JP5206606B2 - ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置及び内燃機関運転制限装置 - Google Patents

ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置及び内燃機関運転制限装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する方法、その装置、及びこの装置を用いた内燃機関運転制限装置に関する。
アルコールを含む燃料を使用する内燃機関において、アルコールによる潤滑油の希釈を燃料の噴射タイミングの調節により抑制する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
高車速状態にて著しく上昇する潤滑油消費を抑制するために、内燃機関の最大回転速度を高車速側にて低下させている技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2009−36079号公報(第12−15頁、図4) 特開2008−309274号公報(第5−6頁、図3−5)
内燃機関による潤滑油消費は潤滑油がピストンリングとシリンダボアとの間隙から燃焼室内に浸入することにより生じる。このことは通常、限られた範囲の高車速・高回転数にて生じる。したがって特許文献2では一律の基準により内燃機関回転数が、特に高車速側にて高速化しないように制限しているのみである。
ところが、ピストンリングとシリンダボアとの間隙が腐食に伴って拡大した場合には、潤滑油消費量が増大する範囲は、低車速・低回転数側に拡大することが判ってきた。
すなわち特許文献2のごとく車速や内燃機関回転数を一律の基準にて制限していても、前記腐食が生じると潤滑油消費量が顕著に増大し、内燃機関運転時に予想以上の潤滑油レベルの低下を招くおそれがある。このため内燃機関運転に影響を及ぼすおそれもある。
特にアルコール混合燃料では硫酸成分が含まれており、これを使用する内燃機関では、腐食に伴う潤滑油の過大な消費が問題化するおそれがある。
したがってこのようなピストンリングとシリンダボアとの間隙が腐食に伴って拡大した状態を検出し、適切に対処する必要がある。
特許文献1ではアルコール混合燃料の使用時における潤滑油の希釈については対策できるが、腐食に伴って拡大したピストンリングとシリンダボアとの間隙から燃焼室に浸入して消費される潤滑油量の増大については検出することはできず、これに対処することもできない。
本発明は、内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定するピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置、及びこの装置を利用して間隙拡大に適切に対処するための内燃機関運転制限装置の実現を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法は、内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する方法であって、内燃機関の燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと、内燃機関運転履歴とに基づいて、前記腐食の進行度を推定することを特徴とする。
内燃機関の燃料によってピストンリング・シリンダボアとの間隙での腐食の促進程度が異なる。すなわち燃料の成分により前記間隙に対する腐食を生じやすかったり生じにくかったりし、その程度も種々存在する。そしてこのような燃料成分によって程度の異なる腐食により、実際にピストンリングとシリンダボアとの間隙の拡大が次第に生じ、その拡大の程度も異なることになる。
したがって燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと、内燃機関運転履歴との2つの要因に基づくことにより、ピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定することが可能となる。
このようにしてピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を得ることができるので、前記間隙が腐食に伴って拡大した状態が検出できる。そして、この腐食の進行度に基づくことにより、適切に対処することができるようになる。
請求項2に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置は、内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する装置であって、内燃機関の燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルを検出する腐食促進レベル検出手段と、前記腐食促進レベル検出手段にて検出されたピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとこのピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルでの内燃機関運転履歴とに基づいて前記腐食の進行度を推定する間隙腐食進行度推定手段とを備えたことを特徴とする。
腐食促進レベル検出手段により検出されたピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと、対応するレベルでの内燃機関運転履歴とに基づくことにより、間隙腐食進行度推定手段は、前記間隙を拡大させる腐食の進行度を推定している。このことにより、前記間隙が腐食に伴って拡大した状態を検出できる。そして、この腐食の進行度に基づくことにより適切に対処することができるようになる。
請求項3に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項2に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして、内燃機関の燃料中に存在する腐食成分濃度を検出するものであることを特徴とする。
このように腐食促進レベル検出手段が、燃料中に存在する腐食成分濃度を検出することにより、正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られるので、間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定できる。したがってこの腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項4に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項2に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして、内燃機関の燃料中に存在する腐食成分濃度と連動する燃料中の成分の濃度を検出するものであることを特徴とする。
腐食促進レベル検出手段は、直接、腐食成分濃度を検出しなくても、腐食成分濃度と連動する燃料中の成分の濃度を検出しても良い。このことによっても正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られるので、間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定できる。したがってこの腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項5に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項4に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食成分濃度と連動する燃料中の成分は、アルコールであることを特徴とする。
アルコール混合燃料については、燃料中におけるアルコールの濃度に応じて腐食成分である硫酸の濃度が異なる。具体的にはアルコール濃度が低いほど硫酸の濃度が高いのが一般的である。したがって腐食成分濃度と連動する燃料中の成分としてアルコールの濃度を検出することにより、腐食成分濃度の程度が判明し、このことにより正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られるので、間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定できる。したがってこの腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項6に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項5に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記アルコールの濃度を内燃機関の空燃比制御状態に基づいて検出することを特徴とする。
アルコール混合燃料ではアルコールの濃度により、適切な空燃比に差があり、空燃比制御にその差が現れる。腐食促進レベル検出手段は、この空燃比制御状態を参照することによりアルコールの濃度を検出でき、このことから腐食成分濃度が判明し、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られる。したがって間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を推定できるのでこの腐食の進行度に基づくことにより適切に対処することができるようになる。
請求項7に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項5に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記アルコールの濃度を燃料タンクあるいは燃料供給路に備えられたアルコールセンサにより検出することを特徴とする。
このように腐食促進レベル検出手段は、燃料タンクあるいは燃料供給路に備えられたアルコールセンサにより燃料内のアルコール濃度を検出しても良い。このことによっても連動する腐食成分濃度が判明し、正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られ、間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定できる。したがってこの腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項8に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項3に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記腐食成分濃度として燃料中の酸性物質の成分濃度を検出することを特徴とする。
このように腐食促進レベル検出手段が、燃料中の酸性物質の成分濃度を検出することで腐食成分濃度としても良い。腐食成分としてはこのような酸性物質が主体であり、直接的に腐食成分濃度が判明する。このことにより、正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られ、間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定でき、この腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項9に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項8に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記酸性物質の成分濃度として、pHセンサにて燃料中の水素イオン濃度を検出することを特徴とする。
酸性物質の成分濃度として、pHセンサにて燃料中の水素イオン濃度を検出しても良い。この水素イオン濃度の程度は腐食成分としての酸性物質の成分濃度及び酸の強さの程度に対応しているため、正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られる。このため間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定できるので、この腐食の進行度に基づくことにより、より適切に対処することができるようになる。
請求項10に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項2〜9のいずれか一項に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、内燃機関は車両走行駆動用であり、前記内燃機関運転履歴は車両走行距離として表し、前記間隙腐食進行度推定手段は、前記車両走行距離と、この車両走行距離に対応して前記腐食促進レベル検出手段にて検出されるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとにより、前記腐食の進行度を推定することを特徴とする。
車両走行駆動用内燃機関では、内燃機関運転履歴は車両走行距離で表しても良い。このことにより間隙腐食進行度推定手段は、車両走行距離と、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとにより、腐食の進行度を推定することになる。この腐食の進行度に基づくことにより適切に対処することができるようになる。
請求項11に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置では、請求項10に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段はピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルを係数として算出し、前記間隙腐食進行度推定手段は、この係数と前記車両走行距離との積により得られる腐食促進レベル換算車両走行距離を前記腐食の進行度として算出することを特徴とする。
このように係数としてのピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと車両走行距離との積により腐食促進レベル換算車両走行距離を求めて、この腐食促進レベル換算車両走行距離を腐食の進行度として用いても良い。この腐食促進レベル換算車両走行距離に基づくことにより適切に対処することができるようになる。
請求項12に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置は、内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する装置であって、潤滑油の消費速度を検出する潤滑油消費速度検出手段と、前記潤滑油消費速度検出手段により検出される潤滑油の消費速度に基づいて前記腐食の進行度を推定する間隙腐食進行度推定手段とを備えたことを特徴とする。
ピストンリングとシリンダボアとの間隙が腐食に伴って拡大すると、潤滑油の消費量が増加する。したがって潤滑油消費速度検出手段が検出する潤滑油の消費速度は間隙の拡大に対応したものとなることから、間隙腐食進行度推定手段は潤滑油の消費速度に基づいて前記腐食の進行度を推定できることになる。
このように間隙腐食進行度推定手段は、前記腐食の進行度を高精度に推定でき、この腐食の進行度に基づくことにより適切に対処することができるようになる。
請求項13に記載の内燃機関運転制限装置は、請求項2〜12のいずれか一項に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置と、前記ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置により推定された前記腐食の進行度に応じて内燃機関運転に制限を設ける制限設定手段とを備えたことを特徴とする。
このようにピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置が推定する腐食の進行度に応じて内燃機関運転に制限を設けることにより、潤滑油消費量が顕著となる前に、内燃機関運転を制限することができるようになる。すなわち内燃機関が高回転により潤滑油消費量が著しく上昇する前に内燃機関運転を制限することで潤滑油消費を抑制するようにできる。
しかも前記腐食の進行度は、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと内燃機関運転履歴とに基づいて推定された値あり、実際のピストンリング・シリンダボアの間隙拡大状態に対応したものであるため、あるいは直接、潤滑油の消費速度に基づいて推定された値であるため、適切に潤滑油消費を抑制することができる。
請求項14に記載の内燃機関運転制限装置では、請求項13に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、内燃機関回転数を制限するものであることを特徴とする。
このように内燃機関回転数を制限することにより、適切に潤滑油消費を抑制することができる。
請求項15に記載の内燃機関運転制限装置では、請求項13に記載の内燃機関運転制限装置において、内燃機関は車両走行駆動用であり、前記制限設定手段は、車速を制限するものであることを特徴とする。
車両走行駆動用内燃機関の場合には、このように車速を制限することにより、適切に潤滑油消費量を抑制することができる。
請求項16に記載の内燃機関運転制限装置では、請求項15に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、前記間隙腐食進行度推定手段にて推定される腐食の進行度が基準レベル以上となった場合に、前記腐食の進行度の上昇に応じて制限速度を低下させることを特徴とする。
腐食によりピストンリング・シリンダボアの間隙が拡大しても、当初は大きな潤滑油消費量の上昇はない。それよりも制限速度を低下させないことが車両走行性能上優先される。しかし或る程度腐食が進行すると、大きな潤滑油消費量の上昇が生じて、このような潤滑油消費の抑制が車両走行性能上優先されることになる。したがって腐食の進行度に対して基準レベルを設けて、腐食の進行度がこの基準レベル以上となった場合に、腐食の進行度の上昇に応じて制限速度を低下させている。このことにより適切に車両走行性能を維持させることができる。
請求項17に記載の内燃機関運転制限装置では、請求項16に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、前記腐食の進行度の上昇に応じて低下される制限車速に下限値を設けていることを特徴とする。
腐食の進行度の上昇に応じた制限車速の低下は、過度に低下させると、車両走行性能上不適切な状況となる。したがって腐食の進行度の上昇に応じて低下される制限車速に下限値を設けることにより、このような不適切な状況を避けて、適切に車両走行性能を維持させることができる。
実施の形態1の車速制限処理のフローチャート。 実施の形態1の内燃機関制御系を示すブロック図。 実施の形態1の車速制限処理においてアルコール濃度Caに基づいて間隙腐食促進係数Kaを算出するマップMAPkaの構成説明図。 実施の形態1の車速制限処理において腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daに基づいて最高速度制限値SPDmaxを算出するマップMAPhspdの構成説明図。 実施の形態2の車速制限処理のフローチャート。 実施の形態2の車速制限処理において潤滑油消費速度Soilに基づいて腐食の進行度Bfを算出するマップMAPbfの構成説明図。 実施の形態2の車速制限処理において腐食の進行度Bfに基づいて最高速度制限値SPDmaxを算出するマップMAPsbfの構成説明図。
[実施の形態1]
図1は、上述したピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置及び内燃機関運転制限装置による処理が実現されている車速制限処理のフローチャートである。図2のブロック図に示すごとく、内燃機関2を制御している電子制御ユニット(以下、ECUと称する)4がピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置及び内燃機関運転制限装置に相当し、このECU4により上記図1の処理が実行される。
図2に示した内燃機関2は車両駆動用に車両に搭載されたポート噴射火花点火式の直列4気筒ガソリンエンジンである。図2では#1〜#4気筒の内の1気筒のみ示している。尚、6気筒や8気筒などのその他の気筒数の内燃機関、あるいはV型内燃機関であっても良い。
内燃機関2の各燃焼室6には、サージタンク8a及び分岐管8bを含む吸気通路8を介して空気が供給される。そして気筒毎に設けられた燃料噴射弁10には燃料タンク11内の燃料が燃料ポンプ11aの駆動により送り込まれ、この燃料が燃料噴射弁10から吸気ポート8cの吸気流中に噴射されることで混合気を形成する。この混合気が内燃機関2の各燃焼室6内に供給される。尚、燃料噴射弁10は、内燃機関2の各燃焼室6内に直接燃料を噴射するように配置した直噴型としても良い。
そして、このことにより燃焼室6内に形成された混合気に点火タイミングにて点火プラグ12のスパークによる点火が行われることにより混合気が燃焼し、ピストンリング14aを外周に備えたピストン14が、シリンダボア2aに沿って押し下げられて出力軸であるクランクシャフト16を回転させる。そして燃焼後の混合気は排気として燃焼室6から排気ポート18aに排出され、排気浄化触媒やマフラーを有する排気通路18を介して外部へ排出される。
ここで吸気ポート8cにて開閉弁動作する吸気バルブ20と、排気ポート18aにて開閉弁動作する排気バルブ22とは共に一定のバルブ作用角(あるいは一定の最大バルブリフト量)にて駆動される。尚、吸気バルブ20については、バルブタイミング可変機構を設けてバルブ作用角(あるいは最大バルブリフト量)を可変としたり、開閉弁タイミングを進遅角できるものであっても良い。排気バルブ22についても開閉弁タイミングを進遅角できるものであっても良い。
吸気通路8から各気筒の燃焼室6に分配される吸入空気量は、ECU4が、アクセルペダル24の踏み込み量であるアクセル操作量ACCPに応じてスロットルバルブ26の開度を制御することにより調節される。尚、吸気バルブ20のバルブ作用角(あるいは最大バルブリフト量)を可変としている場合には、すなわち可変動弁機構を採用している場合には、吸気バルブ20のバルブ作用角(あるいは最大バルブリフト量)の調節により、各気筒の燃焼室6に分配される吸入空気量が調節される。この場合にはスロットルバルブ26は、通常、全開に制御されて内燃機関2が運転されている。
ECU4は、上述したごとく内燃機関2の燃料噴射量、噴射時期、吸入空気量以外に、点火時期制御、その他の処理を実行している。これらの処理のためにECU4は、機関回転数センサ28、冷却水温センサ30、スロットル開度センサ32、吸入空気量センサ34、アクセル操作量センサ36、カムポジションセンサ38、空燃比センサ40(酸素センサでも良い)、車速センサ42などによる検出信号を入力している。
機関回転数センサ28はクランクシャフト16の回転に対応した内燃機関回転数NEを、冷却水温センサ30は内燃機関温度としての冷却水温度THWを、スロットル開度センサ32はスロットルバルブ開度TAを、吸入空気量センサ34は吸入空気量GAを、アクセル操作量センサ36はアクセル操作量ACCPを検出している。更にカムポジションセンサ38は吸気バルブ20を駆動する吸気カムのカム角を、空燃比センサ40は内燃機関2の排気通路18に取り付けられ、空燃比制御のために各気筒が排出する排気成分から燃焼された混合気の空燃比A/Fを検出している。
ECU4は、これらの信号、記憶しているデータ、演算結果などに基づいて各種制御を実行する。すなわち点火プラグ12による点火時期、燃料噴射弁10の開弁制御による燃料噴射量による空燃比制御や噴射時期制御、前述したスロットルバルブ26の開度調節(可変動弁機構を採用している場合には吸気バルブ20のバルブ作用角あるいは最大バルブリフト量調節、開閉弁タイミング)などの制御を実行する。
次にECU4が実行する車速制限処理(図1)について説明する。本処理は一定時間の周期Ta、ここでは例えば数十秒〜数分の周期Taで繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
車速制限処理(図1)が開始されると、まず後述するごとく計算されて設定される最高速度制限値SPDmaxが下限値に未到達か否かが判定される(S102)。ここで最高速度制限値SPDmaxが下限値に到達していない状態ならば(S102でYES)、次に燃料中のアルコール濃度Ca(%)が検出される(S104)。
この燃料中のアルコール濃度Ca検出は、種々の手法が知られており、それらを用いることができる。ここではECU4は空燃比センサ40の検出に基づいて燃料噴射弁10からの燃料噴射量を調節することにより空燃比制御を行っている。この空燃比制御において、アルコール混合燃料中のアルコール濃度に応じて、適切な空燃比(ここでは理論空燃比)に差が生じる。この空燃比の違いとアルコール濃度とは対応している。したがってECU4は空燃比の違いを利用してアルコール濃度Caを求めている。これ以外に、燃料ポンプ11aから燃料噴射弁10へ供給される燃料に対して燃圧制御が実行されている場合には、燃圧にアルコール濃度が反映されることから、燃圧に基づいて燃料中のアルコール濃度Caを検出しても良い。
次にアルコール濃度Caに基づいて図3のマップMAPkaから、間隙腐食促進係数Kaを算出する(S106)。尚、間隙腐食促進係数Kaは図示右側に示したごとくの硫酸濃度(ppm)に対応している。すなわちこの間隙腐食促進係数Kaはピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルに相当する。
次に車速センサ42にて検出されている車速SPDが読み込まれる(S108)。
そして式1に示すごとく腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Da(km)が算出される(S110)。
[式1] Da ← Da + SPD・Ta・Ka
ここで式1の右辺のDaは前回までに積算された腐食促進レベル換算車両走行距離を表し、左辺が今回積算された腐食促進レベル換算車両走行距離を表している。
すなわち式1は、本制御1周期当たりの車両走行距離「SPD・Ta」と、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルである間隙腐食促進係数Kaとの積により、本制御1周期当たりの車両走行距離における腐食の進行度を、腐食促進レベル換算車両走行距離(SPD・Ta・Ka)として算出している。そしてこれを積算して腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daとしている。
尚、この腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daの値は、ECU4内において電源オフ時においても消去されないメモリ、例えばフラッシュメモリ、EEPROM、バックアップRAMなどの不揮発性メモリに記憶されて、次の内燃機関運転時においても値が継続して用いられる。
そして腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daに基づいて図4に示すマップMAPhspdから最高速度制限値SPDmaxを算出する(S112)。
マップMAPhspdは腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daが25万kmまでは、初期の最高速度制限値SPDmax(=195km/h)から変化はないが、25万km〜30万kmまでは、腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daの増加に比例して低下している。そして30万kmにて160km/hとなり、以後は腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daが増加しても、最高速度制限値SPDmax(=160km/h)は変化しない。
実際には最高速度制限値SPDmaxが160km/h(下限値)に到達すると(S102でNO)、ステップS104〜S112の処理は実行されなくなり、以後は最高速度制限値SPDmax=160km/hの状態が固定されることになる。
上述した構成において、車速制限処理(図1)のステップS104,S106が腐食促進レベル検出手段としての処理に、ステップS108,S110が間隙腐食進行度推定手段としての処理に、ステップS102,S112が制限設定手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)内燃機関2の燃料によってピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙での腐食の促進程度が異なり、このような腐食によりピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙の拡大が次第に生じることから、その間隙の拡大の程度も燃料により異なることになる。
本実施の形態では、燃料中のアルコール濃度が腐食成分である硫酸濃度と連動していることから、アルコール濃度を検出して(S104)、燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして間隙腐食促進係数Kaを算出している(S106)。
尚、アルコール混合燃料ではアルコールの濃度により適切な空燃比に差があり、空燃比制御状態に差が生じることから、アルコール濃度は空燃比制御状態に基づいて検出している。
そしてこの間隙腐食促進係数Kaと、これに対応する各内燃機関運転履歴(ここでは車両走行距離である「SPD・Ta」で表している)との2つの要因に基づいて、腐食の進行度を算出している。
すなわち前記式1により、ピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙を拡大させる各内燃機関運転履歴での腐食の進行度に相当する腐食促進レベル換算車両走行距離(SPD・Ta・Ka)を算出し、これを積算して全内燃機関運転履歴での腐食の進行度に相当する腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daを算出している(S110)。
このようにして腐食の進行度(Da)を得ることができるので、ピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙が腐食に伴って拡大した状態を検出できる。そして、この腐食の進行度(Da)に基づいて、次に述べるごとく適切に対処することができるようになる。
(2)上述のごとく得られた腐食促進レベル換算車両走行距離積算値Daに応じて内燃機関運転に制限を設けている(S112)。ここでは最高速度制限値SPDmaxを設けることにより、車両の最高速度を図4に示したごとく制限している。
このように実際のピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙拡大状態に対応した腐食の進行度に応じて内燃機関運転に制限を設けることにより、内燃機関2が高回転により潤滑油消費量が著しく上昇する前に内燃機関運転を制限して潤滑油消費量を適切に抑制できる。
(3)腐食によりピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙が拡大しても、当初は大きな潤滑油消費量の上昇はない。本実施の形態の例では、Da=20万kmぐらいから次第に潤滑油消費量は増加するが、このような増加の初期では潤滑油消費量自体は問題とならない。それよりも制限速度を低下させないことが車両走行性能上優先される。
しかし或る程度腐食が進行すると、大きな潤滑油消費量の上昇が生じて、このような潤滑油消費量の抑制が車両走行性能上優先されることになる。
したがって本実施の形態では、図4に示したごとく、腐食の進行度に対して基準レベル(ここではDa=25万km)を設けて、腐食の進行度がこの基準レベル以上となった場合に、腐食の進行度の上昇に応じて制限速度(最高速度制限値SPDmax)を低下させている。このことにより適切に車両走行性能を維持させることができる。
(4)腐食の進行度の上昇に応じた制限車速(最高速度制限値SPDmax)の低下は、過度に低下させると、車両走行性能上不適切な状況となる。したがって図4に示したごとく腐食の進行度の上昇に応じて低下される制限車速に下限値(ここでは最高速度制限値SPDmax=160km/h)を設けることにより、このような不適切な状況を避けて、適切に車両走行性能を維持させることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、内燃機関2のオイルパンに潤滑油レベルセンサが設けられて潤滑油面レベルが検出されてECU4に入力されている点、前記図1の車速制限処理の代わりに図5の処理が実行されている点が前記実施の形態1とは異なる。他の構成は前記実施の形態1と同じである。したがって図2も参照して説明する。
車速制限処理(図5)では、潤滑油の消費速度を検出することにより、この潤滑油消費速度からピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙での腐食の進行度を検出している。尚、潤滑油レベルセンサはオイルパンの油面に浮かぶフロートなどを対向する2ヶ所に配置して構成されている。
車速制限処理(図5)について説明する。本処理は一定時間周期Tbで繰り返し実行される処理である。ここで周期Tbとしては数十秒〜数分である。
本処理が開始されると、まず最高速度制限値SPDmaxが下限値に未到達か否かが判定される(S200)。ここで最高速度制限値SPDmaxが下限値に到達していない状態ならば(S200でYES)、次に後述する潤滑油レベルLoilについてその値の更新時間間隔Toil(s)が式2に示すごとく算出される(S202)。
[式2] Toil ← Toil + Tb
式2の右辺の更新時間間隔Toilは前回までに積算された値であり、左辺は今回積算された値である。この更新時間間隔ToilはECU4の不揮発性メモリに記憶される。
次に今回の制御周期にて潤滑油レベルLoilの更新がなされたか否かが判定される(S204)。
ここで潤滑油レベルLoil(mm)は、燃料タンク11に配置されている潤滑油レベルセンサにて検出されているレベル信号値に基づいて、ECU4により計算されているが、直接、潤滑油レベルセンサからのレベル信号値を用いるのではなく、ECU4は次のようにして潤滑油レベルLoilを求めている。
すなわち、しばらくの期間、車速がほぼ0km/hであるタイミング、すなわちオイルパン内の油面が安定しているタイミングに、上述した2ヶ所のフロートの位置から検出された潤滑油レベルの平均値を求めてこれを潤滑油レベルLoilとしている。
このようにして新たに潤滑油レベルLoilを求めたことにより、潤滑油レベルLoilが更新されたことになる。尚、潤滑油レベルLoilはECU4の不揮発性メモリに記憶される。
したがってステップS204ではこの更新がなされた直後の最初の制御周期タイミングか否かが判定されることになる。更新がなされた直後の最初の制御周期タイミングでなければ(S204でNO)、このまま一旦本処理を出る。
したがって潤滑油レベルLoilの更新がなされない限り(S204でNO)、前記式2による更新時間間隔Toilの積算が繰り返されて、制御周期毎に更新時間間隔Toilは周期Tb分増加されることになる。
そしてECU4が潤滑油レベルLoilを更新すると(S204でYES)、潤滑油消費量Doil(g)が算出される(S206)。すなわち前回更新された潤滑油レベルLoilから今回更新された潤滑油レベルLoilを減算した値ΔLoilに対応する潤滑油消費量Doilが算出される。
次にオイルパン内の潤滑油量が増加していない状態か否かが判定される(S208)。すなわち潤滑油消費量Doil≧0(オイルパン内の潤滑油量が減少しているか変化していない)か否かが判定される(S208)。前回更新された潤滑油レベルLoilよりも今回更新された潤滑油レベルLoilが高くなっている場合、すなわちオイルパン内に潤滑油の供給がなされた場合には(S208でNO)、更新時間間隔Toilはクリアされる(S216)。そして一旦本処理を出る。
潤滑油消費量Doil≧0である場合、すなわちオイルパン内の潤滑油量が減少しているか変化していない場合には(S208でYES)、次に潤滑油消費速度Soil(g/s)が式3のごとくに算出される(S210)。
[式3] Soil ← Doil/Toil
次にこの潤滑油消費速度Soilに基づいて図6に示すマップMAPbfにより腐食の進行度Bfを算出する(S212)。尚、腐食の進行度Bfは、ECU4の不揮発性メモリに記憶される。
そしてこの腐食の進行度Bfに基づいて図7に示すマップMAPsbfから最高速度制限値SPDmaxを算出する(S214)。
そして更新時間間隔Toilをクリアして(S216)、本処理を一旦出る。
尚、マップMAPsbf(図7)では、腐食の進行度Bf1までは、初期の最高速度制限値SPDmax(=195km/h)から変化はないが、腐食の進行度Bf1〜Bf2までは、腐食の進行度Bfの増加に比例して低下している。そして腐食の進行度Bf2にて160km/hとなり、これ以後は腐食の進行度Bfが増加しても、最高速度制限値SPDmax(=160km/h)は変化しない。
実際には最高速度制限値SPDmaxが160km/h(下限値)に到達すると(S200でNO)、ステップS202〜S216の処理は実行されなくなり、最高速度制限値SPDmax=160km/hの状態が固定されることになる。
このような最高速度制限値SPDmaxの推移は、前記実施の形態1と同一となるように前記マップMAPbf(図6)とマップMAPsbf(図7)との関係が設定してある。
上述した構成において、ECU4が潤滑油消費速度検出手段、間隙腐食進行度推定手段及び制限設定手段に相当する。車速制限処理(図5)のステップS202〜S210,S216が潤滑油消費速度検出手段としての処理に、ステップS212が間隙腐食進行度推定手段としての処理に、ステップS200,S214が制限設定手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(1)ピストンリング14aとシリンダボア2aとの間隙が腐食に伴って拡大すると、潤滑油消費量Doilが増加する。したがってECU4が検出する潤滑油消費速度Soilは間隙の拡大に対応したものとなることから、潤滑油消費速度Soilに基づいて腐食の進行度Bfを推定している。このことにより潤滑油の消費速度に基づいても前記実施の形態1と同様な効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1において、アルコールの濃度は燃料タンクあるいは燃料供給路に備えられたアルコールセンサによって検出しても良い。
・前記実施の形態1において、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして、内燃機関の燃料中に存在する腐食成分濃度を検出してこの腐食成分濃度に基づいて間隙腐食促進係数Kaを算出しても良い。例えば、燃料中の酸性物質や硫化物の成分濃度を検出する。腐食成分としてはこのような酸性物質や硫化物が主体であり、直接的に腐食成分濃度が判明する。
更に酸性物質の成分濃度の代わりに、燃料中の水素イオン濃度を測定することができるpHセンサを用いて、燃料中の水素イオン濃度を検出しても良い。水素イオン濃度の程度は腐食成分としての酸性物質の成分濃度及び酸の強さの程度に対応しているため、正確なピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルが得られる。
・前記各実施の形態では、腐食の進行度に応じてなされる内燃機関運転の制限としては、制限車速(最高速度制限値SPDmax)を設定していたが、内燃機関回転数NEを制限するものでも良い。すなわち最高回転数を前記図4,7のごとく設定して、これを内燃機関回転数NEの上限としても良い。
・前記実施の形態1においては、内燃機関運転履歴は、車両走行距離として表したが、内燃機関回転回数(内燃機関回転数NEの時間積分値)を用いても良い。
・前記実施の形態1においては、空燃比制御を空燃比センサの検出に基づいて実行していたが、酸素センサにより空燃比制御を実行しても良い。この場合もアルコール混合燃料中のアルコール濃度に応じて、適切な空燃比に差が生じ、この空燃比の違いを利用してECUはアルコール濃度を求めることができる。
2…内燃機関、2a…シリンダボア、4…ECU、6…燃焼室、8…吸気通路、8a…サージタンク、8b…分岐管、8c…吸気ポート、10…燃料噴射弁、11…燃料タンク、11a…燃料ポンプ、12…点火プラグ、14…ピストン、14a…ピストンリング、16…クランクシャフト、18…排気通路、18a…排気ポート、20…吸気バルブ、22…排気バルブ、24…アクセルペダル、26…スロットルバルブ、28…機関回転数センサ、30…冷却水温センサ、32…スロットル開度センサ、34…吸入空気量センサ、36…アクセル操作量センサ、38…カムポジションセンサ、40…空燃比センサ(又は酸素センサ)、42…車速センサ。

Claims (17)

  1. 内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する方法であって、
    内燃機関の燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルと、内燃機関運転履歴とに基づいて、前記腐食の進行度を推定することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定方法。
  2. 内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する装置であって、
    内燃機関の燃料によるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルを検出する腐食促進レベル検出手段と、
    前記腐食促進レベル検出手段にて検出されたピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとこのピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルでの内燃機関運転履歴とに基づいて前記腐食の進行度を推定する間隙腐食進行度推定手段と、
    を備えたことを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  3. 請求項2に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして、内燃機関の燃料中に存在する腐食成分濃度を検出するものであることを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  4. 請求項2に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、ピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとして、内燃機関の燃料中に存在する腐食成分濃度と連動する燃料中の成分の濃度を検出するものであることを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  5. 請求項4に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食成分濃度と連動する燃料中の成分は、アルコールであることを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  6. 請求項5に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記アルコールの濃度を内燃機関の空燃比制御状態に基づいて検出することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  7. 請求項5に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記アルコールの濃度を燃料タンクあるいは燃料供給路に備えられたアルコールセンサにより検出することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  8. 請求項3に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記腐食成分濃度として燃料中の酸性物質の成分濃度を検出することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  9. 請求項8に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段は、前記酸性物質の成分濃度として、pHセンサにて燃料中の水素イオン濃度を検出することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  10. 請求項2〜9のいずれか一項に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、内燃機関は車両走行駆動用であり、前記内燃機関運転履歴は車両走行距離として表し、前記間隙腐食進行度推定手段は、前記車両走行距離と、この車両走行距離に対応して前記腐食促進レベル検出手段にて検出されるピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルとにより、前記腐食の進行度を推定することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  11. 請求項10に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置において、前記腐食促進レベル検出手段はピストンリング・シリンダボア間隙腐食促進レベルを係数として算出し、前記間隙腐食進行度推定手段は、この係数と前記車両走行距離との積により得られる腐食促進レベル換算車両走行距離を前記腐食の進行度として算出することを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  12. 内燃機関のピストンリングとシリンダボアとの間隙を拡大させる腐食の進行度を推定する装置であって、
    潤滑油の消費速度を検出する潤滑油消費速度検出手段と、
    前記潤滑油消費速度検出手段により検出される潤滑油の消費速度に基づいて前記腐食の進行度を推定する間隙腐食進行度推定手段と、
    を備えたことを特徴とするピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置。
  13. 請求項2〜12のいずれか一項に記載のピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置と、
    前記ピストンリング・シリンダボア間隙腐食進行度推定装置により推定された前記腐食の進行度に応じて内燃機関運転に制限を設ける制限設定手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関運転制限装置。
  14. 請求項13に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、内燃機関回転数を制限するものであることを特徴とする内燃機関運転制限装置。
  15. 請求項13に記載の内燃機関運転制限装置において、内燃機関は車両走行駆動用であり、前記制限設定手段は、車速を制限するものであることを特徴とする内燃機関運転制限装置。
  16. 請求項15に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、前記間隙腐食進行度推定手段にて推定される腐食の進行度が基準レベル以上となった場合に、前記腐食の進行度の上昇に応じて制限速度を低下させることを特徴とする内燃機関運転制限装置。
  17. 請求項16に記載の内燃機関運転制限装置において、前記制限設定手段は、前記腐食の進行度の上昇に応じて低下される制限車速に下限値を設けていることを特徴とする内燃機関運転制限装置。
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