JP2017008283A - 樹脂配合物 - Google Patents

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Kotaro IWATANI
航太朗 岩谷
睦美 加藤
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睦美 加藤
渡辺 克哉
Katsuya Watanabe
克哉 渡辺
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Abstract

【解決課題】コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供する。
【解決手段】 樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、前記樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/前記樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99であることを特徴とする樹脂配合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂配合物に関する。
従来より、樹脂配合物は各種用途に使用されており、例えば、特許文献1(特開2004−291492号公報)には、スポットライト、ダウンライト、投光器等の照明器具に使用される光反射板であって、所望形状に成形した樹脂製基材上に適宜アンダーコート層を設けた上で、高輝性光反射膜を製膜し、さらに当該高輝性光反射膜上にSiO、Al等の透明薄膜からなるトップコート層を形成してなる光反射板が開示されている。
特許文献1記載の光反射板においては、樹脂製基材上に銀あるいは銀合金からなる高輝性光反射膜が形成されており、当該光反射膜が光源に対向するように光反射板を設置することにより、光源から出射された光を所望の方向に反射、集光している。
特開2004−291492号公報
ところで、上記光反射板においては、トップコート層形成時における焼付けおよび冷却処理によって樹脂製基材および高輝性光反射膜が熱変化に曝される場合があり、また、照明器具の使用時においても光反射板が高温状態になり、同様に樹脂製基材および高輝性光反射膜が熱変化に曝される場合がある。上記熱変化に伴って、樹脂製基材および高輝性光反射膜の両者が膨張、収縮することになるが、通常、樹脂製基材および高輝性光反射膜の線熱膨張係数は異なることから、熱変化に伴って高輝性光反射膜に皺が生じたり、繰り返し熱変化に曝されることによって樹脂製基材や高輝性光反射膜にひび割れやクラックを生じる場合がある。
このため、樹脂製基材の構成材料としては、熱変化に伴う膨張、収縮の程度が抑制された線熱膨張係数が小さいものが求められるとともに、高輝性光反射膜の構成材料との線熱膨張係数差が小さいものが求められるが、樹脂製基材の構成材料は、通常、樹脂成分以外にも酸化防止剤、着色剤、分散剤等を含み、これ等の配合割合や使用する分散剤等が変更された場合には線熱膨張係数をその都度調整する必要が生じ、場合によっては調整自体が困難な場合がある。
また、高輝性光反射膜として、銀あるいは銀合金からなるもの以外にもアルミニウム等からなるものも知られており、高輝性光反射膜が変更された場合には樹脂製基材の配合を改めて調整する必要が生じてしまう。
一方、近年、照明器具の多様化、低コスト化に伴い、樹脂基材としても、一定程度の耐久性を有しつつ安価に提供し得るものが求められるようになっている。
上記熱膨張係数等の特性を有する材料は、照明器具分野に限らず多岐の分野で求められるようになっている。
このような状況下、本発明は、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決するために本発明者等が鋭意検討した結果、樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、前記樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/前記樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99である樹脂配合物により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、
JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、前記樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/前記樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99である
ことを特徴とする樹脂配合物、
(2)樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、
JIS K 7197の規定により測定される線熱膨張係数が2.1×10−5/℃〜2.5×10−4/℃である
上記(1)に記載の樹脂配合物、
(3)前記石油コークスが、平均粒子径が0μmを超え100μm以下である上記(1)または(2)に記載の樹脂配合物、
(4)前記石油コークスの乾燥状態での硫黄含有量が1〜12質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂配合物、
(5)前記石油コークスが、原油の常圧蒸留残渣油または減圧蒸留残渣油を熱分解して得られるコークスを乾燥処理してなるものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂配合物、
を提供するものである。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供することができる。
本発明の樹脂配合物は、樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、前記樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/前記樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99であることを特徴とするものである。
本発明の樹脂配合物は、樹脂成分を20〜99質量%含む。
本発明の樹脂配合物において、樹脂成分としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂から選ばれる一種以上を挙げることができ、特に制限されない。
二種以上の樹脂を混合して樹脂成分とする場合は、任意に選択した樹脂を物理的又は化学的に所定の組成比でブレンドしたポリマーアロイやポリマーブレンドなどであってもよい。また、樹脂成分を構成する樹脂は、変性物であってもよく、2種以上のモノマーを所定の比で重合した共重合体であってもよい。
上記共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体およびグラフト共重合体から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の樹脂配合物において、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース類、含フッ素重合体、含硫黄重合体およびスチレン系樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の樹脂配合物において、ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
ポリオレフィン系樹脂として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン等から選ばれる一種以上が挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)などが挙げられ、好ましくはPA12、PA6、PA66である。
ポリイミド樹脂としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ビスマレイミド、ポリエーテルイミド(PEI)などが挙げられ、好ましくはPI、PEIである。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロ・ヘキサン・ジメチレン・テレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)などが挙げられ、好ましくはPBT、PET、PAR、PEN、LCP、PCである。
ポリエーテル樹脂としては、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルニトリル(PENT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPEなどが挙げられ、好ましくは、POM、PENT、PEEK、PEK、変性PPEである。
含フッ素重合体としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ四フッ化エチレンエチレン(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化アルキルビニルエーテル(PFA)などが挙げられ、好ましくはPTFE、PFAである。
含硫黄重合体としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリサルホン(PSF)などが好ましく挙げられる。
なお、共重合体としては、前記共重合体の他、例えば、アクリレート・スチレン・アクリロニトリル(AAS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンマレイミドなどが挙げられる。
本発明の樹脂配合物において、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアヌレート樹脂及びフェノール樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラックなどのフェノール系グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールなどのアルコール系グリシジルエーテルなどの主剤と、硬化剤との組み合せなどが挙げられる。
なお、硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミド、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、3級アミンなどのアミン化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、主剤と硬化剤の反応を促進させる反応促進剤を用いることもできる。反応促進剤としては、例えば、フェノール、p−t−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、クレゾール、トリフェニルフォスファイト、サリチル酸、トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらの反応促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂配合物は、樹脂成分を20〜99質量%含むものであり、30〜99質量%含むものであることが好ましく、40〜95質量%含むものであることがより好ましい。
本発明の樹脂配合物において、樹脂成分として熱硬化性樹脂を用いる場合、樹脂配合物がさらに硬化剤や反応促進剤等を含む場合には、該硬化剤及び反応促進剤も樹脂成分に含むものとして、その含有割合を算出するものとする。
本発明の樹脂配合物において、樹脂成分の含有割合が上記範囲内であることにより、一定量の石油コークスの配合を可能とし、樹脂配合物の製造コストの上昇を抑制しつつ、線熱膨張係数を所望範囲に容易に制御することができる。
本発明の樹脂配合物は、石油系コークスを1〜80質量%含む。
石油コークスは、石油精製プロセスにおいて生成する熱分解原料油を、熱分解装置で熱分解処理されることにより得られるものであり、熱分解処理により生成する軽質分を採取した後に残るものである。
熱分解処理される熱分解原料油としては、原油を常圧蒸留した後の常圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留した後の減圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油や、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)との混合油が挙げられる。
熱分解原料油に係る常圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、原油を常圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油に係る減圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油であってもよく、熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油である場合、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合割合は、特に制限されず、適宜調節される。
常圧蒸留残渣油の蒸留原料となる原油としては、特に制限されず、原油種としては、例えば、アラビアンヘビー、アラビアンミディアム、アラビアンライト、アラビアンエクストラライト、クウェート、バスラ、オマーン、マーバン、ムバラスブレンド、ザクム、アッパーザクム、カタールランド、カタールマリン、ウムシャイフ、シリー、カフジ、エスポ等が挙げられ、いずれか1種であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
また、熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油、すなわち、常圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、又は常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油であってもよい。熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油である場合、他の炭化水素油(1)は、本発明の効果を示す範囲の炭化水素油であればよく、例えば、流動接触分解処理のスラリーオイル、エチレンクラッカー残渣油等が挙げられる。
熱分解処理の条件として、熱分解温度は、好ましくは490〜510℃、より好ましくは495〜505℃であり、また、熱分解処理の際の圧力(ゲージ圧)は、好ましくは0.01〜0.6MPaG、より好ましくは0.05〜0.4MPaGである。
また、熱分解処理の雰囲気は、スチームである。
また、熱分解処理中に過度の発泡が認められる場合は、消泡剤を投入する事もある。消泡剤としては、一般的にシリコン系の消泡剤などを用いることができる。
熱分解原料油の熱分解により生成する石油コークスは、熱分解処理後、ウォータージェット等を用いて砕かれて、熱分解装置から取り出される。そして、熱分解装置から取り出される石油コークスは、一般にショットコークスと呼ばれる形状が粒状のものや、一般にスポンジコークスと呼ばれる形状が多孔質の大きな塊状のものであり、本発明に係る石油コークスを製造するための粉砕原料としては、ショットコークスであっても、スポンジコークスであっても、それらの混合物であってもよい。また、熱分解装置から取り出された石油コークスは、必要に応じて、室温(20℃)以上500℃未満の温度下で乾燥される。
次いで、熱分解装置から取り出された石油コークスは、必要に応じて、適宜粉砕処理される。粉砕処理を行うための粉砕手段としては、特に制限されず、また、乾式であっても湿式であってもよい。粉砕手段としては、ジョークラッシャ、ジョイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマクラッシャ、自生粉砕機、ボールミル、ローラミル、高速回転ミル、ジェットミル等の粉砕装置が挙げられる。また、粉砕処理条件は、目的とする微粉砕物の平均粒子径、その他の粒度特性、粉砕手段、粉砕回数等により、適宜選択される。粉砕処理された石油コークスは、必要に応じて分級される。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスの平均粒子径(D50)は、0μmを超え100μm以下であることが好ましい。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスの平均粒子径(D50)は、80μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましく、20μm以下が特に好ましい。
また、本発明に係る石油コークスにおいて、石油コークスの平均粒子径(D50)は、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。
石油コークスの平均粒子径(D50)が上記範囲内にあることにより、本発明の樹脂配合物に配合したときに、コストの上昇を抑制しつつ分散性を高めることができる。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスは、下記式(A)
(D90−D10)/D50 (A)
(ただし、D10、D50(平均粒子径)、D90は、各々、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算粒度10%、50%、90%の粒径を意味する)
で表されるスパンが、0.3〜7であることが好ましく、0.3〜6であることがより好ましい。
石油コークスのスパンが上記範囲内にあることにより、本発明の樹脂配合物に配合したときに配合条件を容易に設計することができる。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスのD90は、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
また、本発明に係る石油コークスにおいて、石油コークスのD10は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークスのD10、D50(平均粒子径)およびD90は、各々、JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算粒度で、10%、50%および90%の粒径を意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスの硫黄含有量は、乾燥状態での硫黄含有量で、1〜12質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、4〜8質量%がさらに好ましい。硫黄含有量が上記範囲にあることにより、基礎材料である樹脂成分との親和性が向上し、石油コークスの分散性を向上させることができる。
熱分解原料油の熱分解処理により得られるコークスは、通常、水分を1〜12質量%程度含有しているため、含水した状態の石油コークスの質量を、硫黄含有量の算出の基準とすると、石油コークスの含水状態により、石油コークス中の硫黄含有量の計算値が変動してしまう。そこで、石油コークス中の硫黄含有量の算出に当たっては、含水状態の石油コークスを200℃±10℃で4時間乾燥(JIS M 8811に準拠)させ、得られる乾燥状態の石油コークスの質量を測定し、その乾燥状態の石油コークスの質量を基準に、JIS M 8819の規定に基づいて石油コークス中の硫黄含有量を算出する。つまり、石油コークスの乾燥状態での硫黄含有量とは、乾燥状態の石油コークスの質量に対する石油コークス中の硫黄の質量を意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスの嵩密度は、0.1〜1.0g/cmが好ましい。
石油コークスの嵩密度の上限値は、0.8g/cmがより好ましく、0.5g/cmがさらに好ましく、0.4g/cmが特に好ましい。
石油コークスの嵩密度の下限値は、0.2g/cmがより好ましく、0.3g/cmがさらに好ましい。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスとしては、炭素原子を70〜90質量%、水素原子を1〜10質量%含むものが好ましい。
なお、本出願書類において、炭素原子含有量および水素原子含有量は、JIS M 8813に準拠して測定された値を意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスは、炭素原子および水素原子を、通常、炭化水素基の形態で含有している。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスが炭化水素基を有していることは、赤外線吸収スペクトル分析(IR)により確認することができ、石油コークスのIRチャートにおいて、2800〜3000cm−1付近にC−H、−CH−、CH−の伸縮振動に由来するピーク、1600cm−1付近にフェニル基C=Cに由来するピーク、1300〜1500cm−1付近にC−H、−CH−、CH−の変角振動に由来するピーク、800〜900cm−1付近にフェニル基C−Hに由来するピークのいずれか一種以上のピークが検出されることによって確認することができる。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスは、窒素含有量が、0.1〜2.0質量%であることが好ましい。
なお、本出願書類において、窒素含有量は、JIS M 8813に準拠して測定した値を意味する。
また、本発明の樹脂配合物において、石油コークスの芳香族性炭素含有割合は、好ましくは75〜98質量%、より好ましくは85〜95質量%である。
なお、本出願書類において、石油コークスの芳香族性炭素含有割合は、13CNMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける芳香族炭素(CA)のピーク面積強度(100〜200ppm)を、全炭素のピーク面積強度(0〜200ppm)で除すことにより算出される値を意味する。また、13C-NMRスペクトルは、重水素クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を内標に用いて、日本電子(株)製核磁気共鳴装置Alpha−400により測定されるものを意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスは、固定炭素分含有量が、70〜95質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークスの固定炭素含有量は、JIS M 8812に準拠して測定した値を意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスは、炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)が、0.1〜1.0であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークスの炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)は、JIS M 8813に準拠して測定される炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数から算出される値を意味する。
本発明の樹脂配合物において、石油コークスはさらに焼成処理を施してなるものであってもよい。
焼成処理を施してなる石油コークスは、熱分解装置から取り出された石油コークスを焼成し、次いで、必要に応じて粉砕することにより作製することができる。または、熱分解装置から取り出された石油コークスを、粉砕し、次いで、焼成することにより作製することができる。
石油コークスを焼成処理する場合、焼成時の加熱温度は適宜選択することができ、例えば、500℃〜1500℃、500℃〜1300℃、500℃〜1100℃および500〜1000℃のいずれかの温度範囲内の温度を適宜選択することができる。
また、上記焼成時の焼成時間は、適宜選択されるが、0.5〜10時間が好ましく、1〜8時間がより好ましい。
上記焼成時の雰囲気は、窒素ガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気が好ましい。
また、焼成時においては、酸素源を遮断して石油コークスの焼成を行ってもよいし、微量の酸素源の存在下で石油コークスの焼成を行ってもよい。
本発明の樹脂配合物において、焼成処理してなる石油コークスの製造時に使用する粉砕手段や粉砕方法は、上述したものと同様である。
また、本発明の樹脂配合物において、焼成処理してなる石油コークスのD10、平均粒子径(D50)およびD90の好適な範囲も、上記(焼成処理を施さない)石油コークスと同様である。
焼成処理を施してなる石油コークスの平均粒子径(D50)が特定範囲内にあることにより、樹脂配合物に配合したときに、分散性を好適に高めることができる。
さらに、本発明の樹脂配合物において、焼成処理してなる石油コークスにおいて、下記式
スパン=(D90−D10)/D50
(ただし、D10、D50(平均粒子径)、D90は、各々、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算粒度10%、50%、90%の粒径を意味する)
で求められるスパンの好適な範囲も、上記(焼成処理を施さない)石油コークスと同様である。
焼成処理を施してなる石油コークスのスパンが特定範囲内にあることにより、本発明の樹脂配合物に配合したときに、基礎材料である樹脂成分への配合条件の設計を容易に行うことができる。
本発明の樹脂配合物において、焼成処理してなる石油コークスの嵩密度等の物性や特性の好適な範囲についても上述した範囲と同様である。
本発明の樹脂配合物は、石油コークスを1〜80質量%含むものであり、1〜70質量%含むものであることが好ましく、5〜60質量%含むものであることがより好ましい。
本発明者等の検討によれば、通常、無機充填剤は樹脂成分に対し一定量配合すると流動性や均一性が低下し易くなり、配合、混合処理が困難となるが、石油コークスは樹脂成分に馴染み易いために樹脂成分に対し比較的多量に配合することができ、上記石油コークスの配合割合を調整することによって線熱膨張係数を容易に制御し得ることを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の樹脂配合物は、樹脂成分に対する石油コークスの含有比(石油コークス/樹脂成分)が、質量比で、1/100〜400/100であることが好ましく、1/100〜250/100であることがより好ましく、4/100〜150/100であることがさらに好ましい。
本発明者等の検討によれば、通常、無機充填剤は樹脂成分に対し一定量配合すると流動性や均一性が低下し易くなり、配合、混合処理が困難となるが、石油コークスは樹脂成分に馴染み易いために樹脂成分に対し比較的幅広い範囲で配合することができ、このために線熱膨張係数を容易に制御することができる。
本発明の樹脂配合物は、樹脂成分および石油コークスを、合計で、50質量%〜100質量%含むものであることが好ましく、75質量%〜100質量%含むものであることがより好ましく、90質量%〜100質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の樹脂配合物は、石油コークスを所定量含有するものであることにより、製造コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御することができる。
本発明の樹脂配合物は、充填剤や添加剤を配合することもできる。
充填剤としては、特に制限されないが、好ましくは無機フィラーが挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ガラス、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスバルーン、シラスバルーン、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、ピロリン酸塩、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、シリカ、アルミナ、アルミナ繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、カオリン、クレイ、タルク、ケイ藻土、火山灰、石灰石、ベントナイト、チタン酸カルシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム、炭化ケイ素、二硫化モリブデンなどが挙げられる。充填剤は、これらの無機フィラーを単独で使用してもよいし、複数併用してもよい。
添加剤は、例えば、可塑剤、熱安定剤、酸化安定剤、架橋剤、難燃剤、紫外線吸収剤、相溶化剤、着色剤、光沢付与剤、滑剤等を挙げることができ、これ等の添加剤は公知のものから適宜一種以上を選択すればよい。
本発明の樹脂配合物は、JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/樹脂配合物を構成する樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99であるものであり、0.30〜0.80であるものが好ましく、0.30〜 0.70であるものがより好ましい。
上述したように、温度変化に曝される環境で使用される樹脂配合物としては、線熱膨張係数が小さいものが求められ、また、樹脂配合物が他の材料との複合化された状態で使用される場合には、他の材料との線熱膨張係数差が小さいものが求められるようになっているが、上記両性質を有する樹脂配合物は、これまで実用に供することが困難であった。
これに対して本発明の樹脂配合物においては、従来は専らボイラー燃料等として使用されるに過ぎなかった石油コークスを敢えて所定量配合することにより、樹脂成分の線熱膨張係数に対して得られる樹脂配合物の線熱膨張係数を十分に低減し得るとともに、線熱膨張係数を所望範囲に容易に制御することができる。
本発明の樹脂配合物は、線熱膨張係数が、2.1×10−5/℃〜2.5×10−4/℃であるものが好ましく、2.1×10−5/℃〜1.8×10−4/℃であるものであるのがより好ましく、2.1×10−5/℃〜1.2×10−4/℃であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、線熱膨張係数は、JIS K7197の規定により、20℃〜120℃を解析区間として、測定、算出される値を意味する。
上述したように、温度変化に曝される環境で使用される樹脂配合物としては、線熱膨張係数が小さいものが求められ、また、樹脂配合物が他の材料との複合化された状態で使用される場合には、他の材料との線熱膨張係数差が小さいものが求められるようになっているが、上記両性質を有する樹脂配合物は、これまで実用に供することが困難であった。
これに対して本発明の樹脂配合物においては、従来は専らボイラー燃料等として使用されるに過ぎなかった石油コークスを敢えて所定量配合することにより、線熱膨張係数を十分に低減し得るとともに、線熱膨張係数を所望範囲に容易に制御することができる。
このため、本発明の樹脂組成物は、例えば照明器具の部材を構成する材料として使用した場合においても、熱変化に伴う膨張、収縮の程度が制限されるとともに、樹脂配合物の線熱膨張係数を容易に制御してひび割れやクラックの発生を抑制することができる。
本発明の樹脂配合物においては、樹脂成分に対する石油コークスの配合割合を適宜調整することにより、上記線熱膨張係数を所望範囲に制御することができる。
本発明の樹脂配合物は、密度が、0.9〜1.6g/cmであるものが好ましく、0.9〜1.5g/cmであるものがより好ましく、0.9〜1.3g/cmであるものがさらに好ましい。
また、本発明の樹脂配合物は、樹脂配合物の密度(g/cm)/樹脂配合物を構成する樹脂成分の密度(g/cm)で表される比が、0.9〜1.3であるものが好ましく、0.9〜1.2であるものがより好ましく、0.9〜1.1であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、密度は、JIS K 7112Aに準拠して水中置換法(固体)により測定した値を意味するものとする。
本発明の樹脂配合物は、荷重たわみ温度が70℃〜260℃であるものが好ましく、120℃〜200℃であるものがより好ましく、130℃〜150℃であるものがさらに好ましい。
本発明の樹脂配合物は、樹脂配合物の荷重たわみ温度(℃)/樹脂配合物を構成する樹脂成分の荷重たわみ温度(℃)で表される比が、1.0〜1.2であるものが好ましく、1.05〜1.2であるものがより好ましく、1.1〜1.2であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、荷重たわみ温度は、JIS K 7191に準拠して、((株)東洋精機製作所製 HDTテスターS−3M)を用いて測定した値を意味するものとする。
本発明の樹脂配合物においては、従来は専らボイラー燃料等として使用されるに過ぎなかった石油コークスを敢えて所定量配合することにより、荷重たわみ温度を向上させ、耐熱性を好適に向上させることができる。
このように、本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供することができる。
本発明の樹脂配合物は、各々所定量の樹脂成分および石油コークスと、必要に応じてさらに任意の量の充填剤および添加剤とを混練することにより製造することができる。
混練前の材料としての樹脂の形状は、任意の形状のものを選択することができ、例えば、粒子状、板状、棒状、立体状などの種々の形状が挙げられる。
上記混練は、例えば、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダーミキサーなどの公知の混練機を用いて行うことができる。
上記混合機で混練する際の条件は特に制限されず、混練温度は、50℃〜200℃が適当であり、80℃〜190℃がより適当であり、混練時間は、30秒間〜30分間が適当であり、1分間〜30分間がより適当である。
上記方法によって、本発明の樹脂配合物を得ることができる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
<石油コークスの調製>
熱分解原料油として減圧残渣油を用い、500℃、0.1MPaGの条件にて熱分解処理し、熱分解処理後、ウォータージェットにて粉砕し、目視にて、ショットコークスを分取した。得られたショットコークスの性状を表1に示す。
なお、ショットコークスの性状は、以下の方法により測定したものである。
(水分)
JIS M 8811に準拠して測定した。
(CHN分、H/C)
JIS M 8813に準拠して測定した。
(硫黄分)
JIS M 8819に準拠して、硫黄含有量を測定した。
(灰分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(揮発分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(固定炭素分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
Figure 2017008283
上記で得たショットコークスを一昼夜(24時間)、室温(25℃)で乾燥して、粉砕原料となるショットコークスの乾燥物を得た。乾燥後のショットコークスの水分量を測定したところ、水分量は1質量%以下であった。
<ショットコークスの粉砕処理>
上記した方法で得たショットコークスの乾燥物を、カッターミル((株)セイシン企業製VM−22型)に供給し、粗粉砕して粗粉砕物を得た。そのときの粉砕条件及び結果を表2に示す。
次いで、得られた粗粉砕物を、ジェットミル((株)セイシン企業製STJ−200)に供給し、粉砕条件を変えつつ微粉砕した後、110℃で2〜4時間乾燥機で乾燥することにより、二種類の加熱処理した微粉砕物(ショットコークスA微粉砕物およびショットコークスB微粉砕物)を得た。そのときの粉砕条件及び得られた微粉砕物の分析結果を表2に示す。
なお、表2において、水分(質量%)欄の「<0.01」は、水分量が0.01質量%以下であることを意味する。
また、微粉砕物の水分、CHN分、H/C、硫黄分、灰分、揮発分、固定炭素分は、上述した方法と同様の方法により測定したものであり、また、微粉砕物の粒度は、以下の方法により測定したものである。
(粒度分布)
約0.1gの微粉砕物をイソプロピルアルコール(IPA)100mLに配合し、1分間超音波処理して分散させたものを測定試料とし、JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(マルバーン(株)製LMS−2000e)を用い、レーザー回折散乱法により、体積頻度粒度分布測定を行い、得られた体積頻度粒度分布測定結果より、積算粒度10%、50%、90%の粒径を求め、各々D10、D50(平均粒子径)およびD90とした。
Figure 2017008283
(実施例1〜実施例3)
ポリカーボネート(線熱膨張係数7.00×10−5/℃、密度1.20g/cm、荷重たわみ温度126℃)に対し、上述した方法により得られたショットコークスAを、各々表3に示す割合になるように配合し、二軸押出混練機で混練することにより、目的とする各樹脂配合物を得た。
得られた各樹脂配合物の配合比およびその評価結果を表3に示す。
(実施例4〜実施例6)
実施例1〜実施例3で用いたものと同一のポリカーボネート(線熱膨張係数7.00×10−5/℃、密度1.20g/cm、荷重たわみ温度126℃)に対し、上述した方法により得られたショットコークスBを、各々表3に示す割合になるように配合し、二軸押出混練機で溶融混練することにより、目的とする各樹脂配合物を得た。
得られた各樹脂配合物の配合比およびその評価結果を表3に示す。
表3においては、参照1として、実施例1〜実施例6および比較例1で用いたものと同一のポリカーボネートの物性も示す。
なお、表3において、引張弾性率(MPa)は、各樹脂配合物を所定の成形機(ISO金型タイプA)を用いて射出成形することにより、平板状試験片を得た後、当該試験片を用い、JIS K 7161の規定に準拠して、インストロン社製万能材料試験機5566を用いて測定した値を意味する。
また、表3において、曲げ弾性率(MPa)は、各樹脂配合物を所定の成形機(ISO金型タイプA)を用いて射出成形することにより、平板状試験片を得た後、当該試験片を用い、JIS K 7171に準拠して、インストロン社製万能材料試験機5582を用いて測定した値を意味する。
上記引張弾性率および曲げ弾性率は、いずれも材料の変形しにくさを示す。
Figure 2017008283
(実施例7)
ポリエチレン(熱伝導率0.709W/m・K)に対し、上述した方法により得られたショットコークスAを表4に示す割合になるように配合し、二軸押出混練機で混練することにより、目的とする樹脂配合物を得た。
得られた樹脂配合物の配合比およびその評価結果を表4に示す。
表4においては、参照2として、実施例7で用いたものと同一のポリエチレンの物性も示す。
なお、表4において、引張弾性率(MPa)、曲げ弾性率(MPa)は、上述した方法で測定した値を意味する。
Figure 2017008283
表3および表4より、実施例1〜実施例7で得られた樹脂配合物は、樹脂成分とともに従来は専らボイラー燃料等として使用されるに過ぎなかった石油コークスを敢えて所定量含有することにより、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数を十分に低減し得ることが分かる。また、実施例1〜実施例7で得られた樹脂配合物は、樹脂成分に対して石油コークスを幅広い配合比で配合することができ、樹脂成分に対する石油コークスの配合比を調整することにより線熱膨張係数を容易に制御し得ることが分かる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつも、成形物が所定の耐久性を有し、成形物の線熱膨張係数が十分に低いとともに、成形物の線熱膨張係数を容易に制御し得る新規な樹脂配合物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、
    JIS K 7197の規定により線熱膨張係数を測定したときに、前記樹脂配合物の線熱膨張係数(/℃)/前記樹脂成分の線熱膨張係数(/℃)で表される比が、0.30〜0.99である
    ことを特徴とする樹脂配合物。
  2. 樹脂成分を20〜99質量%含むとともに石油コークスを1〜80質量%含み、
    JIS K 7197の規定により測定される線熱膨張係数が2.1×10−5/℃〜2.5×10−4/℃である請求項1に記載の樹脂配合物。
  3. 前記石油コークスが、平均粒子径が0μmを超え100μm以下である請求項1または請求項2に記載の樹脂配合物。
  4. 前記石油コークスの乾燥状態での硫黄含有量が1〜12質量%である請求項1〜請求項3に記載の樹脂配合物。
  5. 前記石油コークスが、原油の常圧蒸留残渣油または減圧蒸留残渣油を熱分解して得られるコークスを乾燥処理してなるものである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂配合物。
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