JP2017004946A - リチウムイオン電池及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017004946A
JP2017004946A JP2016114217A JP2016114217A JP2017004946A JP 2017004946 A JP2017004946 A JP 2017004946A JP 2016114217 A JP2016114217 A JP 2016114217A JP 2016114217 A JP2016114217 A JP 2016114217A JP 2017004946 A JP2017004946 A JP 2017004946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
active material
group
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016114217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6734703B2 (ja
Inventor
諭 吉野
Satoshi Yoshino
諭 吉野
勇輔 中嶋
Yusuke Nakajima
勇輔 中嶋
健一 川北
Kenichi Kawakita
健一 川北
都藤 靖泰
Yasuhiro Tsudo
靖泰 都藤
康裕 進藤
Yasuhiro Shindo
康裕 進藤
佐藤 一
Hajime Sato
一 佐藤
大澤 康彦
Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
雄樹 草地
Takeki Kusachi
雄樹 草地
赤間 弘
Hiroshi Akama
弘 赤間
堀江 英明
Hideaki Horie
英明 堀江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Publication of JP2017004946A publication Critical patent/JP2017004946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6734703B2 publication Critical patent/JP6734703B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】電池外形の形状自由度をより高め、さらに、容器内部の収納空間をより有効利用する。【解決手段】リチウムイオン電池の外殻となる容器と、この容器の収容部に配置され、収容部を正極室と負極室とに区分するセパレータと、正極室及び負極室のそれぞれに充填された正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物、及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を備え、正極活物質粒子及び/又は負極活物質粒子の少なくとも一部が、被覆用樹脂組成物を含んでなる層で被覆されているリチウムイオン電池。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池及びその製造方法に関する。
リチウムイオン(二次)電池は、高容量で小型軽量な二次電池として、近年様々な用途に多用されている。一般的なリチウムイオン電池は、正極及び負極を構成する略平板状の集電体の一面に正極活物質及び負極活物質をそれぞれ設けた後で熱処理してこれら正極活物質及び負極活物質を乾燥させ、正極活物質と負極活物質との間に必要であればセパレータを挾んでこれら正極活物質と負極活物質を積層することで略平板状の電極ユニットを製造し、この電極ユニットを、必要とされる出力電圧に応じて単体で、または複数を、直方体状または円筒状の容器に収納した後、電解液をこの容器内に注入して製造していた。
しかしながら、上述した製造方法によるリチウムイオン電池では、正極活物質及び負極活物質を積層して電極ユニットを製造し、この電極ユニットを所定の容器に収納して製造していたので、製造工程が複雑であるとともに組み立て方にも制限があった。加えて、電極ユニットを収納する容器の形状自由度に乏しく、また、容器内面と容器内に収納された状態での電極ユニットとの間に間隙が生じる場合があり、容器内部の収納空間を十分に有効利用できない可能性があった。
そこで、上述した課題に対応して、全長の長さが同一であり、全幅の長さが相違する複数の電極ユニットを組み合わせて、電極ユニット間に段差が形成されるリチウムイオン電池が提案されている(特許文献1参照)。
特表2015−501076号公報
しかしながら、上述した従来のリチウムイオン電池であっても、電極ユニットは略平板状に形成されているので、容器にある程度の形状自由度を持たせることが可能であっても、傾斜面を有する容器を階段状に近似させているに止まり、傾斜面と電極ユニットとの間の間隙は有効利用されていない。従って、上述したリチウムイオン電池であっても、容器内面と電極ユニットとの間の間隙を十分に小さくできない可能性があり、従って、容器内部の収納空間を十分に有効利用できない可能性がまだ存在していた。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、電池外形の形状自由度をより高め、さらに、容器内部の収納空間をより有効利用することの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法の提供を、その目的の一つとしている。
本発明は、リチウムイオン電池の外殻となる容器と、この容器の有する収容部に配置され、収容部を正極室と負極室とに区分するセパレータと、正極室及び負極室のそれぞれに充填された正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物、及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を備え、正極活物質粒子及び/又は負極活物質粒子の少なくとも一部が、被覆用樹脂組成物を含んでなる層で被覆されているリチウムイオン電池により、上述の課題の少なくとも一つを解決している。
正極室及び負極室のそれぞれに正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を直接充填するので、正極室及び負極室は如何なる形状であっても電極組成物で満たすことができ、容器内面の形状の自由度が高まるとともに、容器内面と正極及び負極電極組成物との間の間隙を十分小さくすることができる。
ここで、正極室及び負極室の少なくとも一方の内面の少なくとも一部を曲面で形成することが好ましい。また、セパレータを平板状に形成することが好ましい。また、正極室及び負極室のそれぞれに集電体を設けることが好ましい。この際、この集電体は容器の内面に沿って設けることが好ましく、さらにはセパレータとの間が等間隔でない部分を有することが好ましい。
また、正極電極組成物及び負極電極組成物がそれぞれ含む正極活物質粒子及び負極活物質粒子のうち少なくとも一方の活物質粒子の少なくとも一部は、被覆用樹脂組成物を含んでなる層で被覆されている。正極電極組成物及び負極電極組成物のうち少なくとも一方はさらに導電性繊維を含むことが好ましく、この場合、さらに、導電性繊維は炭素繊維であることが好ましい。
また、本発明は、リチウムイオン電池の外殻となる容器の有する収容部にセパレータを配置して、この収容部を、少なくとも一方の内面の少なくとも一部を曲面で形成した正極室と負極室とに区分する工程と、正極室及び負極室のそれぞれに正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を充填する工程とを備えるリチウムイオン電池の製造方法により、上述の課題の少なくとも一つを解決している。なお、リチウムイオン電池の外殻となる容器の有する収容部とは、容器が有する空隙であり、正極電極組成物及び負極電極組成物を区分して容器内部に収容することができる空隙を意味する。
ここで、正極室及び負極室のそれぞれに正極電極組成物及び負極電極組成物を充填する工程は、正極室及び負極室のそれぞれに正極活物質粒子及び負極活物質粒子を充填する工程と、正極活物質粒子及び負極活物質粒子がそれぞれ充填された正極室及び負極室に電解液を加えて減圧脱気封止する工程とを備えることが好ましい。
正極室及び負極室のそれぞれに正極活物質粒子及び負極活物質粒子を充填する工程は、粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子を直接正極室及び負極室にそれぞれに入れて行ってもよく、正極活物質粒子又は負極活物質粒子を非水溶剤に分散したスラリーを正極室及び負極室にそれぞれ入れることで行ってもよい。正極活物質粒子又は負極活物質粒子を非水溶剤に分散したスラリーを入れる方法で行った場合、さらに加圧又は減圧して非水溶媒を除去する工程を備えることが好ましい。
あるいは、正極室及び負極室のそれぞれに正極電極組成物及び負極電極組成物を充填する工程は、正極室及び負極室のそれぞれに、正極活物質粒子と電解液、及び負極活物質粒子と電解液を含んでなる電解液スラリーを充填する工程と、前記電解液スラリーがそれぞれ充填された正極室及び負極室を減圧脱気封止する工程とを備えることが好ましい。
正極室及び負極室のそれぞれに正極電極組成物及び負極電極組成物を充填する工程は、正極活物質粒子と電解液、及び負極活物質粒子と電解液を含むスラリーを充填する工程を行った後、さらに加圧又は減圧して電解液を除去する工程を備えることが好ましい。
本発明によれば、電池の外殻となる容器が有する空隙を正極室と負極室とに区分し、それぞれに正極電極組成物及び負極電極組成物を充填した電池にすることによって、容器の外形に依存することなく電池を製造することが出来る。そのため電池外形の形状自由度をより高め、さらに、容器内部の収納空間をより有効利用することの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法を提供することができる。
本発明の概要を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池の電極及びセパレータの形状を示す斜視図である。 一実施形態のリチウムイオン電池を示す縦断面図である。 一実施形態のリチウムイオン電池の外形を示す斜視図である。 一実施形態のリチウムイオン電池が適用されたロボットの一例の一部を示す斜視図である。
(概要)
まず、図1を参照して、本発明の概要について説明する。
本発明は、リチウムイオン電池Lの外殻となる容器1と、この容器1が有する収容部1aに配置され、収容部1aを正極室2と負極室3とに区分するセパレータ4と、正極室2及び負極室3のそれぞれに充填された正極電極組成物である正極活物質5及び負極電極組成物である負極活物質6とを備えるリチウムイオン電池Lに適用されている。この際、正極室2及び負極室3の少なくとも一方の内面の少なくとも一部が曲面で形成されることが好ましい。
容器1は、図1(a)に示すように、一例として円筒状に形成され、この容器1の内部である中空部が収容部1aとされる。図1(a)に示すように、容器1の収容部1a内には、この収容部1a内を正極室2と負極室3とに区分する、一例として平板状のセパレータ4が配置され、この正極室2及び負極室3にはそれぞれ集電体7、8が配置される。容器1はその内容物を密閉することが出来ればその材質は特に限定されず、金属製及び樹脂製等の容器を用いることができるが、気密性の観点等から、金属製容器及び金属箔を積層した樹脂製容器が好ましい。なお、金属箔を積層した樹脂製容器としては、所定の形状に成型したラミネートフィルムが含まれる。
集電体7、8が配置された状態の正極室2及び負極室3には、それぞれ正極活物質5及び負極活物質6が充填される。正極活物質5及び負極活物質6は、少なくとも正極、負極活物質粒子と電解液とから構成される。
本明細書において、「充填された」とは、正極活物質粒子及び負極活物質粒子が正極室2及び負極室3にそれぞれ収納されている状態を意味し、好ましくは、正極活物質粒子と電解質が正極室2を、負極活物質粒子と電解質とが負極室3をそれぞれ満たしている状態を意味する。さらに好ましくは、正極活物質粒子と電解質、及び負極活物質粒子と電解質とはそれぞれ混合されて正極室2及び負極室3を満たした状態であることを意味する。
本発明において正極室2及び負極室3に正極電極組成物及び負極電極組成物が充填された状態にするには、粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子を直接正極室2及び負極室3にそれぞれに入れてもよく、正極活物質粒子又は負極活物質粒子を非水溶媒に分散したスラリー(以下、溶媒スラリーと記載する)を正極室2及び負極室3にそれぞれ入れることで行ってもよく、正極活物質粒子又は負極活物質粒子と電解液とを含んでなるスラリー(以下、電解液スラリー)を正極室2及び負極室3にそれぞれ入れることで行ってもよい。粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子を直接正極室2及び負極室3に入れた場合、及び溶媒スラリーを入れた場合には、その後電解液を入れることで正極室2及び負極室3のそれぞれが正極電極組成物及び負極電極組成物で満たされる。
正極活物質粒子又は負極活物質粒子を非水溶媒に分散した溶媒スラリーを正極室2及び負極室3にそれぞれ入れた場合、さらに非水溶剤を除去し、さらに電解液を入れることで正極室2及び負極室3のそれぞれが正極電極組成物及び負極電極組成物で満たされる。非水溶剤を除去する方法としては、正極室2及び負極室3の内部を減圧して非水溶媒を留去する方法、及び正極室2及び負極室3の開口部分に非水溶剤と活物質粒子とを分離可能なろ過装置(ろ布等)を取り付け、ろ過装置を介して非水溶剤を排出する方法等を用いることができる。正極活物質粒子又は負極活物質粒子と電解液とを含む電解液スラリー(すなわち、スラリー状の正極電極組成物及び負極電極組成物)を正極室2及び負極室3にそれぞれ入れた場合、さらに電解液の一部の留去または追加を行って、正極電極組成物及び負極電極組成にそれぞれ含まれる正極活物質及び負極活物質の含有量を調節する工程を行っても良い。
正極活物質粒子及び負極活物質粒子を正極室2及び負極室3にそれぞれ充填する際には、容器1に振動、衝撃を与えることで、正極、負極活物質粒子を正極室2及び負極室3に均一に充填することが好ましい。
また、正極活物質粒子若しくは負極活物質粒子と電解液とを含んでなる電解液スラリー又は正極活物質粒子若しくは負極活物質粒子を非水溶媒に分散した溶媒スラリーは、通常液体中に活物質粒子が懸濁した流動性のある一体となった混合物であるが、混合される正極活物質粒子又は負極活物質粒子と電解液又は非水溶媒との重量比によっては粘土状、ゲル状や活物質粒子が液体を吸収することによって生じる凝集体又は粉体に近い状態になることもある。
そして、容器1内を減圧脱気した後、この容器1の開口部をシール部材等を用いて封止することにより、本発明のリチウムイオン電池Lの一例を製造することができる。
正極活物質5を構成する正極活物質粒子としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2及びLiMn24)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられる。
また、負極活物質6を構成する負極活物質粒子としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリキノリン等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti512等)等が挙げられる。
本発明の電池においては、正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、表面の少なくとも一部が被覆用樹脂組成物を含んでなる層(以下、被覆層ともいう)で被覆されてなる被覆活物質粒子である。
正極活物質粒子及び負極活物質粒子の表面が被覆樹脂組成物を含む層で被覆されていると、充放電時に生じる電極の体積変化が緩和され、電極の膨脹を抑制することができる。
被覆用樹脂組成物に用いる高分子化合物の例としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中ではビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂が好ましく、なかでも、ビニル樹脂が更に好ましく、電解液に浸漬した際の吸液率が10%以上であり、飽和吸液状態での引張破断伸び率が10%以上であるビニル樹脂(A)がより好ましい。
電解液に浸漬した際の吸液率は、電解液に浸漬する前と浸漬した後のビニル樹脂の重量をそれぞれ測定して、以下の式で求められる。
吸液率(%)=[(電解液浸漬後のビニル樹脂の重量−電解液浸漬前のビニル樹脂の重量)/電解液浸漬前のビニル樹脂の重量]×100
吸液率を求めるための電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積割合でEC:DEC=3:7で混合した混合溶媒に、電解質としてLiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解した非水電解液を用いる。
吸液率を求める際の電解液への浸漬は、50℃、3日間行う。50℃、3日間の浸漬を行うことにより樹脂が飽和吸液状態となる。なお、飽和吸液状態とは、それ以上電解液に浸漬してもビニル樹脂の重量が増えない状態をいう。
なお、リチウムイオン電池を製造する際に使用する電解液は、上記電解液に限定されるものではなく、他の電解液を使用してもよい。
吸液率が10%以上であると、ビニル樹脂が充分な量の電解液を吸液することによってリチウムイオンがビニル樹脂を容易に透過することができるため、活物質と電解液の間でのリチウムイオンの移動が良好となり好ましい。吸液率は20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
また、吸液率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
飽和吸液状態での引張破断伸び率は、ビニル樹脂をダンベル状に打ち抜き、上記吸液率の測定と同様に電解液への浸漬を50℃、3日間行ってビニル樹脂を飽和吸液状態として、ASTM D683(試験片形状TypeII)に準拠して測定することができる。引張破断伸び率は、引張試験において試験片が破断するまでの伸び率を下記式によって算出した値である。
引張破断伸び率(%)=[(破断時試験片長さ−試験前試験片長さ)/試験前試験片長さ]×100
ビニル樹脂の飽和吸液状態での引張破断伸び率が10%以上であると、ビニル樹脂が適度な柔軟性を有することによって、被覆層が充放電時の活物質の体積変化に追随できるによるなり耐久性が良好となり好ましい。
引張破断伸び率は20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
また、引張破断伸び率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
ビニル樹脂(A)は、ビニルモノマー(a)を必須構成単量体とする重合体(A1)を含んでなる樹脂であり、電解液の吸液率等の観点から、重合体(A1)は、ビニルモノマー(a)としてカルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)又は下記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を含むことが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数4〜12の直鎖又は炭素数4〜36の分岐アルキル基である。]
カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)としては、(メタ)アクリル酸(a11)、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3〜15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の炭素数4〜24のジカルボン酸;アコニット酸等の炭素数6〜24の3価〜4価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸(a11)が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rはメチル基であることが好ましい。
は、炭素数4〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素数13〜36の分岐アルキル基であることが好ましく、それぞれ下記のエステル化合物が挙げられる。
(a21)Rが炭素数4〜12の直鎖又は分岐アルキル基であるエステル化合物
炭素数4〜12の直鎖アルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
炭素数4〜12の分岐アルキル基としては、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、4−メチルオクチル基、5−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、7−メチルオクチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,2−ジメチルヘプチル基、1,3−ジメチルヘプチル基、1,4−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘプチル基、1,6−ジメチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、1−メチルノニル基、2−メチルノニル基、3−メチルノニル基、4−メチルノニル基、5−メチルノニル基、6−メチルノニル基、7−メチルノニル基、8−メチルノニル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,2−ジメチルオクチル基、1,3−ジメチルオクチル基、1,4−ジメチルオクチル基、1,5−ジメチルオクチル基、1,6−ジメチルオクチル基、1,7−ジメチルオクチル基、1−エチルオクチル基、2−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、2−メチルデシル基、3−メチルデシル基、4−メチルデシル基、5−メチルデシル基、6−メチルデシル基、7−メチルデシル基、8−メチルデシル基、9−メチルデシル基、1,1−ジメチルノニル基、1,2−ジメチルノニル基、1,3−ジメチルノニル基、1,4−ジメチルノニル基、1,5−ジメチルノニル基、1,6−ジメチルノニル基、1,7−ジメチルノニル基、1,8−ジメチルノニル基、1−エチルノニル基、2−エチルノニル基、1−メチルウンデシル基、2−メチルウンデシル基、3−メチルウンデシル基、4−メチルウンデシル基、5−メチルウンデシル基、6−メチルウンデシル基、7−メチルウンデシル基、8−メチルウンデシル基、9−メチルウンデシル基、10−メチルウンデシル基、1,1−ジメチルデシル基、1,2−ジメチルデシル基、1,3−ジメチルデシル基、1,4−ジメチルデシル基、1,5−ジメチルデシル基、1,6−ジメチルデシル基、1,7−ジメチルデシル基、1,8−ジメチルデシル基、1,9−ジメチルデシル基、1−エチルデシル基、2−エチルデシル基等が挙げられる。
(a22)Rが炭素数13〜36の分岐アルキル基であるエステル化合物
炭素数13〜36の分岐アルキル基としては、1−アルキルアルキル基[1−メチルドデシル基、1−ブチルエイコシル基、1−ヘキシルオクタデシル基、1−オクチルヘキサデシル基、1−デシルテトラデシル基、1−ウンデシルトリデシル基等]、2−アルキルアルキル基[2−メチルドデシル基、2−ヘキシルオクタデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルトリデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−トリデシルペンタデシル基、2−デシルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−テトラデシルエイコシル基、2−ヘキサデシルエイコシル基等]、3〜34−アルキルアルキル基(3−アルキルアルキル基、4−アルキルアルキル基、5−アルキルアルキル基、32−アルキルアルキル基、33−アルキルアルキル基及び34−アルキルアルキル基等)、並びに、プロピレンオリゴマー(7〜11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16/1〜1/11)オリゴマー、イソブチレンオリゴマー(7〜8量体)及びα−オレフィン(炭素数5〜20)オリゴマー(4〜8量体)等から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基のような1又はそれ以上の分岐アルキル基を含有する混合アルキル基等が挙げられる。
重合体(A1)は、炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a3)をさらに含んでいることが好ましい。
エステル化合物(a3)を構成する炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール等が挙げられる。
エステル化合物(a3)の含有量は、活物質の体積変化抑制等の観点から、重合体(A1)の合計重量に基づいて、10〜60重量%であることが好ましく、15〜55重量%であることがより好ましく、20〜50重量%であることがさらに好ましい。
また、重合体(A1)は、さらに重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a4)を含有することが好ましい。
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられる。
重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体はこれらの組み合わせにより得られる化合物であり、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び(メタ)アクリル酸が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
アニオン性単量体の塩(a4)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
アニオン性単量体の塩(a4)の含有量は、内部抵抗等の観点から、高分子化合物の合計重量に基づいて0.1〜15重量%であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましく、2〜10重量%であることがさらに好ましい。
重合体(A1)は、(メタ)アクリル酸(a11)、上記一般式(1)で示されるビニルモノマー(a2)、炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a3)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a4)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、上記ビニルモノマー(a2)と上記(メタ)アクリル酸(a11)の重量比[上記ビニルモノマー(a2)/上記(メタ)アクリル酸(a11)]が10/90〜90/10であることが好ましい。
ビニルモノマー(a2)と(メタ)アクリル酸(a11)の重量比が10/90〜90/10であると、これを重合してなる重合体は、活物質との接着性が良好で剥離しにくくなる。
上記重量比は、30/70〜85/15であることが好ましく、40/60〜70/30であることがさらに好ましい。
また、重合体(A1)を構成する単量体には、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)、ビニルモノマー(a2)、炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a3)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a4)の他に、活性水素を含有しない他のラジカル重合性ビニルモノマー(a5)[アクリルアミド、アクリロニトリル及びスチレン等]が含まれていてもよい。
重合体(A1)の数平均分子量の好ましい下限は3,000、より好ましくは50,000、さらに好ましくは100,000、特に好ましくは200,000であり、好ましい上限は2,000,000、より好ましくは1,500,000、さらに好ましくは1,000,000、特に好ましくは800,000である。
重合体(A1)の数平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測定により求めることができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
また、重合体(A1)のガラス転移点[以下Tgと略記、測定法:DSC(走査型示差熱分析)法]は、電池の耐熱性の観点から好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃である。
重合体(A1)は、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)により製造することができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して行なえばよい。
重合体(A1)は、重合体(A1)をポリエポキシ化合物(a’1)(ポリグルシジルエーテル等)及び/又はポリオール化合物(a’2)(エチレングリコール及びジエチレングリコール等)で架橋してなる架橋重合体であってもよい。
架橋剤(A’)を用いて重合体(A1)を架橋する方法としては、活物質粒子を重合体(A1)で被覆した後に架橋する方法が挙げられ、活物質粒子と重合体(A1)を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することにより、活物質粒子が重合体(A1)で被覆された被覆活物質を製造した後に、架橋剤(A’)を含む溶液を該被覆活物質に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を生じさせて、重合体(A1)を架橋剤(A’)で架橋する反応を活物質粒子の表面で行う方法が挙げられる。
被覆層はさらに導電助剤を含んでいることが好ましく、用いる導電助剤は導電性を有する材料からなる粒子等から選択される。
導電性を有する材料として、具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブ等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤とは、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をメッキ等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤として導電性繊維を用いることも可能である。導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。
被覆活物質粒子が有する被覆層が導電助剤を含んでいる場合、被覆層の重量は、活物質粒子と被覆用樹脂組成物と導電助剤との合計重量に対して、3〜25重量%であることが好ましい。
被覆活物質粒子は、被覆用樹脂組成物、活物質粒子及び必要により用いる導電助剤を混合することによって製造することができ、被覆用樹脂組成物と必要により用いる導電助剤とを混合して得た被覆剤と活物質粒子とを混合することにより製造してもよく、被覆用樹脂組成物、必要により用いる導電助剤及び活物質粒子を同時に混合することによって製造してもよい。なお、活物質粒子と被覆用樹脂組成物と必要により用いる導電助剤とを混合する場合、混合順序には特に制限はないが、活物質粒子と被覆用樹脂組成物とを混合した後、更に導電剤を加えて更に混合することが好ましい。なお、被覆用樹脂組成物は被覆用樹脂を含む溶液として混合することが好ましく、例えば、活物質粒子を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、被覆用樹脂組成物を含む樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、さらに導電助剤を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
正極室及び負極室のそれぞれに充填された正極電極組成物及び負極電極組成物は、活物質粒子を含むスラリーを正極室及び負極室のそれぞれに充填することで得られる、活物質粒子を含むスラリーは、電解液と活物質粒子を含む電解液スラリーであるか、非水溶媒に活物質粒子を分散した溶媒スラリーあることが好ましい。なお、スラリー(以下、単にスラリーと記載した場合には、電解液スラリーと溶媒スラリーのそれぞれを意味する)に含まれる活物質粒子は、被覆樹脂組成物を含んでなる層で被覆されている被覆活物質粒子であっても、被覆されていない活物質粒子との混合物でも良いが、被覆活物質粒子であることが好ましい。なお、本発明においてスラリーとは、液体と固体粒子との混合物であって、外力(好ましくは自重)によってその形状が変形することができる性状を有する混合物であり、ゲル状物質や粉体に近い物質も含まれる。
スラリーが電解液スラリーである場合に用いる電解液としては、リチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する電解液を使用することができる。
電解質としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
スラリーが溶媒スラリーである場合及び電解液に用いる非水溶媒としては、通常のリチウムイオン二次電池に用いる電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、より好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、さらに好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。特に好ましいのはプロピレンカーボネート(PC)、またはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
スラリーは、活物質粒子を電解液又は非水溶媒に公知の分散装置を用いて混合することで得られ、スラリーに含まれる活物質粒子の重量は、電解液又は非水溶媒の重量に基づいて10〜60重量%の濃度で分散してスラリー化することにより調製することが好ましい。なお、スラリーに含まれる活物質粒子として前記の被覆活物質粒子を用いた場合には、スラリーに含まれる活物質粒子の重量は、被覆活物質粒子の重量を用いて計算される。
正極電極組成物及び負極電極組成物のうち、少なくとも一方が、被覆活物質粒子が有する被覆層に含まれている導電助剤とは別に、さらに導電助剤を含んでいることが好ましい。さらに含む導電助剤としては前記の被覆剤に含まれている導電助剤と同じものをもちいることができ、好ましいものとしては、前記の導電助剤として例示した導電性繊維があげられ、炭素繊維がさらに好ましい。導電助剤を含むスラリーを用いて充填された正極電極組成物及び負極電極組成物は活物質粒子の間に導電助剤を含有し、それによって電極組成物中での電子移動が良好となり、好ましい。
本発明において、正極電極組成物及び負極電極組成物の形成に用いるスラリーには、結着剤(バインダともいう)を含まないことが好ましい。ここでいう結着剤としては、リチウムイオン電池の電極において活物質粒子と集電体との結着及び活物質粒子同士の結着を目的として用いられる公知の結着剤(デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の高分子化合物)等が挙げられる。被覆活物質粒子ではない活物質粒子を用いるリチウムイオン電池用電極においては、結着剤で活物質粒子を電極内に固定することで導電経路を維持する必要がある。しかし、被覆活物質粒子を用いる場合は、被覆用樹脂の働きによって活物質粒子を電極内に固定することなく導電経路を維持することができるため、結着剤を添加する必要がない。結着剤を添加しないことによって、活物質粒子が電極内に固定化されないため活物質粒子の体積変化に対する緩和能力が良好となる。
セパレータ4としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等、ポリオレフィン製の微多孔膜フィルム、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が挙げられる。
集電体7、8としては、金属集電体や樹脂集電体を用いることができる。金属集電体としては、公知の金属集電体を用いることができる。たとえば、金属集電体は、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン、およびこれらの一種以上を含む合金、ならびにステンレス合金からなる群から選択される一種以上からなる集電体であると好ましい。金属集電体は薄板または金属箔から形成されてもよいし、他のフィルム状基材の表面に前記の金属をスパッタリング、電着、塗布等の手法により積層し、金属層を形成して金属集電体としてもよい。
樹脂集電体は、導電性を有する高分子材料からなる導電性層を含んでなる集電体であり、導電性樹脂層は導電性を有する高分子材料を公知の方法でシート状に成形することで得ることができ、さらに別の導電性層(金属層または他の導電性樹脂層)が積層されていてもよい。
樹脂集電体を構成する導電性を有する高分子材料は、導電性高分子であってもよいし、導電性を有さない高分子に導電性を付与した高分子材料であってもよい。
樹脂集電体を構成する高分子材料のうち、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、及びポリオキサジアゾール等が挙げられる。
導電性を有さない高分子材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
また、樹脂集電体は、導電性の高分子材料を含む樹脂集電体の導電性を向上させる目的、あるいは、導電性を有さない高分子材料を含む樹脂集電体に導電性を付与する目的から、導電性フィラーを含んでいると好ましい。導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択される。好ましくは、集電体内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが好ましい。具体的には、カーボン材料、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム、アンチモン、チタン、ニッケルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの導電性フィラーは1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、ステンレス(SUS)等のこれらの合金材が用いられてもよい。耐食性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン材料、ニッケル、より好ましくはカーボン材料である。また、これらの導電性フィラーは、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに、上記で示される金属をメッキ等でコーティングしたものであってもよい。
樹脂集電体は、特開2012−150905号公報及び国際公開番号WO2015/005116号等に記載の公知の方法で得ることができ、具体例としては、ポリプロピレンに導電性フィラーとしてアセチレンブラックを5〜20部分散させた後、熱プレス機で圧延したものが挙げられる。また、その厚みも特に制限されず、公知のものと同様、あるいは適宜変更して適用することができる。
シール部材を構成する材料としては、集電体7、8との接着性を有し、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料、特に熱硬化性樹脂が好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフッ化ビニデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
シール部材は、好ましくは両面テープ状のシール材(平面状の基材の両面に上述の熱硬化性樹脂等を塗布して形成したテープ状シール材)等を用いることができ、三層構造のシールフィルム(ポリエチレンナフタレートフィルムの上下に変性ポリプロピレンフィルムを積層したフィルム等)等の公知のものを用いることができる。前記のシールフィルムは公知のシール装置を用いて加熱圧着することでシールすることができる。
以上の構成を有する本発明のリチウムイオン電池Lは、正極室2及び負極室3の少なくとも一方の内面の少なくとも一部が曲面で形成され、これら正極室2及び負極室3のそれぞれに正極電極組成物である正極活物質5及び負極電極組成物である負極活物質6を充填してなるものであるから、リチウムイオン電池Lの外殻となる容器1の形状にある程度の形状自由度を持たせることができ、また、容器1の内面と正極活物質5及び負極活物質6との間の間隙を十分に小さくすることができる。従って、本発明によれば、電池外形の形状自由度をより高め、さらに、容器1内部の収納空間をより有効利用することの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法を実現することができる。
また、本発明のリチウムイオン電池Lは、従来のリチウムイオン電池のように正極活物質及び負極活物質に熱処理してこれら正極活物質及び負極活物質を乾燥させていないので、従来のリチウムイオン電池で生じることがあり得た、リチウムイオン電池全体に負荷をかけて電池全体がたわんだ際に正極または負極活物質が集電体から剥離して所望の出力を得ることが期待しづらいという現象が生じることを抑制することができる。
(一実施形態)
次に、図2〜図5を参照して、本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池について説明する。図2は、本発明の一実施形態であるリチウムイオン電池の電極及びセパレータの形状を示す斜視図、図3は一実施形態のリチウムイオン電池を示す縦断面図、図4は一実施形態のリチウムイオン電池の外形を示す斜視図、図5は一実施形態のリチウムイオン電池が適用されたロボットの一例の一部を示す斜視図である。
本実施形態のリチウムイオン電池Lは、図2に示すように、構造物の筐体であり、リチウムイオン電池Lの外殻を兼ねる中空状の円錐台形の容器1の内面に沿って、略半円錐台形の正極集電体7及び負極集電体8が、平板状のセパレータ4を挾んで対向されて配置され、さらに、これら正極集電体7、負極集電体8及びセパレータ4が、図3に示すようにシール部材9で封止されてなるものである。これにより、図2に示すように、正極集電体7とセパレータ4とで囲まれる空間が正極室2に、負極集電体8とセパレータ4とで囲まれる空間が負極室3となる。また、正極集電体7及び負極集電体8は円錐台形の容器1の内面に沿って設けられる一方、セパレータ4は平板状に形成されているので、これら正極集電体7及び負極集電体8はセパレータ4との間が等間隔でない部分を有することになる。なお、これら正極集電体7及び負極集電体8の外面を絶縁コートしてもよい。
そして、図3に示すように、正極室2及び負極室3に正極活物質5及び負極活物質6がそれぞれ充填され、図4に示すように、正極集電体7及び負極集電体8の図中上下開口部が蓋10で封止されることで、本実施形態のリチウムイオン電池Lが形成されている。なお、正極活物質5及び負極活物質6の充填に当たっては、下部の蓋10を封止する工程に先立って、正極集電体7及び負極集電体8を上下逆にして、この状態で正極活物質5及び負極活物質6を充填し、しかるに蓋10を封止すればよい。この際、正極集電体7及び負極集電体8の一部は、図4において上方に位置する蓋10の上面に延出され、この延出部が電極端子7a、8aに形成されることが好ましい。
なお、セパレータ4、正極及び負極活物質5、6、正極及び負極集電体7、8及びシール部材9の具体的構成は、本発明の概要で説明したとおりであるので、ここでの説明は簡略化する。
本実施形態のリチウムイオン電池Lは、一例として、図5に示すように、ロボットRの上腕部を構成する筐体である容器1の内部に収納され、このロボットRを駆動するための電源電池として用いられる。
従って、本実施形態のリチウムイオン電池Lによれば、電池外形の形状自由度をより高め、さらに、容器1内部の収納空間をより有効利用することの可能なリチウムイオン電池及びその製造方法を実現することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン電池Lでは、ロボットRの腕等の構造体の内部にリチウムイオン電池Lを組み込むことができるので、電池容量を更に増やすことができ、この結果、ロボットR等を長時間駆動させることができる。加えて、ロボットR等を駆動するための電池を収納するスペースを省くことができる。このように、電池容量の増加及び電池収納スペースの省略により、例えば手を動かしたり、自立走行したりするロボットを作ることができる。
なお、本発明のリチウムイオン電池及びその製造方法は、その細部が上述の一実施形態に限定されず、種々の変形例が可能である。一例として、上述の一実施形態では、ロボットRの上腕部を構成する筐体である容器1内にリチウムイオン電池Lを収納したが、腕だけではなく、脚その他の部分に電池を形成してもよい。また、リチウムイオン電池Lの外形形状を、人間の腕や脚のような複雑な形状を有する三次元自由曲面の形にしてもよい。本発明によるリチウムイオン電池の外形形状は任意の形状から適宜選択されればよく、特段の限定はない。
一方、セパレータ4の形状にも特段の限定はないが、上述の一実施形態のように平板状に形成することでセパレータ4の製造工程等の簡略化を図ることができる。また、正極集電体7及び負極集電体8の形状にも特段の限定はないが、上述の一実施形態のように、リチウムイオン電池を構成する容器1の内面に沿って正極及び負極集電体7、8を設けることで、正極室2及び負極室3に充填される正極電極組成物及び負極電極組成物の容量を高めることができて好ましい。さらに言えば、少なくとも正極及び負極集電体7、8とセパレータ4との間が等間隔でない部分を有することで、容器1内部の収納空間をより有効利用することが可能となる。
このように、本実施形態のリチウムイオン電池Lによれば、容器1の内部を最大限活かした大きさの電池とすることができる。
なお、本発明のリチウムイオン電池の外殻容器としては、図1を用いて説明した円筒形容器に限定されず、電気で駆動する機器等の一部を構成する構造体であって、かつ内部空間を備える構造体そのものを電池容器として用いることもでき、構造体の形状は円筒形に特に限定されない。
機器の一部であって内部空間を備える構造体を本発明のリチウムイオン電池の容器として用いることで、本発明のリチウムイオン電池を備えた電気機器を得ることができ、電気駆動式機器(自走式及び固定式産業用ロボット等)、頭部装着型光学機器(ヘッドマウントディスプレー等)、腕装着型電子機器(スマートウォッチ等)及び無線操縦型飛行体(ドローン等)については、それぞれ産業用組立ロボットのアーム部分、眼鏡型の頭部装着型光学機器のツル、腕時計型の腕装着型電子機器のバンド部分及び表示部分、並びにドローンが地面に自立するために備える支持体等を構成する構造体の一部であって、空隙を有する構造体部分を本発明のリチウムイオン電池の容器として用いることができる。なお、電気で駆動する機器等の一部であって内部空間を備える構造体を本発明のリチウムイオン電池の容器とする場合、容器として前記の構造体の一部を用いること以外は、図1を用いて説明したリチウムイオン電池と同様に得ることができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
(被覆用樹脂溶液の作製)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記載する)407.9部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸242.8部、メチルメタクリレート97.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート242.8部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.7部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.7部をDMF58.3部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。これにDMFを789.8部加えて、樹脂固形分濃度30重量%である被覆用樹脂溶液を得た。
(被覆正極活物質粒子の作製)
LiCoO2粉末[日本化学工業(株)製 セルシードC−8G]96重量部を万能混合機に入れ、室温、150rpmで撹拌した状態で、被覆用樹脂溶液(樹脂固形分濃度30重量%)を樹脂固形分として2重量部になるように60分かけて滴下混合し、さらに30分撹拌した。
次いで、撹拌した状態でアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]2重量部を3回に分けて混合し、30分撹拌したままで70℃に昇温し、100mmHgまで減圧し30分保持した。上記操作により被覆正極活物質粒子を得た。
(被覆負極活物質粒子の作製)
難黒鉛化性炭素[(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製 カーボトロン(登録商標)PS(F)]90重量部を万能混合機に入れ、室温、150rpmで撹拌した状態で、被覆用樹脂溶液(樹脂固形分濃度30重量%)を樹脂固形分として5重量部になるように60分かけて滴下混合し、さらに30分撹拌した。
次いで、撹拌した状態でアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]5重量部を3回に分けて混合し、30分撹拌したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持した。上記操作により被覆負極活物質粒子を得た。
(電解液の作製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に、LiPF6を1mol/Lの割合で溶解させてリチウムイオン電池用電解液を作製した。
(正極被覆活物質電解液スラリーの製造)
被覆正極活物質67重量部、炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S−243:平均繊維長500μm、平均繊維径13μm]1重量部、上記電解液32重量部を混合して、正極被覆活物質電解液スラリーを作製した。
(負極被覆活物質電解液スラリーの製造)
被覆負極活物質粒子52重量部、正極被覆活物質電解液スラリーの製造で使用したものと同じ炭素繊維1重量部、上記電解液47重量部を混合して、負極被覆活物質電解液スラリーを作製した。
(リチウムイオン電池の製造)
上部に開口部を有する円筒形の成形容器と前記開口部の蓋部を有する成形容器を電池の外殻とし、容器の底部に容器外部へ繋がるリード部分(電流取り出し用端子)を接続した正極用金属集電体として市販の電池用カーボンコートアルミ箔を配置し、続いて正極集電体の上に正極活物質電解液スラリーを注入して正極活物質層を形成した。続いて、正極活物質層の表面にセパレータとしてPP製セパレータ[商品名「セルガード(登録商標)2500」、]を配置し、続いてセパレータの上にさらに負極活物質電解液スラリーを注入して負極活物質層を形成した。続いて負極活物質層の上に容器外部へ繋がるリード部分(電流取り出し用端子)を接続した負極用金属集電体として市販の電池用電解銅箔をかぶせた後、容器の開口部を覆う蓋部を被せ、エポキシ系接着剤で接着封止した。
電池としての動作を確認するため、集電体からのリード部分に充放電試験機を接続し、充放電試験を実施した。充放電が可能であり、リチウムイオン二次電池として機能することを確認した。
L リチウムイオン電池
1 容器
1a 収容部
2 正極室
3 負極室
4 セパレータ
5 正極活物質
6 負極活物質
7a、8a 電極端子
7 正極集電体
8 負極集電体
9 シール部材
10 蓋

Claims (11)

  1. リチウムイオン電池の外殻となる容器と、
    この容器の有する収容部に配置され、前記収容部を正極室と負極室とに区分するセパレータと、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに充填された正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物、及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を備え、
    前記正極活物質粒子及び/又は前記負極活物質粒子の少なくとも一部が、被覆用樹脂組成物を含んでなる層で被覆されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記正極室及び前記負極室の少なくとも一方の内面の少なくとも一部が曲面で形成されることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池。
  3. 請求項1または2記載のリチウムイオン電池において、
    前記セパレータは平板状に形成されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池において、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれには集電体が設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  5. 請求項4記載のリチウムイオン電池において、
    前記集電体は前記セパレータとの間が等間隔でない部分を有することを特徴とするリチウムイオン電池。
  6. 請求項5記載のリチウムイオン電池において、
    前記集電体は前記容器の内面に沿って設けられていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池において、
    前記正極電極組成物及び前記負極電極組成物のうち少なくとも一方は導電性繊維を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
  8. 請求項7記載のリチウムイオン電池において、
    前記導電性繊維は炭素繊維であることを特徴とするリチウムイオン電池。
  9. リチウムイオン電池の外殻となる容器の有する収容部にセパレータを配置して、この収容部を、少なくとも一方の内面の少なくとも一部を曲面で形成した正極室と負極室とに区分する工程と、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに正極活物質粒子と電解液とを含む正極電極組成物、及び負極活物質粒子と電解液とを含む負極電極組成物を充填する工程と
    を備えることを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
  10. 請求項9記載のリチウム電池の製造方法において、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに前記正極電極組成物及び前記負極電極組成物を充填する工程は、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに前記正極活物質粒子及び前記負極活物質粒子を充填する工程と、
    前記正極活物質粒子及び前記負極活物質粒子がそれぞれ充填された前記正極室及び前記負極室に前記電解液を加えて減圧脱気封止する工程と
    を備えることを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
  11. 請求項9記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに前記正極電極組成物及び前記負極電極組成物を充填する工程は、
    前記正極室及び前記負極室のそれぞれに、前記正極活物質粒子と前記電解液、及び前記負極活物質粒子と前記電解液を含んでなる電解液スラリーを充填する工程と、
    前記電解液スラリーがそれぞれ充填された前記正極室及び前記負極室を減圧脱気封止する工程と
    を備えることを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
JP2016114217A 2015-06-11 2016-06-08 リチウムイオン電池の製造方法 Active JP6734703B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015118558 2015-06-11
JP2015118558 2015-06-11

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017004946A true JP2017004946A (ja) 2017-01-05
JP6734703B2 JP6734703B2 (ja) 2020-08-05

Family

ID=57754288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016114217A Active JP6734703B2 (ja) 2015-06-11 2016-06-08 リチウムイオン電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6734703B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018110655A1 (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 日産自動車株式会社 二次電池用電極及び二次電池
JP2018133237A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池
JP2018152340A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池用電極の製造方法
JP2018181803A (ja) * 2017-04-21 2018-11-15 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用電極の製造方法
JP2018185933A (ja) * 2017-04-25 2018-11-22 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP2019009116A (ja) * 2017-06-20 2019-01-17 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及びその製造方法
JP2019009124A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用被覆活物質及びリチウムイオン電池用負極
JP2019185963A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2019533289A (ja) * 2017-04-06 2019-11-14 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池の製造方法
JP2019212464A (ja) * 2018-06-04 2019-12-12 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP2022517927A (ja) * 2019-01-16 2022-03-11 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池およびその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008159411A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 偏平形電池
JP2009224141A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toyota Central R&D Labs Inc スラリー利用型二次電池
JP2014002941A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Sharp Corp 電池
WO2015005117A1 (ja) * 2013-07-08 2015-01-15 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池活物質被覆用樹脂、リチウムイオン電池活物質被覆用樹脂組成物及びリチウムイオン電池用被覆活物質

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008159411A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 偏平形電池
JP2009224141A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Toyota Central R&D Labs Inc スラリー利用型二次電池
JP2014002941A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Sharp Corp 電池
WO2015005117A1 (ja) * 2013-07-08 2015-01-15 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池活物質被覆用樹脂、リチウムイオン電池活物質被覆用樹脂組成物及びリチウムイオン電池用被覆活物質

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018110655A1 (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 日産自動車株式会社 二次電池用電極及び二次電池
US10790535B2 (en) 2016-12-15 2020-09-29 Nissan Motor Co., Ltd. Electrode for secondary cell, and secondary cell
JP2018133237A (ja) * 2017-02-16 2018-08-23 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池
JP2018152340A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池用電極の製造方法
JP7058525B2 (ja) 2017-03-13 2022-04-22 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用電極
JP2019533289A (ja) * 2017-04-06 2019-11-14 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池の製造方法
JP7039778B2 (ja) 2017-04-06 2022-03-23 エルジー エナジー ソリューション リミテッド リチウム二次電池の製造方法
JP2018181803A (ja) * 2017-04-21 2018-11-15 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用電極の製造方法
JP2018185933A (ja) * 2017-04-25 2018-11-22 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP2019009116A (ja) * 2017-06-20 2019-01-17 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池及びその製造方法
JP7253882B2 (ja) 2017-06-20 2023-04-07 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP2019009124A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用被覆活物質及びリチウムイオン電池用負極
JP7046732B2 (ja) 2017-06-27 2022-04-04 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用被覆活物質及びリチウムイオン電池用負極
JP2019185963A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
JP7036652B2 (ja) 2018-04-06 2022-03-15 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2019212464A (ja) * 2018-06-04 2019-12-12 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池の製造方法
JP2022517927A (ja) * 2019-01-16 2022-03-11 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池およびその製造方法
JP7242120B2 (ja) 2019-01-16 2023-03-20 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6734703B2 (ja) 2020-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6734703B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
JP6978207B2 (ja) リチウムイオン電池
US10833351B2 (en) Solid electrolyte composition, solid electrolyte-containing sheet, all-solid state secondary battery, and methods for manufacturing solid electrolyte composition, solid electrolyte-containing sheet, all-solid state secondary battery
JP6754227B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
US6316563B2 (en) Thermopolymerizable composition and use thereof
JP7058491B2 (ja) リチウムイオン電池用正極及びリチウムイオン電池
JP6585964B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
WO2018084319A1 (ja) リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン電池
JP2018081910A (ja) リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン電池
JP6850623B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
JP2017188454A (ja) リチウムイオン電池用被覆正極活物質
JP2008226606A (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP6843580B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
JP7253882B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
JP2011014490A (ja) 電極及びそれを有する電池
JP6861016B2 (ja) リチウムイオン電池
WO2018084320A1 (ja) リチウムイオン電池用正極及びリチウムイオン電池
JP6549944B2 (ja) リチウムイオン電池
WO2018117087A1 (ja) リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン電池
JP6585932B2 (ja) リチウムイオン電池及び構造体システム
JP3557477B2 (ja) 高分子固体電解質、それを用いた電池及び固体電気二重層コンデンサ、それらの製造方法、及び高分子固体電解質の材料
JP2017188455A (ja) リチウムイオン電池用被覆正極活物質
JP2022016033A (ja) リチウムイオン電池用被覆正極活物質及びリチウムイオン電池
JP2018044111A (ja) ポリマー、固体電解質、固体電解質組成物、無機固体電解質組成物、固体電解質含有シート、二次電池、全固体二次電池、固体電解質含有シートの製造方法、無機固体電解質含有シートの製造方法、二次電池の製造方法および全固体二次電池の製造方法
JP5786167B2 (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20160621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160629

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170517

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170522

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170616

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190409

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190410

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190415

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6734703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250