JP2017008721A - ブローバイガス制御装置 - Google Patents

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吉岡 衛
Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
崇 別所
Takashi Bessho
崇 別所
博 浅沼
Hiroshi Asanuma
博 浅沼
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【課題】空燃比への影響を抑制しつつ、冷間始動時におけるブローバイガスの還元率を高められるようにすること。【解決手段】内燃機関11に関する温度を検出する温度検出器5と、流通するブローバイガスの流量を制御するPCVバルブ2と、を備えるブローバイガス制御装置1であって、空燃比センサ6と、PCVバルブ2を制御可能な制御手段3を備え、制御手段3は、PCVバルブ2の開弁時の空燃比と、閉弁時の空燃比との違いによりもたらされる結果を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された前記結果に応じてPCVバルブ2の開度を補正することが可能である構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ブローバイガス制御装置に関する。詳しくは、自動車等の乗物に搭載されるブローバイガス制御装置に関する。
内燃機関を用いた乗物において、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に戻す経路にバルブを取り付けることは広く知られている。このバルブはクランクケースから吸気経路に戻すブローバイガスの量を調整するために使用されており、一般的にPCVバルブといわれている。このPCVバルブは、電気的な操作がされず、PCVバルブ前後の差圧により作動状態が変わる、いわゆるメカ式のものが多用されている。ところで、クランクケースが低温の場合に未燃焼ガスなどがクランクケースに導入されると、潤滑油が希釈されるなどの不具合が生じうることが知られている(特許文献1参照)。このため、特許文献1に記載の技術では、クランクケース内の潤滑油の温度と相関関係にある温度が所定の温度よりも低い場合(冷間始動時)には、PCVバルブを開け、所定の温度以上の場合には、PCVバルブを閉めるように動かしている。メカ式のPCVバルブを用いて、このように動かすことは困難であるため、特許文献1においてはソレノイドバルブ(電磁弁)を用いてこのような動きを可能としている。
特開2008−75542号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、単に現時点での潤滑用のオイルの温度が設定値以上か否かを判断して、ソレノイドバルブの開閉何れか一方を選択するものである。つまり、クランクケース内の状況にあわせてバルブの開度を調整可能なものではない。このため、ブローバイガスの還元率が急激に増減し、空燃比制御に悪影響を与える虞などがあった。
本発明は、上記した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、空燃比への影響を抑制しつつ、冷間始動時におけるブローバイガスの還元率を高められるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は次の手段をとる。先ず、第1の手段は、内燃機関に関する温度を検出する温度検出器と、流通するブローバイガスの流量を制御するPCVバルブと、を備えるブローバイガス制御装置であって、空燃比センサと、PCVバルブを制御可能な制御手段を備え、制御手段は、PCVバルブの開弁時の空燃比と、閉弁時の空燃比との違いによりもたらされる結果を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された前記結果に応じてPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置である。
この第1の手段によれば、冷間始動時にブローバイガスの還元率を高めることが可能となるとともに、前回の機関運転時の情報をもとに、PCVバルブの開閉を定めることができるため、前回の機関運転時からクランクケース内などに残存している未燃焼ガスなどが空燃比に与える影響を抑制することが可能である。
第2の手段は、第1の手段における制御手段は、機関運転中におけるPCVバルブの開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量とを算出し、互いの補正量の差を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された空燃比補正量の差に応じてPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置である。
第2の手段によれば、冷間始動時にブローバイガスの還元率を高めることが可能となるとともに、前回の機関運転時の情報をもとに、単純な計算でPCVバルブの開閉を定めることができるため、前回の機関運転時からクランクケース内などに残存している未燃焼ガスなどが空燃比に与える影響を抑制することが比較的容易に可能となる。
第3の手段は、第2の手段における空燃比補正量の差が大きいほど開度が小さくなるように制御することが可能なブローバイガス制御装置である。
この第3の手段によれば、ブローバイガスが還元されたことにより空燃比への影響が大きくなる状態において、ブローバイガスの還元量を抑制することが可能となるため、空燃比制御を良好に行うことが可能となり得る。
第4の手段は、第1乃至第3の手段における制御手段は、暖気完了後における、開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量の差を記憶するブローバイガス制御装置である。
この第4の手段によれば、暖機完了後の値を記憶することで、空燃比への影響を精度よく計測することが可能となりうる。
第5の手段は、第1乃至第4の手段における内燃機関が十分に温められていないと判断される機関運転が、所定の条件で複数回なされていると判断された場合には、当該機関運転時における、開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量の違いによりもたらされる結果をもとにPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置である。
この第5の手段によれば、暖機完了後の値を記憶できない場合であっても、暫定的な空燃比への影響を測定することで、空燃比制御の悪化を抑制することが可能となりうる。
第6の手段は、第1乃至第5の手段における内燃機関はアルコールとガソリンを混合して供給されることが可能であり、内燃機関に供給されるアルコール濃度を検出する濃度センサを備え、アルコール濃度に基づいて、PCVバルブの開度を補正することが可能なブローバイガス供給装置である。
この第6の手段によれば、アルコール混合燃料を使用する内燃機関では、温度により気化するアルコール量が異なるため、冷間時と温間時とで、PCV流量を変更することで、空燃比を適正範囲に制御することが可能となりうる。
第7の手段は、第1乃至第6の手段における内燃機関はアルコールとガソリンを混合して供給されることが可能であり、内燃機関に供給されるアルコール濃度を検出する濃度センサを備え、アルコール濃度に基づいて、PCVバルブの開度を補正することが可能なブローバイガス供給装置である。
この第7の手段によれば、冷間時にはアルコール燃料が気化しにくいため、ブローバイガスの流量を増加することができ、温間時にはブローバイガスの流量を低減させることで、精度よく空燃比制御を行うことが可能となりうる。
第8の手段は、第7の手段におけるPCVバルブの開度の補正は、温度検出器により検出される温度が所定の温度よりも低い場合には、アルコール濃度が高い程、PCVバルブの開度を大きくするように制御し、温度検出器により検出される温度が所定の温度よりも高い場合には、アルコール濃度が高い程、PCVバルブの開度を小さくするように制御可能なブローバイガス供給装置である。
この第8の手段によれば、気化しにくい状態と気化し易い状態とを容易に切り分けることができ、精度よく空燃比を制御することが可能となりうる。
第9の手段は、第1乃至第8の何れかの手段における空燃比センサの活性化後であって、実際の空燃比と目標の空燃比との差が所定値以上である場合は、PCVバルブを開くスピードを遅くするように制御することが可能なブローバイガス制御装置である。
この第9の手段によれば、ブローバイガスが多く還流されて、未燃焼燃料が多く内燃機関に供給されてしまうことを抑制し、良好な空燃比制御を行うことが可能となりうる。
第10の手段は、第1乃至第9の何れかの手段におけるPCVバルブの開度を小さくするように動かすときは、PCVバルブの開度を大きくするように動かすときよりも早く動かすように制御することが可能なブローバイガス制御装置である。
この第10の手段によれば、閉じ遅れにより、過剰にブローバイガスの流量が多くなることを抑制することが可能となりうる。
第11の手段は、第1乃至第10の何れかの手段におけるアクセルの開閉速度を検出する手段を備え、アクセルの開閉速度が所定値より大きい場合には、PCVバルブの開度が小さくなるように制御することが可能なブローバイガス制御装置である。
この第11の手段によれば、減速中にブローバイガス流量の割合が大きくなることを防止することができ、減速感の悪化を抑制することが可能となりうる。
第12の手段は、内燃機関に関する温度を検出する温度検出器と、流通するブローバイガスの流量を制御するPCVバルブと、を備えるブローバイガス制御装置であって、PCVバルブは、モータにより開度調整可能に構成されており、温度検出器の検出結果を利用して、設定開度に対して開度を補正可能であり、内燃機関に関する温度が高くなるにつれ、徐々に開度の補正割合が小さくなるように制御することが可能な制御手段を備えるブローバイガス制御装置である。
この第12の手段によれば、ソレノイドバルブを使用する場合とは異なり、徐々に開度を調整することが可能となるため、空燃比への影響を抑制しながらブローバイガスの還元割合を調整することが可能となりうる。
本手段によれば、空燃比への影響を抑制しつつ、冷間始動時におけるブローバイガスの還元率を高められるようにすることが可能となる。
実施例のブローバイガス制御装置の内部構造の概略を断面で示した図である。 ブローバイガス制御装置に使用されるPCVバルブの内部構造を示した図である。 内燃機関の冷却水の温度に基づいて求められた開度補正係数によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 内燃機関の冷却水の温度と開度補正係数(kthwpcv1)との関係を示すマップである。 内燃機関の冷却水の温度に基づいて求められた開度補正値によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 内燃機関の冷却水の温度と開度補正値(kthwpcv2)との関係を示すマップである。 PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いを求めて記憶する処理のフローチャート。 内燃機関の冷却水の温度と、PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いに基づいて求められた開度補正係数(kthwpcv1、kthwpcv3)によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いと開度補正係数(kthwpcv3)との関係を示すマップである。 内燃機関の冷却水の温度と、PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いに基づいて求められた開度補正値(kthwpcv2、kthwpcv4)によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いと開度補正値(kthwpcv4)との関係を示すマップである。 PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いを求めて記憶する処理のフローチャート。ただし、内燃機関が所定の温度に満たないと判断される場合に、別途記憶する処理としている。 内燃機関の冷却水の温度と、PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いに基づいて求められた開度補正係数(kthwpcv1、kthwpcv3、kthwpcv5)によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 内燃機関が十分に温められていない状態におけるPCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いと開度補正係数(kthwpcv5)との関係を示すマップである。 内燃機関の冷却水の温度と、PCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いに基づいて求められた開度補正値(kthwpcv2、kthwpcv4、kthwpcv6)によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 内燃機関が十分に温められていない状態におけるPCVバルブの開閉による空燃比への影響の違いと開度補正値(kthwpcv6)との関係を示すマップである。 ショートトリップの継続検出を判断する処理のフローチャート。 内燃機関の冷却水の温度と、潤滑オイルの温度とエタノール濃度に基づいて求められた開度補正係数(kthwpcv1、kthopcve)によりPCVバルブの開度を補正する処理のフローチャート。 潤滑用オイルの温度とエタノール濃度と開度補正係数(kthopcve)との関係を示すマップである。 図18で示した処理内容に、PCVバルブを開くための処理が空燃比制御の活性化後に行われる処理、開弁速度と閉弁速度を変える処理、開弁することで空燃比への影響が大きいと考えられる場合に開弁速度を低下させる処理、を加えたフローチャート。 図20で示した処理内容に、アクセルの開閉速度が大きいと判断された場合に、急速に閉弁させる処理を加えたフローチャート。
以下に、本発明を実施するための形態について、適宜図面を用いながら説明する。本実施の形態におけるブローバイガス制御装置1は、乗物に搭載されるものである。特に、乗物の中でも車両に搭載されるものである。ブローバイガス制御装置1は、クランクケース111内に導かれた未燃焼ガスなどからなるブローバイガスをブローバイガス還元通路12などを通して吸気通路13のサージタンク131に戻すことが可能な構成としている。このクランクケース111と吸気通路13との間には、開度を調整可能なPCVバルブ2が取り付けられている。PCVバルブ2の開度は制御手段3から発信される信号を受けて調整されるものであり、クランクケース111内のブローバイガスが吸気通路13に戻る量を調整することが可能となっている。PCVバルブ2の開度は、内燃機関11の温度を検出する温度検出器5の検出結果を反映することが可能な構成となっており、内燃機関11の温度上昇にあわせて徐々に開度を調整することが可能な構成となっている。
ブローバイガス制御装置1は、空燃比センサ6を備えている。当該空燃比センサ6は燃焼室112から排出されたガスを排出する排気通路14に設定されており、ガス中の空気の割合を検知するために使用される。制御手段3は、PCVバルブ2の開弁時の空燃比と、閉弁時の空燃比との違いによりもたらされる結果を記憶可能に構成されている。また、前回の機関運転時に記憶された当該結果に応じてPCVバルブ2の開度を補正することが可能なように構成されている。より具体的には、制御手段3は、機関運転中におけるPCVバルブ2の開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量とを算出し、互いの補正量の差を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された空燃比補正量の差に応じてPCVバルブ2の開度を補正することが可能なように構成されている。これにより、前回の機関運転に起因するブローバイガスが空燃比に与え得る影響を加味してPCVバルブ2の開度調整をすることが可能となり得る。
本実施例のブローバイガス制御装置1は、自動車に備えられるものである。燃料を燃焼させることが可能な内燃機関11には、空気などを導入する通路となる吸気通路13と、内燃機関11の燃焼室112内で燃料が燃焼されることにより発生するガスなどを排出する通路となる排気通路14が接続されている。吸気通路13の上流には、外気の異物を除去可能なクリーナエレメント41を備えたエアクリーナ42が接続されている。内燃機関11はクランクシャフト113やオイル114が内部に位置するクランクケース111が備えられており、このクランクケース111はシリンダーヘッド115とシリンダーヘッドカバー116とで概略区画される空間に接続されている。また、当該空間と吸気通路13をつなぐブローバイガス還元通路12が形成されており、ブローバイガス制御装置1には、当該ブローバイガス還元通路12を通過する気体の流量を調整可能なPCVバルブ2を備えている。
PCVバルブ2はいわゆる電動バルブであり、ステッピングモータ21を備えている。ステッピングモータ21は雄ネジ部22と接続されており、電気的な制御を行うことで、雄ネジ部22を回転させることが可能に構成されている。雄ネジ部22の先端には雌ネジ部26を備えた弁体27が接続されており、雄ネジ部22を回転させることで、図2に示すところの上下方向に弁体27を直進移動させることが可能なように構成されている。弁体27の先端は連通部23に隣接して移動することが可能なように構成されており、弁体27と連通部23との隙間を調整することで、連通部23を通過するガスの量を調整することが可能な構成となっている。なお、図2に示す例においては、吸気通路13側からクランクケース111側に気体が移動することを抑制するため逆止弁24を備えているが、この逆止弁24は必須なものではない。
PCVバルブ2は制御手段3である電子制御装置31(ECU)により制御されるように構成されている。電子制御装置31は、演算可能な中央処理装置(CPU)と、中央処理装置の演算結果などを記憶可能なメモリを備えている。電子制御装置31は外部からの入力を受けて各所に出力可能なものであり、電子制御装置31の出力によりPCVバルブ2の開度を調整することが行えるように構成されている。
内燃機関11の各所には、センサが備えられており、さまざまなデータを電子制御装置31に入力することが可能となっている。PCVバルブ2の開度を調整するために使用されるデータは、特定のセンサから電子制御装置31に入力されたものである。例えば、運転手が操作するアクセルペダル43の操作量などを検出可能なアクセルセンサ81からのデータや、エアクリーナ42を通過した空気量を検出するエアフローメータ82からのデータも電子制御装置31に入力可能となっている。
クランクシャフト113の回転角を検出する回転速度センサ83や、吸気通路13内の圧力である吸気圧を検知可能な吸気圧センサ84から電子制御装置31にデータを入力可能となっている。クランクシャフト113の回転角の変化は内燃機関11の回転速度(単位時間当たりの回転数ne)として電子制御装置31で処理可能なものである。また、電子制御装置31は回転速度と吸気圧からエンジン負荷klを求めることが可能なように構成されている。なお、このエンジン負荷klは、クランクシャフト113が1回転あたりに吸引する空気量と擬似的に考えることが可能である。
また、排気通路14内を通過するガスの状態を検知可能な空燃比センサ6や、内燃機関11に関係する温度を検知可能な温度検出器5から入力されたデータも電子制御装置31に入力可能となっている。温度検出器5としては、冷却水の温度を計測可能な水温計51や、潤滑油の温度を計測可能な油温計52などがあり、各々の温度を、別々に電子制御装置31に入力可能となっている。
各種センサから電子制御装置31に入力されたデータは、電子制御装置31で処理されるなどして、各機器を操作するデータとして出力される。例えば、PCVバルブ2の開度は、電子制御装置31から出力されるデータをもとに操作され、この出力データの違いにより、0%、5%、20%、100%などのようにPCVバルブ2の開度が調整される。
次に、PCVバルブ2の制御方法について説明する。本実施例のPCVバルブ2の制御は、低水温ほどブローバイガス還元通路12を通るガスの流量を大きくし、水温が温められていくにつれ、徐々に流量を小さくすることを基本としている。このような制御を行うため、図3に示すように、電子制御装置31は、先ず、エンジン回転数neとエンジン負荷klと水温thwを取り込む(ステップ101)。次にステップ101で取り込まれたエンジン回転数neとエンジン負荷klにより、目標PCV開度(tpcv)を求める(ステップ102)。目標PCV開度を設定することは、従来技術のものであるため、詳細な説明は省略する。
ステップ102の後、温度検出器5である水温計51により検出された水温thwにあわせて、PCV開度補正係数(kthwpcv1)を設定する(ステップ103)。この際、検出された水温を図4に示すようなマップに当てはめることにより、PCV開度補正係数が定められる。内燃機関11で燃料が燃焼するにつれ、内燃機関11の冷却水である水温は徐々に上昇していくが、図4に示すマップにおいては、所定の水温以下では、PCV開度補正係数は1より大きい数で一定に定まっており、所定の温度から上昇するにつれて、徐々に1に近づくようにPCV開度補正係数が定められる。つまり、冷却水の温度が上昇するにつれて徐々にPCVバルブ2の開度が調整されるように制御される。
ステップ102で得た目標PCV開度に対して、ステップ103で得たPCV開度補正係数を掛け合わせることで、最終制御PCV開度(Tpcv)を設定し、この最終制御PCV開度にあうようにPCVバルブ2が制御される(ステップ104)。この最終制御PCV開度は、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいかを判断される(ステップ105)。最終制御PCV開度が、開度Aよりも小さい場合は、再度ステップ101に戻り、上記のステップを繰り返す。最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度A以上となった場合は、開度Aが最終制御PCV開度として設定される(ステップ106)。ステップ106を実施した後は、再度ステップ101に戻り、上記のステップを繰り返す。
このようにPCVバルブ2の開度を制御することにより、内燃機関11が冷却されている状態と内燃機関11が十分に温められている状態とを比較した際に、内燃機関11が冷却されている状態のほうがブローバイガス還元通路12を通るガス量を多くすることが可能となる。また、十分に内燃機関11が温められた状態においては、エンジン回転数neとエンジン負荷klとにより導き出される通常のブローバイガス還元通路12を通るガス量に戻すことが可能となる。この際、徐々に通常の調整量となるようにガス量をコントロールすることが可能となる。
内燃機関11で燃料が燃焼するにつれ、内燃機関11の冷却水である水温は徐々に上昇していくが、図4からも理解できるように、所定の水温以下では、PCV開度補正係数は1より大きい数で一定に定まっており、所定の温度から上昇するにつれて、徐々に1に近づくようにPCV開度補正係数が定められる。つまり、冷却水の温度が上昇するにつれて徐々にPCVバルブ2の開度が調整されるように制御される。
PCVバルブ2がこのような動きをするように制御するには、図3及び図4に示すように手順に限られる必要は無い。例えば図5及び図6に示すような手順でも可能であるため、図5及び図6に示す手順を以下に説明する。
電子制御装置31は、図5に示すように、単位時間当たりのエンジン回転数neとエンジン負荷klと水温thwを取り込む(ステップ111)。ステップ111で取り込まれたエンジン回転数neとエンジン負荷klにより、目標PCV開度を求める(ステップ112)。目標PCV開度を設定することは、従来技術のものであるため、詳細な説明は省略する。
温度検出器5である水温計51により検出された水温thwにあわせて、PCV開度補正値(kthwpcv2)を設定する(ステップ113)。この際、図6に示すようなマップに水温を当てはめることにより、PCV開度補正値が定められる。目標PCV開度に対してPCV開度補正値を足し合わせて設定した最終制御PCV開度(Tpcv)にあうようにPCVバルブ2が制御される(ステップ114)。この際、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断する(ステップ115)。最終制御PCV開度が、開度Aよりも小さい場合は、再度ステップ111に戻り、上記のステップを繰り返す。最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度A以上となった場合は、開度Aが最終制御PCV開度として設定される(ステップ116)。
内燃機関11で燃料が燃焼するにつれ、内燃機関11の冷却水である水温は徐々に上昇していくが、図6からも理解できるように、所定の水温以下では、PCV開度補正値は0より大きい数で一定に定まっており、所定の温度から上昇するにつれて、徐々に0に近づくようにPCV開度補正値が定められる。つまり、冷却水の温度が上昇するにつれて徐々にPCVバルブ2の開度が調整されるように制御される。
ところで、クランクケース111に燃焼室112から漏れ入った未燃焼ガスなどが留まったまま、機関運転が停止する場合が存在しうる。この場合、再び機関運転をしようとした際には、すでにクランクケース111内に未燃焼ガスなどが存在することになる。上記したように、内燃機関11の温度が低温である場合に、PCVバルブ2の開度を積極的に大きくした場合、この未燃焼ガスなどが燃焼室112に導入される量が多くなる。このため、予定されている空燃比で燃焼することが妨げられることが生じうる。本実施例においては、このような事態を回避しうるように、クランクケース111内の気体が燃焼に与える影響を把握し、その影響度合いにより、PCVバルブ2の開度を制御するようにしている。
このような制御を可能とするため、先ず、クランクケース111内の気体が燃焼に与える影響を把握する必要がある。そのため、機関運転時にPCVバルブ2が閉じている状態の空燃比と、開いている際の空燃比との影響度合いを記憶する。記憶された内容を次回の機関運転において、PCVバルブ2の開度を定める要素として利用する。より具体的には、前回記憶していた内容が、PCVバルブ2が開いていることにより、空燃比への影響が大きいと判断可能な内容であれば、新たに機関運転をする際には、PCVバルブ2の開度が大きくならないように制御するものである。以下において、その具体例を図7乃至9を用いて説明する。
まず、PCVバルブ2の開閉により、空燃比の影響がどのようになるかを記憶するプロセスを説明する。
図7に示すように、電子制御装置31は、先ず、エンジン回転数neとエンジン負荷klと水温thwのデータを取り込む(ステップ201)。次に、取り込まれたエンジン回転数(ne)とエンジン負荷(kl)に応じた最終PCV開度を求める(ステップ202)。その後、PCV強制全閉フラグ(PCVOFF)が未実施となっているかを判断する(ステップ203)。図7においては、PCVOFFが0である場合、未実施であり、1である場合、強制全閉が実行されていることを表している。
PCV強制全閉フラグが未実施で無い場合は、最終PCV開度を0と設定する(ステップ231)。ステップ203でPCV強制全閉フラグが未実施であると判断されるか、ステップ231が実行されるか、の何れかがなされた後、PCVバルブ2の開度が最終PCV開度(Tpcv)となるように制御する(ステップ204)。
ステップ204の後、内燃機関11を冷却する冷却水の水温が85℃より大きいか否かを判断する(ステップ205)。ステップ205において、冷却水の水温が85℃以下であると判断された場合、オイル114暖気完了フラグ(XOIL)を、暖気未完了とし、PCV開閉ΔA/F検出フラグをPCV開閉ΔA/F検出中とする(ステップ241)。図6においては、XOILが0である場合、暖気未完了であり、1である場合暖気完了である。また、XAFが0である場合、PCV開閉ΔA/Fを検出中であり、PCV開閉ΔA/Fの検出が完了している場合XAFを1とする。
ステップ205において、内燃機関11を冷却する冷却水の水温が85℃より大きいと判断された場合、オイル114暖気完了フラグが暖気未完了とされているかを判断する(ステップ206)。ステップ206で暖気未完了と判断された場合、水温が85℃に到達してから後の積算空気量(Tga85)を求める(ステップ207)。次に、ステップ207で求めた積算空気量が所定値であるBより大きいかを判断する(ステップ208)。この積算空気量がB以下である場合、再び積算空気量を求める。積算空気量がBより大きくなった場合、オイル114暖気完了フラグを暖気完了とし、冷却水の水温が85℃に到達してからの積算空気量を0とする(ステップ209)。積算空気量が所定量より大きくなり、十分に内燃機関11が熱せられたと判断するからである。
ステップ206においてオイル114暖気完了フラグが暖気未完了ではないと判断された場合、アイドル運転状態であるかを判断する(ステップ211)。ステップ211でアイドル運転状態であると判断された場合、PCV開閉ΔA/F検出フラグがPCV開閉ΔA/Fが検出中であるかを判断する(ステップ212)。図7においてはXAFが0であるかどうかをステップ212の判断材料としている。
ステップ212でアイドル運転状態では無いと判断するか、ステップ213でPCV開閉ΔA/F検出フラグがPCV開閉ΔA/Fが検出中を示していない(XAFが0では無い)と判断された場合、PCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量(TgaAF)を求める(ステップ221)。ステップ221でPCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量を求めた後、当該積算空気量が所定の設置値であるCより大きいか否かを判断する(ステップ222)。ステップ222でPCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量(TgaAF)が設定値Cより大きいと判断された場合、PCV開閉ΔA/Fを検出中の状態とする(ステップ223)。図7においては、ステップ223でXAF=0とすることで、PCV開閉ΔA/Fを検出中の状態としている。なお、ステップ222で積算空気量(TgaAF)がC以下であると判断された場合は、XAF=0とすることなく、先に進める。
ステップ212でPCV開閉ΔA/Fが検出中であるとされた場合、PCVバルブ2が開いている時のA/F補正値(kaf1)を求め記憶する(ステップ213)。このA/F補正値は、所定の適切な空燃比とのズレに対する補正値である。図7においては、PCVバルブ2が開いている時のA/F補正値を記憶させる対象であるkafpcvonに対してkaf1を入力するという手順を踏むことでA/F補正値が電子制御装置31に記憶される。
ステップ213でA/F補正値(kaf1)を記憶したら、PCVバルブ2の強制全閉フラグ(XPCVOFF)を強制全閉実行とする(ステップ214)。図7においては、XPCVOFFが0である場合、PCVバルブ2の強制的な全閉が未実施であり、1である場合、強制的な全閉が実行されている。
ステップ214でPCVバルブ2を強制的に全閉の状態とした後、PCVバルブ2が閉じている時のA/F補正値(kaf2)を求め記憶する(ステップ215)。ステップ215でA/F補正値(kaf2)記憶したら、PCVバルブ2を強制的に全閉した状態を解除するため、フラグ(XPCVOFF)を0とする(ステップ216)。これにより、強制的にPCVバルブ2を閉じた状態から、通常の開度制御が行える状態に移行させる。図7においては、PCVバルブ2が閉じている時のA/F補正値を記憶させる対象であるkafpcvoffに対してkaf1を入力するという手順を踏むことでA/F補正値が電子制御装置31に記憶される。
ステップ216でPCVバルブ2を通常の開度制御となるようにした後、PCVバルブ2を閉じている時と開いているときのA/F補正値の差を求め、電子制御装置31に記憶する(ステップ217)。図7においては、このA/F補正値の差をΔkaf1として表しており、Δkaf1は、kafpcvoffとkafpcvonの差を計算することにより求められる。このΔkaf1は、次回の機関運転におけるPCVバルブ2の操作時に利用される。
ステップ217でΔkaf1を電子制御装置31に記憶した後、PCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量を0とする(ステップ218)。ステップ218でPCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量をリセットした後、PCV開閉ΔA/F検出フラグを検出完了状態とする(ステップ219)。図7においては、XAFを1とすることで、PCV開閉ΔA/F検出フラグを検出完了状態としている。
ステップ209、ステップ219、ステップ223、ステップ241を実行するか、ステップ222でPCV開閉ΔA/F検出フラグが検出完了状態に切り替わってからの積算空気量(TgaAF)がC以下であると判断された場合、再度、ステップ201に進み、図7に示した流れを繰り返すことになる。
図7の流れの中で電子制御装置31に記憶されたΔkaf1は、図3や図5で示した基本的なPCVバルブ2の制御を変更するために利用される。より具体的には、一つ前の機関運転時に記憶されたΔkaf1を利用して、PCVバルブ2の制御を行うことができるように生業される。先ずPCV開度補正係数を利用した場合について説明する。基本的には図3と同様な流れであり、図3におけるステップ104に代えて、図8において破線で囲ったステップ121とステップ122を組み込むものであるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
図8に示すように、ステップ103でPCV開度補正係数であるkthwpcv1を求めた後、前回の機関運転時に記憶したΔkaf1より、PCV開度補正係数であるkthwpcv3を求める(ステップ121)。kthwpcv3を求めるには、図9で示したマップを利用することができる。図9で示したマップでは、Δkaf1が0から所定の値まではkthwpcv3が1となるようにされている。Δkaf1が所定の値以上である場合は、kthwpcv3が1より小さくなるように設定されている。特に、Δkaf1が所定の値以上であり、特定の値になるまでは、Δkaf1が大きくなるにつれて、kthwpcv3が漸次小さくなるように定められている。なお、Δkaf1が特定の値以上である場合は、kthwpcv3が一律に一定の値となるように設定されている。
ステップ121でPCV開度補正係数であるkthwpcv3を求めた後、kthwpcv3を加味した最終制御PCV開度を求め、PCVバルブ2の開度を制御する(ステップ122)。具体的には、目標PCV開度(tpcv)に対して、冷却水の温度から求められるPCV開度補正係数(kthwpcv1)と、図7の流れの中で記憶されたΔkaf1から求められるPCV開度補正係数(kthwpcv3)を掛け合わせることにより、最終制御PCV開度(Tpcv)が求められる。
ステップ122の後、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断するステップ105に進み、その先の流れは、先に説明した内容と同様なステップを踏むことになる。
次にPCV開度補正値を利用した場合について説明する。基本的には図5と同様な流れであり、図5におけるステップ114に代えて、図10において破線で囲ったステップ123とステップ124を組み込むものであるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
図10に示すように、ステップ113でPCV開度補正値であるkthwpcv2を求めた後、前回の機関運転時に記憶したΔkaf1より、PCV開度補正値であるkthwpcv4を求める(ステップ123)。kthwpcv4を求めるには、図11で示したマップを利用することができる。図11で示したマップでは、Δkaf1が0から所定の値まではkthwpcv4が0となるようにされている。Δkaf1が所定の値以上である場合は、kthwpcv4が0より大きくなるように設定されている。特に、Δkaf1が所定の値以上であり、特定の値になるまでは、Δkaf1が大きくなるにつれて、kthwpcv4が漸次大きくなるように定められている。なお、Δkaf1が特定の値以上である場合は、kthwpcv4が一律に一定の値となるように設定されている。
ステップ123でPCV開度補正値であるkthwpcv4を求めた後、kthwpcv4を加味した最終制御PCV開度を求め、PCVバルブ2の開度を制御する(ステップ124)。具体的には、目標PCV開度(tpcv)に対して、冷却水の温度から求められるPCV開度補正値(kthwpcv2)を足し合わせ、図7の流れの中で記憶されたΔkaf1から求められるPCV開度補正値(kthwpcv4)を引くことにより、最終制御PCV開度(Tpcv)が求められる。
ステップ124の後、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断するステップ115に進み、その先の流れは、先に説明した内容と同様なステップを踏むことになる。
このように制御することにより、前回の機関運転時からクランクケース111などに残存する未燃焼ガスなどが空燃比に与える影響を抑制させるように、PCVバルブ2の開度を定めることが可能となり得る。特に、残存する未燃焼ガスが空燃比に与える影響が大きくなると考えられる場合には、内燃機関11が低温状態であってもPCVバルブ2の開度を大きくすることを抑制するように、制御することが可能となる。なお、Δkaf1は前回の機関運転時に記憶しておいたものを更新後の機関運転時に利用することに限る必要は無い。記憶したΔkaf1を、その機関運転時のPCVバルブ2の補正に利用するものとすることなども可能である。
ところで、図7に示す例においては、内燃機関11を冷却する冷却水の温度が85℃以下である場合、ステップ241に進み、その直後にはステップ201に戻すような流れとなっている。つまり、図7に示す例においては、内燃機関11を冷却する冷却水の温度が85℃以下である場合、次回の機関運転に利用されるデータであるΔkaf1を記憶することがなされない。内燃機関11は常に十分に温められるとは限らず、短時間だけ機関運転をするような場合も存在する。このような場合であっても、クランクケース111などに残存する未燃焼ガスなどが空燃比に与える影響を加味してPCVバルブ2を制御できるようにすることを可能とする制御について、図12を用いて説明する。
基本的には図7と同様な流れであり、図12に示す流れは、図7におけるステップ241の後に図12において破線で囲ったステップ242からステップ249までのステップを組み込むものであるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
ステップ205において、冷却水の水温が85℃以下である場合、オイル114暖気完了フラグ(XOIL)を、暖気未完了とし、PCV開閉ΔA/F検出フラグをPCV開閉ΔA/F検出中とする(ステップ241)。図12においては、XOILが0である場合、暖気未完了であり、1である場合暖気完了である。また、XAFが0である場合、PCV開閉ΔA/F検出中であり、ΔA/F検出が完了している場合XAFを1とする。
ステップ241が実行された後に、アイドル運転状態であるか否かを判断する(ステップ242)。ステップ242でアイドル運転状態であると判断された場合、低温時のPCV開閉ΔA/F検出フラグ(XAFC)がPCV開閉ΔA/Fを検出中であるかを判断する(ステップ243)。図12においてはXAFCが0であるかどうかをステップ243の判断材料としている。なお、XAFCが1である場合は、PCV開閉ΔA/Fの検出が完了している。
ステップ243でPCV開閉ΔA/Fを検出中であると判断した場合、PCVバルブ2が開いている時のA/F補正値(kaf1)を求め記憶する(ステップ244)。このA/F補正値は、所定の適切な空燃比とのズレに対する補正値である。図12においては、PCVバルブ2が開いている時のA/F補正値を記憶させる対象であるkafpcvoncに対してkaf1を入力するという手順を踏むことでA/F補正値が電子制御装置31に記憶される。
ステップ244でA/F補正値(kaf1)記憶したら、PCVバルブ2の強制全閉フラグ(XPCVOFF)を強制全閉実行とする(ステップ245)。図12においては、XPCVOFFが0である場合、PCVバルブ2の強制全閉が未実施であり、1である場合、強制全閉が実行されている。
ステップ245でPCVバルブ2を強制的に全閉の状態とした後、PCVバルブ2が閉じている時のA/F補正値(kaf2)を求め記憶する(ステップ246)。ステップ246でA/F補正値(kaf2)記憶したら、PCVバルブ2を強制的に全閉した状態を解除するため、フラグ(XPCVOFF)を0とする(ステップ247)。これにより、強制的にPCVバルブ2を閉じた状態から、通常の開度制御が行える状態に移行させる。図12においては、PCVバルブ2が閉じている時のA/F補正値を記憶させる対象であるkafpcvoffcに対してkaf1を入力するという手順を踏むことでA/F補正値が電子制御装置31に記憶される。
ステップ247でPCVバルブ2を通常の開度制御となるようにした後、PCVバルブ2を閉じている時と開いているときのA/F補正値の差を求め、電子制御装置31に記憶する(ステップ248)。図12においては、このA/F補正値の差をΔkaf1cとして表しており、kaf1cは、kafpcvoffcとkafpcvoncの差を計算することにより求められる。このΔkaf1cは、次回の機関運転におけるPCVバルブ2の操作時に利用される。
ステップ248でΔkaf1cを電子制御装置31に記憶した後、PCV開閉ΔA/F検出フラグを検出完了状態とする(ステップ249)。図12においては、XAFCを1とすることで、PCV開閉ΔA/F検出フラグを検出完了状態としている。
図12に示すような流れで制御すると、内燃機関11を冷却する冷却水の温度が冷たくても、温かくてもA/F補正値の差を記憶することが可能となるため、どちらの場合であっても、A/F補正値の差をPCVバルブ2の開度調整に利用することが可能となる。
図12の流れの中で電子制御装置31に記憶されたΔkaf1cは、図3や5で示した基本的なPCVバルブ2の制御を変更するために利用される。より具体的には、一つ前の機関運転時に記憶されたΔkaf1cを利用して、PCVバルブ2の制御を行うことができるように制御される。先ずPCV開度補正係数を利用した場合について説明する。基本的には図3や図8と同様な流れであるが、以下においては図8におけるステップ121とステップ105との間のステップを、図13において破線で囲った各ステップに変更した形態を例にとって説明するものであるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
図13に示すように、ステップ121でPCV開度補正係数であるkthwpcv3を求めた後、Δkaf1cを用いて、PCV開度補正係数(kthpcv5)を求める(ステップ125)。kthwpcv5を求めるには、図14で示したマップを利用することができる。図14で示したマップでは、Δkaf1cが0から所定の値まではkthwpcv5が1となるようにされている。Δkaf1cが所定の値以上である場合は、kthwpcv5が1より小さくなるように設定されている。特に、Δkaf1cが所定の値以上であり、特定の値になるまでは、Δkaf1cが大きくなるにつれて、kthwpcv5が漸次小さくなるように定められている。なお、Δkaf1cが特定の値以上である場合は、kthwpcv5が一律に一定の値となるように設定されている。
ステップ125でPCV開度補正係数であるkthwpcv5を求めた後、ショートトリップ継続フラグ(XSTRIP)がショートトリップの継続をしていないかを判断する(ステップ126)。図13においては、XSTRIPが0である場合はショートトリップが継続していない状態である。
ステップ126でショートトリップが継続されていないと判断された場合、最終制御PCV開度を求めて制御するステップ122に進み、その先の流れは図8に示すステップ122以下のステップと同様のステップを踏むこととなる。一方、ステップ126でショートトリップが継続されていると判断された場合、kthwpcv5を加味した最終制御PCV開度を求め、PCVバルブ2の開度を制御する(ステップ127)。具体的には、目標PCV開度(tpcv)に対して、冷却水の温度から求められるPCV開度補正係数(kthwpcv1)と、図12の流れの中で記憶されたΔkaf1cから求められるPCV開度補正係数(kthwpcv5)を掛け合わせることにより、最終制御PCV開度(Tpcv)が求められる。
ステップ127の後には、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断するステップ105に進み、その先の流れは、図3や図8に示すステップ105以下のステップと同様のステップを踏むこととなる。
次にPCV開度補正値を利用した場合について説明する。基本的には図5や図10と同様な流れであるが、以下においては図10におけるステップ123とステップ115との間のステップを、図15において破線で囲んだ各ステップに変更した形態を例にとって説明するものであるため、それ以外の詳細な説明は省略する。
図15に示すように、ステップ123でPCV開度補正値であるkthwpcv4を求めた後、前回の機関運転時に記憶したΔkaf1cより、PCV開度補正値であるkthwpcv6を求める(ステップ131)。kthwpcv6を求めるには、図16で示したマップを利用することができる。図16で示したマップでは、Δkaf1cが0から所定の値まではkthwpcv6が0となるようにされている。Δkaf1cが所定の値以上である場合は、kthwpcv6が0より大きくなるように設定されている。特に、Δkaf1cが所定の値以上であり、特定の値になるまでは、Δkaf1cが大きくなるにつれて、kthwpcv6が漸次大きくなるように定められている。なお、Δkaf1cが特定の値以上である場合は、kthwpcv6が一律に一定の値となるように設定されている。
ステップ131でPCV開度補正値であるkthwpcv6を求めた後、ショートトリップ継続フラグ(XSTRIP)がショートトリップの継続をしていないかどうかを判断する(ステップ132)。図15においては、XSTRIPが0である場合はショートトリップが継続していない状態である。
ステップ132でショートトリップが継続されていないと判断された場合、最終制御PCV開度を求めて制御するステップ124に進み、その先の流れは図10に示すステップ124以下のステップと同様のステップを踏むこととなる。一方、ステップ132でショートトリップが継続されていると判断された場合、kthwpcv6を加味した最終制御PCV開度を求め、PCVバルブ2の開度を制御する(ステップ133)。具体的には、目標PCV開度(tpcv)に対して、冷却水の温度から求められるPCV開度補正係数(kthwpcv1)と、図12の流れの中で記憶されたΔkaf1cから求められるPCV開度補正係数(kthwpcv6)を掛け合わせることにより、最終制御PCV開度(Tpcv)が求められる。
ステップ133の後には、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断するステップ115に進み、その先の流れは、図5や図10に示すステップ115以下のステップと同様のステップを踏むこととなる。
ところで、図13におけるステップ126及び図15におけるステップ132においては、ショートトリップが継続されているか否かが判断されている。この判断は、どのようになされても良いが、その一例について、図17を利用しながら、説明する。
XSTRIPが0である場合はショートトリップが継続していない状態であり、1である場合はショートトリップが継続されているものとする。以下においては、XSTRIPが0若しくは1のいずれが選択されるのかを判断するための制御である。
まず、冷却水の水温を取り込み電子制御装置31に取り込む(ステップ301)。ステップ301で取り込んだ冷却水の水温が50℃より小さいかどうかを判断する(ステップ302)。ステップ302で水温が50℃より小さいと判断された場合、暖機運転判定フラグ(XHOT)を暖機が未完の状態であるとする(ステップ303)。図17においてはXHOTが0である場合、暖機が達成していない状態であり、1である場合、暖機が完了している状態である。
ステップ303において暖機が達成していない状態であることが設定された後、冷間始動判定フラグ(XCOLD)が0であるかを判断する(ステップ304)。図17においてはXCOLDが0である場合、冷間始動判定がされていない状態であり、1である場合、冷間始動判定がされている状態である。
ステップ304で冷間始動判定がされていない場合、ショートトリップカウンタにおける数値を一つ大きくする(ステップ305)。その後、冷間始動判定がなされたものとして、XCOLDを1とする(ステップ306)。
ステップ306の次に、ショートトリップカウンタの数値が所定値であるAよりも大きいか否かを判断する(ステップ307)。ステップ307でショートトリップカウンタの数値がAより大きいと判断された場合、XSTRIPを1とする(ステップ308)。ステップ307でショートトリップカウンタの数値がA以下と判断された場合、XSTRIPを0とする(ステップ309)。
先に記載したステップ302で冷却水の水温が50℃以上であると判断された場合、冷間始動フラグを0とする(ステップ311)。その後、冷却水の水温が70℃より大きいかを判断する(ステップ312)。冷却水の水温が70℃より大きい場合、暖機運転判定フラグ(XHOT)が0であるかを判断する(ステップ313)。
ステップ313で暖機運転判定フラグが0であった場合、ショートトリップカウントの数値を一つ小さくする(ステップ314)。その後、暖機運転判定フラグ(XHOT)を1とする(ステップ315)。
ステップ313で暖機運転判定フラグが0でなかった場合、若しくは、ステップ315で暖機運転判定フラグを1とする設定が完了した場合、PCV開閉ΔA/F検出フラグ(XAF)が更新されたかどうかを判断する(ステップ316)。ステップ316でPCV開閉ΔA/F検出フラグ(XAF)が更新されたと判断した場合、XSTRIPを0とし、ショートトリップカウンタの数値を0とする(ステップ317)。
なお、ステップ304で冷間始動判定フラグ(XCOLD)が0であると判断されるか、ステップ312で冷却水の水温が70℃以下であると判断されるか、ステップ316でPCV開閉ΔA/F検出フラグ(XAF)が更新されていないと判断された場合、若しくはステップ308、ステップ309、ステップ317の何れかが完了した場合、再びステップ301に戻り、各ステップを繰り返すこととなる。
ところで、FFV車などといわれるフレックス燃料車は、複数種類の燃料を供給可能とするものであるが、その燃料としてガソリンに加えて、アルコールの一種であるエタノールが使用されることがある。エタノール濃度が高いほど、ブローバイガス中に水分が混入する割合が大きくなるので、内燃機関11が低温の時点でブローバイガス還元通路12を通るガス量を増加させることが望ましい。一方、エタノールの沸点は78℃と比較的低いため、高温の環境では沸点の温度を超え、エタノールが一気に気化する虞がある。このため、内燃機関11が高温になると、ブローバイガス還元通路12を通るガス量を低減させて、空燃比への影響を抑制することが好ましい。以下においては、このような操作を行うための制御について説明する。
図18に示すように、電子制御装置31は、エンジン回転数(ne)とエンジン負荷(kl)と水温(thw)と潤滑用のオイル114の温度(tho)を取り込む(ステップ401)。次に、燃料タンク71に取り付けられたエタノール用の濃度センサ85にて、エタノール濃度(E%)を取り込む(ステップ402)。ステップ402の後、取り込まれたエンジン回転数とエンジン負荷をもとに、目標PCV開度を求める(ステップ403)。目標PCV開度を設定することは、従来技術のものであるため、詳細な説明は省略する。
温度検出器5により検出された水温thwにあわせて、PCV開度補正係数(kthwpcv1)を設定する(ステップ404)。この際、図3に示すようなマップに水温を当てはめることにより、PCV開度補正係数であるkthwpcv1が定められる。また、図19に示すようなマップと照らし合わせることにより、PCV開度補正係数であるkthopcveを求める(ステップ405)。図19では、潤滑用のオイル114の温度とエタノール濃度とにより、PCV開度補正係数(kthopcve)の値を選択できるようになっている。
目標PCV開度に対してPCV開度補正係数を掛け合わせて設定した最終制御PCV開度(TPCV)にあうようにPCVバルブ2が制御される(ステップ406)。具体的には、目標PCV開度(tpcv)に対して、冷却水の温度から求められるPCV開度補正係数(kthwpcv1)と、図19のマップとエタノール濃度と潤滑オイル114の温度から求められるPCV開度補正係数(kthopcve)を掛け合わせることにより、最終制御PCV開度(Tpcv)が求められる。
この際、最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度Aよりも小さいか否かを判断する(ステップ407)。最終制御PCV開度が、開度Aよりも小さい場合は、再度ステップ401に戻り、上記のステップを繰り返す。最終制御PCV開度が、あらかじめ設定している開度A以上となった場合は、開度Aが最終制御PCV開度として設定される(ステップ408)。ステップ408が実行されると再びステップ401に戻り、上記のステップを繰り返す。
上記流れの制御において使用される図19のマップでは、エタノールの沸点である78℃近傍において、PCV開度補正係数(kthopcve)の傾向が異なるように設定されている。ただしエタノール濃度が0%の際はPCV開度補正係数(kthopcve)が1として設定されている。具体的には、エタノールが検知されない場合を除き、潤滑オイル114の温度が70℃以下であれば、PCV開度補正係数(kthopcve)が1より大きくなるように設定されている。一方、潤滑オイル114の温度が75℃以上ではPCV開度補正係数(kthopcve)が1より小さくなるように設定されている。
また、エタノールが検知されない場合を除き、潤滑用のオイル114の温度が70℃以下であれば、エタノール濃度が上昇するに連れて、PCV開度補正係数(kthopcve)が徐々に大きくなるように設定されている。一方、75℃以上であれば、エタノール濃度が上昇するに連れて、PCV開度補正係数(kthopcve)が徐々に小さくなるように設定されている。
ところで、PCVバルブ2を開くことで空燃比への影響が発生しうることはすでに記載しているが、空燃比センサ6は常に空燃比を検出可能なわけでもない。そこで、空燃比センサ6が活性化され、空燃比を検出可能とした後に、PCVバルブ2を開くことが好ましい。このようにすれば、PCVバルブ2を開くことによる空燃比への影響を適切に反映させながらPCVバルブ2の開度を調整することが可能となる。
PCVバルブ2を開くことによる空燃比の影響を考慮すると、現状より開度を大きくする際は、徐々にPCVバルブ2を開き、現状より開度を小さくする際は、PCVバルブ2を開く際のスピードよりも速くPCVバルブ2を動かすことが好ましい。このようにすれば、燃焼室112に過剰に未燃焼ガスが導入されることを抑制しやすくなる。
実際の空燃比と目標の空燃比との差が所定値以上である場合には、PCVバルブ2を開く速さを遅らせることが好ましい。このようにすれば、燃焼室112に過剰に未燃焼ガスが導入されることを抑制しやすくなる。
このようなことを可能とする制御について、図20を用いながら、一例を説明する。なお、以下で説明する内容は、上記したことを全て盛り込んだ内容となっているが、その一部だけを採用して制御するものとしても良いのはもちろんである。図20に示す例は、図18に示す例に更に複数のステップを組み合わせているものであるため、ステップ401からステップ408についての説明は省略する。なお、空燃比を検出可能とした後に、PCVバルブ2を開くことに関しては、ステップ410及びステップ431が特に関係し、PCVバルブ2を開く際と閉じる際とのスピードの違いはステップ409乃至ステップ413及び、ステップ421が特に関係する。また、実際の空燃比と目標の空燃比との差とPCVバルブ2を開くスピードに関してはステップ421乃至ステップ423が特に関係している。
ステップ407で最終制御PCV開度が所定の値であるA%より小さいと判断されるか、ステップ408が実行された後、現在のPCVバルブ2の開度を求める(ステップ409)。その後、空燃比のフィードバック制御が行われているかを判断する(ステップ410)。ステップ410で空燃比のフィードバック制御が行われていると判断した後、PCVバルブ2の開度の目標値と、実際の開度の値との差を求める(ステップ411)。図20では、この差をΔpcvとして表し、ΔpcvはTpcvからttpcvを引いた値として計算される。
次に、ステップ411で求めた値であるΔpcvが0より小さいものであるかを判断する(ステップ412)。ステップ412でΔpcvが0より小さいと判断された場合、PCVバルブ2を閉じるように動かすことになるため、閉弁速度をα%/msとして設定し、目標PCVの開度となるように制御する(ステップ413)。
ステップ412でΔpcvがより小さくないと判断された場合、PCVバルブ2を開くように動かすことになり得る。PCVバルブ2を開くように動かすための開弁速度とβ%/msとして設定し、目標PCVの開度となるように制御する(ステップ421)。この際、ステップ413のαとステップ421のβを比較すると、β<αとなるようにαとβの値が定められている。
ステップ421の実行がなされた後、開弁制御中の目標の空燃比と実際の空燃比との違いであるΔA/Fが所定の値Fより大きいかを判断する(ステップ422)。ステップ422でΔA/Fが所定の値よりも大きいと判断された場合、開弁速度をβより所定の値Gだけ小さい(β−G)%/msとし、目標PCVの開度となるように制御する(ステップ423)。
先に示したステップ410で空燃比のフィードバック制御中ではないと判断された場合、PCVバルブ2の開度を全閉状態とするか、小開度(例えば5%)となるように実行する(ステップ431)。
ステップ422でΔA/Fが所定値F以下であると判断されるか、ステップ413、ステップ423、ステップ431が実行されると、再びステップ401に戻り今までのステップを繰り返すことになる。
このように制御すれば、空燃比が悪化することを抑制しながらブローバイガスを燃焼室112に戻すことが可能となり得る。
ところで、減速時のブローバイガス還元通路12を通るガス量を絞る要求時は、アクセル開度の閉じ速度で検出し、見込み減速閉じ速度を優先させるように制御することが好ましい。スロットル48の開度はアクセルの開度に影響するものであるため、アクセルペダル43の動きの後にスロットル48の動きが発生することになる。したがって急に減速するような際はPCVバルブ2の閉じ遅れが生じて、未燃焼ガスが過剰に燃焼室112に流入する虞がある。したがって、アクセルペダル43の操作により電子制御装置31に入力される信号を、PCVバルブ2を閉じるための直接的な判断材料とすることで、PCVバルブ2の閉じ遅れを抑制することが可能となり得る。
このようなことを可能とする制御を以下に図21を用いながら説明する。図21と図20との違いは、図21において破線で囲われたステップに関するものであるので、その他の説明は省略する。
ステップ410で空燃比のフィードバック制御が行われていると判断された場合、アクセル開閉速度(Δacc)を取り込む(ステップ441)。ステップ441が実行された後、アクセル開閉速度が所定値Hより小さいかを判断する(ステップ442)。ステップ442でアクセル開閉速度が所定値より小さいと判断されたら、PCVバルブ2の開度の目標値と、実際の開度の値との差を求める(ステップ411)。ステップ442でアクセル開閉速度が所定値より小さくないと判断されたら、PCVバルブ2を全閉とするか、5%程度の開度まで絞るために、最速の閉弁速度(Max%/ms)で動かすように設定する(ステップ443)。ステップ443で設定された速度でPCVバルブ2の開度を全閉状態とするか、小開度(例えば5%)となるように実行する(ステップ431)。
このような制御を取り込むことで、アクセル開閉速度を直接的な判断材料としてPCVバルブ2を操作することが可能となるため、特に未燃焼ガスが燃焼室112に入ることによる空燃比の悪化を抑制することが可能となり得る。
以上、二つの実施例と幾つかの変形例を用いて実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態のほか、その他各種の形態で実施可能なものである。例えば、空燃比センサはA/Fセンサである必要は無く、O2センサやLAFセンサなど各種センサを単独で若しくは併せて使用することが可能である。
クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に戻すブローバイガス還元通路は、クランクケースと吸気通路を直接的に接続するものとすることも可能である。
ガソリン以外の燃料はエタノールだけにこだわることは無く、適用可能なアルコールを用いることが可能である。その際は、適用されるアルコールの種類に合わせて、設定温度など、制御内容を変えることが可能である。また、濃度センサも検知するアルコールにあわせて選定することが可能である。
内燃機関の温度の基準として冷却水の水温ではなく、潤滑オイルの温度を利用することも可能である。また、内燃機関の所定箇所の温度を接触若しくは比接触で測定したものを制御に利用することも可能である。
各ステップは、目的を達成する限り、例示した順に進める必要性は無く、一部、記載しているステップが前後するように変更することも可能である。また、各種ステップを取捨選択することも可能である。
電動弁を動かすものはステッピングモータに限らず、他のモータを使用することが可能である。ただし、弁開度を徐々に調整可能なものが選択される。
また、乗物としては、車両であることに限らず、飛行機やヘリコプターなど空中を飛行する乗物や、船舶や潜水艇など海面や海中などを移動する乗物としてもよい。
1 ブローバイガス制御装置
2 PCVバルブ
3 制御手段
5 温度検出器
6 空燃比センサ
11 内燃機関
12 ブローバイガス還元通路
13 吸気通路
14 排気通路
31 電子制御装置
51 水温計
52 油温計

Claims (12)

  1. 内燃機関に関する温度を検出する温度検出器と、流通するブローバイガスの流量を制御するPCVバルブと、を備えるブローバイガス制御装置であって、
    空燃比センサと、PCVバルブを制御可能な制御手段を備え、
    制御手段は、PCVバルブの開弁時の空燃比と、閉弁時の空燃比との違いによりもたらされる結果を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された前記結果に応じてPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置。
  2. 請求項1に記載のブローバイガス制御装置であって、
    制御手段は、機関運転中におけるPCVバルブの開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量とを算出し、互いの補正量の差を記憶可能であるとともに、前回の機関運転時に記憶された空燃比補正量の差に応じてPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置。
  3. 請求項2に記載のブローバイガス制御装置であって、
    空燃比補正量の差が大きいほど開度が小さくなるように制御することが可能なブローバイガス制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    制御手段は、暖気完了後における、開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量の差を記憶するブローバイガス制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    内燃機関が十分に温められていないと判断される機関運転が、所定の条件で複数回なされていると判断された場合には、当該機関運転時における、開弁時の空燃比補正量と、閉弁時の空燃比補正量の違いによりもたらされる結果をもとにPCVバルブの開度を補正することが可能であるブローバイガス制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    内燃機関はアルコールとガソリンを混合して供給されることが可能であり、
    内燃機関に供給されるアルコール濃度を検出する濃度センサを備え、
    アルコール濃度に基づいて、PCVバルブの開度を補正することが可能なブローバイガス供給装置。
  7. 請求項6に記載のブローバイガス制御装置であって、
    PCVバルブの開度の補正は、温度検出器により検出される温度が所定の温度よりも低い場合には、アルコール濃度が高い程、PCVバルブの開度を大きくするように制御し、温度検出器により検出される温度が所定の温度よりも高い場合には、アルコール濃度が高い程、PCVバルブの開度を小さくするように制御可能なブローバイガス供給装置。
  8. 請求項7に記載のブローバイガス供給装置であって、
    温度検出器により検出する温度は潤滑用のオイルの温度であり、
    所定の温度は、アルコール燃料の沸点の摂氏温度から当該摂氏温度よりも10%低い温度までの範囲に設定されているブローバイガス供給装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    空燃比センサの活性化後であって、実際の空燃比と目標の空燃比との差が所定値以上である場合は、PCVバルブを開くスピードを遅くするように制御することが可能なブローバイガス制御装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    PCVバルブの開度を小さくするように動かすときは、PCVバルブの開度を大きくするように動かすときよりも早く動かすように制御することが可能なブローバイガス制御装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載のブローバイガス制御装置であって、
    アクセルの開閉速度を検出する手段を備え、アクセルの開閉速度が所定値より大きい場合には、PCVバルブの開度が小さくなるように制御することが可能なブローバイガス制御装置。
  12. 内燃機関に関する温度を検出する温度検出器と、流通するブローバイガスの流量を制御するPCVバルブと、を備えるブローバイガス制御装置であって、
    PCVバルブは、モータにより開度調整可能に構成されており、
    温度検出器の検出結果を利用して、設定開度に対して開度を補正可能であり、
    内燃機関に関する温度が高くなるにつれ、徐々に開度の補正割合が小さくなるように制御することが可能な制御手段を備えるブローバイガス制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114720133A (zh) * 2022-04-19 2022-07-08 潍柴动力股份有限公司 一种大功率气体机空燃比的标定方法及标定系统

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