JP2017007641A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Shingi Enomoto
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Abstract

【課題】トレッドパターンにピッチバリエーションを採用するにあたって、ウエット制動性能を維持しつつドライ制動性能及び耐摩耗性能を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝11A、11Bを有し、主溝により区画される少なくとも1つの陸部20,30にタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜する複数本のラグ溝21,31を備え、ラグ溝を含むパターン要素PA〜PEをタイヤ周上に連ねてトレッドパターンを構成し、パターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEをタイヤ周方向に沿って変化させた空気入りタイヤにおいて、ラグ溝がタイヤ幅方向内側に位置する主溝11A、11Bに対して非連通であり、パターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEが小さくなるほどラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を小さくする。【選択図】図2

Description

本発明は、トレッドパターンにピッチバリエーションを採用した空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ウエット制動性能を維持しつつドライ制動性能及び耐摩耗性能を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのトレッド部には、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成されている。このような主溝やラグ溝を設けることにより排水性を確保し、ウエット路面での制動性能を発揮するようにしている。しかしながら、トレッド部に多数の溝を配置した場合、ブロック剛性が低下するため、ドライ路面での制動性能や耐摩耗性が低下するという欠点がある。
また、空気入りタイヤにおいて、トレッドパターンにピッチバリエーションを採用したものが種々提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。ピッチバリエーションを採用した場合、パターンノイズが低減されるため、静粛性を高めることができる。
しかしながら、ピッチバリエーションを採用した場合、小ピッチではブロック長が短くなり、ブロック剛性が低くなる。そのため、ピッチバリエーションを採用したトレッドパターンにおいて溝を増やそうとすると、ブロック剛性の低下が顕在化し、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能が大きく低下することになる。
特開2012−56464号公報 特開昭60−18408号公報
本発明の目的は、トレッドパターンにピッチバリエーションを採用するにあたって、ウエット制動性能を維持しつつドライ制動性能及び耐摩耗性能を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を有し、該主溝により区画される少なくとも1つの陸部にタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜する複数本のラグ溝を備え、該ラグ溝を含むパターン要素をタイヤ周上に連ねてトレッドパターンを構成し、前記パターン要素のピッチ長をタイヤ周方向に沿って変化させた空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝が前記最外主溝に対して非連通であり、前記パターン要素のピッチ長が小さくなるほど前記ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を小さくしたことを特徴とするものである。
本発明では、主溝により区画される少なくとも1つの陸部においてパターン要素のピッチ長が小さくなるほどそのパターン要素に含まれるラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を鋭角にすることにより、その陸部に区画されるブロックの長さをより大きく確保できるため、進行方向におけるブロック剛性を向上することができる。また、ラグ溝がタイヤ幅方向内側に位置する主溝に連通しているとラグ溝の角度を変化させてもブロック剛性の向上の効果が得られないため、ラグ溝をタイヤ幅方向内側に位置する主溝に対して非連通とすることでブロック剛性を向上することができる。その結果、ドライ路面での制動性能及び耐摩擦性能を改善することが可能となる。一方、ラグ溝の角度を変更しても溝面積率が低下することはないため、排水性を犠牲にすることなくウエット制動性能を維持することが可能となる。
ここで、主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部においてのラグ溝の角度とは、各ラグ溝の終端部の中点位置とラグ溝が連通する最外主溝の溝壁ライン上のラグ溝の中点位置とを結んだ線がタイヤ周方向に対してなす角度を意味する。また、最外主溝よりもタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部においてのラグ溝の角度とは、各ラグ溝の終端部の中点位置と接地端における各ラグ溝の中点位置とを結んだ線がタイヤ周方向に対してなす角度を意味する。ラグ溝の角度は、センター陸部は又はショルダー陸部内のブロックにおいてピッチ長が小さくなるほど2°〜5°の角度で鋭角に変化していくことが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を効果的に改善することができる。
上記ラグ溝を備える陸部は、最外主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部であることが好ましい。或いは、上記ラグ溝を備える陸部がショルダー陸部であることが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を効果的に改善することができる。
上記ラグ溝を備える陸部は、最外主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部及びショルダー陸部の双方であることが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
センター陸部において、最外主溝とセンター陸部のタイヤ幅方向内側に位置する内側主溝との間の領域における該内側主溝寄りの15%以上45%以下の領域で上記ラグ溝が終端していることが好ましい。或いは、ショルダー陸部において、最外主溝と接地端との間の領域における最外主溝寄りの15%以上45%以下の領域で上記ラグ溝が終端していることが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
上記ラグ溝を備える陸部において、最大ピッチ長のパターン要素に含まれるラグ溝の角度と最小ピッチ長のパターン要素に含まれるラグ溝の角度との差は15°以下であることが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を効果的に改善することができる。
更に、上記ラグ溝を備える陸部にタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを設け、ラグ溝の溝壁から10mm以内の領域にて当該サイプの少なくとも一部にサイプ深さの10%以上50%未満の底上げを施すことが好ましい。特に、ラグ溝の溝壁から5mm超かつ10mm以内の領域では当該サイプの少なくとも一部にサイプ深さの10%以上30%未満の底上げを施すことが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
また、サイプにおいてラグ溝の溝壁から5mm以内の領域にてサイプの少なくとも一部にサイプ深さの30%以上50%未満の底上げを施すことが好ましい。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
本発明において、トレッド部の接地領域は、タイヤを標準リムにリム組みして所定の内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて所定の荷重を加えたときに測定されるタイヤ軸方向の接地幅に基づいて特定される。接地端は、接地領域のタイヤ軸方向の最外側位置である。ここで、「所定の内圧」は230kPaとし、「所定の荷重」はJATMAで規定される空気圧230kPaでの最大負荷能力の80%の荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド部の片側領域を示す平面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド部の片側領域の変形例を示す平面図である。 図2のトレッド部の要部を示す平面図である。 図3のトレッド部の要部を示す平面図である。 図4において領域200,300を横切るサイプをその長手方向に沿って切り欠いて示す断面図である。 図5において領域200,300を横切るサイプをその長手方向に沿って切り欠いて示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図7は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。なお、図1〜図5において、CLはタイヤ中心線である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2又は図3に示すように、トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる3本の主溝11が形成されている。主溝11はタイヤ中心線CL上に位置する内側主溝11Aとタイヤ幅方向最外側に位置する一対の最外主溝11B,11Bとを含んでいる。これら3本の主溝11により、トレッド部1には、タイヤ中心線CLの両側に位置する一対のセンター陸部20と、各センター陸部20のタイヤ幅方向外側に位置する一対のショルダー陸部30とが区画されている。
センター陸部20には、タイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜する複数本のラグ溝21がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。これらラグ溝21は一端が最外主溝11Bに対して連通する一方で他端がセンター陸部20内で終端している。また、ラグ溝21はタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜しているだけであり、必ずしも進行方向に向かって傾斜している必要はなく、進行方向とは逆方向に向かって傾斜していてもよい。更に、センター陸部20には、タイヤ幅方向に延長して内側主溝11A及び最外主溝11Bと連結する複数本のサイプ22と、両端がセンター陸部20内で終端した複数本の細溝23とが形成されている。
ショルダー陸部30には、接地端Eを横切るようにタイヤ幅方向に延長し、接地領域内においてタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜し、最外主溝11Bに対して非連通となる複数本のラグ溝31がタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。ラグ溝31はタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜しているだけであり、必ずしも進行方向に向かって傾斜している必要はなく、進行方向とは逆方向に向かって傾斜していてもよい。また、ショルダー陸部30には、タイヤ幅方向に延長して最外主溝11Bと連結する複数本のサイプ32が形成されている。更に、ショルダー陸部30の接地端Eよりも外側の領域には、両端がショルダー陸部30内で終端した複数本の細溝33が形成されている。
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1にはラグ溝21,31、サイプ22,32、細溝23,33を含むパターン要素PA,PB,PC,PD,PEがタイヤ周方向に沿って反復的に割り付けられており、これらパターン要素Pをタイヤ周上に連ねることでトレッドパターンが形成されている。そして、パターン要素PA〜PEのピッチ長LA,LB,LC,LD,LEをタイヤ周方向に沿って変化させたピッチバリエーションが採用されている。
このようにピッチバリエーションを付与した空気入りタイヤにおいて、図2に示すようにセンター陸部20では、パターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEが小さくなるほどラグ溝21のタイヤ周方向に対する角度θA〜θEが小さくなるように設定されている。
或いは、このようにピッチバリエーションを付与した空気入りタイヤにおいて、図3に示すようにショルダー陸部30では、パターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEが小さくなるほどラグ溝31のタイヤ周方向に対する角度θA〜θEが小さくなるように設定されている。
センター陸部20においてのラグ溝21の角度θA〜θEは、各ラグ溝21の終端部の中点位置とラグ溝21が連通する最外主溝11Bの溝壁ライン上のラグ溝21の中点位置とを結んだ線がタイヤ周方向に対してなす角度である。一方、ショルダー陸部30においてのラグ溝31の角度θA〜θEは、各ラグ溝31の終端部の中点位置と接地端Eにおける各ラグ溝31の中点位置とを結んだ線とタイヤ周方向に対する角度である。最大ピッチ長LAのパターン要素PAに含まれるラグ溝21、31の各角度θAの範囲は、例えば60°〜85°であり、この最大ピッチ長LAにおけるラグ溝21、31の各角度θAを基準として、ピッチ長LA〜LEが小さくなるにつれてラグ溝21、31の各角度θA〜θEが2°〜5°の角度で鋭角に変化していくものである。なお、ラグ溝21、31の各角度θA〜θEは一定の角度で変化する方が好ましいが、必ずしも一定の角度で変化しなくとも2°〜5°の範囲内であれば良い。
上記空気入りタイヤにおいて、センター陸部20においてパターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEが小さくなるほどそのパターン要素PA〜PEに含まれるラグ溝21の角度θA〜θEを鋭角にすることにより、センター陸部20に区画されるブロックの長さをより大きく確保できるため、進行方向におけるブロック剛性を向上することができる。また、ラグ溝21が内側主溝11Aに連通しているとラグ溝21の角度θを変化させてもブロック剛性の向上の効果が得られないため、ラグ溝21を内側主溝11Aに非連通とすることでブロック剛性を向上することができる。その結果、ドライ路面での制動性能及び耐摩擦性能を改善することが可能となる。一方、ラグ溝21の角度θA〜θEを変更しても溝面積率が低下することはないため、排水性を犠牲にすることなくウエット制動性能を維持することが可能となる。
ショルダー陸部30においてパターン要素PA〜PEのピッチ長LA〜LEが小さくなるほどそのパターン要素PA〜PEに含まれるラグ溝31の角度θA〜θEを鋭角にすることにより、ショルダー陸部30に区画されるブロックの長さをより大きく確保できるため、進行方向におけるブロック剛性を向上することができる。また、ラグ溝31が最外主溝11Bに連通しているとラグ溝31の角度θを変化させてもブロック剛性の向上の効果が得られないため、ラグ溝31を最外主溝11Bに対して非連通とすることでブロック剛性を向上することができる。その結果、ドライ路面での制動性能及び耐摩擦性能を改善することが可能となる。一方、ラグ溝31の角度θA〜θEを変更しても溝面積率が低下することはないため、排水性を犠牲にすることなくウエット制動性能を維持することが可能となる。
また、ラグ溝21、31の各角度θA〜θEは、センター陸部20、ショルダー陸部30において各ピッチ長LA〜LEが小さくなるほど2°〜5°の角度で鋭角に変化していくと良い。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を効果的に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、図2に示すように、センター陸部20に上記角度θA〜θEを付与したラグ溝21が形成されていることが好ましい。或いは、図3に示すように、ショルダー陸部30に上記角度θA〜θEを付与したラグ溝31が形成されていることが好ましいが、センター陸部20及びショルダー陸部30の双方に上記角度θA〜θEを付与したラグ溝21、31がそれぞれ形成されていても良い。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
更に、センター陸部20、ショルダー陸部30において各最大ピッチ長LAのパターン要素PAに含まれるラグ溝21、31の各角度θAと各最小ピッチ長LEの各パターン要素PEに含まれるラグ溝21、31の各角度θEとの差が15°以下であると良い。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を効果的に改善することができる。ここで、当該角度の差が15°より大きくなると、最小ピッチ長LEのパターン要素PEに含まれるラグ溝21、31の鋭角側に隣接する各ブロックが短くなりすぎてしまい、ブロック剛性の低下が懸念される。
上述した空気入りタイヤにおいて、センター陸部20では、最外主溝11Bとセンター陸部20のタイヤ幅方向内側に位置する内側主溝11Aとの間の領域における内側主溝11A寄りの15%以上45%以下の領域でラグ溝21が終端していると良い。或いは、ショルダー陸部30では、最外主溝11Bと接地端Eとの間の領域における最外主溝11B寄りの15%以上45%以下の領域でラグ溝31が終端していると良い。図2においては破線で示す領域100が内側主溝11A寄りの15%以上45%以下の領域であり、図3においては破線で示す領域100が最外主溝11B寄りの15%以上45%以下の領域である。つまり、図2において上記領域100は、内側主溝11Aと最外主溝11Bとの間の領域の幅Wに対して、内側主溝11Aから幅Wの15%の位置と内側主溝11Aから幅Wの45%の位置とで挟まれる領域である。図3において上記領域100は、最外主溝11Bと接地端Eとの間の領域の幅Wに対して、最外主溝11Bから幅Wの15%の位置と最外主溝11Bから幅Wの45%の位置とで挟まれる領域である。ラグ溝21、31をそれぞれ上記の如く終端させることにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。ここで、ラグ溝21の終端位置が上記領域100よりも内側主溝11A側にある、或いはラグ溝31の終端位置が上記領域100よりも最外主溝11B側にあるとブロック剛性の低下によりドライ制動性能及び耐摩耗性能が低下し、逆に、上記領域100よりも接地端E側にあるとラグ溝21、31の各面積が狭くなり、ウエット制動性能が低下する。
上記空気入りタイヤにおいて、図4〜図7に示すように、センター陸部20、ショルダー陸部30にタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプ22、32を設け、ラグ溝21、31の溝壁から10mm以内の領域にてサイプ22、32の少なくとも一部にサイプ深さの10%以上50%未満の底上げを施すと良い。特に、ラグ溝21、31の各溝壁から5mm超かつ10mm以内の領域200ではサイプ22、32の少なくとも一部にサイプ深さの10%以上30%未満の底上げを施すと良い。図4、図5において、一点鎖線にて囲まれる領域がラグ溝21、31の各溝壁から10mm以内の領域200である。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。ここで、サイプ22、32を設けることで更にウエット路面での制動性能を向上させることができるが、ラグ溝21、31の溝壁からの位置が近いとブロック剛性が低下するためドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能が低下する。そのため、各溝壁付近にてサイプ22、32をそれぞれ底上げすることで、ウエット路面での制動性能、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能についてより高い効果が得ることができる。また、底上げが大きすぎると排水性能が悪化し、ウエット路面での制動性能が低下する。
また、サイプ22、32においてラグ溝21、31の各溝壁から5mm以内の領域300にてサイプ22、32の少なくとも一部にサイプ深さの30%以上50%未満の底上げを施すと良い。図4、図5において、二点鎖線にて囲まれる領域がラグ溝21、31の各溝壁から5mm以内の領域300である。これにより、ウエット路面での制動性能を維持しつつ、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能をより一層改善することができる。
図6又は図7において、サイプ22、32における底上げの比率Hは、以下のようにして求められる。つまり、サイプ22、32の最大深さをDmaxとし、サイプ22、32の領域200内での深さをD200とし、サイプ22、32の領域300内での深さをD300としたとき、サイプ22、32における底上げの比率Hは、H=(Dmax−D200)/Dmax×100%又はH=(Dmax−D300)/Dmax×100%により算出される。
上述した実施形態では、トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる3本の主溝11が形成されている場合について説明したが、本発明ではタイヤ周方向に延びる主溝11を3本に限定する必要はない。タイヤ周方向に延びる主溝11を4本以上設けることもでき、この場合には本発明を適用したラグ溝21、31やサイプ22、32は、必要とされる陸部に対して適宜設けるようにすれば良い。
タイヤサイズ165/55R15で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設け、主溝により区画される少なくとも1つの陸部にタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜する複数本のラグ溝と複数本のサイプを設け、ラグ溝を含むパターン要素をタイヤ周上に連ねてトレッドパターンを形成し、パターン要素のピッチ長をタイヤ周方向に沿って変化させた空気入りタイヤにおいて、ラグ溝をタイヤ幅方向内側に位置する主溝に対して非連通とした従来例及び実施例1〜30のタイヤを製作した。
従来例のタイヤにおいては、パターン要素のピッチ長が小さくなるほどラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を大きくした。このような角度変化を表1においてプラス値にて表記した。一方、実施例1〜30のタイヤにおいては、パターン要素のピッチ長が小さくなるほど特定の陸部におけるラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を小さくした。このような角度変化を表1〜表3においてマイナス値にて表記した。
実施例1〜30において、パターン要素のピッチ長が小さくなるほどラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を小さくしたラグ溝を設けた陸部(即ち、本発明の特徴構造を付与した陸部)、ピッチ毎のラグ溝角度変化、最大ピッチと最小ピッチのラグ溝の角度変化、ラグ溝の終端位置(最外主溝からの位置)、溝壁より10mm領域のサイプ底上げ、溝壁より5mm領域のサイプ底上げを表1〜表3のように設定した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ウエット路面での制動性能、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能を評価し、その結果を表1〜表3に併せて示した。
ウエット路面での制動性能:
各試験タイヤをリムサイズ15×5Jのホイールに組み付けて軽自動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧(F/R)を240kPa/240kPaとし、ウエット路面において初速100km/hから完全停止までの制動距離の測定を実施した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウエット路面での制動性能が優れていることを意味する。
ドライ路面での制動性能:
各試験タイヤをリムサイズ15×5Jのホイールに組み付けて軽自動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧(F/R)を240kPa/240kPaとし、ドライ路面において初速100km/hから完全停止までの制動距離の測定を実施した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどドライ路面での制動性能が優れていることを意味する。
耐摩耗性能:
各試験タイヤをリムサイズ15×5Jのホイールに組み付けて軽自動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧(F/R)を240kPa/240kPaとし、10,000kmのモニター走行を実施し、摩耗後の残溝量を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐摩耗性能が優れていることを意味する。
Figure 2017007641
Figure 2017007641
Figure 2017007641
この表1〜表3から判るように、トレッドパターンにピッチバリエーションを採用しているにも関わらず、実施例1〜30のタイヤはウエット路面での制動性能が維持され、ドライ路面での制動性能及び耐摩耗性能が同時に改善されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
11 主溝
21,31 ラグ溝
22,32 サイプ
20 センター陸部
30 ショルダー陸部
E 接地端

Claims (9)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を有し、該主溝により区画される少なくとも1つの陸部にタイヤ幅方向に対して同一方向に傾斜する複数本のラグ溝を備え、該ラグ溝を含むパターン要素をタイヤ周上に連ねてトレッドパターンを構成し、前記パターン要素のピッチ長をタイヤ周方向に沿って変化させた空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝がタイヤ幅方向内側に位置する主溝に対して非連通であり、前記パターン要素のピッチ長が小さくなるほど前記ラグ溝のタイヤ周方向に対する角度を小さくしたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ラグ溝を備える陸部が、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ラグ溝を備える陸部が、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝よりもタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ラグ溝を備える陸部が、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外主溝よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター陸部及び前記最外主溝よりもタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部の双方であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記センター陸部において、前記最外主溝と前記センター陸部のタイヤ幅方向内側に位置する内側主溝との間の領域における該内側主溝寄りの15%以上45%以下の領域で前記ラグ溝が終端していることを特徴とする請求項2又は4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ショルダー陸部において、前記最外主溝と接地端との間の領域における前記最外主溝寄りの15%以上45%以下の領域で前記ラグ溝が終端していることを特徴とする請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ラグ溝を備える陸部において、最大ピッチ長のパターン要素に含まれるラグ溝の角度と最小ピッチ長のパターン要素に含まれるラグ溝の角度との差が15°以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ラグ溝を備える陸部にタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを設け、前記ラグ溝の溝壁から10mm以内の領域にて前記サイプの少なくとも一部にサイプ深さの10%以上50%未満の底上げを施したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入り
    タイヤ。
  9. 前記ラグ溝を備える陸部にタイヤ幅方向に延びる複数本のサイプを設け、前記ラグ溝の溝壁から5mm以内の領域にて前記サイプの少なくとも一部にサイプ深さの30%以上50%未満の底上げを施したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2015220431A 2015-06-17 2015-11-10 空気入りタイヤ Pending JP2017007641A (ja)

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