JP2017008670A - コンクリート片のはく落防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈曲可能で、通常の鋏などで切断可能で、しかも、はく落に対して十分な強度を有する落下防止ネットを用いてはく落を防止する方法を提供する。
【解決手段】コンクリート躯体10の表面に落下防止ネット12を複数個のアンカーピン13で貼着し、はく落したコンクリート片の落下を防止するようにしたはく落防止方法において、前記落下防止ネット12は、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆した耐アルカリ性、防炎性を有する繊維を編み込んだものであって、屈曲可能で、通常の鋏で切断可能なものからなる。また、落下防止ネット12における網目の間隔は、コンクリート躯体10の骨材の直径より小さく、アンカーピン13の直径より大きくする。
【選択図】図4

Description

本発明は、橋梁やトンネルなどのコンクリート躯体から剥落し、又は、剥落しそうになったコンクリート片の落下を防止するためのコンクリート片のはく落防止方法に関するものである。
この種のコンクリート片のはく落防止方法には、格子状のFRPネットをアンカーピンでコンクリート面に固着する方法(特許文献1)と、FRP格子筋とコンクリート面との間に網状物を介在させてアンカーボルトで固着する方法(特許文献2)とが知られている。
特許文献1に記載のFRPネットは、升目間隔を50mmとし、これに、60mm角の座板を被せ、アンカーピンをコンクリート面に打ち込んで固着するという方法が記載されている。
特許文献2には、FRP格子筋が格子間距離を30〜150mmとした格子板状に形成硬化し、この格子筋だけをアンカーボルトで固着する方法と、この格子筋とコンクリート面との間に1mm〜25mm程度の網状物を介在させてアンカーボルトで固着する方法が記載されている。そして、格子筋に網状物を重ねた場合には、網状物で小さなコンクリート片の落下を防止し、格子筋で大きなコンクリート片の落下を防止するというものである。
特開2009−256881号公報 特開2006−9266号公報
特許文献1及び2に示すものは、格子ネットも格子筋も硬質のFRPであるため、重量の大きな剥落コンクリート片の落下を確実に防止できるが、コンクリート面が屈曲していたり、湾曲していたりすると、格子ネットも格子筋も予めその変形面に合わせた形状に製作しなければならない。また、突起物や排水管等の障害物を避けるためには、一部を切断するなどのきわめて面倒な加工を施さなければならない。
さらに、橋梁などの長尺のコンクリートは、伸縮膨張による位置ずれを避けるために2つのコンクリート盤を目地部で連結しており、この目地部に近いコンクリート面のひび割れが生じやすいが、この目地部を挟んで硬質の格子ネット等で被覆すると、車両の通行や地震動で2つのコンクリートが異なる方向に移動してアンカーボルトに不必要な力が働き、抜けたり、保持力が弱めたりするなどの問題があった。
本発明は、屈曲可能で、通常の鋏などで切断可能で、しかも、はく落に対して十分な強度を有する落下防止ネットを用いてはく落を防止する方法を提供しようとするものである。
本発明によるコンクリート片のはく落防止方法は、コンクリート躯体10の表面に落下防止ネット12を複数個のアンカーピン13で貼着し、前記コンクリート躯体10からはく落したコンクリート片の落下を防止するようにしたコンクリート片のはく落防止方法において、
前記落下防止ネット12は、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆した耐アルカリ性、防炎性を有する繊維を編み込んだものであって、屈曲可能で、通常の鋏で切断可能なものからなることを特徴とする。
落下防止ネット12を構成する経糸と緯糸は、430〜440μmの繊維を2000dtexとなるように引き揃えた2本を撚糸とし、この4000dtexの撚糸をさらに引き揃えた2本を撚糸とし、これら8000dtexの撚糸からなる直径約0.8mmの経糸と緯糸を網糸で編みこんでなることを特徴とする。
落下防止ネット12における網目の間隔は、コンクリート躯体10の骨材の直径より小さく、アンカーピン13の直径より大きくしたことを特徴とする。
コンクリート躯体10に落下防止ネット12を貼着する際に、落下防止ネット12の周縁部を両面テープで仮貼着後にアンカーピン13により所定間隔で固着する。
コンクリート躯体10に落下防止ネット12を貼着するに際し、落下防止ネット12の周縁部に縁用ネット29を重ねてアンカーピン13で固着する。
コンクリート躯体10にある障害物31を避けるために落下防止ネット12の一部を鋏で切除し、この切除部分の周縁部に補助ネット30をあてがい、アンカーピン13でコンクリート躯体10に固着する。
トンネル内などのより厳格な条件が求められる場合には、落下防止ネット12とコンクリート躯体10との間に、この落下防止ネット12の網目より大きな間隔で組み立てられ、かつ、屈曲性を有する補助枠35をあてがい、これらの落下防止ネット12と補助枠35とをアンカーピン13でコンクリート躯体10に固着する。
請求項1記載の発明によれば、コンクリート躯体の表面に落下防止ネットを複数個のアンカーピンで貼着し、前記コンクリート躯体からはく落したコンクリート片の落下を防止するようにしたコンクリート片のはく落防止方法において、前記落下防止ネットは、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆した耐アルカリ性、防炎性を有する繊維を編み込んだものであって、屈曲可能で、通常の鋏で切断可能なものからなるので、落下防止ネットだけでコンクリート片のはく落を防止することができる。また、コンクリート躯体に突起物などの障害物があっても落下防止ネットを通常の鋏で切除して簡単に対処することができる。また、ネットとコンクリート面との間に水滴や熱がこもらず、遊離石灰によるコンクリートの劣化を防止できる。さらに、コンクリート面の亀裂などを目視観察、赤外線検査ができる。さらにまた、目地部で連結されている2つのコンクリート躯体に不必要にストレスを与えることがない。
請求項2記載の発明によれば、落下防止ネットを構成する経糸と緯糸は、430〜440μmの繊維を2000dtexとなるように引き揃えた2本を撚糸とし、この4000dtexの撚糸をさらに引き揃えた2本を撚糸とし、これら8000dtexの撚糸からなる直径約0.8mmの経糸と緯糸を網糸で編みこんでなるので、細くて、軽く、強度のあるネットが得られる。また、打音検査によるネットの損傷がない。
請求項3記載の発明によれば、落下防止ネットにおける網目の間隔は、コンクリート躯体の骨材の直径より小さく、アンカーピンの直径より大きくしたので、コンクリートがはく落して、落石がネットを通過しても、人体、車両等にほとんどダメージを与えることがない。
請求項4記載の発明によれば、コンクリート躯体に落下防止ネットを貼着する際に、落下防止ネットの周縁部を両面テープで仮貼着後にアンカーピンにより所定間隔で固着したので、落下防止ネットの貼着作業が円滑に行える
請求項5記載の発明によれば、コンクリート躯体に落下防止ネットを貼着するに際し、落下防止ネットの周縁部に縁用ネットを重ねてアンカーピンで固着したので、はく落したコンクリート片の荷重がかかっても落下防止ネットの端縁部のほつれを防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、コンクリート躯体にある障害物を避けるために落下防止ネットの一部を鋏で切除し、この切除部分の周縁部に補助ネットをあてがい、アンカーピンでコンクリート躯体に固着したので、落下防止ネットの一部を切除したり、切込みを入れたりしても落下防止ネット12の強度が落ちることはない。
請求項7記載の発明によれば、落下防止ネットとコンクリート躯体との間に、この落下防止ネットの網目より大きな間隔で組み立てられ、かつ、屈曲性を有する補助枠をあてがい、これらの落下防止ネットと補助枠とをアンカーピンでコンクリート躯体に固着したので、トンネルなどの特に強度を要求され、しかも湾曲しているよう場合に有効である。
請求項8記載の発明によれば、アンカーピンは、落下防止ネットの網目より十分に大きな板状の座板と、この座板の略中央のくぼみに嵌め込む座金と、このアンカーピンと座板の略中央の差し込み孔に差し込まれるつば部を有するアンカーパイプと、このアンカーパイプの内部に打ち込まれる拡開プラグとからなり、この拡開プラグの打ち込みによって前記アンカーパイプの先端部の凹凸溝を膨出させてコンクリート躯体に穿設した下穴に圧接固着し、固着後に充填材を下穴内に注入してなるので、アンカーピンの経年劣化を防止することができる。
本発明によるコンクリート片のはく落防止方法を説明するためのコンクリート躯体10にアンカーピン13で落下防止ネット12を取り付けた状態の断面図である。 目地部11で連結された2つのコンクリート躯体10の間に落下防止ネット12を取り付けた本発明によるコンクリート片のはく落防止方法を説明する断面図である。 (a)は、落下防止ネット12に座板14とアンカーピン13で取り付けた状態の正面図、(b)は、落下防止ネット12に縁用ネット29を重ねて座板14とアンカーピン13で取り付けた状態の正面図である。 (a)は、橋梁33の側面から下面にかけて落下防止ネット12を取り付けた状態の断面図、(b)は、(a)の底面図である。 トンネルに本発明のコンクリート片のはく落防止方法を施工している状態の断面図である。 トンネルに使用される落下防止ネット12の一例を示す正面図である。 (a)は、図6の一部の拡大正面図、(b)は、(a)の側断面図である。 (a)は、引き抜き試験を示す正面図、(b)は、引き抜き試験を示す平面図である。 引き抜き試験における伸びXと荷重Yの関係を示す特性図である。
本発明は、コンクリート躯体10の表面に落下防止ネット12を複数個のアンカーピン13で貼着し、前記コンクリート躯体10からはく落したコンクリート片の落下を防止するようにしたコンクリート片のはく落防止方法において、前記落下防止ネット12は、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆した耐アルカリ性、防炎性を有する繊維を編み込んだものであって、屈曲可能で、通常の鋏で切断可能なものが用いられる。
落下防止ネット12は、具体的には、経糸と緯糸は、430〜440μmの繊維を2000dtexとなるように引き揃えた2本を撚糸とし、この4000dtexの撚糸をさらに引き揃えた2本を撚糸とし、これら8000dtexの撚糸からなる直径約0.8mmの経糸と緯糸を網糸で編みこんで構成する。
また、落下防止ネット12における網目の間隔は、コンクリート躯体10の骨材の直径より小さく、アンカーピン13の直径より大きくする。
コンクリート躯体10に落下防止ネット12を貼着する際に、落下防止ネット12の周縁部を両面テープで仮貼着後にアンカーピン13により所定間隔で固着する。
コンクリート躯体10に落下防止ネット12を貼着するに際し、落下防止ネット12の周縁部に補強のために縁用ネット29を重ねてアンカーピン13で固着する。
コンクリート躯体10にある障害物31を避けるために落下防止ネット12の一部を鋏で切除したり、切込みを入れたりする場合には、この切除部分の周縁部に補助ネット30をあてがい、アンカーピン13でコンクリート躯体10に固着する。
トンネル工事等では、落下防止ネット12とコンクリート躯体10との間に、この落下防止ネット12の網目より大きな間隔で組み立てられ、かつ、屈曲性を有する補助枠35をあてがい、これらの落下防止ネット12と補助枠35とをアンカーピン13でコンクリート躯体10に固着してコンクリート片のはく落を防止する。
本発明によるコンクリート片のはく落防止方法の実施例1を図面に基づき説明する。
図2は、橋梁のような、長尺の2つのコンクリート躯体10が間に目地部11で連結した構造物を示しており、この目地部11を挟んだ2つのコンクリート躯体10の表面に跨って落下防止ネット12を張り巡らし、アンカーピン13で固着した例を示している。
前記落下防止ネット12は、屈曲可能で、通常の鋏により切断可能で、しかも、はく落に対して十分な強度と、耐アルカリ性、防炎性を有するものが用いられる。具体的には、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆したもので、直径430〜440μmの繊維を2000dtex(10000m当り2000g)となるように引き揃え、この2000dtexの2本を撚糸として4000dtexとし、この4000dtexの2本を引き揃え、300dの編糸で編込んでこれらをそれぞれ直径約0.8mmの経糸と緯糸として織り込んだものである。
前記落下防止ネット12は、平織りとすると、その網目の間隔dは、図3(a)に示すように、コンクリート躯体10に混練する骨材の直径(通常、13mm)より小さく、アンカーピン13の直径(通常、4.5又は6mm)より大きくすることが好ましく、本実施例では、d=80mm×80mmとした。前記落下防止ネット12は、平織りに限られず、綾織その他の公知の織り方であってもよい。
前記落下防止ネット12をコンクリート躯体10の表面に固定するには、アンカーピン13が使用される。このアンカーピン13は、アンカーパイプ16と座板14と拡開プラグ22と座金25とからなる。前記アンカーパイプ16は、外径が4.5又は6.0mmで、長さが45〜100mm程度のステンレスパイプからなり、基端部には、外側に開いたつば部17が形成され、先端部には、5mm程度の間隔で円周方向に内方突条19と外方突条20からなる凹凸溝18が形成されるとともに、長さ方向に2〜4本のすり割り21が形成されている。前記拡開プラグ22は、前記アンカーパイプ16の内側に略接しながら差し込まれるような円柱形をなし、先端部にテーパー部23が形成されている。
前記座板14は、幅が50〜100mm程度(実施例では60mm)のFRPの正方形の板状で、中央に座金25が嵌め込まれるくぼみ26とこのくぼみ26の中心部に前記アンカーパイプ16が貫通する差し込み孔27が形成され、また、この差し込み孔27の背面には、必要に応じて突縁部が膨出している。
以上のような落下防止ネット12とアンカーピン13を用いてコンクリート躯体10の表面に落下防止ネット12を貼着する作業工程を説明する。
図2に示すように、2枚のコンクリート躯体10が目地部11を介在して連続するような場合には、連続する端縁部に兎角ひび割れ15が生じ易いので、前記目地部11を挟む両側に連続する落下防止ネット12を貼着することが好ましい。
そこで、準備工として幅2.1m、長さ50.0mに編みこまれ、ロール状に巻かれた落下防止ネット12を用意し、幅2.1m、長さ4.1mに切断する。
切断した落下防止ネット12の端縁部は、3〜10mm幅の両面接着テープでコンクリート躯体10の面に仮止めする。
仮止めした落下防止ネット12の端縁部に、例えば、1000mm、600mm、500mm、250mmなど目的に応じた所定間隔でコンクリート躯体10にドリルで下穴24を穿設する。このとき、下穴24が落下防止ネット12の網目の中心で繊維を切断しないように注意して穿設する。下穴24の深さは、アンカーピン13の長さに合わせる。
落下防止ネット12の上に座板14の差し込み孔27が下穴24と一致するようにあてがい、座板14のくぼみ26に座金25を嵌め込み、アンカーパイプ16を差し込む。つぎに、アンカーパイプ16の中にテーパー部23が先端になるようにして拡開プラグ22を挿入する。拡開プラグ22の挿入後、打ち込み棒をアンカーパイプ16の中に差し込み、ハンマーで拡開プラグ22を打ち込むと、拡開プラグ22により凹凸溝18の内方突条19が外側に押し広げられ、外方突条20が下穴24の内壁に圧接してアンカーピン13は、抜け止めとなる。
アンカーピン13がコンクリート躯体10に固着されたらアンカーパイプ16の内部に樹脂注入ガンで充填材28を圧入すると、充填材28は、アンカーパイプ16の内部からすり割り21を経てアンカーパイプ16と下穴24の隙間にも流れ込み、つば部17の部分で平らにならしてアンカーピン13の打ち込みを終了する。
同様にして、アンカーピン13が所定間隔で打ち込まれて落下防止ネット12がコンクリート躯体10の表面に貼着される。
次に、橋梁33に設置する場合について説明する。
橋梁33は、走行側か、追い越し側か、形状はどうか、障害物はあるかなどによって施工位置が異なるため、異なる位置に応じて落下防止ネット12を加工しておくことが必要である。
例えば、図4(a)に示すように、橋梁33の走行車線の遮音壁の側面から下面を保護し、かつ、下面から配水管等の障害物31が突出している場合について説明する。
この場合において、垂直面部分は、800mm、下面部分は1200mmで、全体の幅を2000mmに裁断しておく。長さは、4.1mとする。4.0mとせず、10cmだけ長くしたのは、長さ方向に連続するとき、重ね合わせ部分を10cmとするためである。
このように裁断した落下防止ネット12において、配水管等の障害物31などの障害物がある場合には、図4(b)に示すように、円形と直線の切り込み32を通常の鋏で切断加工しておく。直線の切り込み32には、補助ネット30を被せる。
このように加工された落下防止ネット12を両面テープで仮止めする。
仮止め後、図1に示した方法で落下防止ネット12の端縁部を所定間隔で固着する。具体的には、落下防止ネット12の長さ方向の間隔は、1000mmとし、幅方向の間隔は、垂直面の上端部に1個、下面の曲がり角部に1個、下面の端縁部に1個とする。
配水管等の障害物31を避けるために切除した切り込み32の部分と、補助ネット30を被せた部分には、できるだけ細かにアンカーピン13を打ち込み固着する。
アンカーピン13の打ち込みに際し、比較的荷重がかからない場所には、図3(a)のように、落下防止ネット12に直接座板14をあてがいアンカーピン13で固着する。また、比較的大きな荷重がかかると予想される場所には、図3(b)のように、落下防止ネット12の端縁部に10cm幅程度の網目の細かな縁用ネット29を重ねてアンカーピン13で固着することが望ましい。
アンカーピン13の打ち込み後、図1と同様にアンカーパイプ16の内部に樹脂注入ガンで充填材28を圧入する。
次にトンネル34の内壁などのように、落下防止ネット12の最大荷重の基準が一般的なコンクリート躯体10の表面のはく落基準より高いような場合には、トンネル34の長さ方向と直角な方向に、たとえば、600×2000mmの幅の狭い落下防止ネット12を用いる。この落下防止ネット12を固着するためには、アンカーピン13の間隔が500mm、350mm、250mmなど狭くすることが考えられるが、図6及び図7に示すように、落下防止ネット12の内側に補助枠35を挿入する。この補助枠35は、幅が20〜30mm、厚さが5〜15mmで、端縁部の間隔が50〜150mm、中央部の間隔が400〜500mmの屈曲可能なFRP薄板で構成する。
このような補助枠35と落下防止ネット12を用いることによって、図5のように、湾曲している壁面にもぴったりと密着させて取り付けることができ、かつ、大きなはく落があった場合には、確実に落下を防止できる。
本発明に用いた落下防止ネット12の引き抜き試験を説明する。
図8(a)(b)において、固定盤37の中央に直径100mmの円形の載荷板38を載せ、この載荷板38の上に幅600mm、長さ650mmの試験片としての落下防止ネット12を被せる。この落下防止ネット12の中心位置の網目から前記載荷板38の中心に連結した軸40を突出させる。この軸40は、引抜機39に連結する。前記落下防止ネット12は、幅方向に500mmのピッチと、長さ方向250mmのピッチで6箇所をアンカーピン13で前記固定盤37に固着する。
この状態で、引抜機39により載荷板38を20mm/minの速度で引き抜く。すると、落下防止ネット12の伸びXと載荷板38に加えられる荷重Yは、略正比例して変化し、所定荷重Yで破壊する。
同様の試験を3回繰り返したときの波形が図9に示される。これを数値で表すと、次の通りであった。
試験片No. 最大荷重Y(kN) 最大伸びX(mm)
1 1.981 238.65
2 2.064 249.41
3 2.334 267.46
平均値 2.126 251.84
標準的な落下防止ネット12には、最大荷重Y=1.2kN以上
トンネル34の落下防止ネット12には、最大荷重Y=1.5kN以上
であることが求められているので、前記試験結果によれば、いずれの場合にも十分な数値が得られた。
10…コンクリート躯体、11…目地部、12…落下防止ネット、13…アンカーピン、14…座板、15…ひび割れ、16…アンカーパイプ、17…つば部、18…凹凸溝、19…内方突条、20…外方突条、21…すり割り、22…拡開プラグ、23…テーパー部、24…下穴、25…座金、26…くぼみ、27…差し込み孔、28…充填材、29…縁用ネット、30…補助ネット、31…配水管等の障害物、32…切り込み、33…橋梁、34…トンネル、35…補助枠、36…作業車、37…固定盤、38…載荷板、39…引抜機、40…軸。

Claims (8)

  1. コンクリート躯体の表面に落下防止ネットを複数個のアンカーピンで貼着し、前記コンクリート躯体からはく落したコンクリート片の落下を防止するようにしたコンクリート片のはく落防止方法において、
    前記落下防止ネットは、高強力ビニロン系繊維に塩ビ系樹脂を被覆した耐アルカリ性、防炎性を有する繊維を編み込んだものであって、屈曲可能で、通常の鋏で切断可能なものからなることを特徴とするコンクリート片のはく落防止方法。
  2. 落下防止ネットを構成する経糸と緯糸は、430〜440μmの繊維を2000dtexとなるように引き揃えた2本を撚糸とし、この4000dtexの撚糸をさらに引き揃えた2本を撚糸とし、これら8000dtexの撚糸からなる直径約0.8mmの経糸と緯糸を網糸で編みこんでなることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  3. 落下防止ネットにおける網目の間隔は、コンクリート躯体の骨材の直径より小さく、アンカーピンの直径より大きくしたことを特徴とする請求項2記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  4. コンクリート躯体に落下防止ネットを貼着する際に、落下防止ネットの周縁部を両面テープで仮貼着後にアンカーピンにより所定間隔で固着したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  5. コンクリート躯体に落下防止ネットを貼着するに際し、落下防止ネットの周縁部に縁用ネットを重ねてアンカーピンで固着したことを特徴とする1、2、3又は4記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  6. コンクリート躯体にある障害物を避けるために落下防止ネットの一部を鋏で切除し、この切除部分の周縁部に補助ネットをあてがい、アンカーピンでコンクリート躯体に固着したことを特徴とする1、2、3、4又は5記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  7. 落下防止ネットとコンクリート躯体との間に、この落下防止ネットの網目より大きな間隔で組み立てられ、かつ、屈曲性を有する補助枠をあてがい、これらの落下防止ネットと補助枠とをアンカーピンでコンクリート躯体に固着したことを特徴とする1、2、3、4、5又は6記載のコンクリート片のはく落防止方法。
  8. アンカーピンは、落下防止ネットの網目より十分に大きな板状の座板と、この座板の略中央のくぼみに嵌め込む座金と、このアンカーピンと座板の略中央の差し込み孔に差し込まれるつば部を有するアンカーパイプと、このアンカーパイプの内部に打ち込まれる拡開プラグとからなり、この拡開プラグの打ち込みによって前記アンカーパイプの先端部の凹凸溝を膨出させてコンクリート躯体に穿設した下穴に圧接固着し、固着後に充填材を下穴内に注入してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のコンクリート片のはく落防止方法。
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