JP2017005132A - 光電変換素子、色素増感太陽電池、金属錯体色素および色素溶液 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの金属錯体色素以外にも、各種の金属錯体色素が研究されている。
例えば、特許文献1には、N,N’−ジフェニル−4−アミノスチリル基が結合したビピリジン配位子と2、2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸配位子と、2個のイソチオシアネート基を有する金属錯体色素が記載されている。特許文献2には、N,N’−ビス(4−メチル)フェニル−4−アミノスチリル基が結合したビピリジン配位子と2、2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸配位子と、2個のイソチオシアネート基を有する金属錯体色素が記載されている。
<1>
導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(1)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(1)中、Ar1およびAr2は、環構成原子数が6〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar1およびAr2のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar1およびAr2が互いに連結して環を形成することはない。
R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。R1がAr1またはAr2と連結して環を形成することはない。
R3およびR4はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。
Mは一価の陽イオンを表す。
n1は0〜4の整数を表す。
n3およびn4は0〜3の整数を表す。
Rは式(2)で表される基であるか、または、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基もしくはハロゲン原子を表す。
式(2)中、Ar3およびAr4は、環構成原子数が6〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar3およびAr4のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar3およびAr4が互いに連結して環を形成することはない。
R2はR1と同義である。R2がAr3またはAr4と連結して環を形成することはない。
n2は0〜4の整数を表す。
<2>
Ar1およびAr2を構成する環構成原子数がそれぞれ6〜15である<1>に記載の光電変換素子。
<3>
Ar1およびAr2を構成する環構成原子数がそれぞれ6〜13である<1>または<2>に記載の光電変換素子。
<4>
式(1)で表される金属錯体色素が、下記式(3)または(4)で表される<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
R5、R6、R7およびR8は置換基を表す。
m1およびm3は0〜7の整数を表す。
m2およびm4は0〜5の整数を表す。
<5>
<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光電変換素子を備えた色素増感太陽電池。
<6>
下記式(1)で表される金属錯体色素。
R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。R1がAr1またはAr2と連結して環を形成することはない。
R3およびR4はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。
Mは一価の陽イオンを表す。
n1は0〜4の整数を表す。
n3およびn4は0〜3の整数を表す。
Rは式(2)で表される基であるか、または、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基もしくはハロゲン原子を表す。
式(2)中、Ar3およびAr4は、環構成原子数が5〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar3およびAr4のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar3およびAr4が互いに連結して環を形成することはない。
R2はR1と同義である。R2がAr3またはAr4と連結して環を形成することはない。
n2は0〜4の整数を表す。
<7>
Ar1およびAr2を構成する環構成原子数が6〜15である<6>に記載の金属錯体色素。
<8>
Ar1およびAr2を構成する環構成原子数が6〜13である<6>または<7>に記載の金属錯体色素。
<9>
式(1)で表される金属錯体色素が、下記式(3)または(4)で表される<6>〜<8>のいずれか1つに記載の金属錯体色素。
R5、R6、R7およびR8は置換基を表す。
m1およびm3は0〜7の整数を表す。
m2およびm4は0〜5の整数を表す。
<10>
上記<6>〜<9>のいずれか1つに記載の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液。
特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、または複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば脂環、芳香族環、ヘテロ環はさらに縮環して縮合環を形成していてもよい。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極(対向電極)とを有する。感光体層と電荷移動体層と対極とがこの順で導電性支持体上に設けられている。
半導体微粒子は、後述する式(1)の金属錯体色素と併せて、他の金属錯体色素を担持していてもよい。
以下、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池の好ましい実施形態について説明する。
光電変換素子10は、導電性支持体1と、色素(金属錯体色素)21が担持されることにより増感された半導体微粒子22、および、半導体微粒子22間に電解質を含む感光体層2と、正孔輸送層である電荷移動体層3と、対極4とからなる。
光電変換素子10において、受光電極5は、導電性支持体1および感光体層2を有し、作用電極として機能する。
色素増感太陽電池20となる光電変換素子は、図1に示す光電変換素子に対して、導電性支持体41および感光体層42の構成、および、スペーサーSを有する点で異なるが、それらの点以外は図1に示す光電変換素子10と同様に構成されている。すなわち、導電性支持体41は、基板44と、基板44の表面に成膜された透明導電膜43とからなる2層構造を有している。また、感光体層42は、半導体層45と、半導体層45に隣接して成膜された光散乱層46とからなる2層構造を有している。導電性支持体41と対極48との間にはスペーサーSが設けられている。色素増感太陽電池20において、40は受光電極であり、47は電荷移動体層である。
本発明に用いる金属錯体色素は下記式(1)で表されるルテニウム錯体色素である。下記式(1)で表される金属錯体色素を光電変換素子の増感色素として用いることで、光電変換素子のJscを高めて優れた光電変換性能を発現させることができる。その作用機構は明らかではないが、以下のように推定される。
式(1)の金属錯体色素が有するアミノ基は、環構成原子数8以上の傘高いアリール基またはヘテロアリール基を有するために、アリール基ないしヘテロアリール基同士の立体障害が生じて捩れた構造をとる。結果、このアミノ基を有する配位子を介した非効率な会合が抑制されるとともに、アリール基またはヘテロアリール基同士の分子間相互作用が高まり、色素が半導体表面に効率的且つ高密度に吸着できるものと考えられる。さらに、捩れたアリール基またはヘテロアリール基は、捩れているがゆえに、色素中の共役系との相互作用は比較的少なく、色素間の非効率な電子移動は起こりづらいと考えられる。つまり、色素間の非効率な電子移動を抑制できるために、優れたJscないし光電変換効率を実現できるものと推定される。上記のように、色素に捩れた構造を導入することにより共役系を断ち切り、Jscないしは光電変換効率を向上させるという発想は、吸光係数を高めるべく共役系を伸長させることにより光電変換効率を向上させるという、従来の技術的方向性とは全く異なる。
R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。
R3同士は互いに連結して環を形成してもよく、またR4同士が互いに連結して環を形成してもよい。さらに、R3およびR4が互いに連結して環を形成してもよい。
Mは一価の陽イオンを表す。
n1は0〜4の整数を表す。
n3およびn4は0〜3の整数を表す。
Rは式(2)で表される基であるか、または、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基もしくはハロゲン原子を表す。
R2はR1と同義である。
n2は0〜4の整数を表す。
本発明において、式(2)における上記Ar3およびAr4は互いに連結して環を形成することはない。また、Ar3およびR2が互いに連結して環を形成することもなく、Ar4およびR2が互いに連結して環を形成することもない。
上記の芳香族性を示す単環の炭化水素環基としては、フェニル基が好ましい。上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、好ましくは、6員環が2つ以上縮合してなる炭化水素環基であり、例えば、芳香族性を示す単環の炭化水素環(好ましくはベンゼン環)が複数縮合してなる炭化水素環基が挙げられる。なかでも縮合多環芳香族炭化水素基としては、2つ以上のベンゼン環が縮合してなる環基が挙げられ、2つ以上のベンゼン環が縮合してなる環としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、ヘプタセン環、クリセン環、ベンゾピレン環、ピセン環、ピレン環、ペリレン環、コロネン環、およびトリフェニレン環が挙げられる。ここで、縮合する炭化水素環の数は、本発明で規定する環構成原子数を満たせば特に限定されず、2〜5個であることが好ましく、2〜3個であることがより好ましく、2個であることがさらに好ましい。
Ar1およびAr2として採り得るアリール基の環構成原子数は6〜30が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜13がさらに好ましい。Ar1およびAr2として採り得るアリール基の環構造は、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環またはピレン環であり、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環またはピレン環がより好ましく、ベンゼン環またはナフタレン環がさらに好ましい。
単環のヘテロ環基としては、ヘテロ原子を環構成原子として含む5員環または6員環の基が好ましい。ヘテロ原子としては、本発明で規定する環構成原子数を満たせば特に限定されず、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子およびリン原子等が挙げられる。上記のヘテロ原子を含む5員環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、セレノフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環およびトリアゾール環が挙げられる。上記のヘテロ原子を含む6員環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環およびテトラジン環が挙げられる。
好ましくは、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、セレノフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環およびテトラジン環からなる群より選ばれる同種または異種の複数の環が縮合してなる環基が挙げられる。ここで、縮合する環の数は、本発明で規定する環構成原子数を満たせば特に限定されず、2〜5個であることが好ましく、2〜3個であることがより好ましい。
縮合多環芳香族ヘテロ環基の具体例としては、例えば、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾイソチオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ジベンゾピロール環、インダゾール環、インドール環、イソインドール環、インドリジン環、キノリン環、イソキノリン環、チエノピリジン環、シクロペンタジフラン環、シクロペンタジチオフェン環、チエノ[3,2−b]チオフェン環、チエノ[3,4−b]チオフェン環、トリチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、およびジチエノピロール環が挙げられる。
Ar1およびAr2のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。すなわち、Ar1およびAr2のいずれも環構成原子数が8以上であってもよく、Ar1およびAr2のいずれか1つのみ、環構成原子数が8以上であってもよい。
Ar1およびAr2は後記の置換基群Tから選ばれる基を有していてもよいが、環構成原子数が8以上のAr1ないしAr2が有する置換基は、分子間相互作用向上の観点から嵩高くないものが好ましい。さらに好ましくは、環構成原子数が8以上のAr1およびAr2は置換基を有さない。
R1として採り得るハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
R1は、好ましくはアルコキシ基、アルキル基およびアミノ基であり、さらに好ましくはアルコキシ基またはアルキル基であり、特に好ましくはアルコキシ基である。
R3およびR4の好ましい範囲ないし具体例は、後記置換基群Tにおける対応する基の好ましい範囲ないし具体例と同じである。
Mは、好ましくは有機のアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、またはプロトンであり、さらに好ましくはテトラブチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはプロトンであり、さらに好ましくはカリウムイオン、ナトリウムイオン、またはプロトンである。吸着速度の観点からはプロトンが特に好ましく、会合抑制による光電変換効率向上の観点からはカリウムイオンまたはナトリウムイオンが特に好ましい。
Rとして採り得るアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基およびハロゲン原子の好ましい範囲ないし具体例は、後述する置換基群Tにおける対応する基の好ましい範囲ないし具体例と同じである。
R5、R6、R7およびR8は置換基を表し、具体的には後記の置換基群Tから選択される基が挙げられる。
R5およびR7は好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基またはハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基またはアルコキシ基である。アルキル基およびアルコキシ基は分岐でも直鎖でもよいが、直鎖の置換基が好ましい。
R6およびR8は好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基またはハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基またはアルコキシ基である。
m2およびm4は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜3、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくは0または1である。
本発明の金属錯体色素は、上記のように、式(1)で表され、好ましい範囲も同じである。
本発明において、好ましい置換基としては、下記置換基群Tから選ばれる基が挙げられる。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基群Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
さらに、本明細書において、アルキル基を環状(シクロ)アルキル基と区別して記載している場合、アルキル基は、直鎖アルキル基および分岐アルキル基を包含する意味で用いる。一方、アルキル基を環状アルキル基と区別して記載していない場合(単に、アルキル基と記載されている場合、および、特段の断りがない場合、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基および環状アルキル基を包含する意味で用いる。このことは、環状構造を採りうる基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等)を含む基(アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニルオキシ基等)、環状構造を採りうる基を含む化合物についても同様である。下記置換基群Tの説明においては、例えば、アルキル基とシクロアルキル基のように、直鎖または分岐構造の基と環状構造の基とを明確にするため、これらを分けて記載していることもある。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチルまたはトリフルオロメチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、ビニル、アリルまたはオレイル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、エチニル、ブチニルまたはフェニルエチニル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、ジフルオロフェニルまたはテトラフルオロフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリルまたは2−オキサゾリル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはベンジルオキシ)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは1〜12)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは1〜12)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
導電性支持体は、導電性を有し、感光体層2等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された導電性支持体1、または、ガラスもしくはプラスチックの基板44とこの基板44の表面に成膜された透明導電膜43とを有する導電性支持体41が好ましい。
導電性支持体1および41の厚みは、特に限定されないが、0.05μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明導電膜43を設ける場合、透明導電膜43の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることがさらに好ましく、0.05〜20μmであることが特に好ましい。
感光体層は、上記色素21が担持された半導体微粒子22および電解質を有していれば、その他の構成は特に限定されない。好ましくは、上記感光体層2および上記感光体層42が挙げられる。
半導体微粒子22は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブもしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
また、受光電極5または40と対極4または48の接触を防ぐために、スペーサーS(図2参照)やセパレータを用いることが好ましい。
光電変換素子10および色素増感太陽電池20においては、増感色素として少なくとも1種の上記式(1)で表される金属錯体色素を使用する。式(1)で表される金属錯体色素は上記の通りである。
本発明においては、式(1)で表される金属錯体色素または必要により併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基またはその塩)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはデオキシコール酸である。
本発明において、光散乱層は、入射光を散乱させる機能を有する点で、半導体層と異なる。
色素増感太陽電池20において、光散乱層46は、好ましくは、棒状または板状の金属酸化物粒子を含有する。光散乱層46に用いられる金属酸化物粒子は、例えば、上記金属のカルコゲニド(酸化物)の粒子が挙げられる。光散乱層46を設ける場合、光散乱層の厚みは感光体層42の厚みの10〜50%とすることが好ましい。
光散乱層46は、特開2002−289274号公報に記載されている光散乱層が好ましく、特開2002−289274号公報の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層3および47は、色素21の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極5または40と、対極4または48との間に設けられる。
電荷移動体層3および47は電解質を含む。ここで、「電荷移動体層が電解質を含む」とは、電荷移動体層が電解質のみからなる態様、および、電解質と電解質以外の物質を含有する態様の、両態様を含む意味である。
電荷移動体層3および47は、固体状、液体状、ゲル状またはこれら混合状態のいずれであってもよい。
電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を含有する溶融塩および酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質等が挙げられる。なかでも、液体電解質が光電変換効率の点で好ましい。
特に、液体電解質に用いる有機溶媒としては、ニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が好ましく、ニトリル化合物がより好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
ヨウ素は、ヨウ素とシクロデキストリンとの包摂化合物として使用することもできる。また環状アミジンを用いてもよく、酸化防止剤、加水分解防止剤、分解防止剤、ヨウ化亜鉛を加えてもよい。
対極4および48は、色素増感太陽電池の正極として働くものであることが好ましい。対極4および48は、通常、上記導電性支持体1または41と同じ構成とすることもできるが、強度が十分に保たれるような構成では基板44は必ずしも必要でない。対極4および48の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層2および42に光が到達するためには、上記導電性支持体1または41と対極4または48との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体1または41が透明であって太陽光を導電性支持体1または41側から入射させるのが好ましい。この場合、対極4および48は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極4および48としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、本発明の金属錯体色素および溶媒を含有する色素溶液(本発明の色素溶液)を用いて、製造することが好ましい。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤の濃度が調整されている色素溶液が好ましい。本発明においては、本発明の色素溶液は、本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。共吸着剤の使用量は上記した通りである。
このようにして作製した感光体層を備えた受光電極に、さらに電荷移動体層や対極等を設けることで、本発明の光電変換素子または色素増感太陽電池を得ることができる。
色素増感太陽電池は、上記のようにして作製した光電変換素子の導電性支持体1および対極4に外部回路6を接続して、製造される。
下記合成方法において、室温とは25℃を意味する。また、下記スキームまたは化学式中、Etはエチルを表し、Buはブチルを表し、Acはアセチルを表す。
実施例1において合成した金属錯体色素を、MS(マススペクトル)測定より同定した。
本実施例で、合成した金属錯体色素D−1〜D−8を以下に示す。
下記のスキームの方法に従って金属錯体色素D−1を合成した。
20gの化合物d−1−1、18.56gの化合物d−1−2、tert−ブトキシナトリウム10.52gをトルエン144ml中で室温で攪拌し、脱気を行った。トリ−tert−ブチルホスフィン1.85g、酢酸パラジウム(II)1.02gを添加し、脱気を行った。その後100℃で1時間攪拌し、放冷後、水145ml、酢酸エチル75ml、メタノール10mlを加えて抽出・分液した。次いで有機層に飽和食塩水を加え分液した。得られた有機層をセライトろ過し、ろ液を濃縮し、得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで9.54gの化合物d−1−3を得た。
(ii)化合物d−1−5の合成
1.41gの化合物d−1−4を窒素雰囲気下、0℃でTHF(テラヒドロフラン)56.4mlに溶解し、別途調整したLDA(リチウムジイソプロピルアミド)を、化合物d−1−4の2.05等量を滴下し、75分攪拌した。その後5.0gの化合物d−1−3をTHF25mlに溶解した溶液を滴下し0℃で1時間攪拌し、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液60mlを添加後、分液を行い、有機層を濃縮した。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで950mgの化合物d−1−5を得た。
920mgの化合物d−1―5、PPTS(ピリジニウムパラトルエンスルホン酸)556mgを、トルエン4.6mlに加え、窒素雰囲気下で2時間加熱還流を行った。得られた溶液をクロロホルム、メタノールおよび飽和重曹水で分液を行い、有機層を濃縮した。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで723mgの化合物d−1−6を得た。
30.6gの化合物d−1−7、30.0gの化合物d−1−8をエタノール中で2時間加熱攪拌した後、濃縮することで、60.6gの化合物d−1−9を得た。
500mgの化合物d−1−9、655mgの化合物d−1−6をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)20ml中にて、150℃で7時間加熱攪拌した。その後、得られた溶液にチオシアン酸アンモニウム2.5gを加え130℃で5時間攪拌した。得られた溶液を濃縮後、水を加え、ろ過し、ジエチルエーテルで洗い、残渣として得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで737mgの化合物d−1−10を得た。
(vi)金属錯体色素D−1の合成
700mgの化合物d−1−10にDMF40ml、水2mlおよび3N水酸化ナトリウム水溶液を0.8ml加え、30℃で1時間攪拌した。その後、1Nトリフルオロメタンスルホン酸水溶液を滴下し、pH3.0とした。ろ過し、残渣として660mgの金属錯体色素D−1を得た。
MS−ESI m/z=1257.2(M+H)+
上記金属錯体色素D−1の合成において、化合物d−1−1に代えて下記化合物d−2−1を用いた以外は、上記金属錯体色素D−1の合成と同様にして、金属錯体色素D−2を合成した。
上記金属錯体色素D−1の合成において、化合物d−1−1に代えて、下記化合物d−3−1を用いた以外は、上記金属錯体色素D−1の合成と同様にして、金属錯体色素D−3を合成した。
上記金属錯体色素D−1の合成において、化合物d−1−1に代えて、下記化合物d−4−1を用いた以外は、上記金属錯体色素D−1の合成と同様にして、金属錯体色素D−4を合成した。
上記金属錯体色素D−1の合成において、化合物d−1−1に代えて、下記化合物d−5−2を用いた以外は、上記金属錯体色素D−1の合成と同様にして、金属錯体色素D−5を合成した。
化合物d−5−2は下記スキームに従って合成した。
上記金属錯体色素D−5の合成において、化合物d−5−2に代えて、下記化合物d−6−2を用いた以外は、上記金属錯体色素D−5の合成と同様にして、金属錯体色素D−6を合成した。
化合物d−6−2は、上記化合物d−5−2の合成において、化合物d−5−1に代えて、下記化合物d−6−1を用いた以外は、上記d−5−2の合成と同様にして、合成した。
上記金属錯体色素D−5の合成において、化合物d−5−2に代えて、下記化合物d−7−2を用いた以外は、上記金属錯体色素D−5の合成と同様にして、金属錯体色素D−7を合成した。
化合物d−7−2は、上記化合物d−5−2の合成において、化合物d−5−1に代えて、下記化合物d−7−1を用いた以外は、上記d−5−2の合成と同様にして、合成した。
なお、d−7−1はJournal of Organic Chemistry,2012.vol.77,#1 p.143〜159に記載の方法で合成した。
上記金属錯体色素D−1の合成において、化合物d−1−1に代えて、下記化合物d−8−3を用いた以外は、上記金属錯体色素D−1の合成と同様にして、金属錯体色素D−8を合成した。
化合物d−8−3は下記スキームに従って合成した。
実施例1で合成した金属錯体色素または下記比較化合物C1〜C3それぞれを用いて、以下に示す手順により、図2に示す色素増感太陽電池20(5mm×5mmのスケール)を製造し、下記性能を評価した。結果を表2に示す。
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成した導電性支持体41を準備した。そして、このSnO2導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させ、次いで、チタニアペースト「18NR−T」を再度スクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを500℃で焼成し、半導体層45(膜厚;10μm)を成膜した。この半導体層45上に、チタニアペースト「18NR−AO」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた後に、乾燥させたチタニアペーストを500℃で焼成し、半導体層45上に光散乱層46(膜厚;5μm)を成膜した。このようにして、SnO2導電膜上に、感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、膜厚;15μm、金属錯体色素は未担持)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体を作製した。
次に、金属錯体色素を担持していない感光体層42に実施例1で合成した各金属錯体色素D−1〜D−8を以下のようにして担持させた。先ず、t−ブタノールとアセトニトリルとの1:1(体積比)の混合溶媒に、上記金属錯体色素それぞれを濃度が2×10−4モル/Lとなるように溶解し、さらにそこへ共吸着剤としてケノデオキシコール酸を上記金属錯体色素1モルに対して10モル加え、各色素溶液を調製した。次に、各色素溶液に受光電極前駆体を25℃で5時間浸漬し、引き上げ後に乾燥させることにより、受光電極前駆体に各金属錯体色素が担持した受光電極40をそれぞれ作製した。
対極48として、上記の導電性支持体41と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚み;100nm)を作製した。また、電解液として、ヨウ素0.1M(モル/L)、ヨウ化リチウム0.1M、4−t−ブチルピリジン0.005Mおよび1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6Mをアセトニトリルに溶解して、液体電解質を調製した。さらに、感光体層42の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備した。
上記のようにして作製した受光電極40それぞれと対極48とを、上記スペーサーSを介して、対向させて熱圧着させた後に、感光体層42と対極48との間に電解液注入口から上記液体電解質を充填して電荷移動体層47を形成した。このようにして作製した電池の外周および電解液注入口を、ナガセケムテック製レジンXNR−5516を用いて、封止、硬化し、各色素増感太陽電池(試料番号1〜8)を製造した。
金属錯体色素C1は特許文献1の実施例に記載の色素D−3である。金属錯体色素C2は特許文献2の[0042]の具体例に記載の色素40である。金属錯体色素C3は特許文献2の[0044]の具体例に記載の色素(58)である。
製造した各色素増感太陽電池を用いて電池特性試験を行った。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WXS−85H、WACOM社製)を用い、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/m2(10万ルクス)の擬似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、Jscおよび光電変換効率を求めた。この場合のJscをJscA、光電変換効率を変換効率Aという。
本発明において、JscAおよび変換効率Aの評価は、A〜Dが合格レベルであり、実用上、好ましくはA〜Bである。
A:c2の1.20倍以上
B:c2の1.12倍以上、1.20倍未満
C:c2の1.08倍以上、1.12倍未満
D:c2の1.04倍以上、1.08倍未満
E:c2の1.00倍以上、1.04倍未満
F:c2の1.00倍未満
製造した各色素増感太陽電池を用いて電池特性試験を行った。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WXS−85H、WACOM社製)を用い、渋谷工学から販売されているNDフィルター(ND1〜ND80)を用いて1mW/cm2(1000ルクス)に調節した擬似太陽光を照射して行った。調節した照度は、オーシャンフォトニクス社製の分光器USB4000用いて確認した。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を求めた。この場合の光電変換効率を変換効率Bという。
本発明において、変換効率Bの評価は、A〜Dが合格レベルであり、実用上、好ましくはAおよびBである。
A:c2の2.0倍以上
B:c2の1.5倍以上、2.0倍未満
C:c2の1.2倍以上、1.5倍未満
D:c2の1.1倍以上、1.2倍未満
E:c2の1.0倍以上、1.1倍未満
F:c2の1.0倍未満
製造した各色素増感太陽電池を用いて電池特性試験を行った。電池特性試験は、東芝製の白色LED(型番:LDA8N−G−K/D/60W)を用いて行った。照度は、渋谷工学から販売されているNDフィルター(ND1〜ND80)を用いて300μW/cm2(1000ルクス)に調節した。調節した照度は、オーシャンフォトニクス社製の分光器USB4000用いて確認した。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を求めた。この場合の光電変換効率を変換効率Cという。
本発明において、変換効率Cの評価は、A〜Dが合格レベルであり、実用上、好ましくはAおよびBである。
A:c2の2.0倍以上
B:c2の1.5倍以上、2.0倍未満
C:c2の1.2倍以上、1.5倍未満
D:c2の1.1倍以上、1.2倍未満
E:c2の1.0倍以上、1.1倍未満
F:c2の1.0倍未満
2、42 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3、47 電荷移動体層
4、48 対極
5、40 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 光電変換素子を電池用途に応用したシステム
M 動作手段(例えば電動モーター)
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
S スペーサー
Claims (10)
- 導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(1)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(1)中、Ar1およびAr2は、環構成原子数が6〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar1およびAr2のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar1およびAr2が互いに連結して環を形成することはない。
R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。R1がAr1またはAr2と連結して環を形成することはない。
R3およびR4はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。
Mは一価の陽イオンを表す。
n1は0〜4の整数を表す。
n3およびn4は0〜3の整数を表す。
Rは式(2)で表される基であるか、または、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基もしくはハロゲン原子を表す。
式(2)中、Ar3およびAr4は、環構成原子数が6〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar3およびAr4のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar3およびAr4が互いに連結して環を形成することはない。
R2はR1と同義である。R2がAr3またはAr4と連結して環を形成することはない。
n2は0〜4の整数を表す。 - Ar1およびAr2を構成する環構成原子数がそれぞれ6〜15である請求項1に記載の光電変換素子。
- Ar1およびAr2を構成する環構成原子数がそれぞれ6〜13である請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えた色素増感太陽電池。
- 下記式(1)で表される金属錯体色素。
R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。R1がAr1またはAr2と連結して環を形成することはない。
R3およびR4はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基またはハロゲン原子を表す。
Mは一価の陽イオンを表す。
n1は0〜4の整数を表す。
n3およびn4は0〜3の整数を表す。
Rは式(2)で表される基であるか、または、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、ヘテロアリール基、アミノ基もしくはハロゲン原子を表す。
式(2)中、Ar3およびAr4は、環構成原子数が6〜30のアリール基または環構成原子数が5〜30のヘテロアリール基を表す。但し、Ar3およびAr4のうち少なくとも1つは環構成原子数が8以上である。Ar3およびAr4が互いに連結して環を形成することはない。
R2はR1と同義である。R2がAr3またはAr4と連結して環を形成することはない。
n2は0〜4の整数を表す。 - Ar1およびAr2を構成する環構成原子数が6〜15である請求項6に記載の金属錯体色素。
- Ar1およびAr2を構成する環構成原子数が6〜13である請求項6または7に記載の金属錯体色素。
- 請求項6〜9のいずれか1項に記載の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液。
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