JP2017010647A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

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崇資 三浦
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Masanori Kitayoshi
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Abstract

【課題】内部抵抗が小さい非水電解液二次電池を製造することができる非水電解液二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを混合しつつ、無機リン酸塩粒子15を砕き、正極活物質粒子14の表面に砕いた無機リン酸塩粒子15を付着させて、正極活物質粒子14の表面を砕いた無機リン酸塩粒子15で被覆した被覆正極活物質粒子11を作製する被覆正極活物質作製工程(ステップS1)と、被覆正極活物質粒子11とバインダーと溶媒とを混合して、正極合材ペーストを作製する正極合材ペースト作製工程(ステップS2)と、正極合材ペーストを集電部材151の表面に塗布し、乾燥させて、集電部材151の表面に正極合材層152を備えた正極155を作製する工程(ステップS3)を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
従来、作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質(例えば、スピネル構造のリチウムニッケルマンガン酸化物)を備える非水電解液二次電池が知られている。この非水電解液二次電池では、初期充電等を行って、正極活物質の電位(正極の電位に等しい)が4.35V以上となると、非水電解液の溶媒が正極活物質の表面で酸化分解し、これによって発生した水素イオンと非水電解液中のフッ素イオンとが反応してフッ酸(HF)が発生することがあった。このフッ酸の作用により、正極活物質中の遷移金属が溶出し、電池の性能が低下することがあった。
特開2014−103098号公報
これに対し、特許文献1には、無機リン酸塩(具体的には、リン酸リチウム)を正極合材層に含有させるとこで、上述のように生成されたフッ酸をリン酸リチウム(Li3PO4)と反応させることで低減させ、正極活物質中の遷移金属が溶出するのを低減する技術が開示されている。具体的には、特許文献1では、正極活物質と、導電材と、バインダーと、リン酸リチウムと、溶媒とを混練(攪拌)して、正極合材ペーストを作製する。そして、作製した正極合材ペーストを集電部材に塗布し、乾燥させて、リン酸リチウムを含有する正極合材層を備える正極を作製する。
ところが、特許文献1に記載されている製法では、正極合材層内におけるリン酸リチウムの分散の程度を良好にすることができない虞があった。具体的には、例えば、正極合材ペーストを作製するときに、リン酸リチウムが凝集する(あるいは、凝集しているリン酸リチウムを解砕することができない)ことで、正極合材ペースト内におけるリン酸リチウムの分散性が高まらず、その結果、正極合材層内におけるリン酸リチウムの分散の程度が良好にならない虞があった。なお、リン酸リチウムの分散性を高めるために、正極合材ペーストの混練(攪拌)エネルギーを高めると、正極活物質が割れてしまうため、混練(攪拌)エネルギーを高めてリン酸リチウムの分散性を高める方法は採用できなかった。
正極合材層内におけるリン酸リチウムの分散の程度が良好でない(正極合材層内においてリン酸リチウムがある程度均一に分散していない)と、非水電解液二次電池の内部抵抗が大きくなることがあった。具体的には、以下に説明する通りである。
初期充電等を行って正極活物質の電位を4.35V以上とすると、正極活物質の表面において、フッ酸とリン酸リチウムとが反応することで、正極活物質の表面に保護被膜(フッ素元素を有する化合物とリン元素を有する化合物とが混在した被膜になると考えている)が形成される。この保護被膜が形成されることで、その後、非水電解液の溶媒が正極活物質の表面で酸化分解するのを抑制して、フッ酸(HF)が発生するのを防止することができる。しかしながら、リン酸リチウムの分散の程度が良好でないと、正極活物質の表面に保護被膜を形成するのに時間がかかり、その結果、多量のフッ酸が発生する。この多量のフッ酸がリン酸リチウムと反応することで、正極活物質の表面に形成される保護被膜の厚みが厚くなり、その結果、非水電解液二次電池の内部抵抗(IV抵抗)が大きくなることがあった。保護被膜の厚みが厚くなると、保護被膜のLiイオン伝導性が低下し、非水電解液二次電池の内部抵抗が上昇してしまうからである。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、内部抵抗が小さい非水電解液二次電池を製造することができる非水電解液二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、非水電解液二次電池の製造方法であって、作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子と無機リン酸塩粒子とを混合しつつ、前記無機リン酸塩粒子を砕き、前記正極活物質粒子の表面に前記砕いた無機リン酸塩粒子を付着させて、前記正極活物質粒子の表面を前記砕いた無機リン酸塩粒子で被覆した被覆正極活物質粒子を作製する被覆正極活物質作製工程と、前記被覆正極活物質粒子とバインダーと溶媒とを混合して、正極合材ペーストを作製する正極合材ペースト作製工程と、前記正極合材ペーストを集電部材の表面に塗布し、乾燥させて、前記集電部材の表面に正極合材層を備えた正極を作製する工程と、前記正極と、負極と、フッ素元素を有する化合物を含有する非水電解液とを、電池ケース内に収容して前記非水電解液二次電池を組み立てる工程と、前記非水電解液二次電池を初期充電する工程と、を備える非水電解液二次電池の製造方法である。
上述の製造方法では、被覆正極活物質作製工程において、作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子と無機リン酸塩粒子とを混合しつつ、(前記正極活物質を砕くことなく、前記正極活物質により)前記無機リン酸塩粒子を砕いて(粒径を小さくして)、前記正極活物質粒子の表面に前記砕いた無機リン酸塩粒子を付着させて、前記正極活物質粒子の表面を前記砕いた無機リン酸塩粒子で被覆した被覆正極活物質粒子を作製する。その後、正極合材ペースト作製工程において、この被覆正極活物質粒子とバインダーと溶媒とを混合して、正極合材ペーストを作製する。その後、所定の工程を経て非水電解液二次電池を組み立てた後、当該非水電解液二次電池を初期充電する。
このように、上述の製造方法では、正極合材ペースト作製工程に先だって、正極活物質粒子の表面を無機リン酸塩粒子で被覆した被覆正極活物質粒子を作製する。これにより、非水電解液二次電池を初期充電するときは、正極活物質粒子の表面全体にわたって、無機リン酸塩粒子を配置しておくことができる。このため、非水電解液二次電池を初期充電して正極活物質の電位を4.35V以上とすると、正極活物質の表面において、速やかに、フッ酸と無機リン酸塩粒子とが反応する。これにより、正極活物質の表面に保護被膜(フッ素元素を有する化合物とリン元素を有する化合物とが混在した被膜になると考えている)が速やかに形成されるので、従来の製造方法(例えば、特許文献1参照)に比べて、フッ酸(HF)の発生量を低減することができ、その結果、保護被膜の厚みを薄くすることができる。これにより、非水電解液二次電池の内部抵抗(例えば、IV抵抗)を小さくすることができる。
なお、「作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子」とは、上述の製造方法により製造される非水電解液二次電池のSOC(State of Charge:充電状態)0%〜100%の範囲内において、当該正極活物質粒子の酸化還元電位(作動電位)が4.35V(vs.Li/Li+)以上となる正極活物質粒子をいう。この正極活物質粒子を含む非水電解液二次電池は、SOC0%〜100%の範囲内に、正極の電位(正極活物質粒子の電位に等しい)が4.35V(vs.Li/Li+)以上となる領域を有することになる。
当該正極活物質粒子としては、例えば、スピネル構造のリチウムニッケルマンガン酸化物粒子を用いることができる。また、LiMnPO4 系、LiNiPO4 系、またはLiCoPO4 系であるオリビン構造のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子を用いることもできる。なお、LiMnPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiMnPO4 で表される化合物粒子で、LiMnPO4 の他、Mnの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。また、LiNiPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiNiPO4 で表される化合物粒子で、LiNiPO4 の他、Niの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。また、LiCoPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiCoPO4 で表される化合物で、LiCoPO4 の他、Coの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。
また、無機リン酸塩粒子としては、リン酸リチウム粒子(Li3PO4)、リン酸ナトリウム粒子(Na3PO4)などを用いることができる。
実施形態にかかる非水電解液二次電池の平面図である。 同電池の製造方法を説明する図である。 正極の構成を示す図である。 負極の構成を示す図である。 実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。 被覆正極活物質の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態にかかる非水電解液二次電池100の平面図である。本実施形態の非水電解液二次電池100は、リチウムイオン二次電池であり、図1に示すように、平面視矩形状の電池ケース110と、電池ケース110の内部から外部に延出する正極端子120と、電池ケース110の内部から外部に延出する負極端子130とを備えている。
電池ケース110は、電池ケース110の最も内側に位置する内側樹脂フィルム111、この内側樹脂フィルム111の外側(図2において紙面奥側)に隣り合って位置する金属フィルム112、及びこの金属フィルム112の外側に隣り合って位置する外側樹脂フィルム113が積層されたラミネートフィルム101で形成されている(図2参照)。この電池ケース110は、図2に示すように、収容部119内に電極体150を配置させたラミネートフィルム101が、折り返し位置110gで折り返され、図1に示すように、略矩形環状の溶着封止部115(電池ケース110の周縁部)が熱溶着により封止されて、平面視矩形状に成形されている。
さらに、図2に示すように、電池ケース110の内部には、電極体150が収容されている。この電極体150は、断面長円状をなし、長尺シート状の正極155と負極156とセパレータ157を扁平形状に捲回してなる扁平型の捲回体である。
正極155は、図3に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム箔からなる正極集電部材151と、この正極集電部材151の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの正極合材層152とを有している。
正極155のうち、正極合材層152が塗工されている部位を、正極合材層塗工部155cという。一方、正極合材層152を有することなく、正極集電部材151のみからなる部位を、正極合材層未塗工部155bという。正極合材層未塗工部155bは、正極155の一方長辺に沿って、正極155の長手方向DAに帯状に延びている。この正極合材層未塗工部155bは、捲回されて渦巻き状をなし、電極体150の軸線方向(図2において左右方向)一方端部(図2において左端部)に位置している。正極合材層未塗工部155bには、正極端子120が溶接されている。
また、負極156は、図4に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、銅箔からなる負極集電部材158と、この負極集電部材158の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの負極合材層159とを有している。
負極156のうち、負極合材層159が塗工されている部位を、負極合材層塗工部156cという。一方、負極合材層159を有することなく、負極集電部材158のみからなる部位を、負極合材層未塗工部156bという。負極合材層未塗工部156bは、負極156の一方長辺に沿って、負極156の長手方向DAに帯状に延びている。この負極合材層未塗工部156bは、捲回されて渦巻き状をなし、電極体150の軸線方向他方端部(図2において右端部)に位置している。負極合材層未塗工部156bには、負極端子130が溶接されている。
セパレータ157は、電気絶縁性を有する樹脂フィルムからなるセパレータである。このセパレータ157は、正極155と負極156との間に介在して、これらを離間させている。なお、セパレータ157には、非水電解液140を含浸させている。
また、本実施形態では、非水電解液140として、フッ素元素(F)を有する化合物を含有する非水電解液を用いている。具体的には、EC(エチレンカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを混合した非水溶媒に、フッ素元素を有する化合物である六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を溶解した非水電解液を用いている。
次に、本実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法について説明する。
図5は、本実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)において、被覆正極活物質粒子11(図6参照)を作製する。具体的には、遊星型ボールミル装置を用いて、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを混合しつつ、正極活物質粒子14を砕く(割る)ことなく、正極活物質粒子14により無機リン酸塩粒子15を砕いて、正極活物質粒子14の表面に砕いた無機リン酸塩粒子15を付着させる。これにより、図6に示すように、正極活物質粒子14の表面を砕いた無機リン酸塩粒子15で被覆した被覆正極活物質粒子11が作製される。
なお、本実施形態では、正極活物質粒子14として、スピネル構造のリチウムニッケルマンガン酸化物(具体的には、LiNi0.5Mn1.54)を用いている。この正極活物質粒子14は、作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質である。すなわち、正極活物質粒子14は、非水電解液二次電池100のSOC0%〜100%の範囲内において、正極活物質粒子14の酸化還元電位(作動電位)が4.35V(vs.Li/Li+)以上となる正極活物質である。従って、正極活物質粒子14を含む非水電解液二次電池100は、SOC0%〜100%の範囲内に、正極155の電位(被覆正極活物質粒子11の電位に等しい)が4.35V(vs.Li/Li+)以上となる領域を有することになる。また、正極活物質粒子14の平均粒径は、D50=5μmである。
また、本実施形態では、無機リン酸塩粒子15として、リン酸リチウム(Li3PO4)粒子を用いている。ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行う前の無機リン酸塩粒子15の平均粒径は、D50=3μmであった。一方、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行った後の無機リン酸塩粒子15(すなわち、被覆正極活物質粒子11に含まれている無機リン酸塩粒子15)の平均粒径は、約0.4μmであった。
また、本実施形態では、遊星型ボールミル装置として、フリッチュ社製のMONO−MILL P−6を用いている。但し、ボールを使用することなく(遊星型ボールミル装置の容器内にボールを入れることなく)、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とのみを容器内に入れて、混合粉砕処理を行っている。正極活物質粒子14は、無機リン酸塩粒子15に比べて硬いので、本実施形態では、正極活物質粒子14がボールとして働き、正極活物質粒子14により無機リン酸塩粒子15が砕かれる(すり潰される)と共に、砕かれた無機リン酸塩粒子15が正極活物質粒子14の表面に付着して、被覆正極活物質粒子11が形成されることになる。なお、遊星型ボールミル装置による詳細な処理条件は、後述の実施例1〜4で記載する。
また、本実施形態では、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)に先立って、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを粗混合している。具体的には、攪拌機(スターラー)を用いて、3分間、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを粗混合して、分散させている。しかしながら、この粗混合の処理を行わなくても、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)において被覆正極活物質粒子11を形成することは可能である。
次に、ステップS2(正極合材ペースト作製工程)に進み、正極合材ペースト10を作製する。具体的には、溶媒(NMP)中に、被覆正極活物質粒子11と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVDF)とを添加し、高速分散機によって混練して、正極合材ペーストを作製した。なお、本実施形態では、高速分散機として、プライミクス社製のホモディスパーを用いている。また、高速分散機20の回転速度を2000〜4000rpmの範囲で調整して混練し、正極合材ペーストの粘度を2500cP以上に調整している。
次いで、ステップS3(正極作製工程)に進み、正極155を作製する。具体的には、上述のようにして作製した正極合材ペーストを、正極集電部材151(アルミニウム箔)の表面(両面)に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、正極集電部材151の表面(両面)に正極合材層152を備えた正極155を得た(図3参照)。なお、正極合材層152は、正極合材ペーストを乾燥させて、プレス(圧縮)したものである。
また、これとは別に、負極156を作製する。具体的には、溶媒中に、負極活物質粒子とバインダー(PVDF)とを添加し、高速分散機によって混練して、負極合材ペーストを作製する。次いで、この負極合材ペーストを、銅箔からなる負極集電部材158の表面(両面)に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、負極集電部材158の表面(両面)に負極合材層159を備えた負極156を得た(図4参照)。なお、本実施形態では、負極活物質粒子として、炭素材料(具体的には、グラファイト)の粒子を用いている。
次に、ステップS4(電極体作製工程)に進み、電極体150を作製した。具体的には、上述のようにして作製した正極155と負極156との間に、セパレータ157が介在するようにして、これらを捲回し、電極体150を作製した。詳細には、正極155の正極合材層未塗工部155bと負極156の負極合材層未塗工部156bとが、幅方向(図2〜図4において左右方向)について互いに反対側に位置するようにして、正極155、負極156、及びセパレータ157を扁平形状に捲回して、電極体150を形成した。
次に、ステップS5(組み立て工程)に進み、非水電解液二次電池100の組み立てを行った。具体的には、まず、電極体150の正極合材層未塗工部155bに、正極端子120を接合(溶接)する。さらに、電極体150の負極合材層未塗工部156bに、負極端子130を接合(溶接)する。次いで、図2に示すように、正極端子120及び負極端子130を溶接した電極体150を、ラミネートフィルム101の収容部119内に配置する。次いで、ラミネートフィルム101を、その折り返し位置110gで折り返し、電極体150を内部に収容する。
その後、溶着封止部115を、その厚み方向に加圧しつつ加熱して、内側樹脂フィルム111同士を熱溶着させて、電池ケース110を形成する。次いで、電池ケース110に設けられている図示しない注液口を通じて、電池ケース110内に非水電解液140を注入した後、注液口を封止する。これにより、非水電解液二次電池100の組み立てが完了する。
次に、ステップS6(初期充電工程)に進み、上述のようにして組み立てられた非水電解液二次電池100について、初期充電を行う。具体的には、非水電解液二次電池100のSOCが100%になるまで(電池電圧値が4.75Vに達するまで)、5Cの一定電流値で充電を行う。この初期充電により、被覆正極活物質粒子11の酸化還元電位(作動電位)は、4.35V(vs.Li/Li+)以上となる。なお、1Cは、定格容量値(公称容量値)の容量を有する電池を定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値であり、5Cはその5倍の大きさの電流値である。
その後、所定の処理を行うことで、非水電解液二次電池100が完成する。
(実施例1)
実施例1では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を100(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を30分として、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行い、被覆正極活物質粒子11を作製した。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。
このような条件で作製した被覆正極活物質粒子11を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池100を作製した。
(実施例2)
実施例2では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を200(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を5分として、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行い、被覆正極活物質粒子11を作製した。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。
このような条件で作製した被覆正極活物質粒子11を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池100を作製した。
(実施例3)
実施例3では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を200(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を10分として、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行い、被覆正極活物質粒子11を作製した。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。
このような条件で作製した被覆正極活物質粒子11を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池100を作製した。
(実施例4)
実施例4では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を300(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を5分として、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)を行い、被覆正極活物質粒子11を作製した。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。
このような条件で作製した被覆正極活物質粒子11を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池100を作製した。
(参考例1)
参考例1では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を100(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を1分として、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、混合粉砕処理を行った。
しかしながら、本参考例1では、無機リン酸塩粒子15を適切に砕くことができず、被覆正極活物質粒子11を作製することができなかった。その理由は、本参考例1の混合粉砕処理の条件では、粉砕エネルギーが小さすぎたためであると考えられる。
上述の処理を終えた粒子(正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15との混合物)を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池を作製した。なお、初期充電は、実施形態と同様に、5Cの一定電流値で行っている。
(参考例2)
参考例2では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を400(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を1分として、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、混合粉砕処理を行った。
しかしながら、本参考例2では、無機リン酸塩粒子15を適切に砕くことができず、被覆正極活物質粒子11を作製することができなかった。その理由は、本参考例2の混合粉砕処理の条件でも、粉砕エネルギーが小さすぎたためであると考えられる。
上述の処理を終えた粒子(正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15との混合物)を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池を作製した。なお、初期充電は、実施形態と同様に、5Cの一定電流値で行っている。
(参考例3)
参考例3では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を400(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を30分として、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。なお、遊星型ボールミル装置の容器内には、ボールを配置することなく、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15のみを配置して、混合粉砕処理を行った。
本参考例3では、正極活物質粒子14の表面に無機リン酸塩粒子15を付着させることはできたが、正極活物質粒子14が割れてしまった(砕けてしまった)。その理由は、本参考例3の混合粉砕処理の条件では、粉砕エネルギーが大きすぎたためであると考えられる。
上述の処理を終えた粒子を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池を作製した。なお、初期充電は、実施形態と同様に、5Cの一定電流値で行っている。
(参考例4)
参考例4では、遊星型ボールミル装置(MONO−MILL P−6)の回転数を200(rpm)に設定し、処理時間(混合粉砕時間)を5分として、遊星型ボールミル装置による混合粉砕処理を行った。但し、遊星型ボールミル装置の容器内には、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15に加えて、直径5mmのボールを配置して、混合粉砕処理を行った。なお、ボールの添加量は、容器の容積の40%としている。
本参考例4では、正極活物質粒子14の表面に無機リン酸塩粒子15を付着させることはできたが、正極活物質粒子14が割れてしまった(砕けてしまった)。その理由は、本参考例4の混合粉砕処理の条件では、粉砕エネルギーが大きすぎたためであると考えられる。
上述の処理を終えた粒子を用いて、ステップS2〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池を作製した。なお、初期充電は、実施形態と同様に、5Cの一定電流値で行っている。
(比較例1)
比較例1では、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)の処理を行うことなく、溶媒(NMP)中に、正極活物質粒子14と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVDF)と無機リン酸塩粒子15を添加し、高速分散機によって混練して、正極合材ペーストを作製した。なお、高速分散機及び処理条件は、実施形態と同様にして、正極合材ペーストの粘度を2500cP以上に調整している。
このような条件で作製した正極合材ペーストを用いて、ステップS3〜S6の処理を行い、非水電解液二次電池を作製した。なお、初期充電は、実施形態と同様に、5Cの一定電流値で行っている。
(IV抵抗測定試験)
実施例1〜4、参考例1〜4、及び比較例1の非水電解液二次電池について、内部抵抗を測定した。なお、本試験では、電池の内部抵抗として、IV抵抗値を測定している。具体的には、各々の非水電解液二次電池について、SOC60%の状態に調整し、25℃の温度環境下で、1Cの一定電流値で、10秒間放電を行い、放電終了時の電池電圧値を測定した。さらに、放電電流値のみを、3C、5C、10Cと異ならせて、それ以外は上記と同様の条件で放電を行って、それぞれの放電電流値による10秒間放電終了時の電池電圧値を測定した。
その後、各々の非水電解液二次電池について、横軸を放電電流値、縦軸を放電終了時の電池電圧値とした座標平面に、上記の放電により得られたデータをプロットした。そして、各々の非水電解液二次電池について、これらのプロットデータに基づいて、最小二乗法により近似直線(一次式)を算出した。その傾きを各々の非水電解液二次電池のIV抵抗値として得た。その結果を表1に示す。
Figure 2017010647
表1に示すように、比較例1の非水電解液二次電池では、IV抵抗値が570mΩであった。これに対し、実施例1〜4の非水電解液二次電池では、IV抵抗値が、順に、515mΩ、507mΩ、505mΩ、504mΩとなり、比較例1のIV抵抗値よりも、60mΩ程度小さくすることができた。このような結果となった理由を、以下に説明する。
比較例1では、ステップS1(被覆正極活物質作製工程)の処理を行うことなく、溶媒(NMP)中に、正極活物質粒子14と導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVDF)と無機リン酸塩粒子15を添加し、高速分散機によって混練して、正極合材ペーストを作製した。このため、正極合材ペースト中で、無機リン酸塩粒子15が凝集し(あるいは、凝集している無機リン酸塩粒子15を十分に解砕することができず)、正極合材ペースト中における無機リン酸塩粒子15の分散性が高まらず、その結果、正極合材層内における無機リン酸塩粒子15の分散の程度を良好にできなかったと考えられる。なお、無機リン酸塩粒子15の分散性を高めるために、正極合材ペーストの混練(攪拌)エネルギーを高めると、正極活物質が割れてしまうため、混練(攪拌)エネルギーを高めて無機リン酸塩粒子15の分散性を高める方法は採用できない。
このように、正極合材層内における無機リン酸塩粒子15の分散の程度が良好でない(正極合材層内において無機リン酸塩粒子15がある程度均一に分散していない)ために、非水電解液二次電池の内部抵抗(IV抵抗値)が大きくなったと考えられる。具体的には、以下に説明する通りである。
初期充電を行って正極活物質粒子14の電位が4.35V以上になると、正極活物質粒子14の表面において、フッ酸(HF)と無機リン酸塩粒子15とが反応することで、正極活物質粒子14の表面に保護被膜(フッ素元素を有する化合物とリン元素を有する化合物とが混在した被膜になると考えている)が形成される。なお、フッ酸は、非水電解液の溶媒が正極活物質粒子14の表面で酸化分解し、これによって発生した水素イオンと非水電解液中のフッ素イオンとが反応して生成される。この保護被膜が形成されることで、その後、非水電解液の溶媒が正極活物質粒子14の表面で酸化分解するのを抑制して、フッ酸が発生するのを防止することができる。
しかしながら、比較例1では、無機リン酸塩粒子15の分散の程度が良好でないため、初期充電をしたとき、正極活物質粒子14の表面に保護被膜を形成するのに時間がかかり、その結果、多量のフッ酸が発生したと考えられる。この多量のフッ酸が無機リン酸塩粒子15と反応することで、正極活物質粒子14の表面に形成される保護被膜の厚みが厚くなり、その結果、非水電解液二次電池の内部抵抗(IV抵抗)が大きくなったと考えられる。保護被膜の厚みが厚くなると、保護被膜のLiイオン伝導性が低下し、電池の内部抵抗が上昇してしまうからである。
これに対し、実施例1〜4では、正極合材ペースト作製工程(ステップS2)に先だって、正極活物質粒子14の表面を無機リン酸塩粒子15で被覆した被覆正極活物質粒子11を作製している。より具体的には、遊星型ボールミル装置を用いて、正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを混合しつつ、正極活物質粒子14を砕く(割る)ことなく、正極活物質粒子14により無機リン酸塩粒子15を砕き、正極活物質粒子14の表面に砕いた無機リン酸塩粒子15を付着させている。このようにして、正極活物質粒子14の表面を前記砕いた無機リン酸塩粒子15(平均粒径0.4μm)で被覆した被覆正極活物質粒子11を作製している。そして、この被覆正極活物質粒子11を用いて、正極155を作製している。
これにより、ステップS6において非水電解液二次電池100を初期充電するときは、正極活物質粒子14の表面全体にわたって、無機リン酸塩粒子15を配置しておくことができる。このため、非水電解液二次電池100を初期充電して正極活物質粒子14の電位が4.35V以上になり、正極活物質粒子14の表面においてフッ酸(HF)が発生すると、このフッ酸は、正極活物質粒子14の表面に位置する無機リン酸塩粒子15(リン酸リチウム粒子)と速やかに反応する。これにより、正極活物質粒子14の表面に保護被膜(フッ素元素を有する化合物とリン元素を有する化合物とが混在した被膜になると考えている)が速やかに形成されるので、比較例1に比べて、フッ酸の発生量を低減することができ、その結果、保護被膜の厚みを薄くすることができる。これにより、実施例1〜4の非水電解液二次電池100では、内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができる。
次に、参考例1〜4の結果について検討する。
参考例1,2の非水電解液二次電池は、IV抵抗値が、順に、567mΩ、577mΩとなり、比較例1(570mΩ)と同程度の値となった。その理由は、参考例1,2の混合粉砕処理の条件では、粉砕エネルギーが小さすぎたため、無機リン酸塩粒子15を適切に砕くことができず、被覆正極活物質粒子11を作製することができなかった(すなわち、正極活物質粒子14の表面を無機リン酸塩粒子15で被覆できなかった)からであると考えられる。このため、初期充電をしたとき、正極活物質粒子14の表面に保護被膜を形成するのに時間がかかり、その結果、多量のフッ酸が発生したと考えられる。この多量のフッ酸が無機リン酸塩粒子15と反応することで、正極活物質粒子14の表面に形成される保護被膜の厚みが厚くなり、その結果、電池の内部抵抗(IV抵抗)が比較例1と同程度に大きくなったと考えられる。
また、参考例3,4の非水電解液二次電池は、IV抵抗値が、順に、640mΩ、701mΩとなり、比較例1(570mΩ)よりも大きな値となった。その理由は、参考例3,4の混合粉砕処理の条件では、粉砕エネルギーが大きすぎたため、正極活物質粒子14が割れてしまい(砕けてしまい)、その結果、電池の内部抵抗(IV抵抗)が大きくなったと考えられる。
以上の結果より、正極合材ペースト作製工程に先だって、「正極活物質粒子14と無機リン酸塩粒子15とを混合しつつ、正極活物質粒子14を砕く(割る)ことなく、正極活物質粒子14により無機リン酸塩粒子15を砕き、正極活物質粒子14の表面に砕いた無機リン酸塩粒子15を付着させて、正極活物質粒子14の表面を砕いた無機リン酸塩粒子15で被覆した被覆正極活物質粒子11を作製する」被覆正極活物質作製工程を行い、この被覆正極活物質粒子11を用いて非水電解液二次電池を作製することで、非水電解液二次電池の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができるといえる。
以上において、本発明を実施形態(実施例1〜4)に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態(実施例1〜4)では、ラミネートフィルム101からなる電池ケース110を用いて、非水電解液二次電池を作製した。しかしながら、電池ケースは、これに限定されることはなく、例えば、金属製(例えば、アルミニウム製)のハードケースを用いるようにしても良い。また、電池ケースの形状も、角形(直方体形状)、円筒形状など、いずれの形状としても良い。
また、実施形態(実施例1〜4)では、正極活物質粒子として、スピネル構造のリチウムニッケルマンガン酸化物粒子(具体的には、LiNi0.5Mn1.54)を用いた。しかしながら、本発明では、正極活物質粒子は、これに限定されることはなく、「作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子」であれば良い。
例えば、LiMnPO4 系、LiNiPO4 系、またはLiCoPO4 系であるオリビン構造のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子を用いることもできる。なお、LiMnPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiMnPO4 で表される化合物粒子で、LiMnPO4 の他、Mnの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。また、LiNiPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiNiPO4 で表される化合物粒子で、LiNiPO4 の他、Niの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。また、LiCoPO4 系のリチウム遷移金属リン酸化合物粒子とは、基本組成がLiCoPO4 で表される化合物で、LiCoPO4 の他、Coの一部(50%未満)を他の遷移金属で置換した化合物粒子をも含む。
これらの正極活物質粒子は、いずれも、無機リン酸塩粒子15に比べて硬いので、実施例1〜4と同等の混合粉砕処理条件で、遊星型ボールミル装置を用いて、上述の正極活物質粒子と無機リン酸塩粒子15とを混合粉砕処理することで、被覆正極活物質粒子を形成することができる。具体的には、正極活物質粒子と無機リン酸塩粒子15とを混合しつつ、正極活物質粒子を砕く(割る)ことなく、正極活物質粒子により無機リン酸塩粒子15を砕き(粒径を小さくして)、砕いた無機リン酸塩粒子15を正極活物質粒子の表面に付着させて、被覆正極活物質粒子を形成することができる。
11 被覆正極活物質粒子
14 正極活物質粒子
15 無機リン酸塩粒子
100 非水電解液二次電池
110 電池ケース
140 非水電解液
150 電極体
151 正極集電部材
152 正極合材層
155 正極
156 負極
157 セパレータ
158 負極集電部材
159 負極合材層

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池の製造方法であって、
    作動上限電位が金属リチウム基準で4.35V以上となる正極活物質粒子と無機リン酸塩粒子とを混合しつつ、前記無機リン酸塩粒子を砕き、前記正極活物質粒子の表面に前記砕いた無機リン酸塩粒子を付着させて、前記正極活物質粒子の表面を前記砕いた無機リン酸塩粒子で被覆した被覆正極活物質粒子を作製する被覆正極活物質作製工程と、
    前記被覆正極活物質粒子とバインダーと溶媒とを混合して、正極合材ペーストを作製する正極合材ペースト作製工程と、
    前記正極合材ペーストを集電部材の表面に塗布し、乾燥させて、前記集電部材の表面に正極合材層を備えた正極を作製する工程と、
    前記正極と、負極と、フッ素元素を有する化合物を含有する非水電解液とを、電池ケース内に収容して前記非水電解液二次電池を組み立てる工程と、
    前記非水電解液二次電池を初期充電する工程と、を備える
    非水電解液二次電池の製造方法。
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