JP2019041269A - 映像処理装置、表示装置、映像処理方法、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】SDR信号に対応した表示装置においても、HDR信号が示す階調特性を、効率的に、表示装置に適した階調特性に変換し、表示品位を向上する映像処理装置、表示装置、映像処理方法、制御プログラム、および記録媒体を提供する。
【解決手段】階調値変換装置2は、映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定部4と、映像信号において各画素が取る階調値のうち、仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換する階調値変換部5と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、HDR信号の階調値を変換する映像処理装置等に関する。
近年、高画質化技術の1つとして、SDR(Standard Dynamic Range)信号よりも、階調数(取り得る階調値の個数)が多く、かつ、より高輝度の情報を含むHDR(High Dynamic Range)信号が注目を集めている。HDR信号を用いることより、従来よりも高輝度かつ高コントラストな迫力のある映像を得ることができる。
SDR信号は、γ2.2相当等のEOTF(Electro-Optical Transfer Function)を有する再生環境(以下、「SDR環境」と記載)での再生を前提として製作されているのに対して、HDR信号は、SMPTE−ST2084(以下、「ST2084」と略記)等のEOTFを有する再生環境(以下、「SDR環境」と記載)での再生を前提として製作されている。このため、SDR環境でHDR信号を再生すると、得られる映像の輝度が製作者の意図した輝度と異なってしまう。
このような問題を回避するための方法としては、例えば、SDR環境でHDR信号を表示する前に、HDR信号で各画素が取る階調値を、HDR環境において作成者の意図した輝度に対応する第1の階調値から、SDR環境において作成者の意図した輝度に対応する第2の階調値に変換することなどが考えられる。例えば、HDR環境におけるEOTFをf、SDR環境におけるEOTFをgとすると、この変換は、第1の階調値xを、第2の階調値y=g−1(f(x))に対応させるマッピングとなる。
再生環境のEOTF又はガンマカーブに関連する技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1〜2が挙げられる。特許文献1には、入力映像信号の平均輝度レベル及びγ調整値によりダイナミックレンジ拡大前後の平均輝度レベルの変化幅を毎フレーム変化させることにより、バックライトの調光制御を行う液晶表示装置が開示されている。
特許文献2には、入力映像信号を所定の走査線数を有する信号に走査変換する走査変換部と、この走査変換部からの信号をガンマ補正するガンマ補正部と、入力映像信号から信号レベルを検出し、この検出信号によりガンマ補正部を制御するレベル検出部とを備え、入力信号レベルに応じて平均輝度を制御するプラズマディスプレイが開示されている。
特開2002−108305号公報(2002年4月10日公開) 特開2002−354378号公報(2002年12月6日公開)
上述したように、HDR信号は、SDR信号よりも高輝度の情報を含むように構成されているため、HDR信号のEOTFは、SDR信号のものと異なる。したがって、HDR信号で各画素が取る階調値を変換する際に、HDR信号用のEOTFの定義域全体をSDR信号用のEOTFの定義域にマッピングしようとすると、階調値の縮退(異なる階調値が同一の階調値にマッピングされることを指す)が生じることがある。特に、SMPTE−ST2084等のHDR用のEOTFでは、暗部における僅かな明暗の違いを表現するべく、単位輝度差あたり階調数が低輝度領域において特に大きくなっている。このため、このようなマッピングによりHDR信号で各画素が取る階調値を変換すると、低輝度領域において階調値の縮退が生じ易い。
このような問題を解決するための方法としては、HDR信号用のEOTFの定義域のうち、コンテンツの最大輝度レベル以下の輝度レベルに対応する範囲を、SDR信号用のEOTFの定義域にマッピングする方法が考えられる。HDR信号で各画素は10000cd/m以下の輝度に対応する階調値を取り得るが、これらの階調値の全部が実際のコンテンツで使われるわけではない。このため、このようなマッピングによりHDR信号で各画素が取る画素値を変換すれば、黒潰れの抑制、階調値の縮退の抑制を行うことができる。なお、HDR信号には、MAX_CLL(Maximum Content Light Level)と呼ばれる、コンテンツの最大輝度を表すメタデータが含まれている。コンテンツの最大輝度は、このメタデータを参照することにより特定することが可能である。
しかしながら、コンテンツの最大輝度レベルは、ある特定のシーンの、ある特定のフレームの、ある特定の画素の輝度レベルである。したがって、この特定のフレーム以外のフレーム、あるいは、この特定のシーン以外のシーンでは、実際に使われない階調値がSDR信号用のEOTFの定義域にマッピングされてしまっていることになる。すなわち、HDR信号用のEOTFの定義域のうち、コンテンツの最大輝度レベル以下の輝度レベルに対応する範囲を、SDR信号用のEOTFの定義域にマッピングする方法には、低輝度領域において生じ得る階調値の縮退を更に抑制する余地が残されている。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、HDR信号の階調値を変換する階調値変換装置であって、低輝度領域において生じ得る階調値の縮退を更に抑制された階調値変換装置を実現することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る映像処理装置は、第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理装置であって、上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定部と、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る映像処理方法は、第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理方法であって、上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定ステップと、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換ステップと、を含んでいる。
本発明によれば、低輝度領域において生じ得る階調値の縮退を更に抑制された階調値変換装置を実現することができる。
本発明の実施形態1、2および3に係る階調値変換装置を備えた表示装置の構成を示すブロック図である。 上記表示装置の外観を示す図である。 本発明の実施形態1に係る階調値変換方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る階調値変換方法を説明するための図である。 本発明の実施形態1に係る階調値変換方法の変形例を説明するための図である。 本発明の実施形態2に係る階調値変換方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る階調値変換方法を説明するための図である。 本発明の実施形態3に係る階調値変換方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る階調値変換方法を説明するための図である。 本発明の実施形態4に係る階調値変換方法を説明するための図である。 本発明の実施形態5に係る階調値変換装置を備えた表示装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態5に係る階調値変換方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態5に係る階調値変換方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。ただし、本実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔実施形態1〕
(表示装置1)
本発明の第1の実施形態に係る階調値変換装置(映像処理装置)2を備えた表示装置1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る階調値変換装置2を備えた表示装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、表示装置1の外観を示す斜視図である。図1が示すように、表示装置1は、階調値変換装置2、パネル制御部6、および表示パネル7を備えている。
(階調値変換装置2)
階調値変換装置2は、HDR信号(第2の映像フォーマットに従う映像信号)の各画素の階調値を変換する装置であり、映像データ取得部3、仮想最大輝度レベル設定部4、および階調値変換部5を備えている。映像データ取得部3は、HDR信号を取得する。なお、映像データ取得部3が取得するHDR信号は、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)規格に基づくHDMI信号、Tuner信号(チューナーによって受信した信号)およびCVBS(Composite Video, Blanking, and Sync:コンポジット映像信号)信号等であり得る。また、HDR信号には、各画素が取る階調値の他に、コンテンツの最大輝度レベルを示すMAX_CLL等のメタデータとして含まれる。仮想最大輝度レベル設定部4は、映像データ取得部3が取得したHDR信号に含まれる階調値またはメタデータを参照し、MAX_CLLが示す最大輝度レベルよりも値の小さい仮想最大輝度レベルをフレーム毎またはシーン毎に設定する。階調値変換部5は、仮想最大輝度レベル設定部4が設定した仮想最大輝度レベルを参照し、HDR信号において各画素が取る階調値を、第1の階調値から第2の階調値に変換する。この際、階調値変換部5は、HDR信号において各画素が取り得る階調値のうち、仮想最大輝度レベル設定部4が設定した仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、SDR信号(第1の映像フォーマットに従う映像信号)用のEOTFの定義域内の各階調値に対応させるマッピングが用いられる。
(その他の部材)
パネル制御部6は、表示パネル7の各画素の輝度を、SDR用のEOTFにおいて階調値変換部5が得た階調値に対応する輝度値に制御する。これにより、HDR信号が表す映像が本来の輝度で表示パネル7に表示される。表示パネル7は、映像の表示が可能な表示装置であればどのような装置によって実現されてもよいが、具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、およびプラズマディスプレイ等が挙げられる。
(階調値変換方法)
本実施形態に係る階調値変換装置2により実行される階調変換処理(映像処理方法)の流れを、図3及び図4を参照して説明する。図3は、階調変換処理の流れを示すフローチャートである。図4は、階調変換処理の内容を示すグラフである。
本実施形態に係る階調値変換装置2は、以下に説明するステップS0〜S4をフレーム毎に実効することによって、HDR信号を構成する各画素の階調値を、第1の階調値から第2の階調値に変換する。
まず、映像データ取得部3は、HDR信号を取得する(ステップS0)。映像データ取得部3は、取得したHDR信号において処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を仮想最大輝度レベル設定部4及び階調値変換部5に供給する。
次に、仮想最大輝度レベル設定部4は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を映像データ取得部3から取得し、取得した階調値の最大値(フレーム内最大階調値)に対応する輝度値(フレーム内最大輝度値)を仮想最大輝度レベルに設定する(ステップS1)。図4の(a)に、HDR信号における輝度値と階調値との対応関係(OETF)を示す。図4の(a)に示すように、フレーム内最大階調値に対応するフレーム内最大輝度値は、MAX_CLLが示すコンテンツの最大輝度レベルよりも低くなる。したがって、本ステップにおいて設定される仮想最大輝度レベルは、MAC_CLLが示すコンテンツの最大輝度レベルよりも低くなる。仮想最大輝度レベル設定部4は、設定した仮想最大輝度レベルを階調値変換部5に供給する。
次に、階調値変換部5は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を映像データ取得部3から取得し、取得した階調値を第1の階調値から第2の階調値に変換する(ステップS2)。この変換のために、階調値変換部5は、仮想最大輝度レベルを仮想最大輝度レベル設定部4から取得し、HDR信号用において各画素が取り得る階調値のうち、取得した仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルyに対応する階調値xを、SDR信号用のEOTFの定義域内の各階調値Xに対応させるマッピングを用いる。より具体的に言うと、仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルyに対応する階調値xを、SDR信号用のEOTFにおいて輝度レベルY=(MAX_Y/MAX_y)yに対応する階調値Xに対応させるマッピングを用いる。ここで、MAX_yは、仮想最大輝度レベルを表し、MAX_Yは、SDR信号用のEOTFの値域の最大値(表示装置の最大輝度レベルに相当)を表す。図4の(b)は、変換前の輝度値xと階調値yとの関係(HDR信号用のOETF)を表すグラフであり、図4の(c)は、変換後の輝度値Xと階調値Yとの関係(SDR信号用のOETF)を表すグラフである。階調値変換部5は、処理対象フレームを構成する各画素が取る変換後の階調値をパネル制御部6に供給する。
次に、パネル制御部6は、処理対象フレームを構成する各画素が取る変換後の階調値を階調値変換部5から取得し、取得した階調値を輝度値に変換する(ステップS3)。この変換のために、パネル制御部6は、SDR用のEOTF、例えば、γ2.2相当のEOTFを用いる。この変換は、トーンマッピングとも呼ばれ、この変換における階調値と輝度値との対応関係は、トーンカーブとも呼ばれる。パネル制御部6は、表示パネル7を構成する各画素の輝度を、トーンマッピングにより得られた輝度値に制御する。これにより、処理対象フレームが表示パネル7に表示される(ステップS4)。
以上のように、本実施形態に係る階調値変換処理では、HDR信号用のEOTFの定義域のうち、仮想最大輝度レベル以下の輝度値に対応する範囲をSDR信号用のEOTFの定義域に対応付けるマッピングを用いる。仮想最大輝度レベルは、MAC_CLLが示す最大輝度レベルよりも低いので、HDR信号用のEOTFの定義域のうち、MAX_CLLが示す最大輝度レベル以下の輝度値に対応する範囲をSDR信号用のEOTFの定義域に対応付けるマッピングを用いる場合と比べて、黒潰れの抑制、階調値の縮退の抑制を行うことができる。
なお、ここでは、階調値変換処理をフレーム毎に実行し、各フレームのフレーム内最大輝度値を仮想最大輝度レベルとする構成について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、レコーダ等に記録されたHDR信号を再生する場合には、階調値変換処理をシーン毎に実行し、各シーンのシーン内最大輝度値(そのシーンを構成する全てのフレームのフレーム内最大輝度値の最大値)を仮想最大輝度レベルとする構成を採用することも可能である。この場合、処理対象シーンを構成する最初のフレームの階調値変換を開始する前に、処理対象シーンを構成する全てのフレームを構成する画素が取る階調値を取得し、シーン内最大輝度値を仮想最大輝度レベルに設定することになる。また、各シーンのシーン内最大輝度値を示すメタデータがHDR信号に含まれている場合は、このメタデータを参照して仮想最大輝度レベルを設定する構成を採用することもできる。このような構成であれば、レコーダ等に記録されたHDR信号のみならず、チューナ等で受信したHDR信号に対しても階調値変換処理を施すことが可能である。
また、各フレームのフレーム内最大輝度値そのものを仮想最大輝度レベルとする構成の代わりに、各フレームのフレーム内最大輝度値の時間平均値を仮想最大輝度レベルとする構成を採用してもよい。これにより、各フレームのフレーム内最大輝度値そのものを仮想最大輝度レベルとする構成を採用した場合に生じ得る画面のちらつきを効果的に抑制することが可能である。なお、各フレームのフレーム内輝度値の時間平均値の算出にあたっては、例えば公知の時間平均フィルタなどを用いればよい。
(変形例)
上述のステップS1では、仮想最大輝度レベル設定部4が、取得した階調値の最大値(フレーム内最大階調値又はシーン内最大階調値)に対応する輝度値(フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値)を仮想最大輝度レベルに設定する構成について説明した。しかし、ステップS1で、仮想最大輝度レベル設定部4が設定する仮想最大輝度レベルは、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値に限定されない。より詳細には、仮想最大輝度レベル設定部4が設定する仮想最大輝度レベルは、映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベル(MAX_CLL)を超えない値であればよい。
そのような構成を以下で説明する。まず、ステップS1で、仮想最大輝度レベル設定部4は、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値よりも低い輝度値に仮想最大輝度レベルを設定する。次に、ステップS2を上述の方法で同様に実行したあとに、ステップS3において、パネル制御部6は、上述の通り、階調値変換部5から取得した階調値を輝度値に変換する工程に加えて、映像データ取得部3がステップS0で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する。そして、ステップS4において、パネル制御部6は、表示パネル7を構成する各画素の輝度を、トーンマッピングにより得られた輝度値、又は仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に制御する。
上記の構成の具体例を、図5を参照して説明する。図5の(a)及び(b)は、ステップS2の変換後の輝度値Xと階調値Yとの関係(一部、SDR信号用のOETF)を表すグラフである。例えば、上述のステップS3において、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS0で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、図5の(a)が示すように、一定の階調値とみなして、当該仮想最大輝度レベルに対応する一定の輝度値に変換してもよい。これにより、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値は、一定の輝度値に変換されるため、変換後の輝度値で表示した映像においても、変換前の階調値の階調表現を大きく損なわないという効果を奏する。
また、例えば、上述のステップS3において、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS0で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、図5の(b)が示すように輝度値が大きくなるのに従って階調値が次第に大きくなるものとみなして、仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。結果として、ステップS3において、パネル制御部6は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、映像信号において各画素が取る階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する。これにより、変換後の輝度値の大きさは、変換前の階調値の大きさに応じた値となるため、変換後の輝度値で表示した映像においても、変換前の階調値の階調表現を大きく損なわないという効果を奏する。
また、別の変形例において、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値がMAX_CLLを超える場合についても、上記の構成と同様の構成を採用することができる。より詳細には、ステップS3において、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS0で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態では、図1に示す階調値変換装置2を備える表示装置1を、第1の実施形態と同様に用いる。
以下で、本実施形態に係る階調値変換装置2による画像処理方法について、図6を参照して、詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る階調値変換装置2により実行される階調値変換処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施形態1に係る画像処理方法と同様の工程については、詳細な説明は省略する。
まず、ステップS10において、映像データ取得部3は、HDR信号を取得する(ステップS0)。次に、ステップS11において、仮想最大輝度レベル設定部4は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度値のヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムからヒスト最大値を求める。ここにおけるヒスト最大値については後述する。
そして、ステップS12において、仮想最大輝度レベル設定部4は、仮想最大輝度レベルをステップS11にて求めたヒスト最大値に設定する。
次に、ステップS13において、階調値変換部5は、HDR信号用において各画素が取り得る階調値(映像データ取得部3から取得)のうち、仮想最大輝度レベル(仮想最大輝度レベル設定部4から取得)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、SDR信号用のEOTFの定義域内の各階調値に変換する。
次に、ステップS14において、パネル制御部6は、上述のステップS3と同様に階調値変換部5から取得した階調値を輝度値に変換する工程に加えて、映像データ取得部3がステップS10で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する。
なお、ステップS14においても、パネル制御部6は、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値(一定の輝度値)に変換してもよい。また、パネル制御部6は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。また、別の変形例において、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値がMAX_CLLを超える場合、ステップS14において、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS10で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベル(ヒスト最大値)より大きく、かつ、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。
ステップS14の次の工程として、ステップS15において、パネル制御部6は、表示パネル7を構成する各画素の輝度を、ステップS14でトーンマッピングにより得られた輝度値、又は仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に制御する。
ここで、上述のヒスト最大値とは、処理対象フレームを構成する画素が取る階調値に対応する輝度値のうち、特異的に大きな輝度値を除く輝度値の最大値であり、ヒストグラムの平均値Mと標準偏差σとから算出できる量である。例えば、M+3σは、ヒスト最大値の典型例である。
ステップS11に生成されるヒストグラムの例を図7に示す。図7に示す例では、幾つかの画素がMAX_CLLが示す最大輝度レベルに近い特異的に大きな輝度値を取る。このような場合、処理対象フレームを構成する画素が取る階調値に対応する輝度値の最大値を仮想最大輝度レベルとする構成(第1の実施形態参照)を採用すると、階調値変換ステップS13において特異的に大きな輝度値と特異的に大きな輝度値を除く輝度値の最大値との間の領域が、SDR用のEOTFの値域に無駄に対応付けられることになる。これに対して、処理対象フレームを構成する画素が取る階調値に対応する輝度値のヒスト最大値を仮想最大輝度レベルとする構成を採用すれば、特異的に大きな輝度値を除く輝度値を、階調値変換ステップS13においてSDR用のEOTFの値域に無駄なく対応付けることができる。
なお、ここでは、輝度値のヒストグラムをフレーム毎に作成し、各フレームのフレーム内ヒスト最大値を仮想最大輝度レベルとする構成について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、レコーダ等に記録されたHDR信号を再生する場合には、輝度値のヒストグラムをシーン毎に実行し、各シーンのシーン内ヒスト最大値を仮想最大輝度レベルとする構成を採用することも可能である。この場合、処理対象シーンを構成する最初のフレームの階調値変換を開始する前に、処理対象シーンを構成する全てのフレームを構成する画素が取る階調値に対応する輝度値のヒストグラムを作成し、シーン内ヒスト最大値を仮想最大輝度レベルに設定することになる。また、各シーンのシーン内ヒスト最大値を示すメタデータがHDR信号に含まれている場合は、このメタデータを参照して仮想最大輝度レベルを設定する構成を採用することもできる。このような構成であれば、レコーダ等に記録されたHDR信号のみならず、チューナ等で受信したHDR信号に対しても階調値変換処理を施すことが可能である。
また、各フレームのフレーム内ヒスト最大値そのものを仮想最大輝度レベルとする構成の代わりに、各フレームのフレーム内ヒスト最大値の時間平均値を仮想最大輝度レベルとする構成を採用してもよい。これにより、各フレームのフレーム内ヒスト最大値そのものを仮想最大輝度レベルとする構成を採用した場合に生じ得る画面のちらつきを効果的に抑制することが可能である。なお、各フレームのフレーム内ヒスト最大値の時間平均値の算出にあたっては、例えば公知の時間平均フィルタなどを用いればよい。
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態では、図1に示す階調値変換装置2を備える表示装置1を第1の実施形態と同様に用いる。
以下で、本実施形態に係る階調値変換装置2による画像処理方法について、図8を参照して、詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る階調値変換装置により実行される階調値変換処理の流れを示すフローチャートである。なお、実施形態1に係る画像処理方法と同様の工程については、詳細な説明は省略する。
まず、ステップS100において、映像データ取得部3は、HDR信号を取得する(ステップS0)。次に、ステップS101において、仮想最大輝度レベル設定部4は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度値のヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムからヒスト最大値を求める。ヒスト最大値の定義は、第2の実施形態において与えたものと同様である。
次に、ステップS102において、仮想最大輝度レベル設定部4は、MAC_CLLが示す最大輝度レベルよりも所定の値だけ低いリミット値を設定する。ここで、所定の値は、任意の値であり、工場出荷時に設定されたものであってもよいし、工場出荷後にユーザが設定したものであってもよい。
次に、ステップS103において、仮想最大輝度レベル設定部4は、ステップS101で算出したヒスト最大値がステップS102で算出したリミット値よりも低いか否かを判定する。ここで、ヒスト最大値がリミット値よりも低い場合、仮想最大輝度レベル設定部4は、仮想最大輝度レベルをリミット値に設定する(ステップS104)。ヒスト最大値がリミット値以上の場合、仮想最大輝度レベル設定部4は、仮想最大輝度レベルをヒスト最大値に設定する(ステップS105)。
ステップS104又はステップS105の次の工程として、階調値変換部5は、HDR信号用において各画素が取り得る階調値(映像データ取得部3から取得)のうち、仮想最大輝度レベル(リミット値またはヒスト最大値)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、SDR信号用のEOTFの定義域内の各階調値に変換する(ステップS106)。
次に、ステップS107において、パネル制御部6は、上述のステップS3と同様に階調値変換部5から取得した階調値を輝度値に変換する工程に加えて、映像データ取得部3がステップS100で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベル(リミット値またはヒスト最大値)より大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する。
なお、ステップS107においても、パネル制御部6は、仮想最大輝度レベル(リミット値またはヒスト最大値)より大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値(一定の輝度値)に変換してもよい。また、パネル制御部6は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、仮想最大輝度レベル(リミット値又はヒスト最大値)より大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。また、別の変形例において、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値がMAX_CLLを超える場合、ステップS107において、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS100で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベル(リミット値又はヒスト最大値)より大きく、かつ、フレーム内最大輝度値又はシーン内最大輝度値以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。
ステップS107の次の工程として、ステップS108において、パネル制御部6は、表示パネル7を構成する各画素の輝度を、ステップS107でトーンマッピングにより得られた輝度値、又は仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に制御する。
以下で、本実施形態に係る階調値変換装置により実行される階調値変換処理の具体例について、図9を参照して説明する。図9の(a)および(c)は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度値のヒストグラムを示し、図9の(b)および(d)は、ステップS106における変換後の輝度値Xと階調値Yとの関係(SDR信号用のOETF)を表すグラフである。図9の(a)に示すように、ヒスト最大値がリミット値よりも低い場合、ステップS104において、仮想最大輝度レベル設定部4は、仮想最大輝度レベルをリミット値に設定する。この場合、図9の(b)に示すように、ステップS106において、HDR信号用のOETFの定義域のうち、リミット値以下の範囲がSDR信号用のOETFの定義域全体にマッピングされる。なお、HDR信号用のOETFの定義域のうち、リミット値より大きい範囲の階調値については、上述のステップS107の処理が行われる。
一方、図9の(c)に示すように、ヒスト最大値がリミット値以上である場合、仮想最大輝度レベル設定部4は、ステップS105において、仮想最大輝度レベルをヒスト最大値に設定する。この場合、図9の(d)に示すように、ステップS106において、HDR信号用のEOTFの値域のうち、ヒスト最大値以下の範囲がSDR信号用のEOTFの値域全体にマッピングされる。なお、HDR信号用のEOTFの値域のうち、ヒスト最大値より大きい範囲の階調値については、上述のステップS107の処理が行われる。
本実施形態に係る階調値変換装置2の階調値変換方法によれば、仮想最大輝度レベルにリミット値を設けることにより、ヒスト最大値が極端に小さくなった場合に生じ得る、仮想最大輝度レベルの大きな変動に伴う映像品位の低下を防ぐことができる。
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態では、図1に示す階調値変換装置2を備える表示装置1を第1の実施形態と同様に用いる。
本実施形態に係る階調値変換装置2により実行される階調値変換処理の流れは、第3の実施形態に係る階調値変換装置2により実行される階調変換処理と同様、図8に示すフローチャートにより表現される。ただし、本実施形態においては、第3の実施形態におけるリミット値設定処理S102は、以下に説明するリミット値設定処理S109に置き換えられる。
すなわち、ステップS109において、仮想最大輝度レベル設定部4は、MAX_CLLが示す最大輝度レベルからリミット値を減算した差と、リミット値から輝度ヒストグラムにおけるヒスト最大値を減算した差とが所定の比になるようリミット値を設定する。ここで、所定の比は、任意の比であり、工場出荷時に設定されたものであってもよいし、工場出荷後にユーザが設定したものであってもよい。
図10の(a)に示すように、ヒスト最大値がリミット値よりも低い場合、ステップS104において、仮想最大輝度レベル設定部4は、仮想最大輝度レベルをリミット値に設定する。この場合、図10の(b)に示すように、ステップS106において、HDR信号用のOETFの定義域のうち、リミット値以下の範囲がSDR信号用のOETFの定義域全体にマッピングされる。なお、HDR信号用のOETFの定義域のうち、リミット値より大きい範囲の階調値については、上述のステップS107の処理が行われる。
一方、図10の(c)に示すように、ヒスト最大値がリミット値以上である場合、仮想最大輝度レベル設定部4は、ステップS105において、仮想最大輝度レベルをヒスト最大値に設定する。この場合、図10の(d)に示すように、ステップS106において、HDR信号用のEOTFの値域のうち、ヒスト最大値以下の範囲がSDR信号用のEOTFの値域全体にマッピングされる。なお、HDR信号用のEOTFの値域のうち、ヒスト最大値より大きい範囲の階調値については、上述のステップS107の処理が行われる。
本実施形態に係る階調値変換装置2の階調値変換方法によれば、仮想最大輝度レベルにリミット値を設けることにより、ヒスト最大値が極端に小さくなった場合に生じ得る、仮想最大輝度レベルの大きな変動に伴う映像品位の低下を防ぐことができる。
〔実施形態5〕
本発明の第5の実施形態について、図面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施形態1において、仮想最大輝度レベル設定部4が、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値の最大値(フレーム内最大階調値)に対応する輝度値(フレーム内最大輝度値)を仮想最大輝度レベルに設定することを説明した。当該構成により、HDRの最大の利点であるピーク輝度に応じて、階調値を変換することができる。
しかし、このように階調値を変換すると、輝度値に対する低階調値領域の階調値が相対的に低下してしまう(黒つぶれ)。これにより、画像を表示したときに、低階調値領域内の階調値で表示された画像内の領域は、真っ暗になり、表現不足となってしまう。
上記のような問題を解決するために、本実施形態に係る階調値変換装置11は、階調値変換部5が変換した後の階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように、映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値を調整する。
なお、本願明細書において、低階調値領域とは、変換後の階調値において、原点(階調値および対応する輝度値がゼロの点)近傍の階調値領域を示す。例えば、低階調値領域とは、階調値が8ビットで量子化されている場合(256階調(0〜255))、その5分の1程度の階調値の領域のことを示す(階調値が0〜51である領域)。また、低階調値領域における最大の階調値よりも大きい階調値を最低の階調値として有する階調値の領域を、中階調値領域とし、中階調値領域における最大の階調値よりも大きい階調値を最低の階調値として有する階調値の領域を、高階調値領域として定義する。
また、本願明細書において、「低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有する」とは、実施形態1で説明した階調値変換方法によって階調値を変換することにより生じる、低階調値領域の階調値の相対的な低下(黒つぶれ)を改善するために、低階調領域の階調値を上昇させることを意味する。
(階調値変換装置11)
図11は、本実施形態に係る階調値変換装置(映像処理装置)11を備えている表示装置10の構成を示すブロック図である。図11が示すように、階調値変換装置11は、実施形態1に係る階調値変換装置2の構成に加えて、階調値調整部12をさらに備えている。
階調値調整部12は、階調値変換部5が変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整する。
(階調値変換方法)
本実施形態に係る階調値変換装置11により実行される階調値変換処理の流れを、図12を参照して説明する。図12は、階調値変換処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下では、階調値変換処理をフレーム毎に実行し、各フレームのフレーム内最大輝度値を仮想最大輝度レベルとする構成について説明するが、階調値変換処理をシーン毎に実行し、各シーンのシーン内最大輝度値を仮想最大輝度レベルとする構成についても同様である。
まず、映像データ取得部3は、HDR信号を取得する(ステップS20)映像データ取得部3は、取得したHDR信号において処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を仮想最大輝度レベル設定部4及び階調値変換部5に供給する。
次に、仮想最大輝度レベル設定部4は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を映像データ取得部3から取得し、取得した階調値の最大値(フレーム内最大階調値)に対応する輝度値(フレーム内最大輝度値)を仮想最大輝度レベルに設定する(ステップS21)。
次に、階調値変換部5は、処理対象フレームを構成する各画素が取る階調値を映像データ取得部3から取得し、取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベル設定部4が設定した仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、第1の階調値から第2の階調値に変換する(ステップS22)。
次に、階調値調整部12は、階調値変換部5が変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整する(ステップS23)。階調値調整部12が階調値を調整する方法の具体的な例は後述する。なお、階調値調整部12が調整した階調値は、低階調値領域において、所定のフォーマットが示す階調値よりも大きいことが好ましい。当該所定のフォーマットの例として、ST2084が挙げられる。
次に、パネル制御部6は、処理対象フレームを構成する各画素が取る調整後の階調値を階調値調整部12から取得し、取得した階調値を輝度値に変換する(ステップS24)(トーンマッピング)。
次に、パネル制御部6は、表示パネル7を構成する各画素の輝度を、トーンマッピングにより得られた輝度値に制御する。これにより、処理対象フレームが表示パネル7に表示される(ステップS25)。
(階調値調整部12が階調値を調整する方法の例)
図13は、ステップS22で変換した後の階調値と対応する輝度値との関係を示すグラフである。図13の領域Aは、上述の低階調値領域を示し、点線は調整前のカーブ、実線は調整後のカーブを示す。階調値調整部12は、ステップS23において、変換後の階調値を、領域Aにおける階調値に持ち上げ部を有するように調整する(点線のカーブから実線のカーブに調整する)。
例えば、階調値調整部12は、低階調値領域の階調値に対して、当該階調値の10%程度の値を付加することによって調整する。または、調整する階調値がST2084に従う階調値である場合、階調値調整部12は、低階調値領域の階調値に対して、当該階調値と対応する輝度値とをグラフにした場合、当該グラフにおけるカーブがγ2.2のカーブと同等になるように調整する。
また、階調値調整部12は、階調値変換部5が変換した階調値に対応する輝度レベルの平均値を参照して、上記低階調値領域を変更してもよい。これにより、輝度レベルの分布に応じて、低階調値領域を設定することができるため、輝度レベルの分布に応じた階調値の調整が可能となる。なお、階調値調整部12が参照する輝度レベルの平均値は、階調値調整部12自体が算出してもよいし、外部から取得してもよい。
また、階調値調整部12は、階調値変換部が変換した階調値と対応する輝度レベルとのグラフにおいて、低階調値領域の階調値と、高階調値領域の階調値とが連続的に変化するように、中階調値領域の階調値をさらに調整してもよい。これにより、調整後の階調値で表示した画像において、低階調値領域の階調値と高階調値領域の階調値との差異による不自然さを解消することができる。
(変形例)
上述のステップS21では、仮想最大輝度レベル設定部4が、取得した階調値の最大値(フレーム内最大階調値)に対応する輝度値(フレーム内最大輝度値)を仮想最大輝度レベルに設定する構成について説明した。しかし、ステップS21で、仮想最大輝度レベル設定部4が設定する仮想最大輝度レベルは、フレーム内最大輝度値に限定されない。実施形態1と同様に、仮想最大輝度レベル設定部4が設定する仮想最大輝度レベルは、映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベル(MAX_CLL)を超えない値であればよい。そして、そのような構成における各工程は、実施形態1の変形例で説明した各工程と同様である。重要な点だけ説明すると、ステップS24において、パネル制御部6は、ステップS23で階調値調整部12が調整した階調値を輝度値に変換する工程に加えて、映像データ取得部3がステップS20で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する。当該工程の具体例を挙げると、パネル制御部6は、映像データ取得部3がステップS20で取得した階調値のうち、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、当該仮想最大輝度レベルに対応する輝度値(一定の輝度値)に変換してもよい。また、パネル制御部6は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル(MAX_CLL)以下の各輝度レベルに対応する階調値を、仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。
(実施形態5のまとめ)
以上のように、本実施形態に係る階調値変換装置11は、仮想最大輝度レベルを、輝度レベルの最大値に設定し、設定した仮想最大輝度レベルを参照して階調値を変換し、変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整する。当該構成では、仮想最大輝度レベルを輝度レベルの最大値に設定することにより、映像信号が含むピーク感の忠実性を保持することができ、また、変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整することにより、低階調値領域の階調値の低下による黒つぶれを防ぎ、低階調値領域の階調表現力を改善することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
階調値変換装置2の制御ブロック(特に映像データ取得部3、仮想最大輝度レベル設定部4および階調値変換部5)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、階調値変換装置2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る映像処理装置(2、11)は、第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理装置であって、上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定部(4)と、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換部(5)と、を備えている。
上記の構成によれば、上記映像信号が表す映像を、上記映像信号が従う第2の映像フォーマットよりも輝度のダイナミックレンジの狭い第1の映像フォーマットに対応した表示装置に表示する際に、低輝度領域において生じ得る階調値の縮退を抑制することができる。これにより、映像の表示品位を向上することができる。
本発明の態様2に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様1において、上記階調値変換部は、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値に変換してもよい。
上記の構成によれば、仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値は、一定の輝度値に変換されるため、変換後の輝度値で表示した映像においても、変換前の階調値の階調表現を大きく損なわない。
本発明の態様3に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様1において、上記階調値変換部は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換してもよい。
上記の構成によれば、変換後の輝度値の大きさは、変換前の階調値の大きさに応じた値となるため、変換後の輝度値で表示した映像においても、変換前の階調値の階調表現を大きく損なわない。
本発明の態様4に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様1〜3において、上記階調値変換部(5)は、上記映像信号が従う第2の映像フォーマットにおいて各画素が取り得る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記第1の映像フォーマットにおいて各画素が取り得る階調値に対応させるマッピングを用いて、上記映像信号において各画素が取る階調値を変換する。
上記の構成によれば、映像の表示品位をさらに向上することができる。
本発明の態様5に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様4において、上記第1の映像フォーマットは、EOTFがγ2.2相当のフォーマットであり、上記第2の映像フォーマットは、EOTFがSMPTE−ST2084であるフォーマットである。
上記の構成によれば、上記映像信号がHDR信号であるときに、SDR再生環境における映像の表示品位を向上することができる。
本発明の態様6に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様1〜5において、上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値を参照することによって、上記仮想最大輝度レベルを設定する。
上記の構成によれば、映像信号が含む階調値に即して、効率的に階調値を変換することができる。
本発明の態様7に係る映像処理装置(2、11)は、上記態様6において、上記仮想最大輝度レベル設定部(4)は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの最大値に設定する。
上記の構成によれば、映像信号が含む階調値に即して、効率的に階調値を変換することができる。
本発明の態様8に係る映像処理装置(11)は、上記態様7において、上記階調値変換部が変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整する階調値調整部(12)をさらに備えている。
上記の構成によれば、低階調値領域の階調値の低下による黒つぶれを防ぎ、低階調値領域の階調表現力を改善することができる。
本発明の態様9に係る映像処理装置(11)は、上記態様8において、上記階調値調整部は、上記階調値変換部が変換した階調値に対応する輝度レベルの平均値を参照して、上記低階調値領域を変更する。
上記の構成によれば、輝度レベルの分布に応じて、低階調値領域を設定することができるため、輝度レベルの分布に応じた階調値の調整が可能となる。
本発明の態様10に係る映像処理装置(11)は、上記態様8または9において、上記階調値調整部は、上記階調値変換部が変換した階調値と対応する輝度レベルとのグラフにおいて、低階調値領域の階調値と、高階調値領域の階調値とが連続的に変化するように、中階調値領域の階調値をさらに調整する。
上記の構成によれば、調整後の階調値で表示した画像において、低階調値領域の階調値と高階調値領域の階調値との差異による不自然さを解消することができる。
本発明の態様11に係る映像処理装置(11)は、上記態様8〜10において、上記階調値調整部が調整した階調値は、低階調値領域において、上記第2の映像フォーマットが示す階調値よりも大きい。
上記の構成によれば、上記態様8〜10の映像変換装置を好適に用いることができる。
本発明の態様12に係る映像処理装置(2)は、上記態様1〜6において、上記仮想最大輝度レベル設定部(4)は、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルのヒストグラムを作成し、上記ヒストグラムを参照することによって、上記仮想最大輝度レベルを設定することを特徴とする。
上記の構成によれば、映像信号が含む階調値に即して、さらに効率的に階調値を変換することができる。
本発明の態様13に係る映像処理装置(2)は、上記態様12において、上記仮想最大輝度レベル設定部(4)は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値に設定する。
上記の構成によれば、映像信号が含む階調値に即して、さらに効率的に階調値を変換することができる。
本発明の態様14に係る映像処理装置(2)は、上記態様12において、上記仮想最大輝度レベル設定部(4)は、上記最大輝度レベルから所定値低いリミット値を設定すると共に、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値が上記リミット値よりも低い場合、上記仮想最大輝度レベルを上記リミット値の値に設定し、上記実効最大値が上記リミット値以上である場合、上記仮想最大輝度レベルを上記実効最大値に設定する。
上記の構成によれば、仮想最大輝度レベルにリミット値を設けることにより、仮想最大輝度レベルの大きな変動を防ぎ、輝度およびヒストグラムの大きな変動による映像品位の低下を防ぐことができる。
本発明の態様15に係る映像処理装置(2)は、上記態様12において、上記仮想最大輝度レベル設定部(4)は、リミット値を、上記最大輝度レベルから当該リミット値を減算した差と、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値を上記リミット値から減算した差とが所定の比になるように設定すると共に、上記実効最大値が上記リミット値よりも低い場合、上記仮想最大輝度レベルを上記リミット値の値に設定し、上記実効最大値が上記リミット値以上である場合、上記仮想最大輝度レベルを上記実効最大値に設定する。
上記の構成によれば、リミット値を所望の値に設定することができる。
本発明の態様16に係る映像処理装置(2)は、上記態様12において、上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値の時間平均値に設定する。
上記の構成によれば、映像品位を向上させることができる。
本発明の態様17に係る表示装置(1、10)は、上記態様1〜16の何れか1つの映像処理装置を備えている。
上記の構成によれば、上記映像処理装置が上記各態様において奏する効果を上記表示装置において得ることができる。
本発明の態様18に係る映像処理方法は、第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理方法であって、上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定ステップと、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換ステップと、を含んでいる。
上記の構成によれば、上記態様1の映像処理装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の各態様に係る表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示装置をコンピュータにて実現させる表示装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1、10 表示装置
2、11 階調値変換装置
3 映像データ取得部
4 仮想最大輝度レベル設定部
5 階調値変換部
6 パネル制御部
7 表示パネル
12 階調値調整部

Claims (20)

  1. 第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理装置であって、
    上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定部と、
    上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換部と、を備えていることを特徴とする、映像処理装置。
  2. 上記階調値変換部は、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値に変換することを特徴とする、請求項1に記載の映像処理装置。
  3. 上記階調値変換部は、変換前の階調値と変換後の輝度値とのグラフにおいて、当該変換前の階調値が大きくなるのに従って当該変換後の輝度値が次第に大きくなるように、上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換することを特徴とする、請求項1に記載の映像処理装置。
  4. 上記階調値変換部は、上記映像信号が従う第2の映像フォーマットにおいて各画素が取り得る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記第1の映像フォーマットにおいて各画素が取り得る階調値に対応させるマッピングを用いて、上記映像信号において各画素が取る階調値を変換する、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の映像処理装置。
  5. 上記第1の映像フォーマットは、EOTFがγ2.2相当のフォーマットであり、
    上記第2の映像フォーマットは、EOTFがSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)−ST2084であるフォーマットである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の映像処理装置。
  6. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値を参照することによって、上記仮想最大輝度レベルを設定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の映像処理装置。
  7. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの最大値に設定する、ことを特徴とする請求項6に記載の映像処理装置。
  8. 上記階調値変換部が変換した階調値のうち、低階調値領域の階調値に持ち上げ部を有するように調整する階調値調整部をさらに備えていることを特徴とする、請求項7に記載の映像処理装置。
  9. 上記階調値調整部は、上記階調値変換部が変換した階調値に対応する輝度レベルの平均値を参照して、上記低階調値領域を変更することを特徴とする、請求項8に記載の映像処理装置。
  10. 上記階調値調整部は、上記階調値変換部が変換した階調値と対応する輝度レベルとのグラフにおいて、低階調値領域の階調値と、高階調値領域の階調値とが連続的に変化するように、中階調値領域の階調値をさらに調整することを特徴とする、請求項8または9に記載の映像処理装置。
  11. 上記階調値調整部が調整した階調値は、低階調値領域において、上記第2の映像フォーマットが示す階調値よりも大きいことを特徴とする、請求項8〜10の何れか1項に記載の映像処理装置。
  12. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルのヒストグラムを作成し、上記ヒストグラムを参照することによって、上記仮想最大輝度レベルを設定することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の映像処理装置。
  13. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値に設定する、ことを特徴とする請求項12に記載の映像処理装置。
  14. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記最大輝度レベルから所定値低いリミット値を設定すると共に、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値が上記リミット値よりも低い場合、上記仮想最大輝度レベルを上記リミット値の値に設定し、上記実効最大値が上記リミット値以上である場合、上記仮想最大輝度レベルを上記実効最大値に設定することを特徴とする請求項12に記載の映像処理装置。
  15. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、リミット値を、上記最大輝度レベルから当該リミット値を減算した差と、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値を上記リミット値から減算した差とが所定の比になるように設定すると共に、上記実効最大値が上記リミット値よりも低い場合、上記仮想最大輝度レベルを上記リミット値の値に設定し、上記実効最大値が上記リミット値以上である場合、上記仮想最大輝度レベルを上記実効最大値に設定することを特徴とする請求項12に記載の映像処理装置。
  16. 上記仮想最大輝度レベル設定部は、上記仮想最大輝度レベルを、上記映像信号において各フレーム又は各シーンを構成する各画素が取る階調値に対応する輝度レベルの実効最大値であって、上記ヒストグラムの標準偏差の定数倍により定義される実効最大値の時間平均値に設定する、ことを特徴とする請求項12に記載の映像処理装置。
  17. 請求項1〜16の何れか1項に記載の映像処理装置を備えている表示装置。
  18. 第1の映像フォーマットよりも輝度範囲の広い第2の映像フォーマットに従う映像信号において各画素が取る階調値を変換する映像処理方法であって、
    上記映像信号において各画素が取る階調値を参照することによって、上記映像信号に含まれるメタデータが示す最大輝度レベルを超えない仮想最大輝度レベルを設定する仮想最大輝度レベル設定ステップと、
    上記映像信号において各画素が取る階調値のうち、上記仮想最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を変換し、上記仮想最大輝度レベルより大きく、かつ、上記最大輝度レベル以下の各輝度レベルに対応する階調値を、上記仮想最大輝度レベルに対応する輝度値以上の値に変換する階調値変換ステップと、を含んでいることを特徴とする、映像処理方法。
  19. 請求項1に記載の映像処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記仮想最大輝度レベル設定部および上記階調値変換部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
  20. 請求項19に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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