。波長シフト量の確認には、前記825nm以外のキセノン輝線波長が用いられてもよい。
続いて、波長シフト量の算出は、上述のようにして得られた、825nmの画素ナンバーと、前述の図9および図10で示すようにして工場校正され、メモリ61に記憶されている波長と画素ナンバーとのテーブルにおける前記825nmの画素ナンバーとを比較し、工場校正データからのシフト量を算出することで行うことができる。たとえば、図17(a)の例では、前記825nmの波長に対応する画素ナンバー612の画素のシフト量に対応して、全画素範囲一律に、30nmシフトさせている。なおこの図17は、理解し易いように、シフト量を大きく(30nm)示しているけれども、実際に発生するシフト量は5nm程度以下である。
また、図17(b)の例は、前記825nmの波長に加えて、469nmとの2つの波長で、シフト量を補正する場合を示している。このようにキセノンの複数の波長でシフト量を算出した場合、それぞれのシフト量の中間を補間(直線、3次)して、工場校正データを補正することができる。
以上のように、本実施の形態の分光特性測定装置1は、ポリクロメータ5における温度や経年などによる波長分光方向のシフトを補正するにあたって、演算制御部6内の分析・判定部63が前記ポリクロメータ5の分光データの内、予め定める波長域のデータを分析しており、その分析結果から、測定対象に前記予め定める波長域の輝線光源が含まれているか否かを判定し、前記輝線光源が含まれている場合には、補正部64が、演算部62に、その輝線光源を使用して、波長校正データの補正を行わせる。
したがって、キセノン光源などの特定のシフト補正用光源を搭載しなくても、測定対象からの光束を用いて補正を行うことが可能になり、分光特性測定装置1の構成を簡略化することができる。
また、前記測定対象としては、ソーラーシミュレータ2であることで、該ソーラーシミュレータ2は波長校正に好適なキセノンランプを光源の少なくとも1つとして使用しており、その光源を併用することができて好適である。
1 分光放射照度測定器
2 ソーラーシミュレータ
3 基準白色反射板
4 光ファイバ
5 ポリクロメータ
51 入射スリット
52 第1凹面鏡
53 回折格子
54 第2凹面鏡
55 受光センサ
6 演算制御部
61 メモリ
62 演算部
63 分析・判定部
64 補正部

Claims (7)

  1. 測定対象からの光束を受光し、分光部で分光データを得るようにした分光特性測定装置において、
    前記測定対象からの光束を受光し、前記分光部で分光データを得た場合に、該分光データにおける予め定める波長域を分析し、その分析結果から、前記測定対象が前記予め定める波長域の輝線を含むか否かを判定する判定部と
    前記判定部が前記輝線を含むと判定した場合であって、該輝線の波長シフト量が所定値を超えている場合には、前記波長シフト量に基づいて波長校正データを補正する補正
    前記波長校正データに基づいて、前記分光データから分光放射照度を算出する演算部とを含むこと
    を特徴とする分光特性測定装置。
  2. 前記測定対象は、ソーラーシミュレータであり、
    前記輝線は、キセノンランプの輝線であること
    を特徴とする請求項1記載の分光特性測定装置。
  3. 前記判定部は、前記補正部による波長校正データの補正の前に、表示部を駆動して、前記輝線を使用した補正が可能であることをユーザに報知すること
    を特徴とする請求項1または2記載の分光特性測定装置。
  4. 前記判定部は、前記補正部を駆動して、該補正部は、前記分光部の分光データからキセノンの輝線波長を検出し、その検出した波長の、予め定められているキセノンの輝線波長に対する波長シフト量を算出し、その波長シフト量で前記分光部の波長校正データを補正すること
    を特徴とする請求項2記載の分光特性測定装置。
  5. 測定対象からの光束を受光し、分光部で分光データを得るようにした分光特性測定装置の校正方法において、
    前記測定対象からの光束を受光し、前記分光部で分光データを得た場合に、該分光データにおける予め定める波長域を分析する工程と、
    その分析結果から、前記測定対象が前記予め定める波長域の輝線を含むか否かを判定する工程と
    その判定結果から、前記輝線を含むと判定した場合であって、該輝線の波長シフト量が所定値を超えている場合には、前記波長シフト量に基づいて波長校正データを補正する工程
    前記波長校正データに基づいて、前記分光データから分光放射照度を算出する工程とを含むこと
    を特徴とする分光特性測定装置の校正方法。
  6. 前記測定対象は、ソーラーシミュレータであり、
    前記輝線は、キセノンランプの輝線であること
    を特徴とする請求項5記載の分光特性測定装置の校正方法。
  7. 前記の判定結果から、前記輝線と判定された波長、予め定められているキセノンの輝線波長に対する波長シフト量を算出する工程と、
    前記波長シフト量で前記分光部の波長校正データを補正する工程とをさらに備えること
    を特徴とする請求項6記載の分光特性測定装置の校正方法。
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