JP2017004769A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路遮断器1は、固定接点11を有する固定接触子10と、固定接点11に接触する可動接点21を有し、可動接点21が固定接点11に接触する閉極位置と可動接点21が固定接点11から離間する開極位置との間を動作する可動接触子20と、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する際に発生するアークAを転流させる導体31,32と、導体31,32によって移動されたアークAを消弧する消弧装置40とを備える。回路遮断器1は、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する際に可動接触子20の動作に合わせて空気を圧縮する空気圧縮機構50と、空気圧縮機構50により圧縮された空気をアークAに対して吹き付け、アークAを消弧装置40に向けて移動させる空気吹付機構60とを備える。
【選択図】図3
Description
従来のこの種の回路遮断器として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
即ち、特許文献1に示した回路遮断器の場合、可動接触子に設けられた可動接点と固定接触子に設けられた固定接点との間でアークが発生し、そのアークの熱によって周辺の空気を熱し加圧ガスを生成するようにしている。このため、アークの熱の発生が少ない小電流の場合には、加圧ガスが円滑に発生せず、蓄圧空間からのガスの流れにより可動接点上に発生するアークを適切に消弧することができない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る回路遮断器は、図1乃至図4に示されており、回路遮断器1は、消弧室2と、操作機構部3とを備えている。
消弧室2内には、図2に示すように、電源側端子(図示せず)に接続された固定接触子10と、負荷側端子(図示せず)に接続された可動接触子20と、電源側端子に接続された第1アークランナ(導体)31と、負荷側端子に接続された第2アークランナ(導体)32と、第1アークランナ31と第2アークランナ32との間に配置された複数の消弧板41で構成される消弧装置40とが設けられている。
可動接触子20は、固定接点11に接触する可動接点21を有し、可動接点21が固定接点11に接触する図3(A)に示す閉極位置と可動接点21が固定接点11から離間する開極位置との間を動作する。つまり、可動接触子20は、固定接触子10の後側に配置され、図3(A)に示す閉極位置と開極位置との間を動作するようになっている。ここで、「開極位置」は、可動接触子20が図3(B)に示す開極途中位置から更に後方に移動し、図示しないストッパに衝突する位置である。
また、回路遮断器1は、図3(A),(B)及び図4(A),(B)に示すように、可動接触子20が閉極位置から開極途中位置を経て開極位置に動作する際に可動接触子20の動作に合わせて空気を圧縮する空気圧縮機構50を備えている。
隔壁部材51は、可動接触子20の後側に配置されるとともに、可動接触子20を含む可動部以外の場所(例えば、図示していない第2アークランナ32を支持する部材(絶縁フレーム)など)に固定されるものであり、可動接触子20が閉極位置から開極位置へ移動する際に可動接触子20の後面20bとの間で空間Eを形成するとともにその空間Eの後側を塞ぐ後板部52と、後板部52の左右幅方向両端から前方に延び、空間Eの右側及び左側を塞ぐ右側板部53及び左側板部54とを備えている。可動接触子20の右側面20eは、右側板部53の内側を、可動接触子20の左側面20fは、左側板部54の内側を摺動する。
更に、下側後方延出板部23は、可動接触子20の後面20bの下端部に後面20bから後方かつ可動接触子20の左右幅方向に延び、空間Eの下側を塞ぐようになっている。
また、回路遮断器1は、空気圧縮機構50により圧縮された空気を、図3(B)に示すように、可動接触子20が閉極位置から開極途中位置を経て開極位置に動作する際に発生するアークAに吹き付け、アークAを消弧装置40に向けて移動させる空気吹付機構60を備えている。この空気吹付機構60は、可動接触子20の可動接点21よりも下方側において、可動接触子20の後面20bから前面20aに至るまで延びる流路で構成され、後面20bから前方に向けて延びる第1流路部60aと、第1流路部60aの前端から斜め上方に傾斜して延びて可動接触子20の前面20aに至る第2流路部60bとを備えている。第2流路部60bの第1流路部60aに対する傾斜角は、第2流路部60bから流出する空気が、固定接点11と可動接点21との間に発生するアークAの前後方向の中心に向くような傾斜角に設定されている。但し、第2流路部60bの第1流路部60aに対する傾斜角は、この傾斜角に限定されるものではなく、第2流路部60bから流出する空気によってアークAが消弧装置40に向けて移動することができれば、任意の傾斜角であってよい。
次に、操作機構部3は、異常電流を検出した際あるいは図示しない手動操作ハンドルによって遮断操作がなされたときに、可動接触子20を閉極位置から開極位置に動作させるように構成されている。
図7(A)、(B)は、参考例に係る回路遮断器の固定接触子及び可動接触子を模式的に示し、(A)は可動接触子が閉極位置にある状態、(B)は可動接触子が開極途中位置にある状態を示している。図7(A),(B)おいて、図3(A),(B)における部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
先ず、図7(A),(B)に示す参考例に係る回路遮断器の場合、負荷電流通電時には、図7(A)に示すように、可動接触子20は閉極位置にあって可動接点21が固定接点11に接触している。
これに対して、第1実施形態に係る回路遮断器1の場合、負荷電流通電時には、図3(A)に示すように、可動接触子20は閉極位置にあって可動接点21が固定接点11に接触している。
そして、空気圧縮機構50は、可動接触子20の後側に配置され、可動接触子20が閉極位置から開極位置に移動する際に可動接触子20の後面20bとの間で空間Eを形成するとともにその空間Eの後側を塞ぐ後板部52、後板部52の左右幅方向両端から前方に延び、空間Eの右側及び左側を塞ぐ右側板部53及び左側板部54を有する隔壁部材51と、可動接触子20の後面20bの上端部に後面20bから後方かつ可動接触子20の左右幅方向に延びるとともに、空間Eの上側を塞ぐ上側後方延出板部22と、可動接触子20の後面20bの下端部に後面20bから後方かつ可動接触子20の左右幅方向に延びるとともに、空間Eの下側を塞ぐ下側後方延出板部23とで構成されており、空気を圧縮するために、隔壁部材51を設け、可動接触子20の形状を変更するだけで足り、シリンダーなどの複雑な装置を設ける必要がない。
このため、第1実施形態に係る回路遮断器1によれば、部品点数の増加を招き構造が複雑となる問題を回避することができる。
図3(A),(B)に示す空気吹付機構60を構成する流路が1ヶ所であるのに対し、図5に示す空気吹付機構60を構成する流路は、第1流路61と第2流路62との2ヵ所である点で相違している。
このように、空気吹付機構60を構成する流路は、第1流路61と第2流路62との2ヵ所とすることにより、空気をアークAの中心場所以外にも吹付けることができ、さらに効果的にアークAを駆動させることができる。
本発明の第2実施形態に係る回路遮断器は、基本構成は、図1に示す第1実施形態の回路遮断器1と同様であり、第2実施形態に係る回路遮断器1は、消弧室2と、操作機構部3とを備えている。
消弧室2内には、図6(A),(B)に示すように、電源側端子(図示せず)に接続された固定接触子10と、負荷側端子(図示せず)に接続された可動接触子20と、電源側端子に接続された第1アークランナ(導体)31と、負荷側端子に接続された第2アークランナ(導体)32と、第1アークランナ31と第2アークランナ32との間に配置された複数の消弧板41で構成される消弧装置40とが設けられている。
可動接触子20は、固定接点11に接触する可動接点21を有し、可動接点21が固定接点11に接触する図6(A)に示す閉極位置と可動接点21が固定接点11から離間する閉極位置との間を動作する。つまり、可動接触子20は、固定接触子10の後側に配置され、図6(A)示す閉極位置と開極位置との間を動作するようになっている。ここで、「開極位置」は、可動接触子20が図6(B)に示す開極途中位置から更に後方に移動し、図示しないストッパに衝突する位置である。
また、回路遮断器1は、図6(A),(B)に示すように、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する際に可動接触子20の動作に合わせて空気を圧縮する空気圧縮機構50を備えている。
この空気圧縮部材55は、可動接触子20の後側に配置されるとともに、図示していない回路遮断器1の本体部(例えば、第2アークランナ32を支持する絶縁フレーム)に固定され、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する際に可動接触子20の後面20bが衝突することにより変形し、これにより内容積が縮小することによって内部の空気を圧縮するものである。
この第2実施形態の空気圧縮機構50においては、可動接触子20の後面20bが空気圧縮部材55に衝突する位置B(前記隙間d)が、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する動作範囲(図6(A)における距離W)のうち、中間位置C(図6(A)における距離W/2)よりも後方(隙間dが距離W/2よりも大きい)になっている。
この空気吹付機構60は、第1実施形態の回路遮断器1に適用される空気吹付機構60と異なる構成で構成される。空気吹付機構は、空気圧縮部材55に接続され、圧縮された空気を送るチューブ63と、チューブ63の先端に接続され、チューブ63により送られた圧縮された空気をアークAに対して吹き付けるノズル64とを備えている。
なお、第2実施形態の回路遮断器1における第1アークランナ31、第2アークランナ32、消弧装置40及び操作機構部3の構成及び動作は、第1実施形態の回路遮断器1における第1アークランナ31、第2アークランナ32、消弧装置40及び操作機構部3の構成及び動作と同様であるため、その説明は省略する。
第2実施形態に係る回路遮断器1の場合、負荷電流通電時には、図6(A)に示すように、可動接触子20は閉極位置にあって可動接点21が固定接点11に接触している。
そして、図6(B)に示すように、操作機構部3により可動接触子20が開極位置に向けて移動すると、固定接点11と可動接点21との間にはアークAが発生する。このとき、可動接触子20の後面20bが空気圧縮部材55の前面に衝突し、更に可動接触子20の後方への移動によって空気圧縮部材55が収縮し、空気圧縮部材55の内容積が縮小する。これにより、空気圧縮部材55内の空気が圧縮され、その圧縮された空気がチューブ63を通ってノズル64からアークAに向けて吹付けられる。これにより、アークAは、消弧装置40に向けて移動させられる。この際、第1アークランナ31及び第2アークランナ32にアークAは転流し、第1アークランナ31及び第2アークランナ32によって消弧装置40の近傍にまでアークAは移動する。その後、空気の吹付け力によってアークAが更に消弧装置40に向けて駆動されることにより、アークAが消弧装置40に導かれて分断し、消弧される。そして、電源端子側と負荷端子側とが遮断される。
例えば、空気圧縮機構50は、可動接触子20が閉極位置から開極位置に動作する際に可動接触子の動作に合わせて空気を圧縮するものであれば、隔壁部材51や空気圧縮部材55に限定されるものではない。
また、第1実施形態の回路遮断器1において、空気吹付機構60は、可動接触子20の後面20bから前方に向けて延びる第1流路部60aと、第1流路部60aの前端から斜め上方に傾斜して延びて可動接触子20の前面20aに至る第2流路部60bとで構成してあるが、可動接触子20の後面20bから前面20aに至るまで延びる流路で構成されていれば、第1流路部60aと第2流路部60bとで構成する必要は必ずしもない。
10 固定接触子
11 固定接点
20 可動接触子
20a 前面
20b 後面
20c 上面
20d 下面
20e 右側面
20f 左側面
21 可動接点
22 上側後方延出板部
23 下側後方延出板部
31 第1アークランナ(導体)
32 第2アークランナ(導体)
40 消弧装置
50 空気圧縮機構
51 隔壁部材
52 後板部
53 右側板部
54 左側板部
60 空気吹付機構
60a 第1流路部(流路)
60b 第2流路部(流路)
61 第1流路(流路)
62 第2流路(流路)
63 チューブ
64 ノズル
A アーク
B 可動接触子の後面が空気圧縮部材に衝突する位置
C 可動接触子の動作範囲の中間位置
Claims (8)
- 固定接点を有する固定接触子と、前記固定接点に接触する可動接点を有し、該可動接点が前記固定接点に接触する閉極位置と前記可動接点が前記固定接点から離間する開極位置との間を動作する可動接触子と、前記可動接触子が前記閉極位置から前記開極位置に動作する際に発生するアークを転流させる導体と、該導体によって移動されたアークを消弧する消弧装置とを備え、
前記可動接触子が前記閉極位置から前記開極位置に動作する際に前記可動接触子の動作に合わせて空気を圧縮する空気圧縮機構と、該空気圧縮機構により圧縮された空気を前記アークに対して吹き付け、前記アークを前記消弧装置に向けて移動させる空気吹付機構とを備えていることを特徴とする回路遮断器。 - 前記可動接触子は、前記固定接触子の後側に配置されて前記閉極位置と前記開極位置との間を動作するものであり、前記可動接点を備えた前面、該前面と反対側の後面、上面、下面、右側面及び左側面を有する略直方体形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
- 前記空気圧縮機構は、前記可動接触子の後側に配置され、前記可動接触子が前記閉極位置から前記開極位置に移動する際に前記可動接触子の後面との間で空間を形成するとともにその空間の後側を塞ぐ後板部、該後板部の左右幅方向両端から前方に延び、前記空間の右側及び左側を塞ぐ右側板部及び左側板部を有する隔壁部材と、前記可動接触子の前記後面の上端部に前記後面から後方かつ前記可動接触子の左右幅方向に延びるとともに、前記空間の上側を塞ぐ上側後方延出板部と、前記可動接触子の前記後面の下端部に前記後面から後方かつ前記可動接触子の左右幅方向に延びるとともに、前記空間の下側を塞ぐ下側後方延出板部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
- 前記空気吹付機構は、前記可動接触子の後面から前面に至るまで延びる流路で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の回路遮断器。
- 前記流路が、2ヵ所以上設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回路遮断器。
- 前記空気圧縮機構は、前記可動接触子の後側に配置される共に、前記可動接触子が前記閉極位置から前記開極位置に動作する際に前記可動接触子の後面が衝突することにより変形し、これにより内容積が縮小することによって内部の空気を圧縮する空気圧縮部材で構成されることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
- 前記空気吹付機構は、前記空気圧縮部材に接続され、圧縮された空気を送るチューブと、該チューブの先端に接続され、該チューブにより送られた圧縮された空気を前記アークに対して吹き付けるノズルとを備えていることを特徴とする請求項6に記載の回路遮断器。
- 前記可動接触子の後面が前記空気圧縮部材に衝突する位置が、前記可動接触子が前記閉極位置から前記開極位置に動作する動作範囲のうち、中間位置よりも後方になっていることを特徴とする請求項6又は7に記載の回路遮断器。
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