JP6265551B2 - 光電変換素子、色素増感太陽電池および色素溶液 - Google Patents

光電変換素子、色素増感太陽電池および色素溶液 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子、色素増感太陽電池および色素溶液に関する。
光電変換素子は、各種の光センサー、複写機、太陽電池等の光電気化学電池等に用いられている。この光電変換素子には、金属を用いた方式、半導体を用いた方式、有機顔料や色素を用いた方式、または、これらを組み合わせた方式等の様々な方式が実用化されている。特に、非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は、燃料が不要であり、無尽蔵のクリーンエネルギーを利用するものとして、その本格的な実用化が大いに期待されている。そのなかでも、シリコン系太陽電池は古くから研究開発が進められ、各国の政策的な配慮もあって普及が進んでいる。しかし、シリコンは無機材料であり、スループットおよびコスト等の改良には自ずと限界がある。
そこで、色素増感太陽電池の研究が精力的に行われている。特にその契機となったのは、スイス ローザンヌ工科大学のGraetzel等の研究成果である。彼らは、ポーラス酸化チタン膜の表面にルテニウム錯体からなる色素を固定した構造を採用し、アモルファスシリコン並の光電変換効率を実現した。これにより、高価な真空装置を使用しなくても製造できる色素増感太陽電池が一躍世界の研究者から注目を集めるようになった。
現在までに、色素増感太陽電池に使用される金属錯体色素として、一般的に、N3、N719、N749(ブラックダイともいう)、Z907、J2と呼ばれる色素等が開発されている。
これらの色素以外にも、光電変換素子および色素増感太陽電池の光電変換効率の向上等を示す金属錯体色素が開発されている。
例えば、特許文献1には、1つのアニオンと1つの孤立電子対で金属イオンに配位する2座配位子と、特定の3座配位子と、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とを有する金属錯体色素が記載されている。
また、特許文献2には、ターピリジン配位子と、ピリジン環の窒素原子に対して3位にチオフェン環を有するピラゾリルピリジン2座配位子と、単座配位子とを有する金属錯体色素が記載されている。
特開2014−186976号公報 特開2013−72080号公報
しかし、年々、光電変換素子および色素増感太陽電池に求められる性能が高くなっており、特に光電変換効率のさらなる改善、向上が望まれている。
本発明は、光電変換効率が優れた光電変換素子および色素増感太陽電池、ならびに、これらに用いられる色素溶液を提供することを課題とする。
本発明者らは、窒素原子に対して3位に特定の環基が結合したピリジン環と、特定の含窒素5員環とからなるピリジン化合物を2座配位子として有する金属錯体色素において、NCS基を単座配位子として導入した金属錯体色素と、塩素原子を単座配位子として導入した金属錯体色素とを特定の含有率で併用すると、光電変換素子および色素増感太陽電池が優れた光電変換効率を示すことを、見出した。本発明はこの知見に基づき、さらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<1>導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(1)および式(2)で表される少なくとも2種の金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有し、下記式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、0.05〜30%である光電変換素子。
式(1):M11(L11)(L12)(NCS)
式(2):M21(L21)(L22)(Cl)
式(1)および式(2)中、
11およびM21は、各々独立に、ルテニウムイオンを表す。
11およびL21は、各々独立に、下記式(L1)で表される3座の配位子を表す。
12およびL22は、各々独立に、下記式(L2)で表される2座の配位子を表す。
Figure 0006265551
式中、Mは各々独立に水素イオンまたは陽イオンを表す。
Figure 0006265551
式中、Gは下記式(G1−1)〜(G1−3)のいずれかの式で表される基を表す。Gは下記式(G2)で表される基を表す。
Figure 0006265551
式(G1−1)〜(G1−3)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基またはハロゲン原子を表す。*は式(L2)のピリジン環との結合部を表す。
式(G2)中、R21はアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R22は水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NRf、セレン原子、C(Rf)またはSi(Rf)を表す。Rfは水素原子またはアルキル基を表す。*は式(L2)中のピリジン環との結合部を表す。
<2>上記式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、0.05〜10%である<1>に記載の光電変換素子。
<3>上記式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、0.1〜5%である<1>または<2>に記載の光電変換素子。
<4>上記式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、0.1〜1%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<5>Gが、式(G1−2)で表される基である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光電変換素子
<6>L12またはL22において、上記式(G2)で表される基のXが、硫黄原子である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<7>L12またはL22において、上記式(G1−1)〜(G1−3)で表される基のR12、R14またはR16が、アルキル基またはアリール基である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<8>L12またはL22において、上記式(G2)で表される基のR22が、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光電変換素子。
<9>上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の光電変換素子を用いた色素増感太陽電池。
<10>下記式(1)および式(2)で表される少なくとも2種の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液であって、金属錯体色素中の、式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、0.05〜30%である色素溶液。
式(1):M11(L11)(L12)(NCS)
式(2):M21(L21)(L22)(Cl)
式(1)および式(2)中、
11およびM21は、各々独立に、ルテニウムイオンを表す。
11およびL21は、各々独立に、下記式(L1)で表される3座の配位子を表す。
12およびL22は、各々独立に、下記式(L2)で表される2座の配位子を表す。
Figure 0006265551
式中、Mは各々独立に水素イオンまたは陽イオンを表す。
Figure 0006265551
式中、Gは下記式(G1−1)〜(G1−3)のいずれかの式で表される基を表す。Gは下記式(G2)で表される基を表す。
Figure 0006265551
式(G1−1)〜(G1−3)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基またはハロゲン原子を表す。*は式(L2)のピリジン環との結合部を表す。
式(G2)中、R21はアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R22は水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NRf、セレン原子、C(Rf)またはSi(Rf)を表す。Rfは水素原子またはアルキル基を表す。*は式(L2)中のピリジン環との結合部を表す。
本明細書において、特段の断りがない限り、二重結合については、分子内にE型およびZ型が存在する場合、そのいずれであっても、またこれらの混合物であってもよい。
特定の符号や式で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、または複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば、芳香族環または脂肪族環は、さらに縮環して縮合環を形成していてもよい。
本明細書において、化合物(錯体、色素を含む)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的の効果を奏する範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。さらに、置換または無置換を明記していない化合物については、所望の効果を奏する範囲で、任意の置換基を有していてもよい意味である。このことは、置換基、連結基および配位子についても同様である。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、優れた光電変換効率を示す。また、本発明の色素溶液は、優れた光電変換効率を示す光電変換素子および色素増感太陽電池を製造することができる。
本発明の第1態様の光電変換素子を、電池用途に応用したシステムにおいて、層中の円部分の拡大図も含めて、模式的に示した断面図である。 本発明の第2態様の光電変換素子からなる色素増感太陽電池を模式的に示した断面図である。
[光電変換素子および色素増感太陽電池]
本発明の光電変換素子は、導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極(対向電極)とを有する。感光体層と電荷移動体層と対極とがこの順で導電性支持体上に設けられている。
本発明の光電変換素子において、その感光体層を形成する半導体微粒子は、全体として、増感色素としての、後述する式(1)で表される金属錯体色素と、後述する式(2)で表される金属錯体色素ととの少なくとも2種を担持している。したがって、半導体微粒子の少なくとも一部は、式(1)で表される金属錯体色素および後述する式(2)で表される金属錯体色素の両方を担持してもよく、これらのうちの一方のみを担持してもよい。ここで、金属錯体色素が半導体微粒子の表面に担持される態様は、半導体微粒子の表面に吸着する態様、半導体微粒子の表面に堆積する態様、および、これらが混在した態様等を包含する。吸着は、化学吸着と物理吸着とを含み、化学吸着が好ましい。
半導体微粒子は、後述する式(1)および式(2)で表される金属錯体色素と併せて、他の金属錯体色素を担持していてもよい。
また、感光体層は電解質を含む。感光体層に含まれる電解質は、電荷移動体層が有する電解質と同種でも異種であってもよいが、同種であることが好ましい。
本発明の光電変換素子は、本発明で規定する構成以外の構成は特に限定されず、光電変換素子に関する公知の構成を採用できる。本発明の光電変換素子を構成する上記各層は、目的に応じて設計され、例えば、単層に形成されても、複層に形成されてもよい。また、必要により上記各層以外の層を有してもよい。
本発明の色素増感太陽電池は、本発明の光電変換素子を用いてなる。
以下、本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池の好ましい実施形態について説明する。
図1に示されるシステム100は、本発明の第1態様の光電変換素子10を、外部回路6で動作手段M(例えば電動モーター)に仕事をさせる電池用途に応用したものである。
光電変換素子10は、導電性支持体1と、色素(金属錯体色素)21が担持されることにより増感された半導体微粒子22、および、半導体微粒子22間に電解質を含む感光体層2と、正孔輸送層である電荷移動体層3と、対極4とからなる。
光電変換素子10において、受光電極5は、導電性支持体1および感光体層2を有し、作用電極として機能する。
光電変換素子10を応用したシステム100において、感光体層2に入射した光は、金属錯体色素21を励起する。励起された金属錯体色素21はエネルギーの高い電子を有しており、この電子が金属錯体色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき金属錯体色素21は酸化体となっている。導電性支持体1に到達した電子が外部回路6で仕事をしながら、対極4、電荷移動体層3を経由して金属錯体色素21の酸化体に到達し、この酸化体を還元することで、システム100が太陽電池として機能する。
図2に示される色素増感太陽電池20は、本発明の第2態様の光電変換素子により構成されている。
色素増感太陽電池20となる光電変換素子は、図1に示す光電変換素子に対して、導電性支持体41および感光体層42の構成、および、スペーサーSを有する点で異なるが、それらの点以外は図1に示す光電変換素子10と同様に構成されている。すなわち、導電性支持体41は、基板44と、基板44の表面に成膜された透明導電膜43とからなる2層構造を有している。また、感光体層42は、半導体層45と、半導体層45に隣接して成膜された光散乱層46とからなる2層構造を有している。導電性支持体41と対極48との間にはスペーサーSが設けられている。色素増感太陽電池20において、40は受光電極であり、47は電荷移動体層である。
色素増感太陽電池20は、光電変換素子10を応用したシステム100と同様に、感光体層42に光が入射することにより、太陽電池として機能する。
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、上記の好ましい態様に限定されず、各態様の構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各態様間で適宜組み合わせることができる。
本発明において、光電変換素子または色素増感太陽電池に用いられる材料および各部材は常法により調製することができる。例えば、米国特許第4,927,721号明細書、米国特許第4,684,537号明細書、米国特許第5,084,365号明細書、米国特許第5,350,644号明細書、米国特許第5,463,057号明細書、米国特許第5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2001−185244号公報、特開2001−210390号公報、特開2003−217688号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。
<金属錯体色素>
本発明に用いる金属錯体色素は、下記式(1)で表される金属錯体色素(金属錯体色素(1)ということがある)と、下記式(2)で表される金属錯体色素(金属錯体色素(2)ということがある)との少なくとも2種である。
金属錯体色素(1)と、金属錯体色素(2)とを組み合わせて用いることにより、これらの金属錯体色素を単独で用いる場合と比較して、高い光電変換効率を光電変換素子等に付与できる。
この理由についてはまだ定かではないが、以下のように推定される。すなわち、Clを単座配位子として有する金属錯体色素(2)は、NCSを単座配位子として有する金属錯体色素(1)よりも、単座配位子のπ電子供与性が大きく、半導体微粒子への吸着速度が速くなる。したがって、半導体微粒子に優先的に吸着した金属錯体色素(2)を核(起点)として金属錯体色素(1)が吸着すると考えられる。これにより、金属錯体色素(1)は半導体微粒子に均質に吸着して、半導体微粒子の表面を広く覆うことができる。そのため、電解質が半導体微粒子の表面に接触する面積または頻度が小さくなり、半導体微粒子から電解質への逆電子移動を防止できる。
加えて、金属錯体色素(1)は、ピリジン環の窒素原子に対して3位に環基Gが置換した配位子L12を有している。この場合、環基Gと半導体微粒子の表面とに立体障害が生じて、NCS基が半導体微粒子の表面から離間した状態で金属錯体色素(1)が半導体微粒子に吸着する。そのため、半導体微粒子からNCS基への逆電子移動を防止できる。
ここで、配位子L11およびL21がピリジン環に直接結合したカルボキシ基またはその塩を有していると、また、金属錯体色素(2)が塩素原子を配位子とすることで、金属錯体色素(1)と金属錯体色素(2)との吸着速度差が生じ、上記逆電子移動の防止効果をさらに高めることができる。
このようにして、逆電子移動が起こりうる2つの経路を遮断できる。
しかも、金属錯体色素(2)の配位子L22が下記式(G1−1)〜(G1−3)で表される特定の含窒素5員環を有すると、M21の酸化電位が好適化され、光電変換効率の向上に寄与する。
上記の結果、光電変換素子等の開放電圧(VOC)が高くなり、光電変換効率を向上させることができると考えられる。
本発明において、半導体微粒子に吸着される色素は、少なくとも1種の金属錯体色素(1)と、少なくとも1種の金属錯体色素(2)とを含んでいればよく、金属錯体色素(1)または(2)を複数種含んでいてもよい。
併用する金属錯体色素(1)と金属錯体色素(2)との組み合わせは、特に限定されない。例えば、単座配位子のみが異なる金属錯体色素同士を併用することができる。また、配位子L11とL21との組、および、配位子L12とL22との組の少なくとも一組が異なる金属錯体色素同士を併用することもできる。
本発明において、金属錯体色素(2)の含有率は、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、全金属錯体色素に対して0.05〜30%である。この含有率が0.05%未満であると、金属錯体色素(2)の吸着量が少なすぎて、半導体微粒子に直接吸着する金属錯体色素(1)が多くなる。そのため、金属錯体色素(2)を併用する効果が薄れ、開放電圧および光電変換効率の向上が期待できないことがある。一方、上記含有率が30%を超えると、半導体微粒子に直接吸着する金属錯体色素(1)が少なくなりすぎて、開放電圧および光電変換効率の向上が期待できないことがある。
開放電圧および光電変換効率の向上の点で、金属錯体色素(2)の含有率は、0.05〜10%であることが好ましく、0.1〜5%であることがより好ましく、0.1〜1%であることがさらに好ましい。
本発明において、金属錯体色素(2)の含有率は、下記測定条件で金属錯体色素の含有率を高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)で測定したときの、全金属錯体色素のピーク面積の合計に対する、金属錯体色素(2)のピーク面積の面積比として、求めた値である。
測定条件
カラム:YMC社製のYMC−Pack ODS−AM AM12S05−1506WT
150mm×6.0mmI.D.
流量:1.0mL/分
オーブン温度:40℃
溶離液組成:テトラヒドロフラン/水=50/50
(0.1%トリフルオロ酢酸バッファー含有)
測定時間:45分
本発明において、金属錯体色素(2)の含有率は、適宜の方法で所定の範囲に設定できる。例えば、金属錯体色素(2)を所定の含有率で含有する色素溶液を調製し、この色素溶液を用いて、金属錯体色素(1)および(2)を半導体微粒子に吸着させる方法が挙げられる。各金属錯体色素を所定の含有率で含有する色素溶液は、後述するように、金属錯体色素(1)および(2)を別々に合成し、これらを所定の含有率で溶媒に溶解させることにより、調製できる。
− 式(1)で表される金属錯体色素 −
本発明に用いる金属錯体色素のうち少なくとも1種は、下記式(1)で表される金属錯体色素である。
式(1):M11(L11)(L12)(NCS)
式中、M11はルテニウムイオンを表す。
11は下記式(L1)で表される3座の配位子を表す。
Figure 0006265551
式中、Mは、各々独立に、水素イオンまたは陽イオンを表す。
Mが採りうる陽イオンとしては、特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正の対イオン(水素イオンを除く)が挙げられる。なかでも、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンが好ましい。
12は下記式(L2)で表される2座の配位子を表す。
Figure 0006265551
式中、Gは下記式(G1−1)〜(G1−3)のいずれかの式で表される基を表す。
は下記式(G2)で表される基を表す。
Figure 0006265551
式(G1−1)〜(G1−3)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基またはハロゲン原子を表す。*は式(L2)のピリジン環との結合部を表す。
式(G2)中、R21はアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R22は水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NRf、セレン原子、C(Rf)またはSi(Rf)を表す。Rfは水素原子またはアルキル基を表す。*は式(L2)中のピリジン環との結合部を表す。
11〜R16におけるアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基およびハロゲン原子は、それぞれ、後述の置換基Zにおける対応する基が好ましい。
11〜R16として採りうるアルキル基は、電子求引性基が置換したアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、特にフッ素原子が置換したアルキル基がさらに好ましい。ハロゲン原子が置換したアルキル基において、置換するハロゲン原子の数は、特に限定されず、1個以上で、アルキル基が有する水素原子数以下であることが好ましく、1〜6個がより好ましく、1〜3個がさらに好ましい。なかでも、ハロゲン原子が置換したアルキル基は、アルキル基が有するすべての水素原子が置換されたパーハロゲン化アルキル基が好ましく、パーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチルがさらに好ましい。
11〜R16として採りうるアリール基は、電子求引性基が置換したアリール基がより好ましく、ハロゲン原子、特にフッ素原子が置換したアリール基がさらに好ましい。ハロゲン原子が置換したアリール基において、置換するハロゲン原子の数は、特に限定されず、1個以上で、アリール基が有する水素原子数以下であることが好ましく、2〜5個がより好ましく、3〜5個がさらに好ましい。なかでも、ハロゲン原子が置換したアリール基は、ハロゲン原子が置換したフェニル基が好ましく、例えば、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルが挙げられる。
11、R13およびR15は、それぞれ、上記の各基のなかでも、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
12、R14およびR16は、それぞれ、上記の各基のなかでも、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アルキル基またはアリール基がより好ましく、フッ素原子が置換したアルキル基またはフッ素原子が置換したアリール基がより好ましく、フッ素原子が置換したアルキル基がさらに好ましく、トリフルオロメチルが特に好ましい。
は、上記式(G1−2)で表される基が好ましい。
21、R22およびRfで規定される各基は、後述の置換基Zにおける対応する基が好ましい。
21は、上記の各基のなかでも、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基またはヘテロアリール基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基がさらに好ましく、アルキル基が特に好ましい。
nは、0または1が好ましく、R22が水素原子である場合は1がより好ましく、R22が水素原子でない場合は0または1がより好ましい。
nが2である場合、2つのR21が互いに結合して環を形成していてもよく、隣接するR21とR22が結合して環を形成していてもよい。形成される環としては、ベンゼン環等のアリール環や、ピラジン環、ピロール環等のヘテロアリール環、シクロペンタジエン環等の芳香属性を示さない不飽和炭化水素環、1,4−ジオキサン環、2,3−ジヒドロピラジン環等の芳香属性を示さないヘテロ環が挙げられる。
22は、上記の各基のなかでも、水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはアリール基が好ましく、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基がより好ましく、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、またはアルキルチオ基がさらに好ましい。R22として採りうるヘテロアリール基は、上記式(G2)中の、Xを含む環を含まない。
Xは、酸素原子または硫黄原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
mは、1または2が好ましい。
mが2または3である場合、隣接するXを含む環が有するR21のうち、一方のXを含む環が有するR21が他方のXを含む環に結合して環を形成してもよく、また隣接する2つのXを含む環が有するR21同士が結合して環を形成していてもよい。形成される環としては、上記R21が形成する環と同義である。
式(G2)で表される基は、下記式(G2−1a)〜(G2−5a)のいずれかで表される基が好ましく、式(G2−1a)または式(G2−5a)で表される基が好ましく、式(G2−1a)で表される基がより好ましい。
Figure 0006265551
式(G2−1a)〜(G2−5a)において、R22、Xおよびmは、式(G2)における、R22、Xおよびmと同義であり、好ましい範囲も同じである。R23は、水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R23として採りうる各基は、式(G2)のR21として採りうる各基と同義であり、好ましい範囲も同じであるが、水素原子が特に好ましい。
は、窒素原子またはCRaを表し、窒素原子が好ましい。
およびZは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、NRb、CRb、セレン原子またはSi(Rb)を表す。ZはNRbまたはCRbが好ましく、Zは酸素原子または硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
RaおよびRbは各々独立に、水素原子またはアルキル基を表す。RaおよびRbにおけるアルキル基は後述の置換基Zのアルキル基が好ましい。
− 式(2)で表される金属錯体色素 −
本発明に用いる金属錯体色素のうち少なくとも1種は、下記式(2)で表される金属錯体色素である。この金属錯体色素(2)は、単座配位子が異なること以外は金属錯体色素(1)と同じであり、好ましい範囲も同じである。
式(2):M21(L21)(L22)(Cl)
式中、M21はルテニウムイオンを表す。
21は、上記式(L1)で表される3座の配位子を表す。このL21は上記L11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22は、上記式(L2)で表される2座の配位子を表す。このL22は上記L12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
金属錯体色素(1)および(2)の併用において、上記配位子L11とL21、および、配位子L12とL22は、それぞれ、好ましいもの同士を組み合わせることが好ましい。例えば、配位子L12とL22の少なくとも一方の配位子において、式(G2)で表される基のXが硫黄原子であることが好ましく、両方の配位子のXが硫黄原子であることがさらに好ましい。この点は、式(G1−1)〜(G1−3)で表される基のR12、R14またはR16、および、式(G2)で表される基のR22についても、同じである。
本発明に用いる金属錯体色素(1)および(2)は、それぞれ、色素の電荷を中和するための対イオン(CI)が含まれる形態も包含される。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機もしくは有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、ホスホニウムイオン(例えばテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオン、金属錯体イオンまたは水素イオンである。正の対イオンとしては、無機もしくは有機のアンモニウムイオン(トリエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムイオン等)、水素イオンが好ましい。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、水酸化物イオン、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換もしくは無置換のアルキルカルボン酸イオン(酢酸イオン、トリフルオロ酢酸等)、置換もしくは無置換のアリールカルボン酸イオン(安息香酸イオン等)、置換もしくは無置換のアルキルスルホン酸イオン(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等)、置換もしくは無置換のアリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオンが挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。負の対イオンとしては、ハロゲン陰イオン、置換もしくは無置換のアルキルカルボン酸イオン、置換もしくは無置換のアルキルスルホン酸イオン、置換もしくは無置換のアリールスルホン酸イオン、アリールジスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオンが好ましく、ハロゲン陰イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオンがより好ましい。
金属錯体色素(1)および(2)は、それぞれ、例えば、特開2013−084594号公報に記載の方法、特許第4298799号公報に記載の方法、米国特許出願公開第2013/0018189A1、米国特許出願公開第2012/0073660A1、米国特許出願公開第2012/0111410A1および米国特許出願公開第2010/0258175A1号の各明細書に記載の方法、Angew.Chem.Int.Ed.,2011,50,2054−2058に記載の方法、Chem.Commun.,2014,50,6379−6381に記載の方法、この文献で挙げられている参照文献に記載の方法、太陽電池に関する上記特許文献、公知の方法、または、これらに準じた方法で、合成することができる。
上記各金属錯体色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜900nmの範囲であり、より好ましくは350〜850nmの範囲であり、特に好ましくは370〜800nmの範囲である。また、吸収波長領域は300〜900nmの全体にわたっていることが好ましい。
<置換基群Z
本発明における置換基としては、下記置換基群Zから選ばれる置換基が挙げられる。
置換基群Zは、酸性基を含まない置換基群である。
本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基群Zを参照するものである。また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群Zの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
置換基群Zに含まれる基としては、下記の基、および、下記の基を複数組み合わせてなる基が挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、ベンジル、2−エトキシエチルまたはトリフルオロメチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12で、例えば、ビニル、アリル、ブテニルまたはオレイル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12で、例えば、エチニル、ブチニル、オクチニルまたはフェニルエチニル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、ジフルオロフェニルまたはテトラフルオロフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましい。ヘテロ環基には芳香族性を示すヘテロアリール基および芳香族性を示さないヘテロ脂肪族環基が含まれる。ヘテロアリール基としては、例えば、2−ピリジル、2−チエニル、2−フラニル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリルまたは2−ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシまたはベンジルオキシ)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、シクロアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数4〜20)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、シクロアルケニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、N−アリルアミノ、N−(2−プロピニル)アミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N−シクロヘキセニルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、アニリノ、ピリジルアミノ、イミダゾリルアミノ、ベンゾイミダゾリルアミノ、チアゾリルアミノ、ベンゾチアゾリルアミノまたはトリアジニルアミノ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールのスルファモイル基が好ましい)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールのカルバモイル基が好ましい)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールのスルホンアミド基が好ましい)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオまたはベンジルチオ)、シクロアルキルチオ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26)、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20)、
シリル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシおよびアリールオキシが置換したシリル基が好ましい)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシおよびアリールオキシが置換したシリルオキシ基が好ましい)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)が挙げられる。
置換基群Zから選ばれる基は、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基またはハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基またはシアノ基が挙げられる。
化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また、アリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
式(1)で表される金属錯体色素(ルテニウム錯体色素)の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記具体例のルテニウム錯体色素が、プロトン解離性基を有する配位子を含む場合、配位子は必要に応じて解離してプロトンを放出してもよい。
Figure 0006265551
Figure 0006265551
式(2)で表されるルテニウム錯体色素の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記具体例のルテニウム錯体色素が、プロトン解離性基を有する配位子を含む場合、配位子は必要に応じて解離してプロトンを放出してもよい。
Figure 0006265551
Figure 0006265551
次に、光電変換素子および色素増感太陽電池の主たる部材の好ましい態様について説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体は、導電性を有し、感光体層2等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された導電性支持体1、または、ガラスもしくはプラスチックの基板44とこの基板44の表面に成膜された透明導電膜43とを有する導電性支持体41が好ましい。
なかでも、基板44の表面に導電性の金属酸化物を塗設して透明導電膜43を成膜した導電性支持体41がさらに好ましい。プラスチックで形成された基板44としては、例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0153に記載の透明ポリマーフィルムが挙げられる。また、基板44を形成する材料は、ガラスおよびプラスチックの他にも、セラミック(特開2005−135902号公報)、導電性樹脂(特開2001−160425号公報)を用いることができる。金属酸化物としては、スズ酸化物(TO)が好ましく、インジウム−スズ酸化物(スズドープ酸化インジウム;ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等のフッ素ドープスズ酸化物が特に好ましい。このときの金属酸化物の塗布量は、基板44の表面積1m当たり0.1〜100gが好ましい。導電性支持体41を用いる場合、光は基板44側から入射させることが好ましい。
導電性支持体1および41は、実質的に透明であることが好ましい。「実質的に透明である」とは、光(波長300〜1200nm)の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
導電性支持体1および41の厚みは、特に限定されないが、0.05μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明導電膜43を設ける場合、透明導電膜43の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることがさらに好ましく、0.05〜20μmであることが特に好ましい。
導電性支持体1および41は、表面に光マネージメント機能を有してもよい。例えば、表面に、特開2003−123859号公報に記載の高屈折膜および低屈折率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜を有してもよく、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能を有してもよい。
<感光体層>
感光体層は、上記色素21が担持された半導体微粒子22および電解質を有していれば、その他の構成は特に限定されない。好ましくは、上記感光体層2および上記感光体層42が挙げられる。
− 半導体微粒子(半導体微粒子が形成する層) −
半導体微粒子22は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイト型結晶構造を有する化合物の微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブもしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物としては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型、ブルッカイト型、またはルチル型が挙げられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。チタニアナノチューブ、ナノワイヤー、ナノロッドは、単独で、または、チタニア微粒子に混合して、用いることができる。
半導体微粒子22の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子として0.001〜1μm、分散物の平均粒径として0.01〜100μmであることが好ましい。半導体微粒子22を導電性支持体1または41上に塗設する方法として、湿式法、乾式法、その他の方法が挙げられる。
半導体微粒子22は多くの色素21を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子22を導電性支持体1または41上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。
半導体層45(光電変換素子10においては感光体層2)の好ましい厚みは、光電変換素子の用途によって一義的なものではないが、典型的には0.1〜100μmである。色素増感太陽電池として用いる場合は、1〜50μmがより好ましく、3〜30μmがさらに好ましい。
半導体微粒子22は、導電性支持体1または41に塗布した後に、100〜800℃の温度で10分〜10時間焼成して、粒子同士を密着させることが好ましい。成膜温度は、導電性支持体1または基板44の材料としてガラスを用いる場合、60〜600℃が好ましい。
半導体微粒子22の、導電性支持体1または41の表面積1m当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。
導電性支持体1または41と、感光体層2または42との間には、感光体層2または42が含む電解質と導電性支持体1または41が直接接触することによる逆電流を防止するため、短絡防止層を形成することが好ましい。
また、受光電極5または40と対極4または48の接触を防ぐために、スペーサーS(図2参照)やセパレータを用いることが好ましい。
− 色素 −
光電変換素子10および色素増感太陽電池20においては、増感色素21として、金属錯体色素(1)と金属錯体色素(2)とを組み合わせて用いる。本発明においては、このような色素の組み合わせを1組含んでいればよい。したがって、本発明において、増感色素21としては、少なくとも1種の金属錯体色素(1)と、少なくとも1種の金属錯体色素(2)とを使用する。金属錯体色素(1)および(2)は上記の通りである。
本発明において、金属錯体色素(1)および(2)と併用できる色素としては、金属錯体色素(1)および(2)以外のRu錯体色素、スクアリリウムシアニン色素、有機色素、ポルフィリン色素またはフタロシアニン色素等が挙げられる。
併用できる色素としては、Ru錯体色素、スクアリリウムシアニン色素、または有機色素が好ましい。
色素の使用量は、全体で、導電性支持体1または41の表面積1m当たり0.01〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜10ミリモルである。また、色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は1gの半導体微粒子22に対して0.001〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。このような色素量とすることによって、半導体微粒子22における増感効果が十分に得られる。
金属錯体色素(1)および(2)と他の色素を併用する場合、金属錯体色素(1)および(2)との合計質量/他の色素の質量の比は、95/5〜10/90が好ましく、95/5〜50/50がより好ましく、95/5〜60/40がさらに好ましく、95/5〜65/35が特に好ましく、95/5〜70/30が最も好ましい。
色素を半導体微粒子22に担持させた後に、アミン化合物を用いて半導体微粒子22の表面を処理してもよい。好ましいアミン化合物としてピリジン化合物(例えば4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン)等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
− 共吸着剤 −
本発明においては、金属錯体色素(1)および(2)、または必要により併用する色素とともに、さらに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基またはその塩)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えば、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはコール酸である。
上記共吸着剤は、特開2014−82187号公報の段落番号0125〜0129に記載の式(CA)で表される共吸着剤が好ましく、特開2014−82187号公報の段落番号0125〜0129の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
上記共吸着剤は、半導体微粒子22に吸着させることにより、金属錯体色素の非効率な会合を抑制する効果および半導体微粒子表面から電解質中のレドックス系への逆電子移動を防止する効果がある。共吸着剤の使用量は、特に限定されないが、上記の作用を効果的に発現させる観点から、上記金属錯体色素1モルに対して、好ましくは1〜200モル、さらに好ましくは10〜150モル、特に好ましくは20〜50モルである。
− 光散乱層 −
本発明において、光散乱層は、入射光を散乱させる機能を有する点で、半導体層と異なる。
色素増感太陽電池20において、光散乱層46は、好ましくは、棒状または板状の金属酸化物粒子を含有する。光散乱層46に用いられる金属酸化物粒子は、例えば、上記金属のカルコゲニド(酸化物)の粒子が挙げられる。光散乱層46を設ける場合、光散乱層の厚みは感光体層42の厚みの10〜50%とすることが好ましい。
光散乱層46は、特開2002−289274号公報に記載されている光散乱層が好ましく、特開2002−289274号公報の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
<電荷移動体層>
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層3および47は、色素21の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極5または40と、対極4または48との間に設けられる。
電荷移動体層3および47は電解質を含む。ここで、「電荷移動体層が電解質を含む」とは、電荷移動体層が電解質のみからなる態様、および、電解質と電解質以外の物質を含有する態様の、両態様を含む意味である。
電荷移動体層3および47は、固体状、液体状、ゲル状またはこれら混合状態のいずれであってもよい。
− 電解質 −
電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を含有する溶融塩および酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質等が挙げられる。なかでも、液体電解質が光電変換効率の点で好ましい。
酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(ヨウ化物塩、ヨウ化イオン性液体が好ましく、ヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化メチルプロピルイミダゾリウムが好ましい)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体の組み合わせ(例えば赤血塩と黄血塩の組み合わせ)、2価と3価のコバルト錯体の組み合わせ等が挙げられる。これらのうち、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせ、または2価と3価のコバルト錯体の組み合わせが好ましく、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせが特に好ましい。
上記コバルト錯体は、特開2014−82189号公報の段落番号0144〜0156に記載の式(CC)で表される錯体が好ましく、特開2014−82189号公報の段落番号0144〜0156の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
電解質として、ヨウ素とヨウ化物との組み合わせを用いる場合、5員環または6員環の含窒素芳香族カチオンのヨウ素塩をさらに併用するのが好ましい。
液体電解質およびゲル電解質に用いる有機溶媒としては、特に限定されないが、非プロトン性の極性溶媒(例えばアセトニトリル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノン等)が好ましい。
特に、液体電解質に用いる有機溶媒としては、ニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が好ましく、ニトリル化合物がより好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
溶融塩やゲル電解質としては、特開2014−139931号公報の段落番号0205および段落番号0208〜0213に記載のものが好ましく、特開2014−139931号公報の段落番号0205および段落番号0208〜0213の記載が、そのまま本明細書に好ましく取り込まれる。
電解質は、添加物として、4−t−ブチルピリジン等のピリジン化合物のほか、アミノピリジン化合物、ベンズイミダゾール化合物、アミノトリアゾール化合物およびアミノチアゾール化合物、イミダゾール化合物、アミノトリアジン化合物、尿素化合物、アミド化合物、ピリミジン化合物または窒素を含まない複素環を含有していてもよい。
また、光電変換効率を向上させるために、電解液の水分を制御する方法をとってもよい。水分を制御する好ましい方法としては、濃度を制御する方法や脱水剤を共存させる方法を挙げることができる。電解液の水分含有量(含有率)を0〜0.1質量%に調整することが好ましい。
ヨウ素は、ヨウ素とシクロデキストリンとの包摂化合物として使用することもできる。また環状アミジンを用いてもよく、酸化防止剤、加水分解防止剤、分解防止剤、ヨウ化亜鉛を加えてもよい。
以上の液体電解質および擬固体電解質の代わりに、p型半導体あるいはホール輸送材料等の固体電荷輸送層、例えば、CuI、CuNCS等を用いることができる。また、Nature,vol.486,p.487(2012)等に記載の電解質を用いてもよい。固体電荷輸送層として有機ホール輸送材料を用いてもよい。有機ホール輸送材料としては、特開2014−139931号公報の段落番号0214に記載のものが好ましい。
酸化還元対は、電子のキャリアになるので、ある程度の濃度で含有するのが好ましい。好ましい濃度としては合計で0.01モル/L以上であり、より好ましくは0.1モル/L以上であり、特に好ましくは0.3モル/L以上である。この場合の上限は特に制限はないが、通常5モル/L程度である。
<対極>
対極4および48は、色素増感太陽電池の正極として働くものであることが好ましい。対極4および48は、通常、上記導電性支持体1または41と同じ構成とすることもできるが、強度が十分に保たれるような構成では基板44は必ずしも必要でない。対極4および48の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層2および42に光が到達するためには、上記導電性支持体1または41と対極4または48との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体1または41が透明であって太陽光を導電性支持体1または41側から入射させるのが好ましい。この場合、対極4および48は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極4および48としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
[光電変換素子および色素増感太陽電池の製造方法]
本発明の光電変換素子および色素増感太陽電池は、式(1)および式(2)で表される少なくとも2種の金属錯体色素(金属錯体色素(1)および(2)の少なくとも1種ずつの組み合わせ)と、溶媒とを含有する色素溶液(本発明の色素溶液)を用いて、製造することができる。
本発明の色素溶液に含有される金属錯体色素(1)および(2)は、上記した通りであり、好ましい範囲も同じである。
本発明の色素溶液において、金属錯体色素(2)の含有率は、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、全金属錯体色素に対して0.05〜30%である。この含有率の好ましい範囲は上記含有率の好ましい範囲と同じである。また、含有率の測定方法は上記した通りである。
使用する溶媒としては、特開2001−291534号公報に記載の溶媒を挙げることができるが、特にこれに限定されない。本発明においては有機溶媒が好ましく、さらにアルコール溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、炭化水素溶媒、および、これらの2種以上の混合溶媒がより好ましい。混合溶媒としては、アルコール溶媒と、アミド溶媒、ニトリル溶媒または炭化水素溶媒から選ばれる溶媒との混合溶媒が好ましい。さらに好ましくはアルコール溶媒とアミド溶媒、アルコール溶媒と炭化水素溶媒の混合溶媒、特に好ましくはアルコール溶媒とアミド溶媒の混合溶媒である。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールの少なくとも1種と、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびアセトニトリルの少なくとも1種との混合溶媒が好ましい。
本発明の色素溶液には、必要により他の成分を含んでもよい。
色素溶液は共吸着剤を含有することが好ましく、共吸着剤としては、上記の共吸着剤が好ましい。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤の濃度が調整されている色素溶液が好ましい。本発明において、本発明の色素溶液は本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。共吸着剤の使用量は上記した通りである。
色素溶液は、水分含有量を調整することが好ましく、本発明では水分含有量を0〜0.1質量%に調整することが好ましい。
本発明においては、上記色素溶液を用いて、半導体微粒子表面に金属錯体色素(1)および(2)、または、これらを含む色素を担持させることにより、感光体層を作製することが好ましい。すなわち、感光体層は、導電性支持体上に設けた半導体微粒子に上記色素溶液を塗布(ディップ法を含む)し、乾燥または硬化させて、形成することが好ましい。
このようにして作製した感光体層を備えた受光電極に、さらに電荷移動体層や対極等を設けることで、本発明の光電変換素子または色素増感太陽電池を得ることができる。
色素増感太陽電池は、上記のようにして作製した光電変換素子の導電性支持体1および対極4に外部回路6を接続して、製造される。
本発明の色素溶液を用いて感光層を形成すると、高い光電変換効率を示す光電変換素子および色素増感太陽電池を製造できる。
以下に実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
[金属錯体色素の合成]
本実施例で合成した金属錯体色素1〜12および13〜24と、比較例のための金属錯体色素25〜30の構造を以下に示す。
下記金属錯体色素1〜12は金属錯体色素(1)の具体例であり、下記金属錯体色素13〜24は金属錯体色素(2)の具体例である。
Figure 0006265551
Figure 0006265551
Figure 0006265551
(金属錯体色素1の合成)
以下のスキームに従って、金属錯体色素1を合成した。下記スキームおよび明細書中の略語の意味は下記の通りである。
Ph :フェニル
THF :テトラヒドロフラン
Et :エチル
Bu :t−ブチル
Me :メチル
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
TfOH :トリフルオロメタンスルホン酸
Figure 0006265551
(i)化合物(1−3)の合成
三つ口フラスコに化合物(1−1)(1.50g、7.50mmol)、化合物(1−2)(2.65g、8.25mmol)、炭酸セシウム(3.18g、9.75mmol)、THF(7.5mL)および水(0.75mL)を仕込み、窒素置換した。この混合溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(IV)(433mg、0.275mmol)を加えて、75℃で4時間反応させた。この反応溶液を放冷して室温に戻した後、水、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−3)(1.28g、収率60%)を得た。
(ii)化合物(1−4)の合成
三つ口フラスコに化合物(1−3)(4.60g、16.0mmol)、t−ブトキシカリウム(3.59g)、トリフルオロ酢酸エチル(4.55g、32.0mmol)およびトルエン(138mL)を仕込み、80℃で2時間反応させた。この反応溶液を放冷して室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。得られた粗体にヒドラジン1水和物(1.92g、38.4mmol)およびエタノール(23mL)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液を放冷して室温に戻した後、濃塩酸を加え30分撹拌し、反応溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。得られた反応溶液に水および酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−4)(5.06g、収率83%)を得た。
(iii)化合物(1−6)の合成
三つ口フラスコに化合物(1−5)(3.52g、5.73mmol)、化合物(1−4)(2.06g、5.43mmol)およびDMF(18mL)を仕込み、140℃で1時間反応させた。濃縮して得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−6)(2.91g、収率55%)を得た。
(iv)化合物(1−7)の合成
三つ口フラスコに化合物(1−6)(1.50g、1.63mmol)、チオシアン酸アンモニウム(1.24g、16.3mmol)およびDMF(30mL)を仕込み、120℃で5時間反応させた。この反応溶液を放冷して室温に戻した後、水、酢酸エチルを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1−7)(954mg、収率62%)を得た。
(v)金属錯体色素1の合成
三つ口フラスコに化合物(1−7)(945mg、1.00mmol)、THF(15mL)、メタノール(15mL)および3N水酸化ナトリウム水溶液(2.0mL)を仕込み、室温で1時間反応させた。1Nトリフルオロメタンスルホン酸/メタノール溶液を用いて、この反応溶液をpH3.0まで中和し、析出した固体をろ取し、メタノールで洗浄して、金属錯体色素1(885mg、収率98%)を得た。
得られた金属錯体色素1を、MS(マススペクトル)測定し、下記結果から同定した。
ESI−MS m/z=904.1(M+H
(金属錯体色素13の合成)
金属錯体色素1の合成において、化合物(1−7)の合成工程を省き、化合物(1−6)を加水分解したこと以外は、金属錯体色素1の合成と同様にして、金属錯体色素13を合成した。
得られた金属錯体色素13を、MS(マススペクトル)測定し、下記結果から同定した。
ESI−MS m/z=881.1(M+H
(金属錯体色素2〜12および14〜30の合成)
金属錯体色素1と同様にして金属錯体色素2〜12、25および26を合成した。
また、金属錯体色素13と同様にして金属錯体色素14〜24、27および28を合成した。合成した金属錯体色素をそれぞれ、ESI−MSにより確認した。各金属錯体色素のMS測定結果を表1に示す。
Figure 0006265551
(金属錯体色素29の合成)
金属錯体色素29を以下のスキームに従って合成した。
窒素雰囲気下、三つ口フラスコに化合物(1−6)(1.50g、1.63mmol)、ジグリム(30mL)および臭化カリウム(1.94g、16.3mmol)を加え、110℃で1時間半反応させた。室温に冷却し、溶媒を減圧留去した後、得られた黒色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(29−8)(1.06g、収率67%)を得た。得られた化合物(29−8)は金属錯体色素1の合成と同様にして加水分解し、金属錯体色素29を合成した。
得られた金属錯体色素29を、MS(マススペクトル)測定し、下記結果から同定した。
ESI−MS m/z=925.0(M+H
Figure 0006265551
(金属錯体色素30の合成)
金属錯体色素29と同様にして金属錯体色素30を合成した。
得られた金属錯体色素30を、MS(マススペクトル)測定し、下記結果から同定した。
ESI−MS m/z=973.0(M+H
[色素増感太陽電池の製造]
上記[金属錯体色素の合成]で合成した金属錯体色素1〜30を用いて、図2に示す色素増感太陽電池20(5mm×5mmのスケール)を製造した。この製造は、以下に示す方法で行った。製造した各色素増感太陽電池20について、下記性能を評価した。
(受光電極前駆体の作製)
ガラス基板(基板44、厚み4mm)上にフッ素ドープされたSnO導電膜(透明導電膜43、膜厚;500nm)を形成し、導電性支持体41を作製した。そして、このSnO導電膜上に、チタニアペースト「18NR−T」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で乾燥させた。次いで、チタニアペースト「18NR−T」を再度スクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを、空気中、500℃で焼成し、半導体層45(層厚;10μm)を成膜した。さらに、この半導体層45上に、チタニアペースト「18NR−AO」(DyeSol社製)をスクリーン印刷し、120℃で1時間乾燥させた。その後、乾燥させたチタニアペーストを500℃で焼成し、半導体層45上に光散乱層46(層厚;5μm)を成膜した。
このようにして、SnO導電膜上に、感光体層42(受光面の面積;5mm×5mm、層厚;15μm、金属錯体色素は未担持)を形成し、金属錯体色素を担持していない受光電極前駆体を作製した。
(色素吸着)
次に、金属錯体色素を担持していない感光体層42に、上記[金属錯体色素の合成]で合成した金属錯体色素を以下のようにして担持させた。まず、下記表2に記載の含有率となるように金属錯体色素(2)と金属錯体色素(1)とを、t−ブタノールとアセトニトリルとの1:1(体積比)の混合溶媒に、それぞれの全金属錯体色素濃度が2×10−4モル/Lとなるように加え溶解し、さらにそこへ共吸着剤としてコール酸を全金属錯体色素1モルに対して30モル加え、各色素溶液を調製した。次に、各色素溶液に受光電極前駆体を25℃で20時間浸漬し、色素溶液から引き上げた後に乾燥させた。
このようにして、受光電極前駆体に各金属錯体色素が担持した受光電極40をそれぞれ作製した。
(色素増感太陽電池の組み立て)
対極48として、上記の導電性支持体41と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚み;100nm)を作製した。また、電解液として、ヨウ素0.1M、ヨウ化リチウム0.1M、4−t−ブチルピリジン0.5Mおよび1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6Mをアセトニトリルに溶解して、液体電解質を調製した。さらに、感光体層42の大きさに合わせた形状を有するスペーサーS「サーリン」(商品名、デュポン社製)を準備した。
上記のようにして作製した受光電極40それぞれと対極48とを、上記スペーサーSを介して、対向させて熱圧着させた後に、感光体層42と対極48との間に電解液注入口から上記液体電解質を充填して電荷移動体層47を形成した。このようにして作製した電池の外周および電解液注入口を、レジンXNR−5516(商品名、ナガセケムテック社製)を用いて、封止、硬化し、各色素増感太陽電電池(試料番号101〜130およびc01〜c11)を製造した。
(金属錯体色素の含有率)
製造した各試料番号の色素増感太陽電池において金属錯体色素(2)の含有率を、上記HPLC法により、下記装置および測定条件にて、測定した。その結果、各色素溶液中の含有率と同じであった。
使用機器:システムコントローラー CBM−10ALite
カラムオーブン:CTO−20AC
検出器:SPD−M20A
デガッサ:DGU−20A
送液ユニット:LC−20AD
(Prominence UFLC、島津製作所社製)
カラム:YMC社製のYMC−Pack ODS−AM AM12S05−1506WT
150mm×6.0mmI.D.
流量:1.0mL/分
オーブン温度:40℃
溶離液組成:テトラヒドロフラン/水=50/50
(0.1%トリフルオロ酢酸バッファー含有)
測定時間:45分
(開放電圧および光電変換効率の測定)
製造した各試料番号の色素増感太陽電池それぞれについて、開放電圧(VOC)および光電変換効率(η)を、以下の方法で測定した。ソーラーシミュレーター(WACOM社製、商品名「WXS−85H」)を用い、AM1.5フィルターを通したキセノンランプから1000W/mの疑似太陽光を各色素増感太陽電池に照射することにより、電池特性試験を行い、I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定した。測定した電流−電圧特性から、光電変換効率求めた。また、このとき測定された開放電圧を読み取った。
(開放電圧の評価)
各試料番号の色素増感太陽電池それぞれについて、求められた開放電圧を、比較のための色素増感太陽電池(試料番号c11)の開放電圧(Vc11)に対して、以下の基準で評価した。
本発明において、開放電圧の評価は、D以上が本試験の合格レベルであり、好ましくはC以上である。
開放電圧が、開放電圧(Vc11)の開放電圧に対して、
A:1.10倍以上であるもの
B:1.08倍以上、1.10倍未満であるもの
C:1.05倍以上、1.08倍未満であるもの
D:1.02倍以上、1.05倍未満であるもの
E:1.00倍以上、1.02倍未満であるもの
F:1.00倍未満であるもの
(光電変換効率の評価)
各試料番号の色素増感太陽電池それぞれについて、求められた光電変換効率を、比較のための色素増感太陽電池(試料番号c11)の光電変換効率(ηc11)に対して、以下の基準で評価した。
本発明において、光電変換効率の評価は、D以上が本試験の合格レベルであり、好ましくはC以上である。
光電変換効率が、光電変換効率(ηc11)に対して、
A:1.10倍以上であるもの
B:1.08倍以上、1.10倍未満であるもの
C:1.05倍以上、1.08倍未満であるもの
D:1.02倍以上、1.05倍未満であるもの
E:1.00倍以上、1.02倍未満であるもの
F:1.00倍未満であるもの
Figure 0006265551
表2の結果から以下のことが分かる。
本発明の色素増感太陽電池(試料番号101〜130)は、いずれも、式(1)で表される金属錯体色素と、式(2)で表される金属錯体色素とを、所定の含有率で併用している。その結果、開放電圧および光電変換効率がともに向上し、優れた性能を示した。
本発明の色素増感太陽電池において、配位子L12およびL22の、式(G2)のXが硫黄原子であると、また式(L2)のGが式(G1−2)で表される基であると、開放電圧および光電変換効率の向上効果が高くなる。特に、式(2)で表される金属錯体色素の含有率が0.1〜1%であると、開放電圧および光電変換効率の向上効果が極めて高くなることが分かった。
上記の優れた性能向上効果は、各金属錯体色素のL12およびL22が異なる構造を持つ配位子であっても、同様に奏されることも分かった。
また、式(1)で表される金属錯体色素と式(2)で表される金属錯体色素とを所定の含有率で含有する本発明の色素溶液は、上記優れた特性を示す色素増感太陽電池の製造に好適に用いることができた。
これに対して、式(1)で表される金属錯体色素と、式(2)で表される金属錯体色素とを併用しても、式(2)で表される金属錯体色素の含有率が本発明の範囲外であると、開放電圧および光電変換効率の向上効果は認められなかった。
また、NCS配位子を有する金属錯体色素とCl配位子を有する金属錯体色素を併用しても、両配位子が上記式(1)および式(2)で表される金属錯体色素ではないと、開放電圧および光電変換効率はかえって低下した。また、Cl以外のハロゲン原子を配位子として有する金属錯体色素を、式(1)で表される金属錯体色素と併用しても、上記の向上効果はなく、開放電圧および光電変換効率がかえって低下した。
1、41 導電性支持体
2、42 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3、47 電荷移動体層
4、48 対極
5、40 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電変換素子を電池用途に応用したシステム
M 動作手段(例えば電動モーター)
20 色素増感太陽電池
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
S スペーサー

Claims (10)

  1. 導電性支持体と、電解質を含む感光体層と、電解質を含む電荷移動体層と、対極とを有する光電変換素子であって、該感光体層が、下記式(1)および式(2)で表される少なくとも2種の金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有し、下記式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、0.05〜30%である光電変換素子。
    式(1):M11(L11)(L12)(NCS)
    式(2):M21(L21)(L22)(Cl)
    式(1)および式(2)中、
    11およびM21は、各々独立に、ルテニウムイオンを表す。
    11およびL21は、各々独立に、下記式(L1)で表される3座の配位子を表す。
    12およびL22は、各々独立に、下記式(L2)で表される2座の配位子を表す。
    Figure 0006265551
    式中、Mは各々独立に水素イオンまたは陽イオンを表す。
    Figure 0006265551
    式中、Gは下記式(G1−1)〜(G1−3)のいずれかの式で表される基を表す。Gは下記式(G2)で表される基を表す。
    Figure 0006265551
    式(G1−1)〜(G1−3)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基またはハロゲン原子を表す。*は式(L2)のピリジン環との結合部を表す。
    式(G2)中、R21はアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R22は水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NRf、セレン原子、C(Rf)またはSi(Rf)を表す。Rfは水素原子またはアルキル基を表す。*は式(L2)中のピリジン環との結合部を表す。
  2. 前記含有率が、0.05〜10%である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記含有率が、0.1〜5%である請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記含有率が、0.1〜1%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記Gが、前記式(G1−2)で表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記L12または前記L22において、前記式(G2)で表される基のXが、硫黄原子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記L12または前記L22において、式(G1−1)〜(G1−3)で表される基のR12、R14またはR16が、アルキル基またはアリール基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 前記L12または前記L22において、前記式(G2)で表される基のR22が、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いた色素増感太陽電池。
  10. 下記式(1)および式(2)で表される少なくとも2種の金属錯体色素と溶媒とを含有する色素溶液であって、金属錯体色素中の、式(2)で表される金属錯体色素の含有率が、高速液体クロマトグラフィーにおいて254nmの検出波長で検出される面積比で、0.05〜30%である色素溶液。
    式(1):M11(L11)(L12)(NCS)
    式(2):M21(L21)(L22)(Cl)
    式(1)および式(2)中、
    11およびM21は、各々独立に、ルテニウムイオンを表す。
    11およびL21は、各々独立に、下記式(L1)で表される3座の配位子を表す。
    12およびL22は、各々独立に、下記式(L2)で表される2座の配位子を表す。
    Figure 0006265551
    式中、Mは各々独立に水素イオンまたは陽イオンを表す。
    Figure 0006265551
    式中、Gは下記式(G1−1)〜(G1−3)のいずれかの式で表される基を表す。Gは下記式(G2)で表される基を表す。
    Figure 0006265551
    式(G1−1)〜(G1−3)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ヘテロアリール基、アリール基またはハロゲン原子を表す。*は式(L2)のピリジン環との結合部を表す。
    式(G2)中、R21はアルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。R22は水素原子、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、ヘテロアリール基またはアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NRf、セレン原子、C(Rf)またはSi(Rf)を表す。Rfは水素原子またはアルキル基を表す。*は式(L2)中のピリジン環との結合部を表す。
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