JP2017005737A - 表示方法および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】更なる改善を実現することができる表示方法を提供する。
【解決手段】表示方法であって、100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、第1輝度信号で示される第1輝度値を、第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信し、第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理により輝度値を決定し、決定された輝度値に基づき第2映像を表示する。
【選択図】図21
【解決手段】表示方法であって、100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、第1輝度信号で示される第1輝度値を、第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信し、第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理により輝度値を決定し、決定された輝度値に基づき第2映像を表示する。
【選択図】図21
Description
本開示は、表示方法および表示装置に関する。
従来、表示可能な輝度レベルを改善するための画像信号処理装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献では、更なる改善が必要とされていた。
本開示の一態様に係る表示方法は、第1映像から変換された第2映像を表示する表示装置における表示方法であって、最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、前記第1映像の第1輝度値を示す第1輝度信号により示される前記第1輝度値を、最大輝度値が、前記第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、前記第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した前記第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信し、前記第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が前記表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理を実行することにより輝度値を決定し、前記決定された輝度値に基づき前記第2映像を表示する。
上記態様によれば、更なる改善を実現することができる。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、画像信号処理装置に関し、以下の課題が生じることを見出した。
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、画像信号処理装置に関し、以下の課題が生じることを見出した。
特許文献1に開示されている画像信号処理装置では、被写体を構成する画素から算出されたリニアRGB値に基づいて画素毎にリニア輝度を算出し、リニアRGB値およびリニア輝度に基づいて画素毎の補正リニア輝度および当該画素を含む複数の画素を合成した合成画素の補正リニアRGB値を算出し、補正リニア輝度および補正リニアRGB値をそれぞれガンマ補正して表示用輝度および表示用RGB値を算出する。このように、画像信号処理装置では、補正リニアRGB値に基づいてリニア輝度を補正することにより、表示可能な階調数の増加を図っている。
しかしながら、特許文献1に開示されている画像信号処理装置などの輝度の補正(変換)においては、第1輝度範囲から輝度範囲が縮小された第2輝度範囲に輝度を補正(変換)するときの輝度の変換方法については考慮されていなかった。
以上の検討を踏まえ、本発明者は、上記課題を解決するために、下記の改善策を検討した。
本開示の一態様に係る表示方法は、第1映像から変換された第2映像を表示する表示装置における表示方法であって、最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、前記第1映像の第1輝度値を示す第1輝度信号により示される前記第1輝度値を、最大輝度値が、前記第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、前記第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した前記第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信し、前記第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が前記表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理を実行することにより輝度値を決定し、前記決定された輝度値に基づき前記第2映像を表示する。
本開示の一態様に係る表示方法は、映像を表示装置に表示するために、入力された映像の輝度を変換する変換方法であって、前記映像の輝度は、最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなり、前記映像の第1輝度値を示す第1輝度信号を取得し、前記取得した第1輝度信号が示す前記第1輝度値を、最大輝度値が、前記第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の1つを実行する輝度変換を行い、前記輝度変換では、前記取得した第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて、実行する前記輝度変換処理を切り替え、前記切り替えた輝度変換処理により前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換する。
これによれば、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて、輝度変換処理を切り替えて輝度変換を行うため、輝度を適切に変換できる。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が第1基準値であるか否かに基づいて、前記輝度変換処理を切り替えてもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値である場合、前記第1基準値より大きい第2基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第2基準値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第2基準値から前記第1最大輝度値までの前記第1輝度値に対して、前記第1最大輝度値を、前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、少なくとも、前記第2基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号に対して、前記表示装置の表示特性を示す第2メタデータに含まれる前記表示装置において表示可能な最小輝度値を前記線形変換した後の値に加算し、加算後の値を前記第2輝度値として決定してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値である場合、前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値以下である輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第2最大輝度値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値に対して、前記第2最大輝度値を前記第2輝度値として決定してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値とは異なる第3基準値である場合、前記第3基準値より大きい第4基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第4基準値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第4基準値から前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値までの前記第1輝度値に対して、前記第1最大輝度値を前記第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値である場合、前記第1基準値より大きい第2基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第2基準値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第2基準値から前記第1最大輝度値までの前記第1輝度値に対して、前記第1最大輝度値を、前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換し、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値とは異なる第3基準値である場合、前記第3基準値より大きい第4基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第4基準値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第4基準値から前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値までの前記第1輝度値に対して、前記第1最大輝度値を前記第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換し、前記第2基準値および前記第4基準値は、前記基準反射率よりも大きい反射率に対応する輝度値であってもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値とは異なる第3基準値である場合、前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値以下である輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値を前記第2輝度値として決定し、前記第2最大輝度値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1輝度信号が示す前記第1輝度値に対して、前記第2最大輝度値を前記第2輝度値として決定してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値とは異なる第3基準値である場合、前記第3基準値より大きい第4基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1基準値と、前記第3基準値との比率に応じて、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換し、前記第3基準値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第4基準値から前記第1最大輝度値までの前記第1輝度値に対して、前記第1最大輝度値を前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換してもよい。
また、例えば、前記輝度変換では、前記基準輝度値が前記第1基準値とは異なる第3基準値である場合、前記第3基準値より大きい第4基準値以下の輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第1基準値と、前記第3基準値との比率に応じて、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換し、前記第4基準値から前記第4基準値より大きい第5基準値までの輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第4基準値から前記第5基準値までの前記第1輝度値に対して、前記第5基準値を前記表示装置において表示可能な第2最大輝度値に対応させた線形変換を行うことにより、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換し、前記第5輝度値を超える輝度値を示す前記第1輝度信号について、前記第2最大輝度値を前記第2輝度値として決定してもよい。
また、例えば、さらに、前記表示装置の表示特性を示す第2メタデータを、前記表示装置から取得し、前記輝度変換では、前記取得した第2メタデータに応じて前記輝度変換処理をさらに切り替えて、前記切り替えた輝度変換処理により前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換してもよい。
また、例えば、前記第2メタデータは、前記表示装置の視聴環境または表示モードを示すデータであってもよい。
また、例えば、前記第1輝度信号に基づいて連続して再生される再生ストリームにおいて、前記再生ストリームの第1区間と第2区間とで前記HDR信号のメタデータが示す前記基準反射率に対応する基準輝度値が異なる場合は、前記輝度変換では、前記第1区間と前記第2区間とのそれぞれについて、当該区間に対応する基準輝度値に応じて、前記第1輝度値を前記第2輝度値に変換してもよい。
なお、これらの全般包括的または具体的な態様は、装置、システム、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、添付の図面を参照して、本開示の一態様に係る変換方法および変換装置について、具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
本開示は、輝度範囲が高い高輝度信号であるHDR(High Dynamic Range)信号を、HDR信号が対応している輝度範囲における最大輝度値(最高輝度値またはピーク輝度値)とは異なる輝度範囲の表示能力を有する表示装置(例えば、TV、プロジェクタ、タブレット、スマートホン等)で表示させることを実現するための、HDR信号形式とそのHDR信号の変換方法、変換装置に関する。
本開示は、輝度範囲が高い高輝度信号であるHDR(High Dynamic Range)信号を、HDR信号が対応している輝度範囲における最大輝度値(最高輝度値またはピーク輝度値)とは異なる輝度範囲の表示能力を有する表示装置(例えば、TV、プロジェクタ、タブレット、スマートホン等)で表示させることを実現するための、HDR信号形式とそのHDR信号の変換方法、変換装置に関する。
[1−1.背景]
まず、映像技術の変遷について、図1を用いて説明する。図1は、映像技術の進化について説明するための図である。
まず、映像技術の変遷について、図1を用いて説明する。図1は、映像技術の進化について説明するための図である。
これまで、映像の高画質化としては、表示画素数の拡大に主眼がおかれ、Standard Definition(SD)の720×480画素の映像から、High Definition(HD)の1920×1080画素の、所謂2K映像が普及している。
近年、更なる高画質化を目指して、Ultra High Definition(UHD)の3840×1920画素、あるいは、4Kの4096x1920画素の、所謂4K映像の導入が開始された。
4Kの導入による映像の高解像度化を行うと共に、ダイナミックレンジ拡張や色域の拡大、あるいは、フレームレートの追加、向上などを行うことで映像を高画質化することが検討されている。
ダイナミックレンジ拡張(HDR)については、デジタルカメラやCMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)イメージセンサの性能向上により、露出を示すStop数が14Stops以上の広いダイナミックレンジの画像の撮影が可能になっている。このため、暗部階調を維持しつつ、100%反射光以上に明るい光(鏡面反射光などの明るい光)を撮影することが可能になっている。このカメラまたはイメージセンサの性能向上を表現力の向上に活かすために、より高輝度な信号も伝送可能にする信号規格として、HDR(High Dynamic Range)が注目されている。
これまでのTV信号は、SDR(Standard Dynamic Range)と呼ばれ、最大輝度値が100nitであったのに対して、HDRでは1000nit以上まで最大輝度値を拡大することが想定されている。HDRは、SMPTE(Society of Motion Picture & Television Engineers)やITU−R(International Telecommunications Union Radiocommunications Sector)などにおいて、マスタリングディスプレー用規格の標準化も進行中である。
HDRの具体的な適用先としては、HDやUHDと同様に、放送やパッケージメディア(Blu−ray(登録商標、以下同様) Disc等)、インターネット配信などで使われることが想定されている。
なお、以下では、HDRに対応した映像において、当該映像の輝度は、最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義されたHDRの輝度範囲における輝度値からなり、当該映像の輝度値を示す輝度信号をHDR信号と呼ぶ。SDRに対応した映像において、当該映像の輝度は、SDRの輝度範囲の輝度値からなり、当該映像の輝度値を示す輝度信号をSDR信号と呼ぶ。また、HDRの輝度範囲は、SDRの輝度範囲よりも最大輝度値が大きい輝度範囲である。なお、HDRの輝度範囲の最小輝度値は、SDRの輝度範囲の最小輝度値は同じであり、0nitである。
[1−2.SDRTV]
SDRに対応した映像の表示(以下、「SDR表示」という。)のみに対応したTV(以下、「SDRTV」という。)は、通常、輝度値が100nitまでの入力信号が入力される。このため、SDRTVは、その表示能力が100nitであれば入力信号の輝度値を表現するのに十分である。しかし、SDRTVは、実際は、視聴環境(暗い部屋:シネマモード、明るい部屋:ダイナミックモード等)に合わせて、最適な輝度値の映像を再生する機能を有し、200nit以上の映像表現が可能な能力を持っているものが多い。つまり、このようなSDRTVは、視聴環境に応じた表示モードを選択することで、表示能力の最大輝度(例えば、300nit)までの映像を表示できる。
SDRに対応した映像の表示(以下、「SDR表示」という。)のみに対応したTV(以下、「SDRTV」という。)は、通常、輝度値が100nitまでの入力信号が入力される。このため、SDRTVは、その表示能力が100nitであれば入力信号の輝度値を表現するのに十分である。しかし、SDRTVは、実際は、視聴環境(暗い部屋:シネマモード、明るい部屋:ダイナミックモード等)に合わせて、最適な輝度値の映像を再生する機能を有し、200nit以上の映像表現が可能な能力を持っているものが多い。つまり、このようなSDRTVは、視聴環境に応じた表示モードを選択することで、表示能力の最大輝度(例えば、300nit)までの映像を表示できる。
しかし、SDRTVに入力されるSDR方式の入力信号では、入力信号の輝度上限が100nitに決められているため、従来通りにSDR方式の入力インターフェースを使う限り、SDRTVが持つ100nitを超える高輝度の映像再生能力をHDR信号の再生用に使うことは難しい(図2Aおよび図2B参照)。
[1−3.EOTFについて]
ここで、EOTFについて、図3Aおよび図3Bを用いて説明する。
ここで、EOTFについて、図3Aおよび図3Bを用いて説明する。
図3Aは、HDRおよびSDRのそれぞれに対応したEOTF(Electro−Optical Transfer Function)の例について示す図である。
EOTFは、一般的にガンマカーブと呼ばれるものであり、コード値と輝度値との対応を示し、コード値を輝度値に変換するものである。つまり、EOTFは、複数のコード値と輝度値との対応関係を示す関係情報である。
また、図3Bは、HDRおよびSDRのそれぞれに対応した逆EOTFの例について示す図である。
逆EOTFは、輝度値とコード値との対応を示し、EOTFとは逆に輝度値を量子化してコード値に変換するものである。つまり、逆EOTFは、輝度値と複数のコード値との対応関係を示す関係情報である。例えば、HDRに対応した映像の輝度値を10ビットの階調のコード値で表現する場合、10,000nitまでのHDRの輝度範囲における輝度値は、量子化されて、0〜1023までの1024個の整数値にマッピングされる。つまり、逆EOTFに基づいて量子化することで、10,000nitまでの輝度範囲の輝度値(HDRに対応した映像の輝度値)を、10ビットのコード値であるHDR信号に変換する。HDRに対応したEOTF(以下、「HDRのEOTF」という。)またはHDRに対応した逆EOTF(以下、「HDRの逆EOTF」という。)においては、SDRに対応したEOTF(以下、「SDRのEOTF」という。)またはSDRに対応した逆EOTF(以下、「SDRの逆EOTF」という。)よりも高い輝度値を表現することが可能であり、例えば、図3Aおよび図3Bにおいては、輝度の最大値(ピーク輝度)は、10,000nitである。つまり、HDRの輝度範囲は、SDRの輝度範囲を全て含み、HDRのピーク輝度は、SDRのピーク輝度より大きい。HDRの輝度範囲は、SDRの輝度範囲の最大値である100nitから、10,000nitまで、最大値を拡大した輝度範囲である。
例えば、HDRのEOTFおよびHDRの逆EOTFは、一例として、米国映画テレビ技術者協会(SMPTE)で規格化されたSMPTE 2084がある。
[1−4.EOTFの使い方]
図4は、コンテンツに格納される輝度信号のコード値の決定方法、および、再生時にコード値から輝度値を復元するプロセスの説明図である。
図4は、コンテンツに格納される輝度信号のコード値の決定方法、および、再生時にコード値から輝度値を復元するプロセスの説明図である。
本例における輝度を示す輝度信号はHDRに対応したHDR信号である。グレーディング後の画像は、HDRの逆EOTFにより量子化され、当該画像の輝度値に対応するコード値が決定する。このコード値に基づいて画像符号化などが行われ、ビデオのストリームが生成される。再生時には、ストリームの復号結果に対して、HDRのEOTFに基づいて逆量子化することによりリニアな信号に変換され、画素毎の輝度値が復元される。以下、HDRの逆EOTFを用いた量子化を「逆HDRのEOTF変換」という。HDRのEOTFを用いた逆量子化を「HDRのEOTF変換」という。同様に、SDRの逆EOTFを用いた量子化を「逆SDRのEOTF変換」という。SDRのEOTFを用いた逆量子化を「SDRのEOTF変換」という。
[1−5.疑似HDRの必要性]
次に、疑似HDRの必要性について図5A〜図5Cを用いて説明する。
次に、疑似HDRの必要性について図5A〜図5Cを用いて説明する。
図5Aは、HDRTV内で、HDR信号を変換してHDR表示を行う表示処理の一例を示す図である。
図5Aに示すように、HDR映像を表示する場合、表示装置がHDRTVであっても、HDRの輝度範囲の最大値(ピーク輝度(HPL(HDR Peak Luminance):例1500nit))をそのまま表示することができない場合がある。この場合、HDRのEOTFを用いた逆量子化を行った後のリニアな信号を、その表示装置の輝度範囲の最大値(ピーク輝度(DPL(Display Peak Iuminance):例750nit))に合わせるための輝度変換を行う。そして、輝度変換を行うことで得られた映像信号を表示装置に入力することで、その表示装置の限界である最大値の輝度範囲に合わせたHDR映像を表示することができる。
図5Bは、HDR対応の再生装置とSDRTVとを用いて、HDR表示を行う表示処理の一例を示す図である。
図5Bに示すように、HDR映像を表示する場合、表示装置がSDRTVであれば、表示するSDRTVの輝度範囲の最大値(ピーク輝度(DPL:例300nit))が100nitを超えることを利用して、図5BのHDR対応の再生装置(Blu−ray機器)内の「HDR→疑似HDR変換処理」で、HDRTV内で行っている、「HDRのEOTF変換」とSDRTVの輝度範囲の最大値であるDPL(例:300nit)を使った「輝度変換」を行い、「輝度変換」を行うことで得られた信号をSDRTVの「表示装置」に直接入力できれば、SDRTVを使っても、HDRTVと同じ効果を実現することができる。
しかしながら、SDRTVには、このような信号を、外部から直接入力するための手段が無いため、実現できない。
図5Cは、標準インターフェースを介して互いに接続したHDR対応の再生装置とSDRTVと用いて、HDR表示を行う表示処理の一例を示す図である。
図5Cに示すように、通常、SDRTVが備える入力インターフェース(HDMI(登録商標、以下同様)等)を使って、図5Bの効果を得られるような信号をSDRTVに入力する必要がある。SDRTVでは、入力インターフェースを介して入力した信号は、「SDRのEOTF変換」と「モード毎の輝度変換」と「表示装置」を順に通過し、その表示装置の最大値の輝度範囲に合わせた映像を表示する。このため、HDR対応のBlu−ray機器内で、SDRTVで入力インターフェースの直後に通過する、「SDRのEOTF変換」と「モード毎の輝度変換」とをキャンセルできるような信号(疑似HDR信号)を生成する。つまり、HDR対応のBlu−ray機器内で、「HDRのEOTF変換」とSDRTVのピーク輝度(DPL)を使った「輝度変換」との直後に、「モード毎の逆輝度変換」と「逆SDRのEOTF変換」とを行うことで、「輝度変換」直後の信号を「表示装置」に入力した場合(図5Cの破線矢印)と同じ効果を疑似的実現する。
[1−6.変換装置および表示装置]
図6は、実施の形態の変換装置および表示装置の構成を示すブロック図である。図7は、実施の形態の変換装置および表示装置により行われる変換方法および表示方法を示すフローチャートである。
図6は、実施の形態の変換装置および表示装置の構成を示すブロック図である。図7は、実施の形態の変換装置および表示装置により行われる変換方法および表示方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、変換装置100は、HDRのEOTF変換部101、輝度変換部102、逆輝度変換部103、および逆SDRのEOTF変換部104を備える。また、表示装置200は、表示設定部201、SDRのEOTF変換部202、輝度変換部203、および表示部204を備える。
変換装置100および表示装置200の各構成要素についての詳細な説明は、変換方法および表示方法の説明において行う。
以下、HDRの輝度範囲(0〜HPL〔nit〕)を「第1輝度範囲」と示す。ディスプレイの輝度範囲(0〜DPL〔nit〕)を「第2輝度範囲」と示す。SDRの輝度範囲(0〜100〔nit〕)を「第3輝度範囲」と示す。
[1−7.変換方法および表示方法]
変換装置100が行う変換方法について、図7を用いて説明する。なお、変換方法は、以下で説明するステップS101〜ステップS104を含む。
変換装置100が行う変換方法について、図7を用いて説明する。なお、変換方法は、以下で説明するステップS101〜ステップS104を含む。
まず、変換装置100のHDRのEOTF変換部101は、逆HDRのEOTF変換が行われたHDR映像を取得する。変換装置100のHDRのEOTF変換部101は、取得したHDR映像のHDR信号に対して、HDRのEOTF変換を実施する(S101)。これにより、HDRのEOTF変換部101は、取得したHDR信号を、輝度値を示すリニアな信号に変換する。HDRのEOTFは、例えばSMPTE 2084がある。
次に、変換装置100の輝度変換部102は、HDRのEOTF変換部101により変換されたリニアな信号を、ディスプレイ特性情報とコンテンツ輝度情報とを用いて変換する第1輝度変換を行う(S102)。第1輝度変換において、第1輝度範囲であるHDRの輝度範囲に対応した輝度値(以下、「HDRの輝度値」という。)を、第2輝度範囲であるディスプレイの輝度範囲に対応した輝度値(以下、「ディスプレイ輝度値」という。)に変換する。詳細は後述する。
上記のことから、HDRのEOTF変換部101は、映像の輝度値が量子化されることで得られたコード値を示す第1輝度信号としてのHDR信号を取得する取得部として機能する。また、HDRのEOTF変換部101および輝度変換部102は、取得部により取得されたHDR信号が示すコード値を、ディスプレイ(表示装置200)の輝度範囲に基づいて決定する、HDRの輝度範囲の最大値(HPL)よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい最大値(DPL)であるディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値へ変換する変換部として機能する。
より具体的には、HDRのEOTF変換部101は、ステップS101において、取得したHDR信号と、HDRのEOTFとを用いて、取得したHDR信号が示す第1コード値としてのHDRのコード値について、HDRのコード値にHDRのEOTFにおいて関係付けられたHDRの輝度値を決定する。なお、HDR信号は、HDRの輝度範囲における輝度値と、複数のHDRのコード値とを関係付けたHDRの逆EOTFを用いて、映像(コンテンツ)の輝度値が量子化されることで得られたHDRのコード値を示す。
また、輝度変換部102は、ステップS102において、ステップS101で決定したHDRの輝度値について、当該HDRの輝度値に予め関係付けられた、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値を決定し、HDRの輝度範囲に対応するHDRの輝度値を、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値へ変換する第1輝度変換を行う。
また、変換装置100は、ステップS102の前に、映像(コンテンツ)の輝度の最大値(CPL:Content Peak luminance)および映像の平均輝度値(CAL:Content Average luminance)の少なくとも一方を含むコンテンツ輝度情報をHDR信号に関する情報として取得している。CPL(第1最大輝度値)は、例えば、HDR映像を構成する複数の画像に対する輝度値のうちの最大値である。また、CALは、例えば、HDR映像を構成する複数の画像に対する輝度値の平均である平均輝度値である。
また、変換装置100は、ステップS102の前に、表示装置200から表示装置200のディスプレイ特性情報を取得している。なお、ディスプレイ特性情報とは、表示装置200が表示できる輝度の最大値(DPL)、表示装置200の表示モード(後述参照)、入出力特性(表示装置が対応するEOTF)などの表示装置200の表示特性を示す情報である。
また、変換装置100は、推奨表示設定情報(後述参照、以下、「設定情報」ともいう。)を表示装置200に送信してもよい。
次に、変換装置100の逆輝度変換部103は、表示装置200の表示モードに応じた逆輝度変換を行う。これにより、逆輝度変換部103は、第2輝度範囲であるディスプレイの輝度範囲に対応した輝度値を、第3輝度範囲であるSDRの輝度範囲に対応する輝度値に変換する第2輝度変換を行う(S103)。詳細は後述する。つまり、逆輝度変換部103は、ステップS102で得られたディスプレイ輝度値について、当該ディスプレイ輝度値に予め関係付けられた、100nitを最大値とするSDRの輝度範囲に対応する第3輝度値としてのSDRに対応した輝度値(以下、「SDRの輝度値」という。)SDRの輝度値を決定し、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値を、SDRの輝度範囲に対応するSDRの輝度値へ変換する第2輝度変換を行う。
そして、変換装置100の逆SDRのEOTF変換部104は、逆SDRのEOTF変換を行うことで、疑似HDR映像を生成する(S104)。つまり、逆SDRのEOTF変換部104は、HDRの輝度範囲における輝度値と、複数の第3コード値とを関係付けた第3関係情報であるSDR(Standard Dynamic Range)の逆EOTF(Electro−Optical Transfer Function)を用いて、決定したSDRの輝度値を量子化し、量子化により得られた第3コード値を決定し、SDRの輝度範囲に対応するSDRの輝度値を、第3コード値を示す第3輝度信号としてのSDR信号へ変換することで、疑似HDR信号を生成する。なお、第3コード値は、SDRに対応したコード値であり、以下では、「SDRのコード値」という。つまり、SDR信号は、SDRの輝度範囲における輝度値と、複数のSDRのコード値とを関係付けたSDRの逆EOTFを用いて、映像の輝度値が量子化されることで得られたSDRのコード値で表される。そして、変換装置100は、ステップS104で生成した疑似HDR信号(SDR信号)を表示装置200へ出力する。
変換装置100は、HDR信号を逆量子化することで得られたHDRの輝度値に対して、第1輝度変換および第2輝度変換を行うことで、疑似HDRに対応したSDRの輝度値を生成し、SDRの輝度値をSDRのEOTFを用いて量子化することで、疑似HDRに対応したSDR信号を生成する。なお、SDRの輝度値は、SDRに対応した0〜100nitの輝度範囲内の数値であるが、ディスプレイの輝度範囲に基づく変換を行っているため、HDRの輝度値に対してHDRのEOTFおよびSDRのEOTFを用いた輝度変換を行うことで得られたSDRに対応した0〜100nitの輝度範囲内の輝度値とは異なる数値である。
次に、表示装置200が行う表示方法について、図7を用いて説明する。なお、表示方法は、以下で説明するステップS105〜ステップS108を含む。
まず、表示装置200の表示設定部201は、変換装置100から取得した設定情報を用いて、表示装置200の表示設定を設定する(S105)。ここで、表示装置200は、SDRTVである。設定情報は、表示装置に対して推奨する表示設定を示す情報であり、疑似HDR映像をどのようにEOTFし、どの設定で表示すれば美しい映像を表示することができるかを示す情報(つまり、表示装置200の表示設定を最適な表示設定に切り替えるための情報)である。設定情報は、例えば、表示装置における出力時のガンマカーブ特性や、リビングモード(ノーマルモード)やダイナミックモード等の表示モード、バックライト(明るさ)の数値などを含む。また、ユーザに、表示装置200の表示設定をマニュアル操作で変更することを促すようなメッセージを、表示装置200(以下、「SDRディスプレイ」ともいう)に表示してもよい。詳細は後述する。
なお、表示装置200は、ステップS105の前に、SDR信号(疑似HDR信号)と、映像の表示にあたって表示装置200に対して推奨する表示設定を示す設定情報とを取得する。
また、表示装置200は、SDR信号(疑似HDR信号)の取得を、ステップS106の前に行えばよく、ステップS105の後に行ってもよい。
次に、表示装置200のSDRのEOTF変換部202は、取得した疑似HDR信号に対し、SDRのEOTF変換を行う(S106)。つまり、SDRのEOTF変換部202は、SDR信号(疑似HDR信号)を、SDRのEOTFを用いて逆量子化を行う。これにより、SDRのEOTF変換部202は、SDR信号が示すSDRのコード値を、SDRの輝度値に変換する。
そして、表示装置200の輝度変換部203は、表示装置200に設定された表示モードに応じた輝度変換を行う。これにより、輝度変換部203は、SDRの輝度範囲(0〜100〔nit〕)に対応したSDRの輝度値を、ディスプレイの輝度範囲(0〜DPL〔nit〕)に対応したディスプレイ輝度値に変換する第3輝度変換を行う(S107)。詳細は後述する。
上記のことから、表示装置200は、ステップS106およびステップS107において、取得したSDR信号(疑似HDR信号)が示す第3コード値を、ステップS105で取得した設定情報を用いて、ディスプレイの輝度範囲(0〜DPL〔nit〕)に対応するディスプレイ輝度値へ変換する。
より具体的には、SDR信号(疑似HDR信号)からディスプレイ輝度値への変換では、ステップS106において、SDRの輝度範囲における輝度値と、複数の第3コード値とを関係付けたEOTFを用いて、取得したSDR信号が示すSDRのコード値について、SDRのコード値にSDRのEOTFで関係付けられたSDRの輝度値を決定する。
そして、ディスプレイ輝度値への変換では、ステップS107において、決定したSDRの輝度値に予め関係付けられた、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値を決定し、SDRの輝度範囲に対応するSDRの輝度値を、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値へ変換する第3輝度変換を行う。
最後に、表示装置200の表示部204は、変換したディスプレイ輝度値に基づいて、疑似HDR映像を表示装置200に表示する(S108)。
[1−8.第1輝度変換]
次に、ステップS102の第1輝度変換(HPL→DPL)の詳細について、図8Aを用いて説明する。図8Aは、第1輝度変換の一例について説明するための図である。
次に、ステップS102の第1輝度変換(HPL→DPL)の詳細について、図8Aを用いて説明する。図8Aは、第1輝度変換の一例について説明するための図である。
変換装置100の輝度変換部102は、ステップS101で得られたリニアな信号(HDRの輝度値)を、ディスプレイ特性情報と、HDR映像のコンテンツ輝度情報とを用いて変換する第1輝度変換を行う。第1輝度変換は、HDRの輝度値(入力輝度値)を、ディスプレイピーク輝度(DPL)を超えないディスプレイ輝度値(出力輝度値)に変換する。DPLは、ディスプレイ特性情報であるSDRディスプレイの最大輝度および表示モードを用いて決定する。表示モードは、例えば、SDRディスプレイに暗めに表示するシアターモードや、明るめに表示するダイナミックモード等のモード情報である。表示モードが、例えば、SDRディスプレイの最大輝度が1,500nitであり、かつ、表示モードが最大輝度の50%の明るさにするモードである場合、DPLは、750nitとなる。ここで、DPL(第2最大輝度値)とは、SDRディスプレイが現在設定されている表示モードにおいて表示できる輝度の最大値である。つまり、第1輝度変換では、SDRディスプレイの表示特性を示す情報であるディスプレイ特性情報を用いて、第2最大輝度値としてのDPLを決定する。
また、第1輝度変換では、コンテンツ輝度情報のうちのCALとCPLとを用い、CAL付近以下の輝度値は、変換の前後で同一とし、CPL付近以上の輝度値に対してのみ輝度値を変更する。つまり、図8Aに示すように、第1輝度変換では、当該HDRの輝度値がCAL以下の場合、当該HDRの輝度値を変換せず、当該HDRの輝度値を、ディスプレイ輝度値として決定し、当該HDRの輝度値がCPL以上の場合、第2最大輝度値としてのDPLを、ディスプレイ輝度値として決定する。
また、第1輝度変換では、輝度情報のうちのHDR映像のピーク輝度(CPL)を用い、HDRの輝度値がCPLの場合、DPLを、ディスプレイ輝度値として決定する。
なお、第1輝度変換では、図8Bのように、ステップS101で得られたリニアな信号(HDRの輝度値)を、DPLを超えない値にクリップするように変換してもよい。このような輝度変換を行うことで、変換装置100での処理を簡素化することができ、装置の縮小化、低電力化、処理の高速化が図れる。なお、図8Bは、第1輝度変換の他の一例について説明するための図である。
[1−9.第2輝度変換]
次に、ステップS103の第2輝度変換(DPL→100〔nit〕)の詳細について、図9を用いて説明する。図9は、第2輝度変換について説明するための図である。
次に、ステップS103の第2輝度変換(DPL→100〔nit〕)の詳細について、図9を用いて説明する。図9は、第2輝度変換について説明するための図である。
変換装置100の逆輝度変換部103は、ステップS102の第1輝度変換で変換されたディスプレイの輝度範囲(0〜DPL〔nit〕)のディスプレイ輝度値に対し、表示モードに応じた逆輝度変換を施す。逆輝度変換は、SDRディスプレイによる表示モードに応じた輝度変換処理(ステップS107)が行われた場合に、ステップS102処理後のディスプレイの輝度範囲(0〜DPL〔nit〕)のディスプレイ輝度値を取得できるようにするための処理である。つまり、第2輝度変換は、第3輝度変換の逆輝度変換である。
上記の処理により、第2輝度変換は、第2輝度範囲であるディスプレイの輝度範囲のディスプレイ輝度値(入力輝度値)を、第3輝度範囲であるSDRの輝度範囲のSDRの輝度値(出力輝度値)に変換する。
第2輝度変換では、SDRディスプレイの表示モードによって変換式を切り替える。例えば、SDRディスプレイの表示モードがノーマルモードの場合、ディスプレイ輝度値に正比例する正比例値に輝度変換する。また、第2輝度変換では、SDRディスプレイの表示モードがノーマルモードよりも高輝度画素をより明るく、かつ、低輝度画素をより暗くするダイナミックモードの場合、その逆関数を用いることで、低輝度画素のSDRの輝度値は、ディスプレイ輝度値に正比例する正比例値より高い値に、高輝度画素のSDRの輝度値は、ディスプレイ輝度値に正比例する正比例値より低い値に輝度変換する。つまり、第2輝度変換では、ステップS102において決定したディスプレイ輝度値について、SDRディスプレイの表示特性を示す情報であるディスプレイ特性情報に応じた輝度関係情報を用いて、当該ディスプレイ輝度値に関係付けられた輝度値をSDRの輝度値として決定し、ディスプレイ特性情報に応じて輝度変換処理を切り替える。ここで、ディスプレイ特性情報に応じた輝度関係情報とは、例えば図9に示すような、SDRディスプレイの表示パラメータ(表示モード)毎に定められた、ディスプレイ輝度値(入力輝度値)と、SDRの輝度値(出力輝度値)とを関係付けた情報である。
[1−10.表示設定]
次に、ステップS105の表示設定の詳細について、図10を用いて説明する。図10は、表示設定の詳細な処理を示すフローチャートである。
次に、ステップS105の表示設定の詳細について、図10を用いて説明する。図10は、表示設定の詳細な処理を示すフローチャートである。
SDRディスプレイの表示設定部201は、ステップS105において、下記のステップS201〜ステップS208の処理を行う。
まず、表示設定部201は、設定情報を用いて、SDRディスプレイに設定されているEOTF(SDRディスプレイ用EOTF)が、疑似HDR映像(SDR信号)の生成時に想定したEOTFと整合しているかどうかを判定する(S201)。
表示設定部201は、SDRディスプレイに設定されているEOTFが、設定情報が示すEOTF(疑似HDR映像に整合するEOTF)と異なっていると判定した場合(S201でYes)、SDRディスプレイ用EOTFをシステム側で切り替え可能かを判定する(S202)。
表示設定部201は、切り替え可能であると判定した場合、設定情報を用いて、SDRディスプレイ用EOTFを適切なEOTFに切り替える(S203)。
ステップS201〜ステップS203から、表示設定の設定(S105)では、SDRディスプレイに設定されているEOTFを、取得した設定情報に応じた推奨EOTFに設定する。また、これにより、ステップS105の後に行われるステップS106では、推奨EOTFを用いて、SDRの輝度値を決定することができる。
システム側で切り替え可能でないと判定した場合(S202でNo)、EOTFをユーザがマニュアル操作で変更することを促すメッセージを画面に表示する(S204)。例えば、「表示ガンマを2.4に設定して下さい」というメッセージを画面に表示する。つまり、表示設定部201は、表示設定の設定(S105)において、SDRディスプレイに設定されているEOTFを切り替えできない場合、SDRディスプレイに設定されているEOTF(SDRディスプレイ用EOTF)を、推奨EOTFに切り替えることをユーザに促すためのメッセージを、SDRディスプレイに表示する。
次に、SDRディスプレイでは、疑似HDR映像(SDR信号)を表示するが、表示の前に設定情報を用いてSDRディスプレイの表示パラメータが設定情報に合っているかを判定する(S205)。
表示設定部201は、SDRディスプレイに設定されている表示パラメータが、設定情報とは異なっていると判定した場合(S205でYes)、SDRディスプレイの表示パラメータを、切り替え可能かを判定する(S206)。
表示設定部201は、SDRディスプレイの表示パラメータを切り替え可能であると判定した場合(S206でYes)、設定情報に合わせて、SDRディスプレイの表示パラメータを切り替える(S207)。
ステップS204〜ステップS207から、表示設定の設定(S105)では、SDRディスプレイに設定されている表示パラメータを、取得した設定情報に応じた推奨表示パラメータに設定する。
システム側で切り替え可能でないと判定した場合(S206でNo)、SDRディスプレイに設定されている表示パラメータをユーザがマニュアル操作で変更することを促すメッセージを画面に表示する(S208)。例えば、「表示モードをダイナミックモードにし、バックライトを最大にして下さい」というメッセージを画面に表示する。つまり、設定(S105)では、SDRディスプレイに設定されている表示パラメータを切り替えできない場合、SDRディスプレイに設定されている表示パラメータを、推奨表示パラメータに切り替えることをユーザに促すためのメッセージを、SDRディスプレイに表示する。
[1−11.第3輝度変換]
次に、ステップS107の第3輝度変換(100→DPL〔nit〕)の詳細について、図11を用いて説明する。図11は、第3輝度変換について説明するための図である。
次に、ステップS107の第3輝度変換(100→DPL〔nit〕)の詳細について、図11を用いて説明する。図11は、第3輝度変換について説明するための図である。
表示装置200の輝度変換部203は、SDRの輝度範囲(0〜100〔nit〕)のSDRの輝度値をステップS105で設定された表示モードに応じて(0〜DPL〔nit〕)に変換する。本処理はS103のモード毎の逆輝度変換の逆関数となるように処理する。
第3輝度変換では、SDRディスプレイの表示モードによって変換式を切り替える。例えば、SDRディスプレイの表示モードがノーマルモードの場合(つまり、設定された表示パラメータがノーマルモードに対応したパラメータである場合)、ディスプレイ輝度値は、SDRの輝度値に正比例する正比例値に輝度変換する。また、第3輝度変換では、SDRディスプレイの表示モードがノーマルモードよりも高輝度画素をより明るく、かつ、低輝度画素をより暗くするダイナミックモードの場合、低輝度画素のディスプレイ輝度値は、SDRの輝度値に正比例する正比例値より低い値に、高輝度画素のディスプレイ輝度値は、SDRの輝度値に正比例する正比例値より高い値に輝度変換する。つまり、第3輝度変換では、ステップS106において決定したSDRの輝度値について、SDRディスプレイの表示設定を示す表示パラメータに応じた輝度関係情報を用いて、当該SDRの輝度値に予め関係付けられた輝度値をディスプレイ輝度値として決定し、表示パラメータに応じて輝度変換処理を切り替える。ここで、表示パラメータに応じた輝度関係情報とは、例えば図11に示すような、SDRディスプレイの表示パラメータ(表示モード)毎に定められた、SDRの輝度値(入力輝度値)と、ディスプレイ輝度値(出力輝度値)とを関係付けた情報である。
[1−12.効果等]
通常のSDRTVは入力信号が100nitであるが、視聴環境(暗い室:シネマモード、明るい部屋:ダイナミックモード等)に合わせて200nit以上の映像表現が可能な能力を持つ。しかし、SDRTVへの入力信号の輝度上限が100nitに決められていたため、その能力を直接つかうことはできなかった。
通常のSDRTVは入力信号が100nitであるが、視聴環境(暗い室:シネマモード、明るい部屋:ダイナミックモード等)に合わせて200nit以上の映像表現が可能な能力を持つ。しかし、SDRTVへの入力信号の輝度上限が100nitに決められていたため、その能力を直接つかうことはできなかった。
HDR映像をSDRTVで表示する場合において、表示するSDRTVのピーク輝度が100nitを超える(通常200nit以上)ことを利用して、HDR映像を100nit以下のSDR映像に変換するのではなく、100nitを超える輝度範囲の階調をある程度保つように、「HDR→疑似HDR変換処理」を行っている。このため、元のHDRに近い疑似HDR映像としてSDRTVに表示させることができる。
この「HDR→疑似HDR変換処理」技術をBlu−rayに応用した場合は、図12に示すように、HDRディスクにはHDR信号のみを格納し、Blu−ray機器にSDRTVを接続した場合、Blu−ray機器が、「HDR→疑似HDR変換処理」を行い、HDR信号を疑似HDR信号に変換してSDRTVに送る。これにより、SDRTVは、受信した疑似HDR信号から輝度値に変換することで、疑似的なHDR効果を持った映像を表示させることができる。このように、HDR対応TVが無い場合でも、HDR対応のBDとHDR対応のBlu−ray機器を用意すれば、SDRTVであっても、SDR映像よりも高画質な疑似HDR映像を表示させることができる。
従って、HDR映像を見るためにはHDR対応TVが必要と考えられていたが、HDR的な効果を実感できる疑似HDR映像を、既存のSDRTVで見ることができる。これにより、HDR対応Blu−rayの普及が期待できる。
放送、Blu−ray等のパッケージメディア、OTT等のインターネット配信により送られてきたHDR信号を、HDR−疑似HDR変換処理を行うことで、疑似HDR信号に変換する。これにより、HDR信号を疑似HDR映像として既存のSDRTVで表示することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、実施の形態1の図5Aで説明したHDRTV内で、HDR信号を変換してHDR表示を行う表示処理において行われる、変換方法の詳細について説明する。つまり、図5Aにおいて説明した、表示装置がHDRTVであっても、HDRの輝度範囲の最大値をHDRTVにそのまま表示することができない場合、HDRのEOTFを用いた逆量子化を行った後のリニアな信号を、HDRTVの輝度範囲の最大値(DPL)に合わせるための輝度変換処理の詳細について説明する。
輝度変換処理では、取得した第1輝度信号としてのHDR信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて、実行する輝度変換処理を切り替え、切り替えた輝度変換処理によりHDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
以下では、基準反射率について詳細に説明する。
[2−1.画像撮影時の輝度の尺度の考え方]
図13は、画像撮影時の輝度の尺度を示す図である。
図13は、画像撮影時の輝度の尺度を示す図である。
図13に示すように、カメラで画像を撮影する場合、反射率が18%になるグレーである18%グレーを明るさの基準点として撮影を行う。つまり、18%グレーは、明るさの基準になる基準反射率である。Stop数は、18%グレーにおける輝度値を基準点とし、輝度値が2倍になる毎に、1ずつ増加する用に定義されている。
実際にカメラで画像を撮影したときにカメラのCMOS等のイメージセンサから得られる輝度値は、絞り、シャッタースピード、感度設定等による露出に応じて変化する。つまり、イメージセンサから得られる輝度値は、カメラで同じ輝度の部分を撮影したとしても、露出に応じて異なる値となる。このために、Stop数の値自体は絶対的な値では無く、相対的な値である。つまり、Stop数では、輝度を表すことはできない。
例えば、図13の(1)の夜のシーンを撮影するような場合、黒潰れを起こさないようにするためには、シャッタースピードを遅くする、絞りを開ける等により露出を変えることで、暗い部分の階調を残して、明るい部分を捨てるような露出の設定をカメラに対して行う。
また、図13の(2)の昼の室内のシーンを撮影するような場合、暗い部分と明るい部分とのバランスが良くなるような露出の設定をカメラに対して行う。また、図13の(3)の昼の屋外のシーンを撮影するような場合、明るい部分の白潰れを防ぐために露出を絞った露出の設定をカメラに対して行う。
このようにして得られた相対的な輝度値を、絶対的な輝度値に変換するためには、18%グレーとの相対関係を計算する必要がある。
[2−2.画像撮影時の輝度値]
図14は、撮影した画像の輝度値の例に示す図である。
図14は、撮影した画像の輝度値の例に示す図である。
図14に示すように、撮影した画像(以下、「原画像」という)10のA)は、明るさの基準になる基準反射率である18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(以下、「基準輝度値」または「18%グレー(Gray)値」という。)を持つ画素を示す。原画像10のB)は、90%の反射率(90%グレー)(2.3 Stops)に対応する輝度値を持つ画素を示す。HDR原画像10のC)は、ほぼ黒の2.3%グレー(−3 Stops)に対応する輝度値を持つ画素を示す。原画像10のD)は、太陽を撮影することで得られた画素を示し、非常に明るい輝度値が得られており、1150%グレー(6 Stops)に対応する輝度値を持つ。原画像10のE)は、鏡面反射を起こしている位置を撮影することで得られた画素を示し、290%グレー(4 Stops)に対応する輝度値を持つ。
[2−3.マスター生成、配信方式、および表示装置の関係]
図15は、SDRに対応したホームエンターテイメント用マスターを制作するフロー、配信媒体および表示装置の関係について説明するための図である。
図15は、SDRに対応したホームエンターテイメント用マスターを制作するフロー、配信媒体および表示装置の関係について説明するための図である。
図14で説明したような原画像10は、最大輝度値が1300nitの画像である。つまり、原画像10を用いて最大輝度値が100nitのSDRに対応したマスター画像(SDR画像)を制作する場合、SDRでは100nit以上の輝度値を有する画素を表現することはできないため、原画像10の輝度値を変換せずにそのまま用いてSDRに対応したマスター画像を制作することはできない。つまり、原画像10を用いてSDRに対応したマスター画像を制作しようとすれば、原画像10の輝度値をSDRに対応した輝度範囲の輝度値に変換する必要がある。
[2−4.原画像からSDR画像へのマスタリング]
図16Aは、図14で示した原画像をSDR画像にマスタリングした結果の輝度値の一例を示す図である。図16Bは、原信号値をSDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とSDR信号値との関係の一例を示す図である。なお、原信号値は、原画像10の0〜1300nitの輝度範囲における輝度値(「以下、原画像の輝度値」という。)であり、SDR信号値は、SDRの輝度範囲における輝度値(以下、「SDRの輝度値」という。)である。
図16Aは、図14で示した原画像をSDR画像にマスタリングした結果の輝度値の一例を示す図である。図16Bは、原信号値をSDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とSDR信号値との関係の一例を示す図である。なお、原信号値は、原画像10の0〜1300nitの輝度範囲における輝度値(「以下、原画像の輝度値」という。)であり、SDR信号値は、SDRの輝度範囲における輝度値(以下、「SDRの輝度値」という。)である。
図16Bに示すように、この例における原画像10からSDR画像11へのマスタリングでは、基準反射率である18%グレー(0 Stop)に対応する画素は、明るさの基準になる基準輝度値を持つ画素である。このため、SDR画像へのマスタリングでは、原画像10をSDR画像11に変換した後であっても、原画像10における18%グレーに対応する原画像10の輝度値(18nit)を変更せずに、SDRの輝度値として決定する。
ここで、図16Bに示すように、原画像10からSDR画像11へのマスタリングでは、原画像10の90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)以下の輝度範囲(0〜90nit)においては、原画像の輝度値を変更せずに、SDRの輝度値として決定する。また、図16Bに示すように、原画像10の90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)より大きい原画像10の輝度範囲(90〜1300〔nit〕)における原画像の輝度値を、90〜100nitの輝度範囲のSDRの輝度値に、線形変換により割り付ける。
例えば、SDR画像11のB)のような、90%グレー(2.3 Stops)に対応する画素についてのSDR画像11へのマスタリングでは、原画像10をSDR画像11に変換した後であっても、原画像10における90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)を変更せずに、SDRの輝度値として決定する。
また、例えば、SDR画像11のC)のような、2.3%グレー(−3 Stops)に対応する画素についてのSDR画像へのマスタリングでは、上記と同様に、原画像10をSDR画像11に変換した後であっても、原画像10における2.3%グレーに対応する原画像の輝度値(2nit)を変更せずに、SDRの輝度値として決定する。
例えば、SDR画像11のD)のような、1150%グレー(6 Stops)に対応する画素についてのSDR画像へのマスタリングでは、原画像10における1150%グレーに対応する原画像の輝度値(1150nit)をSDRの輝度範囲の最大輝度値である100 nitに変換する。
また、例えば、SDR画像11のE)のような、290%グレー(4 Stops)に対応する画素についてのSDR画像へのマスタリングでは、原画像10における290%グレーに対応する原画像の輝度値を95 nitに変換する。
[2−5.HDR導入時のマスター、配信方式、および表示装置の関係]
図17は、HDR導入時のマスター、配信方式、および表示装置の関係について説明するための図である。図14で示した原画像10の場合は、原画像10の最大輝度値が1300nitであるため、原画像10をそのままの輝度値を用いて表現することができる。
図17は、HDR導入時のマスター、配信方式、および表示装置の関係について説明するための図である。図14で示した原画像10の場合は、原画像10の最大輝度値が1300nitであるため、原画像10をそのままの輝度値を用いて表現することができる。
[2−6.原画像からHDR画像への第1のマスタリング]
図18Aは、図14で示した原画像をHDR画像にマスタリングした結果の輝度値の一例を示す図である。図18Bは、原信号値をHDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とHDR信号値との関係の一例を示す図である。なお、HDR信号値は、HDRの輝度範囲における輝度値(以下、「HDRの輝度値」という。)である。なお、この例における原画像からHDR画像へのマスタリングでは、2000nitまでの輝度値をHDRの輝度値として割り付けることが許されているため、HDR画像においても原画像の輝度値をそのまま保持できる。
図18Aは、図14で示した原画像をHDR画像にマスタリングした結果の輝度値の一例を示す図である。図18Bは、原信号値をHDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とHDR信号値との関係の一例を示す図である。なお、HDR信号値は、HDRの輝度範囲における輝度値(以下、「HDRの輝度値」という。)である。なお、この例における原画像からHDR画像へのマスタリングでは、2000nitまでの輝度値をHDRの輝度値として割り付けることが許されているため、HDR画像においても原画像の輝度値をそのまま保持できる。
例えば、HDR画像12のA)のような、基準反射率である18%グレー(0 Stop)に対応する画素は、明るさの基準になる基準輝度値を持つ画素であるため、HDR画像へのマスタリングでは、原画像10をHDR画像12に変換した後であっても、原画像10における18%グレーに対応する原画像10の輝度値(18nit)を変更せずに、HDRの輝度値として決定する。
同様にして、例えば、HDR画像12のB)のような、90%グレー(2.3 Stops)に対応する画素と、HDR画像12のC)のような、2.3%グレー(−3 Stops)に対応する画素と、HDR画像12のD)のような、1150%グレー(6 Stops)に対応する画素と、HDR画像12のE)のような、290%グレー(4 Stops)に対応する画素とのそれぞれについて、HDR画像へのマスタリングでは、当該原画像の輝度値を変更せずに、HDRの輝度値として決定する。
[2−7.原画像からHDR画像への第2のマスタリング]
図19Aは、図14で示した原画像をHDR画像にマスタリングした結果の輝度値の別の一例を示す図である。図19Bは、原信号値をHDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とHDR信号値との関係の別の一例を示す図である。なお、この例における原画像からHDR画像へのマスタリングでは、2000nitまでの輝度値をHDRの輝度値として割り付けることが許されている。
図19Aは、図14で示した原画像をHDR画像にマスタリングした結果の輝度値の別の一例を示す図である。図19Bは、原信号値をHDR信号値に変換する(マスタリングする)ための、原信号値とHDR信号値との関係の別の一例を示す図である。なお、この例における原画像からHDR画像へのマスタリングでは、2000nitまでの輝度値をHDRの輝度値として割り付けることが許されている。
図19Bに示すように、この例における原画像10からHDR画像13へのマスタリングでは、基準反射率である18%グレー(0 Stop)に対応する画素について、HDR画像13の全体のバランスを考えて、制作者の意図で、原画像の基準輝度値の2倍の値を、当該画素の輝度値であるHDR画像13の基準輝度値として決定する。
ここで、図19Bに示すように、原画像10からHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10の90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)以下の輝度範囲(0〜90nit)においては、HDRの輝度値として、原画像の輝度値の2倍の値に決定する。また、図19Bに示すように原画像10からHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10の90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)を超える輝度範囲(90〜1300〔nit〕)における原画像の輝度値を、180〜HPL(HDR Peak Luminance)のHDRの輝度値に、線形変換により割り付ける。ここで、HPLとは、HDRの輝度範囲の最大値である。
例えば、HDR画像13のB)のような、90%グレー(2.3 Stops)に対応する画素についてのHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10における90%グレーに対応する原画像の輝度値(90nit)の2倍の値(180nit)を、HDRの輝度値として決定する。
また、例えば、HDR画像13のC)のような、2.3%グレー(−3 Stops)に対応する画素についてのHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10における2.3%グレーに対応する原画像の輝度値の2倍の値を、HDRの輝度値として決定する。
また、例えば、HDR画像13のD)のような、1150%グレー(6 Stops)に対応する画素についてのHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10における1150%グレーに対応する原画像の輝度値に対して、上述した線形変換を行うことにより得られた輝度値(1160nit)をHDRの輝度値として決定する。
また、例えば、HDR画像13のE)のような、290%グレー(4 Stops)に対応する画素についてのHDR画像13へのマスタリングでは、原画像10における290%グレーに対応する原画像の輝度値に対して、上述した線形変換を行うことにより得られた輝度値(360nit)をHDRの輝度値として決定する。
[2−8.HDRTV内のHDRの表示処理]
HDRTVであっても表示可能な最大輝度値(第2最大輝度値)が例えば750nitなどのように、HDR信号の最大輝度値である第1最大輝度値(HPL:例1500nit)よりも低い値であるため、HDR信号をそのままHDRTVに表示することはできない。このため、HDRのEOTF変換を行った後のリニアな信号に対して、表示装置において表示可能な第2最大輝度値(DPL:例750nit)に応じて、輝度変換する必要がある。
HDRTVであっても表示可能な最大輝度値(第2最大輝度値)が例えば750nitなどのように、HDR信号の最大輝度値である第1最大輝度値(HPL:例1500nit)よりも低い値であるため、HDR信号をそのままHDRTVに表示することはできない。このため、HDRのEOTF変換を行った後のリニアな信号に対して、表示装置において表示可能な第2最大輝度値(DPL:例750nit)に応じて、輝度変換する必要がある。
図20は、実施の形態2の変換装置の構成を示すブロック図である。具体的には、図20は、HDRTV内で、HDR信号を変換してHDR映像を生成する表示処理を示す図である。図21は、実施の形態2に係る変換方法を示すフローチャートである。つまり、図21は、輝度変換処理の際のアルゴリズムを示す図である。
図20に示すように、変換装置300は、HDRのEOTF変換部301、輝度変換部302、および表示部303を備える。なお、変換装置300は、例えば、HDRTVが備え、HDRTVに映像を表示するために映像の輝度を変換する装置である。
変換装置300の各構成要素についての詳細な説明は、変換方法の説明において行う。
変換装置300が行う変換方法について、図21を用いて説明する。なお、変換方法は、以下で説明するステップS301〜S304を含む。
まず、変換装置300のHDRのEOTF変換部301は、HDR信号の第1メタデータとして送られてくる18%グレーに対応する輝度値(基準輝度値)を取得する(S301)。なお、HDRのEOTF変換部301は、HDR信号が示すHDRの輝度値を計測することにより、基準輝度値を計測することで取得してもよい。上記のことから、HDRのEOTF変換部301は、映像のHDRの輝度値を示すHDR信号を取得する取得部としても機能する。また、HDRのEOTF変換部301は、取得したHDR映像のHDR信号に対して、HDRのEOTF変換を実施することで、HDR信号をHDR信号に対応するHDRの輝度値に変換する。
次に、輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitであるか否かを判定する(S302)。
輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitであると判定した場合(S302でYes)、基準輝度値が変化していないことが解るため、通常の輝度変換処理を行う(S303)。一方で、輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitと異なる値の場合(S302でNo)、製作者が意図的に基準輝度値を変更したことが解るため、基準輝度値の値を基に補正を行った上で、輝度変換処理を行う(S304)。つまり、輝度変換部302は、取得したHDR信号が示すHDRの輝度値(つまり、HDRのEOTF変換部301でHDR信号を変換することにより得られたHDRの輝度値)を、最大輝度値が、HDRの輝度範囲の最大値(HPL)よりも小さく、かつ、SDRの輝度範囲の最大値(100nit)よりも大きい第2輝度最大値(DPL)に定義されたディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値に変換する複数の輝度変換処理の1つを実行する輝度変換を行う。そして、輝度変換部302は、取得したHDR信号のメタデータ(第1メタデータ)における基準輝度値が18nitであるか否かに応じて、輝度変換処理を切り替え、切り替えた輝度変換処理によりHDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
なお、輝度変換部302は、実施の形態1の輝度変換部102と同様に、ディスプレイの輝度範囲に対応するディスプレイ輝度値に変換するが、輝度変換部102とは異なり、ディスプレイがSDRTVではなくHDRTVである。このように、変換済のHDR信号をHDRTVに入力することで、表示部303は、HDRTVの限界である最大値のディスプレイの輝度範囲に合わせたHDR映像をHDRTVに表示することができる。
以下、輝度変換処理の具体的な例を説明する。
[2−9.具体例1]
図22Aは、図18Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図22Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の一例を示す図である。なお、TV信号値は、HDRTVのディスプレイの輝度範囲における輝度値を示す信号である。
図22Aは、図18Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図22Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の一例を示す図である。なお、TV信号値は、HDRTVのディスプレイの輝度範囲における輝度値を示す信号である。
この例では、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像12の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として18nitを保持していることが解る。このため、ステップS303が行われ、90%グレーに対応する輝度値(90nit)以下の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値そのままの値を保持し、90%グレーに対応する輝度値(90nit)を超える、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す第1最大輝度値(HPL:1300nit)が、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(DPL:500nit)になるように線形変換を行う。
つまり、この例の場合の輝度変換(S303)では、基準輝度値が第1基準値としての18nitである場合、18nitより大きい第2基準値としての90nit以下の輝度値を示すHDR信号について、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。また、輝度変換(S303)では、基準輝度値が第1基準値としての18nitである場合、90nitを超える輝度値を示すHDR信号について、90nitから第1最大輝度値(HPL:例えば、1300nit)までのHDRの輝度値に対して、HPLを、HDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL:例えば500nit)に対応させた線形変換を行うことにより、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像12の18%グレーに対応する画素A)、HDR画像12の90%グレーに対応する画素B)、および、HDR画像12の2.3%グレーに対応する画素C)のそれぞれにおける輝度値については、そのままHDR画像12の輝度値を変更せずにディスプレイ輝度値として決定する。そして、HDR画像12の1150%グレーに対応する画素D)については、上記線形変換を行うことにより得られた450nitをディスプレイ輝度値として決定し、HDR画像12の290%グレーに対応する画素E)については、上記線形変換を行うことにより得られた163nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−10.具体例2]
図23Aは、図18Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図23Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
図23Aは、図18Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図23Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
この例では、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像12の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として18nitを保持していることが解る。このため、ステップS303が行われ、90%グレーに対応する輝度値(90nit)以下の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値そのままの値を保持する。また、ステップS303では、90%グレーに対応する輝度値(90nit)以上HDRTVの第2最大輝度値(500nit)未満の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値そのままの値を保持する。また、ステップS303では、HDRTVの第2最大輝度値(500nit)以上の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値に対して500nitでクリップすることにより得られた輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。
つまり、この例の場合の輝度変換(S303)では、基準輝度値が第1基準値としての18nitである場合、HDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL:500nit)以下である輝度値を示すHDR信号について、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。また、輝度変換(S303)では、DPLを超える輝度値を示すHDR信号について、HDR信号の示すHDRの輝度値に対して、DPLをディスプレイ輝度値として決定する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像12の18%グレーに対応する画素A)、HDR画像12の90%グレーに対応する画素B)、HDR画像12の2.3%グレーに対応する画素C)、および、HDR画像12の290%グレーに対応する画素E)については、そのままHDR画像12の輝度値を変更せずにディスプレイ輝度値として決定する。そして、HDR画像12の1150%グレーに対応する画素D)については、500nitでクリップすることにより得られた500nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−11.具体例3]
図24Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図24Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
図24Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図24Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
この例では、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像13の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として36nitを保持しており、基準輝度値を製作者が意図的に変えたことが解る。このため、ステップS304が行われ、90%グレーに対応する輝度値(180nit)以下の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値そのままの値を保持し、90%グレーに対応する輝度値(180nit)を超える、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す第1最大輝度値(HPL:1300nit)が、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(DPL:500nit)になるように線形変換を行う。
つまり、この例の場合の輝度変換(S304)では、基準輝度値が第1基準値(18nit)とは異なる第3基準値(36nit)である場合、36nitより大きい第4基準値(90nit)以下の輝度値を示すHDR信号について、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。また、輝度変換(S304)では、90nitを超える輝度値を示すHDR信号について、90nitからHDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL)までのHDRの輝度値に対して、第1最大輝度値(HPL)を第2最大輝度値(DPL)に対応させた線形変換を行うことにより、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像13の18%グレーに対応する画素A)、HDR画像13の90%グレーに対応する画素B)、および、HDR画像13の2.3%グレーに対応する画素C)については、そのままHDR画像13の輝度値を変更せずにディスプレイ輝度値として決定する。そして、HDR画像13の1150%グレーに対応する画素D)については、上記線形変換を行うことにより得られた446nitをディスプレイ輝度値として決定し、HDR画像13の290%グレーに対応する画素E)については、上記線形変換を行うことにより得られた313nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−12.具体例4]
図25Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図25Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
図25Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図25Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
この例では、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像13の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として36nitを保持しており、基準輝度値を製作者が意図的に変えたことが解る。このため、ステップS304が行われ、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(500nit)未満の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値そのままの値を保持し、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(500nit)以上の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値に対して500nitでクリップすることにより得られた輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。
つまり、この例の場合の輝度変換(S304)では、基準輝度値が第1基準(18nit)とは異なる第3基準値(36nit)である場合、HDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL:500nit)以下である輝度値を示すHDR信号について、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。また、輝度変換(S304)では、DPLを超える輝度値を示すHDR信号について、HDR信号が示すHDRの輝度値に対して、DPLをディスプレイ輝度値として決定する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像13の18%グレーに対応する画素A)、HDR画像13の90%グレーに対応する画素B)、HDR画像13の2.3%グレーに対応する画素C)、および、HDR画像13の290%グレーに対応する画素E)については、そのままHDR画像13の輝度値を変更せずにディスプレイ輝度値として決定する。そして、HDR画像13の1150%グレーに対応する画素D)については、500nitでクリップすることにより得られた500nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−13.具体例5]
図26Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図26Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
図26Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図26Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
この例では、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像13の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として36nitを保持しており、基準輝度値を製作者が意図的に変えたことが解る。しかしながら、HDRTVの第2最大輝度値が500nitであり、HPLと比較するとそれほど高くないため、HDRTV側で表示する基準輝度値を18nitに変換する。この場合、ステップS304が行われ、HDR画像13における90%グレーに対応する輝度値(180nit)以下の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、変換後の基準輝度値と、元の基準輝度値との比(18/36=1/2)を乗じた値に変換する。また、ステップS304では、90%グレーに対応する輝度値(180nit)を超える、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す第1最大輝度値(HPL:1300nit)が、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(DPL:500nit)になるように線形変換を行う。
つまり、この例の場合の輝度変換(S304)では、基準輝度値が第1基準値(18nit)とは異なる第3基準値(36nit)である場合、36nitより大きい第4基準値(180nit)以下の輝度値を示すHDR信号について、18nitと、36nitとの比率(1/2)に応じて、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。また、輝度変換(S304)では、36nitを超える輝度値を示すHDR信号について、180nitから第1最大輝度値(HPL:例えば、1300nit)までのHDRの輝度値に対して、HPLを、HDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL:例えば500nit)に対応させた線形変換を行うことにより、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像13の18%グレーに対応する画素A)については、HDRの輝度値(36nit)に1/2が乗じられることにより得られた18nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の90%グレーに対応する画素B)については、HDRの輝度値(180nit)に1/2が乗じられることにより得られた90nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の2%グレーに対応する画素C)については、HDRの輝度値に1/2が乗じられることにより得られた2nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の1150%グレーに対応する画素D)については、HDRの輝度値(1160nit)に上記線形変換を行うことにより得られた450nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の290%グレーに対応する画素E)については、HDRの輝度値(360nit)に上記線形変換を行うことにより得られた190nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−14.具体例6]
図27Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図27Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
図27Aは、図19Aのマスタリングにより得られたHDR画像を取得して、第2最大輝度値が500nitの表示機器用に輝度変換した結果の一例である。図27Bは、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の別の一例を示す図である。
この例では、HDRTVが表示可能な最大輝度値が500nitに制限されている。このため、HDR信号が示すHDRの輝度値をディスプレイの輝度範囲におけるディスプレイ輝度値に変換する必要がある。
ステップS301において、取得したHDR信号から、明るさの基準になる18%グレー(0 Stop)に対応する輝度値(基準輝度値)を取り出す。そしてステップS302において、HDR画像13の輝度値を示すHDR信号は、基準輝度値として36nitを保持しており、基準輝度値を製作者が意図的に変えたことが解る。しかしながら、HDRTVの第2最大輝度値が500nitであり、HPLと比較するとそれほど高くないため、HDRTV側で表示する基準輝度値を18nitに変換する。この場合、ステップS304が行われ、HDR画像13における90%グレーに対応する輝度値(180nit)以下の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、変換後の基準輝度値と、元の基準輝度値との比(18/36=1/2)を乗じた値に変換する。また、ステップS304では、90%グレーに対応する基準輝度値(180nit)を超え、かつ、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(500nit)未満の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、線形変換を行い、HDRTVが表示可能な第2最大輝度値(500nit)以上の、当該HDR信号が示す輝度値に対しては、当該HDR信号が示す輝度値に対して500nitでクリップすることにより得られた輝度値をディスプレイ輝度値として決定する。
つまり、この例の場合の輝度変換(S304)では、基準輝度値が第1基準値(18nit)とは異なる第3基準値(36nit)である場合、36nitより大きい第4基準値(180nit)以下の輝度値を示すHDR信号について、18nitと、36nitとの比率に応じて、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。また、輝度変換(S304)では、180nitから180nitより大きい第5基準値までの輝度値を示すHDR信号について、180nitから第5基準値までのHDRの輝度値に対して、第5基準値をHDRTVにおいて表示可能な第2最大輝度値(DPL:例えば500nit)に対応させた線形変換を行うことにより、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。また、輝度変換(S304)では、第5輝度値を超える輝度値を示すHDR信号について、DPLをディスプレイ輝度値として決定する。
このように輝度変換を行うことにより、HDR画像13の18%グレーに対応する画素A)については、HDRの輝度値(36nit)に1/2が乗じられることにより得られた18nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の90%グレーに対応する画素B)については、HDRの輝度値(180nit)に1/2が乗じられることにより得られた90nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の2%グレーに対応する画素C)については、HDRの輝度値に1/2が乗じられることにより得られた2nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の1150%グレーに対応する画素D)については、HDRの輝度値(1160nit)に対してクリップすることにより得られた500nitをディスプレイ輝度値として決定する。また、HDR画像13の290%グレーに対応する画素E)については、HDRの輝度値(360nit)に上記線形変換を行うことにより得られた290nitをディスプレイ輝度値として決定する。
[2−15.実施の形態2の変形例1]
上記実施の形態2では、では、HDR信号の第1メタデータとして伝送される18%グレーに対応する輝度値(基準輝度値)に応じてHDRTVにおける輝度変換処理の方法を切替えて、HDR信号を表示部303に出力する際の信号値を決定する処理について述べた。HDRTVにおいては、入力として取得するHDR信号だけでなく、部屋の明るさなどの視聴環境、あるいは、ダイナミックモードやシネマモードなど、HDRTVにおける各種の表示モードに応じて、トーンマッピング(輝度変換処理)の方法を切替えることも可能である。つまり、変換装置300は、HDR信号の第1メタデータに応じて輝度変換処理を切り替えるだけでなく、さらにHDRTV側のメタデータ(第2メタデータ)に応じて輝度変換処理を切り替えてもよい。
上記実施の形態2では、では、HDR信号の第1メタデータとして伝送される18%グレーに対応する輝度値(基準輝度値)に応じてHDRTVにおける輝度変換処理の方法を切替えて、HDR信号を表示部303に出力する際の信号値を決定する処理について述べた。HDRTVにおいては、入力として取得するHDR信号だけでなく、部屋の明るさなどの視聴環境、あるいは、ダイナミックモードやシネマモードなど、HDRTVにおける各種の表示モードに応じて、トーンマッピング(輝度変換処理)の方法を切替えることも可能である。つまり、変換装置300は、HDR信号の第1メタデータに応じて輝度変換処理を切り替えるだけでなく、さらにHDRTV側のメタデータ(第2メタデータ)に応じて輝度変換処理を切り替えてもよい。
例えば、HDRTVを視聴する部屋が明るい場合には、暗い場合に比べて、基準輝度値が大きくなるようにマッピングしてもよい。また、ダイナミックモードなど、全体的に輝度値が高くなるように表示する表示モードにおいても、基準輝度値が大きくなるようにマッピングしてもよい。反対に、シネマモードなど、低輝度域の再現性を重視する表示モードである場合には、基準輝度値が18nitで固定となるように動作させてもよい。
図28は、実施の形態2の変形例1に係る変換方法を示すフローチャートである。つまり、図28は、視聴環境や表示モードなどのHDRTV側のメタデータに基づいて輝度変換処理を行う場合の動作を示すフローチャートである。
まず、輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うか否かを判定する(S401)。上記のことから、輝度変換部302は、HDRTVの表示特性を示すHDRTV側のメタデータを、HDRTVから取得する。
輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うと判定した場合(S401でYes)、HDRTV側のメタデータに応じて基準輝度値を設定し、輝度変換処理を補正する(S402)。
一方で、輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行わないと判定した場合(S402でNo)、通常の輝度変換処理を行う(S403)。
つまり、輝度変換部302は、輝度変換として、取得したHDRTV側のメタデータに応じて輝度変換処理をさらに切り替えて、切り替えた輝度変換処理によりHDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する。
図29は、HDRTV側のメタデータに基づく輝度変換処理において用いられる、HDR信号値をTV信号値に輝度変換するための、HDR信号値とTV信号値との関係の一例を示す図である。
一般的なHDRTVでは、HDRTVに内蔵された光量センサなどにより、HDRTV周辺の明るさを測定し、HDRTVの表示輝度を調整する機能が搭載されている。このようなHDRTVでは、例えば、周辺が明るい場合には、全体的に輝度値を持ち上げて画像を表示する処理を行う。あるいは、ダイナミックモードなど、高輝度域の信号を強調する表示モードにHDRTVが設定されている場合においても、液晶などのバックライトの輝度値を全体的に持ち上げて画像を表示する処理を行う。ここで、HDRTV側のメタデータは、HDRTVの視聴環境または表示モードを示すメタデータである。
このように、HDRTVにより全体的に輝度値を持ち上げて画像を表示する処理を行った結果として、HDRTVに表示可能な最小輝度値(最低輝度値)にオフセットがかかり、所謂、黒浮した状態になることがある。このようなケースでは、HDR信号における低輝度域の信号値を、そのままの値で表示することができない。例えば、上記の処理を行ったことで表示可能な最小輝度値が5nitになった場合、5nitまでの信号は表現できなくなる。
したがって、表示可能な最小輝度値を基準輝度値(オフセット輝度値:例えば5nit)とした場合、5nitまでに対応するHDR信号を表現するために、ディスプレイ輝度値(TV信号値)を決定する際には、HDR信号が示すHDRの輝度値に対してオフセット輝度値を加算することが考えられる。具体的には、入力されるHDR信号において、基準輝度値が18nitである場合、オフセット輝度値が5nitであれば、TV信号値における基準輝度値は、HDR信号における基準輝度値18nitに、オフセット輝度値5nitを加算することで得られる23nitとなる。
本実施の形態における輝度変換処理においては、90%グレーに対応する輝度値以下の輝度値については、18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイ輝度値との比率を保って、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換している。図29に示す輝度変換処理においては、18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイ輝度値との比率を保って出力する領域の輝度値に関しては、少なくとも、オフセット輝度値に対する相対的な輝度値の関係が保たれることを保証する。つまり、出力されるディスプレイ輝度値は、本実施の形態における輝度変換処理での出力値にオフセット輝度値を加算した値となる。ここで、18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイ輝度値との比率を保って、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する場合のHDRの輝度値を、90%グレーに対応する輝度値以下の輝度値としているが、90%グレーに対応する輝度値は一例である。つまり、18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイ輝度値との比率を保って、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する場合の上限および下限の輝度値に関しては、HDRTVで予め設定した任意の値で決定されてもよいし、別途、上限および下限の輝度値を示すメタデータを取得し、取得したメタデータに応じて決定されてもよい。
図30は、オフセット輝度値に基づいて輝度変換処理を行う動作を示すフローチャートである。なお、図30に示す輝度変換処理は、図28のステップS402において行われてもよい。
まず、輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じてオフセット輝度値を決定する(S501)。
次に、輝度変換部302は、HDR信号が示すHDRの輝度値を保持して出力する輝度範囲のHDRの輝度値に対しては、HDRの輝度値に対してオフセット輝度値を加算する(S502)。
つまり、輝度変換部302は、輝度変換において、少なくとも、第2基準値(90nit)以下の輝度値を示すHDR信号に対して、HDRTVの表示特性を示す第2メタデータ(HDRTV側のメタデータ)に含まれるHDRTVにおいて表示可能な最小輝度値を線形変換した後の値に加算し、加算後の値を第2輝度値として決定する。
[2−16.実施の形態2の変形例2]
上記実施の形態2の変形例1では、HDRTV側のメタデータに応じて輝度変換処理を切り替えることを説明したが、これに限らずに、HDR信号のメタデータとHDRTV側のメタデータとのそれぞれに応じて輝度変換処理を切り替えてもよい。
上記実施の形態2の変形例1では、HDRTV側のメタデータに応じて輝度変換処理を切り替えることを説明したが、これに限らずに、HDR信号のメタデータとHDRTV側のメタデータとのそれぞれに応じて輝度変換処理を切り替えてもよい。
図31は、HDR信号のメタデータとHDRTV側のメタデータを併用した場合の輝度変換処理の動作を示すフローチャートである。
まず、変換装置300のHDRのEOTF変換部301は、HDR信号の第1メタデータとして送られてくる基準輝度値を取得する(S601)。
次に、輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitであるか否かを判定する(S602)。
輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitであると判定した場合(S602でYes)、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うか否かを判定する(S603)。
輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うと判定した場合(S603でYes)、HDRTV側のメタデータに応じて基準輝度値を設定し、輝度変換処理を補正する(S604)。
一方で、輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行わないと判定した場合(S604でNo)、通常の輝度変換処理を行う(S605)。
一方で、輝度変換部302は、取得した基準輝度値が18nitと異なる値の場合(S602でNo)、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うか否かを判定する(S606)。
輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行うと判定した場合(S606でYes)、HDR信号のメタデータに含まれる基準輝度値と、HDRTV側のメタデータとを併用して輝度変換処理を補正する(S607)。具体的には、ステップS607では、少なくとも、18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイ輝度値との比率を保って出力する領域の輝度値に関しては、基準輝度値に対する相対的な輝度値の関係が保たれるように輝度変換を行う。例えば、図24Bで説明した輝度変換において、90%グレーに対応する輝度値以下の輝度範囲のHDRの輝度値から変換されたディスプレイ輝度値ついては、当該ディスプレイ輝度値にオフセット輝度値を加算した値を補正した後のディスプレイ輝度値(TV信号値)とする。
一方で、輝度変換部302は、HDRTV側のメタデータに応じた輝度変換処理を行わないと判定した場合(S606でNo)、HDR信号のメタデータに含まれる基準輝度値に応じて輝度変換処理を補正する(S608)。
[2−17.実施の形態2の変形例3]
上記実施の形態2およびその変形例では、基準輝度値が固定された例を説明したが、これに限らずに、HDR映像の複数の区間毎に基準輝度値として互いに異なる輝度値が設定されていてもよい。
上記実施の形態2およびその変形例では、基準輝度値が固定された例を説明したが、これに限らずに、HDR映像の複数の区間毎に基準輝度値として互いに異なる輝度値が設定されていてもよい。
図32は、連続して再生されるストリームにおいて、基準輝度値が動的に変更される例を示す図である。
図32に示すように、基準輝度値は、区間1、区間2、および区間4では18nitであるが、区間3では36nitである。HDR信号のメタデータは、動的に更新することができるため、基準輝度値が更新されるフレームと同期して、あるいは、当該輝度値が更新されるフレームの近傍において、メタデータを送信する。HDRTVでは、HDR信号のメタデータの更新が指示されるフレーム、あるいは、当該フレーム以降でメタデータの更新が可能となる最初のフレームから、更新内容を反映して輝度変換処理を行う。ここで、HDR信号のメタデータの更新は、ビデオにおけるGOP(Group Of Pictures)などのランダムアクセス単位の先頭においてのみ可能とし、ランダムアクセス単位内では固定としてもよい。あるいは、シームレスに連続再生される単位においては固定としてもよい。例えば、BDにおいてシームレスに接続されるプレイアイテム間では固定としてもよい。
図33は、図32のようにHDR信号のメタデータが動的に更新されるストリームを再生する表示装置の動作例を示すフローチャートである。
まず、輝度変換部302は、基準輝度値のデフォルト値を予め設定する(S701)。
次に、輝度変換部302は、HDR信号のメタデータを取得したか否かを判定する(S702)。
輝度変換部302は、HDR信号のメタデータを取得したと判定した場合(S702でYes)、取得したメタデータの内容に応じて基準輝度値を再設定し、再設定した基準輝度値に応じて輝度変換処理を行う(S703)。
一方で、輝度変換部302は、HDR信号のメタデータを取得していないと判定した場合(S702でNo)、ステップS701で設定したデフォルト値、あるいは、最初に取得したHDR信号のメタデータから特定される基準輝度値に基づいて、輝度変換処理を決定する(S704)。なお、BDなどの蓄積メディアにおいては、シームレス接続されないプレイアイテムの先頭、または、放送における番組の切替わり時点などにおいてのみ、輝度変換処理を変更することにしてもよい。
上記のことから、輝度変換部302は、HDR信号に基づいて連続して再生される再生ストリームにおいて、再生ストリームの第1区間と第2区間とでHDR信号のメタデータが示す基準輝度値が異なる場合は、輝度変換では、第1区間と第2区間とのそれぞれについて、当該区間に対応する基準輝度値に応じて、第1輝度値を前記第2輝度値に変換する。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下では、他の実施の形態を例示する。
HDR映像は、例えばBlu−ray Disc、DVD、インターネットの動画配信サイト、放送、HDD内の映像である。
変換装置100(HDR→疑似HDR変換処理部)は、ディスクプレイヤー、ディスクレコーダ、セットトップボックス、テレビ、パソコン、スマートフォンの内部に存在していてもよい。変換装置100は、インターネット内のサーバ装置の内部に存在していてもよい。
表示装置200(SDR表示部)は、例えばテレビ、パソコン、スマートフォンである。
変換装置100が取得するディスプレイ特性情報は、表示装置200からHDMIや他の通信プトロコルを用いてHDMIケーブルやLANケーブルを介して取得してもよい。変換装置100が取得するディスプレイ特性情報は、インターネットを介して表示装置200の機種情報等に含まれるディスプレイ特性情報を取得してもよい。また、ユーザがマニュアル操作を行い、ディスプレイ特性情報を、変換装置100に設定してもよい。また、変換装置100のディスプレイ特性情報の取得は、疑似HDR映像生成(ステップS101〜S104)時の直前でもよいし、機器の初期設定時やディスプレイ接続時のタイミングでもよい。例えば、ディスプレイ特性情報の取得は、ディスプレイ輝度値への変換の直前に行ってもよいし、変換装置100がHDMIケーブルで最初に表示装置200に接続したタイミングで行ってもよい。
また、HDR映像のCPLやCALは、コンテンツ1つに対して1つでもよいし、シーン毎に存在していてもよい。つまり、変換方法では、映像の複数のシーンのそれぞれに対応した輝度情報であって、当該シーン毎に、当該シーンを構成する複数の画像に対する輝度値のうちの最大値である第1最大輝度値と、当該シーンを構成する複数の画像に対する輝度値の平均である平均輝度値との少なくとも一方を含む輝度情報(CPL、CAL)を取得し、第1輝度変換では、複数のシーンのそれぞれについて、当該シーンに対応した輝度情報に応じてディスプレイ輝度値を決定してもよい。
また、CPLおよびCALは、HDR映像と同じ媒体(Blu−ray Disc、DVD等)に同梱していてもよいし、変換装置100がインターネットから取得する等、HDR映像とは別の場所から取得してもよい。つまり、CPLおよびCALの少なくとも一方を含む輝度情報を映像のメタ情報として取得してもよいし、ネットワーク経由で取得してもよい。
また、変換装置100の第1輝度変換(HPL→DPL)において、CPL、CAL、およびディスプレイピーク輝度(DPL)は使用せずに、固定値を用いてもよい。また、その固定値を外部から変更可能にしてもよい。また、CPL、CAL、およびDPLは、数種類で切り替えるようにしてもよく、例えば、DPLは200nit、400nit、800nitの3種類のみとするようにしてもよいし、ディスプレイ特性情報に最も近い値を使用するようにしてもよい。
また、HDRのEOTFはSMPTE 2084でなくてもよく、他の種類のHDRのEOTFを用いてもよい。また、HDR映像の最大輝度(HPL)は10,000nitでなくてもよく、例えば4,000nitや1,000nitでもよい。
また、コード値のビット幅は、例えば16,14,12,10,8bitでもよい。
また、逆SDRのEOTF変換は、ディスプレイ特性情報から決定するが、(外部からも変更可能な)固定の変換関数を用いてもよい。逆SDRのEOTF変換は、例えばRec. ITU−R BT.1886で規定されている関数を用いてもよい。また、逆SDRのEOTF変換の種類を数種類に絞り、表示装置200の入出力特性に最も近いものを選択して使用するようにしてもよい。
また、表示モードは、固定のモードを使うようにしてもよく、ディスプレイ特性情報の中に含めなくてもよい。
また、変換装置100は、設定情報を送信しなくてもよく、表示装置200では固定の表示設定としてもよいし、表示設定を変更しなくてもよい。この場合、表示設定部201は不要となる。また、設定情報は、疑似HDR映像かどうかのフラグ情報でもよく、例えば、疑似HDR映像である場合は最も明るく表示する設定に変更するようにしてもよい。つまり、表示設定の設定(S105)では、取得した設定情報が、DPLを用いて変換された疑似HDR映像を示す信号であることを示す場合、表示装置200の明るさ設定を最も明るく表示する設定に切り替えてもよい。
また、変換装置100の第1輝度変換(HPL→DPL)は例えば次の算式で変換する。
ここで、Lは、0〜1に正規化された輝度値を示し、S1、S2、a、b、MはCAL、CPL、およびDPLに基づいて設定する値である。lnは自然対数である。Vは0〜1に正規化された変換後の輝度値である。図8Aの例のように、CALを300nitとし、CPLを2,000nitとし、DPLを750nitとし、CAL + 50nitまでは変換しないとし、350nit以上に対して変換する場合、それぞれの値は例えば次のような値となる。
S1 = 350/10000
S2 = 2000/10000
M = 750/10000
a = 0.023
b = S1 − a*ln(S1) = 0.112105
S2 = 2000/10000
M = 750/10000
a = 0.023
b = S1 − a*ln(S1) = 0.112105
つまり、第1輝度変換では、SDRの輝度値が、平均輝度値(CAL)と第1最大輝度値(CPL)との間である場合、自然対数を用いて、当該HDRの輝度値に対応するディスプレイ輝度値を決定する。
HDR映像のコンテンツピーク輝度やコンテンツ平均輝度等の情報を用いてHDR映像を変換することにより、コンテンツに応じて変換式を変えることができ、HDRの階調をなるべく保つように変換することが可能となる。また、暗すぎる、明るすぎるといった悪影響を抑制することができる。具体的には、HDR映像のコンテンツピーク輝度をディスプレイピーク輝度にマッピングすることにより、階調をなるべく保つようにしている。また、平均輝度付近以下の画素値を変えないことにより、全体的な明るさが変わらないようにしている。
また、SDRディスプレイのピーク輝度値および表示モードを用いてHDR映像を変換することにより、SDRディスプレイの表示環境に応じて変換式を変えることができ、SDRディスプレイの性能に合わせて、HDR感のある映像(疑似HDR映像)を、元のHDR映像と同様の階調や明るさで表示することができる。具体的には、SDRディスプレイの最大輝度および表示モードによってディスプレイピーク輝度を決定し、そのピーク輝度値を超えないようにHDR映像を変換することにより、SDRディスプレイで表示可能な明るさまではHDR映像の階調をほとんど減らさずに表示し、表示不可能な明るさは表示可能な明るさまで輝度値を下げている。
以上により、表示不可能な明るさ情報を削減し、表示可能な明るさの階調を落とさず、元のHDR映像に近い形で表示することが可能となる。例えば、ピーク輝度1,000nitのディスプレイ用には、ピーク輝度1,000nitに抑えた疑似HDR映像に変換することにより、全体的な明るさを維持し、ディスプレイの表示モードによって輝度値は変わる。このため、ディスプレイの表示モードに応じて、輝度の変換式を変更するようにしている。もし、ディスプレイのピーク輝度よりも大きな輝度を疑似HDR映像で許容すると、その大きな輝度をディスプレイ側でのピーク輝度に置き換えて表示する場合があり、その場合は元のHDR映像よりも全体的に暗くなる。逆にディスプレイのピーク輝度よりも小さな輝度を最大輝度として変換すると、その小さな輝度をディスプレイ側でのピーク輝度に置き換え、元のHDR映像よりも全体的に明るくなる。しかもディスプレイ側のピーク輝度よりも小さいためにディスプレイの階調に関する性能を最大限使っていないことになる。
また、ディスプレイ側では、設定情報を用いて表示設定を切り替えることにより、疑似HDR映像をよりよく表示することが可能となる。例えば、明るさを暗く設定している場合には高輝度表示ができないため、HDR感が損なわれる。その場合には表示設定を変更するもしくは、変更してもらうよう促すメッセージを表示することにより、ディスプレイの性能を最大限引出し、高階調な映像を表示できるようにする。
4K対応BDまたはHDR対応BDを再生するBlu−ray機器は、2K_SDR対応TV、2K_HDR対応TV、4K_SDR対応TV、及び、4K_HDR対応TVの4つのTVに対応する必要がある。具体的には、Blu−ray機器は、3組のHDMI/HDCP規格(HDMI1.4/HDCP1.4、HDMI2.0/HDCP2.1、HDMI2.1/HDCP2.2)をサポートする必要がある。
さらに、Blu−ray機器は、4種類のBlu−rayディスク(2K_SDR対応BD、2K_HDR対応BD、4K_SDR対応BD、及び、4K_HDR対応BD)の再生を行う場合、そのBD(コンテンツ)毎、及び、接続されている表示装置(TV)毎に、適切な処理とHDMI/HDCPとを選択する必要がある。さらに、ビデオにグラフィックを合成する場合も、BDの種類と接続されている表示装置(TV)の種類により、処理を変える必要がある。
このため、Blu−ray機器の内部処理が非常に複雑になる。上記実施の形態3においては、Blu−ray機器内部処理を比較的簡単にするための各種手法を提供した。
[1]例えば、HDR非対応のTVにHDR信号を表示する場合は、HDRからSDRへの変換が必要になる。これに対し、上記実施の形態3では、この変換をBlu−ray機器においてオプション化するために、デュアルストリームディスク(Dual Streams Disc)というBDの構成を提案した。
[2]また、上記実施の形態3では、グラフィックストリームに制限を加え、ビデオストリームとグラフィックストリームとの組み合わせの種類を減らした。
[3]上記実施の形態3では、デュアルストリームディスクと、グラフィックストリームの制限とにより、Blu−ray機器内での複雑な処理の組み合わせ数を大幅に減らしている。
[4]上記実施の形態3では、疑似HDR変換を導入した場合でも、デュアルストリームディスクの処理に対して矛盾が生じない、内部処理及びHDMI処理を提示した。
本開示の変換方法では、HDR映像をSDRTVで表示する場合において、表示するSDRTVのピーク輝度が100nitを超える(通常200nit以上)ことを利用して、HDR映像を100nit以下のSDR映像に変換するのではなく、100nitを超える領域の階調をある程度保つよう変換し、元のHDRに近い疑似HDR映像に変換してSDRTVに表示させることができる「HDR→疑似HDR変換処理」を実現する。
また、変換方法では、SDRTVのディスプレイ特性(最大輝度値、入出力特性、および表示モード)によって「HDR→疑似HDR変換処理」の変換方法を切り替えてもよい。
ディスプレイ特性情報の取得方法としては、(1)HDMIやネットワークを通して自動取得すること、(2)ユーザにメーカー名、品番等の情報入力させることで生成すること、および(3)メーカー名や品番等の情報を使ってクラウド等から取得することが考えられる。
また、変換装置100のディスプレイ特性情報の取得タイミングとしては、(1)疑似HDR変換する直前に取得すること、および(2)表示装置200(SDRTV等)と初めて接続する時(接続が確立した時)に取得することが考えられる。
また、変換方法では、HDR映像の輝度情報(CAL、CPL)によって変換方法を切り替えてもよい。
例えば、変換装置100のHDR映像の輝度情報の取得方法としては、(1)HDR映像に付随したメタ情報として取得すること、(2)ユーザにコンテンツのタイトル情報を入力させることで取得すること、および(3)ユーザに有力させた入力情報を使ってクラウド等から取得すること等が考えられる。
また、変換方法の詳細としては、(1)DPLを超えないように変換し、(2)CPLがDPLになるように変換し、(3)CALおよびその周辺以下の輝度は変更せず、(4)自然対数を用いて変換し、(5)DPLでクリップ処理をする。
また、変換方法では、疑似HDRの効果を高めるために、SDRTVの表示モード、表示パラメータなどの表示設定を、表示装置200に送信して切り替えることも可能であり、例えば、ユーザに表示設定を促すメッセージを画面に表示してもよい。
HDR信号のメタデータは、18%グレーに対応する輝度値に限定されるものではなく、HDRTVにおけるグレーレベルのリファレンスとして使用できれば他の値であってもよい。
18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイの輝度値との比率を保って、HDRの輝度値をディスプレイ輝度値に変換する場合の上限および下限の輝度値は、HDRTVが出力できる最大輝度値、および、最小輝度値に応じて設定してもよい。例えば、HDRTVの最大輝度値が80%グレーに対応する輝度値である場合には、70%グレーに対応する輝度値までは18%グレーに対応するHDRの輝度値と18%グレーに対応するディスプレイの輝度値との比率を保って出力し、それ以上の輝度に対しては、HDRTVの第2最大輝度値(DPL)に応じて線形変換を行ってもよい。なお、最小輝度値についても、同様に処理することができる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示方法および表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態なども、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本開示は、第1輝度範囲から輝度範囲が縮小された第2輝度範囲に輝度を適切に変換することができる変換方法、変換装置などとして有用である。
100 変換装置
101 HDRのEOTF変換部
102 輝度変換部
103 逆輝度変換部
104 逆SDRのEOTF変換部
200 表示装置
201 表示設定部
202 SDRのEOTF変換部
203 輝度変換部
204 表示部
301 HDRのEOTF変換部
302 輝度変換部
303 表示部
101 HDRのEOTF変換部
102 輝度変換部
103 逆輝度変換部
104 逆SDRのEOTF変換部
200 表示装置
201 表示設定部
202 SDRのEOTF変換部
203 輝度変換部
204 表示部
301 HDRのEOTF変換部
302 輝度変換部
303 表示部
Claims (2)
- 第1映像から変換された第2映像を表示する表示装置における表示方法であって、
最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、前記第1映像の第1輝度値を示す第1輝度信号により示される前記第1輝度値を、最大輝度値が、前記第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、前記第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した前記第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信し、
前記第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が前記表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理を実行することにより輝度値を決定し、
前記決定された輝度値に基づき前記第2映像を表示する、
表示方法。 - 第1映像から変換された第2映像を表示する表示装置であって、
最大輝度値が100nitを超える第1最大輝度値に定義された第1輝度範囲における第1輝度値からなる第1映像において、前記第1映像の第1輝度値を示す第1輝度信号により示される前記第1輝度値を、最大輝度値が、前記第1最大輝度値よりも小さく、かつ、100nitよりも大きい第2最大輝度値に定義された第2輝度範囲に対応する第2輝度値に変換する複数の輝度変換処理の中から、前記第1輝度信号の第1メタデータに含まれる、基準反射率に対応する基準輝度値に応じて決定された輝度変換処理によって変換した前記第2輝度値に対応する第2輝度信号を含む映像信号を受信する受信部と、
前記第2輝度信号に対して、最大輝度値が100nitに定義された輝度範囲、または、最大輝度値が前記表示装置の表示能力により定義された輝度範囲の少なくとも一方に対応する輝度値への輝度変換処理を実行することにより輝度値を決定する決定部と、
前記決定された輝度値に基づき前記第2映像を表示する表示部と、
を備える表示装置。
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