JP2017009711A - 作像機構制御装置、画像形成装置及び作像機構の制御方法 - Google Patents

作像機構制御装置、画像形成装置及び作像機構の制御方法 Download PDF

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隆 老田
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Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成装置にてカラーパッチを形成して行う濃度調整処理について、カラーパッチが形成される搬送体の不具合によって濃度調整処理に失敗した場合にも調整値の更新を可能とすること。
【解決手段】作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための濃度調整用マーク500がパターン検知センサ117によって検知された検知信号に基づき、作像機構によって形成される画像の濃度を調整するためのパラメータを生成し、濃度調整用マーク500がパターン検知センサ117によって検知された検知信号に基づき、濃度調整用マーク500の検知結果が正確であるか否か判断し、検知結果が不正確であると判断した場合、動作環境に基づいて生成した予測値をパラメータとして用いることを特徴とする。
【選択図】図16

Description

作像機構制御装置、画像形成装置及び作像機構の制御方法に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置のうち、電子化された書類の出力に用いられる画像形成装置においては、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられている。電子写真方式の画像形成装置においては、感光体を露光することにより静電潜像を形成し、トナー等の顕色剤を用いてその静電潜像を現像してトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写することによって紙出力を行う。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、用紙等の記録媒体に転写される画像が意図した通りの濃度になるように、濃度調整処理が行われる。濃度調整処理の具体的な方法として、濃度調整用のカラーパッチを作像機構によって出力して読み取り、その読取結果に基づいてパラメータ調整を行う方法がある。調整されるパラメータとしては、例えば感光体を帯電させる際に印加する帯電バイアス、静電潜像を現像する際に印加する現像バイアス、静電潜像を形成する際の光書き込み装置の発光エネルギー等が対象となる(例えば、特許文献1参照)。
上述したような濃度調整処理においては、現像されたトナー画像を搬送する搬送ベル上等に形成されたカラーパッチが読み取られた結果に基づいてパラメータが調整されることとなる。ここで、搬送ベルト等のトナー画像の搬送体にはカール癖や傷が付いている場合がある。そのため、搬送体上に形成されたカラーパッチが読み取られる際、カラーパッチを適切に読み取ることが出来ず、濃度調整の結果が不正確なものとなる可能性がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、電子写真方式の画像形成装置にてカラーパッチを形成して行う濃度調整処理について、カラーパッチが形成される搬送体の不具合によって濃度調整処理に失敗した場合にも調整値の更新を可能とすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電子写真方式の画像形成装置において画像を形成する作像機構を制御する作像機構制御装置であって、前記作像機構を制御することにより画像を形成する作像機構制御部と、形成された前記画像が搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサの検知信号を取得する検知信号取得部と、前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整値を生成する調整値生成部とを含み、前記調整値生成部は、前記調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記調整用パターンの検知結果が正確であるか否か判断し、前記調整用パターンの検知結果が不正確であると判断した場合、前記画像形成装置の動作環境に基づいて生成した予測値を前記調整値として用いることを特徴とする。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置にてカラーパッチを形成して行う濃度調整処理について、カラーパッチが形成される搬送体の不具合によって濃度調整処理に失敗した場合にも調整値の更新を可能とすることが可能となる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るプリントエンジンの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジン側コントローラの機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るセンサ素子の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る濃度調整用パターンの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る濃度調整用パターンに含まれる各パッチを形成する際のパラメータを示す図である。 本発明の実施形態に係る正反射電圧の検知結果の時系列変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る拡散反射電圧の検知結果の時系列変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る正反射電圧、拡散反射電圧の検知結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る基準値記憶部に記憶される情報の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る調整値記憶部に記憶される情報の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る正反射電圧の検知結果の時系列変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る拡散反射電圧の検知結果の時系列変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る濃度調整動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るオフセット値と感光体走行距離との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るLEDA発光エネルギーと感光体走行距離との関係性を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式による画像形成装置であり、転写によって形成される画像の濃度を適切なものとするためにパラメータを調整するための濃度調整動作に特徴を有する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、エンジン13、HDD(Hard Disk Drive)14及びI/F15がバス18を介して接続されている。また、I/F15にはLCD(Liquid Crystal Display)16及び操作部17が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM11は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン13は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F15は、バス18と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD16は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部17は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM12に格納されたプログラムや、HDD14若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体からRAM11に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26、排紙トレイ27及びネットワークI/F28を有する。
また、コントローラ20は、主制御部30、エンジン制御部31、通信制御部32、画像処理部33及び操作表示制御部34を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、プリントエンジン26のみを有する単機能の画像形成装置であるが、スキャナユニットやファクシミリ機能などを有する複合機に本実施形態に係る機能を適用しても良い。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル24は、各種の情報を表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F28は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ20は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、所定のプログラムに従ったCPU10の演算によって構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ20が構成される。コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部30は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部31は、プリントエンジン26を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。通信制御部32は、ネットワークI/F28を介して入力される信号や命令を主制御部30に入力する。また、主制御部30は、通信制御部32を制御し、ネットワークI/F28を介して他の機器にアクセスする。
画像処理部33は、主制御部30の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン26が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された画像情報である。操作表示制御部34は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部30に通知する。
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、通信制御部32がネットワークI/F28を介して印刷ジョブを受信する。通信制御部32は、受信した印刷ジョブを主制御部30に転送する。主制御部30は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部33を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
画像処理部33によって描画情報が生成されると、エンジン制御部31は、生成された描画情報に基づいてプリントエンジン26を制御し、給紙テーブル25から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン26が画像形成部として機能する。プリントエンジン26によって画像形成が施された文書は排紙トレイ27に排紙される。
次に、本実施形態に係るプリントエンジン26の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、本実施形態に係るプリントエンジン26は、無端状移動手段である搬送ベルト105に沿って各色の画像形成部106が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ101から給紙ローラ102により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)104に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト105に沿って、この搬送ベルト105の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)106Y、106M、106C、106K(以降、総じて画像形成部106とする)が配列されている。
また、給紙トレイ101から給紙された用紙104は、レジストローラ103によって一度止められ、画像形成部106における画像形成のタイミングに応じて搬送ベルト105からの画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部106Y、106M、106C、106Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部106Kはブラックの画像を、画像形成部106Mはマゼンタの画像を、画像形成部106Cはシアンの画像を、画像形成部106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部106Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部106M、106C、106Kは画像形成部106Yと同様であるので、その画像形成部106M、106C、106Kの各構成要素については、画像形成部106Yの各構成要素に付したYに替えて、M、C、Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト105は、回転駆動される駆動ローラ107と従動ローラ108とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ107と、従動ローラ108とが、無端状移動手段である搬送ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト105に対して、最初の画像形成部106Yが、ブラックのトナー画像を転写する。画像形成部106Yは、感光体としての感光体ドラム109Y、この感光体ドラム109Yの周囲に配置された帯電器110Y、光書き込み装置111、現像器112Y、感光体クリーナ(図示せず)、除電器113Y等から構成されている。光書き込み装置111は、夫々の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K(以降、総じて「感光体ドラム109」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム109Yの外周面は、暗中にて帯電器110Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置111からのイエロー画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器112Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム109Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム109Yと搬送ベルト105とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器115Yの働きにより搬送ベルト105上に転写される。この転写により、搬送ベルト105上にイエローのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム109Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナにより払拭された後、除電器113Yにより除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、画像形成部106Yにより搬送ベルト105上に転写されたイエローのトナー画像は、搬送ベルト105のローラ駆動により次の画像形成部106Mに搬送される。画像形成部106Mでは、画像形成部106Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト105上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部106C、106Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム109K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト105上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
給紙トレイ101に収納された用紙104は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト105と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト105上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙104の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙104は更に搬送され、定着器116にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
また、このような画像形成装置1においては、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの軸間距離の誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの平行度誤差、光書き込み装置111内でのLEDA130の設置誤差、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kへの静電潜像の書き込みタイミング誤差、装置内温度変化や経時劣化による搬送ベルトの伸縮等により、本来重ならなければならない位置に各色のトナー画像が重ならず、各色間で位置ずれが生ずることがある。
また、同様の原因により、転写対象である用紙において本来画像が転写される範囲から外れた範囲に画像が転写されることがある。このような位置ずれの成分としては、主にスキュー、副走査方向のレジストずれ等が知られている。
更に、画像形成装置1においては、様々な要因によって濃度の変動が発生する。そのような要因としては、例えば光書き込み装置111に含まれる光源の露光強度のずれがある。また、感光体ドラム109上に形成された静電潜像を現像する現像器112の現像バイアスのずれや、感光体ドラム109上に現像された画像を転写する際の転写バイアスのずれがある。更に、感光体ドラム109を帯電させる帯電器110の帯電バイアスのずれがある。
このような位置ずれや濃度の変動を補正するため、パターン検知センサ117が設けられている。パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kによって搬送ベルト105上に転写された位置ずれ補正用パターン、及び濃度調整用パターンを読み取るための光学センサである。パターン検知センサ117は、搬送ベルト105の表面に描画されたパターンを照射するための発光素子及び補正用パターンからの反射光を受光するための受光素子を含む。図3に示すように、パターン検知センサ117は、感光体ドラム109Y、109M、109C及び109Kの下流側に配置されている。
画像形成装置1は、位置ずれ補正のために描画された位置ずれ補正用パターンや、濃度調整のために描画された濃度調整用パターンのパターン検知センサ117による読取結果に基づき、各種のパラメータを生成する。例えば、画像形成部106Y、106M、106C、106Kの駆動パラメータや光書込み装置111の駆動パラメータ及び駆動タイミングを補正するためのパラメータである。パターン検知センサ117の詳細及び位置ずれ補正、濃度調整の態様については、後に詳述する。
このような描画パラメータ補正において搬送ベルト105上に描画された補正用パターンのトナーを除去し、搬送ベルト105によって搬送される用紙が汚れないようにするため、ベルトクリーナ118が設けられている。ベルトクリーナ118は、図3に示すように、駆動ローラ107の下流側であって、感光体ドラム109よりも上流側において搬送ベルト105に押し当てられたクリーニングブレードであり、搬送ベルト105の表面に付着したトナーを掻きとる顕色剤除去部である。
次に、本実施形態に係る光書き込み装置111について説明する。図4は、本実施形態に係る光書き込み装置111と感光体ドラム109との配置関係を示す図である。図4に示すように、各色の感光体ドラム109Y、109M、109C、109K夫々に照射される照射光は、光源であるLEDA(Light‐emitting diode Array)130Y、130M、130C、130K(以降、総じてLEDA130とする)から照射される。
LEDA130は、発光素子であるLEDが、感光体ドラム109の主走査方向に並べられて構成されている。光書き込み装置111に含まれる制御部は、主走査方向に並べられている夫々のLEDの点灯/消灯状態を、コントローラ20から入力された描画情報に基づいて主走査ライン毎に制御することにより、感光体ドラム109の表面を選択的に露光し、静電潜像を形成する。
次に、本実施形態に係るプリントエンジン26において各部を制御するエンジン側コントローラ120の制御ブロックについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る光書き込み装置111及び画像形成部106を制御するエンジン側コントローラ120の機能構成と、各部との接続関係を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係るエンジン側コントローラ120は、作像制御部121、カウント部122、センサ制御部123、調整値算出部124、基準値記憶部125及び調整値記憶部126を含む。エンジン側コントローラ120が、作像機構制御装置として機能する。尚、本実施形態に係るエンジン側コントローラ120は、図1において説明したようなCPU10、RAM11、ROM12及びHDD14等の情報処理機構を含み、プログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成される。
作像制御部121は、コントローラ20のエンジン制御部31から入力される画像情報に基づいてLEDA130、帯電器110及び現像器112等の作像機構を制御する作像機構制御部である。作像制御部121は、所定のライン周期でLEDA130を発光させることにより、感光体ドラム109への光書き込みを実現する。また、帯電器110及び現像器112を、調整値記憶部126に記憶されたパラメータに従って駆動し、帯電バイアス及び現像バイアスを発生させる。
また、作像制御部121は、エンジン制御部31から入力される描画情報に基づいてLEDA130を駆動する他、上述した描画パラメータ補正の処理において補正用のパターンを描画するために、LEDA130を発光制御する。その際、作像制御部121は、描画するパターンの種類に応じて、帯電器110、現像器112及びLEDA130を制御する。詳細は後述する。
図4において説明したように、LEDA130は夫々の色に対応して複数設けられる。また、帯電器110、現像器112も、夫々の色に対応して設けられる。従って、図5に示すように、作像制御部121も、複数のLEDA130、帯電器110及び現像器112に夫々に対応するように複数設けられる。
描画パラメータ補正処理において算出されたパラメータは、図5に示す調整値記憶部126に記憶される。作像制御部121は、この調整値記憶部126に記憶されているパラメータに基づき、LEDA130を駆動するタイミングや露光光量、帯電バイアス、現像バイアスを調整する。
カウント部122は、上記位置ずれ補正処理において、作像制御部121がLEDA130を制御して感光体ドラム109Kの露光を開始すると同時にカウントを開始する。カウント部122は、カウントを開始した後、予め定められた所定の期間をカウントすると、カウントアップ信号をセンサ制御部123に通知する。この予め定められた期間とは、LEDA130がパターンのための露光を開始した後、搬送ベルト105に転写されたパターンがパターン検知センサ117による検知位置に到達する前のタイミングまでの期間である。
センサ制御部123は、カウントアップ信号を受信すると、パターン検知センサ117の検知信号の時系列取得を開始する。センサ制御部123は、所定間隔毎に取得したパターン検知センサ117の検知信号を調整値算出部124に転送する。即ち、センサ制御部123が、作像機構によって形成された画像の搬送経路において画像を検知するセンサの検知信号を取得する検知信号取得部として機能する。
調整値算出部124は、センサ制御部123から取得した時系列の検知信号に基づき、基準値記憶部125に記憶された基準値との比較を行って調整値記憶部126に記憶するためのパラメータを生成する。即ち、調整値算出部124が調整値生成部として機能する。
ここで、本実施形態に係るパターン検知センサ117の構成について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るパターン検知センサ117に含まれるセンサ素子170の構成及びセンサ素子170がパターンを検知する際の状態を模式的に示す側断面図である。図6は、主走査方向に垂直な面であって且つセンサ素子170を含む面における断面図である。
図6に示すように、本実施形態に係るセンサ素子170は、発光素子171、正反射光受光素子172及び拡散反射光受光素子173を含む。発光素子171は、本実施形態における照射光量の確認対象の光源である。本実施形態に係る発光素子171は、光ビームを照射するLED光源によって構成されている。
正反射光受光素子172は、発光素子171から照射されて搬送ベルト105によって反射された光を受光する受光部の1つであり、図6に破線で示すように、発光素子171から照射されて搬送ベルト105において反射された光のうち、正反射光が入射する位置及び角度において設けられている。正反射光受光素子172は、正反射光の光量に応じた信号を出力する。
拡散反射光受光素子173は、発光素子171から照射された搬送ベルト105によって反射された光を受光する受光素子の1つであり、図6において複数の弧で示すように、発光素子171から照射されて搬送ベルト105において反射された光のうち、拡散反射光を検出可能な位置に設けられている。拡散反射光受光素子173は、受光した拡散反射光の光量に応じた信号を出力する。このような構成により、本実施形態に係るパターン検知センサ117は、正反射光の検知信号と、拡散反射光の検知信号とを出力することが可能である。
次に、本実施形態に係る濃度調整動作について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る濃度調整動作において、作像制御部121によって制御されたLEDA130によって搬送ベルト105上に描画されるマーク(以降、濃度調整用マークとする)を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る濃度調整用マーク500は、ブラック階調パターン501、シアン階調パターン502、マゼンタ階調パターン503及びイエロー階調パターン504を含む。濃度調整用マーク500が、画像の濃度を調整するための調整用パターンとして用いられる。
濃度調整用マーク500に含まれる各色の階調パターンは、本実施形態においては濃度の異なる複数の方形状のパッチによって構成されており、この方形状のパッチが、濃度の順に副走査方向に並べられて構成されている。そして、各色の階調パターンは、ブラック及びマゼンタと、シアン及びイエローとで左右に分けて描画されている。図7においては、各方形状のパッチに施されているハッチングの数によって、各パッチの濃度が示されている。
図7に示す濃度調整用パターンの各階調は、調整対象のパラメータに応じて異なる方法で描画される。帯電バイアスを調整するための濃度調整用マーク500の場合、階調の異なる各パッチは、帯電バイアスを調整することによって形成される。そのため、作像制御部121は、図7に示す濃度調整用マーク500を形成するために帯電器110を制御する際、夫々のパッチに対応する感光体ドラム109の位置に応じて帯電器110を駆動する際の帯電バイアスを制御する。これにより、図7に示すような多階調のパッチが形成される。
また、また、現像バイアスを調整するための濃度調整用マーク500の場合、階調の異なる各パッチは、現像バイアスを調整することによって形成される。そのため、作像制御部121は、図7に示す濃度調整用マーク500を形成するために帯電器110を制御する際、夫々のパッチに対応する感光体ドラム109の位置に応じて現像バイアスを制御する。これにより、図7に示すような多階調のパッチが形成される。
また、また、LEDA130の発光エネルギーを調整するための濃度調整用マーク500の場合、階調の異なる各パッチは、LEDA130の発光エネルギーを調整することによって形成される。そのため、作像制御部121は、図7に示す濃度調整用マーク500を形成するためにLEDA130を制御する際、夫々のパッチに対応する静電潜像の形成に際して、異なる発光エネルギーでLEDA130を制御する。これにより、図7に示すような多階調のパッチが形成される。
図8は、濃度調整用マーク500に含まれる各パッチを形成する際の、“現像バイアス”、“帯電バイアス”、“発光エネルギー”を示す図である。作像制御部121は、図8に示すような情報を保持しており、濃度調整用マーク500の形成に際して、調整対象のパラメータに応じた情報を用いて帯電器110、現像器112、LEDA130を制御する。
また、図7に示す濃度調整用マーク500は、ベタ濃度調整処理の場合にはベタ画像であるパッチによって形成され、ハーフトーン濃度調整処理の場合にはハーフトーン処理されたハーフトーン画像のパッチによって形成される。ベタ濃度調整は、現像バイアスの調整に際して形成される。即ち、作像制御部121は、ベタ濃度調整の場合、ベタのパッチによって構成される濃度調整用マーク500を、図8に示すように現像バイアスを制御することによって形成する。
他方、ハーフトーン濃度調整は、帯電バイアス及び発光エネルギーの調整に際して形成される。即ち、作像制御部121は、ハーフトーン濃度調整の場合、所定階調のハーフトーン処理されたパッチによって構成される濃度調整用マーク500を、図8に示すように帯電バイアス、又は発光エネルギーを制御することによって形成する。
図9は、図7に示すような濃度調整用マーク500がパターン検知センサ117によって時系列に読み取られた読み取り結果のうち、正反射光受光素子172による検知信号を示す図である。図9に示すように、夫々のパッチに対応する検知信号が、パッチの濃度に応じて落ち込んだ状態となる。
図10は、図7に示すような濃度調整用マーク500がパターン検知センサ117によって時系列に読み取られた読み取り結果のうち、拡散反射光受光素子173による検知信号を示す図である。図10に示すように、夫々のパッチに対応する検知信号が、パッチの濃度に応じて持ち上がった状態となる。
図9、図10に示すような時系列の検知信号を取得した調整値算出部124は、検知信号の電圧値、タイミングに基づいて夫々のパッチに対応する電圧値を判定し、図11に示すように、夫々のパッチに対応した電圧値の情報を生成する。そして、調整値算出部124は、図11に示すような夫々のパッチに対応した電圧値と基準値記憶部125に記憶されている基準値との比較結果に基づいて、調整対象のパラメータ値を算出する。
図12は、基準値記憶部125に記憶されている基準値の例を示す図である。図12に示すように、基準値記憶部125は、濃度調整用マーク500に対する基準値として、夫々の調整対象のパラメータについて、正反射電圧の基準値及び拡散反射電圧の基準値を記憶している。
調整値算出部124は、図12に示すような基準値の情報における調整対象のパラメータの値を参照し、図11に示すように判定した各パッチの検知電圧との差分値を算出する。そして、夫々のパッチについて算出した差分値に基づき、図8に示すような各パッチに対応する調整対象のパラメータ値に応じて最終的なパラメータ値を算出する。
図13は、調整値記憶部126に記憶されているパラメータのうち、濃度調整パラメータを示す図である。図13に示すように、調整値記憶部126は、“最新更新値”及び“成功値”を記憶している。“最新更新値”は、調整値算出部124によって最後に生成されたパラメータによって更新される値である。
また、本実施形態に係る“最新更新値”は、上述したようなパラメータの生成動作によって生成されたパラメータの他、調整動作が失敗した際に予測によって生成されたパラメータによっても更新される。この“最新更新値”が、作像制御部121が帯電器110、現像器112及びLEDA130を制御する際のパラメータとして用いられる。
他方、“成功値”は、調整値算出部124によるパラメータ生成が成功してパラメータが生成された場合にのみ更新される値である。この“成功値”は、最後に濃度調整動作に成功した際のパラメータとして、濃度調整動作の失敗回数が所定の閾値を超えた場合に応急的に用いられる値である。
図14は、正反射光受光素子172による検知信号の時系列の取得結果であって、搬送ベルト105に傷がついている位置にパッチが形成された結果、パッチの読み取りに失敗した場合の例を示す図である。図14の例においては、搬送ベルト105上においてパッチ5が形成された位置に傷がついており、その結果、パッチ5に対応する検知信号の範囲に大きな落ち込みが発生している。
本実施形態に係る調整値算出部124は、このような検知信号の落ち込みに基づいて正反射光の検知信号の取得失敗を判断する。本実施形態に係る調整値算出部124は、図14において破線で示すように、検知信号の電圧値が所定の閾値Vsref−thを下回った場合に、そのパッチに対応する検知信号の取得失敗を判断する。
図15は、拡散反射光受光素子173による検知信号の時系列の取得結果であって、搬送ベルト105に傷がついている位置にパッチが形成された結果、パッチの読み取りに失敗した場合の例を示す図である。図15の例においては、搬送ベルト105上においてパッチ5が形成された位置に傷がついており、その結果、パッチ5に対応する検知信号の範囲に大きな持ち上がりが発生している。
本実施形態に係る調整値算出部124は、このような検知信号の持ち上がりに基づいて各桟反射光の検知信号の取得失敗を検知する。本実施形態に係る調整値算出部124は、図15において破線で示すように、検知信号の電圧値が所定の閾値Vdref−thを上回った場合に、そのパッチに対応する検知信号の取得失敗を判断する。
このように、本実施形態に係る調整値算出部124は、パターン検知センサ117による濃度調整用パターンの検知信号が所定の条件を満たすか否かを判断することにより、パッチごとに検知信号の取得失敗を判断する。そして、検知信号の取得失敗を検知すると、その際の環境パラメータに基づいて調整値記憶部126に記憶させるためのパラメータの予測値を算出する。このような処理が本実施形態に係る濃度調整動作における特徴的な機能の1つである。
図16を参照して、本実施形態に係る濃度調整動作について説明する。図16に示す動作は、ベタ濃度調整を実行することにより現像バイアスのパラメータが更新されていることを前提として実行される。ベタ濃度調整の場合、上述したように濃度調整用マーク500は、ベタのパッチによって構成される。そのため、搬送ベルト105に傷がついていたりカール癖がついていたりしても、ベタのパッチによって塗りつぶされ、図14、図15に示すような検知信号の不具合は生じない。従って、現像バイアスは失敗することなく調整が実行されてパラメータが生成される。
図16に示すように、まずは作像制御部121が帯電器110、現像器112及びLEDA130を制御して図7に示す濃度調整用マーク500を形成する(S1601)。この際、作像制御部121は、帯電バイアスを調整する場合には帯電器110の帯電バイアスを制御して階調の異なるパッチを形成する。他方、発光エネルギーを調整する場合にはLEDA130の発光エネルギーを制御して階調の異なるパッチを形成する。
S1601の処理により濃度調整用マーク500が形成されると、センサ制御部123がパターン検知センサ117の検知信号を時系列に取得し(S1602)、調整値算出部124に入力する。調整値算出部124は、図11に示すように各パッチについての正反射電圧及び拡散反射電圧を取得する(S1603)。
各パッチについての正反射電圧及び拡散反射電圧を取得した調整値算出部124は、夫々の電圧値を図14に示すVsref−th、Vdref−thと比較し、夫々のパッチに対応する検知信号の取得の成否を判断する。そして、CMYK各色のパッチについて検知信号の取得に成功したパッチ数がが、予め定められた数(以降、「有効点数」とする)を満たしているか否か判断する(S1604)。S1604の処理が、濃度調整用マーク500の検知結果が正確であるか否か判断する処理である。
S1604の判断の結果、有効点数が満たされている場合(S1604/YES)、調整値算出部124は、CMYK各色について濃度調整用マーク500の検知信号の取得に成功し、検知結果に基づいてパラメータを生成することが可能であると判断する。その場合、調整値算出部124は、パッチの検知に成功した場合の処理である成功時処理を実行する(S1605)。S1605において実行される処理は、パッチの検知に失敗した場合にインクリメントされるエラーカウント値のクリアや、パッチの検知に連続して失敗した場合に画像形成装置1内において通知される警告の解除等である。
成功時処理後、調整値算出部124は、上述したような処理によりCMYK各色について調整対象のパラメータ値を生成し、調整値記憶部126において図13に示す“最新更新値”として保存する(S1606)。そして、調整値算出部124は、図13に示す“成功値”を更新し(S1607)、処理を終了する。
他方、S1604において有効点数が満たされていない場合(S1604/NO)、調整値算出部124は、濃度調整用マーク500の検知結果が不正確であると判断する。その場合、調整値算出部124は、上述したエラーカウント値をカウントアップし(S1608)、その結果エラーカウント値が所定の閾値xを超えたか否か判断する(S1609)。この閾値xは、濃度調整にエラーが発生し、パラメータを更新することが出来ない場合に、更新前のパラメータを使い続けることの可否を判断するための閾値である。
S1609の判断の結果、エラーカウント値が閾値x未満である場合(S1609/YES)、調整値算出部124は、更新前のパラメータはそれほど古いものではないと判断する。この場合、調整値算出部124は、図13に示す“成功値”を用いて“最新更新値”を更新し(S1610)、処理を終了する。
S1609の判断の結果、エラーカウント値が閾値x以上である場合(S1609/YES)、調整値算出部124は、更新前のパラメータはもう古く、継続して使用することが出来ないと判断する。その場合、調整値算出部124は、予測値によるパラメータの更新処理を行う。この予測値によるパラメータの更新処理が本実施形態にかかる要旨の1つである。
エラーカウント値が閾値x以上であった場合、次に調整値算出部124は、エラーカウント値がxよりも大きい閾値yを超えたか否か判断する(S1611)。この閾値yは、濃度調整において連続してエラーが発生しており、予測値によるパラメータ更新も無意味なため、装置の動作を停止させるべきか否かを判断するための閾値である。
エラーカウント値が閾値y以内であった場合、調整値算出部124は、予測値によるパラメータの更新処理を行う。そのため、調整値算出部124は、その時点における環境値を取得する(S1612)。S1612において取得される環境値とは、画像形成装置1が動作している環境における絶対温度、絶対湿度、感光体ドラム109の走行距離等である。
上述した絶対温度は、帯電バイアスや発光エネルギーを計算する際に用いる値である。従って、帯電器110やLEDA130の周囲の温度であることが好ましい。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1においては、帯電器110やLEDA130の周囲に温度検知センサが設けられており、調整値算出部124は、そのような温度検知センサによって検知された絶対温度を取得する。
他方、上述した感光体ドラム109の走行距離は、感光体ドラム109が使用開始された後、画像形成出力のために回転駆動された回転数に応じた値であり、画像形成出力に用いられた副走査方向の距離に対応する。感光体ドラム109の走行距離は、作像制御部121によって各デバイスが制御されて像形成出力が実行される際に、CMYKの各色についてエンジン側コントローラ120において適宜更新されて保存される。調整値算出部124は、このように更新されて保存された感光体ドラム109の走行距離を取得する。尚、感光体ドラム109の走行距離に限らず、作像機構を構成する部品の使用期間に関する他の情報を判断対象としても良い。
環境値を取得した調整値算出部124は、取得した環境値を用いて調整対象のパラメータの予測値を算出する(S1613)。以下、帯電バイアスの場合、発光エネルギーの場合夫々について予測値の算出方法について説明する。
帯電バイアスの場合、調整値算出部124は、まず、取得した感光体ドラム109の走行距離に基づいてオフセット値を取得する。オフセット値とは、帯電バイアスに対する現像バイアスの差分である。このオフセット値の最適な値は、感光体ドラム109の走行距離によって異なる。図17は、感光体ドラム109の走行距離に応じたオフセット値の最適値を示す図である。
図17は、感光体ドラム109の走行距離に応じたオフセット値の最適値を視覚化した図である。調整値算出部124は、感光体ドラム109の走行距離に応じたオフセット値の最適値が特定されたテーブルを参照し、S1612において取得した走行距離に応じたオフセット値を求める。
このようにしてオフセット値を取得した調整値算出部124は、以下の式(1)を用いて、帯電バイアスの予測値を算出する。
式(1)において、a、a、aは夫々所定の定数である。そして、帯電バイアスの予測値は、基本的には現像バイアスに帯電バイアスを付加した値に基づいて求められる。式(1)における現像バイアスは、ベタ濃度調整において更新された値であり、正確な値を用いることが出来る。そして、係数aによって値が調整される。また、最適な帯電バイアスは絶対温度によっても変化するため、絶対温度に所定の係数aを乗じた値が加算されると共に、計算による誤差を修正するための定数aが加算される。
他方、発光エネルギーの場合、調整値算出部124は、S1612において取得した感光体ドラム109の走行距離及び絶対温度に基づき、図18に示すようなテーブルを参照してLEDA130の発光エネルギーを求める。図18のテーブルに示すように、LEDA130の発光エネルギーは、CMYK各色について感光体ドラム109の走行距離に応じて定められている。また、最適な発光エネルギーは絶対温度によっても変化するため、図18に示すように感光体ドラム109とLEDA130の発光エネルギーとが関連付けられたテーブルは絶対温度に応じて複数生成される。図18に示すようなテーブルは調整値算出部124によって参照可能なようにエンジン側コントローラ120を構成する記憶媒体に記憶される。
S1613の処理により予測値を算出すると、調整値算出部124は続いて予測値の有効範囲を算出する(S1614)。この有効範囲とは、図13において説明した“成功値”、即ち、濃度調整処理に最後に成功した際のパラメータ値を中心とした所定の値域であり、下限値は[最新更新値]−P、上限値は[最新更新値]+Pによって定められる。
濃度調整処理に最後に成功した際に生成された値と、今回生成された値との間の差分が大きい場合、その算出結果は誤っている可能性がある。調整値算出部124は、そのような判断のため、算出した予測値と上述した有効範囲とを比較する。換言すると、調整値算出部124は、算出した予測値と“成功値”との差異が所定の閾値以内であるか否かを判断する。
ここで、P、Pの値は、固定値ではなく、環境値に応じた変更する変数とすることが好ましい。例えば、“成功値”が生成された際の絶対温度や絶対湿度と、S1612において取得された環境値が示す絶対温度や絶対湿度とが大きく異なる場合、算出される予測値も大きく異なることが考えられる。従って、P、Pの値は、“成功値”が生成された際の絶対温度や絶対湿度と、S1612において取得された環境値が示す絶対温度や絶対湿度との差分値に基づいて求められる。
また、“成功値”が生成された際の感光体ドラム109の走行距離と、S1612において取得された環境値が示す走行距離とが大きく異なる場合、算出される予測値も大きく異なることが考えられる。従って、P、Pの値は、“成功値”が生成された際の走行距離と、S1612において取得された環境値が示す走行距離との差分値に基づいて求められる。
有効範囲を算出した調整値算出部124は、S1613において算出した予測値が、[最新更新値]−Pから[最新更新値]+Pの範囲に収まっているか否かを判断する(S1615)。S1615の判断の結果、算出した予測値が有効範囲内である場合(S1615/YES)、調整値算出部124は、算出した予測値を図13に示す“最新更新値”として保存する(S1616)。この場合、図13に示す“成功値”はそのまま維持される。これにより、画像形成装置1の動作環境に基づいて生成された予測値が、作像機構を制御する際の調整値であるパラメータとして用いられることとなる。
他方、S1615の判断の結果、算出した予測値が有効範囲外である場合(S1615/NO)調整値算出部124は、生成した予測値を破棄してパラメータを更新することなく維持する。
エラーカウント値が閾値xを超えた要因として、搬送ベルト105の傷やカール癖等の不具合以外の要因も考えられる。例えば、LEDA130の汚れや、パターン検知センサ117の汚れが要因である可能性がある。従って、調整値算出部124は、予測値の算出に関する処理を終了すると、画像形成装置各部の清掃警告表示を行わせるための通知を行い(S1617)、処理を終了する。
S1611の判断の結果、エラーカウント値が閾値y以上である場合(S1611/NO)、調整値算出部124は、画像形成装置1の状態が印刷を継続不可能な状態であると判断する。その場合、調整値算出部124は、エンジン制御部31に対して画像形成装置1による印刷出力を禁止するための通知を行い(S1618)、処理を終了する。このような処理により、本実施形態に係る濃度調整動作が完了する。
尚、図16のS1604において、調整値算出部124は、CMYK各色について検知信号の取得に成功したパッチ数が有効点数を満たしているか否かを判断する。そのため、有効点数を満たしているか否かの判断結果は、CMYK各色について得られる。図16の例においては、CMYK各色のいずれか1つでも有効点数を満たしていない場合には、有効点数が満たされていないと判断する場合を例としている。
この他、CMYK各色についてのS1604の判断結果に応じて、CMYK各色について異なる処理を行っても良い。即ち、有効点数を満たしている色については、S1605の処理に進み、満たしていない色についてはS1608に進むようにしても良い。
同様に、CMYKの各色についてS1609,S1611、S1615の判断結果が異なる場合があり得る。従って、夫々の判断において調整値算出部124がCMYK各色について個別に判断を行い、夫々の判断結果に応じて色別に異なる処理に進んでも良い。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1においては、搬送ベルト105に形成された濃度調整用マーク500を読み取って行う濃度調整処理において、正確な読取結果が得られずに調整処理に失敗した場合には予測値を算出する。そして、算出した予測値を用いて調整値を更新する。このため、カラーパッチが形成される搬送体の不具合によって濃度調整処理に失敗した場合にも調整値の更新が可能となる。
1 画像形成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 エンジン
14 HDD
15 I/F
16 LCD
17 操作部
18 バス
20 コントローラ
21 ADF
22 スキャナユニット
23 排紙トレイ
24 ディスプレイパネル
25 給紙テーブル
26 プリントエンジン
27 排紙トレイ
28 ネットワークI/F
30 主制御部
31 エンジン制御部
32 入出力制御部
33 画像処理部
34 操作表示制御部
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 レジストローラ
104 用紙
105 搬送ベルト
106K、106C、106M、106Y 画像形成部
107 駆動ローラ
108 従動ローラ
109K、109C、109M、109Y 感光体ドラム
110K 帯電器
111光書き込み装置
112K、112C、112M、112Y 現像器
113K、113C、113M、113Y 除電器
115K、115C、115M、115Y 転写器
116 定着器
117 パターン検知センサ
120 エンジン側コントローラ
121 作像制御部
122 カウント部
123 センサ制御部
124 調整値算出部
125 基準値記憶部
126 調整値記憶部
130、130K、130C、130M、130Y LEDA
170 センサ素子
171 発光素子
172 正反射光受光素子
173 拡散反射光受光素子
特開2014−219628号公報

Claims (11)

  1. 電子写真方式の画像形成装置において画像を形成する作像機構を制御する作像機構制御装置であって、
    前記作像機構を制御することにより画像を形成する作像機構制御部と、
    形成された前記画像が搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサの検知信号を取得する検知信号取得部と、
    前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整値を生成する調整値生成部とを含み、
    前記調整値生成部は、前記調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記調整用パターンの検知結果が正確であるか否か判断し、前記調整用パターンの検知結果が不正確であると判断した場合、前記画像形成装置の動作環境に基づいて生成した予測値を前記調整値として用いることを特徴とする作像機構制御装置。
  2. 前記調整用パターンは、濃度の異なる複数のパッチによって構成されるパターンであり、
    前記調整値生成部は、前記調整用パターンが前記センサによって検知された前記検知信号が所定の条件を満たすか否かを前記複数のパッチごとに判断し、条件を満たすパッチの数に基づいて前記調整用パターンの検知結果が正確であるか否か判断することを特徴とする請求項1に記載の作像機構制御装置。
  3. 前記調整値生成部は、前記調整用パターンの検知結果が不正確であると判断した回数をカウントし、そのカウント値が所定の閾値を超えた場合に、前記画像形成装置の動作環境に基づいて生成した予測値を前記調整値として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の作像機構制御装置。
  4. 前記調整値生成部は、生成した前記予測値を前記調整値として用いる場合に、最後に前記検知信号に基づいて生成された調整値を記憶媒体に記憶させて保存し、前記カウント値が所定の閾値よりも小さい場合には、前記記憶媒体に記憶されている調整値を用いることを特徴とする請求項3に記載の作像機構制御装置。
  5. 前記画像形成装置の動作環境は、前記画像形成装置の動作環境における温度、湿度及び前記作像機構を構成する部品の使用期間の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の作像機構制御装置。
  6. 前記調整値生成部は、ベタ画像で構成された前記調整用パターンの検知信号に基づいて前記調整値を生成するベタ濃度調整処理の後に、ハーフトーン画像で構成された前記調整用パターンの検知信号に基づいて前記調整値を生成するハーフトーン濃度調整処理を実行し、前記ハーフトーン濃度調整処理において記調整用パターンの検知結果が不正確であると判断した場合、前記画像形成装置の動作環境に基づいて生成した予測値を前記調整値として用いることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の作像機構制御装置。
  7. 前記調整値生成部は、
    前記ベタ濃度調整処理において、前記作像機構のうち感光体ドラムに静電潜像を現像するための現像器に印加する現像バイアスを制御するための調整値を生成し、
    前記ハーフトーン濃度調整処理において、前記作像機構のうち感光体ドラムを帯電させるための帯電器に印加する帯電バイアスを制御するための調整値を生成し、
    前記ハーフトーン濃度調整処理において前記予測値を生成する際、前記帯電バイアスと前記現像バイアスとのオフセット値を前記動作環境に基づいて生成し、前記ベタ濃度調整処理において生成した前記現像バイアスを制御するための調整値及び生成した前記オフセット値に基づいて前記帯電バイアスを制御するための調整値を生成することを特徴とする請求項6に記載の作像機構制御装置。
  8. 前記調整値生成部は、生成した前記予測値を前記調整値として用いる場合に、最後に前記検知信号に基づいて生成された調整値と生成した前記予測値との差異が所定の閾値を超える場合、前記予測値を破棄することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の作像機構制御装置。
  9. 前記調整値生成部は、前記画像形成装置の動作環境に基づいて前記閾値を変更することを特徴とする請求項8に記載の作像機構制御装置。
  10. 請求項1乃至9いずれか1項に記載の作像機構制御装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
  11. 電子写真方式の画像形成装置において画像を形成する作像機構を制御する作像機構の制御方法であって、
    前記作像機構を制御することにより画像を形成し、
    形成された前記画像が搬送される搬送経路において前記画像を検知するセンサの検知信号を取得し、
    前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記作像機構によって形成される画像の濃度を調整するための調整値を生成し、
    前記調整用パターンが前記センサによって検知された検知信号に基づき、前記調整用パターンの検知結果が正確であるか否か判断し、前記調整用パターンの検知結果が不正確であると判断した場合、前記画像形成装置の動作環境に基づいて生成した予測値を前記調整値として用いることを特徴とする作像機構の制御方法。
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